千早「キャラ設定間違えた」 (272)

千早「どうしよう……」

~事務所~


律子「はい、注目」パンパン

P「今日から新しい仲間がふえるぞー」


真「本当ですか!?」

春香「すっごい楽しみかも!」

あずさ「まぁ、またにぎやかになりそうですね~」





千早(ど、どうしよう……緊張してきた)

千早(まず自己紹介をして……それから)




やよい「どんなひとでしょうね?」

雪歩「お、男の人だったらどうしよう……」

伊織「それはないと思うけど……」

亜美「チョー美人さんかも?」

真美「チョーせくちーさんかも?」




千早(ハードルあがってるしぃ!!)

千早(お、落ち着くのよ如月千早!)



P「よーし、それじゃあ入ってきていいぞー」

千早「し……失礼します」ゴニョゴニョ



スタスタ



響(無言ではいってきたぞ……)

美希(ただならぬオーラなの……)

貴音(面妖な……)


千早(みんなガン見してる!恥ずかしすぎてもう死にそう!)

P「え、えーっと、まず自己紹介を」

千早(この重っ苦しい空気を変えるためにも……)


千早『やっほー、わたし如月千早!』

千早『歌を歌うのがとっても好きでーす!』

千早『わたしのことは「ちーちゃん」って呼んでねっ☆』



千早(なーんて)


一同「……ゴクリ」ジー

千早(……なんてふざけた自己紹介して許される空気じゃない)

千早「……しか」

P「ん?」





千早「……歌にしか、興味ありませんから」








千早(やっちゃったぁぁぁぁぁぁ!!!)

……




千早「そんなことになっちゃって……」

千早「みんなから『えっ、なにこの子』みたいな目で見られちゃうし」

優『ほとんど自業自得じゃないか』

千早「そうだけどぉ」クスン

千早「明日からどんな顔してレッスンに臨めばいいのかわかんなくて……」

優『知らないよ』

千早「ひどい!!」

千早「むかしのやさしかった優はどこに行っちゃったの!?」

千早「お姉ちゃん挫けそうだよ……」

優『無理だと思ったらいつでも帰ってきていいからね』

千早「ううん、トップアイドルになるまで帰らないから!」

優『そっか、じゃあ頑張ってね』

千早「うん、それじゃあね」


pi


千早「よし、頑張ろう」

~事務所~


P「よーし、今日は午後から全員でダンスレッスンだ」


一同「「おー!!」」


千早「……」

亜美(むっずかしい顔してるね)ヒソヒソ

真美(すっごい集中してるっぽいYO)ヒソヒソ

亜美(歌以外も全力で挑むとは……)

真美(プロってやつだね)


千早(ちゃんと踊れるかなぁ……)

トレーナー「はーい、今日はここまで」

春香「疲れたぁ~」

美希「春香はまだまだなの」

春香「なんだとー!」

千早「ふふっ」

千早(思ったより踊れてよかった)


美希「……!!」

美希(千早さんが笑った→春香はまだまだなんて言っているお前もまだまだ未熟→調子に乗ってられるのも今のうちだぞ……とういこと)

美希「み、美希がんばるね!!」

千早「??」

雪歩「あ、あの……」

千早「……」

千早(あの時あんなこと言わなければ……)



雪歩「お茶でも」

千早「……あ~!」

雪歩「ひゃい!?」ビクゥ

千早「きゃぁ!?」

雪歩「ごごごめんなさいぃぃ!!」

千早「え、ま、待って!!」

亜美「ねーねー」

真美「千早お姉ちゃん」

千早「千早お姉ちゃん……って」

亜美「ご、ごめんなさい!」

真美「いやだった?」

千早「いやでは、ないのだけど……」



亜美(地雷踏んじゃったよ!)

真美(どうしよう!)

千早(お姉ちゃんも捨てがたいけど、ちーちゃんって呼ばれたいなーなんて」

亜美「ん?」

真美「え?」

千早「……いえ、なにも」

千早(危ない、心の声が漏れてた)

伊織「……」

千早「……」

伊織(なんで今日は事務所に誰もいないのよ!)

千早(気まずすぎる……なにか会話の糸口を……)

伊織(朝から喉の調子が悪いし、厄日ね)

千早(なにかないかしら……ん?)



千早「のど飴、いる?」

伊織「えっ」


伊織「あ、ありがと……///」

千早(我ながら酷い……水瀬さんも反応に困ってるし)

小鳥「事務所の雰囲気には慣れた?」

千早「ええ、まぁ」

小鳥「ふふっ、それはよかった」

千早(音無さんになら、打ち明けても…)


trrrrr


小鳥「はい、765プロ……あ、社長ですか?」

千早(忙しそうだし、余計な心配はかけたくないなぁ)

千早「……失礼します」




小鳥「ちょ、ま……タイミング悪いですよ!社長!」

ネタ尽きた

千早「高槻さんは兄弟がたくさんいるのね」

やよい「はい!とーっても賑やかで楽しいですよ」

千早「そう……」(←遠い目)


やよい「??」

千早「……優」

やよい「!?!?」

千早(無性に会いたくなってきた……)

千種『そろそろ家に帰ってきたらどう?』

千早「……ぜったいトップアイドルになるまで家には帰らないからね!」

千種『まーたそうやって意地を張るんだから』

千種『でも、おじいちゃんのお墓参りの日には顔をだしてね』

千早「……うん」


pi



千早「はぁ……」


響(事務所に入りづらいぞ!)

美希(電話越しに誰かとケンカしてたの!)

貴音(お、恐れてはなりません!)

千早「っ……」


キュッキュッ



千早「……ふぅ」

真「サビのところは、もう少し腕の振りを大きくしたほうがいいね」

千早「わあっ!?」

真「あ、やっぱり入ってきたの気付かなかったんだ」

千早「いるならいるって言ってよね~」




真「!?」

千早「びっくりしたぁ」

ごめんもう無理

真「えっ?えっ?」

千早「どうかしたの?」

千早「…」

千早(あれ?今普通に話できてた!!)

千早「なに?私が明るく振る舞ったらおかしいかしら」

真「いや、ソンナコトナイヨ、ハハハ」

真「…じ、じゃあボクはこれで」ガチャ

千早「」

千早(…くっ、やってしまった)

千早「これじゃ嫌な女じゃない」

千早「今までの『堅苦しい懸命な女』の方がよかったわ」

千早「はぁ…、」

千早「みんなと仲良くなりたい」

春香「あ、あの」

千早「きゃぁあ!!」ドンガラガッシャーン

春香(私のアイデンティティーをとられた…)

千早「えっと、あなたは春香?」

春香「そうです!!春香です!!」

春香「ねぇ千早ちゃん少しお話しない?」

千早(ち、千早ちゃんって呼ばれたっ…!!)

千早「ええ、いいわ」

千早(あ~、私のバカ!!またぶっきらぼうに)

あ~、俺のバカ!!

もう眠い誰か書いて

春香「違ってたらごめんね。でも、やっぱりこのままだと、みんなも…」

千早(な、なに言われるんだろう…)

春香「いきなりこんな事訊いて、怒らないでほしいんだけど」

千早「なに?話があるなら早くして」(うぅぅ、私のばかばか!どうして、こんな高圧的にしかなれないのよ~)

春香「ごっ、ごめんなさい!あのね…」

千早「……」(嫌いになった?せっかく千早ちゃんって呼んでくれたのに…嫌いになっちゃやだぁ)

春香「ち、千早ちゃんって、じつは不器用なんじゃないかな?なーんて、あはは」

千早「!!」ガタッ

春香「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ」ビクッ

千早「っ!……ど、どうしてそう思うの?」(そう!そうなのぉ!あぁ、こんな私の本心に気付いてくれるなんて、なんていい人なの)

春香「えっと……千早ちゃんって、一見物静かで冷たい印象だけど、ホントはみんなとの接し方がわからないだけなんじゃないかなって…」

千早「……」(なにそれ、その通りなんですけど。その通りなんですけどッ。どうしてわかるの?そんな素振り見せてないよね?あぁん、なんだか天海さんが天使みたいに思えてきちゃった)

春香「ち、千早ちゃん?」

千早「…そ」(そうなのっ!気付いてくれてありがとうっ。だいすき)

春香「そ?」

千早「そんなわけないじゃない」(ばかぁぁぁぁああああ)

春香「へ?」

千早「私は一人でいるのが好きなの。事務所の子達と話さないのも、そもそも同じだなんて思って欲しくないから」(ちーがーうーのぉ…。そんなこと少しも思ってなくて)

春香「それって、どういう意味…なのかな…?」

千早「春香…あなた達はみんなで楽しくアイドル活動、いいえ、仲間ごっこができればそれでいいのかもしれない。けど、私は違う。本気で歌を歌って、世界に通用する歌い手になりたい」
(天海さん絶対怒ってるよぉ。はい、そうです。私こそ、みんなと楽しくアイドル活動できればそれでいいんです。それがなに?!歌い手?!世界?!)

春香「…そっか」

春香「千早ちゃんには……私たちのこと、そんな風に見えてたんだね…」

千早「……」(見えてないよぉ)

ガチャッ

伊織「あら、春香。それに千早も。二人で辛気くさい顔してどうしたのよ」

千早「!!」

春香「…ううん、なんでもない。ほんとに、なんでもないから」タッ

ガチャッ…バタンッ

伊織「?どうしたってのよ、まったく」

千早「……」

伊織「そ、そう言えば。この間は…その、ありがと」

千早「…なんのこと?」

伊織「飴よ、のど飴!くれたでしょ、あんた。あの時、ちょうど喉の調子がよくなくて困ってたの。おかげで午後のラジオはうまくいったわ」

千早「…そう」

伊織「ちゃんと伝えないとわからないものよ」

千早「え?」

 
伊織「感謝の気持ちも、考えてることも、思ってるだけじゃ相手には伝わらないってこと。口に出して、言葉にしなくちゃわからないわ。さっきだって、説明しなかったらなんのお礼なのかもわからなかったでしょ?」

千早「けれど…言葉にしようとして、思ってもいないことばかり言ってしまう場合は、どうしたら――さっきも私、春香にヒドいこと言ってしまって…本当はありがとうって言いたかったのに」

伊織「そんなの、そう言えばいいだけでしょ」

千早「だから、私は伝えたくても思った通りに――」

伊織「言えてるじゃない。春香にありがとうって伝えたいんでしょ?」

千早「あ…」

伊織「だったら、いつまでもこんなとこにいないで本人に言ってやりなさい」

千早「っ、私…どうして」

伊織「ほら、わかったらさっさと行く!あの子に誤解させたままでいいわけ?」

千早「ありがとう、水瀬さん!このお礼は、いつか必ず」タッ

ガチャッ…バタンッ

伊織「バカね。お礼のお礼なんて、もらえるわけないじゃない」

タッタッ

千早「春香!」

春香「…千早ちゃん」

千早「はぁ、はぁ…さっきはごめんなさい。私、あなたにヒドいこと――」

春香「もういいよ…」

千早「いいえ、よくないわ。思ってること、言えてないもの」

春香「もういいってば。千早ちゃんが、私たちのことどんな風に思ってるかは十分わかったよ」

千早「本心じゃない!…あれは本心じゃないの」

春香「……」

千早「今更こんなこと言っても、信じてもらえないかもしれないけれど…春香が言った通り、私……本当に不器用で。思ってることを言えないどころか、思ってもいないことを言ってしまうことがあるの。さっきも、そう」

千早「同じだと思われたくないなんて…うそ。ずっと、そういうのに憧れていて」

春香「千早ちゃん…」

千早「だから……本当は、私…」

千早「どうしようもないくらい、春香が好き…」

春香「えっ?」

千早「えっ?」

春香「あっ、友達としてってことだよね?ごめん、ごめん。続けて」

千早「えっ?」

春香「えっ?」

千早「……」

春香「え、えーっと…あはは、一応訊いてもいいかな?」

千早「……」コクン

春香「友達として、だよね?」

千早「……」フルフル

春香「ん?」ヒキツリ

千早「……」カァァ

春香「あ、あれ…なんだろー、この展開。あー、そっか!千早ちゃんって思ってもないこと言っちゃうんだよね?じゃあ、これもそうなんだ?やだ、私ってばまた誤解しちゃうとこだったよ~」

千早「…誤解じゃない」

春香「……」

千早「これは…本心だから」ニギッ

春香「」ピシッ

千早「春香…」ネツッポク

春香「はっ!ちょ、ちょっと待って!一旦落ち着こ?」

千早「……」コクン

春香「はい、深こきゅー」

千早「すーっ、はぁーっ」

春香「落ち着いた?」

千早「ええ」

春香「友達としてだよね?」

千早「恋人としてよ」

春香「……」(ど、どうしよぉ。千早ちゃん本気だよぅ。私、ノーマルなのに…プロデューサーさんが好きなのにぃ)

千早「春香…?」

春香「あ、あのね。千早ちゃんの気持ちはとっても嬉しいんだけど…」

千早「……二番目でもいい」ウツムキ

春香「え?」

千早「一番じゃなくていい、から……春香のそばにいたいの」ギュゥゥ

春香「千早ちゃん…」(くはぁ、かっ、かわいい…////)

千早「……やっぱり、気持ち悪いかしら」(どう゛じよぉ。思ってること、きちんと言おうって決めたら、いつの間にか告白までしちゃってた…。今さら嘘なんて言ったら今度こそ信じて貰えなくなるだろうし)

春香「そんなっ、気持ち悪くなんてないよ。ただ、ちょっと突然すぎて、ビックリしてて」

千早「ほんと…?」(天海さん、優しいなぁ。こんな私に気を使ってくれるなんて…。普通、気持ち悪いって一蹴されて当たり前なのに、こんなに真摯に受けとめてくれて)

春香「…今じゃ、なんか、もう。千早ちゃんならいいかなって」

千早「え?」

春香「えへへ、これって空気に酔ってるだけなのかなぁ…」

千早「春香…」

ドキドキドキドキドキドキ…

春香「千早…ちゃん――」スッ

千早「っ!」(目ぇ閉じてくれたぁぁ、うわっ、うわっ、睫長いっ――じゃなくて!これって、これって)

春香「……」

千早「はぁ、はぁ」グイッ

春香「……」

千早「はぁ、はぁ、はぁ…」ググッ

春香「ん……ぷっ、くく…」プルプル

千早「?」

春香「ご、ごめんねっ。でも、千早ちゃん、息荒すぎだよ~」パッチリ

千早「えっ、やだ…私」(にゃあぁ、私のバカ!せっかくいい雰囲気だったのにぃぃ)

春香「そんなに気負っちゃうくらい想ってくれてるんだ?」スッ

千早「春――」

チュッ

春香「――大丈夫、私…逃げたりしないよ?だから、今度は千早ちゃんから…シてほしいな」ニヘヘ

千早「…はる、か…」

―――
――


春香「この曲、すっごくいい」

千早「ええ、私も大好きなの」(夢みたい。こんな風にイヤホンの右と左分け合って、おんなじ曲聴いて、いいねって。肩寄せ合って、手まで繋いで)

春香「…このサビ、女の子の切ない気持ちがこっちまで伝わってきて――」

千早「……」(春香の手、あったかい)

春香「?」

千早「え?あぁ…ごめんなさい。ちょっと考え事してて」

春香「なに、考えてたの?」ジッ

千早「…それは、その……春香の手、あたたかい、とか…」カァァッ

春香「…千早ちゃん…」キュン

千早「春香…」ドキドキ

チュッチュ…チュッ

春香「ん、えへへ…さっきから、これの繰り返しだね」

千早「嫌じゃない…?」

春香「嫌じゃない、嫌なわけないよ。ただ、こんなにキスばっかりしてて飽きられるんじゃないかなって、ちょっと不安かも」

千早「飽きるなんて…!そんなこと――」

ワイワイ

響『やっぱり自分完璧さー』

貴音『ふふ、そうですね。先程のだんすは、まこと、見事でした。流石というほかありません』

千早・春香「「!!」」

千早「(春香…そこの更衣スペースに!)」ヒソヒソッ

春香「(う、うん!)」タッ

カーテン、シャッ

ガチャッ

響「あれ、誰もいないぞ。さっき千早の声がしたと思ったんだけど」

貴音「ええ、確かに私も聞きました。面妖な」

春香(あれ?でも…) 

千早(どうして隠れたんだろ…)

響「ま、いないならそれでいいさー」

貴音「そうですね」

響「ねえ、貴音。髪梳いてほしいんだけど」

貴音「またですか?まったく、響は甘えん坊です」

響「えへへ。自分、貴音に髪といて貰うの好きなんだ」

貴音「そう言われてしまうと、無碍にするわけにはいきませんね」

響「ありがと。正直、千早がいなくて助かったぞ。自分、千早のこと苦手だからな」

千早(くっ……)

春香「(千早ちゃん…)」ポソッ

チュッ

千早「(はぁっ、ん///)」ビクンッ

千早「(ちょっと…春香…?)」ヒソヒソ

春香「(ごめんね、ツラそうな顔してたから…つい)」テヘペロ

千早「(もう…)」

春香「( ほかの誰かがなんて言っても気にすることないよ )」

春香「(私は千早ちゃんのこと…大好きだから)」ウシロカラギュゥゥ

千早「(……うん)」

春香「(それに、きっと響だって――)」

貴音「――苦手、ですか。そうですね、響を見ているとそんな感じがします。しかし、嫌いというわけではないのでしょう?」

響「もちろんだぞ!ただ、いつも一人でいるから、そういうのが好きなのかなって……そう考えたら、なかなか話かけづらくて。自分、わかんないんだ。千早と、どう接したらいいか」シュン

貴音「一人でいるのが好きな人間などいませんよ」

響「え?」

貴音「それは、時々であれば一人でいたいと思うことはあるかもしれません。しかし、ずっと孤独でいて平気な人間などいません。きっと、如月千早も皆の輪に入りたいのです」

響「でも、話かけたら冷たくあしらわれたり――」

貴音「響と同じですよ。接し方がわからず、戸惑っているように思えます。ですから、こちらから根気強く話しかけてあげることが大切なのではないでしょうか」

響「…うん、貴音の言う通りだ。自分、いろいろ頭で考えすぎてたぞ!当たって砕けろさー」

貴音「ふふ、その意気です」ナデナデ

千早「(我那覇さん…四条さん…)」

春香「(ね?みんなも千早ちゃんと話したいんだよ)」

千早「(ええ、私――)」

響「じゃあ、自分着替えるから貴音は先に戻ってていいぞ。髪ありがと。それから話も聞いてくれて」スクッ

千早・春香「「!!」」

貴音「いえ、偉そうに言ってしまいましたが、私も臆病になっていた節があるので…響のお陰で目が覚めました」

響「そっか。なら、おあいこだな!」

テクテク…

春香(あわわわ、どうしよう…!)

千早(お願いっ…我那覇さん、開けないで!)

ガチャッ

小鳥「あっ!響ちゃん、貴音ちゃん!」

響「ピヨ子。どうしたさ、そんな慌てて」

貴音「その様子…ただごとではありませんね」

小鳥「そうなの!春香ちゃん、あと一時間で新曲のレコーディングなのにどこにもいなくて、さっきから何度も携帯にもかけてるんだけど繋がらないし…っ」

貴音「なんと」

響「そ、それは大変さ!わかった、自分達もいっしょに捜してみる!いいよね、貴音?」

貴音「勿論です」

小鳥「でも、あなた達にも練習が…」

響「そんなの後で倍がんばればいいさー!心当たりとかないのっ?」

バタバタ…バタンッ

春香・千早「「……」」

 
千早「…新曲のレコーディングって」

春香「どどどどーしよぉ!いろいろありすぎて完全に忘れちゃってたよぅ」アワワ

千早「落ち着いて春香っ!大丈夫よ、今から音無さん達を追いかければきっと間に合うから!」(私の気持ちを受け入れてくれた天海さん――ううん、春香ちゃんを…今度は私が助けなきゃ)

春香「千早ちゃん……うんっ、そだね!諦めたらそこで試合終了だもんね!私、小鳥さん達追いかけてみる!」タッ

千早「ええ、プロデューサーには私から伝えておくわ」

春香「うん、お願いっ!」

ガチャッ…タッタッタッ

千早「…」ポパピプペ

千早「もしもし、プロデューサーですか?はい、千早です。じつは」(ごめんね、私のせいで。レコーディング、がんばって)

~事務所~


やよい「春香さん、見つかったんですか!?」

P「ああ。今、千早から連絡があった。そのままスタジオに向かってるそうだ」

美希「ホント!?よかったの~」

P「俺も今からスタジオに向かうから、探してくれてる他のみんなに連絡してもらっていいか?」スクッ

やよい「うっうー、任せてください!」

美希「そーゆーのは美希たちがやっておくから、ハニーは春香のとこに急ぐの」

P「すまんっ、頼んだ!」ダット

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