ハルヒ「黒の騎士団に入るわよ!」(372)
----文芸部室
ハルヒ「あぁ~暇だわ!キョン、何か面白い話して!!」
キョン「急にどうした?無茶ぶりにも程があるぞ」
ハルヒ「だって最近本当退屈なんだもん!はぁ、何か面白い事ないかしらねぇ」
古泉「待ってるだけでは何も起こりません、今週末辺りにまた不思議探しをする
というのはいかがでしょう?」
キョン「(余計な事を言うな古泉!)」
ハルヒ「不思議探しねぇ・・・何かもう飽きちゃったわ」
古泉「・・・!」
キョン「意外な反応だな、いつもならすぐに乗り気になるだろうに
まぁ、ああも毎回徒労の連続じゃ飽きて当然だが」
みくる「え?じゃあもう不思議探しはやらないんですか?」
ハルヒ「飽きたけど完全に終わりにするつもりじゃないわ!
今はそういう気分じゃないからやりたくなってだけよ」
キョン「そりゃ残念だ」
ハルヒ「あー退屈退屈!!何で世の中ってこんなにつまらないのかしら!
漫画やアニメみたいな非現実的な出来事が何で起きないの!?」
キョン「そりゃ文字通り非現実的な事だから起こらないんだろうよ
その辺の欲求は今お前が言った漫画やアニメで補完すればいい」
ハルヒ「そんなのつまらないわ!!私は現実の世界で不思議な事件を見たり
聞いたりしたいの!」
キョン「あぁそうかい」
ハルヒ「本っっ当退屈!退屈すぎて頭おかしくなりそうだわ!
はぁ・・・現実世界が駄目なら、せめて夢の中だけでも面白い事に巻き込まれてみたいわ・・・」
キョン「夢?そういえば昔ドラえもんの映画でのび太が似たような事言ってたな」
ハルヒ「何それ?」
古泉「ありましたね、確か夢幻三剣士という映画です。
辛い現実に嫌気がさしたのび太が、夢の中だけでも格好良くなりたいと言って
ドラえもんがその望みを叶える、いや~懐かしいですね」
ハルヒ「へー、私ドラえもんとかってあんまり見なかったんだけど
のび太って意外と話せる奴かもしれないわね。
で、ドラえもんはその望みをどうやって叶えたの?」
古泉「確か好きな夢を自由に見る事のできる道具を使ったと記憶しています」
ハルヒ「好きな夢を自由に見れる道具!?羨ましいわ・・・そんな道具があったら
この退っっ屈な日常も耐えられるんだけどなぁ」
キョン「諦めろ、その道具だってドラえもんというアニメの中の話で
一般的に見たら非現実的なんだからな」
ハルヒ「分かってるわよ、うるっさいわね!!今日はもう帰る!!
最後の人、ちゃんと鍵閉めてってね!!」
バタンッ
みくる「は、はぁ~い・・・」
キョン「・・・ったく、今日はいつにもましてご機嫌斜めだったな
特にやる事もないし、俺達も帰るか」
古泉「ちょっと待ってください、お話が」
キョン「ん?何だ?」
古泉「ここ最近の涼宮さんをどう思いますか?」
キョン「どうと言われてもな・・・取り敢えず不機嫌なのは確かだが
あいつの情緒は常に不安定だからよく分からん」
古泉「えぇ、確かに不安定なのは間違いないのですが、ここ最近は特に顕著でして・・・
閉鎖空間の発生頻度も日に日に高まっていってます」
キョン「またあの気味の悪い空間を作っちまってるのかあいつは・・・」
古泉「いつもなら現実世界で不思議探しなどをして気を紛らわす事で
涼宮さんの中にある様々な鬱憤を少しずつ解消する事が出来るのですが
どうやら今回はそれすらもさせてはもらえないようで・・・正直お手上げです」
キョン「あー、あれはビックリしたな。まさかあいつが恒例の不思議探しを断るとは」
古泉「一年以上も続けていた、いわばSOS団の活動の根幹とも言える不思議探しを
飽きたと一蹴した・・・これは正直かなり危険なサインです」
キョン「なにがどー危険なんだ?」
古泉「また以前のように、閉鎖空間と現実世界を入れ替えようとする恐れもあります」
キョン「・・・そうなったらまた俺だけあいつと残る事になるのか?」
古泉「恐らく。まぁそうなったらあなたが以前涼宮さんにした事を
もう一度していただければ解決するかもしれませんが」
キョン「断る!」
古泉「そう言うと思いました。では何か対策を立てなければいけませんね
そうならない為にも」
キョン「なぁ長門、お前の目から見ても今のハルヒはヤバイ状態なのか?」
長門「・・・そう」
キョン「はぁ~」
古泉「あまり深刻になっても仕方ありません、取り敢えず今日はここまでにして
明日また話し合いをしましょう。何か良い手立てがないか、みなさん各自
家で考えてきてください、よろしくお願いします。」
キョン「分かったよ」
みくる「分かりましたぁ」
------その日の夜(キョンの部屋)
キョン「はぁ~、ハルヒの不平不満を少しでも晴らす為の手立てねぇ・・・
まずい、なにも浮かばん・・・」
キョン「まぁ、俺の頭に浮かびそうな考えなんざ古泉の奴ならとっとと思いつくだろうし
考えるだけ無意味だな。よし、もう遅いし寝よう!」
キョンは布団に入り眠りについた
?「キョン・・・・キョン」
キョン「Zzz」
?「キョン、いつまで寝てる気だい?早く起きてくれないかな?」
キョン「んん?まだ朝じゃ・・・・・・・って何だこれは!!」
目を覚ましたキョンは自分が今いる場所に驚いた
四方八方見渡す限り星空。そこはまるで宇宙空間のようだった
そして目の前にいたのは
キョン「さ、佐々木?何でお前が・・・・ていうかここは何処だ!?」
佐々木「やれやれ、やっと起きてくれたか」
キョン「質問に答えてくれ、ここは何処で、どうしてお前が俺の目の前にいるんだ!?
俺は自分の家の自分のベッドで寝ていたはずだぞ!」
佐々木「まぁ当然の疑問だね。でも残念、僕はそれらの答えを持ち合わせていないんだ
僕に与えられた仕事は、ここで君に別の世界へ行くにあたっての簡単な説明を
するという事であって、それ以外の事は何も分からないんだ」
キョン「別の世界?説明?お前は何を言っているんだ佐々木?」
佐々木「ククク、そりゃいきなりこんな事を言われたんじゃそんな顔にもなるよね
改めて言うけど、君にはこれから別の世界へ行ってもらう!
そしてそこで待ち受けてる様々な問題を解決してきてくれ」
キョン「・・・あぁ、なるほどな。俺って奴は頭がどうかしてたぜ
こりゃいつも見てるアホな夢じゃないか。目を覚ましたらそこはわけの分からん場所で
目の前には佐々木がいて意味不明な事を言ってる、完全に夢だ」
佐々木「ククク、まぁ解釈は自由だよ」
キョン「えーっと、何だっけ?あぁ、別の世界に行かなきゃならないんだったな?
じゃあさっさと連れてってくれ、睡眠の時間は限られてるんだ
別の世界とやらへ行く前に目が覚めちまったんじゃつまらんからな」
佐々木「随分と乗り気だねキョン」
キョン「アホな夢とは言え俺の夢だからな、出来るだけ楽しむさ
さぁ、早く連れてってくれ」
佐々木「ちょっと待って、その前に簡単に説明をさせてくれ」
キョン「あぁ、そういえばそれがお前の仕事だったな」
佐々木「さっきも言った通り君はこれから別の世界へと行くわけだけど
急に何も知らない世界へと放り込まれても困るだろ?
だからその世界に関する一般的な知識や周りの人間に関する情報を
これから脳に記憶させる」
キョン「おう、何でもやってくれ」
佐々木「じゃあおでこ出して」
キョン「こうか?」
キョンは手で前髪を上げ佐々木にでこを出した
すると佐々木は右手人差し指をキョンのでこに当て
なにやらブツブツと呪文のような言葉を呟いた
佐々木「終わったよ」
キョン「は?もう終わりなのか?いくら夢とは言え適当すぎるだろ・・・」
佐々木「でもどうだい、これから行く世界の情報、関わる人間の事など
頭の中に入ってるだろ?軽い問題でも出してみるか
君がこれから行く世界の3分の1を支配している国の名前は?」
キョン「神聖ブリタニア帝国」
佐々木「君がその世界で通っている学校の名前は?」
キョン「アッシュフォード学園」
佐々木「君はその学校でどんな立場だい?」
キョン「生徒会役員」
佐々木「生徒会に所属している人の名前は?」
キョン「俺に生徒会長のハルヒ、古泉に長門、朝比奈さんにリヴァル、シャーリーにルルーシュ
カレン、スザク」
佐々木「完璧だね!でも今入れた情報はあくまで基礎的な知識だけなんだ。
いざ向こうの世界へ行ったら知らない事も多いから油断は禁物だよ」
キョン「あぁ、それにしても凄いなこれ・・・当たり前の事のように自然と答えが出てくる!
流石は俺の夢、都合が良いいな・・・ん?ちょっと待てこの夢にはハルヒ達まで出てくるのか!?」
佐々木「勿論」
キョン「orz・・・夢の中くらい解放されたいもんだ」
佐々木「それと、これが一番重要な事なんだけど」
キョン「何だ?」
佐々木「君は向こうの世界で特殊な力を使う事ができる」
キョン「特殊な力?その情報は頭に入ってないぞ?」
佐々木「面倒だろうけどこれに関しては口頭で説明させてもらうよ」
キョン「あぁ、構わん」
佐々木「能力の名前はギアス、絶対遵守の力だ」
キョン「ぜったいじゅんしゅ?」
佐々木「簡単に言うと、君の命令した事に誰も逆らう事ができない能力って事だよ」
キョン「おお!そんな能力が使えるのか俺は!最強じゃないか!」
佐々木「ただこの能力にはいくつか制約があってね、まず相手の目を見ないと使えない
そして同じ相手に二度は使えない」
キョン「能力の内容の割りに楽な制約だな、流石は俺の夢だ
俺が困らないようにできてる」
佐々木「ククク、そうだね。以上で説明は終わりだ。じゃ、頑張って」
キョン「おう、いろいろとありがとな!」
佐々木「じゃ、飛ばすね」
佐々木がそう言った瞬間、キョンは激しい目まいに襲われた
いつぞやに朝比奈みくるとタイムリープした時のようなあの感覚
そんな中、かすかに佐々木の声が聞こえてくる・・・
佐々木「あっ!言い忘れたけど、君以外にもギアス能力者は何人かいるからね!
それと、君のギアスは他の能力者にだけは効かないからねぇぇ」
キョン「ん?何言ってるんだ佐々木の奴は?」
------
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?「キョン、起きなさい!何寝てんのよアンタわ!!」
キョン「へ?」
?「へ?じゃないわよこの馬鹿!状況を考えなさい、寝てる場合じゃないでしょ!」
キョン「ハルヒか・・・?」
ハルヒ「・・・・あんた寝ぼけてんの?私以外に誰だってのよ!」
キョン「あ、いや何でもない!いやーすまんすまんつい寝ちまった」
古泉「この状況下で睡眠がとれるなんて羨ましいかぎりです
大物感に溢れてますね」
ハルヒ「ただ馬鹿なだけよ!全く信じられないわ!」
キョン「この状況この状況って、今どんな状況な」
キョン「(いや、分かるぞ・・・そうだ、ハルヒの奴が黒の騎士団とゼロの謎を暴くとか言いだして
みんなで放課後に新宿ゲットーを探索してたらブリアニア軍が来て・・・)」
古泉「急に日本人を襲い始めた為、我々は廃ビルの陰に隠れているというわけです」
キョン「連中がゲットーでやってるのは軍事演習だけじゃなかったのか?」
古泉「表向きはそう言ってますが、どうやら実情は違ったようですね
そういえば聞いた事があります、軍の中には演習と銘打ってゲットーに住んでいる
日本人を狩りと称し虐殺してる野蛮人がいると」
キョン「何だそれ・・・いくらなんでも酷すぎるじゃねーか!」
ハルヒ「クズもいいところだわ、許せない!」
みくる「あのぅ・・・それじゃ私達も殺されちゃうんですかぁ?」シクシク
ハルヒ「安心しなさいみくるちゃん!この私がいる限りは何の心配もないわ!
ブリタニア軍なんてコテンパンにやっつけてやるわ!」
キョン「やっつけるったってな、向こうはナイトメアを使ってるんだ
生身の俺達が勝てるわけがないだろう」
ハルヒ「そんなのやってみないと分からないじゃないの」
キョン「いいや、分かる!」
古泉「彼の言う通りです、残念ですが我々に勝ち目はありません
かと言って下手に逃げ回るのも危険です、背を向けて逃げる日本人など
狩人にとっては格好の獲物ですからね」
キョン「逃げるのも駄目、戦うのも駄目って、じゃあどうすりゃいいんだ?」
ハルヒ「有希、何か良い考えない?」
長門「・・・・・・・・」シーン
古泉「両手を挙げて保護を求めるしかありませんね。不本意ではありますが
我々は名誉ブリタニア人として国民IDも持っています、これを見せて
きちんと保護を求めれば、流石に殺される事はないかと」
キョン「なるほど・・・逃げたり戦ったりよりは確かに助かる可能性は高い」
ハルヒ「冗談じゃないわ!私は嫌よ!あんな連中に保護を求めるなんて!
あいつらは罪のない日本人を虐殺してるのよ!?」
キョン「気持ちは分かるが、ここで全員が助かるにはそれしかない
逃げるにしても戦うにしても、お前は何とかなるかもしれんが運動能力の低い
俺や朝比奈さんはどうなる?」
みくる「キョンくん・・・」シクシク
ハルヒ「・・・・・」
キョン「会長なら自分の事だけじゃなく、生徒会全員の事を考えた上で判断を下すべきだ」
ハルヒ「うるさいわね!そんな事アンタに言われなくても分かってるわよ!
・・・・いいわ、保護を求めましょう」
キョン「ありがとよ」
ハルヒ「フン、アンタに礼を言われる筋合いはないわ!」
古泉「では次にそこの道をナイトメアが通ったら
全員で両手を挙げて保護を求めましょう」
キョン「分かった!」
古泉「出来ればライフルを装備していないナイトメアがいいですね
見られた瞬間発砲されたんじゃ保護を求めようもないですから」
ウィーーーン
キョン「来たぞ!ブリタニア軍のナイトメアだ!!」
古泉「ライフルは装備していないようですね、しかもサザーランドと比べ旧型のグラスゴー
武器はスタントンファーとハーケンのみ・・・・・行きましょう!」
キョン「よし!」
キョン達は隠れていた場所から飛び出し
走行するグラスゴーの前に姿を見せた
グラスゴーパイロット「ん?何だあいつらは?イレヴンか?」
パイロットはグラスゴーをキョン達の前で停止させ
音声を外に流し話し始めた
Gパイロット「貴様等、こんな所で何をしている!?見たところ学生のようだが・・・」
古泉「それが、学校帰りに興味本位でここに来てしまいまして・・・」
キョン「そうなんだ、そしたらあんたらが演習を始めてそれで・・・」
Gパイロット「帰るに帰れなくなったというわけか?」
古泉「えぇ、僕達は名誉ブリタニア人です、IDカードも所持しています
ご確認の後保護をお願いしたいのですが」
みくる「お、お願いしますぅ~」シクシク
Gパイロット「ふっ、ふははははwww何が名誉ブリタニア人だ、笑わせるな!!
そんな者ブリタニアには必要ない!!つまり、俺がお前等を保護する必要もない!」
キョン「な、何だと!?」
古泉「・・・・外れでしたね、まさか純潔派の方だったとは」
キョン「純潔派?」
古泉「ブリタニアはブリタニア人だけで構成すべきだという考えを主張している方々の事です
彼らはナンバーズだけでなく名誉ブリタニア人も毛嫌いしていますからね
IDを持っていようがいまいが関係ないのでしょう」
キョン「なっ・・・」
ハルヒ「ちょ、ちょっと何よそれ!?私達は名誉ブリタニア人なのよ!!
ちゃんと保護しなさいよ!」
Gパイロット「黙れ糞餓鬼!!お前等はイレヴンだ!俺達ブリタニア人に狩られる
弱い弱いイレヴンだろうが!!立場をわきまえろ糞が!!」
ハルヒ「な、なんですってー!!」
キョン「お、おい止めろハルヒ!敵う相手じゃない!」
古泉「相手が純潔派ではもうどうしようもありませんね、作戦を考えたのも
保護を求める相手を選んだのも僕です、責任はとります
囮になりますので、みなさんはその隙に逃げてください」
キョン「おい、何言ってんだお前!?」
ハルヒ「そうよ、団員を見捨てるなんて事できないわ!みんなで逃げるの!
いいわね古泉くん!!」
古泉「しかし全員で一緒に逃げてもすぐに攻撃されて全滅です!」
キョン「(そうだ!!そういえば俺はギアスとかいう能力が使えるんだった!!
あれを使えばこの状況も簡単に打破できる!!)」
Gパイロット「何をごちゃごちゃ言ってやがんでイレヴン共!!
皆殺しにしてやる、覚悟しやがれ!!」
キョン「あ・・・・・駄目だ、直に相手の目を見ないといけないんだった・・・こりゃイカン」
ハルヒ「考えてる暇はないわ、みんな逃げましょう!」
キョン「お、おう!!いくぞ古泉!!」
Gパイロット「逃がすかよ!!ひき殺してやる!」
グラスゴーが逃げるハルヒ達に迫る
キョン「くそ、もう駄目だ!」
みくる「ふぇぇぇぇ」
Gパイロット「死ね!!」
万事休すかと思ったその時、どこからかスラッシュハーケンが飛んできて
キョン達を襲っていたグラスゴーの右足を弾き飛ばし
バランスを崩した機体はその場に横転した
ドスンッ!!
Gパイロット「ぐわっ!!!」
キョン「ハァ、ハァ・・・た、助かった・・・朝比奈さん、大丈夫ですか?」
みくる「ふぇぇぇぇんキョンくぅぅぅん!!怖かったですー」シクシク
古泉「どうやら我々を助けてくれたのは、あのナイトメアのようですね」
ハルヒ「あの赤いのって、黒の騎士団のエース機じゃないの!?」
キョン「本当だ、黒の騎士団が来てくれたんだ!朝比奈さん、もう大丈夫ですよ!」
みくる「ふぇぇぇぇ・・・」
赤い機体のパイロット「そこの学生、今の内に逃げなさい!」
赤い機体から外部音声で声が響き渡る
キョン「そ、そうだな!朝比奈さん、もう少し走れますか?」
みくる「ふぇぇ・・・なんとか」
古泉「急ぎましょう!」
ハルヒ「全速力で行くわよ!!みんなちゃんとついて来なさいよね!」
ハルヒを先頭に全員その場から走り出した
赤い機体のパイロット「(ふぅ、良かった・・・それにしても、何でみんなが
こんな所にいるのかしら?)」
Gパイロット「糞がっ!逃がさねーぞイレヴン共!!」
赤い機体のパイロットが油断した瞬間、グラスゴーのパイロットは横転したまま
スラッシュハーケンを逃げるハルヒ達のすぐ横にある廃ビルへと打ち込んだ
バシュッ!!
赤い機体のパイロット「はっ!しまった!!」
ズガーン!!
ハーケンは見事ビルに命中し
大量の瓦礫がハルヒ達目掛けて降り注ぐ
キョン「なっ・・・・に、逃げろ!!!」
古泉「しかしこうも広範囲では・・・」
みくる「ふぇぇぇぇ!!」
ハルヒ「嘘でしょ・・・きゃああああああ」
長門「・・・・・」
キョン「うわあああああああああ」
ガラガラガラドカーン!!
-------------
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--
-
キョン「うわああああああああああ!!!」ガバッ
チュン チュン チュン
キョン「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・・・・・・・へ??ここは??」
ガチャッ
キョン妹「キョンくーん、朝だよー!!あれ?キョン君珍しく起きてる?」
キョン「・・・・・・へ?朝?」
キョン妹「そうだよー、キョン君どうしたのぉ?汗ビッショリだよぉ?」
キョン「い・・・いや、何でもない。分かったから先に下降りてなさい」
キョン妹「はーい」
ガチャッ
キョン「・・・・・・・・・・・ゆ、夢か・・・・・・」
キョン「・・・・・・・・・」
キョン「ぬおおおおおおおおお!!なんちゅー夢を見てたんだ俺は!!
最初の方は夢だって自覚してたのに後半は完全に忘れちまってた!!
かぁーっ、フロイト先生も爆笑だっぜ!!」
--------教室
国木田「あっ、おはようキョン」
キョン「あぁ・・・・」
国木田「どうしたんだい?朝だっていうのに疲れきった顔して?」
キョン「いや、ちょっとな」
国木田「もしかして夜遅くまで勉強してたのかい?」
谷口「国木田、キョンがそんな事するわけないだろ
精々深夜のエロイ番組でも見てたって所だな」
キョン「お前と一緒にするな」
谷口「残念だったな、俺は録画してるから起きてる必要はないんだ(キリッ」
キョン「あぁそうかい」
キーンコーンカーンコーン
国木田「そろそろ先生が来ちゃうね、じゃあキョンまた後でね」
キョン「あぁ」
国木田、谷口と別れたキョンは自分の席に着席した
キョン「(雰囲気からして今日も変わらず不機嫌モードっぽいな
取り敢えず話しかけてみるか)」
キョン「ようハルヒ、今日もイライラが顔に出てるぞ」
ハルヒ「はぁ!?何よ朝っぱらからうるさいわね!余計なお世話よ!!」
キョン「(どうやら当りのようだ)」
ハルヒ「別にイライラなんてしてないわよ!昨日変な夢見たから
それでちょっと変な気分なの!」
キョン「変な夢?奇遇だな、俺も昨日飛びっきり変な夢を見たばっかりだぞ」
ハルヒ「だから何?私とアンタの夢を同列にしないでちょうだい!」
キョン「へいへい」
ハルヒ「最初の方は凄くドキドキして、面白い夢だったのに
最後の最後で最低な終わり方したのよ!あー思い出すだけで気分が悪いわ!!」
キョン「ったく、前日の夜に見た夢の内容によっていちいち機嫌を変えられたんじゃ
周りの人間はいい迷惑だぜ・・・」
ハルヒ「何か言った!?あ、そうだ!今日ちょっと用事があるから私部活いけないの
みんなに伝えといてね」
キョン「へいへい(朝から放課後の話かい!)」
-------文芸部室(放課後)
ガチャッ
キョン「うーっす」
古泉「おや?今日は涼宮さんは御一緒ではないのですか?」
キョン「今日は用事があるとかで欠席するとさ」
古泉「そうでしたか、それは都合が良いですね」
キョン「都合?何の都合だ?・・・・・ん?あ、朝比奈さん!?」
みくる「キョンくーん・・・・」シクシク
キョン「な、何で泣いてるんですか朝比奈さん!?おい古泉、まさかお前!」
古泉「か、勘弁してください。都合が良いと言ったのは、朝比奈さんが泣いている
理由を説明するのに都合が良いと言う意味です」
キョン「(何だか激しく嫌な予感がする、朝比奈さんが泣く時というのは
決まってハルヒ絡みだと相場が決まっているからだ・・・)」
古泉「流石ですね、正解です」
キョン「はぁ・・・で、今度は何をやらかしたんだあいつは?」
古泉「その質問に答えるには、まずこちらの質問に答えていただけなければなりません」
キョン「何だ?」
古泉「昨日、どんな夢を見ましたか?」
キョン「昨日?・・・・・・人に話すにはかなり勇気のいるアホな夢だったから
あまり言いたくないのだが」
古泉「では僕が当ててみせましょう」
キョン「なに?んな事できるわけないだろ」
古泉「お忘れですか、僕は超能力者ですよ?」
キョン「現実では力が使えないエセ超能力者だろ」
古泉「ふむふむ・・・・見えます」
キョン「付き合ってられん」
古泉「あなたが昨日見た夢、それは新宿ゲットーという場所で
我々SOS団がブリタニアという国の軍隊から逃げ回るという内容ですね?」
キョン「!!?」
古泉「途中黒の騎士団が助けに入るも、最後は瓦礫の下敷きになり全滅・・・違いますか?」
キョン「な、何で分かるんだ!?」
ハルヒ「ふふふぅ、黒の騎士団か、なかなか楽しめそうじゃない!!」
キョン「おい、ハルヒ辞めておけよ、あそこはゲリラだぜ」
ハルヒ「エリア11の開放には興味ないわ!!、私が知りたいのはゼロの正体よ!!」
キョン「遂にこっちの世界でも超能力が使えるようになったのか?」
古泉「いいえ、先程のは冗談です」
キョン「じゃあ何で分かった!?」
古泉「簡単ですよ、僕も全く同じ夢を見ていたんです」
キョン「・・・・言っている意味が分からんのだが」
古泉「僕だけじゃありません、そこにいる朝比奈さんと長門さん
そして涼宮さんも、昨日あなたが見たモノと全く同じ夢を見ていたんです」
キョン「何でそんな事が言える?」
古泉「僕も今日ここに来るまでは何も気がつきませんでした
これらの事実を教えてくれたのは長門さんです」
キョン「長門が?」
古泉「えぇ、勿論僕がそれらの事を信じたのはきちんと裏付けをとってからですが」
キョン「おい長門、昨日俺達全員が同じ夢を見てたって言うのはマジなのか?」
長門「厳密に言うと夢ではない、昨日の夜私達は全員別次元の地球に飛ばされていた」
キョン「夢じゃない?別次元の地球?」
長門「そう」
キョン「・・・すまんが、もう少し分かりやすく説明してくれ」
長門「私達が今生活しているこの世界とは別の歴史を辿っている並行世界
私達は昨日そこに飛ばされていた」
古泉「つまり、パラレルワールドですよ!」
キョン「飛ばされてたってのはどういう意味だ?」
長門「そのままの意味、昨日の出来事は寝ていた時に見た夢ではなく
実際に起きていた事」
キョン「するとなんだ、瓦礫の下敷きになったあれは実は夢じゃなく
本当に下敷きになってたって事か?」
長門「そう」
キョン「でも俺もお前も、ハルヒだって何ともないじゃないか?
あれが夢じゃなかったなら俺達は無事でいられるはずがない」
長門「それは涼宮ハルヒがあっちの世界を夢だと認識しているから」
キョン「ハルヒが夢だと思い込んでるから、その並行世界とやらで瓦礫の下敷きになっても
こっちの世界で目が覚めて身体には何の影響もなかったって事か?」
長門「そう」
古泉「涼宮さんがあれを夢だと思っていてくれてて助かりましたね
夜な夜な我々を別の世界へと飛ばしている原因は勿論彼女の力によるものです
現状明確な対処法はありません、恐らく今日の夜も飛ばされるでしょう」
キョン「あいつは何が悲しくてそんな事をしてるんだ?」
古泉「昨日のここでの会話をお忘れですか?」
キョン「ん?」
古泉「『せめて夢の中だけでも』という話をしていたではありませんか」
キョン「ドラえもんの映画のくだりか・・・」
古泉「えぇ。涼宮さんは無意識の内に、夢の中だけでも面白い体験をしたいという
願望を具現化してしまったようです」
キョン「今日も飛ばされるって言ったな?いったいいつまで続くんだ?」
古泉「涼宮さんの気が晴れるまでは永遠と続くと思いますよ」
キョン「orz・・・・・朝比奈さんが泣くのも無理ないな」
古泉「飛ばされた先の世界で涼宮さんが満足するくらい面白い体験が出来れば
恐らく解放されるでしょう、我々がやるべき事はそれです」
キョン「ハルヒを満足させりゃいいわけか・・・簡単なようで難しそうだな」
古泉「飛ばされる世界自体、一筋縄ではいかないような場所ですしね」
キョン「また昨日と同じ世界に飛ばされるとは限らないんじゃないか?」
古泉「いいえ、同じ場所だそうです」
キョン「何で分かるんだ?」
長門「こっちの世界と向こう世界を繋ぐ超空間がまだ存在してる
普通では絶対にあってはいけないもの、それがあるという事は
今夜もそこを通って同じ場所に行く可能性が高い」
キョン「なるほど・・・ん?でも待てよ、俺たちは向こうの世界では
確かに瓦礫の下敷きになったんだぞ?まさか向こうの世界に行った瞬間
瓦礫の下で瀕死の状態からスタートするのか?」
長門「それはない、涼宮ハルヒが事実を改竄した」
キョン「改竄した?」
古泉「あの時、夢の中であるという認識があったにしろ涼宮さんは
『死にたくない!』と強く願ったんですよ、だから向こうの世界でも
我々は瓦礫の下敷きにならず、あのまま軍から逃げ切ったという風に
歴史を書き換えたんです」
キョン「ハルヒパワーは別の世界でも健在なのか・・・
ていうか、何でそんな事まで分かるんだ?」
長門「情報統合思念体が調べた」
キョン「こういう不足の事態の時は本当に役に立つな、お前の親玉は」
みくる「うぅぅ・・・キョン君、私怖いですぅぅ」シクシク
キョン「大丈夫ですよ朝比奈さん、俺達みんな一緒なんですから!
それにほら、向こうの世界でどんな怪我をしようが、ハルヒが夢だと認識している以上
こっちの世界では身体に傷一つつかないんですから」
古泉「夢だと認識している内は確かにそうですが、あまり時間がかかると
涼宮さんが夢である事を忘れ、それを現実だと認識してしまうかもしれません
そうなったらあちらの世界とこちらの世界が入れ替わってしまうでしょう」
キョン「そうなったらどうなる?」
古泉「夢ではなく現実なのですから、向こうで受けた傷はそのまま残りますね
死ねば本当に死にますし、それ以前にこちらの世界へ戻る手立ても失われます」
みくる「ふぇぇぇん、キョンくーん」
キョン「だ、大丈夫ですよ・・・・こっちにはギアスもあるんですし!」
みくる「ふぇ・・・ギアス?」
古泉「何です、そのギアスというのは?」
キョン「ん?お前昨日の夢見る前に佐々木に説明受けなかったのか?
同じ夢を見ていたんだろ?」
古泉「ほぅ、あなたの方には佐々木さんが出てきたのですか」
キョン「お前は違うのか?」
古泉「えぇ、どうやら最初に説明した人物に関しては、その人個人の中で
思い入れの深い人物が出てきていたようですね」
キョン「(特に思い入れが強いとも思わんが・・・付き合い自体もそんなに長くないし)」
古泉「ところで、そのギアスというのが何なのか説明していただけますか?」
キョン「あぁ、えーっと確か・・・」
キョンは古泉達にギアスの説明をした
古泉「絶対遵守の力・・・なるほど、確かにこれは我々にとって大きな武器に
なるかもしれませんね」
キョン「本当にお前には何の説明もなかったのか?」
古泉「えぇ、僕だけじゃなく朝比奈さんと長門さんもそういった能力の存在については
何も聞いていません。恐らくこの力はあなたにだけ与えられた特権なのでしょう」
キョン「何で俺だけなんだ?」
古泉「涼宮さんがそう願ったからです」
キョン「・・・・・」
古泉「やはり今回もあなたがキーマンになりそうです。頼りにしてますよ」
キョン「はぁ・・・・」
古泉「最終目標は涼宮さんを満足させる事で間違いはありませんが
まずは涼宮さんがあちらの世界で何をしたいのかを知る事から始めましょう」
キョン「やりたい事が分からないんじゃ満足させようがないしな」
古泉「かなり骨の折れる作業になると思いますが、みなさん頑張りましょう」
みくる「・・・はい」
キョン「あぁ」
------その日の夜
キョン「・・・・・・・・・・・・よし、寝るか。はぁ、寝るのがこんなに憂鬱なのは初めてだぜ全く」
----------
------
----
--
-
---アッシュフォード学園生徒会室
ハルヒ「起きなさい馬鹿キョン!!!」パコンッ
キョン「イテッ!!」
キョン「何しやがる!」
ハルヒ「これから会議が始まるってのに居眠りしてるアンタが悪いのよ!」
キョン「たく、どうして俺だけいつも叩き起こされる所から始まるんだ」
ハルヒ「ん?何か言った?」
キョン「いいや(よし、古泉達もいるな)」
ルルーシュ「何を決める会議なのか知らんが、早くやって早く終わらせよう
俺は他にやる事があるんだ」
キョン「(こいつはルルーシュ・ランペルージ、妹ナナリーと一緒に
学園内のクラブハウスに住んでる生徒会の副会長・・・分かる、分かるぞ
まるでずっと前から知り合いだったかのように分かる)」
シャーリー「やる事って、どうせまた賭け事でしょ?」
キョン「(シャーリー・フェネット・・・ルルーシュに思いをはせる同級生)」
ルルーシュ「いや、もう賭け事は止めたんだ。他に面白いものを見つけたからね」
シャーリー「面白いもの?」
リヴァル「おいルルーシュ何だよその面白い事って?俺も混ぜてくれよ!」
スザク「ルルーシュ、まさか法に触れるような事をやってるんじゃないだろうね?」
キョン「(リヴァル・カルデモンドに枢木スザク。前者は人畜無害の一般人
後者は名誉ブリタニア人でありながらユーフェミア皇女殿下の騎士にまで登りつめたイレヴンの英雄)」
ハルヒ「ありえるわね!詐欺だわ、詐欺でしょ!?アンタいったい誰を騙してるの?」
シャーリー「えぇ!?ルルそんな事してるの!?」
ルルーシュ「勝手に話を進めるな!法に触れるような事俺がするわけないだろ!」
カレン「どうかしら・・・じゃあ何で最近生徒会に顔を出さないの?
それどころか授業に出る回数も減ってるじゃない」
キョン「(カレン・シュタットフェルト、親父さんはブリタニアの一流貴族
学園一の超御嬢様だが、身体が弱くて学校は欠席する事が多い)」
ルルーシュ「少なくとも君よりは出席日数も、生徒会に顔を出す機会も多いと思うが」
カレン「・・・むっ」イラッ
ハルヒ「いいや、駄目よ!ルルーシュ、アンタ最近怠けすぎよ!!
授業はともかく生徒会の活動には必ず顔を出しなさい!!」
ルルーシュ「会議の時はいつも顔を出してるだろ、それに俺よりもカレンやスザクの方が
生徒会に来る回数は少ない」
ハルヒ「カレンは身体が弱いんだから仕方ないじゃない!スザクは軍の仕事があるし
アンタは何もないじゃない!それに副会長という役職に就いているんだから
毎日来て会長である私のサポートをしなさい!」
リヴァル「そうだそうだ、毎日来い!」
ルルーシュ「嫌だと言っていたのに強引に人を副会長にしておいてその言い草か・・・」
ハルヒ「しょーがないじゃない、他に出来そうな人がいなかったんだから」
ルルーシュ「古泉がいるだろ!!」
古泉「まぁまぁ、その辺にしてそろそろ会議を始めませんか?」
ハルヒ「そうね!じゃあ始めましょう」
リヴァル「いや、始めましょうって言われても・・・」
シャーリー「今日は何の会議なの?」
ハルヒ「会議って言うか、実はアッシュフォード学園生徒会の名を世界中に轟かせる為の
活動目標が決まったからそれを発表しようと思っただけなの!」
ルルーシュ「世界中に轟かせる・・・お前はまだそんな事を言ってるのか・・・」
キョン「(活動目標・・・・これだ!これがハルヒがこっちの世界でやりたい事!
それを達成できればこの夢から解放される!)」
ハルヒ「何をするか聞きたいでしょルルーシュ?きっとビックリするわよ!」
ルルーシュ「どうせくだらん事だろうが、言ってみろ」
ハルヒ「フフーン♪我がアッシュフォード学園生徒会は、ゼロの正体を暴きます!!」
ルルーシュ「!!?」
通常パートと異世界パート+世界観のスケールが壮大すぎるから、完結できるか心配だな
カレン「!?」
シャーリー「ゼロの?」
リヴァル「ゼロって、あのゼロだろ?」
ハルヒ「そうよ!ゼロの正体なんて今世界中の人が関心をもってる事だし
暴いたらこの生徒会の名が一気に知れ渡るわ!」
キョン「(これがハルヒのやりたい事か・・・やっぱり一筋縄じゃいきそうもないな)」
ルルーシュ「単純に暴くと言っても何か具体的な方法がなければ絵に描いた餅だ
何か作戦はあるのか?」
ハルヒ「勿論あるわよ!」
ルルーシュ「ほう、言ってみろ」
ハルヒ「まずはゼロに近づく事が第一ね!相手の懐に入って油断したところを襲うの!
公に募集なんてしてないけど、黒の騎士団は常に団員を求めてるって言うし
中に入り込む事自体はそんなに難しくないと思うわ!」
キョン「相手は仮にもテロリストだぞ?お前はゼロの正体を暴く為ならテロリストにも
なるっていうのか?」
ハルヒ「別にいいわよ」
スザク「いや、危険だから止めた方がいい!」
シャーリー「そうだよ、テロリストなんかになってもし捕まっちゃったら・・・」
スザク「君達はこの間新宿ゲットーに行って大変な目に合ったばかりじゃないか!
それにゼロは・・・・黒の騎士団は普通じゃない!絶対に関わっちゃ駄目だ!」
カレン「むっ・・・」イラッ
リヴァル「スザクの言うとおりだと思うぜ、流石にテロリストに関わるのはまずいって」
ルルーシュ「そうだな、ただの学生が手を出していいような相手じゃない」
ハルヒ「・・・・・ったく、何真に受けてんのよ!冗談に決まってるじゃない!
ブリタニアンジョークよブリタニアンジョーク!」
キョン「お前はブリタニア人じゃないだろ!ていうか、ジョークだと?」
ハルヒ「いくら何でもテロリストに近づこうとなんてするはずないじゃない!冗談よ」
シャーリー「はぁ、良かったぁ」
ルルーシュ「くだらん冗談に付き合ってる暇はないんだが?さっさと本題に入ってくれ」
ハルヒ「本題?うーん、今日はもういいわ!解散!」
キョン「なに?解散?」
ハルヒ「そ、もうみんな帰っていいわよ!あっ、キョンと古泉くんと
みくるちゃんと有希は残ってね!」
ルルーシュ「・・・・何の為にここに来たんだ俺は・・・」
スザク「はは、会長らしいね」
---------数分後
ハルヒ「よし、みんな帰ったわね!」
キョン「何だってんだ、俺達だけ残して?」
ハルヒ「さっきは誤魔化したけど、私は大マジなの!
ここにいるメンバーでゼロの正体を暴く為、本日から動き出すわよ!」
キョン「はぁ、やっぱりそういう事だったのか・・・」
みくる「で、でも相手はテロリストなんですよぉ・・・大丈夫なんでしょうか」
ハルヒ「心配ないわ!私がいるから!」
キョン「(お前がいるから心配なんだ!)」
古泉「しかし、何故我々だけなのですか?他の方々は?」
ハルヒ「スザクは軍人だから黒の騎士団に潜入なんてできないだろうし
カレンは病弱だし、リヴァルは・・・・・地味だし」
キョン「おい、最後おかしいぞ」
みくる「あの、シャーリーさんは?」
ハルヒ「シャーリーみたいな天真爛漫な良い子をこんな危険な事に巻き込めないわ!」
キョン「じゃあ朝比奈さんもはぶくべきだ」
リヴァルはネタで入れといた方が面白そうな気がするけど
ハルヒ「みくるちゃんは大丈夫よねぇ?」
みくる「む、むむむ無理ですぅ~!!」
ハルヒ「うーん、まぁ仕方ないわね!今回は相手が相手だし
いいわ、みくるちゃんは外しましょう!」
みくる「よ、良かったぁ~」
ハルヒ「一応聞くけど、有希は大丈夫よね?」
長門「・・・」コクリッ
ハルヒ「決まりね、じゃあ私、キョン、古泉くんに有希の四人でやりましょう!」
古泉「個人的にはルルーシュさんも入れたほうが良いと思うのですが」
ハルヒ「あいつは駄目よ!」
キョン「何でだ?」
ハルヒ「私ね、実はルルーシュって黒の騎士団の関係者じゃないかって思ってるの!」
キョン「何を根拠に言ってるんだ?」
ハルヒ「根拠なんてないわ!勘よ、勘!!最近いつも出かけてるし
朝帰りばかりしてるのよ?だから私達が中に潜り込んでその真意を確かめるの!!
これは生徒会の仲間を更正させる為の活動でもあるのよ!」
キョン「もし本当にそうだったらの話だろうが」
ハルヒ「違うならそれにこしたことはないんだし、別に良いじゃないの!」
キョン「それはいいが、どうやってゼロの正体を暴こうっていうんだ?」
ハルヒ「さっき説明したじゃない!」
キョン「俺達が黒の騎士団の内部に入り込むってあれか?んなもん無理に決まってるだろ
だいたいどうやったら黒の騎士団なんぞに入ることができるんだ?」
ハルヒ「心配ないわ、もう応募してあるから!」
キョン「・・・・は?」
ハルヒ「もうここにいるメンバー分の書類を送ってあるの!
審査が通れば後日連絡をくれるらしいわ!」
キョン「そんな話初めて聞いたぞ!だいたいんなもん何処に送ったんだ?」
ハルヒ「何処って黒の騎士団の関係者に決まってるじゃないの」
キョン「何でお前がその関係者とやらの連絡先を知ってるんだ?」
ハルヒ「調べたからに決まってるじゃないの、ゲットーに行けば
その手の情報はゴロゴロ転がってるわよ!」
キョン「ゲットーって・・・あの後もお前一人で行ってたのか?」
ハルヒ「そうよ!」
キョン「はぁ・・・」
ドラえもんとのコラボ書いてた人か?
古泉「ブリタニアが血眼になって探している黒の騎士団の人員確保のルートを
こうも簡単に見つけてしまうとは、流石涼宮さんですね」
キョン「ハルヒが流石というより、黒の騎士団が甘いんじゃないのか?」
古泉「あのゼロのことですから、そういったところからは決して足がつかないように
かなり警戒してるはずです。それを見つけてしまうんですから
やはり涼宮さんを流石と評するのが的確ですよ」
ハルヒ「確かに警戒心はかなり強いわね、入手した情報の9割はトラップかガセ
みたいだったし!」
キョン「よくもまぁ正解の1割にたどり着いたもんだな」
ハルヒ「当たり前じゃない!私に不可能はないの!」
みくる「あ、あのぉ~」
ハルヒ「何?みくるちゃん」
みくる「さっき全員の書類を送ったって言ってましたけど・・・
私に関する書類も送ったんですかぁ?」
ハルヒ「えぇ、勿論送ったわよ!」
みくる「こ、困りますぅぅ!」
キョン「朝比奈さんは外すとさっき決めただろ!どうするんだ?」
ハウヒ「そんなの適当に誤魔化せば大丈夫よ!みくるちゃん、心配しなくていいのよ」
みくる「はい・・・」
ハルヒ「まずは黒の騎士団の内部に入り込んでゼロの信用を得るの!
そしてゼロが油断した瞬間を狙って仮面を剥ぎ取る!完璧な作戦だわ!」
キョン「完璧かどうかはさておき、まず書類審査とやらが通らないと話にならないぞ?
そこら中にいるただの高校生をテロリストが欲しがるとは思えん」
ハルヒ「大丈夫、きっと通るわ!私を信じなさい!」
キョン「どこから湧いてくるんだその自信は・・・」
古泉「何やら面白くなってきましたね」
キョン「何処がだ」
みくる「あの、みなさん気をつけてくださいね・・・」
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ルルーシュの部屋
C.C「ルルーシュ、腹が減ったぞ。ピザを頼め」
ルルーシュ「俺は今忙しいんだ、食べたいなら自分で電話して頼め」
>>53
そうです
C.C「さっきからお前は何をしてるんだ?ずっとパソコンの画面ばかり見ているが」
ルルーシュ「入団希望者のリストを見てるんだ、そろそろ人員を補充する必要があるのでな」
C.C「まだ団員を増やすのか?組織というのは大きくなりすぎると
統率がとれにくくなるものだぞ」
ルルーシュ「無能な人間が上に立ってる場合はな。俺は違う」
C.C「ふふ、そうだといいがな」
ルルーシュ「きたるべき東京決戦を迎えるには、もう少し駒がいる
シュナイゼルが動き出した以上、もうあまり時間が無い
これが最後の補充だ、だからできるだけ有能な人材が欲しい」
C.C「それで自ら選別してると言うわけか、ご苦労なことだ」
ルルーシュ「ん?これは・・・」
C.C「どうかしたのか?」
ルルーシュ「・・・入団希望者の中に、生徒会メンバーの名前がある」
C.C「ほう」
ルルーシュ「ありえない・・・租界に住むただの一般人がどうやって書類を・・・
あれほど入り組んだダミーやトラップを全て見破ったとでも言うのか・・・」
C.C「租界に住む一般人が黒の騎士団に入団を希望する事とはそんなに
難しいことなのか?」
ルルーシュ「あぁ、ブリタニアに情報が漏れたり、スパイ等が潜入しないよう
様々なトラップを幾重にも張り巡らせてある。租界からの希望者は
やはり念入りに振るいにかける必要があるからな」
C.C「ほう、ではそれを突破したそいつらは相当優秀なようだな」
ルルーシュ「(涼宮がこれらのトラップを突破したなど考えられない
となると、やはり古泉か)」
C.C「で?どうするんだ?前は生徒会の人間は出来るだけ巻き込みたくないと言っていたが」
ルルーシュ「(あの五人はイレヴンだ、ブリタニアと戦う理由はある
それにこれはゼロの正体を暴く為の策に基づいての行動
向こうの目的がはっきりしてる以上、スパイだと疑う必要もない)」
C.C「おい、聞いてるのか?」
ルルーシュ「(相手の懐に入って油断したところを、とあいつは言ってたな
その為にはまずゼロの信用を得る事が第一。表では忠誠を近い
裏では常に俺の仮面を狙っているというわけか)」
ルルーシュ「フフフ、面白い。入れてみよう!」
C.C「ほう、意外な判断だな」
ルルーシュ「確かに出来る事なら友人は巻き込みたくはない!が、あのトラップを
掻い潜った知力、そして行動力は賞賛に値する!逃すには惜しい人材だ」
C.C「やれやれ、カレンといいお前といい、生徒会の殆どがテロリストとは
学園の行く末が心配になるな」
-----数日が経過したある日(ゲットー)
ハルヒ「ちょっとキョン、アンタちゃんと地図見てたんでしょうね!」
キョン「穴が空くほど見てただろ!!ここが指定された場所で間違いない」
ハルヒ「でもアジトどころかなーんにもないただの更地じゃないの!!」
キョン「確かに・・・・まさかガセだったのか?」
ハルヒ「何よアンタ、私が掴んだ情報を疑うわけ!」
キョン「そうは言わんが・・・」
古泉「指定された場所だからと言ってそこに黒の騎士団の施設があるとは考えにくいでしょう
恐らくここに出迎えが来て、そこから移動という手順だと思いますよ」
ハルヒ「なるほど!流石古泉くんだわ!!や~い、キョンのアホ~!」
キョン「はぁ・・・」
古泉「と、言っていたら来ましたよ」
黒塗りの車がハルヒ達の近くで停車し
中から大柄な男が降りてきた
扇「君達が新入団員だな?」
ハルヒ「そうよ!!」
扇「ん?話には5人だと聞いていたが、後1人はどうした?」
キョン「え?いやそれはその・・・」
ハルヒ「途中で怖くなって逃げ出しちゃったのよ!だから私達だけで来ました!」
扇「そうか・・・まぁいい、取り敢えず車に乗りなさい。アジトまで案内する」
ハルヒ「はーい♪行くわよ有希!」
長門の手を引っ張ってハルヒは勢いよく車に乗り込んだ
扇「はは、元気な子だな」
キョン「騒がしくてすいません」
扇「気にしなくていいさ、暗いご時世にはあのぐらい元気なくらいが丁度良い
さ、君達も早く乗りなさい」
キョン「あ、はい」
ハルヒ達を乗せ車は黒の騎士団のアジトへと走り出した
----------黒の騎士団アジト
カレン「え?新しい団員ですか?」
ゼロ「あぁ、今日ここへ来る予定になっている」
カレン「ここへですか?でもここは黒の騎士団の中でも初期のメンバーや
上層部の人達しか入れない場所ですよね?
入ったばかりの団員を入れるのは危険では・・・」
ゼロ「問題ない、スパイの類でない事は既に確認済みだからな
それに、これからここへ来る連中はただの一般団員とは違う」
カレン「どう違うんですか?」
ゼロ「即戦力になりうる人材だ、だから最初からアジトに入ってもらう事にした」
カレン「そうなんですか・・・あの、ナイトメアのパイロットもいるんですか?」
ゼロ「経験者はいないだろうが、何人かはナイトメアにも乗ってもらう予定だ」
カレン「え?経験者はいないんですか?」
ゼロ「あぁ、即戦力というのは何も戦闘においての意味だけじゃないぞカレン」
カレン「そ、そうですよね、すいません!」
ゼロ「心配しなくても紅蓮二式は君の専用機だ。これから来る連中や
藤堂や四聖剣にパイロットを替える予定はないから安心しろ」
カレン「は、はい!ありがとうございます!」
コンコン
扇「ゼロ、俺だ。新入団員を連れてきた」
ゼロ「そうか、入れ」
ガチャッ
カレン「えっ・・・・・ええ!?」
扇「この子達が新しく入団する」
ハルヒ「カ、カレン!?何であなたがこんな所にいるのよ!?」
カレン「それはこっちの台詞よぉ・・・」
キョン「カレン・・・・本当だ、雰囲気は違うが確かにあのカレンだ!」
扇「何だ、お前達知り合いだったのか?」
カレン「学園の友達なの」
扇「そうだったのか・・・じゃあカレンがここにいて驚くのは無理もないな」
ハルヒ「ど、どういう事なのカレン!?何で病弱なアンタが!」
カレン「これが私の本当の姿よ、シュタットフェルトじゃなく
紅月カレンとしての私」
もしかして、長門や古泉って異世界だからとかいう理由で能力を使えない?
キョン「紅月カレン?」
カレン「私はブリタニア人と日本人のハーフなの、紅月が日本名で、私の本当の名前よ」
キョン「そうだったのか・・・」
ハルヒ「全く気付かなかったわ!まさかカレンに日本人の血が流れてるなんて!
何か嬉しいわね!!」
カレン「ありがとう、そう言ってくれると助かるわ」
古泉「病弱な名家の御嬢様というのは世を忍ぶ仮の姿だったというわけですか」
カレン「そっ、驚いた?」
キョン「そりゃもう・・・」
ハルヒ「全然見破れなかったわ・・・何か悔しいわね」
扇「ちなみにカレンは紅蓮二式のパイロット、つまり黒の騎士団のエースだ」
キョン「なんですと!?」
ハルヒ「あの赤いののパイロットなの!?凄いじゃないカレン!!」
古泉「という事は、いつぞや新宿ゲットーで我々を助けてくださったのは
カレンさんだったというわけですか」
カレン「そうよ、感謝してちょうだよね!正直ビックリしたわよ
まさかあなた達がゲットーをうろついてるなんて思わなかったし」
ハルヒ「そうだったの、御礼を言うわ!あの時は助けてくれてありがとうカレン!」
カレン「別にそんな、照れるから言わなくていいわよ」
ゼロ「盛り上がってるところ申し訳ないが、そろそろ話してもいいかな?」
キョン「うわっ、ゼロ!!」
ハルヒ「ちょ、ちょっと急に出てこないでよ!ビックリするじゃない!!」
古泉「いえ、彼はずっと部屋の中にいましたよ」
ゼロ「一つの事に夢中になると回りが見えなくなるタイプのようだな
まぁいい、ところで人数が足りないようだが?もう1人はどうした?」
扇「それがどうやら直前になって一人辞退したそうだ」
ゼロ「そうか・・・(朝比奈みくるは自重したわけか)」
キョン「(これがゼロか・・・実際に会ってみると、威圧感というかオーラが凄いな
本当にこんな奴の仮面を剥がす事なんて出来るんだろうか・・・)」
ゼロ「君達の資料は読ませてもらった、それを踏まえた上で所属する部隊を分けたので発表する
以降は配属された部隊での活動となる。涼宮ハルヒ、君には零番隊でナイトメアに乗ってもらう!」
ハルヒ「本当!?やったわ!!私ずっと前からナイトメアに乗ってみたいって思ってたのよねぇ!!」
カレン「零番隊って事は私と同じか」
ハルヒ「カレンも零番隊って所なの?」
ゼロ「カレンは零番隊の隊長だ、ナイトメアの操縦方法など指導を受けるといい」
ハルヒ「隊長!?黒の騎士団のエースであり隊長でもあるなんて
あなたって本当に全然学園でのキャラと違うのね!」
カレン「まぁね、嫌いになった?」
ハルヒ「いいえ、個人的には今のカレンの方が断然好感が持てるわ!」
カレン「そう、ありがと」
ゼロ「続いて長門有希、お前もナイトメアに乗ってもらう
所属するのは壱番隊だ」
キョン「長門もパイロットか・・・」
ゼロ「そして次は」
ハルヒ「キョンよ!」
ゼロ「・・・・何だ?」
ハルヒ「こいつはキョンって読んでくれればいいわ!
みんなそう読んでるし、呼びやすいでしょ?」
キョン「おい、それがいちいちカットインしてまで言う事か!」
ハルヒ「アンタだって本名で呼ばれるよりこっちの方が良いでしょ?」
キョン「いや、できれば名前か苗字の方が・・・」
ゼロ「フン、まぁいい。では私もキョンと呼ばせてもらう事にする
キョン、お前には私の側近として雑務などをこなしてもらいたい」
キョン「側近?俺がですか?」
扇「ゼロ、いくらなんでも入ったばかりの彼では」
ゼロ「問題ない、やってくれるな?」
キョン「え、えぇ」
ハルヒ「(ナイスよキョン!ゼロの側近なんて、仮面を剥がすチャンスが広がるわ!)」
ゼロ「そして古泉一樹、君には媒体情報管理の方を担当してもらいたい」
古泉「媒体情報管理?」
ゼロ「情報全般の整理及び管理は勿論、広報、諜報、渉外など様々な点で
黒の騎士団を支える部署だ、励んでくれたまえ」
古泉「なかなか大変そうですね」
ゼロ「では早速研修といこう。扇、藤堂達の準備はできてるな?」
扇「あぁ、問題ない」
カレン「?これから何かやるんですか?」
ゼロ「パイロットに命じられた二名はこれから模擬戦を行う!
相手は藤堂と四聖剣だ」
キョン「なっ・・・・」
ハルヒ「なになに、いきなりナイトメアで戦えるの?最高だわ!!」
カレン「い、いきなり模擬戦だなんて無茶です!この二人はナイトメアの騎乗経験すら
ないんですよ?まずは基礎からみっちり教えるべきじゃないでしょうか?」
ゼロ「模擬戦の中で基礎を学んでもらう。実際に戦ってみての経験こそが一番貴重だ
それにゆっくり教えるほどの時間もない、多少荒っぽいかもしれんが
この二人をいち早く戦えるパイロットにする為の判断だ」
ハルヒ「素晴らしい判断だわゼロ!心配しなくても私と有希ならすぐに
即戦力になってみせるから安心しなさい!」
キョン「毎度の事ながら何処から湧いて出るんだその自信は・・・」
ゼロ「フン、それは心強い。カレン、二人のサポートは君に任せる
君がいるからこそこのような判断が出来たんだ。頼むぞ」
カレン「はっ、はい!!頑張ります!!」
扇「じゃあ三人は俺についてきてくれ!模擬戦をやる場所まで案内する」
ハルヒ「はーい♪行きましょう有希、カレン!」
キョン「お、おいハルヒ!あんまり無茶はするなよ!」
カレンとハルヒ、長門と扇が部屋を出て行った
ゼロ「古泉一樹、君は下の会議室に行け。そこにディートハルトという男がいるから
彼の指示に従って行動してくれ」
古泉「承知しました、ではまた後で」
キョンを横目で見て古泉も部屋を後にした
ゼロ「さて、後はお前だけだな」
キョン「あの、側近のする雑務って具体的にどんな事なんです?」
ゼロ「実は私には君の他にもう一人側近がいてな。君にはその者の身の回りの世話を任せたい」
キョン「・・・・・えーっと、つまりは側近の世話係ですか?」
ゼロ「まぁ簡単に言うとそういう事になる。だが気を抜かない事だ
ある意味では涼宮ハルヒや古泉一樹よりも、仕事に関してはお前のほうがキツイかもしれん」
キョン「・・・・・その側近とやらはどんな奴なんです?」
ゼロ「会ってみれば分かる」
キョン「はあ・・・」
---------ゼロの部屋
ウィーン
C.C「遅かったな、ん?そいつは誰だ?」
ゼロ「さっき話した新入団員だ」
キョン「ど、どうも・・・(この人がゼロのもう一人の側近で
俺がこれから世話を焼かなにゃならん人か、まさか女だとはな)」
C.C「そうか、では何故その新入団員をこの部屋に連れてきた?」
ゼロ「彼をお前の世話係に任命した、欲しがっていただろ?
身の回りの世話をしてくれる人間を」
C.C「ほう、気が利くではないか。しかしいいのか、こいつがここにいると
お前はアジトの中で仮面を外せる場所がなくなるぞ?」
キョン「(!?ゼロはこの人の前では素顔を晒しているのか・・・・)」
ゼロ「別に構わん」
C.C「そうか、ならばありがたくいただいておこう。おいお前、名前は何て言う?」
キョン「あっ・・・えっと」
ゼロ「キョンだ」
C.C「キョン?変わった名前だな」
キョン「あ、それはあだ名です」
ゼロ「みんなそう読んでいるそうだ」
C.C「そうか、では私もそう呼ぶとしよう。おいキョン!」
キョン「何でしょう?」
C.C「さっそくで悪いが、肩を揉んでくれ」
キョン「・・・へ?」
C.C「聞こえなかったのか?肩だ肩、最近疲れが溜まっていてな
それが終わったら私の服の洗濯、部屋の掃除、一階トイレの電球の取替えを頼む」
キョン「・・・・・・」
ゼロ「だから言っただろう、ある意味ではお前が一番キツイと」
--------ゲットー(外)
扇「ここで模擬戦を行う」
ハルヒ「広いところねぇ、サッカー場か何か?」
カレン「そうよ、今ではただの廃墟だけどね。誰も近づかないから
ナイトメアの訓練をする時はいつもここでやってるの」
ハルヒ「へー、でもまぁ確かにここなら好きなだけ暴れられそうだわ!ね、有希!」
長門「・・・・・」
扇「二人にはこれからあそこにいる四聖剣の四人と戦ってもらう
とは言え流石にいきなりじゃナイトメアを動かす事さえできないだろうし
最初に一時間程度操縦方法などを学んでから」
ハルヒ「あ、それいらない!今すぐ戦わせて!」
扇「な、何言ってるんだ?騎乗経験もないのにいきなりナイトメアを動かせるわけがないだろ!」
カレン「そうよハルヒ!」
ハルヒ「ゼロも言ってたじゃない、模擬戦の中で基礎を学べばいいって!
だから面倒な事は省いちゃっていいわ!今すぐ戦わせてちょうだい!」
扇「確かにゼロはそう言ったが、操縦方法や起動の仕方なんかは
基礎以前の問題だ、流石にそれくらいは理解してからじゃないと
模擬戦なんて到底不可能だ」
ハルヒ「大丈夫よ、ここに移動するまでの間車の中でカレンがくれたマニュアル読んだし!」
扇「いや、しかしだな・・・」
ハルヒ「有希も大丈夫よね?」
長門「・・・・」コクッ
藤堂「ここまで言ってる事だし、いいじゃないか扇」
扇「藤堂さん!」
ハルヒ「藤堂?この人があの藤堂将軍なの?」
藤堂「教本を読んでいるなら起動の仕方くらいは分かるだろうし
後は模擬戦の中で学ばせてやればいい」
扇「わ、分かりました」
ハルヒ「なかなか話の分かる人みたいね!私涼宮ハルヒよ!よろしくね!」
カレン「ちょ、ちょっとハルヒ!!敬語使いなさい」
藤堂「ははは、構わんさ!なかなか面白い娘だ。しかし、我々は手加減せんぞ?」
ハルヒ「望む所だわ、私が即戦力になれる逸材だってところを見せてあげる!」
藤堂「ふむ、楽しみにしているぞ」
藤堂は自分のナイトメアがある場所へ向かって歩き出した
カレン「ちょ、ちょっとアンタあんな事言って・・・・知らないわよ!藤堂さんって
物凄く強いんだからね!勿論四聖剣の人達も!」
ハルヒ「大丈夫よ、まぁ見てなさい!・・・ていうか、私たちが乗る機体はどれなの?」
扇「あそこに置いてある無頼という機体だ」
ハルヒ「旧型ね・・・・まぁいいわ、乗れるんだったらなんでも」
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
扇「装備はスタントンファーにアサルトライフル、スラッシュハーケンの三つだ
ライフルの中に入っているのは勿論実弾ではなく着色弾だから安心しろ」
ハルヒ「え?そうなの?なーんだ」
カレン「アンタに実弾入りのライフルなんて撃たせたら死人が出る恐れがあるしね」
ハルヒ「確かに出るわね、向こうにいるシセイケンとかいう連中の中から♪」
カレン「・・・・・相変わらず凄い自信ね」
扇「模擬戦は涼宮と長門の二機VS四聖剣だ。四聖剣のナイトメアが縦一列に並び
それを前から順番に戦っていくという内容だ。つまり二対一になるわけだな
まぁ無いと思うが、四機突破したら最後に藤堂さんと戦えるぞ」
ハルヒ「面白そうね!」
扇「お前達は相手に一打でも攻撃を命中させる事ができれば勝ちだ
攻撃が当たった段階で受けた側は戦闘を中止することになっているから
そしたら君達は次の敵に向かっていけ」
ハルヒ「何だ、楽勝じゃないの!」
扇「君達の敗北条件は操縦不能になった場合のみとする
まぁ胸をかりるつもりでぶつかっていけ、初めての騎乗なら
勝敗はともかく得るものも多いだろうからな」
ハルヒ「だからさっきから負けないって何度も言ってるじゃないの、全く!」
扇「説明は以上だ。まもなく模擬戦を開始する、ナイトメアに乗ってくれ」
--------会議室
ウィーーン
古泉「失礼します」
ディートハルト「ん?君がゼロの言っていた新入か」
古泉「はい、古泉一樹といいます」
ディートハルト「ディートハルト・リートだ。ここがどういった事をする部署かは
ゼロに説明を受けたかい?」
古泉「えぇ、だいたいのことは」
ディートハルト「ならば今更私が説明すべき事は何もないか
何か質問があるなら聞くが?」
古泉「では一つだけよろしいでしょうか?」
ディートハルト「言ってみたまえ」
古泉「見たところあなたはブリタニア人のようですが、どうして黒の騎士団に入ったんです?」
ディートハルト「ブリタニアを良く思ってないのは何もナンバーズだけではないという事だ
ブリタニア人でありながら黒の騎士団に所属している者は私以外にも沢山いる
それにつまらんだろ?」
古泉「何がです?」
ディートハルト「ブリタニアは既に完成された素材だ、そんなものを見ていても
何の面白味もない。だがゼロや黒の騎士団は違う、まだまだ未完成であり
だからこそ面白い!私はゼロによって引き起こされる世界の変化を
一番近いところで見ていたいのだよ」
古泉「なるほど、ブリタニア人というのはみな祖国への忠誠心が高い
国民だと思っていましたが、全員が全員そうというわけではないんですね」
ディートハルト「それはそうさ。国への忠誠ほど馬鹿らしいものはない」
古泉「では組織や個人への忠誠はどうです?」
ディートハルト「ん?」
古泉「黒の騎士団という組織と、ゼロという個人への忠誠ですよ、どう思いますか?」
ディートハルト「どちらも組織をまとめる上では必要なことだ
私個人には忠誠という言葉自体が無縁だが」
古泉「ではアナタはゼロや黒の騎士団への忠誠心はないと?」
ディートハルト「私が黒の騎士団に入ったのはさっきも言ったがゼロに興味を持ったからだ
ここでの行動の原理は全てがそれであり、忠誠などという気持ちは微塵もない
つまらん存在に成り果てるような事があれば、次の素材に乗り換える、それだけだ」
古泉「実に分かりやすい回答です。ありがとうございました」
ディートハルト「質問は終わりか?」
古泉「えぇ、もう結構です」
ディートハルト「そうか、ではこれから静岡へ行くから君もついて来なさい」
古泉「静岡?」
ディートハルト「他の団員にはまだ発表していないが、近いうちに大きな作戦があるのだよ」
古泉「その作戦予定地が静岡というわけですか?」
ディートハルト「あぁ、今回はその下見というわけだ。別に私一人でも構わんがどうする?」
古泉「行かせていただきます」
-------
---
-
-----ゼロの部屋
バリンッ
キョン「うわっ・・・・あ~あ、やっちまった」
C.C「どうした?皿でも割ったのか?」
キョン「えぇ、すいません」
C.C「気にするな、皿など何枚でもある。それよりも早くご飯を作れ」
キョン「わ、分かりました(どんだけこき使うんだこの女は・・・)」
C.C「ん?おい、手から血が出てるぞ」
キョン「え?・・・あっ、本当だ!ちきしょー皿の破片か」
C.C「仕方ない、医務室で絆創膏でも貰ってきてやるか」
キョン「え?ありがとうございます(何だ、意外と良いところもあるんじゃないか)」
ウィーーン
ゼロ「ん?何処へ行くんだC.C?」
C.C「キョンが手を切ってしまったようでな、医務室に絆創膏をとりに行こうとしていた所だ」
ゼロ「ほう、珍しく優しいじゃないか。だが残念だがそれは後だ
これから格納庫で集会を行う、他の団員はもう集まっている。お前達も早く来い」
C.C「だそうだだが、血は大丈夫か?」
キョン「えぇ、これくらいなら何とか」
ゼロ「では格納庫へ」
----------格納庫
ハルヒ「あっ、キョーーン!!こっちよこっち!!」
キョン「んなでかい声を出さんでも聞こえてるよ
しかし凄い数だなこれ・・・何人くらいいるんだ?」
カレン「団員の殆どが来てるからね!ちょっと前までは
これの10分の1にも満たない人数しかいなかったのよ?」
キョン「へー、それが今ではこの大所帯か。凄いもんだな
それよりハルヒ、お前ナイトメアでの模擬戦はどうだったんだ?」
ハルヒ「フフーン♪よくぞ聞いてくれたわねキョン!!」
キョン「何だその顔は?まさか勝ったんじゃないだろうな?」
ハルヒ「そのまさかよ!四聖剣の四人も藤堂将軍も完膚なきまでに叩きのめしてやったわ!」
キョン「どうして今日始めて操縦桿を握った奴が軍人相手に勝てるんだ・・・」
カレン「本当に凄かったのよハルヒと長門さんの動き!とても初めてとは思えなかったわ
特に藤堂さんの三段突きを交わした時の反応なんて、ラウンズクラスよ!」
ハルヒ「あ~あの攻撃ね、割と簡単に回避できたわよ?ねぇ有希」
長門「・・・・」コクッ
カレン「味方なんだし頼もしい限りだけど、エースとして私も負けてらんないわね!」
キョン「おい長門、お前が何か小細工したのか?いくらなんでも初めて
ナイトメアに乗った奴が四聖剣や藤堂鏡四郎相手に勝つなんておかしい」
長門「そういった事はしていない、涼宮ハルヒは自分の力で戦っていた」
キョン「なっ・・・・それで勝っちまったってのか?」
長門「そう」
キョン「運動神経はやたらと良い奴だが、まさかそんな才能があったとは・・・」
ハルヒ「何ボソボソ喋ってんのよ!アンタはどうだったの、ゼロの側近としての仕事」
キョン「え?あぁ、そうだな・・・まぁ普通だったよ」
ハルヒ「アンタ分かってんでしょーね!ゼロの仮面を剥がす為には
側近に任命されたアンタの活躍が一番重要なのよ!」
キョン「わーってるよ」
カレン「ん?何の話?」
ハルヒ「こっちの話よ、それより集会って何をするの?」
カレン「基本的にゼロが次に予定してる作戦内容を発表したり説明したりするのよ
たぶん今日もそうじゃないかしら」
キョン「お、ようやく出てきたぜ」
ゼロ「全員集まっているか?」
扇「それがディートハルトと新入りが一人まだ来てないんだ」
ゼロ「あの二人はいい、私が仕事を与えた」
扇「仕事って何のだ?」
ゼロ「それはこれから話す事を聞けば分かる」
玉城「おーいゼロ、何か話しがあるなら早くしてくれよ!!」
ゼロ「今日集まってもらったのは、近日決行する作戦をみなに説明する為だ!」
藤堂「作戦?」
ゼロ「ここ数ヶ月副総督であるユーフェミアが妙な動きをしている
週に何度も東京と静岡の間を往復している」
藤堂「ユーフェミアは静岡で何をしているんだ?」
ゼロ「現在調査中だが、その際ダールトンやギルフォードなどを同行させている事からみても
政治的な何かをする為の行動である事は間違いない!これは我々にとって最大の好機だ!
ブリタニア軍はこの間の九州戦役で疲弊しきっている!そこへ来て皇女である
ユーフェミアが租界を離れるのであれば、つけ入る隙があるというものだ」
扇「しかしユーフェミアって事はあの白兜もいるんだよな?」
ゼロ「あぁ、だがユーフェミアが静岡へ行く日程やルートなどは既に調査済みだ!
この二つのが分かっている以上、いくらでも事前に策を講じられる」
藤堂「なるほど、確かにそれならば式根島の時のように
ランスロットの動きを止める事も容易かもしれんな」
ゼロ「あの騒ぎの後すぐに九州の件があったからな、連中はゲフィオンディスターバーの
対策は殆ど出来ていないはずだ、ならばもう一度あの策が生きる
白兜など恐れる必要はない、あの機体は無力化しパイロットを捕虜にする」
ラクシャータ「そしたらあのナイトメア私にくれない?いろいろとイジってみたいのよねぇ」
ゼロ「好きにしろ」
藤堂「この作戦の最終目標はユーフェミアを捕虜にする事か?」
ゼロ「そうだ、ユーフェミアさえこちらの手に入ればコーネリアとはいくらでも交渉ができる
皇族が捕虜になったとあらば連中もこちらの要求を無視できないだろう」
扇「要求?何を要求するつもりだ?」
ゼロ「前に言っただろう、東京に独立国を作ると?」
藤堂「いきなりそんな要求をするつもりなのか?
いくらなんでもそれでは連中交渉のテーブルにすらつかんぞ?」
ゼロ「いいや、絶対につくさ。こちらがユーフェミアを捕虜にしている以上必ずな」
玉城「んで、いつ決行なんだ?」
ゼロ「詳しい日時や作戦内容は日を改めて発表する。まだ検討しなければならない
部分が多少残っているのでな、だがこの作戦自体は必ず決行する!
ナリタとベイエリア、式根島での忘れ物を取り戻すぞ!!」
------その日の夜(ゼロの部屋)
コンコン
ディートハルト「ゼロ、私です」
ゼロ「入れ」
ウィーーン
ディートハルト「ただ今戻りました」
ゼロ「御苦労だったな、で?何か分かった事は?」
ディートハルト「はい、何の目的があってかは分かりませんが
どうやらブリタニアは富士山周辺に一つの街のようなものを作っているようです」
ゼロ「街?」
古泉「街とは言っても、仮設住宅のようなものがいくつも建設してある程度です
あと大きなスタジアムのようなものも作ってました」
ゼロ「いよいよ連中が何をしようとしているのか分からなくなってきたな」
古泉「中華連邦から難民を受け入れようとしているのではないでしょうか?
先日の九州戦役、表向きは旧日本軍による攻撃となっていますが
実際は中華連邦の傀儡軍でありその事は国民の中ですら周知の事実です
移民を受け入れる事で中華を大人しくしようとしているのでは?」
ゼロ「しかしエリア11の問題すら殆ど解決していないというのに
他国から難民を受け入れるなど・・・」
ディートハルト「いずれにしても奇妙な行動である事は事実です
引き続き今後も調査を続けます」
ゼロ「ブリタニアが何の目的があってそのようなものを作っているのかは知らんが
この際その理由はどうでもいい。大事なのはユーフェミアが租界を離れているという事実
これを逃す手はない・・・・・・よし、来週作戦を決行する!!
ディートハルト、来週ユーフェミアが静岡に行くのは何曜日だ?」
ディートハルト「水、木、金の三日間です」
ゼロ「よし、では金曜にしよう!明日もう一度全団員を集めさせろ!」
ディートハルト「承知しました」
ゼロ「疲れただろう、もう下がっていい。お前も御苦労だったな
入ったばかりなのにいきなり外回りじゃ不満もあるだろう」
古泉「いえ、不満なんてとんでもない。実に有意義な時間でしたよ」
ゼロ「君には期待している、これからもよろしく頼む」
古泉「承知しました」
古泉とディートハルトが部屋を出る
C.C「いよいよ来週決行か、忙しくなるな」
ルルーシュ「あぁ、今度の作戦でユーフェミアとスザク、両方同時に攻略してやるさ」
C.C「まだあの男をこちらに引き込もうと考えているのか?」
ルルーシュ「いや、あいつは何があってもこちらに鞍替えするような事はしないだろう
だがブリタニア側にいられると厄介な戦力なのは事実だ、だから捕虜にする」
C.C「捕虜にするといっても相手はランスロットだ、そう簡単ではないぞ」
ルルーシュ「またゲフィオンディスターバーに活躍してもらうさ
それにナイトメアでの戦闘になったとしても、今の戦力ならスザクを倒す事も可能だ」
C.C「カレンと藤堂だけで事足りると?」
ルルーシュ「そこに涼宮ハルヒと長門有希が加われば足りるさ」
C.C「入団したばかりの女二人に何を期待している?取り付かせて自爆でもさせるつもりか?」
ルルーシュ「スザクは勿論あの二人も生徒会の仲間だ、そんな事させるわけないだろう・・・
あの二人、初めての模擬戦で藤堂と四聖剣を倒したそうだ」
C.C「馬鹿な、そんな事できるわけがないだろ」
ルルーシュ「事実だ。藤堂はどうだか知らんが四聖剣の四人は相当悔しがっていたそうだぞ
初めての騎乗であの五人を倒す・・・・もしかしたらスザクやカレン以上の逸材かもしれん」
C.C「なるほど、それでお前はさっきから上機嫌なわけか」
ルルーシュ「あれだけの戦力が二枚も加わったんだ、上機嫌にもなるさ
それに古泉一樹もやはり使えるようだしな」
C.C「さっきの奴だろ?私はあまりああいうのは好かんな。終始にやけてて気持ちが悪い」
ルルーシュ「そこは同意するが、俺があいつを評価してる点は頭の中だから問題ない」
C.C「今日入った新人の中で一番使えるのはどう考えてもキョンだろう
あれはなかなか見込みのある男だぞ?何しろ私に従順だしな」
ルルーシュ「気に入ってもらえたようで何よりだ」
C.C「そうだ、明日はあいつにピザでも作らせよう!」
ルルーシュ「(これから大変だな、あいつ・・・)」
------アッシュフォード学園学生寮(キョンの部屋)
キョン「ふぁ~、今日はどっと疲れた・・・もう寝よう」
------
---
-
キョン妹「キョンくーん!!起きてー!!」
---現実
キョン妹「朝だよキョンくーん!!」
キョン「んぅぅ・・・・分かったから下に降りてなさい」
キョン妹「あれー?キョンくん血が出てるよー?」
キョン「なに?」
キョン妹「ほらー、指から出てる!絆創膏持ってくるねぇ!」
キョン「なっ・・・・・・こりゃいよいよまずいな・・・・」
:
:
その日の放課後(文芸部室)
ガチャッ
キョン「うーっす」
古泉「おや?今日も涼宮さんはお休みですか?」
キョン「あぁ、面白い夢の続きを見る為に帰って寝るとさ」
古泉「夜な夜な我々が別世界へ飛ばされるようになって今日で丁度一ヶ月ですね
それは涼宮さんが部室に顔を出さなくなってからの日数でもあるわけですが」
キョン「いいじゃねーか、その方が平和で。それに閉鎖空間が出てるわけでもないんだろ?」
古泉「お陰様で、涼宮さんがあの夢を見始めるようになってからは一度も出現
していません。相当満足なさっているのでしょうね、あの世界での生活に」
キョン「そりゃ結構な話だ。しかし向こうの世界で寝た瞬間こっちの世界で
目が覚めるっていうシステムは何とかならんのか?
ここ一ヶ月間体感的に全く休めてる気がしないのだが・・・」
古泉「それは仕方ありませんよ、無事にこちらの世界に帰ってこれるだけまだマシです
事態が悪化した場合、それが出来なくなる可能性があるのですから」
キョン「それなんだがな、どうやらその事態とやらは確実に悪い方向に進んでるようだぞ」
古泉「どういう事です?」
キョンは切った指を古泉に見せる
古泉「何かで切ったのですか?」
キョン「昨日向こうの世界でな。皿を割った時に切っちまったんだ」
古泉「・・・・その傷が治りませんか」
キョン「あぁ、治るどころか一度は血が止まったはずなのに
こっちで目が覚めた瞬間またふきだしてきやがった」
古泉「これは確かにまずいですね・・・あまりに楽しい夢であるがばかりに
涼宮さんは現実世界と向こうの世界を入れ替えようとしているのでしょう
一ヶ月程度でここまで来てしまうとは・・・そろそろ何とかしなければなりませんね」
キョン「あいつの目的はゼロの正体を暴く事でいいんだよな?」
古泉「今のところはそれで間違いないでしょう。途中で変わってしまう可能性もありますが」
キョン「気紛れだからなぁ、あいつは」
古泉「側近ならばゼロの仮面を取る隙もあるのではないですか?」
キョン「いーや、全くない。常に警戒してる感じだ
ギアスを使おうにも仮面を被られたんじゃ使えんしな」
古泉「ゼロの素顔については他の団員も誰一人分かっていないようですしね
ある程度予想はしていましたが、トップがあの状態のままで組織が成立しているというのは
なかなか凄い事だと思いますよ」
キョン「いや、一人だけゼロの素顔を知ってる人がいる」
古泉「誰です?」
キョン「C.Cっていう女の人だ。もう一人のゼロの側近」
古泉「ほぅ、明かしてる人物もいるのですか・・・」
キョン「まぁ難しいが何とかするしかないだろう
そうしないと本当に向こうの世界とこっちの世界が入れ替わっちまう
ようやく黒の騎士団までたどり着いたんだしな」
古泉「えぇ、頑張りましょう」
--------
----
-
静岡付近(G1ベース内)
ダールトン「殿下、そろそろ静岡に到着します」
ユーフェミア「分かりました」
ダールトン「日程的に今日と来週で視察は終了ですね
御不満な点がありましたら何でも申し付けてください」
ユーフェミア「ありがとうダールトン。あなたが毎週付き添ってくださってくれるお陰で
私も現場のみなさんも安心して作業に取り掛かれました」
ダールトン「何と勿体無い御言葉を・・・私は将軍として当然の事をしたまでです」
ユーフェミア「でも毎週G1ベースとナイトメアを引っ張り出すのはどうかと思いますけど!」
ダールトン「それは黒の騎士団や他のテロリストから殿下の身を御守りする為に
必要な事です!租界から離れる以上警備は厳重にしなければなりません」
ロイド「だからってあんなに何機もナイトメアを搭乗させなくても
僕のランスロット一機で十分ないのに」
ダールトン「枢木とランスロットの力は認めている、だが流石にそれだけでは駄目だ
黒の騎士団を、ゼロを甘く見てはいけない」
スザク「僕も同感です」
ユーフェミア「心配しなくても、ゼロは襲ってきたりはしませんよ!」
ロイド「うふふ~ん、何でそんな事が分かっちゃうの?」
ダールトン「ロイド、口のききかたに気をつけろよ」
ユーフェミア「私には分かるの・・・」
ギルフォード「そういえば、貴公は以前九州の件でゼロと共闘していたな?」
スザク「は、はい」
ギルフォード「あの時の事は忘れるんだ、ゼロは皇族殺し。ブリタニアの敵だ」
スザク「分かってます」
その時艦内に警報音が鳴り響いた
ピーピーピー
ダールトン「何だ!?どうした?」
軍人「艦周辺に熱源多数・・・・ナイトメアです!」
ダールトン「何だと!?黒の騎士団か・・・・何機だ?」
軍人「27機です!!」
ギルフォード「27か・・・艦に多くのナイトメアを乗せていて正解でしたね!」
ダールトン「うむ、では行こう!枢木、お前も出ろ!」
スザク「イエス・マイロード!」
ユーフェミア「スザク、気をつけて!」
スザク「はい!」
スザクとダールトン達は格納庫へと向かった
ロイド「いやぁ~勘が外れましたねぇ、ここで黒の騎士団が攻めてくるとは」
ユーフェミア「そんな・・・(ルルーシュ・・・)」
---ガウェイン(コクピット内)
ゼロ「藤堂、聞こえるか?」
藤堂『ゼロ、読み通りナイトメアが出てきたぞ!どうする』
ゼロ「予定通りそのままG1ベースを取り囲め
出てきた雑魚は叩き、四方からG1ベースに向け砲撃を行う!
ランスロットが出てきたら、分かってるな?」
藤堂『あぁ』
ゼロ「よし!ギルフォードとダールトンはお前と四聖剣に任せる
私はガウェインで空中から狙撃を行う!下は任せたぞ」
藤堂『承知した!』
ピッ
ルルーシュ「さて、後はスザクが出てくるのを待つだけだ」
C.C「随分と余裕のようだな、油断していると足元すくわれるぞ」
ルルーシュ「藤堂が加わってからは作戦行動中も幾分楽になったからな
それにこの作戦はG1ベースを囲った段階で成功したも同然
既に条件はクリアされている」
C.C「ラクシャータはもうスタンバイさせてあるのか?」
ルルーシュ「あぁ、後はスザクが出てきたら例のポイントでゲフィオンを起動させればいいだけだ
援軍要請は出しただろうが最寄の基地からでも50分はかかるだろう
この勝負、決着がつくまでにそこまで時間は必要ない」
C.C「それにしても相手のナイトメアちょっと多くないか?
お前の想定ではランスロットを合わせても5機程度だったはずだが・・・
パッと見た感じでも20機以上はいるぞ?」
ルルーシュ「恐らくダールトン辺りの指示だろう、相当臆病になっているようだな
何機いようが問題ない。ユーフェミアがいる以上連中はG1ベースを守りながらでしか戦えない
こちらの包囲網を突破する事は不可能だ!」
その頃ガウェインの下ではG1ベース死守の為防衛に出たブリタニア軍のナイトメアと
黒の騎士団のナイトメアが攻防を繰り広げていた
ハルヒ「もーーらい!」
サザーランドパイロット「し、しまった!!」
ドカーン!!
ハルヒ「あっ!有希、後ろから狙ってるのがいるわよ!気をつけて!」
サザーランドパイロット「もらったー!!」
長門「・・・・」
長門は瞬時に操縦桿を動かし攻撃を回避し
振り返って敵ナイトメアの両脚部を切断した
ズバンッ!!
サザーランドパイロット「ば、馬鹿な!!早すぎる!!」
ハルヒ「ナイス有希!それにしても張り合いのない連中ね!
初めての実戦なんだからもう少し楽しませなさいよ!」
卜部「何て奴等だ、一瞬で四機も撃破したぞ・・・」
千葉「模擬戦のときよりも動きが良くなってる、機体性能が上がったからか?」
藤堂「ふふ、頼もしい限りじゃないか!遅れをとるな、我々も行くぞ!」
カレン「くたばれブリタニア!!」
サザーランドパイロット「う、うわぁぁぁ!!」
ドカーーン!!
ハルヒ「凄いわねあの攻撃・・・あれが紅蓮二式の輻射波動」
カレン「なに呆けてるのハルヒ!先に行くわよ!」
ハルヒ「カレンには負けてらんないわね・・・私たちも行きましょう有希!」
カレン、ハルヒ、長門の大車輪の活躍により
防衛に出てきたサザーランドは見る見るうちに破壊されていった
サザーランドパイロット「ば、化物だ!!あの赤いのと二つの青い機体は強すぎる!」
カレン「アンタで最後よ!!」
サザーランドパイロット「だ、誰か助けてくれぇ!!」
カレンがサザーランドを攻撃しようとした瞬間
G1ベースから出てきたランスロットが紅蓮目掛けてハーケンを打ち込んだが
カレンは瞬時に反応し回避した
サザーランドパイロット「ハァ、ハァ・・・た、助かった・・・」
カレン「ようやくお出ましってわけね・・・スザク」
スザク「カレン・・・・・戦場で会った以上手加減はしない!」
カレン「藤堂さん、ランスロットが出てきました!それとグロースターが二機!」
藤堂「確認した、これより第二段階に入る!各機後退しろ!」
スザク「ん?何だ、相手の機体が下がっていく・・・」
ギルフォード「深追いはするな枢木、我々をG1ベースから離そうとしているんだ!
援軍が到着するまで離れず相手の砲撃を回避しつつ応戦すればいい」
ダールトン「罠に誘い込もうという魂胆が見え見えだ、この期に及んで
わざわざ部隊を下げる必要などないのだからな」
スザク「分かりました、上にガウェインもいるので御二人共気をつけてください!」
ゼロ「やはり誘いには乗ってこないか・・・だがそれでいい
全ては計画通り、後は連中がG1ベースから離れないよう遠距離から
砲撃し続ければこちらの勝ちだ!」
藤堂「各機、砲撃を開始しろ!!全弾撃ちつくしても構わん!!
あの三機をG1ベースに釘付けにするんだ!!」
ハルヒ「本当は接近戦の方が好きなんだけど、作戦だっていうなら仕方ないわね!
私の狙撃の腕前見せてあげるわ!覚悟しなさいブリタニア!
あ、でもランスロットにはスザクが乗ってるんだから有希もカレンも手加減しなきゃ駄目よ!」
長門「・・・・」
カレン「あいつに手加減なんかしてたらたちまちやられちゃうわよ!」
黒の騎士団による砲撃がG1ベース目掛けて嵐のように降りかかる
--------G1ベース内
ドドドドドドド
ユーフェミア「きゃっ」
セシル「だ、大丈夫ですか殿下!」
ユーフェミア「大丈夫です、ありがとう」
ロイド「う~ん、本格的にやばくなってきたねこれ。降伏した方がいいかも」
セシル「何言ってるんですかロイドさん!!」
ロイド「でもねぇ、いくら僕のランスロットでもこの大きな艦を守りながらじゃ
まともな戦いはできないし、このままだと遅かれ早かれチェックをかけられると思うよ」
セシル「だからって降伏だなんて・・・」
ユーフェミア「・・・・」
ロイド「殿下、このままだとランスロットも相手の砲撃でボロボロになっちゃうし
個人的には降伏もやむなしだと思いますよ」
ユーフェミア「・・・・ロイドさん、この艦に放送機材はありますか?」
ロイド「放送機材?ありますけど・・・そんなもの使って何しようって言うんですか?」
ユーフェミア「スザク達を助けるのに必要なんです!協力してください!」
ロイド「えぇ勿論、現状が打開できるのなら何でもしますよ」
-------外
ドドドドドドドド
スザク「くっ・・・・シールドだけじゃ防ぎきれない」
ダールトン「クソ、このままではらちがあかん・・・・よし、敵陣へ突っ込むぞ!」
スザク「えっ?」
ギルフォード「しかしそれではG1ベースががら空きになってしまいます!」
ダールトン「だからと言ってこのままここでこうしていても結果は見えてる
ならば一か八か敵陣へ突っ込み、一機でも敵を減らす方が良い!
それにランスロットの突破力なら敵包囲網を崩せるかもしれん」
スザク「ダールトン将軍・・・・」
ダールトン「頼むぞ枢木、お前が頼りだ」
スザク「分かりました!!では僕が先頭になります御二人は後ろからついて来てください!」
ギルフォード「了解した」
-------ガウェインコクピット内
C.C「おいルルーシュ、ランスロットが動き出したぞ!」
ルルーシュ「このままでは負けると悟って強攻策に出たか
だが残念だったな、もう少し早くその決断をとっていれば
或いは勝てたかもしれんが、もう遅い」
藤堂『ゼロ、G1ベースと白兜がエリア内に入ったぞ!』
ルルーシュ「確認した。これで終わりだスザク・・・・ラクシャータ!!」
ラクシャータ「はいは~い」ポチッ
ゲフィオンディスターバーが作動し、エリア内にあるG1ベースと
全てのナイトメアは起動を停止した
ダールトン「何だこれは!?どういう事だ、機体が・・・」
ギルフォード「き、機体が動かない!」
スザク「式根島の時と同じだ・・・」
------ガウェイン
ゼロ「フハハハハ、やはりG1ベースの動力源にもサクラダイトが使用されていたか
これでもう連中には打つ手はない、降伏するのみだ」
藤堂『ゼロ、連中の足は完全に止まったぞ!』
ゼロ「あぁ、分かっている。砲撃を止め少しG1ベースとの距離を詰めろ
間違っても効果範囲内には入るなよ、あの装置は無差別だ
こっちまで身動きがとれなくなっては話にならないからな」
藤堂『承知した!』
ゼロ「ユーフェミアにスザク、ギルフォードにダールトン・・・一気にこの四名を
捕虜に出来た事の意味は今後の戦いにおいて非常に大きい!
コーネリア、周りの者達を奪われる苦しみを知るがいい」
C.C「まだ捕虜にしてないだろ、そういう事は実際にそうしてから言うものだ」
ゼロ「この状況下で逃げられるわけがないだろう。
向こうに与えられた選択肢は二つだ。降伏するか、その場で自決するか
ユフィは俺の正体を知っている、降伏し話し合いの場を持とうとするだろうから
後者はありえないし、まず周りの者がさせないさ」
ダールトン「サクラダイトに干渉する装置だと?」
スザク「はい、ロイドさんが言っていました」
ダールトン「機体が動かなくなったのはそのせいか・・・
しかし連中はいつそんなものを設置したんだ・・・」
ギルフォード「静岡に行くまでのルートがバレていたという事か
恐らく黒の騎士団は前もって我々の進路上にその装置を設置していたのでしょう」
スザク「でも効果範囲はそんなに広くないはず・・・まさかG1ベースごと止めるなんて」
ダールトン「我々が出てきた途端隊を引いたのも、罠を警戒しその場に留まるであろう
心理を読んだ上での作戦か・・・そして隊を引いた後すぐに一斉砲撃」
ギルフォード「結果我々はG1ベースに釘付けになり、このザマか・・・」
ダールトン「クソ!!」
ゼロ『聞こえるか、ブリタニアよ!!』
スザク「ゼロ・・・・・・」
ゼロ『この戦い、既に我々がチェックをかけた!現在ガウェインのハドロン砲の照準は
諸君等の母艦に向けられている、5分やろう。降伏し、我が軍門に下れ!!』
ダールトン「くっ・・・・これでは降伏するしか他に手はない」
ギルフォード「この状況でハドロン砲など撃たれたら、我々は勿論
ユーフェミア様の御命まで・・・」
------黒の騎士団(ナイトメア班)
玉城「よっしゃああ!!流石ゼロだぜ!!完全勝利だwww」
扇「気を抜くな玉城!まだ終わってない」
藤堂「だがこうなった以上彼等は降伏する他道はないだろうな」
カレン「ランスロットの脅威も無くなるし、これで大分この先が楽になるわね」
ハルヒ「残念だわ、一度スザクのランスロットとは戦ってみたかったのに」
カレン「アンタはあいつの鬱陶しさが分かってないからそんな事が言えるのよ!」
朝比奈「と、藤堂さん!モニターをテレビに、チャンネルBに切り替えてください!
ユーフェミアが出ています!!」
藤堂「なに!?しかし今ユーフェミアはあの艦の中にいるはずじゃ・・・」
ハルヒ「あの中から中継してるんじゃないの?」
扇「中継って、この状況でなにを考えてるんだ?まさかテレビの電波を使って
救出でも訴えるつもりなのか・・・」
藤堂「・・・・いや、そんな無意味な事をするはずがない」
カレン「じゃあ何を始める気なのかしら?」
玉城「降伏宣言だろww決まってるじゃねーかww」
玉城がVIPPERに見えてきた
-------黒の騎士団(司令室側)
キョン「ふぅ、これで一安心だな。それにしてもここまで上手く行くもんかね」
古泉「ゼロの立てた作戦が見事だったと言う事でしょうね
こちらの死傷者は0、ほぼ無傷で貴重な捕虜とナイトメアを得る事が出来たわけですし」
キョン「ハルヒや長門も大活躍のようだったしな」
古泉「こちらの集計ですと涼宮さんは4機、長門さんが5機、カレンさんが7機落としてますね
流石というべきか、あそこまで自在にナイトメアを動かせるのはちょっと羨ましいですね
僕なんてゼロ曰く適性0だそうですから尚更です」
キョン「何でんなもん集計してたんだ?」
古泉「それも僕の仕事です」
キョン「そら大変な仕事だな」
南「おいディートハルト、チャンネルBにユーフェミアが映ってるぞ!!」
ディートハルト「なに!?映像を回せ!」
キョン「本当だ、この状況でなに考えてるんだあの人は?」
古泉「降伏までに与えられた5分、この間に出来る事は限られてますが
流石にテレビを使ってする事は何も浮かびませんね・・・」
ディートハルト「嫌な予感がする・・・この放送ジャックできないか!?」
古泉「チャンネルBは皇室専用チャンネルです、電波ジャックはかなり難しいでしょう
少なくともこの場の環境で出来るような事ではありませんね」
キョン「皇室専用チャンネル?んなもんあるのか?」
古泉「えぇ、ブリタニア本国は勿論、統治しているエリア全域に放送されてます」
ディートハルト「黙って見ているしかないというのか・・・」
---------ガウェイン
C.C「この期に及んで悪あがきか?テレビを使って何をするつもりだ?」
ゼロ「さぁな、まぁいいだろう。少しでもおかしな事を言ったら一斉砲撃すればいい
ユーフェミア本人があそこにいる以上、放送自体を止めさせる事は容易い
個人的には何を言おうとしているのか、そっちの方が興味深い」
C.C「始まるぞ」
ユーフェミア「神聖ブリタニア帝国エリア11副総督、ユーフェミアです!今日は私から
皆様にお伝えしたい事があります!」
玉城「へ、小娘が何を偉そうに!」
ユーフェミア「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアは富士山周辺に行政特区日本を
設立する事をここに宣言いたします!」
ゼロ「なに!?ブリタニアが」
スザク「日本を・・・認める」
ディートハルト「やられた!!この手があったか!!地域制限付きとは言え・・・」
ユーフェミア「この行政特区日本ではイレヴンは日本人と言う名前を取り戻す事になります
イレヴンへの規制ならびにブリタニア人の特権は特区日本には存在しません
ブリタニア人にもイレヴンにも平等な世界なのです!」
ゼロ「(止めろ、そのケースは考えた・・・しかしそれはただの夢物語だ)」
ユーフェミア「聞こえますか、ゼロ!!」
ゼロ「!?」
ユーフェミア「あなたの過去もその仮面の下も私は問いません!
ですからあなたも特区日本に参加してください!」
ギルフォード「馬鹿な、それではクロヴィス殿下が・・・」
ユーフェミア「ゼロ、私と一緒にブリタニアの中に新しい未来を作りましょう!」
ゼロ「・・・・・・クソ、やられた」
扇「おいゼロ、どうするんだ!?砲撃するか?それとも」
ゼロ「撤退だ!!」
玉城「えぇ!?何でだよ!?目の前にユーフェミアがいるんだぜ!?捕まえないのかよ!」
藤堂「今それをしたら、我々は日本人の支持を失ってしまう・・・」
玉城「はぁ!?どういう意味だよそれ!?」
古泉「ブリタニアが特区日本に黒の騎士団とゼロの参加を求めている以上
こちらが強行に出た場合我々はたちまち悪役になってしまう」
キョン「つまりここは撤退するしかないって事か・・・」
ハルヒ「行政特区日本・・・・本気なのかしら」
カレン「・・・・・ッ」
ゼロ「聞こえなかったのか!?撤退だ!!ルートAを使って全機撤退しろ!
間違ってもブリタニア側に攻撃などするなよ!!」
玉城「ちきしょー!!ここまでやったのに!!」
ゼロ「やられた・・・これでは参加するか否か、どちらを選択しても黒の騎士団は終わりだ
参加すればまず平和という名目で武装を解除され、参加しなければ自由と平等の敵となり
民衆の支持を失う・・・こんな簡単な事であっさり潰されてしまうというのか・・・」
C.C「静岡に建設している施設というのはその特区日本の為のものだったと言う事か」
ゼロ「特区日本・・・ブリタニア側からそれを提案する事など考えもしなかった・・・・
ユーフェミア・・・」
-------その日の夜
扇「特区日本・・・信用できるのだろうか」
玉城「できるわけねーだろ!!どうせ罠に決まってる!!」
朝比奈「同感、でも周りの反応はかなり良いんだろ?」
古泉「インターネット上ではユーフェミア殿下を賞賛する意見が多数を占めてますね
この様子ですと、特区日本に参加したいという考えの人は大勢出てくると思います」
藤堂「日本人が特区日本を支持するのであれば、我々もどちらかを
選択しなければならないだろうな・・・」
古泉「黒の騎士団は日本人は勿論その他ブリタニアに統治されている
多くのナンバーズの支持によって成り立っていると言っても過言ではありません
参加を拒否したら我々はその支持を失う事になりますね」
藤堂「どちらを選んでも終わりか、ユーフェミア・・・とんでもない手を打ってきたものだ」
玉城「クソ、みんな騙されてるとも知らずに!何が特区だ!!」
扇「だがこの特区構想は俺たちの抵抗活動が実を結んだ結果じゃないのか?
なら胸を張って参加してもいいと俺は思う・・・」
玉城「おい、お前それ本気で言ってんのかよ!!」
古泉「扇さんの言ってる事は正しいですよ、何もしなければブリタニア側から
特区日本などという言葉は永遠に出てこなかったでしょうからね」
玉城「おい新入り!じゃあお前も特区参加賛成派なのかよ!?」
扇「何が賛成派だ、仲間を分断するような表現を使うな!」
玉城「うるせー!!俺は反対だからな!ブリタニア何か信じられるかってんだ!!」
古泉「その意見も実に良く分かります、何せ日本はこれまでブリタニアに
騙されっぱなしでしたからね」
キョン「だが今回は皇室チャンネルを使って皇族が堂々と宣言したんだぞ?
にも関わらず騙まし討ちだったら国際社会から一気に非難されるんじゃないか?」
古泉「圧倒的な軍事力でそれすらさせないのがブリタニアじゃないですか
非難を受けようが関係ないですよ、あの国にはね」
藤堂「では今回もやはり嘘だと?」
古泉「それは何とも・・・」
藤堂「いずれにせよ我々は何らかの答えを出さねばならない
ゼロはどう考えているのだろうか・・・」
-----アッシュフォード学園(ルルーシュの部屋)
ルルーシュ「特区日本・・・どうしたものか」
C.C「参加したら武装を解かれ、参加しなければ民衆の支持を失うだったか?」
ルルーシュ「あぁ、黒の騎士団の中でも大分意見が分かれているようだ
長期化すると組織の統率に支障が出るだろうな」
C.C「だったらその二つを天秤にかけて重い方を選ぶしかないだろう」
ルルーシュ「どちらか一つでも失ったら終わりだ!!」
C.C「だがどちらかを選ばなければいけないのだろ?」
ルルーシュ「いや・・・まだ時間はある。どちらも失わない方法を考えてやるさ」
C.C「二兎を追うものは何とやらという諺があるが、どうなる事やら」
ルルーシュ「(いざとなったらユーフェミアにギアスをかける事も考えなくてはな・・・)」
------------
------
--
数日後、アッシュフォード学園生徒会室
キョン「はぁ・・・」
古泉「お疲れのようですね」
キョン「こう何度もこっちの世界と元の世界を行き来してたら誰だって疲れるさ」
古泉「同感です。が、そういった愚痴はなるべきこちらの世界にいる時は控えてください
昔から壁に耳あり障子に目ありと言いますからね」
キョン「それよりお前午前中アジトの会議に出てたんだろ?
意見はまとまりそうなのか?」
古泉「反対派と賛成派が真っ二つのまま平行線です
未だゼロが明確な考えを示してないのが原因と言えますね」
キョン「それなんだがな、何でゼロは未だに何も言わないんだ?」
古泉「さあ、僕には分かりません。何か考えがあっての事でしょうけど・・・
そういえば、あなた1回でもギアスを使用しましたか?」
キョン「ギアス?あぁ、そういえば何だかんだで一度も使用してないな・・・」
古泉「その力は必ず役に立ちます、ぶっつけ本番では心もとないので
何度か適当に使ってみてはいかがです?」
キョン「使ってみろったってなぁ・・・誰に何を命令すりゃいいんだか」
ガチャッ
リヴァル「あれ?今日はまだ二人だけ?なーんだ急いで来て損した」
古泉「良い機会です、彼にかけてみてはどうでしょうか?」
キョン「リヴァルに?何て?」
古泉「そうですね・・・少々喉が渇いたので、ジュースでも買ってきてもらいましょう」
キョン「またベタな命令だな・・・まぁやってみるか」
キョン「リヴァル!」
リヴァル「ん?何だよキョン?」
キョン「喉が渇いたんだ、悪いけどジュース買ってきてくれ!」キュイーーン
キョンの左目に赤い鳥のような形をした紋章が浮かび上がる
リヴァル「・・・・・っ」
キョン「・・・・あれ?もしかして欠陥能力か?」
リヴァル「あぁ分かった!」
タッタッタ
リヴァルは部屋を出て行った
キョン「おぉ・・・こりゃ凄い」
古泉「絶対遵守の力・・・やはり使えますね」
キョン「だが残念ながらゼロの仮面を外させる事には使えないぞ
ずーっと仮面被ってるからな」
古泉「しかしその能力、正直ゼロに教えてあげたいくらいですよ
その能力さえあれば、いかなる難局も乗り越えられるでしょうし
現在の特区日本問題も速やかに解決できるでしょうからね」
キョン「この能力を使ってどうやって解決できるんだ?」
古泉「そうですね・・・・例えば特区日本に参加をすると表明し、その後ユーフェミアか
コーネリアと会談の席を設け、その際相手に『日本人を騙せ』とギアスをかける
そうすればブリタニアは特区日本を騙まし討ちに利用する事になり
結果日本国民は憤慨し黒の騎士団は戦う理由を得る事ができる、なんてのはどうでしょうか?」
キョン「どうでしょうかじゃねー!この鬼が!!金輪際お前を人とは思わん」
古泉「あくまで一つの例を出しただけですよ、僕はそれが出来る状況下にあったとしても
絶対にそんな事はしません」
キョン「どうだかな」
ガチャッ
ハルヒ「やっほーー!!みんな遅くなってごめんねー!!・・・ってあれ?
二人しかいないの?」
キョン「随分と遅かったな、カレンは病欠、スザクは仕事、シャーリーは水泳部の練習
長門は不明、リヴァルはジュース買いに行って、ルルーシュはサボりだ」
ハルヒ「何よそれ!!集まり悪いわね!!みくるちゃんは!?」
キョン「園芸部に入ったらしく花壇に水を撒きに行ってるよ」
ハルヒ「園芸部!?そんな話初耳よ!!」
キョン「仕方ないだろ、俺達最近黒の騎士団の方ばかり優先してて
生徒会の方が疎かになってたんだから、朝比奈さんだって退屈してたんだよ」
ハルヒ「ったく!!まぁいいわ、それより今日は二人に大事な話があるの!!」
キョン「大事な話?まさか学園祭関連じゃないだろうな」
ハルヒ「違うわよ!ねぇ、二人は特区日本の件についてどう思ってるの?」
古泉「どうとは?」
ハルヒ「参加に賛成か反対か・・・・どっちが日本の為になると思う?」
古泉「難しい質問ですね・・・個人的には参加した方が良いと思います」
ハルヒ「何で?」
古泉「参加すれば武装を解除され、黒の騎士団は抵抗勢力としての力を失いますが
特区日本構想が嘘でないのであればそもそも武力は必要ないですし
仮に我々を嵌める為の罠だったとしても、その後は民衆の支持を得た状態で
またブリタニアと戦う事も可能だからです」
ハルヒ「なるほどね、キョンは?」
キョン「ん?俺も古泉と同じ意見だ。参加した方がいいと思ってる」
ハルヒ「理由は?」
キョン「この間ので実感した、もう戦争は懲り懲りだ
戦わずに問題が解決する可能性があるならそっちに賭けてもいいと思う
勿論騙される可能性もあるが」
ハルヒ「二人共素晴らしいわ!!流石はアッシュフォード学園生徒会メンバーね!!」
キョン「って事はお前も参加賛成派なのか?」
ハルヒ「えぇそうよ!」
キョン「意外だな、お前の事だからもっとナイトメアで戦いたいだの何だのと
文句をつけて平和的解決を拒みそうなもんだが」
ハルヒ「アンタ私の事なんだと思ってるわけ?平和的に解決できるなら
それに越した事はないわ!まぁ確かにナイトメアで戦いたいって気持ちも多少はあるけど」
キョン「あるのかよ!」
ハルヒ「とにかく、私は行政特区を成功させたいの!!
特区が実現すれば間違いなく多くの日本人が救われるわ!絶対に参加すべきよ!」
キョン「まぁ待て、お前がどんなに特区を成功させたいと思っても
ブリタニア側は単に俺達を罠に嵌めようとしてるだけって可能性もあるんだぞ?」
ハルヒ「分かってるわよそんな事!もしそうだったらさっき古泉くんが言った通り
もう一回戦えばいいだけよ!」
キョン「というかな、俺やお前が声高らかに特区に参加すべきだと言ったところで
黒の騎士団の最終決定はゼロが下すんだぜ?入ったばかりの新入りの意見なんて
誰が聞いてくれるんだよ」
ハルヒ「そこを何とかするのがアンタの仕事でしょ!ゼロの側近なんだから!!」
キョン「正しくはC.Cの側近だ」
ハルヒ「あの人いっつもゼロの近くにいるんだし、似たようなもんじゃない!!」
ハルヒ「と・に・か・く、特区日本には参加すべきなの!!ブリタニアの罠の可能性?
そんな事考えてたってどうせどっちか選ばなきゃいけないのよ?
だったら平和的に解決する可能性が少しでもある方を選ぶべきよ!!」
キョン「いや、そりゃ確かにそうだけどさ・・・どうやって黒の騎士団を特区参加の方向に
持っていくんだって話だよ。今現在も意見は真っ二つに割れてるんだぞ?」
ハルヒ「真っ二つって事は半々なんでしょ?だったらそんなに難しい事じゃないわ
反対派を根強く説得すればいいだけの話よ!」
キョン「その説得とやらは誰がするんだ?」
ハルヒ「勿論私達でやるのよ!!」
キョン「orz」
古泉「面白いですね、どうせそこまでするなら特区参加の是非を多数決で決めてもらうよう
僕がゼロに進言しておきますよ」
キョン「多数決?」
古泉「そうです!多数決ならば我々が反対派の説得に成功した場合
賛成派が多数となり特区参加が簡単に決まりますし、その後の遺恨も残りにくい
極めて民主的な方法じゃないですか。勿論ゼロがOKを出してくれればの話ですが」
ハルヒ「いいわねそれ!やりましょう!じゃあ古泉くんゼロへの説得任せたわ!」
キョン「反対派への説得が失敗したらどうする?」
古泉「大丈夫ですよ、絶対に成功します」
キョン「どこから出てくるんだその自信は・・・」
ハルヒ「いい、絶対に特区日本を成功させるのよ!!その為にはまず黒の騎士団を
特区に参加させる事から始めないと駄目なの!!ぜーたいに参加させるわよ!!」
キョン「分かったよ。それよりお前、当初の目的忘れてるんじゃないだろうな?」
ハルヒ「当初の目的?何だっけ?」
キョン「おいおい、ゼロの正体を暴くんだろ!?」
ハルヒ「あぁそれね!もうそんな事どうだっていいわ!とにかく今は特区日本よ!!
これは多くの日本人を救う事のできる最大のチャンスなのよ!?
ゼロの正体なんかよりもずっと大事な事よ!!」
キョン「(割と難しそうな方向に目的が変わっちまった・・・)」
ハルヒ「私今からアジトに行ってカレンにも同じ事話してくる!あの子ならきっと
私たちに協力してくれるだろうから!じゃあまた明日、最後の人鍵閉めてってね!」
バタンッ
キョン「・・・・・聞いたか?目的が大きく変わっちまったぞ」
古泉「そのようですね」
キョン「今ハルヒが一番やりたい事、それは特区日本を成功させる事・・・
つまり特区日本が成立さえすれば」
古泉「我々はこの世界から解放される・・・可能性が高いですね」
キョン「そこはハッキリそうだと言い切ってくれよ・・・」
古泉「そこに関しては断言はできませんが、涼宮さんを満足させる事が
この問題を解決する一番の近道である事は間違いありません
涼宮さんが特区日本を成功させたいと言うのであれば、我々はその目標に向かって
馬車馬の如く働くしかないんですよ」
キョン「はぁ・・・」
古泉「ただゼロの正体を暴くという目的よりは圧倒的にこちらの方が簡単だと思いますよ」
キョン「そうか?俺には全く逆に思えるが」
古泉「今だから言えるのですが、後何年近くにいても恐らくゼロの正体など暴けないでしょう
それくらい彼には隙がありません」
キョン「特区日本を成功させる事だって同様に難儀な事だと思うがね
だいたい反対派を説得するって段階で厳しいと思うぞ」
古泉「それは大丈夫です!あなたのギアスを使えば余裕です」
キョン「ん?・・・・・おぉ!!その手があったか!!だからお前さっきから強気だったのか!」
古泉「えぇ、あなたのギアスを使えば多数派を作り上げる事など簡単に出来ますからね
あとはゼロを説得できれば、黒の騎士団の特区参加は決まったようなものです」
キョン「ゼロにはギアスは使えないしな、その説得はお前に任せるぞ」
古泉「えぇ、任せてください」
説得するとき、団員にギアスかけて、特区日本が成功して、元の世界に帰って終了なんて終わり方じゃないよな?
----------その日の夕方
キョン「あぁ・・・疲れた。今日はアジトへ行かず帰って寝よう
まぁ寝たところで元の世界で目が覚めるだけなんだが・・・」
ルルーシュ「ん?こんな所で何してるんだ?もうとっくに授業は終わってるはずだが?」
キョン「ルルーシュ・・・・あのな~、俺は最近誰かさんが殆ど顔を出さないもんだから
溜まりに溜まった生徒会の仕事をこの時間まで消化してたんだよ!」
ルルーシュ「あぁ、そうだったのか。それはすまなかったな」
キョン「たまには顔出して仕事してくれよ・・・お前や古泉なら10分で終わるような事でも
俺やリヴァルだと1時間以上かかるんだからな」
ルルーシュ「・・・それは偉そうに言うような事じゃないぞキョン」
キョン「実はまだちょっとだけ残ってるんだが、面倒だから途中で抜けてきたんだ
お前今から代わりにやってきてくれないか?」
ルルーシュ「悪いが俺はこれから野暮用があってな」
キョン「野暮用?(そうだ、ギアスでも使ってみるか!)」
ルルーシュ「あぁ、野暮用だ」
キョン「(友達に仕事を強制するのは忍びないが、いつもサボってるお前への
ささやかな罰だ!くらえルルーシュ!!)」
ルルーシュ「ん?どうした?」
キョン「ルルーシュ、生徒会室へ行って残りの仕事を片付けて来い!」キュイーーン
キョンの左目に赤い鳥にような紋章が浮かび上がった
ルルーシュ「なに!?お前その眼はまさか!!?」
キョン「さぁ、とっとと生徒会室へ行った行った」
ルルーシュ「・・・・・・・・・・・」
キョン「ん?あれ?どうした?・・・もしかしてミスったか?」
ルルーシュ「・・・・・・・・・・・分かった、今からやってくる」
スタスタ
キョン「ふぅ、一瞬ヒヤッとしたぜ・・・」
ルルーシュ「(間違いない!今のはギアスだ!!何故あいつがギアスを扱える?C.Cが契約したのか?
あの物言いからして、恐らく俺と同種の能力だろうが、何故俺には効かなかった!?
俺が同じギアス能力者だからか?いや、だがマオのギアスは俺も効果対象だったし
俺のギアスもマオには効いた・・・・・では一体何故・・・キョン、あいつはいったい何者なんだ・・・)」
キョン「さて、帰って寝るか」
------その日の夜(黒の騎士団アジトゼロの部屋)
ゼロ「多数決?」
古泉「えぇ、黒の騎士団に所属しているメンバー全員に決をとり
その結果で特区の件を決めるというのはどうでしょうか?」
ディートハルト「古泉、何を馬鹿な事言っている?特区に参加するかどうかは
ゼロが決める事だ!決をとる必要などない」
古泉「しかし今回ばかりは流石にリーダー一人の意見で決めていい事ではないと思います
現在黒の騎士団は特区参加賛成派と反対派で二つに割れています
ゼロがどちらかに決めたとして、片方は納得したとしても、もう片方は納得しないでしょう
それでは組織内に亀裂が生まれる恐れがあります」
ゼロ「だから多数決で決めようと?」
古泉「はい、多数決で決まった事ならばその後に遺恨を残すような事はないでしょうし
少数派だった方々も納得した上で先に進む事ができます」
ゼロ「なるほど・・・確かに今後の事を考えると、組織内に亀裂や遺恨を残すような事は
極力避けたいところだ。・・・・いいだろう、お前の案を採用しよう」
ディートハルト「ゼロ、しかし!」
ゼロ「構わん。古泉の言う通りこの問題はリーダー一人で決めて良いような事ではない
ここは民主的な方法でどちらかを決めるとしよう。安心しろ、どちらに決まったとしても
私には双方に策がある!こちらが貧乏くじを引くような事にはならん」
ディートハルト「・・・わ、分かりました」
ゼロ「では近い内に全団員を招集しよう。古泉、お前が言い出したことだ
準備は全てお前に任せる、いいな?」
古泉「それなんですが、決をとるのは多数決をすると発表した三日後にしませんか?」
ゼロ「何故間隔を空ける必要がある?」
古泉「いきなり全員集めて多数決をとると言っても、みなさん戸惑うでしょうし
各々数日考える時間があった方が、身のある決断が出ると思うんです」
ゼロ「三日か・・・まぁいいだろう、好きにしろ」
古泉「ありがとうございます」
---------
----
-
翌日(クラブハウスルルーシュの部屋)
ウィーーン
C.C「やっと帰ってきたか、連日朝帰りとは・・・まるでホステスだな」
ルルーシュ「C.C、俺の質問に答えろ!」
C.C「何だやぶから棒に、答えられる質問とそうでないものがあるぞ?」
ルルーシュ「いいや、絶対に答えてもらう!」
C.C「好きな食べ物はピザだ」
ルルーシュ「そんな事は知っている」
C.C「片付けは苦手だ」
ルルーシュ「それも知っている!!俺が聞きたいのはそんな事じゃない!
お前、俺とマオ以外の人間にもギアスを与えた事はあるか?」
C.C「あるぞ」
ルルーシュ「そうか、やっぱりお前の仕業だったのか・・・」
C.C「何を勘違いしてるのか知らんが話は最後まで聞け
ある事はあるが、それは大昔の話だ。現世に生きている人間で
私がギアスを与えた者はお前だけだ」
ルルーシュ「なに!?ではあいつは一体誰から・・・」
C.C「あいつ?・・・まさか他の能力者に会ったのか!?」
ルルーシュ「その言い方だと、この世界には他にも能力者がいるようだな
という事はお前以外にもギアスを与える事のできる者もいるわけか
つまりキョンはそいつと契約したという事か・・・」
C.C「キョン!?あいつがギアスを使えるというのか?」
ルルーシュ「あぁ、間違いない。あれはギアスだ」
C.C「あいつが、ギアスを・・・?」
ルルーシュ「能力は俺と同種の物と見てまず間違いない。ただおかしな事に
俺には何故か効果が無かった。あいつにギアスをかけられた後も
俺は自分の意志で行動できていた。前後の記憶障害もない」
C.C「あいつはお前にギアスをかけたがお前はそれにかからず
キョンの眼の光を見てそれをギアスだと認識したという事か?」
ルルーシュ「そうだ」
C.C「ギアスが効かない人間というのもいるにはいるが、それは限られた者だけだ
お前が相手のギアスを無効化できるはずはないのだがな・・・」
ルルーシュ「だが俺はかからなかった・・・どういう事だ?」
C.C「ならば恐らくあいつの制約が関係してるのだろう
お前のギアスに制約があるのと同様、あいつにも何らかの縛りがあるはずだ」
ルルーシュ「同じギアス能力者には効果がないとかそんな制約か?」
C.C「恐らくな。あいつはお前が能力者だなんて微塵も思っていないだろうから
その制約の事を考えずお前にギアスを使用したのだろう」
ルルーシュ「なるほど、確かにその解釈が一番しっくりくるな」
C.C「しかし驚きだな、まさかあいつが能力者とは」
ルルーシュ「ギアスを与えた者に心当たりは?」
C.C「ないわけではないが、今は言うつもりはない」
ルルーシュ「フン、魔女が!」
C.C「それより行政特区の件はどうするつもりだ?あまり決断を遅らせると
団員の中にゼロに対する不信感が生まれるぞ」
ルルーシュ「その問題はもう解決した。多数決で決める」
C.C「多数決?また随分と古典的な決め方だな」
ルルーシュ「民主的と言ってもらおう」
C.C「民主主義は結構だが、それではどちらに転ぶか分からんぞ?大丈夫なのか?」
ルルーシュ「いや、もうどちらが多数派になるかは分かっている」
C.C「ほう、票読みでもしたのか?」
ルルーシュ「票読みなど必要ないさ。多数決というのは古泉が提案してきた事でな
これには涼宮ハルヒやキョンが関わっている」
C.C「あの二人が?」
ルルーシュ「あぁ、そしてやはり中心にいるのは涼宮ハルヒだ!
あいつの思考を読めば特区参加に賛成か否かはすぐに分かる」
C.C「で、あの破天荒娘はどっち派なんだ?」
ルルーシュ「賛成派だ。あの女はあれで意外とまともな考えを持っているし
反ブリタニア感情もさほど高くない、争い事以外での解決策があるなら
必ずそちらを支持するはずだ」
C.C「あの娘は玉城タイプだと思っていたが、実は真逆なのか」
ルルーシュ「涼宮はいつでも我を通さないと気が済まない人間だ
つまりなんとしても黒の騎士団を特区に参加させたいと考える
その結果出た結論が多数決というわけだ」
C.C「だが多数決だと必ず賛成派票が多数になるは限らないぞ?」
ルルーシュ「古泉は決をとる日を多数決をとると発表した三日後にしようと提案してきた
つまりあいつはその三日間の間に反対派票を賛成派票に移させるつもりだろう
キョンのギアスを使ってな」
C.C「ほぅ、つまりキョンがギアス能力者であるという事を古泉と涼宮は理解しているという事か」
ルルーシュ「あぁ。ギアスを使えば多数派を作り上げる事など朝飯前だ
間違いなく数日後の多数決では特区参加賛成派が多数となる
そうなると確信したからこそ俺はあいつの意見を採用したんだ」
C.C「という事はお前自身も賛成派なのか?」
ルルーシュ「そちらの方が考えた策を使いやすいからな!
ゼロは団員の意見を採用し、多数決によって特区参加を決めた
この事実は後にゼロに対する忠誠心に繋がる、涼宮ハルヒ様様だな」
C.C「どんな策を考えたか知らんが、また血を見そうだな。やれやれだ」
----数日後(黒の騎士団アジト周辺)
玉城「何だよこんな所まで呼び出しやがって!!
お前ら後輩だろーが!!何で俺が出向かなきゃならねーんだよ!!」
キョン「まぁまぁ落ち着いてください」
玉城「落ち着いていられるかっつーの!こっちは明日の多数決に向けて
賛成派の説得に回ってて忙しいんだ!!お前等の相手なんかしてる暇は」
古泉「その必要はないと思いますよ」
玉城「あん!?どういう意味だそりゃ!?」
古泉「お願いします」
キョン「玉城さん、明日は賛成に票を入れてください」キュイーーン
キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がる
玉城「・・・・・あぁ分かった」
スタスタ
キョン「ふぅ、今ので213人目・・・そろそろ安全圏じゃないか?」
古泉「昨日今日とお疲れ様でした、これだけやればもう十分でしょう!
後は明日を待つだけですね」
-----翌日
扇「賛成428票、反対209票!賛成多数により、黒の騎士団は特区日本に
参加する事に決まった!」
ワー ワー ワー
玉城「チクショー何でだ!?あんなに必死に勧誘したってのに!!
こんなに差が開くなんてありえねー!!」
カレン「決まった事なんだからいつまでもウダウダ言ってんじゃないわよ!
特区に参加する事に決まったんだから、アンタもこれからは
そのつもりでちゃんと活動しなさいよね!」
玉城「けっ、わーってるよ!!」
ハルヒ「やったわね!キョン、アンタどうやって反対派を丸め込んだの!?
まさかこんなに差が開くなんて思ってなかったわ!」
キョン「ま、俺の巧みな話術を持ってすればこのくらい朝飯前って事だ」
ハルヒ「巧みな話術ねぇ・・・まぁいいわ!良くやったわよキョン!」
カレン「キョンが反対派を説得したの?凄いわね、いったいどんな魔法を使ったのかしら」
キョン「はは・・・・まぁいろいろとな」
C.C「文字通り魔法を使ったんだろう」
キョン「!?」
カレン「・・・何言ってんのアンタ?」
C.C「ちょっと前まで半々だった特区参加に関する意見がたかが三日でここまで
片寄るのは妙だ。何か人知を超えた力でも使ったのなら話は別だがな」
キョン「なっ・・・・」
カレン「何いってんのよ、そんな力がキョンにあるはずないじゃない」
ハルヒ「そうよ、この冴えないキョンにそんな力あるはずないわ!」
キョン「冴えないは余計だ」
C.C「ま、瑣末な事だ、気にするな。ではな」
スタスタ
古泉「・・・・」
ハルヒ「いつも風変わりだけど、今日は特に変ねあの人」
キョン「はい、お前が言うな」
カレン「特区参加が決まったからには、何としても成功させたいわね
後はブリタニアの出方次第だけど・・・・」
キョン「まぁ信じるしかないだろうな、ユーフェミアを」
その日の夜黒の騎士団は数人の幹部と末端の人間を集め
きたるベく行政特区日本設立記念式典に向けての対策会議を行っていた
扇「設立記念式典か・・・・」
古泉「スタジアムに参加申請をした日本人の一部を集め、かなり盛大に行うようです
テレビカメラも入れるたしく、世界中に生中継される予定です」
藤堂「正式な参加表明はもうしたのか?」
古泉「えぇ、多数決が終わった後ゼロの指示でブリタニア政府に対し
特区日本に参加するという主旨の文を送りました」
扇「参加すると言った以上、俺達もこの式典に出席すべきだよな?」
ディートハルト「ブリタニアの真意も分からないのにですか?
流石にそれは危険です、数人を代表という形で式典に参加させれば十分でしょう
何が起こるか分かりません、他の団員は別の場所で武装し待機するのが一番です」
扇「武装?いくらなんでもそれはやりすぎじゃないのか?参加すると言った以上
こちらはあまり相手を刺激するような真似はしない方がいいと思うが」
ディートハルト「あなたはブリタニア側がこの式典において非武装だとお思いですか?
そんな事はありえません、必ずナイトメアや戦闘機を待機させているはずです
もしもの事態に備え、それらに対抗できるだけの武力を忍ばせておくのは当然の事です」
ゼロ「ディートハルトの言うとおりだ、まだブリタニアの罠だという可能性も捨て切れてない
いかなる場合に備えておくべきだろう、0番隊から7番隊まではスタジアム付近で待機
勿論目立たない所でだぞ」
藤堂「了解した。しかし、では式典に参加する者はどうする?」
ディートハルト「それは誰でもいいでしょう、適当な団員を数人選べば
大事なのは黒の騎士団が式典に出席したという事実だけですからね」
古泉「では新入りですし僕が行きましょうか?」
ディートハルト「君は駄目だ、当日も私の方を手伝ってもらう」
古泉「そうですか、では誰にしましょうかね」
ゼロ「式典には私が出る!」
藤堂「なに!?本気か?」
ゼロ「あぁ、もし当日何か異変が起こったらすぐに合図を送る
そうなった場合はお前が指揮をとりスタジアムに突っ込め」
藤堂「分かった!」
古泉「しかしゼロ一人でというのは流石に心配ですね・・・」
ゼロ「問題ない、C.Cとキョンも連れて行く」
古泉「二人を?」
ゼロ「あぁ、一応私の側近だからな。心配するな、何か異変があったら
すぐ対処できるよう脱出ルートは確保しておく」
古泉「分かりました」
-----数分後
ウィーーン
キョン「おっ、やっと終わったのか。待ちくたびれたぞ」
古泉「おや?待っていてくれと言いましたっけ?」
キョン「ちょっと気になる事があったんでな、お前に相談しようと思ってよ」
古泉「それはもしかしてC.Cさんの事ではないですか?」
キョン「正解だ、よく分かったな」
古泉「あなたが気になっているというのは昼間彼女が言ったあの発言の事ですね?
人知を超えた力・・・・妙に核心に迫る物言いでしたので僕も気になっていたのですよ」
キョン「あぁ・・・もしかしてあの人は知ってるのか?ギアスの事を?」
古泉「どうでしょうか、その可能性もあるにはあるでしょうが・・・
ただの冗談である可能性の方が大きいと思います」
キョン「でもあの言い方がどうも引っかかるんだよな・・・」
古泉「そんなに心配なら本人に聞いてみましょう」
キョン「は?」
古泉「ですから、本人に聞いてみるんです。ギアスを使って
『ギアスという能力を知っているか?』とね」
キョン「なるほど、それなら簡単に確かめられるな!」
古泉「今彼女は何処にいるのでしょう?」
キョン「ゼロの部屋にいるはずだ!」
古泉「ゼロはまだ会議室の中・・・ギアスをかけるなら今がチャンスですね」
キョン「あぁ、急ごうぜ!」
-------
---
-
ゼロの部屋
ウィーーン
C.C「ん?どうしたキョン?もう帰ったんじゃなかったのか?」
キョン「いや、それがちょっと忘れ物をしましてね」
古泉「僕は付き添いです。中に入ってもよろしいでしょうか?」
C.C「構わんぞ、だがゼロの机には触るなよ。あいつは神経質だから
ちょっとでも私物が動くとすぐに分かるからな」
古泉「分かりました。それにしても、あなたは随分とゼロに関して御詳しいですね」
C.C「側近だからな」
古泉「なるほど、ではゼロの仮面の中も見たことがあるのでしょうか?」
C.C「あぁ、あるぞ」
古泉「そうですか・・・ちなみにゼロは男性ですか?それとも女性ですか?」
C.C「・・・・何を言ってるんだお前は?」
古泉「そのリアクションですとやはり男性なのですね。いや、念のために一応と思いまして」
C.C「面白い事を知りたがる奴だな。女だったら口説き落とすつもりだったのか?」
古泉「恐れ多くてそのような事はできませんよ」
C.C「おいキョン、忘れ物とやらは回収したのか?」
キョン「えぇ・・・・・あの、C.Cさん」
C.C「何だ?」
キョン「・・・・」チラッ
キョンが古泉に視線を送る
古泉「・・・・・」コクッ
古泉はうなずく
C.C「男同士で何をやってるんだお前等は・・・」
キョン「C.Cさん、俺の質問に答えてくれ!
アンタはギアスという能力を知っているのか!」キュイーーン
キョンの眼に赤い鳥のような紋章が浮かび上がった
C.C「・・・・・・」
キョン「さあ、答えてくれ」
C.C「・・・・・フフフ、断る!!」
キョン&古泉「!!!?」
C.C「相手が悪かったな、今お前達は最もギアスを使用してはいけない人間に
ギアスを使用してしまったんだぞ?これで二回目だ、もう少し慎重になるべきだったな」
キョン「どういう事だ・・・ギアスが効かない」
古泉「その物言いですと、やはり知っているのですね?ギアスという力の存在を?」
C.C「知っているもなにも、私はその能力を与える側の人間だ」
キョン「なに!!?」
古泉「与える側・・・なるほど、だからあなたにはギアスが通じないというわけですか」
C.C「そういう事だ」
古泉「何故そのような事ができるのですか?あなたは何者なんです?」
C.C「答える義務はない、自分で考えることだな」
古泉「ギアスを他人に与える事が出来るあなたがゼロの側近としてここにいるという事は
もしかしてゼロも彼同様ギアス能力者なのでしょうか?」
C.C「さて、どうだろうな。もういいだろう、私は忙しいんだ」
古泉「では最後に一つだけ!あなた自身もギアスを使用する事はできるのでしょうか?」
C.C「いい質問だな坊や。答えはNoだ」
古泉「そうですか、ありがとうございます。あと、できればここでの事はゼロに内密に
してもらいたいのですがよろしいでしょうか?」
C.C「あぁ、別に構わんぞ」
古泉「ありがとうございます。では、我々はこれで。行きましょう」
キョン「ん?あ、あぁ・・・」
キョンと古泉は部屋を出た
C.C「フフ、なかなか鋭い坊やじゃないか」
ルルーシュ「だから言っただろ。全く余計な事をペラペラと・・・・」
奥の部屋からルルーシュが姿を現す
C.C「ん?余計な事など言ったつもりはないが?」
ルルーシュ「古泉に放った言葉全てが余計だ。あれだけヒントを与えれば
あいつの事だ、遅かれ早かれゼロの正体の真相に近づくだろう」
C.C「正体がバレるのが怖いのか?」
ルルーシュ「怖い?違うな、俺は優秀な駒を失いたくないだけだ
あいつがゼロの正体を知ったら、俺はあいつを消さなければならない
そんな事をしたくないだけだ、一応生徒会の仲間でもあるしな」
C.C「そうか、それはすまなかったな。以後気をつけるよルルーシュ」
ルルーシュ「お前、さてはわざとあいつにヒントを与えるような事を言ったな・・・」
--------アッシュフォード学園学生寮
キョン「まさかC.Cさんにあんな秘密があったとは・・・」
古泉「十中八九ゼロはギアス能力者でしょうね。彼女が傍にいる以上
既に能力を与えてると考えるのが自然です」
キョン「だが本人は否定も肯定もしなかったぞ?」
古泉「否定も肯定もしなかった事がこの場合肯定したと言えるでしょう
それに、ゼロがこれまで起こしてきた奇跡の数々
これらの事もギアスという能力を前提に考えると納得できるんですよ」
古泉「例えば枢木スザク救出の件、あの時ゼロがジェレミア卿に直接ギアスを
かけていたと考えると、その後のジェレミア卿の理解し難い行動も納得できます」
キョン「つまりオレンジなんて言葉には何の意味も無かったって事か?」
古泉「えぇ、ブリタニア政府は勿論マスコミも意味の無いオレンジ発言ばかりに気をとられ
その後コーネリア総督が着任するまでエリア11は大混乱でした。あれもゼロの狙いでしょう」
キョン「ゼロの知能に何でもありのギアスか、最強だな」
古泉「そして最も気になるのは先程C.Cさんが言った『これで二回目だ』という発言です」
キョン「二回目?何が二回目なんだ?」
古泉「『今お前達は最もギアスを使用してはいけない人間に
ギアスを使用してしまった。これで二回目だ、もう少し慎重になるべきだったな』
覚えてらっしゃいますか?」
キョン「あぁ、確かにそんな事言ってたな。ん?まてよ、二回目?」
古泉「そう、そこです!我々がこんなミスを犯したのはあれが初めてのはず
しかし彼女はそれを二回目と表現しました。これはつまり、我々が自覚していないだけで
過去に同様のミスを犯し、ミスをおかした際にギアスを使用した相手が
C.Cさんにその旨を報告したという事です」
キョン「C.Cさんに報告?でもあの人はゼロの側近で基本他の人とはあまり
絡まないはずだが・・・・という事は」
古泉「そうです!過去に間違ってギアスをかけた相手
それは素顔を晒した状態のゼロです!」
キョン「なっ・・・・・じゃあ俺は知らず知らずの内に仮面を外した状態のゼロに
ギアスを使用していたって事なのか?」
古泉「そうとしか考えられません。あなたがギアスを使用した者の中に必ずゼロがいます!
思い出してみてください、怪しい反応を見せた人物はいませんでしたか?」
キョン「いや、でもギアスが効かなかったのは間違いなくC.Cさんだけだ!
他にかけた連中はみんなちゃんと言われた通りの行動をとってたはずだ」
古泉「かかったフリをしていたのでしょう。あなたが能力者であるという事実だけを得て
ギアスにかかったフリをしてその場を離れ、C.Cさんに相談した。
これまでにギアスをかけた相手はどれくらいいるのですか?」
キョン「特区参加反対派の団員と、学園ではリヴァルにルルーシュ・・・・・
あと教師にも何人かかけたな」
古泉「教師?」
キョン「はは、来週のテストの問題用紙くれってさ」
古泉「あなたという人は・・・こちらの世界のペーパーテストなどどうでもいいでしょうに・・・」
キョン「仕方ないだろ、進級が危ないんだ!」
古泉「・・・まだ5月ですが、あなたはあと何ヶ月この世界と現実を行ったり来たりするおつもりですか?」
キョン「・・・・と、とにかく!俺がこれまでにギアスをかけたのは
さっき挙げた人達だけだ!この中にゼロがいるんだろ?いったい誰なんだ?」
古泉「アッシュフォードの教員は論外として、リヴァルさんやルルーシュさんも恐らくないでしょう
彼らには行動を起こす理由がないですからね。となると、特区反対派の中・・・・」
キョン「組織のトップでありながら、たまに仮面を外して一般団員と化してるって事か?」
古泉「その可能性が高いですね、末端の声を聞くには自らがそこに入るのが一番でしょうし
意外と部下思いの上司という事でしょうか。少々印象が変わりましたね」
キョン「あの中にゼロが・・・・一応聞いとくが、玉城さんは」
古泉「絶対にありえません」
キョン「はは、だよな」
古泉「しかしよくよく考えてみると、我々がゼロの正体を追求する必要はもう無いんですよね」
キョン「あぁ、ハルヒの目的が別のものにシフトしたからな
でもまぁ出来る事なら暴いてみたいぜ、ゼロの正体」
古泉「同感です。同時進行でやりませんか?勿論涼宮さんの件に
支障が出ない範囲でですが。ここまで来たら僕も彼の正体を知りたい」
キョン「おう、まぁ疲れない程度にな」
古泉「我々の推理が正しければゼロは特区参加反対派という事になる
となると、特区参加賛成派が多数となった現状を好ましく思っていないかもしれない・・・
式典当日、何かをする可能性がありますね」
キョン「何かって何だ?」
古泉「特区そのものをぶち壊すような事ですよ。ギアスを使えば可能ですからね」
キョン「まさか・・・」
古泉「あくまで可能性です。しかし、我々の目的は特区日本の成功です
万が一ゼロが特区を壊すような真似をした時は、あなたが何とかしてください」
キョン「ちょっと待て、何で俺だけなんだ?」
古泉「式典に参列するのはゼロと側近の御二人のみと決まったんです
つまりあなたとC.Cさんです。現場で彼を静止できるのはあなただけしかいません
C.Cさんはどちらかと言えばやはりゼロ寄りのようですしね」
キョン「はぁ・・・・ゼロを止めれる自信なんて俺には微塵もねーぞ・・・・」
古泉「大丈夫です、あなたにも彼同様ギアスがある」
キョン「仮面被った相手にギアスはかけれないし、仮面を被って無くても
ゼロにはギアスが効かないんだろ?無意味じゃねーか・・・」
古泉「そこはゼロのように頭を使ってください!あなたならできるはずです」
キョン「お前は俺の偏差値を知らんのか・・・はぁ、気が重いぜ」
------記念式典前日
キョン「はぁ、いよいよ明日か・・・」
古泉「おや?何か不安な点でもあるのですか?」
キョン「お前はいいよなぁ、アジトで待機なんだからよ」
古泉「現場でのことは全てあなたに任せます。頑張ってくださいよ」
キョン「はぁ・・・」
古泉「そういえばゼロの正体の件ですけど」
キョン「何か進展があったのか?」
古泉「あなたがギアスをかけた特区参加反対派の方々、計213人の中には
どうやらゼロはいないようです」
キョン「何でそんなことが言い切れるんだ?どうやって調べた?」
古泉「昨日全団員を集めた集会がありましたよね?実はあれは僕が提案した事なんですが
ゼロが演説してる間も全員いたんですよ、あなたがギアスをかけた反対派の人達全員がね
一人でもいない者がいればその者がゼロだと確信できたのですが」
キョン「よく200以上の人間の存在の有無をあの短い集会の中で確認できたな・・・
でもそれだけじゃまだあの中にゼロはいないとは言い切れないんじゃないか?
ゼロが影武者を使ってる可能性だってある」
古泉「我々がゼロの正体を突き止めようとしている事と、特区反対派の中の人間を
疑っているという事をゼロが認識している場合、確かにそれもありえますね
別の人物にギアスをかけ壇上で喋らせ、自分は聴衆側に回る」
キョン「あぁ、まぁその場合俺達はいろいろとヤバイ状況かもしれんが・・・」
古泉「えぇ、ですのでその可能性は考え無い事にしましょう」
キョン「おい!」
古泉「ここ数日反対派の方々を観察していましたが、正直あの中にゼロがいる
とは思えないんですよ。勿論一般団員に見せかける為、凡人のフリをしている
のかもしれませんが、それにしてもちょっとゼロの印象とは程遠い方ばかりで・・・」
キョン「最初に反対派の中にゼロがいるって言い出したのはお前だろうが・・・
じゃあ何だ、ゼロは学園の教師かリヴァルかルルーシュだってのか?
こっちの方がお前の言うゼロの印象とかなり遠いと思うぜ」
古泉「そうでしょうか?雰囲気的に実に良く似ている人物が一人いるではありませんか」
キョン「・・・まさかルルーシュとか言い出すつもりじゃないだろうな?」
古泉「残った選択肢の中で一番可能性があるのは彼です
いや、よくよく考えれば反対派を合わせた中でも彼が一番そのイメージに近い」
キョン「でもあいつには理由がないだろ?ブリタニアと戦う理由も、日本を解放させる理由も!」
古泉「そこなんですよね、その辺りは検討もつきません。しかし、彼がゼロであるのであれば
必ず理由があるはずなんです。意味も無いのに行動を起こすような人ではないですし」
キョン「ルルーシュがゼロ・・・・・・・その推理今回はどの程度自信があるんだ?」
古泉「9割方あっていると思います、他に思い当たる人物がいませんし」
キョン「で、どうする?確かめてみるか?」
古泉「どうやって確かめるのです?」
キョン「ここまで来たら本人に直接聞いてみるしかないだろ!」
古泉「止めた方がいいと思いますよ、こちらはもう既に彼に対しギアスを使用していますが
あちらは恐らくまだ我々にギアスは使っていないでしょう。下手に追い込んだりしたら
何をされるか分かりません。彼は自分がゼロだという事実は絶対に守ろうとするはずです
その為なら我々を消す事だっていとわないでしょう」
キョン「・・・・それもそうだな」
古泉「これまで全く分からなかったゼロの正体に関して、9割方この人物であろうという人間を
見つけることができたんです。それだけで十分ですよ。本人にその事を確認する必要は
ありません、先程も言った通り危険ですからね」
キョン「まぁお前がそれでいいなら俺からは何も言う事はないさ
じゃあ後は明日の式典と、特区日本を成功させるだけだな!」
古泉「えぇ、明日は頼みましたよ」
キョン「ま、やるだけやってみるさ」
--------黒の騎士団アジト
ハルヒ「ふふ~ん♪」
カレン「ご機嫌ねハルヒ、何か良い事でもあったの?」
ハルヒ「別にないわよ!ただ明日の式典が楽しみなだけ!」
カレン「行政特区日本か・・・もし成功したら、ハルヒは特区に住むの?」
ハルヒ「勿論そうするわ!名誉ブリタニア人なんて胸糞悪い名前から
日本人に戻れるんですもの!カレンだってそうするんでしょ?」
カレン「え?うん、まぁね。でもゼロはどうするのかしら・・・」
ハルヒ「そういえばゼロって日本人じゃないんだっけ?」
カレン「えぇ、前に本人がそう言ってたわ」
ハルヒ「別に元々日本人だった人だけしか住んじゃいけないってわけじゃないんだし
ゼロだって特区の住人になる事は可能なんじゃない?ていうかゼロの場合は
特区成立後はそこの代表になるだろうし」
カレン「そ、そうよね!うん、きっとそうよ!あぁ良かった」
ハルヒ「・・・ねぇ、前から思ってたんだけど、もしかしてカレンってゼロの事好きなの?」
カレン「は、はぁ!!?な、何言ってんのよアンタ!?///」
ハルヒ「顔真っ赤よ・・・・分かりやすいわね」
ハルヒ「あんな変な仮面に全身タイツみたいなの着てる奴の何処がいいのよ!
頭良いし凄い人だってのは分かるけど、顔も見たことないんでしょ?
よくそれで惚れられたわね!」
カレン「うるさいわね、余計なお世話よ!アンタだってキョンが好きなんでしょ?
知ってんのよ私!あんなリヴァルに毛が生えたような男の何処がいいのよ!」
ハルヒ「な、何であたしがキョンなんかを好きにならないといけないのよ!!」
カレン「赤くなってきたわよ、顔」
ハルヒ「だ、だいたいアンタはルルーシュが好きだったんじゃないの!?
それをいきなりゼロに乗り換えるだなんて気が多いにも程があるわ!」
カレン「な、何でそこでルルーシュが出てくるのよ!?」
ハルヒ「シャーリーが言ってたわよ、最近ルルとカレンが怪しい仲だって」
カレン「うぅぅ・・・・シャーリー・・・・あれほど違うと言ったのに・・・・」
ハルヒ「二兎を追うものは一頭も得ず!どちらかにしなさいカレン!!」
カレン「だから違うって言ってんでしょ馬鹿ハルヒ!!」バコッ
ハルヒ「イタッ・・・・やったわねー!!!」
ワーキャー ワーキャー ワーキャー
扇「全く騒がしい連中だな・・・明日は大事な日だって言うのに・・・」
-------ルルーシュの部屋
C.C「いよいよ明日だな」
ルルーシュ「あぁ」
C.C「本当にやるのか?この間言っていた策を?」
ルルーシュ「そうしなければ黒の騎士団は終わるからな、俺をここまで追い込んだのは
他の誰でもないユフィ自身だ・・・・だから彼女には責任をとってもらう
ユフィにギアスをかけ、俺を撃たせる!」
C.C「黒の騎士団とゼロに対し参加を呼びかけた特区日本の提唱者が
式典に参加したゼロに対して引き金を引く、確かに一気に反ブリタニア感情が爆発するな
おまけに特区構想は頓挫し、民衆の黒の騎士団に対する支持は強まる」
ルルーシュ「あぁ、そしてその勢いのまま東京租界へ進軍する!」
C.C「東京租界へ?本気か?」
ルルーシュ「勿論、既に策は打ってある。東京租界へ進軍し、今度こそコーネリアを潰す!
そして政庁陥落の映像と共に独立宣言をすれば、嫌でもあの男が出てくる・・・ブリタニア皇帝が!
直に会うことさえできれば、後は奴にギアスをかけるだけだ」
C.C「・・・・」
ルルーシュ「特区日本を提唱したユフィに悪気など無い事は分かっている
悪気どころかむしろ俺とナナリーの事を考えての結論だろう
しかし、俺達兄妹にとってその優しさは最早罪でしかない・・・・
だから俺は修羅になってでも特区日本を阻止する!!ナナリーの為にも・・・」
-----式典当日
アナウンサー「こちら行政特区日本開設記念式典会場です!
会場内は大勢のイレヴ・・・・失礼しました、大勢の日本人で埋め尽くされています
会場の外にも入場できなかった日本人が沢山式典が始まるのを待っています!」
アナウンサー「しかし、特区日本への参加を表明した黒の騎士団のトップであるゼロは
依然姿を見せておらず、式典が始まるまでに姿を現すのかどうか
その動向が注目されています」
ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ
スザク「このまま来ないつもりなのでしょうか?」
ダールトン「かも知れんな。しかしそれでも構わん、奴等が特区に参加するしないに関わらず
こうなった以上どちらを選んでも黒の騎士団は終わりなのだからな」
ユーフェミア「(ルルーシュ・・・私は信じてます)」
ダールトン「ユーフェミア様、そろそろ御時間です」
ユーフェミア「・・・・はい」
「ゼロだ!!!」
ユーフェミア「え?」
視線の先にはガウェインの肩に乗ったゼロがおり
こちらに向かってきていた
スザク「ゼロ・・・・」
ダールトン「負けを認めたか!」
指令部「相手はゼロだ、不審な動きを見せたら即座に射殺しろ!」
狙撃犯「イエス・マイ・ロード」
ゼロの乗ったガウェインが式典の壇上へと着陸する
ユーフェミア「ようこそゼロ!行政特区日本へ!」
ゼロ「ユーフェミア・リ・ブリタニア、折り入ってあなたとお話したいことがあります」
ユーフェミア「私と?」
ゼロ「はい、あなたと二人っきりで」
ゼロがナイトメアから降り、操縦席からキョンとC.Cも出てきた
スザク「キョン、何で君がここに?・・・・そうか、君もカレンと一緒に」
キョン「そういう事だ、黙ってて悪かったな」
スザク「いや、僕だって最初は技術部だと嘘をついていた。これで御相子だ」
キョン「そう言ってくれると助かるぜ、正直なところここでお前に正体を晒す事が
一番億劫だったからな」
すいません、お風呂入ってきます。
猿避けありがとうございます!
ほ
スザク「あれ?君は新宿とナリタにいた・・・」
C.C「久しぶりだな」
スザク「やっぱり君は黒の騎士団の関係者だったのか」
キョン「俺とこの人はゼロの側近なんだ。あとついでに言っておくが
ハルヒと古泉も黒の騎士団の団員なんだ」
スザク「会長と古泉も・・・・」
キョン「あぁ、だからこれまで戦場でお前とも何度か戦ってる」
スザク「そうか・・・でも、特区日本が上手く行けば、僕等はもう争わなくても済む!
君や会長達と争うのなんて僕は嫌だ」
キョン「俺だって嫌さ・・・・・上手く行くといいな、特区日本。いや、俺達で上手く行かそう!」
スザク「キョン・・・」
ダールトン「話し合いならこの場でしてもらおう、二人だけの状況は悪いが作れん」
ゼロ「こちらは特区に参加すると表明し、武器も持たずこちらに出向いたのだ
平和的解決の為に必要な事なのだが、それでも申し出は許可されないのかな?」
ダールトン「何が武器も持たずにだ!ガウェインに乗って来たではないか!」
ゼロ「あくまで移動の手段として使用したまでだ、武装は全て外してある
調べてもらっても構わんぞ」
ユーフェミア「ダールトン、大丈夫です!私ゼロのお話を聞いてきます
だから二人っきりにさせてください」
ダールトン「しかしユーフェミア様!!」
スザク「この男と二人になるのは危険です、せめて自分だけでも!」
ユーフェミア「大丈夫ですスザク!私を信じてください!」
スザク「(ユフィ・・・)」
ユーフェミア「ダールトン」
ダールトン「・・・・分かりました、では下のG1ベースでよろしいでしょうか?」
ユーフェミア「はい」
ダールトン「お前もいいな?」
ゼロ「あぁ」
ダールトン「悪いが案内する前に検知器を通ってもらう
凶器を持っていられては敵わんからな」
ゼロ「構わん、それで君達が安心するのならいくらでも協力しよう」
ダールトン「G1の入り口付近にこちらの兵を一人置かせてもらう
枢木、お前が行け」
スザク「え?自分でよろしいのですか?」
ダールトン「お前はユーフェミア殿下の騎士だろう!何かあったら頼んだぞ
必ずユーフェミア様を御守りしろ!」
スザク「イエス・マイ・ロード!!」
キョン「そういう事なら俺も一緒に行きたいんですが・・・」
ダールトン「ん!?何だお前は!?」ギロッ
キョン「え?いやぁ・・・俺はその」
ゼロ「私の側近だ。可能なら彼を枢木卿と同じ場所に置いておきたいのだが?」
ダールトン「いかがなさいますか?」
ユーフェミア「構いませんよ」
ゼロ「ありがとうございます」
ダールトン「では枢木、G1へ案内してさしあげろ」
スザク「分かりました、こちらです」
キョン「(よし、これでゼロに近いポジションゲット!何か不測の事態が起こっても
トラブルが起きる前に対処するんだ!頑張れ俺!)」
スザクを先頭に四人は会場の外に停めてある
G1ベースへと足を運んだ
------G1ベース内部
ゼロは中に入ると同時にG1ベース全ての電源を落とした
ユーフェミア「用心深いのね、カメラは全てオフにしてあるのに」
ゼロ「いつも隠れて生活しているのでね、何処かの帝国のお陰で」
ゼロは仮面を外しふところから銃を取り出す
ルルーシュ「竹とセラミックで加工したニードルガン、これは検知器でもヒットしない」
ユーフェミア「何の冗談ですか?ルルーシュ、あなた撃たないでしょ?」
ルルーシュ「あぁ、俺は撃たない。撃つのは君だよ、ユフィ」
ユーフェミア「え・・・・?」
---------会場付近
扇「ゼロは上手くやっているのだろうか・・・」
藤堂「ユーフェミアと二人だけで会談か・・・こんな事は予定になかったが」
扇「いったいゼロは何を考えているんだ」
藤堂「(我々をここに待機させてある上にラクシャータやディートハルト、古泉も
別働隊として行動させている・・・もしや、ゼロはユーフェミアを・・・)」
-----G1ベース入り口
スザク「キョン、ゼロはユーフェミア様に一体何の話をしているんだ?」
キョン「さぁ、何を話しているのやらさっぱりだ」
スザク「君は何も聞いていないのかい?」
キョン「俺に限らず黒の騎士団のメンバーの殆どが何も知らされてないと思うぜ」
スザク「じゃあやっぱり君もゼロの正体は知らないのか」
キョン「あぁ・・・(ゼロがルルーシュかもしれないなんて言ったらこいつは
どんなリアクションをとるのだろう?)」
スザク「キョン、悪いけど僕は中で何かが起きたらすぐにゼロの身柄を取り押さえるよ」
キョン「あぁ、そんときは好きなようにしてくれ」
スザク「君はそれでいいのかい?ゼロは君の上官だろ?」
キョン「お前と格闘しても勝ち目はないし、それに俺は特区日本を成功させたいんだ!
万が一ゼロがそれを阻害するような行動をとるなら守ってやる義理はない」
スザク「はは、君は分かりやすいね。うん、特区を成功させたいと思う気持ちは僕も同じだ
お互いに頑張ろうキョン!」
キョン「(ゼロが何か企んでいるのなら俺がその企みを阻止しなきゃならん・・・
何をしでかすか分からんし阻止できる自信もない、ないが!!やるしかない!)」
------G1ベース内
ユーフェミア「私が・・・ルルーシュを?」
ルルーシュ「そうだ」
ユーフェミア「何を言っているのですルルーシュ?私はそんなことしないわ!」
ルルーシュ「君の意志は関係ない、俺がそうさせてやる!」
ユーフェミア「?」
ルルーシュ「この式典は全世界に中継されている、そこでブリタニアの皇女である君が
ゼロを撃ったらどうなると思う?」
ユーフェミア「暴動になるんじゃないかしら?」
ルルーシュ「あぁ、騙まし討ちされたとなれば、ゼロは殉教者となり
君とブリタニアの信望は地に落ちる」
ユーフェミア「何ふざけてるんですか?私と一緒に日本を」
ルルーシュ「もう全ての条件はクリアされた、ゼロは生死を彷徨い
奇跡の復活を遂げ称えられる。民衆は理屈ではなく、奇跡に弱いものなんだ
さぁ、銃を受け取りたま・・・・・ウッ!!!!」
ルルーシュは左目を押さえその場にうずくまった
ユーフェミア「ルルーシュ!?どうしたのです、大丈夫ですかルルーシュ!?」
ルルーシュ「止めろ、これ以上俺を哀れむな!!施しは受けない!
俺は自分の力で手に入れてみせる!その為には汚れてもらうぞユーフェミア・リ・ブリタニア!!」
ユーフェミア「その名は返上しました!」
ルルーシュ「なに!?」
ユーフェミア「いずれ本国から発表があると思います!皇位継承権を放棄しました」
ルルーシュ「何故・・・まさかゼロを受け入れたからか?」
ユ-フェミア「わがままを通してもらったのですから仕方ありません」
ルルーシュ「何故特区日本の為にそこまでできる・・・スザクの為か?」
ユーフェミア「それもあるわ。でも、一番はナナリーの為」
ルルーシュ「ナナリー?」
ユーフェミア「あの子言ったの、お兄様さえいれば他に何もいらないって
だから決めたの、特区を成立させようって」
ルルーシュ「そんな事だけで決めたのか?」
ユーフェミア「そう、そんな事だけで決心がついちゃったの!」
ルルーシュ「・・・フッ、フハハハハ!!全く、君は大馬鹿だよ」
ユーフェミア「そりゃあ、昔からルルーシュにはゲームでも勉強でも勝てなかったけど・・・」
ルルーシュ「しかし、結局全てを手に入れてしまう・・・」
ユーフェミア「ルルーシュ、お願いです!私と特区日本を・・・私に協力してください!
あなたとナナリーの事は誰にも言いません、だから・・・」
ルルーシュ「・・・・・・・・・・・・・・・・・君は、俺にとって最悪の敵だったよ
いいだろう、行政特区を生かす形で策を練ろう。あぁ、部下になるわけじゃないからな」
ユーフェミア「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「俺達で特区を成功させよう、ブリタニアを中から変えるんだ」
ユーフェミア「はい!それにしても私って信用ないのね、あんな言葉で
騙そうとするなんて!心外です!」
ルルーシュ「あぁ、あれか。俺が本気で命令すると、誰も俺に逆らう事ができないんだ」
ユーフェミア「またからかってるの!?」
ルルーシュ「本当さ、例えば俺が『ゼロを撃て』、『スザクを解任しろ』、『日本人を殺せ』
と命令すれば君は」キュイーーーーン
ユーフェミア「・・・・・・・・い、いや・・・そんな事したくない」
ルルーシュ「ん?ユフィ?」
ユーフェミア「そ、そんな事、したくない!!」
ルルーシュ「おいどうしたんだユフィ!?眼のふちが赤い・・・・まさか!?」
ルルーシュは急いで自分の眼を確認した
ルルーシュ「ギアスが発動している・・・・まさかマオのように暴走しているのか!!?」
ユーフェミア「いや・・・そんな事したくない!!」
ルルーシュ「さっき言った内容のどれかがギアスとして飛んだのか!!
まずい・・・・ユフィ、落ち着け!!俺の眼を見ろ!!」
ユーフェミア「いや・・・・そんな事」
ルルーシュ「クッ・・・・またさっきの痛みが!!」
ルルーシュは再び眼を押さえてうずくまった
ユーフェミア「・・・・・・・・・・そうね、日本人はみな殺しにしましょう!」
ルルーシュ「クッ・・・・よりによってその命令か・・・止めろユフィ!!」
ユーフェミアはルルーシュの銃を奪い会場へ向け走り出した
ルルーシュ「ユフィー!!!」
------G1ベース入り口
キョン「・・・随分長いな」
スザク「話し合いが上手く行っていないのかもしれないね」
キョン「はぁ~、頼むから上手く行ってくれよ」
ガチャッ
キョン「ん?やっと終わったか・・・・って、ユーフェミア様一人だけ?」
ユーフェミア「あら?あなたはさっきの」
キョン「あの~、ゼロはどうしたんです?」
ユーフェミア「ゼロならまだ中にいますよ!私はやらなければならない事があるので
先に出てきたんです!」
キョン「は、はぁ・・・そうなんですか」
スザク「ユーフェミア様、やらなければならない事というのはいったい?」
ユーフェミア「日本人を殺すんです!」
キョン「・・・・・・・・・・・は?(今この人物凄い事言わなかったか?)」
スザク「ユ・・・・・・ユフィ?」
ユーフェミア「私は日本人を殺さないといけないんです!」
キョンとルルのギアスが厳密には別物なら、キョンのギアスで上書きできるか?
キョン「(・・・・・・な、何言ってんだこいつ)」
スザク「ユフィ!!何を言ってるんだ、君は行政特区日本を」
ユーフェミア「特区なんてもうどうでもいいんです!今は日本人を殺す事だけを
考えなければなりません。さあ、御二人とも道をあけてください!」
水遁されたら3行ぐらいしか書けないよな
キョン「おいスザク、こりゃどういう事だ!やっぱりブリタニアは俺達を嵌める気だったのか!?」
スザク「違う!特区構想は純粋に日本人を助ける為にユフィが考えた事だ!」
キョン「じゃあこの状況はどう説明する気だ!?」
ギアスクロスSSって意外と少ないよな
インなんちゃらさんのかわりにCCがベランダにひっかかってたSSをどこかで見たぐらいかもしれない
ユーフェミア「あの~、早くどいてくれませんか?早く日本人を殺さないと・・・」
スザク「ユフィ、目を覚ますんだ!!君はそんな事を言ってはいけない!!」
ユーフェミア「スザク・・・どうしてあなたが私の邪魔をするのです?」
スザク「邪魔なんてしてない、僕は君を・・・」
ユーフェミア「・・・・そういえば、あなたも日本人でしたね!」
ドンッ!!!
ユーフェミアはスザクに発砲し
銃弾を受けたスザクはその場に倒れた
ドサッ
猿規制+水遁はちょっとキツイですね。
天国板に続き書くのでどなたかこっちに貼ってくれませんか?
おま、避けれるだろお前!不意打ちだから避けれなかったか?
転載ならやってもいいけど、天国より深夜か速報のほうがいいんじゃない?
ここまで矛盾も違和感もなし
天国に立てときやした
キョン「ス、スザク!!!」
スザク「うぅっ・・・・」
キョン「おい大丈夫かスザク!!・・・・銃弾が貫通してやがる
な、何とかして血を止めないと!!」
ユーフェミア「?何故血を止める必要があるのですか?」
キョン「お前狂ってんのか!?スザクはお前の騎士だろ!!
なのに殺そうとするなんて・・・」
ユーフェミア「仕方ないんです、日本人は殺さなければならないの・・・」
キョン「何だとこのや・・・・」
涙を流すユーフェミアの顔を見て、キョンは少しだけ冷静になった
キョン「(泣いてる・・・しかもあの眼・・・・この豹変ぶり・・・・・・
そうか、これはギアスだ!!ゼロの奴がユーフェミアにギアスをかけたんだ!
『日本人を殺せ』と・・・・)」
>>294
ありがとうございます
どなたかできれば転載もお願いします
ユーフェミア「虐殺です!!日本人は一人残らず皆殺しにします!」
キョン「(くそ、どうすりゃいいんだこの展開・・・このままユーフェミアを会場に行かせたら
間違いなくとんでもない事になる・・・おい古泉、俺はどうしたらいい?)」
スザク「くっ・・・・キョ、キョン・・・ユ、ユフィを・・・・ユフィを止めてくれ・・・」
キョン「スザク!?じっとしてろ、喋るな!すぐに医務室に運んでやるから!」
スザク「ユ・・・・ユフィはきっと・・・何かに操られてるんだ・・・だから彼女を助けてくれ・・・」
キョン「(あぁ分かってるさ、これはこいつの本意じゃない!ギアスに操られてるが故の行動・・・
でもどうすりゃいい!?ギアスの命令は絶対だ・・・ゼロが日本人を殺せと命令した以上
仮に力ずくで取り押さえてもその後の事を考えると何の解決にもならない・・・どうすれば」
ユーフェミア「スザクもあなたも、ここで死んでいただきます!」
キョン「(まずい・・・・もう一発撃たれたらスザクは本当に死んじまう!
何とか、何とかしないと・・・)」
ドンッ!!
ユーフェミアはスザクに向け発砲したが
その銃弾はスザクを庇ったキョンの背中に命中した
キョン「ぐはっ・・・・」
スザク「・・・・キョン・・・・・」
キョン「(イテー、痛すぎる!!死ぬ死ぬ死ぬ!!うわっ、何だこの血の量・・・
終わった、こりゃもう駄目だ、俺はここで死ぬ。ゲームオーバーだ・・・)」
ユーフェミア「あら~、庇わなくたってちゃんと二人とも殺しますのに」
キョン「(思い返してみると、高校入学以降ハルヒのお陰でこの手のトラブルには
何度も遭遇したっけな・・・・全部あいつのせいだ・・・ったく、何で死ぬ時まで俺は
ハルヒの事を考えちまってるんだ・・・)」
ユーフェミア「さようなら、二人とも」
スザク「・・・・ユ、ユフィ・・・止めるんだ・・・」
キョン「(ちきしょー・・・・ちきしょーちきしょーちきしょー!!こんな所でくたばってたまるかよ!
俺は80歳くらいに老衰で苦しまずにあの世へ行く予定なんだ!こんな所で死ねるか!!)」
キョンはゆっくり立ち上がった
背中と腹から大量の血が噴出す
ユーフェミア「まだ立てるんですか?じゃああなたから行きますね!」
キョン「正気に戻れ、ユーフェミアァァァ!!!!!!」キュイーーーン
キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がる
ユーフェミア「何をなさっているのです?」
キョン「俺のギアスとゼロのギアス、どっちが上か白黒つけてやる!
何度でも命令してやる!!正気に戻れユーフェミア!!!」キュイーーーン
キョンの両目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がる
ユーフェミア「・・・・・・・・・・・・」
キョン「ハァ、ハァ・・・・・はは、もう駄目だ」バタンッ
キョンはその場に倒れた
ユーフェミア「・・・・・わ、私はここで何を・・・・・ス、スザク!!?
それにゼロの側近の方まで・・・どうしてこんな事に!?誰がこんな事を!!?」
キョン「(お、おめーだよ・・・・)」
と、最後にツッコミを入れてキョンの意識は飛んだ
ユーフェミア「凄い血だわ、待ってて!すぐに御医者様を連れてきますから!」
ゼロ「ユフィ!!」
部屋からゼロが出てくる
ユーフェミア「ゼロ!!見てください二人がこんな事に」
ゼロ「スザク!!?キョン!!?」
ユーフェミア「私は御医者様を呼んできます、ゼロはここで二人をお願いします!」
ユーフェミアはG1の外へ走っていった
ゼロ「・・・あの様子だと俺がかけてしまったギアスはもう解けているのか?
しかしいったいどうやってそんな事を・・・」
キョン「・・・・・・」
ゼロ「・・・・そうか。キョン、お前がやってくれたのか・・・」
ルルーシュは意識を失っているキョンのまぶたを指で少し開けギアスをかけた
ゼロ「生きろ!!!」キュイーーン
ゼロ「ギアスで傷口は癒せない・・・しかし、生きたいと強く願う気持ちさえあれば
人は死なないはずだ、きっと・・・・もうすぐ医者が来る、それまで二人とも頑張ってくれ!」
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数日後
天国って猿さんないの?
キョン「・・・・・・・・・ん?んん???ここは、ここは何処だ!!?」ガバッ
カレン「あっ、やっと目が覚めた!ったく、心配させるんじゃないわよ!」
キョン「カ、カレン・・・・?」
カレン「そうよ、もしかして寝ぼけてる?」
キョン「ここは・・・病室?そうだ、俺はスザクと一緒に撃たれたんだ!!」
カレン「そっ、あなたとスザクは撃たれたの。特区に反対してたブリタニアの過激派にね」
キョン「・・・・へ?過激派?」
カレン「そうよ。やっぱり撃たれた相手見てなかったんだ。まぁ仕方ないわよね
あなた後ろから撃たれたみたいだし」
キョン「(俺は確かユーフェミアに撃たれたはずだが・・・・そうか、ゼロが情報を隠蔽したのか
でも何でゼロがそんな事を?ユーフェミアに日本人を殺させようとしてたあいつなら
そんな隠蔽しないでありのままを発表した方が都合が良いだろうに・・・)」
カレン「ゼロやユーフェミアに感謝しなさいよ、あなた達が助かったのは
二人が迅速な処置を施したからだってお医者さんが言ってたわ」
キョン「(ユーフェミアは分かるがゼロが?これも隠蔽か?)っていうか二人って事は!?」
カレン「えぇ、スザクも無事よ。あなたよりも三日くらい早く目を覚ましたわ
今はもう退院して仕事に戻ってるわよ」
キョン「何て奴だ・・・・・ていうか、特区日本はどうなったんだ?」
カレン「大成功よ!多くの日本人が特区への移住を開始してるわ!
今現在も参加申請が大量に来てて、黒の騎士団のみんなはそっちの仕事にてんやわんや」
キョン「そうか!!そりゃ良かった!!」
カレン「まぁまだ課題は沢山あるんだけど、それはこれからゼロを先頭に私達と
ブリタニアとで話し合いをしながら解決していけばいいわ」
キョン「あぁ・・・・そうだな」
カレン「じゃ、私はこれで!邪魔者は消えるわ」
キョン「邪魔者?できればもう少しいろいろと話を聞きたいんだが?」
カレン「下に寝てる子に聞いたら?ず~とあなたに付き添ってたのよ!
ちゃんと御礼言ってあげなさいよね!じゃ、お大事に」
バタンッ
キョン「下に寝てる子?」
キョンはベットの下に目をやると、そこには寝袋に包まれたハルヒがいた
キョン「・・・・・・・・・ハルヒ」
ハルヒ「zzz」
キョン「・・・・・・・顔に落書きは・・・・・止めといてやるか」
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次の日
ガチャッ
キョン「今度はお前か・・・・」
古泉「その御様子ですと、かなりの人数が面会にいらしたようですね」
キョン「黒の騎士団の仲間だけならまだしも、何故かブリタニアの政府関係者まで来たぞ」
転載してくれていたID:oqBitmiAPさんも猿規制だそうです
どなたか続きの転載お願いします。
古泉「あなたを撃ったのはブリタニアの過激派のようですからね
あちらも責任を感じているのでしょう」
キョン「過激派ねぇ・・・」
古泉「おや?違うのですか?」
キョン「いいや、その通りだ」
古泉「それにしても意外でしたね、あのゼロが何も仕掛けてこないとは・・・
僕の予想では特区をぶち壊す為に何か手を打ってくると思っていたのですが
どうやら杞憂だったようですね」
キョン「(実際そうだったんだがな・・・)」
古泉「しかしそのお陰で特区日本は無事成功しました!
これで涼宮さんの目的は達成された事になります」
キョン「これでこの現象から解放されればいいんだがな」
古泉「えぇ、涼宮さんが新たに他の目的を見つけないことを祈るばかりです。
そういえば、彼女はどちらに?ずっとあなたに付き添っていたはずですが?」
キョン「あいつならアジトに戻ったよ。仕事が山ほどあるんだとさ」
古泉「そうですか、しかしあなたが羨ましいですよ」
キョン「去年はナイフで刺されて、今年は銃で撃たれた俺の何処が羨ましいんだ?」
古泉「そういう意味ではありませんよ、常に心配してくれる人が傍にいるという事が羨ましいんです」
キョン「お前が同じ立場になったとしても、ハルヒは心配してくれると思うぞ」
古泉「なら良いのですが」
キョン「するさ、あいつは絶対に」
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--
-
ガチャッ
キョン「C.Cさん・・・」
④
C.C「何だ、元気そうじゃないか」
キョン「お陰様で」
C.C「背中を撃たれたと聞いた時は無理だと思ったが、なかなかの生命力だな」
キョン「まだ動くと少しだけ痛いんですけどね」
C.C「・・・・・」
キョン「どうしたんです?」
C.C「お前には礼を言っておかねばならないな」
キョン「礼?俺何かしましたっけ?」
C.C「ユーフェミアを止めた件だ」
キョン「あぁ・・・C.Cさんは知ってるんですか」
C.C「まぁな、大体のことはゼロから説明を受けた」
キョン「聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
C.C「いいぞ、今回は何でも答えてやる。スリーサイズか?」
キョン「いや、そうじゃなくて・・・(それも確かに気になるが)
ゼロはどうしてユーフェミアにギアスをかけたんです?あのまま俺が何もできなかったら
たぶんとんでもない事になっていたと思うんですが」
C.C「あれはゼロの意志ではない。あいつのギアスが暴走した事によって起きた
いわば不幸な事故だ」
キョン「故意じゃないんですか?」
C.C「勿論だ、故意にやったとするならお前や枢木スザクを撃った犯人を
ブリタニアの過激派などと改竄する必要はないだろ?」
キョン「確かにそうですね・・・そうか、事故だったのか」
C.C「ゼロもお前には本当に感謝していたぞ。その内ここに顔を見せるだろうが
その時は小言の一つでも言ってやれ。故意でないにしろ、あいつのミスが原因で
お前は撃たれたわけだからな」
キョン「えぇ、そうします」
C.C「お前がユーフェミアを止めていなければ、ゼロも、この世界もとんでもない
方向へと歴史を進めていただろう。本当に感謝するぞキョン
これからもあいつの事を支えてやってくれ」
キョン「は、はい」
C.C「ではな、御大事に」
--------
-----
--
-
ガチャッ
キョン「ゼロ・・・」
ゼロ「体調の方はどうだ?」
キョン「まだちょっと背中が痛いですかね」
ゼロ「そうか・・・・すまなかった。今回の事は俺の不注意が原因だ」
キョン「いいですよ、C.Cさんから聞きました。ギアスが暴走したんですよね?」
ゼロ「あぁ、日本人を殺せとというギアスがユーフェミアにかかってしまってな・・・
お前が止めてくれなければ、とんでもない事態になっていただろう
礼を言う、ありがとう・・・・キョン」
キョン「別にいいですよ、あの場面は俺も我が身大事で必死でしたし」
ゼロ「そうか」
キョン「でも良かったですね、特区日本が成功して」
ゼロ「あぁ、だがこれから先解決していかなければならない問題は沢山ある
キョン、これからも俺に力を貸してくれるな?」
キョン「えぇ・・・まぁ」
ゼロ「微妙な返答だな・・・まぁいい、俺がお前を信用する証としてこの仮面を外そう」
キョン「え!?んな事しちまっていいんですか?」
ゼロ「構わん、俺とお前は互いにギアスという能力を持ち、その秘密を共有しあった仲間だ
今更素顔を晒すくらい何ともない。それに、大体の予想はできてるんだろ?」
c.c.のスリーサイズも聞けよ
ゼロは仮面を外し素顔をキョンに晒した
キョン「っ・・・・・・やっぱりルルーシュ、お前だったのか!」
ルルーシュ「そうだ、俺がゼロだ」
キョン「何でお前がこんな事を・・・・ブリタニアに反旗を翻すような真似をしてるんだ?」
ルルーシュ「それらの質問には後でゆっくり答えてやるよ。それよりも、さっきの件だが」
キョン「さっきの件?」
ルルーシュ「俺に力を貸してくれるかという問いに関してだ」
キョン「あぁ、その事か」
ルルーシュ「ゼロではなくルルーシュ・ランペルージとしてお願いする
キョン、これからも俺に力を貸してくれ」
キョン「・・・・分かったよ。俺の屁みたいな力で良かったらいつでも貸してやる」
ルルーシュ「ありがとう・・・では、俺はこれで失礼する」
キョン「あぁ、気をつけてな」
ルルーシュ「そうだ、キョン」
キョン「何だ?」
ルルーシュ「ゼロの正体、古泉には内緒だぞ!」
キョン「あぁ、分かったよ」
バタンッ
キョン「ふぅ~・・・まさか本当にゼロの正体がルルーシュだったとはな
・・・・ん?何だか急激に眠くなってきたぞ・・・・・う~ん、寝るか」
-------------
------
---
-
キョン妹「キョンくーん!朝だよぉ~!!」
キョン「んん?あぁ、こっちの朝か・・・」
キョン妹「何言ってるのキョンくん?早く起きないと学校に遅刻しちゃうよぉ?」
キョン「分かったから布団の上から降りろ・・・動けん」
キョン妹「はぁ~い」
-------
----
--
------学校
キョン「ふあぁぁ~、眠い・・・・」
バンッ
キョン「イテッ!!何しやがる!!」
ハルヒ「朝から何だらしない顔してんのよ!一日の初めはもっとシャキっとした顔しなさい!」
シエンタ
④
転載してくださってたID:dkaOa4Ex0さんも猿規制だそうで
できればどなたか続きお願いします
キョン「ハ、ハルヒ!?」
ハルヒ「ん?何よ?私の顔に何かついてる?」
キョン「いや・・・・最近あまり元気がないようだったのに、今日は随分元気だなと思ってよ」
ハルヒ「別に元気が無かったわけじゃないわよ、ここ数日ず~っと面白い夢を見続けてたから
現実の学校とか授業がちょっと鬱陶しかっただけ」
キョン「夢?あぁ、前に言ってた何ヶ月も同じ夢の続きを見てるっていうあれか」
ハルヒ「そっ!それが昨日で終わったの!
と~っても楽しい夢だったわよ!!1から説明してあげようか?」
キョン「結構。ていうか、終わったって何でそんな事が言えるんだ?」
ハルヒ「何でって言われても、何となくもうあの夢は見ないんだろうなって思うのよねぇ」
キョン「ほぅ・・・」
ハルヒ「でも本当に楽しい夢だったわ~!あの夢のお陰で私の鬱憤も解消できたし
キョン、涼宮ハルヒ完全復活をここに宣言してもいいかしら!?」
キョン「は?・・・・・し、したら?」
その後ハルヒは放送室に乗り込み、校内放送を使って
全校に向け謎の復活宣言をしたのであった。
キョン「何故全校生徒に聞かせる必要がある・・・」
--------文芸部室
ガチャッ
古泉「お待ちしていましたよ」
キョン「何だ、気持ちの悪い」
古泉「無事今回の問題は解決されたようです。長門さんが確認してくれました
こちらの世界とあちらの世界を繋ぐ超空間は、今朝消滅したそうです」
キョン「そうか・・・・・はぁ~、良かった」
古泉「お疲れ様でした」
みくる「キョンくん、お疲れ様でした!」
キョン「朝比奈さん、ありがとうございます」
みくる「今回私何も役に立てなくてすいません・・・でも、足手まといになるくらないならって思って」
キョン「いいんですよ朝比奈さん、ちゃんと分かってますから」
みくる「ありがとうキョンくん」
キョン「長門も御苦労だったな」
長門「・・・・・疲れてない」
キョン「そうかい」
古泉「長い戦いでしたが無事何事も無く解決して何よりです
あなたの撃たれた傷も、もう完治していますよね?」
キョン「そういえばそうだな、全く痛みを感じない・・・」
古泉「あちらの世界が涼宮さんの中で夢だと認識された結果です」
キョン「なぁ、俺達はもう二度とあの世界に行く事はないんだよな?」
ゆっくりやれよ
まだ10レス以上あるんだから、急ぐとさるにひっかかるぞ
古泉「えぇ、通常ではどう頑張っても行けない別次元の世界ですからね
それがどうかしたんですか?」
キョン「いや、向こうの連中は急に俺達が消えてなんて思ってるのかなと思って
みんな心配してるんじゃないか?」
古泉「問題ないでしょう。我々があちらの世界にいたという事実そのものが
消去されてるでしょうからね」
キョン「消去?何でそんな事が分かるんだ?」
古泉「長門さんの受け売りです」
キョン「長門、統合思念体がそう言ったのか?」
長門「そう。向こうの世界の人々の頭から私達の記憶は完全に消去された
故に変化に気付く者は出ない」
キョン「そうか・・・・何となく寂しい気もするが、まぁ仕方ないよな
特区日本、ちゃんとこの先上手く行くだろうか・・・」
古泉「大丈夫だと思いますよ、日本にはゼロとスザクさんがいますからね」
キョン「あぁ・・・・そうだな」
④
猿避け
し
古泉「しかしどうしても一つだけ心残りがありますね」
キョン「ん?何だ?」
古泉「ゼロの正体ですよ、恐らくルルーシュさんだろうという予測は立ちましたが
結局確証は得られず終い・・・・何となくモヤモヤしますね・・・・
やはりあの時本人に問いただしておくべきでした」
キョン「ははっ」
古泉「気になる笑いですね・・・まさか、あなたゼロの仮面の下を見たんですか?」
キョン「さぁ、どうだろうな」
古泉「教えていただけませんか、このままでは夜も眠れそうにない・・・
僕の仲では99%ルルーシュさんなのですが・・・どうしても残り1%を埋めたいんです」
キョン「悪いが無理だ、ゼロに他言しないと約束しちまったからな」
古泉「そうですか・・・それは残念です」
キョン「落ち込んでる暇はないぞ、朝の放送聞いただろ?」
古泉「復活宣言でしたっけ?ちゃんと聞きましたよ」
キョン「ハルヒの奴さっそく何か始める気らしい、覚悟しておいた方がいいぞ」
古泉「涼宮さんが元気でいられるのであれば、僕は何でもしますよ」
ガチャッ
ハルヒ「やっほーー!!!」
キョン「噂をすればだ・・・」
ハルヒ「みんな久しぶりね!暫く部活お休みしてたけど、今日からまたSOS団を再開するわよ!」
キョン「お前一人がいなかっただけで、SOS団自体は毎日活動していたんだが」
ハルヒ「うるさいわね!私がいないんじゃ意味がないのよ!!いい、今日から完全復活よ!!
朝の放送聞いたでしょ?SOS団完全復活!!まずそれを世間に知らしめてやらないと駄目ね・・・」
キョン「何故知らしめる必要がある・・・」
猿避け
④
ハルヒ「よし、じゃあ手始めにまた映画でも作りましょー!!」
キョン「orz」
みくる「あぅぅ~、またですかぁ」
古泉「・・・」ニコニコ
キョン「(こりゃ向こうの世界の心配してる場合じゃないな・・・)」
猿避け
------アッシュフォード学園
シャーリー「スザクくん最近凄く忙しそうだね!」
スザク「うん、特区日本の件でやる事が多くてね」
リヴァル「でも良かったじゃん、特区日本成立して!」
スザク「あぁ、今まで虐げられてきた人達も特区ではみんな凄く幸せそうに暮らしてるよ」
シャーリー「それもこれも、スザクくんが頑張ったお陰よね!」
リヴァル「だな」
スザク「いや、僕は何も・・・・ユーフェミア様とゼロのお陰だよ」
リヴァル「またまたー、謙遜しちゃって!」
スザク「(何だろう、何かが足りない気がする僕にとって物凄く大切な何かが・・・
分からない、いったい何だろうこの感じは・・・)」
猿避け
--------特区日本代表室
カレン「支度できましたか?」
ゼロ「あぁ」
カレン「ブリタニア皇帝がお待ちです、急ぎましょう」
ゼロ「分かっている・・・・それよりカレン」
カレン「はい?何でしょうか?」
ゼロ「何か・・・・何か違和感を感じないか?誰かが足りないような、そんな違和感を」
カレン「じ、実は私も最近そんな感じがするんです!何なんでしょうねこれ?」
ゼロ「お前もそうなのか・・・・フン、まぁいい、いつか解決するだろう
それよりも今日の会議は非常に大事なものだ、気を引き締めろよカレン」
カレン「は、はい!」
ゼロ「(特区日本・・・これを生かして救えるだけの人間を救ってみせる・・・
大丈夫だ、俺にはユフィやスザク、それにカレンや黒の騎士団がついてる
それにあいつらも・・・ん?あいつら?)」
④
カレン「行きましょう、ゼロ!」
ゼロ「あぁ!!」
C.C「フフフ、全く・・・・結局あいつらは何者だったんだか
急に現れたかと思えば急に消えた・・・・この世はわけの分からん事だらけだ」
ゼロ「おいC.C!!何をしている、さっさと行くぞ!」
C.C「分かった分かった、そう急かすな(キョン、お前の事は忘れずに覚えておいて
やろう、またいつか会える事もあるかもしれんからな)」
カレン「ちょっとアンタもっと急ぎなさいよ!遅刻しちゃうじゃない!」
C.C「はいはい」
猿避け
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------
---
-
キョン「ハルヒ!!映画撮影は止めよう!!」ジーーー
ハルヒ「・・・・・・何よ、じっと人の目を見て気持ち悪いわね!嫌よ、絶対にやるからね!!」
キョン「・・・・・はぁ~、やっぱギアスは使えないか」
完
以上で終了です。転載してくださった方本当にありがとうございます!
次回は猿規制やら水遁やらもう一度調べてから投稿しようと思います・・・
前にも何個か書いたことがあるので暇な時にでも下記をググって読んでみてください
ドラえもん「よし、黒の騎士団を迎え撃とう」 ドラえもん「エンドレスエイト!?」
ルルーシュ「SOS団?」 転載してくれた人本当にありがとう!
楽しかった。乙でした
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