P「……あの人は今?」(681)

――765プロ事務所

prrrrrr……ガチャッ

小鳥「はい、765プロです。
あ、お世話になっておりますー。只今変わりますので少々お待ちください」

小鳥「プロデューサーさん、お電話です。ブーブーエスのディレクターさんですよ」

P 「 おっとマジですか。はいはい了解ですよーっと」ガチャッ

P「只今変わりましたー。お世話になっておりますー」

P 「 あ、オファーですか!?ありがとうございます!で、誰を向かわせましょう?」

P 「 ……え、アイドルはいらない?失礼ですがどういった企画で?」

P「……あの人は今?」

P 「え、いや、とんでもございません!…ただ、本人の了承を得ない事には…」チラッ

小鳥「…?」アーソウダオチャイレテコヨー

P「 え、ええ…。いや、こちらにとってもTV出演は願ってもない話ですし――はい」

P「分かりました。善処致します。ええ、直ぐに折り返し連絡を入れますので――」

小鳥(オファーの話かしら…?それにしては随分と慌てているような)アーオチャオイシーナー

P「 はい、是非ともよろしくお願いいたします…。はい、それでは!」ガチャッ!!

P「―――ハァー…」

小鳥「どうしたんですか?TV出演の話じゃないんですか?」

P「 え、ええ。一応そうなんですけどね…アハハ…」

小鳥「はぁ?どうされたんですか?」ズズゥ…

P「音無さん、歌えます?」

小鳥「はい?」ピタ

P 「 オファー来たの、音無さんなんです…。題して『あの人は今!!』

小鳥「」

小鳥「え、ええええええええ!!!!!」

小鳥「ちょっとそれ、どうゆうことですか!?」

P「 いや、聞いた話ですが、音無さんも以前アイドルだったそうで…?」

P「 昨今のアイドルブームに添って、××年代アイドルの特集を組みたいって先方の話でして…」

P「音無さんには、是非とも持ち歌をスタジオで披露して頂きたいって……」

小鳥「そ、そんな事言われても、私、無理ですよ!!」

小鳥「ブランクだってあるし、いや、そんな……」

社長「あー、ウォッホン!」

社長「あー、君、その話は本当かね?!」

小鳥「」シマッタシャチョウガクイツイテル…

P 「はい、本当です。ゴールデンの特番で、出演予定に日高舞の名前もあるそうです」

P「 …間違いなく本気、でしょうね」

社長「そうか…。いや、ウチは確かにアイドル事務所で、音無君は既に引退した身だ」

社長「だが、今月の売上がちょっと寂しいのも事実なのだよ…」

社長「ここで音無君が協力してくれると、私としてもかなり助かる話なんだが…」チラッ

小鳥「」プクプクプクプク

P「社長命令じゃ仕方ないですね。じゃ、先方には了承の返事入れておきます」

社長「さて、音無君の現役時代、彼女をプロデュースしたのは何を隠そうこの私だ!」

社長「彼女は確かに大成しなかった…だが、潜在能力はあの日高舞にすら引けを取らなかったと自負している!!」

社長「出来る事なら私自ら手を下したい所だが、ここは君に譲ろうと思う。頼りにしてるよキミィ!」

P「 は、はい…、分かりました」

P (社長、随分嬉しそうだなおい。)

翌日―――

春香「お早うございまーす!」

小鳥「あら、お早う春香ちゃん今日も早いわね…」

春香「?音無さん、どうして ジャージ姿なんですか?」ココロナシカゲンキナイシ

P「 お早う春香。あー、早速で悪いんだけどさ。今日は音無さんのレッスン付き合ってくれないか?」

春香「のワの?」

P「 実は、かくかくしかじかでなぁ…」

小鳥「シクシク…」

すまん、寝る。
あと頼んだ

春香「ええええ!音無さんって以前アイドルだったんですか!?」

春香「しかもゴールデンで一夜限りの復活ライヴ…羨ましいなぁー」

春香「すごいじゃないですか!音無さん!頑張りましょう!!」

小鳥「」ウワーハリキッチャッテルヨ

P「 一応、本番は1ヶ月後だから、まずは無理しないで体力作りと発声練習から初めて下さい」

P「 春香、いつものメニューで良いから音無さんと一緒にこなしてくれ」

春香「分かりました!」

春香「でも、なんで私なんですか?そんな、大役ですねぇ」

P「 そりゃ今日のお前の仕事がないからだよ。こんな事しないで済むようもっと頑張れ」

春香「」

きた!これでかつる!

律子「お早うございます、プロデューサー殿」

P「 おお、来たか律子。社長から話は聞いてるな?」

律子「はいはい、しばらく私が内勤って感じで良いんですよね?」

P「 ああ、悪いな…竜宮小町もノッて来てる時で悪いんだが、ちょっと頼む。俺も出来る限り協力するからさ」

律子「いえ、大丈夫ですよ。せっかくの小鳥さんの晴れ舞台ですからね!」

小鳥「ちょっと律子さん、私そんなつもりじゃ…」

P「 腹くくりましょう音無さん。上手く行ったら飯でも驕りますから。ね?」

小鳥「ピヨっ!?」

小鳥「………」

小鳥「………ご飯、だけですか?」

P(はぁー、流石にこんなもんじゃ釣れないかぁ)

P「 分かりました、よし。じゃあ奮発してデートでもしますか!なー…

小鳥「分かりました!頑張りましょう!!」

P(…んて冗談だったんだけど、本気になってしまった)

春香「あー、音無さん良いなー」メガワラッテナイ

律子(まーたコイツは…)ギロリ

P「 あは、あははははは…」


>>1
もしかしてマンニクーの人?

そんなこんなでアイドルが集合しました。

P「 よーし、みんな揃ったなぁ!スケジュール確認する前にちょっと聞いてくれー」

P「 これは事務員の音無さんの事なんだが――」

小鳥「ドキドキ…」

アイドル達『アレーピヨチャンナンカジャージキテルヨー、メズラシイコトモアルモンダネー』ワイワイガヤガヤ

P「 音無さんが急遽テレビ出演する事になった。詳しい経緯は省かして貰うが、その間、俺と律子が協力して事務を行う」

P「 いつものクセで経費の領収書を音無さんに渡さないように頼むぞー。雑務の要望も全部俺か律子に言ってくれ」

アイドル達『エーピヨチャンガテレビー?ナンデナンデー』ガヤガヤ

P「 よーし、じゃあ今日のスケジュールを発表するぞー!」

>>36
違うでがんす

美希「ハニーお待たせなの!」

P「 お、美希準備いいかー?んじゃブーブーエスに行きますか」

ガチャ
ブロロロロロロ…

美希「ねえねえハニー、ピヨちゃんがテレビ出演ってどーゆう事なの?」

P「 何って、聞いての通りだよ。テレビに出て唄って踊るの。あの人、元アイドルらしくてな」

美希「へぇー、なの」

P(まぁみんなにはわざわざ隠さないでも良いか…)

P「 結構凄いアイドルだったらしいぞ。まぁ社長によると…だけどな」

美希「じゃあハニー、ピヨちゃんをプロデュースするの?」

P「 うん、まぁ一応そうなるな」

美希「…これは由々しき事態なの」ボソッ

P「 なんか言ったかー?」

美希「な、なんでもないの!」

ブーブーエススタジオ内――

カーット!!
ヨーシオツカレサマー!ミキチャンアイカワラズイイネー!!

ディレクター「やぁ、765プロさん。昨日のオファー、受けてくれるんだって?」

P「 あ、どうもお疲れ様です。いえ、こちらこそありがとうございます!本人も偉く張り切ってますよ!」ヨワタリヨワタリ

ディレクター「音無君、だよね。それなりの尺確保してるから、よろしく頼むよー?」

P「 あ、あはは…、はい、こちらこそよろしくお願いいたします!」

P「 あ、所でディレクターさん、聞きたい事があるんですが…」

ディレクター「どうしたの?」

P「 音無小鳥の代表曲。その原盤を探してましてー」

P「 ブーブーエスに残ってたりしませんよね?」

ディレクター「……うーん、以前のライヴ映像ならあったと思うけど、原盤までは流石にないかな?」

P「 あ、映像だけで構いません!」

P「 そうですよねー、流石に原盤が残っているわけないですよね」

ディレクター「なんで?765プロさんにないの?」

P「 確かディレクターさん、日高舞さんからのご紹介でウチの音無にご連絡頂いたと思うんですが…」

P「 彼女、元々961プロのアイドルだったらしいんですよ…」

ディレクター「あらー、そうなの?」

P(うーん、やっぱ961プロに行かなきゃダメだよなー…)

美希「ねえねえハニー!今日も美希いっぱい頑張ったよ!ご褒美欲しいなーなんて」

P「 美希、済まないな。ちょっと行かなきゃならない所があるから今日
は直帰で」ハイ、コウツウヒ

美希「」

P「 じゃあ、気を付けて帰るんだぞー」

タッタッタッタッ

美希「行っちゃった…」

美希「ハニー、あんまりなの…」セメテタクシーダイグライニシトケッテオモウノ

おい>>1どこいったはよ

ピヨピヨ

ピヨピヨ

ピヨピヨ

ピヨピヨ

ピヨー…

http://i.imgur.com/OWF5O.jpg
支援

>>85(;´Д`)ピヨピヨ

ごめん、まさか残ってるとは


小鳥、体力作り中――

春香「音無さん、大丈夫ですか?」

小鳥「はぁっ、はぁっ…。いやぁ、やっぱり現役アイドルには敵わないわぁ」ツカレター

春香「いえ、でも流石ですよ。私、最初の頃はもっともっとへばってましたもん」テヘヘ…

小鳥「そういえば、春香ちゃんが765プロに入って来た頃は―――

小鳥(歌唱力は微塵もないし、何もない所でよく転ぶし……)

小鳥(私から見てもこの子本当に大丈夫?って……それが今ではきちんとアイドルやれてて……)

小鳥(ああ、春香ちゃんって本当に成長したんだなぁ…)ジーン

春香「なんか言わんとしてる事がまる分かりでちょっとショックなんですけど――」ジーッ

いやっほぅ

ピヨピヨ

小鳥「い、いえ。そんな変な事、思ってないわヨ?」ピヨピヨ

春香「ムーッ」

春香「ちなみに音無さん、どんな歌を歌ってたんですか?私、単純に興味あります!」

小鳥「そんなたいした事ないわよ?CMソングとか、アニメの主題歌とか――」

小鳥(そういえば、一度だけ、オリコンの上位に入った事があるのよね…でも…あの曲は……)シュン

春香「音無さん?」

小鳥「いや、いやいやなんでもないのよ!?あはは、本当なんで私なんかがテレビに出る事になっちゃったのかしらね!?」

春香「?」

小鳥「あは、あはは。まぁそんな話は良いじゃない!続き、頑張りましょう?」

春香「あ、はい。そうですね!」

春香(まぁ過去の事、詮索するのってあんまりよくないよね)

春香(むー…)

春香(でもやっぱり興味あるなぁ…)

ピヨあの人

961プロ―――

黒井「なんだ?誰かと思えば高木の所のプロデューサーじゃないか。いったい何の用だ?」

P「 どうも…その節はお世話になりました。実は折り入ってお願いがありまして…」

黒井「お願いだと?貴様、どの面下げてそんな事を私に言うつもりなんだ?」

P「 ウチの事務員、音無小鳥のテレビ出演が決まりました」

黒井「音無…だと?」

P「 以前、彼女が961プロのアイドルであった事はこちらも把握してます」

P「 彼女の代表曲、その原盤を探しています。確かオリコンチャートで上位に入った曲があったはずです」

黒井「……」

P「 ウチの社長…高木も今回の話に大きな魅力を感じています。どうかご協力願いませんか?」

ピヨピヨ

ピヨー

黒井「……協力か。しかし貴様が私に協力を仰ぐなど765プロをついに底が見えたか?」

P「 勿論、貴方が我が765プロして来た仕打ち。忘れた訳ではありません」

P「 黒井社長。実は今回の件に関して、高木より言伝てがあります」

黒井「……言ってみろ」

P「 『日高舞、彼女に雪辱を晴らしたくないか?』との事です」

黒井「………」

P「 それに関する意味は私には存じ上げません」

P「 しかし、黒井社長はわかってくれるはずだと高木は言っていました」

黒井「……原盤は既に処分している。私の手元にはもうない」

P「 そうですか…」

ピヨピヨ

黒井「だが」

黒井「……少し待っていろ」ガチャガチャゴソゴソ

黒井「当時発売されたCDだ。これで構わないか?」スッ…

P「!!」

P「 あ、ありがとうございます!十分です!」

黒井「用は済んだな?ではさっさと失せろ」

P「 はい、ありがとうございました。では、失礼します」ガチャ

黒井「音無君…」

かわいい

ピヨピヨ

P「 社長、只今戻りました!」

高木「おお、お疲れ様だよ君、して、どうだったかね?」

P「 原盤は既に処分していたそうです。しかし、これを渡されました」サッ

高木「おお、懐かしいなぁ…」シミジミ

P「 これを基に、原盤の再作成を発注します。ライブ映像はブーブーエスから貰って来ましたので振り付けも問題ありません」

高木「うむ、存分にやってくれたまえ!」

P「 しかし、意外でした。まさかあの黒井社長が我々に協力するとは…」

P「 私は詳しく聞いてませんでしたが、社長が961プロから独立したという噂。本当だったんですね」

高木「……まぁ、それは君にもおいおい話すとするよ」

高木「ともかく、今回の音無君の件、しっかりと頼んだよ」

P「 はい、分かりました」

都内某所――

ディレクター「おー、いたいた舞さん!こっちこっち!」

舞「お久しぶりね」

以下D「うわー、相変わらず綺麗だね。まだまだ第一線張れるんじゃないの?」

舞「今回の企画を元に、再デビューするつもりよ?」

D「 うんうん、それが良いよー。ウチも舞さんにはバシバシオファー出しちゃうよ」

舞「ふふ、相変わらず調子良いことばかり言っちゃって」

舞「で、私が話したあの子。どうなったの?」

D「 えーと、音無小鳥、だっけ?一応向こうは出演に応じるって話だよ」

舞「そう……。ふふ、あの時の決着。ようやく着ける時が来たのね」

D「 音無小鳥ねぇ…。正直彼女、そんな知名度高くなかったよ?どうしてこだわるんだい?」

舞「別に彼女と直接面識を持っている訳じゃないわ」

D「 なら、尚更…」

舞「貴方は知ってるでしょ?私は負けず嫌いなの」

舞「だからこそ。なのよ」

P「 お疲れ様でーす」

律子「はい、お疲れ様です」

P「 あれ、律子。音無さんは?」

律子「あそこでグデーッてなってる物体がそうですよ」チラッ

小鳥「」グデー

P「 あらー…。音無さん」

小鳥「あ、プロデューサーさぁん…」

小鳥「恨みますよー…。なんで私がこんなこと…」

P「 いやぁすみません。でもすぐに勘は取り戻せるはずですよ」

P「 あ、そうだ。今回歌って貰う曲が決まりましたのでお見せしますね」ガサゴソ

P「 これです!!」ババーン!!





ババァーン

>>124
許さない

小鳥「」

P(……あれ?)

小鳥「よりによって、ソレ…なんですね…」

P「 音無さんの代表曲と言えばコレ!と伺っていたんですが…、違いました?」

小鳥「違くはないです…。でも…」

小鳥「……」

小鳥「すみません、私、今日は疲れちゃったんでお先に失礼します!!」タタッ

P「 あ、音無さん!?」

P「 行っちゃったよ……」

律子「……プロデューサー、ちょっとそのCD、見せて貰えます?」

P「 ああ、はいはい」

律子(えーっと発売日は……)パソコンカチャカチャ

律子(えーっと、確かこの時期は…)カチャカチャ

律子(ふうん、成る程ねぇ…)

小鳥さんの過去にいったいなにが

P「 律子、何か分かったのか?」

律子「うーん、分かったような分からないようなって感じなんですが…」

律子「こればかりは音無さんに聞いてみないと…」

P「ええと…、ちょっと見せてくれないか」ノゾキノゾキ

P「発売週チャート3位…当時のアイドル最高位だな。立派なものじゃないか」

律子「見て欲しいのはここ、なんですけど」カチャカチャ

P「??」

律子「この音無さんのシングル発売先週、日高舞が妊娠発覚。翌週のチャートを大きく下げてるんです」

P「 あー…成る程ね」

P「 ……当時の週刊誌、欲しいな」

ピヨ

翌日――

小鳥「お早うございますー…」

亜美「おー、ピヨちゃんだー」

真美「おー、本当にジャージ姿!あの噂は本当だったんですなぁ!」

小鳥「い、いやあねぇ。あは、あはは…」

P「 こーら、亜美真美。噂も何も昨日きちんとみんなに事情説明したじゃないか」

小鳥「あ、プロデューサーさん。昨日は申し訳ありませんでした…」

P「 いえ、良いんです。ただ、社長からの強い要望もあって選曲は変更出来ません」

P「 音無さんには申し訳ないんですが…、ご理解頂けませんか?」

小鳥「そ、そうですか。そうですよね……」

小鳥「ちなみに、プロデューサーさん。どこまで…?」

P「 なんとなくはわかりました。でも詳しい話は何も知りません」

小鳥「そうですか…」

春香「」ジーッ

(」・ω・)」うー!(/・ω・)/うっうー!

P「 よーし、じゃあスケジュール。発表するぞー」

P「 竜宮小町はレギュラーのラジオ収録。今日は俺が内勤に回るから、律子、着いて行ってやってくれ」

律子「了解しました」

P「―――」

アイドル達『ハイサーイ、ワカリマシタナノー』

P「 で、最後に千早。今日はボーカルレッスンだったな」

千早「はい」

P「悪いんだけど、今日は音無さんと一緒に頼む。

P「 音無さんは大先輩だからな。よく聞いてろよ。学ぶ事もあるはずだ…」

小鳥「」ゲシッ!

P「 いってぇ!音無さん!?」

小鳥「大先輩ってなんですか…?」

P「 いや、別にそのままの意味…いてぇ!」

小鳥「千早ちゃん、お手柔らかによろしくね?」

千早「は、はい…」

ピヨちゃんに蹴られたい

高木「悪いね、今日は無理を行って残って貰って」

P「 あ、社長。お早うございます」

高木「どうだね、音無君の案配は?」

P「 ええ、一応音無さんには納得して頂きました。ただ――」

高木「やはりまだ引きずっているのだな…。彼女は」

P「……」

高木「どれ、君。今なら誰もいない。このCDを再生してみてくれんかね?」

P「 あ、はい。わかりました」ガサガサ、ガチャ

プレーヤー『~♪~♪~♪』

P「 そういえば、すみません。ちゃんと聴くのは初めてです」

高木「そうかね」

P「 いい曲……、ですね」

高木「……」

高木「なぁ君。私はね。あと、黒井もだな。この曲で天下を取れると思っていた」

レッスンスタジオ――

講師「はい、じゃあこの音程から~」ポーン

千早「~♪~♪」

小鳥「~♪~♪」

講師「はい、次ー」

千早「~♪~♪」

小鳥「~♪~♪」

千早(音無さん…、本当に凄いわね。元アイドルって言うのは疑いようがないわ)

小鳥「~♪~♪」

小鳥(うー…、千早ちゃん。本当に凄い子だわー。なんて惨め)シクシク

講師(なんでこの人泣いてるのかしら…、こんな完璧なのに…)

やよいなら俺の横で寝てるよ

小鳥みたいなババァがアイドル歌を歌っても痛々しいだけだろw

ラスト支援
>>1頑張れ
>>163許さない

ラジオ収録中

律子「うんうん、今日もいい感じね」

善永「おーい、律子ちゃん!」タッタッタッタッ

律子「あれ、善永さんじゃないですか。今日、この後取材、ありましたっけ?」

善永「いや、こっちの仕事はもう終わったよ。たまたま765プロさんを見掛けたからさ」

律子「あ、そうだっんですか。お疲れ様です」ニコッ

善永「そう言えば聞いたよ。小鳥ちゃん。今度テレビに出るんだって?」

律子「あー、流石に話が早いですね」

善永「これでも芸能記者だからね」ニコッ

律子「あっ…」

―――――

P「 ……当時の週刊誌、欲しいな」

―――――

律子「あの、善永さん。この後、時間あります?」

善永「?」ニコニコ

善永「」ニコッ
律子「あっ…///」

って風に見えて惚れたのかと思ったびっくりした

レッスンスタジオ――

講師「はい、じゃあ今日はここまで!」

千早・小鳥「お疲れ様でしたー!」

小鳥「ふふ、久しぶりに声出したからなんかお腹空いちゃったわ。千早ちゃん、この後一緒にどう?」

千早「ええ、喜んでご一緒します」

――――――

小鳥「いやー、流石に765プロきっての歌姫如月千早ねー。私、なんだか劣等感感じちゃった」モグモグ

千早「えっ…?そんな。私こそ、音無さんには到底敵いそうにありません」

小鳥「またまたー、千早ちゃんもお世辞が上手いんだからー。大人をからかうんじゃありませんよ?」ニコニコ

千早「そんな…」モグモグ

千早(本心なんだけどなぁ…)



春香(昨日、小鳥さんについて興味本意で色々調べました)

春香(…といっても某掲示板の当時のログを漁っただけなんですけど)

春香(…内容は、正直言って酷いものでした)

春香(罵詈雑言の嵐…、見るに耐え兼ねません。その内容は、全て小鳥さんに対する悪口ばかりだったんです)

春香(当時、唯一無二のアイドルと言われた日高舞。そのファンからの攻撃だったと見て良いでしょう)

春香(正直、知らなきゃ良かったかもしれません。私の気持ちは複雑です)

真「春香ー!そろそろ出番だよー!ディレクターさん呼んでるよぉ!?」

春香「え?あ!ごめんなさい!すぐ行きます!ってキャアアア!!」ドンガラガッシャーン!!!

真「」アチャー

765プロ――

高木「――当時のアイドル業界は日高舞の一強時代でね。961プロも厳しい経営を強いられていたんだ」

高木「私も黒井もなんとかその状況を打破したくてね。人材の発掘を急いでいたよ」

高木「まぁ当時から黒井とは馬が合わん部分があったのだがー、ある時、お互いが唯一『この子は売れる』と確信出来るアイドルに出会った」

P「 ……」

高木「――それが、音無君だったのだよ」

高木「ルックス、センス、将来性。どれをとっても彼女は魅力的だったが」

高木「やはり最高の武器はその歌唱力だった。デモテープを聴いた時は私も黒井も唸ったもんだ」ハハハハ

高木「彼女のプロデューサーは私だった。だが、黒井もなにかと口出しして来てね。よく揉めたよ」

高木「黒井は先代がまだ健在だったとは言え、経営者一族だからな。彼女のデビューを急がせたかったんだ」

高木「だが私の意見は違ってね。焦る事なくやっていくべきだと思っていた」

高木「結局はお互いに折れる形で、お互いの主張する中間時期にデビューさせようという話になったのだよ」

高木「……だが、それが大きな間違いだった」

都内某所――

善永「あらら、やっぱり小鳥ちゃん。嫌がってるんだねぇ」

律子「善永さん、音無さんについて何か知りませんか?」

善永「その様子だと、アタリはついているんじゃないかい?」

律子「ええ、まぁそうなんですけれど…」

善永「」タバコフゥー

善永「まぁ、律子ちゃんになら話しても良いかもしれないね…」

善永「泥棒猫」

律子「はい?」

善永「当時、ゴシップ週刊誌に書かれた小鳥ちゃんの悪口だよ…」

律子「ええっ!?」

善永「日高舞の妊娠発覚。その直後にデビューした小鳥ちゃんはあまりにもタイミングが悪かったんだ…」

善永「当然、961プロも大きく叩かれた。狙いすましたかのようなデビュー時期。そこまでして数字が欲しかったのかと」

善永「特に日高舞を神聖視してたようなファンからのバッシングは酷かったな」

善永「『日高舞の彼氏も961プロの差し金』みたいな事も言い出す輩も居てね。小鳥ちゃんも相当堪えたと思うよ」

律子「……そんな。961プロにそんな意図は……」

善永「勿論、寝耳に水の話だったらしい」

善永「まぁとにかくタイミングが悪かったんだよ。だから小鳥ちゃんもアイドル活動に消極的になっちゃってね」

善永「君の所の社長も懸命にフォローしたが、とうとうそれ以上の成功なく、小鳥ちゃんは芸能界を去ったのさ」

律子「……そうだったんですか」

名前は善永さんなのに中身は善澤さんという

765プロ――

高木「彼女のデビュー曲がマスターアップした際、私も黒井も『日高舞を倒せる』」

高木「仕上がりはそれほど素晴らしかった。本当に確信したよ」

P「 ――だけど、それは叶わなかった」

高木「ああ、まさかあんな形で“オーガ”が芸能界を去るなんて、誰も想像していなかったのだよ…」

高木「しかも、曲がりなりにも彼女の曲は良い曲だった。チャートにもランクインを果たし、中途半端に話題性があったのが不味かったのだよ」

高木「翌週の週刊誌が届いてね。ゴシップ週刊誌だ。その記事を見て我々はがく然としたなぁ…」

高木「内容は正直私の口からは言いたくないよ…。だが君にもなんとなくアタリはついているはずだ」

P「 ええ…」コクリ

高木「聞けば君。その番組には日高舞も出演するという話じゃないか」

高木「どうか、彼女の実力が本物であった事を証明して欲しい」

高木「でないと、私は音無君が不憫で不憫で…」

P「 社長……」

P(その目から、涙が溢れていた。社長は本当に音無さんを…)

>>194
あわわわわわすいません!!!
脳内変換たのんます…

律子「お疲れ様です。プロデューサー」

P「 おお、律子戻ったか」カチャカチャ

律子「音無さんは?」

P「 帰って貰ったよ。流石にまだ始まったばかりだし、勘を取り戻すのも大変だろう」カチャカチャ

律子「ええ、懸命な判断でしょうね」

律子「……大変そうですね。プロデューサー殿?」

P「 うむ、事務員殿の有能さを身に染みて感じている所だ」カリカリカリ

律子「はぁ…、手伝いましょう」

P「 済まない、助かる」カチャカチャカチャ

律子「ちなみに私は昨日しっかり終わらせてますからね?」

P「 デスクワークは苦手なんだよ…」カリカリカリ

P「 」 カリカリカリ…

律子「」カチャカチャ

P「 」 カリカリカリ…

律子「」カチャカチャ

P「 ……」チラッ

律子「」カリカリカリ


P・律子『音無さんの事』なんだけど」なんですが」

P「……」プイッ

P「 」カチャカチャカチャカチャ

律子「ちょっと、なんで黙るんですか…」

P「……今日さ、社長から聞いたよ。全部」

律子「 私も善澤さんから聞きました。全部」

P「 参ったなー――」

律子「そうですね…」

P「 今日、千早から報告を受けたんだけどさ。音無さん、凄いって。私なんか及びません」

P「 そんな感じでマジべた褒めだったよ」

律子「へぇ、あの千早がそこまで言うなんて、よっぽどですね」

P「 うん。だけど音無さん、否定するんだよ。私なんか、そんな事ありせんって」

律子「どこの雪歩ですか」

P「 まぁ、穴掘らないだけマシなんだけどさ」

P「 まぁ黙ってコイツを聞いてくれ」スイッチオン!

プレーヤー『~♪~♪~♪』

P「 こいつをどう思う?」

律子「凄い…。これは、間違いないですね」

P「 今聴いたって誰もが納得出来るんだ。もう本人の自信次第なんだけどなぁ…」

P「 どうすっかねー」

P(まぁそんな悩みもあったりしたんだが、結局は番組内で音無さんがバッチリ唄ってくれれば良い話であり)

P(音無さんにはただ、収録当日までに持ち歌一曲を仕上げてくれれば良いだけの話なのだ)

P(まぁ、本人は否定しながらもレッスンに臨む姿はやはり楽しそうに見え、完成度も上がっている)

P(まぁそこまで俺がお節介に口出ししなくても良いかな。だなんて思っていたんだが)

P(事件とはやはり唐突にやってくる――)

都内某所――

舞「遅いわよ。まったく私を待たせるなんて良い度胸してるじゃない?」

D「あはは…、申し訳ありません。で、どうですか。その後は」

舞「順調ね」

D「 しかし、呼び出すだなんていったいどうしたんですかい?」

舞「ええ、せっかくだからもっと番組を盛り上げるべきだと思うのよ」

舞「相談なんだけど、今から構成変えられる?」

D「 まぁ、内容次第ですが、どんな風に?」

舞「――――――」

D「 」カタマル

D「 ま、マジですか?出演者は舞さんだけじゃないんですよ!?」

舞「ええ、だからこそじゃない」ニヤリ

D「 断る選択肢は?」

舞「ないわ」

D「 デスヨネー…」

765プロ――

律子「はい、765プロです」

律子「あ、どうも。いつもお世話になっております」

律子「はい、少々お待ち下さい」

律子「プロデューサー、お電話です。ブーブーエスの」

P「はいよ」ガチャ

P「はい、お電話変わりました。あ、どうもー。お世話になっております」

P「 あ、はいはい。変更?ええ、どんな感じに?」

P「 」

P「 」プクプクプクプク

律子「………?」チラッ

P「 え、ええ…。かしこまりました。では、その様に。はい…。いえ、失礼します…」ガチャ

律子「どうしたんですか?」

P「 ……どうしたもこうしたも……。うわ、マジかよ…」

律子「??」

小鳥「お疲れ様でーす」

律子「あ、音無さん。お疲れ様です。レッスン、どうですか?」

小鳥「ええ、そんな振りがキツイ訳じゃないですし、局内で一曲唄うだけならなんとかなるかもしれません」

小鳥「それでも、緊張しますけど――」エヘヘ

P「 ――音無さん」ヌラリ

小鳥「ひゃっ、ぷ、プロデューサーさんっ!?」

P「 今から私は貴女に非情な宣告をしなければなりません」

小鳥「えっ…?」

P「 今、件のディレクターから電話が来たんですが」

P「 その収録……、生放送です」

小鳥「」

小鳥「え、えええええええ!!?」

タッタッタッタッ
ガチャン!

春香「プ、プロデューサーさん!!」

P「 」

春香「」ゲ、シロクナッテル…

P「 お、おう春香か。どうした…?」オレァモエツキタゼ…

春香「今、小鳥さんが 事務所飛び出して行っちゃったんですけど!!」リツコサンガオイカケテ…

P「 うん、どうしようこれ。どうしようか。はは…」

春香(うわー…)

うん、本当にどうしようこれ。
オール即興で死にそうです。

スマホなんで書き溜め出来ませんが、ちょっと頭の中まとめるので少し離れます。
申し訳ありません。

春香(…あれ、これは?)

春香「プロデューサーさん、ちょっと、これ、何ですか?」

P「 ん、ああ……。それは、音無さんのデビューシングルであり、代表曲であるCDだよ」

春香「――ちょっと、聴いてみて良いですか?」

P「 おーう、勝手にしろい」モウ、ムヨウノチョウブツカモシレンガナ、ハハ

春香「あはは…では、早速」スタート!

プレーヤー『~♪~♪~♪』

春香(えっ?)

春香(なにこれ、凄い…。)

春香(ただ、上手いだけじゃない。自然と歌に引き込まれてー)

春香(いや、本当に楽しそうに歌っている。小鳥さんは、歌う事が大好きなんだ!)

春香(プレイヤー越しでも、聴き手にまで伝わってくるなんて……)

Prrrrrr

P「 」オ、ケータイケータイ

P「 」 ナンダリツコカヨー

P「 おう、悪いな。追いかけて貰っちゃって。うん、音無さんどうだった?」

P「 あー、帰っちゃった。うん、しょうがないな。あとで時間かけて説得するしか――」

P「 そうだね、ゆっくりで良いから戻って来て。事務所のみんなもビックリしちゃってるからさ」

P「 おう、悪かったな。お疲れ様」ピッ!

春香「プロデューサーさん…。小鳥さん、どうしちゃったんですか?」

P「 ――ああ、出演予定の番組がさ、急遽生になっちゃったんだよ」

春香「え、でも」

P「 ちょっと、音無さんな、人前で歌う事をいやがってるふしがあって―、まぁなんとか説得するよ」

春香「プロデューサーさん……。それってやっぱり、小鳥さんのアイドル時代が関係して……?」

P「 んー、調べたのか?」

春香「……はい」

P「 まぁ、しょうがないよなぁ。あんだけバッシングされて、歌いたくなくなる気持ち。俺もわかるからさ」

春香「」プルプルプル

春香「小鳥さんは……

春香「小鳥さんは、そんな人じゃないですっっ!!!」

P「 え?」

春香「プロデューサーさん!小鳥さんの歌、ちゃんと聴きました?」

春香「あんなに楽しそうに歌える人が、どうして歌う事を嫌いになれるんですか!?」

春香「私だって、デビューした直後は散々みんなに貶されました!」

春香「でも、私は歌う事が大好きなんです。それだけは絶対に譲れません!」

春香「そりゃ、勿論自信なくて、歌う事を諦めようかと思った事もあります……」

春香「でも、その度に“俺はお前の歌が好きだ、自信持て!”」

春香「そうやってプロデューサーさんが、励ましてくれたから、私、頑張れたんです!!」

P「 は、春香……」

春香「プロデューサーさん、音無さんのこの曲。どう思いました?」

P「 それは……、素晴らしい曲だし、素晴らしい歌い手だよ」

P「 今出したって、十分なヒットが狙えると思うよ」

春香「なら、それをちゃんと小鳥さんに伝えてあげて下さい!!」

春香「小鳥さんは今、自信を失ってるだけなんです。歌う事が嫌いな訳ありません!私にはわかります」

春香「今、プロデューサーさんが、小鳥さんの背中を押してあげないでどうするんですか!?」

P「 ……!」

律子「はあー、ただいま戻りました。ってあれ?春香?」ナニコノフンイキ?

P「 律子、済まない。ちょっと留守頼めるか?」

律子「えー、それは構いませんが…」

P「 悪いな、ちょっと行ってくる」
タッタッタッ、ガチャン



善澤「……良い事務所じゃないか、ここは」ズズゥ…

高木「そうかね?そりゃあ、自慢のアイドルとプロデューサーだからな
」ハッハッハッ!

小鳥「はあー、最悪だな私……」

小鳥「ビックリして、逃げて、振りきって、家に帰って来ちゃった……」

小鳥「これじゃ職場放棄じゃない…。いい大人が何やってんだろう」

Prrrrrrrrr

小鳥「あ、携帯……プロデューサーさん……」

小鳥「出たくないなぁ……」

Prrrrrrrrr

小鳥「うるさい……」

小鳥「電源切っちゃおう…」ピッ!

小鳥「明日、どうしよう…」

ピンポンピンポーン!

小鳥「」ビクゥ!!

P「 音無さん!?いるんですよね?俺です」

小鳥「プ、プロデューサーさん……?」ガチャ

P「ああ、良かった。ここで居留守使われたらどうしようかと……」
ハァータメイキ

小鳥「 あの、あのあの…、本当にすみませんでした。私、最低な事を…」

P「 いえ、顔を上げて下さい音無さん」

P「 最低だったのは、俺です。本当に申し訳ありません!」

小鳥「え、ちょ、ちょっと、なんで?なんでプロデューサーさんが頭を下げてるんですか!?」アワワワ…

P「あの曲、小鳥の歌、聴いた時の気持ち。もっとしっかり伝えるべきだったんです」

P「 衝撃が走るくらい感動しました!!俺はあの歌が大好きです!もっと小鳥さんが歌ってる姿を見たい!!」

小鳥「」

小鳥「///」ボフンッ!!

>>251
ごめん訂正
×小鳥の曲
○音無さんの曲

急にランクアップしすぎだねwww

小鳥「でも、私…、もう、歌う事は……しかも、生放送なんて、耐えられる自信がありません」

P「 音無さん。歌う事、もう嫌になっちゃいました?歌は、嫌いですか?」

小鳥「そんな……、嫌いに、なれる訳ないです」

P「 それなら!」

小鳥「でも……」

P「 ……失礼ですが、音無さんの過去、聞かせて頂きました」

小鳥「あ…」

P「きっと、すごいつらかったと思います。俺ならきっと、耐えられません」

P「 でも、音無さんの歌に、心が震える程感動したんです。また、聴いてみたいと心から思っています」

P「 もう、あの頃とは違います。誰も貴女を斜めから見るようなファンはいません」

P「 貴女の歌はきっと、みんなに届く!あの日高舞にだって引けを取らない。俺が保証します!」

小鳥「」

P「 あ、まぁ。俺が保証した所で頼りないかもしれませんが…」アハハ

小鳥「」

P「 まぁ、でも。やっぱり、強制は出来ませんよね…。一晩じっくり考えて……」

P「 ただ、俺はどうしても音無さんの歌について、気持ちを伝えたくて…。あはは、すみません。なんかまとまらなくって」

小鳥「」

小鳥「……プロデューサーさん」

P「 は、はい?」

小鳥「すみません。私、嘘ついてました」

小鳥「思えば、あの時、本当に嫌ならすぐに断れば良かったんです」

小鳥「でも、しょうがないからって流されたつもりになって…レッスンして…」

小鳥「正直、すごい楽しかったんです。もう一回ステージの上で歌えるんだって思ったらワクワクが止まらなくなって……」

P「 音無さん……」

小鳥「私、歌いたいです。でも、ずっと私の歌はみんなに届かないって思ってて……」

小鳥「でも、プロデューサーさんには届くんですね…?」

P「 それは勿論!それに、俺だけじゃない。律子だって、千早だって、春香だって――」

P「 みんな音無さんの歌をもっと聴きたいって言ってました。いや、あいつらだけじゃない」

P「 765プロのみんなが音無さんの歌を心から楽しみにしています。……それに社長は特にそうなんじゃないですか?」

小鳥(社長……)

P「 俺たちだけじゃ、頼りないですか?」

小鳥「あ……」ジワッ

小鳥「そんな事……ないです……。私、また、歌いたい……」ボロボロボロ

P「 はい、歌って良いんですよ!音無さん!」

P「 本番まで、あと2週間。俺が全力でプロデュースしますから」

小鳥「ふぁい…、よろしく…お願いします…」グスングスン

P「 ええ、喜んで!!」ドン

小鳥「」グスングスン

P「 …………」

P「 参ったな、泣き止んで下さいよ……」ポリポリ

小鳥「………めてください」

P「 ……え?」

小鳥「抱きしめて下さい……。お願いします」

P「 あ……」

P「 」 ギュ

P(耐えろ、耐えるんだ。俺……)

トントントン
ガチャ

P「」キョロキョロ

P「」ソロー

律子「随分遅いお帰りですね。プロデューサー殿?」

P「」ビクゥ!

P「や、やあ、律子。留守番、ご苦労様」

律子「全く、なんでこんなに書類溜めてるんですか?お陰でまた定時に上がり損ねましたよ」

P「いや、まさかこんな事になるとはさ……」

律子「……小鳥さん。大丈夫でしたか?」

P「ああ、明日にはきっと元気な顔見せてくれると思うよ」

律子「そうですか。良かったです」ナンカフキゲン

P(その後、音無さんはレッスンに力を入れ――現役の頃と変わらぬ輝きを取り戻していった)

P(そんな姿を見て、一番喜んでいたのはやっぱり社長だ)

P(再デビューをしなきゃ勿体ない!だなんて笑い飛ばしていたが、経緯が経緯だけに本気でやりかねん)

P(本気でやるなら代わりの事務員を入れて欲しいと切に願う。ぶっちゃけ、この一ヶ月は俺も律子を過労に追い込むには十分な威力だった……)

P(そして、音無さんが生放送のステージに立つ日がやってきた――)

ごめんなさい。
キリの良い所でちょっと寝ます。
残ってたら昼ぐらいにまた投下していきます。

タンタンタンタン
ガチャ

春香「ふうー、なんとか間に合ったぁ…。ってあれ?千早ちゃん」

千早「あら、春香じゃない。もしかしたら、音無さんの番組を見に?」

春香「うん。今日は直帰で良かったんだけど、家に帰ったら間に合いそうもなくて」

千早「いよいよね……」

春香「そうだね。小鳥さん。すごい頑張ってたもんね。きっと上手く行くよね?」

千早「音無さんの力量なら間違いないわ。あとは信じるだけね」

春香「そうだねぇ…」

ガチャバタン

律子「あら、春香に千早じゃない。お疲れ様」

春香「あ、律子さん!」

千早「お疲れ様です。もうすぐ始まりますよ」

律子「そうねー。なんか私もさっきから落ち着かなくって」アハハ

ブーブーエススタジオ内――

ハーイ、キザイセットオーケイデス!!
ホンバンマデジカンナイゾーイソゲイソゲー!!

小鳥「」ドキドキ

小鳥(あー、そろそろ始まっちゃう……)キンチョウ

P「お疲れ様です。音無さん。調子はどうですか?」

小鳥「あ、プロデューサーさん」ホッ…

小鳥「はい。なんとか。今日は精一杯頑張ります!」

P「あはは、そんな気張らなくて大丈夫ですよ」

P「トークがある訳じゃないし、三分間、歌ってくれるだけで良いんですから」ニコニコ

小鳥「は、はい!」

小鳥「」

小鳥「あ、あの…、プロデューサーさん…?」

P「はい、何ですか?」

小鳥「あの、や、約束の話……覚えてますか?」

P「」アー、ソウイエバ

P「はい、勿論。音無さんが今日1日頑張ってくれたら、どこでも好きな所へお供しますよ」ニコ

小鳥「////」

小鳥「は、はい。私、頑張ります」

P「はい、よろしくお願いします」

「……あのー、ちょっと良いかしら?」

P「はい?何ですか…ってええ??」

舞「音無小鳥さんって貴女かしら?」

小鳥「」ヒ、ヒダカマイ…

P「」ガタガタガタガタ

舞「プ、ちょっと何よ。そんな取って喰おうとかそんなつもりじゃないわよ?」

舞「実は収録始まる前に、私、貴女に謝っておかなきゃいけないって思ってて」

小鳥「えっ…?」

舞「貴女がデビューした時、私のスキャンダルで迷惑掛けちゃったじゃない?」

舞「だから、それについてはごめんなさい。本当に申し訳なかったわ」

小鳥「め、迷惑だなんてそんな!頭を上げて下さい!」アワワワ

P「……失礼ですが、日高さん。今回ウチの音無にオファーが来たのは貴女の口添えがあったからだと聞いておりますが」

P「やはり、それは贖罪のつもりで……?」

舞「うーん、まぁそれもあるっちゃあるんだけどね」

舞「でもそれだけじゃないわ」

舞「音無さん、貴女のデビューシングル。私は掛け値なしで素晴らしい曲だと思ったわ」

舞「当時、もしスキャンダルがなくても私が勝てたかどうか、わからない。

舞「あの曲を聴いた時、少なくとも私にはそれぐらい衝撃だったわ」

小鳥「」アレ、ナンカワタシホメラレテル!?

P「……」

ごめんなさい。本当にごめんなさい。
今から仕事に行かなくてはなりません。
間に合わなかった…。

明日の朝まで帰って来れません。
もしよかったら誰か完結させちゃって下さい……

マジ、ごめんなさい。

      __
    .'´( `ヽ
    !(八(.キ.)
    ソ(l゚ ヮ゚ノリ  <ほしいも?
    ⊂lViVlつ 
    く/_j_jl〉

     i_ハ_j

最近のSSは
書いてるやつは「保守してもらって当たり前」と思ってる
読んでるやつは「読んでやってる、保守してやってる」と思ってる
「保守間隔どんだけ?」とかログも読まない、目の前にある箱の使い方知らない
ってやつが増えた気がする。
まとめからきた人々でせうか

定時より3.5時間を上回る残業を乗り越え、ただいま帰宅しました。
お前らのピヨちゃん魂に全俺が号泣。

そんな訳でまたゆっくりですが投下していきます。

舞「勿論、今日はあの曲を歌ってくれるんでしょ?」

小鳥「……え、はい。一応、そのつもりです」

舞「ふふ、楽しみにしてるわよ。私からはそれだけ。じゃあね♪」

小鳥「あっ……」

P「待って下さい。日高さん」

舞「」ピタリ

P「先に謝っておきます。若輩が偉そうな口を聞いて申し訳ありません」

P「あの時、頂点に立ったのは間違いなくこの音無小鳥です。今日はそれを証明して見せますよ」

舞「………」

舞「私は負けず嫌いなの。アイドルの頂点は二人もいらない。今日はそれを証明してあげるわよ」ニタリ

小鳥「」

小鳥(さ、去り行くオーガの背中から怒りのオーラが見える…!)アワワワ

小鳥「ププ、プ、プロデューサーさん!!なんて事言うんですか!?」

P「すみません、音無さんに余計なプレッシャーを与えるつもりじゃなかったんですが…」

P「日高舞にあんな余裕な顔されて、悔しかったんです。どうしても一言言ってやりたくて…」

P「でも、本当に、絶対に、音無さんは日高舞に負けていません。それは俺が保証しますから」

小鳥「プロデューサーさん………」

小鳥(プロデューサーさんの言葉は、幾分前向きになれた私からしても、単なるプレッシャーを与える以上の意味を持ちませんでした)

小鳥(でも、実際の私は緊張が程よくほぐれたんです)

小鳥(全く、そんな青い顔してガクガクしながら啖呵切って、プロデューサーさんったら全然様になってなくて……)ププッ

小鳥(あー、プロデューサーさんかわいいなぁ――)ニコニコ

P(やべー、やべーよ俺。オーガに対してなんて事言っちまったんだ……)ガクガクガクガクガクガクガク…

―――時を越え、運命のステージが今、始まる!

司会A「さぁー、始まりました!『あの人は今!』」

司会B「本日は『××年代アイドル列伝』と題して、なんとなんと生放送にてお送りいたしておりまーす!」

司会A「元アイドル達による一夜限りの復活ライブは勿論ですがぁ……、今日は、あの、伝説のアイドルも出演予定なんですよ!」

司会B「伝説のアイドル……、楽しみですねぇ」

司会A「はい!私も今日会えると思ったら昨日から楽しみで楽しみで……」

司会A「では、早速参りましょう!まずは今日いらっしゃる元アイドル達が活躍した、××年代を振り返ってみようと思います」

――――――――

小鳥(あー、とうとう始まっちゃった……)

小鳥(はー………)

小鳥(でも、私、本当に、今日、歌えるんだ)

小鳥(ずっと、またこんな日が来るの、待ち望んでいたんだなぁ)

小鳥(なんか今でも信じられないや……。本当、夢みたい……)

小鳥(進行表によると、一番手はあの人だ。あー、懐かしいなぁ。確か一度だけ一緒にラジオやったなぁ……)

小鳥(で、舞さんは中盤。まぁ一番尺が長いんだけどトリかと思いきや違うのよねー。なんでだろ?)

小鳥(そして、私の出番は………)

小鳥(よりによって、舞さんの後なのよねぇ……)ガックリ

小鳥(なんだろうこれ。なんか明確な悪意を感じるのは気のせいかしら……?)

番組も佳境へ――

司会A「いやぁー、本当、私の青春時代がよみがえります!」

司会B「当時を顧みると、今日来ていた皆さんは豪華メンバーと言っても良いですからねぇ~」

司会A「さて、一端CMを挟んだ後は、とうとう『伝説のアイドル』の出番がやって参ります!」

司会B「テレビの前の皆さん、チャンネルはそのままですよー!」

―――――

小鳥(きたきたきた……。刻一刻と私の出番が近付いてくるぅ…)

コンコン

小鳥「」ビクッ

小鳥「は、はい!」

P「俺です。入りますよ」ガチャ

小鳥「な、なんだ。プロデューサーさんでしたか……」ホッ

P「なんだとはなんですか。プロデューサーが所属アイドルの陣中見舞いに来ちゃ、駄目ですか?」

小鳥(所属アイドル……///)

小鳥「だ、駄目ですよ。駄目じゃないですけど……」

P「どっちですか。それは」ニコニコ

P「隣、座りますね」

小鳥「は、はい」ドキドキ

P「この番組に出演が決まってから、今まで色々ありましたね……」

小鳥「そう、ですね……」

P「でも、俺が言うことはありません。音無さんがあのステージで、気持ち良く歌ってくれれば俺は満足です」

小鳥「……」

P「だから、目一杯楽しんで来て下さい。音無さん」

小鳥「はい、プロデューサーさん。私、楽しんで来ます!」

P「うん。良い目してますよ。俺はもう何も心配してません」

コンコンコン

AD「音無さーん!そろそろなんで準備お願いしまーす!!」

小鳥「あ、はい!ただいま!」

小鳥「………」

小鳥「あの、プロデューサーさん!」

P「はい?」

小鳥「今の私はプロデューサーさんにとってアイドルですか?」

P「ええ、勿論ですよ」ニコッ

小鳥「じゃあ…、プロデューサーさんがアイドル皆に接しているいつものように、私を送り出して下さい……///」

P「………」

P「小鳥、今日はお前の晴れ舞台だ!目一杯楽しんで来い!!」

小鳥「…!!」

小鳥(あ…、この感じ。私、覚えてる)

小鳥「はい!プロデューサー!!」

タッタッタッタッ
ガチャ、バタン!

P「……再デビュー、あながち悪くないなぁ」

小鳥(……舞台袖までやって来ました)

舞「~♪♪~~♪♪~♪」

小鳥(舞さん、Aliveを熱唱中です。客席のノリ方も半端ない。流石伝説のアイドル……)

小鳥(視聴率、どうなってるんでしょう。なんか凄そうです)

舞「みんな、ありがとうーー!!!」

ワー!!!マイチャーン!!
スゴイヨー!!カッコイイヨー!!
アイチャンヲボクニクダサーイ!!
ワーワーワー!!!

司会A「いやー、素晴らしいですね。伝説のアイドルが歌う伝説の楽曲ALIVEでした!」

司会B「しかも生放送ですからねー。私、大感激です!!」

舞「本当ですか?まあ、当然かしらね」フフン

司会A「おおっと、歯に衣を着せぬ“舞ちゃん節”は健在ですねー。ささ、どうぞこちらへ!」

小鳥(これからしばらく舞さんのトークタイムだそうです)

小鳥(本当、噂に違わぬ自信家ぶり。でも伝説級の実力を持つ舞さんにとって、それは大きな魅力のひとつです)

小鳥(私も憧れたなー)シミジミ

小鳥(あれ?でも今トークタイム?舞さん、確かもう一曲歌うらしいんですが)

司会B「さて、そんな日高舞さんですが、今日はなんと重大発表があるそうです!」

司会A「そうなんです!それでは日高さん、お聞かせ願いますか?」

舞「はい、実はー」

舞「14年振りに、新曲の発売が決定しました!!」

観客『オオオー!!!』

小鳥(オオオー!!)

司会A「そして、その御披露目は…、なんとなんと今日、この時なんです!」

司会B「衝撃の新曲生ライブ!日高さん、よろしくお願いします!!」

舞(やっと、この日がやって来たわね……)

舞(あの時、つまらない芸能界に嫌気が差していたあの時。ようやく見つけた私と勝負が出来そうなアイドル……)

小鳥(あれ?舞さん、私を見ている……?)ドキドキ

舞(使い古しの曲なんかフェアじゃない。私は私の新曲で勝負に挑む)

舞(聴きなさい!音無小鳥っ!!)



舞『~~♪♪~♪~~♪♪~♪』

ワーワーワー!!!
マイチャーン!!!カンゲキー!!

小鳥(舞さんの新曲です。アップテンポで激しい曲調……全てを圧倒し、正に、オーガが会場を多い尽くすような……!)

小鳥(凄い。心が震える…)

小鳥(……私、本当に、この後歌わなきゃいけないの?)

小鳥「」ゾクッ

小鳥「」ガタガタガタガタ

P(……ったく。この場で新曲だと?やってくれるじゃねーかオーガめ)

P(音無さん、大丈夫かね?)チラ

小鳥「…………」ガタガタガタガタ

P(あーあー、うつ向いて、ガタガタ震えやがって…。最悪じゃねえか…)

P(マジで音無さん潰す気で来やがったなぁ。アイツ性格悪いなおい)

P(音無さん、今どんな顔してんだ…?時間ないけど声を掛けに行くべきか…?)

小鳥「……」キリッ!

P「あれ?なんか良い顔してんじゃん……」ヒョウシヌケ

小鳥(あー、ビックリした……。武者震いって本当にあるんだ)

小鳥(なんだろう。確かに怖い。この後に歌うなんて絶対にやだ。)

小鳥(でも、それ以上に私、ワクワクしてる……!)

舞「この曲は来週月曜日に全国一斉発売よ!!みんな、買ってね!!」

ワーワー!!マイチャーン!
オレゼッタイカウヨー!!!
ワーワーワー!!!

司会A「と、言うことで、日高舞さんでした!!」

司会B「ありがとうございました!素敵なサプライズでしたねー。来週の音楽チャートが早くも気になる所です」

司会A「さあ、番組はまだまだ続きますよー!」

司会B「なんと、次の元アイドルはー、今をときめく765プロからの出演です!」

観客『ナ、ナンダッテー』

AD「音無さん、ステージへ!」

小鳥「は、はい!」

――――――

司会A「……と、言っても現在はその765プロで事務員をしておられるそうです」

司会B「美人で評判の素敵な事務員さん。その正体は、かつて961プロからデビューした元アイドル!」

司会A「音無小鳥さんですっ!」

パチパチパチパチ

観客「オトナシコトリ-?」
観客「ウーン.ナンカキイタコトアルヨウナナイヨウナ…」
舞親衛隊「アー、ドロボウネコジャネーカ!」
舞親衛隊「ドノツラサゲテンダコラー!」

司会B「皆さん、覚えてませんか?音楽チャートアイドル部門で唯一、あの日高舞の牙城を破った存在を!」

司会A「歌って頂きますのはその、記念すべきデビュー曲!」

司会A「『空』です!」

司会B「はりきって、どうぞー!」

765プロ――

春香「あ、千早ちゃん!音無さんだよ!音無さん!」

千早「ええ、そうね」

春香「あー、ステージ衣装凄い似合ってるなぁ可愛いなぁ…」

千早「………」シゼントシセンハムナモトヘ

千早「………くっ」

律子「……ププ」ナントナクリカイ

イントロ――

小鳥(なんだろう、今聴いてみると、この曲、凄い懐かしい……)

小鳥(そう言えば、出来た時の社長の顔、凄い嬉しそうだった)

小鳥(それで、私も嬉しくて。凄いこの曲好きになって、頑張ろうって)

小鳥(そうだった。私は…この曲が、大好き。大好きだったんだ)



…スゥッ

空になりたい 自由な空へ
翼なくて飛べるから 素敵ね



観客「ザワ…」


――都内某所とあるバー

高木「なあ、見ろ黒井。音無君が……歌っているよ」

黒井「言われんでも、見ているさ」

高木「あの頃は、これを何があっても歌おうとはしなかったんだ。それを音無君、あんな、生き生きとした表情で」

高木「……また音無君の空が聴ける日が来るとは思わなかった。こんなに嬉しい事はないよ」

黒井「――ああ、そうだな」

高木「どうした。随分と素直じゃないか?」

黒井「ふん、安酒が俺の口に合わなかっただけだ」

高木「そうかい」

小鳥(ああ、あの頃の思い出が甦るなぁ)

小鳥(プロデューサーと黒井さんがいっつもケンカばかりして、でも見てると二人とも子供みたいで、何か微笑ましくて)

小鳥(何よりも大好きな歌が歌えて、毎日が楽しかった)



始まりはどこになるの?
お終いはどこになるの?
上を見て あなたに聞いてみたら



観客「オオー、ナンカケッコウイイウタジャナイ」
観客「ウマイワネーステキー」
舞親衛隊「アーアーキコエナイー」

小鳥(ねえ、プロデューサー)

小鳥(今の私、輝いて見えますか?)

小鳥(みんな、もっと私の歌が聴きたいって思ってくれてますか?)

小鳥(私、やっぱり自信がないからいちいちプロデューサーに誉めて貰わないと、駄目なんだけど)

小鳥(今、私は最高に楽しい……)




春は花をいっぱい咲かせよう
夏は光いっぱい輝こう
奇跡じゃなくて 運じゃなくて
自分をもっと信じるの




観客「オイオイ、イージャンスゴイヨー」
観客「ステキナサビネー。ウットリ」
舞親衛隊「」

P「………」

P「………」

P(もう、吹っ切れたのかな。トラウマを乗り越えた人間って凄い成長するんだなぁ…)

P(CD音源なんかよりも断然良いなぁ。あとでディレクターさんに映像分けて貰うしかないなぁ)

P「やばい、年上の魅力に目覚めた」ボソッ

AD(あ、やべーその気持ちすげーわかる)

小鳥(プロデューサー、か)

小鳥(プロデューサー…さん)

小鳥(あはは、なんでだろう。なんか社長じゃなくて全部プロデューサーさんで再生されちゃう…)

小鳥(全く、失礼にも程があるわよね……///)

小鳥(でも、今日、このステージに導いてくれたのはプロデューサーさんだし……)

小鳥(……まぁ、いっか♪)



秋は夜を目一杯乗り越え
冬は雪を目一杯抱きしめ
笑っていいよ 泣いていいよ
だって巡ってまた春は来るから

繋ぐレインボー

小鳥(あ……)

小鳥(もう、終わっちゃった……)

小鳥「」

観客『』


小鳥「」ハッ!!

小鳥「み、みなさーん!」

小鳥「今日は聴いてくれて、ありがとうー!!」


ワアアアアアア!!!!
ピヨチャーン!!ヨカッタヨー!!
コドリー!!オレダー!!ケッコンシテクレー!!!

観客「サイコウノウタダッタヨー!!」
観客「ナニナニコレドコデカエバイイノ!?」
舞親衛隊「チ、ヤルジャネーカコノヤロー!」

彼女の曲が終わった時、ステージは途端に静寂に包まれた。
私も随分長く歌手のステージを見ているが、こんな事ははっきり言って稀である。

だが、何故、こうなってしまったのか私な断言出来る。

あの日、あの場、あのステージを見た観客、関係者、果ては視聴者。
全員が彼女の歌が終わってしまった 事が残念で堪らなかったのだ。

音無小鳥はその曲、その歌声で、あのステージを目撃した全ての人間を魅了した。
彼女が謝辞を述べた瞬間に巻き起こった、惜しみない拍手と歓声が、それを証明している。

そして、それこそが今をときめくシンガーソングライター、音無小鳥の最初の一歩だったのだ。



―――月刊アーティスト6月号、芸能記者・善澤の記事より引用

お、終わりです。
こんな糞みたいな終わり方でごめんなさい。

勿論後日談とか書いてみてーけど
もう、萎んだ脳みそどう搾っても何も出てこないです……。

マジでみんなごめんなさい。遅くてごめんなさい。保守ばかりでごめんなさい。
そして俺な寝る。おやすみなさい。

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