P「音無さんがちっちゃくなった……」(149)
ことり「……」
P「な、なぜこんなことに」
律子「黒ずくめの人にもらった怪しい薬を、間違って自分で飲んじゃったらしいですよ」
ことり「ほんとは、まことちゃんにのませようとしたんです……」
P「どうするかな……」
律子「自業自得です。まあ、しばらくすれば元に戻るでしょう」
最近の小鳥ブームに乗っかろうと思う
のんびり書く
P「見た感じ……5、6歳ってところか」
ことり「ぷろでゅーさーさん。あたしどうしたら……」 うるうる
P「元に戻るまでは、俺と律子で事務の仕事はやっときます。とりあえず様子を見ましょう」
ことり「はい……ごめんなさい」
P「音無さんにはいつもお世話になってますから、これくらいお安い御用ですよ」
律子「そういえば、私は小さくなる瞬間をこの目で見てたからわかりますけど……」
律子「プロデューサーはどうしてこの子が小鳥さんだってわかったんですか?」
P「ああ、そりゃ……これを見ればさ」
ことり「……?」
律子「……ああ、なるほど」
ことり「なに? いんかむがどうかしたの?」
P「……」 なでなで
ことり「あー、そんなにこどもじゃありませんよっ」
P「いやいや、今はどうみても幼稚園生でしょう」 なでなで
ことり「もう、ずのーはおとななのに……」 ぷい
P「かわいいなぁ……」
ことり「……ふへへ」 てれてれ
律子「(おかしい、小鳥さんがかわいく見える)」
ガチャ
あずさ「おはようございま~す」
P「ああ、あずささん。おはようございます」
あずさ「おはようございます~、プロデューサーさん。あら? その子は……」
ことり「あ、あのですね、あたしは……って、え?」
あずさ「ふふっ、かわいいわね~」 ぎゅっ
ことり「だ、だっこなんてやめてー! このとしになって、は、はずかしいわ……」
あずさ「あらあら、いくつになったの?」
ことり「に、にじゅうちょめちょめ……」
あずさ「うふふっ、うそはだめよ? 先生は、うそついたってすぐわかっちゃうんだから~」 なでなで
ことり「あうあう……」
P「先生?」
律子「あずささん、なりきってますね……」
あずさ「お名前は?」
ことり「おとなしことりです……」
あずさ「あら? 偶然ね、ここで働いてらっしゃる事務員さんと同じ名前だわ~」
ことり「そ、それがあたしなんですっ」
あずさ「ふふ、またうそついちゃって……お鼻が伸びちゃうわよ~?」
ことり「う~……」
あずさ「……でも、音無さんはとっても優しくて、素敵な人」
ことり「……」
あずさ「うそつかないで素直になれば……おんなじ名前のあなたも、きっといつかあんな風になれるわ」
ことり「……」
あずさ「なーんてね。普段はこんなこと、ちょっと照れくさくて言えませんけれど……ふふっ」
ことり「う~……」 かぁああ
P「そういえば律子、さっきから気になってたんだが……音無さんが着てるあれは?」
律子「ああ、あれですか? あれは……」
雪歩「私が持ってきたんですぅ」 ぬっ
P「うぉ、雪歩!? 急に穴から出てくるなよ、ビックリするだろ」
雪歩「はぅっ、す、すすすすみませぇん! こんな私なんて、もう一回穴に埋まってますぅ……」
P「いやすまん、いいからいいから……ところで、なんであんな服を?」
あずさ「そのスモックも、とっても似合ってるわよ~」 なでなで
ことり「そ、そうかしら? こすぷれしてるきぶんになっちゃうんだけど……」
雪歩「えへへ……ま、真ちゃんが小さくなる、って音無さんから聞いたから……急遽」 ぼそぼそ
P「なんだって?」
雪歩「なんでもないですぅ」
あずさ「先生が絵本読んであげるからね~?」
ことり「えほん? そんなの、じむしょにあったかしら」
あずさ「えっと、確かここに……音無さんの引き出しの隠し底に……」 がさごそ
ことり「!」
あずさ「あったわ、薄い絵本~」
ことり「ちょ、ちょちょ」
あずさ「前に音無さんが、『これはただの、乙女向けに書かれた絵がついた本です』って言ってたから、そうよね」
ことり「あわわわ……」
P「薄い本……」
律子「簡単なノベル付き……」
雪歩「乙女向けですぅ……」
ことり「あ、あああずささん! それより、なんだかあたし、おなかへっちゃいました」 ぐぅう
あずさ「そう? じゃあ先にご飯にしましょうね」
ことり「ほっ……」
あずさ「お弁当、持ってきてる?」
ことり「……あ、わすれちゃった」
あずさ「あらあら……じゃあ一緒に、外に食べにいこっか?」
ことり「うん!」
P「おい、なんか段々ノリノリになってきてないか?」
律子「きっと、ずっと憧れていた大事な子扱いが嬉しいんですよ」
雪歩「……ある意味、プロデューサーのせいですぅ」
P「お、俺のせい? いつもそんなぞんざいに扱ってるつもりは……」
律子「……はぁ。とりあえず、プロデューサー。ふたりに着いてってあげてください、迷子になりますから」
P「あ、ああ。わかった……って、なんで俺?」
律子「いーから!」
てくてく
あずさ「すみません、わざわざ着いてきていただいて……」
P「いえいえ、お構いなく。迷子になったらそっちの方が大変ですから」
あずさ「ふふっ、そうですね。ことりちゃん、手を離しちゃだめよ~? 迷子になっちゃうからね」 ぎゅっ
ことり「はーい……って、あたし?」 ぎゅ
P「はは……ほら、ファミレス着きましたよ」
ことり「いっぱいならんでるけど、はいれるかしら……」
~ ファミレス ~
P「ちょっと名前書いてきますね」 たた
あずさ「ありがとうございます~。はいことりちゃん、メニューよ。なに食べるか先に決めとこうね~」
ことり「はぁい」
P「……えーっと、あと何人待ちだ……げっ、8組も!?」
P「ふたりとも、あと8組待ちだから……って」
ことり「……」 じー
P「音無さん、何のメニューを見てるんですか?」
ことり「あっ」 ささっ
P「……ふふっ」
あずさ「プロデューサーさんったら、笑うなんていじわるだね~?」
P「お子様ランチ……ふふっ」
ことり「おまけがほしかっただけですっ! ほ、ほら、いまなら、あのあにめの」
P「それはそれで2×歳としてどうなんですか……ぷぷ」
~ たるき亭 ~
ことり「けっきょくはいれなかったわ……」
P「まぁ、待ってたら昼休み終わっちゃいそうですし」
あずさ「それで、たるき亭にきたんですね?」
ことり「ここのおべんとう、あたしすきです!」
P「ええ、3人分……はい、はい。あ、ほんとですか? いやーそんな」
P「ははは……ありがとうございます! これからもひいきに……ええ」
あずさ「どうしたんですか? マスターさん、何かおっしゃっていました?」
P「結婚と出産祝いだ、今日はおごってやる、って言われちゃいましたよ」
あずさ「……まぁ」
P「いやー、ラッキーでしたね~!」
あずさ「そうですね~……ふふ、ふふふ♪」
ことり「むむむ……」
書きながら、これ小鳥さんじゃなくてもいいんじゃね、と俺はふと思った
まあいいよね
煙草いてくる
~ 765プロ事務所 ~
律子「あ、お帰りなさい……結局、お弁当にしたんですか?」
あずさ「そうなんです~♪ ふふ、ふふふ♪」
律子「? あずささん、何かいいことでもありました?」
あずさ「あら、そう見えます~? ぅふふ……」 にこにこ
ことり「ふぃー……」 すとん
P「小鳥ちゃん、ちょっと疲れちゃいました?」
ことり「そうですね、このからだですから……って、ことりちゃん?」
P「あ、すみません音無さん。あずささんの言い方がうつっちゃって……」
ことり「い、いえぜんぜん……いいですよ」
P「そうですか? なら小さくなってるあいだは、小鳥ちゃんと呼ばせてもらおうかな」
ことり「……べ、べつに……もとにもどったあとも、そのままでも……」 ごにょごにょ
P「小鳥ちゃん?」
ことり「ぴよ! な、なんでもありません!」
ことり「もきゅもきゅ……」
P「(フォークを握り締め、一生懸命におかずを食べている……)」
ことり「んく、んく……」 ぽたぽた
P「(両手で水筒のコップを持ち、ちょっとばかしこぼしながらもお茶を飲んでいる……)」
ことり「ぷはぁ……。……ぷろでゅーさーさん?」
P「……」
ことり「そ、そんなにみないでくださいよ……」 どきどき
P「ああ、すみません……」
ことり「……」 どきどき
P「……かわいい」
ことり「!」
P「いやぁ、いつかは小鳥ちゃんみたいな娘が欲しいなぁ」
ことり「……そーですか」
ことり「ふぅ……おなかいっぱい」 うつら…うつら
あずさ「あらあらことりちゃん。おねむかしら?」
ことり「ふあっ! い、いいえ、そんなこと」
P「いいですよ、ご飯を食べたら眠くなる。子どもなら当たり前です」
ことり「そ~ですかぁ~……」 とろーん
prrrrrr!
ことり「はっ! でんわだわっ!」 たたた がちゃ
P「あっ」
ことり「はい、765ぷろで……え、まちがえた? 765ぷろにかけるつもりで……で、ですからここが」
ことり「はい……はい、しょうしょうおまちください……」
ことり「……」 すっ
P「はい、お電話代わりました……ええ、いつもお世話になっております!」
P「先ほどは失礼いたしました……はい……、はい。申し訳ございません、そう言っていただけると助かります」
律子「ま、そりゃそうですよ。その声ですから」
ことり「う~……」
P「え、幼稚園児アイドルですか? ははは、そうですね! そのうち、そういうのも……はは!」
ことり「やりませんからねっ!」
P「……はい。では、失礼します」 がちゃ
P「さて……あ、やっぱり寝ちゃったか」
ことり「すぅ……すぅ……」
あずさ「ふふっ、かわいい……」 ぎゅ
P「そうですね。こうしてあずささんがだっこをしてるのを見ると、本当に親子なのかと思いますよ」
あずさ「あら、こんなにおっきな子どもいるような年じゃありませんよ~?」
ことり「むにゃむにゃ……」
P「冗談です、冗談……はは」
あずさ「プロデューサーさんったら……ふふっ」
律子「……」
律子「…………」
律子「(夫婦かよっ!!! 壁殴りたくなってきたわ!!! もしくは涼!!!!)」
ことり「……zzz」
P「……ほっぺをつついてやろう」 つん
ことり「ぴよっ……」 ぷるん
P「……」
ことり「……う~ん……」
P「……」 つんつんつん
ことり「ぴよぴよぴよ……」 ぷるぷるぷるん
P「これは……あかん」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん。ダメですよ、起きちゃいますから」
律子「あ、もしもし春香? レッスン終わった? 今なら面白いものが事務所で見れるわよ~」
ガチャ
春香・真・雪歩「「「ただいま戻りました(ですぅ)ー」」」
春香「律子さん、面白いものって……はっ!」
真「こ、この子は~……!」 きらきら
律子「よしよし。ちゃんと秘密にしてくれたのね、雪歩」
雪歩「えへへ……真ちゃんの驚く顔が見たくて……」
あずさ「あらあらみんな、お帰りなさい」
ことり「すぅ、すぅ……」
春香「くぁ、くぁ、くぁわいい……!」
P「静かにしろよ、起きちまうからな」
真「だ、だだ誰の子なんですかっ! はっ、まさかプロデューサーとあずささんの……!?」
あずさ「ふふっ、そう見える~? そうね、内緒にしようと思っていたのだけれど……」 にこにこ
春香「えっ!? 嘘、そんな……」
P「あずささん、悪ノリはやめてください……」
春香「わた、私もだっこしていいですか~……?」
あずさ「もちろんよ……はい、そ~っと……」
ことり「……んむ……」
春香「えへへ……、かわいいなぁ」 ぎゅっ
真「春香がだっこすると、姉妹って感じがするね!」
P「(さっきの発言と合わせて考えると、真がとんでもないことを言っているような気がする)」
ことり「……ぴよ?」 ぱちり
春香「あ、お、おお起こしちゃった!」
ことり「は、はるかちゃんっ? なんで、え? ここは……」
春香「ご、ごめんね、泣かないで~……よーしよしよし」
ことり「なきませんっ! もうっ、みんなしてこどもあちゅかいして……」
ことり「……」
P「あちゅかい?」
ことり「う~……」 かぁああ
ちょい寝るぽ
あずさ「ところで、プロデューサーさん。ことりちゃんはどういった理由でここにいるんですか?」
春香「えっ!? あずささん、知らずにあんなに馴染んでたんですか?」
あずさ「ふふっ、誰のお子さんなのかも、実は知らないのよ~」
真「というか、ことりちゃん? てことはまさかこの子……」
ことり「そ、そうなのよ。じつは、あたしは……
P「俺が学生時代に世話になったアパートの、管理人さんの娘なんだ」
ことり「!?」
P「お母さんは音無響子さんと言ってな、そういえば春香って名前のお姉ちゃんがいるはずだが……」
春香「へぇ、すごい偶然ですね!」
P「(つい嘘を付いてしまった。まぁ、その方が面白そうだしな)」
ことり「ちょ、ちょっとぷろでゅーさーさん? めぞんいっこくなんて、いまのこは……」
真「よろしくね! ことりちゃん!」 なでなで
ことり「まこぴよっ! ……えへへ……ま、まぁ、それでもいいかな……♪」 にこにこ
律子「それじゃあ、あずささん。私たちもそろそろ行きましょう」
あずさ「はぁい。じゃあね~、ことりちゃん」
ことり「いってらっしゃーい♪」 にこにこ
真「頑張ってくださーい!」 ぎゅ
P「(真にだっこしてもらってるせいか、今の小鳥ちゃんはかなり上機嫌だな)」
ガチャ バタン
春香「ね、ねえねえことりちゃん! 何してあそぼっか!」
真「おにごっこする? それともかくれんぼ!?」
春香「あ、そういえばクッキー焼いてきたんだ! 食べてみて食べてみて! ほら、あーんして!」
真「春香のクッキーは最高だろー!? ほらほら、ボクもしてあげる! あーん!」
ことり「むぐむぐ……ちょ、ちょっとふたりとも……むぐっ」
P「ははは、ふたりともしっかりお姉さんができてるなぁ!」
ことり「ぷ、ぷろでゅーさーさん……たすけ」
P「(小鳥ちゃんも、みんなに大事にされてとても嬉しそうだった)」 パーフェクト・コミュニケーション
~ 夕方 ~
ことり「うぅ……」 ぼろ…
P「どうしたんですか、小鳥ちゃん」
ことり「みててわからなかったですか~……」
P「あのあと来た、真美とか千早にもみくちゃにされてましたね」
ことり「そりゃ、かまってもらえるのは、うれしいですけど……」
P「……」
ことり「さすがに、このからだじゃもちませ~ん……」
P「……」
P「……お疲れ様です」 なでなで
ことり「ぴよっ!?」
P「今日一日、よく頑張りましたね」 なでなで
ことり「……ぁ、……ぁぅぁぅぁ……」 ぷしゅー
P「撫でられるのは、子ども扱いされてるみたいで嫌ですか?」 なでなで
ことり「ぁ、い、いえっ! きょういちにちで、なれましたからっ」
P「そうですか、それならよかった……」 ぽん、ぽん
ことり「ぁ、ぁ、あ……ありがとござます……げんきでました、はい」
P「……さて、と。じゃぁ、そろそろ帰る準備を……」
ことり「……あの! ぷろでゅーさーさん!」
P「ん、どうしたんですか?」
ことり「……も、もう」
P「もう?」
ことり「……その……」
ことり「なでなで、もう、おわりですか……?」
P「でも、さっき元気出たって」
ことり「もう、げんきなくなりましたっ!」
P「そうは見えないけどな……でも、それくらいのことでいいなら、いくらでも」 すっ…
ことり「……!」 ぎゅっ
P「そんなに身構えなくてもいいんじゃ……」 なでなで
ことり「……~!」 ぷるぷる
P「……」 なでなで
ことり「……ぷはぁ」
P「はは、顔真っ赤ですよ。満足できましたか?」
ことり「ま、まだですっ」
ことり「……できれば……さっきみたいに、がんばったね、ことり、って……」
P「……頑張ったね、小鳥。」 なでなで
ことり「……~! ……えへへぇ……」 にこにこ
P「さ、それじゃあ本当に……そろそろ帰りましょうか」
ことり「そうですね……えへへ」
ガチャ
P「戸締りよーし」
ことり「こんなにはやくかえれるなんて、しゃちょうにかんしゃですね」
P「社長は前から、“音無さん”に甘いところがあったからなぁ……」
ことり「……むむ」
P「……小鳥ちゃん、に」
ことり「んふふ……」
てくてく
ことり「(あ、もうわかれみちだ……)」 ぴた
ことり「……じゃあ、ぷろでゅーさーさん……こ、このへんで……」
P「? 何言ってるんですか?」
ことり「え?」
P「小鳥ちゃんは今日、俺の家に泊まるんですよ?」
ことり「……え」
P「その体じゃなんにも出来ないでしょう。俺の知人の娘って設定なんだから、俺が預かることになったんです」
ことり「……ぇ」
P「……小鳥ちゃん?」
ことり「ぇ、ぇ、ぇえええぇ!?」
ことり「( ど、どどどどうしよう、そんなきゅうにいわれても!
だってあたし、なんにもきいてないし、なんにもじゅんびしてない
いやもしかしたら、そういうはなしになってたのかしら?
ぷろでゅーさーさんのくちぶりだとそうよね
あたしがもみくちゃになってるあいだに、そういうことにきまったのかも
ああ、りつこさんやゆきほちゃんは、なんでなにもいってくれなかったの!
ふたりはじじょうをしってたくせに! あいや、いまはいいわ、むしろありがとう
ってなにがありがとうなのよ! あわわわ……
そ、そもそもじゅんびってなに? あたしのからだはいまこんなんだし、
べつになにもしんぱいすることなんて……そ、そうよ!
ぷろでゅーさーさんも、あたしがこどもになっちゃったから
いえにいれてくれるんであって……あ、あたしがおとなのままだったらどうなのかな
いえにしょうたいしてくれるのかな? えへへ……ど、どうなのかな
って、ちがうちがうちがう! いまは、それどころじゃないの!
きょうのしたぎは……あ、じむしょにおきっぱなしだ! もう、ばかばかばか
あ、いやべつにね? したぎなんてどーでもいいんだけど、いちおうね? れでぃーだから
えっと、じゃあわたしがいまはいてるのは、なんだっけ?
ゆきほちゃんがよういしてくれた、このしたぎは……そう、かぼちゃぱんつ!!!! )」
P「小鳥ちゃん? 大丈夫ですか? 顔真っ赤だけど……」
ことり「だ、だだいじょうぶです! かぼちゃぱんつですから!」
P「はぁ……」
~ Pのおうち ~
P「まぁ、適当にくつろいでてください。俺は今から夕食の準備しますので」
ことり「は、はい!」
トントントントン…
ことり「(ぷろでゅーさーさんは、おりょうりをしはじめたようね)」
ことり「ここが……ぷろでゅーさーさんのへや……」
ことり「……」 うずうず ちら…
ことり「べっどにだーいぶっ!!」 ぼふん
ことり「ぇへへえへ……すんすん」
ことり「ぷりょりゅーしゃーしゃんのにほいがする~……ぇへへ」
P「あ、それと……」 すっ
ことり「……z、zzz……」
P「寝ちゃったのか……やっぱ疲れてたのかな」
ことり「(やばいやばいやばいやばい)」
ことり「zzz……はっ」
ことり「あたしとしたことが、ほんとにねむっちゃったみたい……あふぅ」
P「あ、起きましたか。ちょうど出来上がったところですよ」
ことり「いいにおい……かれー?」
P「ええ。思いっきり甘口にしときましたから、きっと今の状態でも……」
ことり「……」
P「……?」
ことり「ずるい、そーいうの。やさしい……ばかばか」 ごにょごにょ
「「いただきまーす」」
ことり「もぐもぐ……」
P「食べられますか?」
ことり「うん! おいしぃ」 にぱー
P「(かわいいなぁ)」
ことり「(うん! とかいっちゃった。はずかしい……)」
ことり「ごちそーさまでしたー」 ぱんっ
P「ごちそうさまでした……ふふ」
ことり「? なぁに?」
P「いや、手をパンッってやったのが……なんだか可愛くて」
ことり「……」 かぁああ
ことり「(ごはんがおわり、いよいよきてしまった……おふろたいむ)」
ことり「の、のぞかないでくださいよっ」
P「はいはい、大丈夫ですよ」
ことり「……のぞかないでくださいよっ」
P「何度も言わなくても……」
ことり「……ちょっとくらいきょーみもってくれても……いいのになぁ、なんて」
P「逮捕されます。わりとマジで」
ドンガラガッシャーン!
P「!?」
ガララ…
ことり「ぷ、ぷろでゅーさーさ~ん……」 ぽた…ぽた
P「ど、どうしたんですか!? すごい音しましたけど……」
ことり「なんといったらいいんでしょう……もう、なにもかもとどきません……」
P「……やっぱり、俺が手伝いますね」
ことり「う~……」
ブォオオー…
ことり「……」
P「……髪、サラサラですね。いやー、こんな綺麗な髪を乾かせるなんて、光栄ですよ」
ことり「……」 ぷい
P「そろそろ機嫌直してくれても……」
ことり「お、おこってなんかいません。ただ……」
ことり「(はずかしい……だれにもみせたことないからだを、まさかこんなかたちで……!!)」
ことり「……ちんちくりんとはいえ、はだかをみられたんだから……せ、せきにんとってください!」
P「いいですよ、じゃあ何でも言うこと聞きましょう」
ことり「えっ、ほんと?」
ことり「(じょうだんのつもりだったのに! あ、あ、ど、どどどうしようなにおねがいしよう!)」
P「あと10秒~。じゅーう、きゅーう」
ことり「ぁ、あぅ、ぁうぁう……ま、まってよ~……」
飯いてくる
P「ごーお、よーん……」
ことり「じゃ、じゃあ!」
P「決まりましたか?」
ことり「きょ、きょうは……あたしといっしょに、ねてください!」
P「……」
ことり「ち、ちがいますよ? べつに、やましいきもちなんかなくて」
P「あ、いえ、そんなこと……」
ことり「ただ、そう……あれです! あ、あたし、いえにおっきなくまのぬいぐるみがあって」
ことり「まいばん、それをぎゅってしてないとねむれないから……そ、そう! それです!」
P「あの」
ことり「ぷろでゅーさーさんはきょう! ぬいぐるみがわりに、あたしにりようされるだけなんだから!」
P「……ふふ。わかりました、それなら利用されてやりましょう!」
ことり「(あたしったらなにいってるの~~!! でもやった~~!!!)」
P「それじゃあ、電気消しますね」
パチン…
P「お休みなさい」
ことり「お、おやすみなさい……」 どきどき
ことり「(あのあと、ぷろでゅーさーさんもおふろにはいって……)」
ことり「(きょうやることがすべておわったあたしたちは、あたしののぞみどおり……)」
ことり「(い、いっしょに、ふとんのなかに……はいりました……)」
P「……zzz」
ことり「……なんでこのひとは、こんなによゆうなの……」 どきどき
ことり「(でも、そりゃそうです。あたしはいま、5さいじなんですから……)」
ことり「……こ、これはそう。ぷろでゅーさーさんは、いまぬいぐるみなんだから、しかたのないことよ」
ことり「……えい」
ぎゅっ…
P「……む……」
ことり「ぇへ、ぇへへへ……ぎゅー、だって……ぎゅってしちゃってる、あたし」
P「……」
ことり「(ふへへ……いいにおい)」 すんすん
なでなで
ことり「!?」
P「……眠れないんですか?」
ことり「あ、あ、おきて……」
P「まぁ、そりゃちょっと……びっくりしましたから」
ことり「びっくり……そうですよね、かってに、こんなこと……ごめんなさい」
P「いいですいいです、気にしないでください」
なでなで…
P「突然体が小さくなって、“音無さん”だってとても驚いたし、心細かったはずです」
ことり「あ……お、おとなしさん、って……」
P「……今は、小さな子ども相手じゃなくて。いつもの、大人の音無さんを相手にしてるつもりで話します」
ことり「……はい。じゃあ、いまからあたしは……ことりちゃんじゃなくて、おとなしさんです」
ぎゅー…
P「今日事務所で、律子が言ってたんですよ」
『きっと、ずっと憧れていた大事な子扱いが嬉しいんです』
P「……俺は、アイドルたちみんなを大事にしているつもりです」
P「だけど、その分……音無さんは、自分が適当に扱われてる、という不満を持っていたのかもしれません」
ことり「ふまんだなんて、そんなこと……」
P「まぁ、俺が勝手に考えただけですから……聞いてください」
P「相対的に見たら確かに……他のアイドルたちに対する態度と、音無さんに対する態度は違っていたかもしれない」
P「音無さんだって、女の子なんだから……そういうことで、嫌だな、と思うこともあったかもしれません」
ことり「(べ、べつにそういうことは……ない、はずよ。たぶん……)」
P「だからこれからは、それを変えます。音無さんは、いつだって俺に甘えていい」
P「元に戻ってからも、今みたいに甘えていいです」
ことり「……ほんと、ですか?」
P「ええ。今日一日、いつもと違う音無さんを見れて……」
P「もしかしたら、これが音無さんの本当の姿なんじゃないかと思ったんです」
ことり「……」
P「だからこれからは……他のアイドルたちと同じように、いつでも俺を頼ってください」
P「そうすることで、音無さんが楽になるなら……俺も嬉しいです」
ことり「……」
ぎゅー…
ことり「……ほんきに、しちゃいますよ?」
P「もちろん構いません。音無さんは、いつでも今みたいに……ちっちゃくなっていいです」
ことり「……ばか。ばかばか……」
~ 真夜中 ~
P「……zzz……」
ことり「すぅ……すぅ……」
ことり「…………はわっ」 ぶるっ
ことり「……」 むくり
ことり「どうしよう、おしっこいきたい」
ことり「(さっきまでのあのいいむーどは、どこへいってしまったのかしら……)」
ことり「……といれ、いかなきゃ。でも……」
シーン…
まっくらー…
ことり「こ、こここわい……なんで? べつにそんな、たいしたことじゃないのに……」
ことり「へや、すっごいひろい……すみっこになんかいたら、どうしよう? ぁうぅ……」
P「……zzz……」
ことり「ぷろでゅーさーさん……こんなことでおこすのは、さすがにね……」
ことり「……」
ぶるぶる……
ことり「あたしのぼうこうは、もうげんかいにきている」
ことり「えーい! いっきにいっちゃえー!」 たたた
ジャー…
ことり「ふぅ……すんでみれば、たいしたことなかったわね!」
ことり「(それにしてもちょっと、のどがかわいちゃった。おちゃでものみたい)」
ことり「ごめんなさい、ぷろでゅーさーさん。ちょっとれいぞうこ、あけますね~……」
ガチャ
ことり「おちゃ、おちゃはどこかなー……あ、くろらべるだ!」
ぷしゅ…ごく、ごく
ことり「!!!?」
ことり「つい、はんしゃてきに……びーるのんじゃった……うぇえ、にがい~……」
ことり「……あら? なんだか……からだが、あつい……ような」 ぼー
ことり「こんなちょっとでも、こどもだとよっちゃうのね……ああもう、はやくべっどにもどろう……」 たたた
~ 翌日朝 ~
バリ…
P「……んあー? なんだ、この音……?」
バリバリバリッ!
P「!?」
P「な、何かが破けてる音か? 音無さん、だい、じょう……ぶ……」
小鳥「……ぃ」 ぷるぷる
P「(俺が、隣を見ると、そこには……バラバラにちぎられた、子ども向けのパジャマ……そして)」
P「(……一糸纏わぬ姿の、小鳥ちゃん……いや……、音無小鳥さん(2×歳)の姿があった)」
P「お、おはようございます。いや、いい朝ですね」
小鳥「ぃやぁーーーーー!!!!!!」
~ 765プロ事務所 ~
P「おはようございます……」
律子「おはようございます、プロデューサー。どうしたんです、その顔……」
P「いやちょっと、寝ぼけて転んじゃってな……」 ヒリヒリ
律子「転んだ? 手のひらみたいな形に腫れてますけど……って、そこにいるのは!」
小鳥(Eジャージ)「……」 むすー
律子「小鳥さん! 元に戻ったんですね!」
小鳥「おかげさまで……」
P「……はは」
律子「……」
律子「(ははーん、なるほど)」 メガネクイッ
あずさ「おはようございます、プロデューサーさん。ふふっ、なんだか今日はアンパンマンみたいですね~」
P「はは……もう笑うことしかできませんよ」
あずさ「あら? 今日はことりちゃん、来てないんですか?」
P「ああ、小鳥ちゃんは……響子さんが昨日、引き取りに来ました」
あずさ「そうなんですか……残念ね、また一緒に遊びたかったのに……」
小鳥「……あずささん、おはようございます」 ぬっ
あずさ「まぁ、音無さん! おはようございます~」
あずさ「昨日はお休みしていたようだけれど、どこか具合でも?」
小鳥「そ、そうですね! ちょっとばかり、甘えん坊になる病気にかかっちゃってたのよ……」
あずさ「? 実は昨日ね、音無さんと同じ名前の女の子が来てて~……」
小鳥「あ、ああ、そ、そそうなんですか~! ふぅ~ん!」
あずさ「それがとってもかわいくって……ねえ、プロデューサーさん?」
P「……そうですね。娘にしたいくらい、可愛らしかったです」
小鳥「……」
P「たぶん、あの子は大きくなったら……どんなアイドルにも負けないくらい、素敵な女性になります」
小鳥「……!」
あずさ「ふふ、そうですね~。またいつか、会えるといいなぁ……」
P「たぶん、会おうと思えばすぐ会えますよ。ねえ、音無さん?」
小鳥「な、ななななんであたしに振るんでしゅか」
あずさ「それで、昨日たるき亭のマスターさんが私たちのことを~……ふふ、ふふふ♪」
小鳥「……むむむ」
P「(なんだろう、火花が散ってるように見える……)」
小鳥「ぷ、プロデューサーさん! ちょっと、こっちに来てください」 ぐいぐい
P「は、はい」
あずさ「あら、残念……プロデューサーさん、とられちゃったわ~」
律子「……あずささん、本当に気付いてないんですか?」
あずさ「?」
律子「……ま、まぁいいです。現実味のない話ですから」
~ 給湯室 ~
小鳥「……」 ぎゅ
P「え!? お、おおおお音無さん!?」
小鳥「静かにしてください……バレちゃいます」 かぁああ
P「……」
小鳥「……あたし、昨日言われたこと、忘れてません」
P「……いつでも、甘えていい、って話ですか?」
小鳥「そうです……忘れません……」 ぎゅー…
P「そ、そうは言っても……」
小鳥「今が、甘えたいタイミングなんです……ばか」
P「……」
P「(きゃ、キャラが変わっておられる。いや、これこそが本当の姿だって、昨日俺が言ったんだけど……)」
P「(これは……あかん)」 どきどき
小鳥「……ふふ」
P「な、なんですか?」 どきどき
小鳥「やっと、プロデューサーさんの心臓の音、聴こえました」
P「……」
小鳥「昨日、ちっちゃくなって、あなたの家に行ったとき……あたしはずっとドキドキしてたんですから」
P「そ、そうですか……」
P「(何を喋ったらいいか、わからん……小鳥ちゃんのときはあんなに平然としていられたのに!)」
小鳥「……あ、あの」
P「……どうしたんですか?」
小鳥「今朝も、あたしの裸、見ましたよね?」
P「う……は、はい」
小鳥「責任、とってください……その、つまり……一個だけ、お願いきいてください」
P「……わかりました」
小鳥「……今夜も」
P「……」
小鳥「ちっちゃくなって、いいですか?」
おわり
おわりです。読んでくれた方、ありがとう!
オチが思い付かなかったよぉおお!
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