櫻子「死んだフリ!」(68)
櫻子「むむむむ……」
櫻子「向日葵ってばなんか最近冷たいような気がする……私が掃除やってるのに待たないで先に生徒会行っちゃったり、あと週末も暇なくせにうちにこないで自分の家にいるし、お菓子も週に2回しか作ってくれなくなった!」
櫻子「向日葵はなんとも思ってないかもしれないけど……私はつまんないから嫌だ!」
櫻子「んー……何とかして向日葵にこっちを向いてもらうには……」
櫻子「!」
櫻子「そうだ! 死んだフリだ!」キラーン
櫻子(そうだそうだ。死んだフリで向日葵を驚かせて、私の大切さを再認識させてやる!)
櫻子(そうと決まれば作戦を建てなきゃね)
櫻子(んーと……向日葵が見てないと意味ないんだから、あらかじめ向日葵を家に呼んでおかなきゃか)
櫻子(適当に階段から落ちたことにしよう。その方がなんかリアルじゃない?)
櫻子(よし、じゃあ明日うちで宿題やるから来いって言えばいいのか)
櫻子(でもあんまりやりすぎると向日葵弱虫だから泣いちゃうよね。じゃあ泣く寸前までは演技に徹しよう)
櫻子「早く明日になれー!」
――――――
向日葵「じゃあ、ちょっと用意してからいきますわね」
櫻子「おー」
櫻子(よしよし順調だ……あとは私の演技次第ってわけだな)
ガチャ
櫻子「…………」
櫻子(……誰もいないのかな。まあその方が都合がいいか)
櫻子(荷物もぶちまけてリアルさを際立たせよう)ばさー
櫻子(よしこい向日葵!)ばたっ
――――――
花子「なんの音?」とてとて
櫻子(げっ! 花子いたのか……)
花子「…………なにやってんの櫻子」
櫻子(やばい……もう向日葵来ちゃう! ここは花子も一緒に騙すしかないな)
花子「おいっ」げし
櫻子(蹴るな! 死んでるんだぞ!)
花子「邪魔なんだけど。上いけないじゃん」
花子(……あれ?)
花子「櫻子?」ゆさゆさ
花子「…………さ、櫻子……?」
花子「ちょっと、ねえ!」
櫻子(お……雰囲気出て来た)
花子「櫻子! 櫻子っ!?」
花子「嘘でしょ……ねえ!」
花子「嫌……いやあっ!!」
櫻子(わっ……)
花子「櫻子っ! どうしたの!? 起きてよ! ねぇ!!」
花子「や……そんな……」
花子「さくらこぉ……!」ポロポロ
櫻子(う、うわ……泣いてる……)
花子「うわあぁぁぁん……櫻子がああああ……」
ガチャッ
向日葵「はっ、花子ちゃん!? どうしましたの!?」
花子「櫻子がっ……櫻子がああぁ……」
向日葵「………う、うそ……!?」
向日葵「櫻子! 起きなさい! 櫻子っ!?」ぺちぺち
櫻子(痛っ! いった!? 強くない!? )
花子「さくらこぉ………」
向日葵「う、うそ……うそよ……」
向日葵「し、心拍は!?」
櫻子(うおっ! やばい……本格的になってきた……)
櫻子「どうしよう、息止めれば心臓って止まるのかな!? ええいやるしかない!」
櫻子(止まれ私の心臓!)
向日葵「…………」
とくん……とくん……
向日葵「」
向日葵(ぜ、全然脈打ってますわ……)
向日葵(はっ! 呼吸停止かもしれない!)
向日葵「気道確保!」クイッ
櫻子「……っふ………ぅ…」
向日葵「 ∵ 」
向日葵(か、完全に普通じゃありませんの……?)
櫻子(な、なにすんだ!? これめっちゃ苦しい!)
向日葵「…………」ぱっ
向日葵「花子ちゃん、ちょっと……」
花子「……?」ぐすぐす
櫻子(な、なんだ……? 向こうに行ったみたいだ……花子を落ち着かせてるのかな)
~
向日葵「花子ちゃん……櫻子は生きてますわ……」ヒソヒソ
花子「えっ……??」
向日葵「どこにも異常ありませんし……微かだけど普通に呼吸してました。 心臓も普通に動いてます……」
花子「じゃ、じゃあ櫻子は……」
向日葵「たぶん、死んだフリをしてるだけだと……」
花子「 ∵ 」
向日葵「物の落ち方も不自然なんですわ……どう見ても散らかしてからその上に倒れてるんですもの」
花子「あ……あいつ……」ギリギリ
向日葵「お、落ち着いて下さい花子ちゃん……たぶんまだ櫻子にはバレてないと思いますから、後は私がなんとかしますわ。後でちゃんと花子ちゃんにも謝らせますから……お顔を洗ったら?」
花子「あ、あっ……///」
向日葵(まったく……実の妹をここまで泣かせるなんて非道ですわ!)
――――――
ガチャ
櫻子(わ、きたきた……)
向日葵「…………」
向日葵(どうしてやろうかしら……)
向日葵「と、とりあえずもう少し生死の確認をしますから上に連れていきましょう(棒)」
櫻子(おっと……運ばれるみたいだ……)
向日葵(体温が……私よりあったかいんじゃありませんの?)ヨイショ
向日葵(どこまで続ける気なんだか……)
――――――
櫻子「…………」
向日葵「…………」
向日葵(も、もう一度だけ心臓を……)
とくん……とくん……
向日葵(……やっぱり普通ですわね)
向日葵(…………よし!)
向日葵「心臓マッサージですわ!」
櫻子(……お? なんだ? 心臓マッサージ?)
向日葵(でも胸骨圧迫なんてしたら本当に骨が折れますわね……)
向日葵「…………」
ばっ
櫻子(な、なんで脱がすんだろ……)
向日葵「…………///」
櫻子(えっ!?/// セーターも!?)
櫻子(そ、そっか……死んだら恥ずかしいとか言ってる場合じゃないもんね。 がまんがまん……///)
向日葵(……今微かにまぶたが動いた……)
向日葵(これも外しちゃいましょうか……///)
櫻子(えーっ!!?)
すぽぽーん
向日葵「…………」
向日葵(あんまり昔と変わってませんわね……)
櫻子(い、いやぁ……/// おっぱいみられちゃってる……!)
櫻子(恥ずかしい! めっちゃ恥ずかしい!)
向日葵「……心臓マッサージ」すっ
櫻子(う、うわ……ついにするのか)
向日葵「…………」
さわっ
櫻子(え?)
向日葵「…………」さわさわ
櫻子(ちょっ! おっぱい触ってるだけ!?)
櫻子(心臓マッサージのやり方知らないのかな!? や、やばい……くすぐったい……っ///)
向日葵(こうなったら今までやってみたかったこと全部やってやりますわ……///)
櫻子(あれ!? 心臓マッサージって馬乗りだっけ!? 横に座るんじゃなかった?)
向日葵(別に大きくはないですけど柔らかいですわよね……)もみゅもみゅ
櫻子(だ、だめっ……! 声出ちゃう……///)
向日葵(あぁ……幸せですわ……櫻子のおっぱい……)
櫻子(うーうーう~~!)
向日葵(…………)すりすり
櫻子(あっ!/// そ、そこ!!)
向日葵(可愛らしい……ある意味羨ましいですわ)つむっ
櫻子(ち、ちくびっ……/// うあああ……)
櫻子(いやっ、こんなことされるの初めて……なんか変な感じ……///)
向日葵(こんな機会この先一生無いかもしれませんわ。気の済むまで弄くり回しましょう)
櫻子(は、早く終われ……!)
~
櫻子(くぅ……くそぉ……///)もんもん
向日葵(……なんかうっすら汗かいてません?)
向日葵(というかここまでされてもまだ死んだフリ決め込むって逆にすごいですわね。こうなったら櫻子が自分から生き返るまで徹底的にいじめましょう……)
向日葵(もしかして櫻子もえっちなことされるのを望んでいるとか?……どうなのかしらその辺)
向日葵(まあ、どっちでもいい……今日は思いっきり櫻子を感じますわよ!///)
向日葵「…………」ふんふん
櫻子(え? なに……?)
向日葵「…………」ぺろっ
櫻子(っ!!?///)
向日葵(可愛い……)てろてろ
櫻子(あっ……!う、うそっ!? 舐めるなんて……っ///)
向日葵(心無しか心臓の鼓動も大きくなってきてますわ……効いてるようね)
櫻子(そんな……向日葵、ずっと私にこういうことしたかったのかな……!?///)
向日葵「……ん」ちゅーっ
櫻子(すっ、吸わないでぇ!///)
向日葵(……お腹がひくひくしてる……可愛い)
向日葵(おへそも効きそうね……)くりくり
櫻子(はっ……!/// そんなとこ触るな……///)
~
向日葵(うわ……私結構すごいことしちゃってますわよね……///)
向日葵(こんなのもう前戯と大差ないというか……いやもう立派な前戯か)
向日葵(いつまでも意地っ張りな櫻子が悪いんですからね……///)
櫻子(し、死ぬ……死ぬ……///)ひくひく
――――――
向日葵「はーっ……ふぅ……」
向日葵(……ちょっと泣いてるじゃありませんの)
櫻子「…………」
向日葵(……流石にそろそろ本題に戻りませんと……花子ちゃんのためにも)
向日葵「こうなったらもう人工呼吸しかありませんわね」
櫻子(…………え?)
櫻子(じっ、人工呼吸しちゃうの……? それって……///)
向日葵(これで起きなかったら逆に心配なんですけど……)ヨイショ
櫻子(き、キスってこと……??///)
向日葵「…………」クイッ
櫻子(ぐっ! これ本当の人工呼吸じゃん! キスとかじゃなくて!)
向日葵(櫻子の口……///)
櫻子(あ……あぁ……///)
ふーっ
櫻子(あっ!?///)
櫻子(お、お腹が勝手に膨らむ……! 向日葵の息あっつい……!///)
向日葵「…………っ」ぱっ
櫻子「ごほっ! げっほげっほ……」ゼェゼェ
向日葵「わーい櫻子が生き返りましたわー(棒)」
櫻子「ばっ……バカ! バカー!!」べしべし
向日葵「痛っ、いった……」
櫻子「なに!? 気づいてたの私が生きてること!」
向日葵「当たり前でしょう……」
櫻子「え、いつから? どこから?」
向日葵「一番最初に見た時からなんとなく……」
櫻子「 ∵ 」
櫻子「し、知っててこんなことしたんだ……」
櫻子「おっぱいさわったり……す、吸ったり……っ///」
向日葵(う……!)ゾクゾクッ
櫻子(うぅ……ま、まだお腹が向日葵の息で熱い……)
櫻子(してやられた……)ふるふる
~
向日葵「……で、なんで死んだフリなんかしてたんですの? 最初に見た時は本当にびっくりしたんですからね」
櫻子「ふん! びっくりさせるためだもんね!」
向日葵「なんのために……?」
櫻子「言わない!」
向日葵「あとあなた、花子ちゃんに謝りなさい。あんなに泣いてたんですから……」
櫻子「あ、あれは予測してなかった事態で……」
向日葵「あんなに泣いてたから私も最初はびっくりしましたわ。よかったですわね」
櫻子「よくないわ!」
向日葵「よくないと思ってるんだったら最初からやるんじゃありません」びしっ
櫻子「あだっ」
櫻子「あーあー……向日葵も花子みたいになると思ったのに……」
向日葵「ふん……」
向日葵(……もし、もし櫻子が本当に死んでしまったときも、私は泣かないでしょうね)
向日葵(信じられないんですもの)
向日葵(こんなにうるさくて……こんなに可愛いあなたが……)
向日葵(いなくなるなんて、私には)
向日葵「…………」
櫻子「あーおなかぺこい! 向日葵なんか作って?」
向日葵「櫻子……」
櫻子「な、なに……」
向日葵「あなたがいなくなるときは、私がいなくなるときでもあるんですからね」
櫻子「は……?」
向日葵「あと、次死んだフリしたら例え死んでいてもそうでなくても思いっきり息を吹き込んでやりますから」
櫻子「あれやめろ! マジで心臓爆発する!」
向日葵「心臓じゃなくて肺じゃない?」
櫻子「はい」
向日葵「…………」
ガチャ
向日葵「あ……」
櫻子「あっ」
花子「…………」
花子「さくらこぉ……!」ぎゅっ
櫻子「わ、わっ……///」
花子「ばかっ……ばかぁ……!」
櫻子「花子……///」ぽっ
向日葵「…………」
花子「ほんとにっ……」
花子「ばかぁーーーーー!!!」
櫻子「うわっ!」
花子「殺す! 殺してやる!」
櫻子「うわー花子が壊れたー!」
花子「ひま子ねーちゃん足抑えて。こいつくすぐり殺す」
向日葵「了解ですわ」スチャッ
櫻子「や、やめろ! ほんとにやめろ!」
花子「うるさい! これは罰なんだから!」
櫻子「だ、だいたい死んだら泣く癖に、くすぐり殺すって意味わかんないっての!」
花子「な、なぁっ……!!///」
花子「殺す! 絶対ころすーー!!!」
向日葵「私も参加しますわね」
櫻子「や、やめろ! もうしないから! 絶対しない!!」
ガチャ
撫子「ただいま。私もやるよ」
櫻子「なんでだよ! 今帰ってきたんでしょ!? 関係ないじゃん!」
撫子「妹をくすぐるのに理由なんていらないでしょ。じゃあ私脇腹ね」
花子「しねええええええ!!!」
櫻子「うにゃああああああああああっ!!」
~fin~
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