前スレ:春香「プロデューサーさん…お願いですから…ください……」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333448730/l50)
P「やめるんだ!春香!!!」
春香「プロデュサーさん……」
P「!? 美希!?」
春香「大丈夫ですよ…ただ気絶しているだけですから」
P「良かった…とりあえず救急車を呼ばないと……」
ピッピッピ・・・
P「・・・・・はい、お願いします」
ピッ……
春香「…プロデューサーさんも私の敵になっちゃったんですか?」
P「何を言っているんだ?」
春香「私、もうダメなんです…みんなが敵に見えちゃう」
P「春香…」
春香「プロデューサーさんは味方ですよね?味方になってくれますよね?」
P「いいや。今回は春香の味方ではいられない」
春香「え…」
P「春香、自首しよう」
春香「嘘ですよね?プロデューサーさん…」
P「罪を償うんだ…そして、もう一度……」
春香「もう…いいです……」
P「え?」
春香「やっぱりプロデューサーさんも意地悪ですね」
P「違う!俺は、ただきちんと…」
春香「私は自分の人生を掛けてまでプロデューサーさんを守ったのに」
P「な、なにを言っているんだ?」
春香「守ったのに守ったのに守ったのに守ったのに」
P「お、おい」
春香「さよなら、プロデューサーさん…好きでした……」
・・・・・・・・
P「ん…?ここは…?」
社長「君ぃ!良かった!気がついたのか!」
P「え、社長…?」
社長「事務所で血を流して倒れていたんだよ」
P「え?あ…痛っ……」
社長「今は無理しない方が良い。私は先生を呼んでくるから、あとは任せたぞ秋月くん」
ハッ!
P「美希は!?美希はどうなった!?」
律子「無事ですよ」
P「律子…」
律子「美希はこの前の千早の時みたいに薬で眠らされていただけで、すぐに意識を取り戻しましたよ」
P「そっか、良かった……」
律子「いったい何があったんです?美希に事情を聞いても不審者に襲われたとしか言わないし…」
P「美希が?」
律子「はい。プロデューサーは何か覚えていますか?」
P「……いや、俺もよく覚えていないんだ。暗がりの中だったから顔もよく見えなかった…」
律子「そうですか…」
P「……そういえば、春香はどうした?見つかったか?」
律子「いいえ…何の音沙汰も無いです……」
P「……そうか」
律子「……プロデューサー」
P「ん?なんだ?」
律子「本当に犯人の顔は見てないんですか?警察の方にもそうやって話しますよ?」
P「ああ。美希が通り魔に襲われて、それを助けに行った俺も返り討ちにあった。それがすべてだよ」
律子「分かりました……」
・・・・・・・
ー翌日・病室ー
美希「ハニー!お見舞いに来たよ!」
P「美希!?もう大丈夫なのか?」
美希「うん。ハニーが寝てた2日間で元気取り戻したよ!」
P「俺、二日も寝てたの?」
美希「うん。美希ねすごくすごく心配したんだよ」
P「それはすまなかったな」
美希「デコちゃんなんて泣いてたんだよ?」
P「ははは、それはレアだな。見れなくて残念」
美希「……ハニーぃ」
P「ん?どうした?」
美希「あのね、ありがとうなの」
美希「美希を助けてくれて、本当にありがとうなの」
P「俺はプロデューサーとして当たり前のことをしただけだよ」
美希「ううん。美希ね、ハニーが助けに来てくれたって聞いてとてもうれしかったよ」
P「こっちも悪かったな。もう少し早く助けに行ければよかったのに」
美希「気にしなくて良いの」
P「あのな、美希。こっちの方こそありがとう」
美希「?」
P「春香のこと、みんなに黙っといてくれたんだろ?」
美希「うん…。でも、別にハニーの為じゃないからね?美希なりに春香のことを考えた行動なの」
P「…でも、だいぶ怖い目にあったんだろ?許せるのか?」
美希「結果的には美希は怪我して無いしいいの」
P「そっか、美希は優しいんだな」
美希「へへへ……」
・・・・・・
社長「諸君!P君が今日から復帰するぞぉ!」
P「すまないみんな。心配かけたみたいだな」
美希「良かったねデコちゃん。ハニーが戻って来てくれて」ニヤニヤ
伊織「デコちゃん言うな!それに別に心配なんかしてないわよ!」
真「伊織の嘘つきー べそべそ泣いてたじゃないか」
伊織「ば、馬鹿!それは内緒って言ったでしょ!……あっ」
P「ありがとうな、伊織」
伊織「し、知らないわよ!馬鹿!」
千早「本当に戻って来てくれて安心しました」
P「すまない、心配かけたな」
千早「……何か春香について情報は?」ボソボソ
P「いや、何も」ボソボソ
千早「そうですか…」
P「早く春香を見つけないとな」
・・・・・
ー千早宅ー
千早「ただいまー」
「おかえり、千早ちゃん。今日は何かあった?」
千早「プロデューサーが事務所に復帰したわ」
「そうなんだ。よかったー」
千早「一度殺そうと思った男によくそんなこと言えるわね」
「だって、もうプロデューサーさんは敵だし」
「もうどうでもいいよ」
千早「765プロのみんなは?」
「みんな、みーんな敵だよ」
千早「じゃあ、あなたには敵しかいないんだ?」
「ううん。一人だけ味方がいるよ」
千早「それは誰?」
「千早ちゃん。千早ちゃんだけが私の味方」
千早「ふふっ。そうね春香の味方は私だけ…私は春香のもので、春香は私のもの……」
「千早ちゃん、こっち来て?」
千早「誰にも邪魔はさせない…」
ー765プロ事務所ー
三ヶ月後
P「あれから三カ月、なんの進展もなしか…」
真「テレビや新聞ではまだ春香のスキャンダルで連日お祭り騒ぎですけどね」
P「そりゃ、現役トップアイドルのスキャンダルだからな盛り上がるのもしょうがない」
真「中には憶測だけで書いてる記事とかもありますよね」
P「しょうがないさ、本人が見つからないんだから誰も真実なんか知りようが無いんだし……」
真「最近では春香だけじゃなくて765プロも標的にされちゃってバッシングもひどいし……本当にどうすればいいんですかね」
P「事務所は何もやましいことは無いんだ。どうどうとしていればいいさ」
真「そうですけど…その影響か仕事も減ってるし……」
P「たしかに仕事は減ったけど、時間が解決してくれるさ。あっちは憶測でしか記事は書けないし」
雪歩「………」
あずさ「それにしてもおかしいわねぇ」
伊織「何がよ?」
あずさ「こんなに捜しているのに春香ちゃんが見つからないって……」
伊織「たしかに765プロ全員がフルタイムで捜してるのに変ね」
真美「仕事が減って時間はたっぷりあるからねー」
伊織「……良いのか悪いのか複雑だわ」
亜美「星は海外へ逃げたか…」
真美「べたですなー」
亜美「まさか!?協力者がいるのか!?」
真美「べったべたですなー」
律子「こぉら!冗談でもそんなこと言わないの!」
亜美・真美「ごめんなさーい↑↑↑」
律子「でも、確かにおかしいですよね。警察の方々も頑張ってくれてるのに…」
P「本当に海外へ行ってしまったのかもな」
律子「プロデューサーまでそんなことを…」
千早「…………」
P「まあ、悩んでいても仕方ない。俺達はできることをやっていこう」
「「「はい!!」」」
ー収録スタジオー
P「今日の仕事は雪歩のドラマ収録だけか…」
冬馬「よう、765プロ。良いざまみたいじゃねえか」
P「…お前は961プロの!」
冬馬「目障りなお前らが消えてくれてせいせいしたぜ」
P「くっ……」
冬馬「と、ところでよぉ…」
P「……まだ何か用か?」
冬馬「…リボンのやつは、まだ見つからないのか?」
P「リボン?」
冬馬「あ、天海春香だよ!」
P「いや、なんの手掛かりも無いが…」
>事務所は何もやましいことは無い
人殺し匿ってるじゃないですか
┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
_ノ _ノ _ノ ヽ/| ノ ノ 。。
/\___/ヽ
/ノヽ ヽ、
/ ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
| ン(○),ン <、(○)<::| |`ヽ、
| `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl
. ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/ .|:::::i |
/ヽ !l |,r-r-| l! /ヽ |:::::l |
/ |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
/ | .| | .| ,U(ニ 、)ヽ
/ | .| | .|人(_(ニ、ノノ
早く糞リボン殺せよ
>>192
┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
_ノ _ノ _ノ ヽ/| ノ ノ 。。
/\___/ヽ
/ノヽ ヽ、
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| ン(○),ン <、(○)<::| |`ヽ、
| `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl
. ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/ .|:::::i |
/ヽ !l |,r-r-| l! /ヽ |:::::l |
/ |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
/ | .| | .| ,U(ニ 、)ヽ
/ | .| | .|人(_(ニ、ノノ
P「どうしてそんなこと聞くんだ?俺達は目障りなんだろ?」
冬馬「め、目障りなやつでも急に居なくなると気になるからな」フンッ
P「そうか。春香のこと心配してくれてるんだな。ありがとう」
冬馬「べ、別に心配してねぇし!」
P「お前って結構いいやつなんだな」
冬馬「ふ、ふんっ!じゃあな!」
>>193
何か文句あんの?
>>196
/\___/ヽ
/ '''''' ::::\
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| ,,ノ(、_, )ヽ、| 蜂の巣にしてくれる
. | ` -=ニ=- ' :|+
\ `ニニ´_/ +
/ ヽ
| _r'゚lニニニl]_ ____/l
fニニニニllニニ| \[ l===ニニl]}||||||||ll]}コl|====iニコ
|l_,,=-'''~ | \... ヽ'''ニ「_,,,l⌒l。__。_]三i三三iF
| 〈,,/ヽ___)|ll [`ー' ̄
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ヽ斗‐‐‐- .、
_イ´ `マi, 蜂の巣にされたいか!
/" マj ヽ`ヘノ',
|::| マj .} |斗‐-, /::::.\
|::| _,... -───- 、_マj ,.ィ '| /、/zッ,.ノ::::::::::::.ヽ
|::|_.ィf'´i:i:i:i:_____,イ`Y´゙¨} ,.. ィ''´ ,.. .|. / /:;;ィf´::::::::::::::::::::.:.
. _ .|イ\ンTチヲ─"`ー'¨ ̄ }.::| ノ_ __,ィ≦__ ./≠´゙゙i} / {:::マiム:::::::::::::::::::::::_i
_{ `ヽ彡 ⌒ ≠示. i_/\|:.:.ヽ .イ´ `l.{.....,,ィイ/ ヽ::::マム;:イ ̄ ̄
ヽ] }:彳 ,ィ==、 弋ソ ´.! } ゙ヘ::/ ¨fヽ/ ヾ、___/-‐‐
}i_/ヤヘ 、 ム'|_/ }>、__ !、::V==_‐‐- 、_ i ̄
/:.:::/|_ マゝ __ ..、 / // / ¨ヽ、_ / `¨\ィf示ミ 、 ゙ ヽ!/ /
. |:.:.:::|  ̄ `¨ 、 ヽ _ノ / _ / i / `¨{ λ`"ノ \ \
. ゝ:.:.:≧ィ `≧ -イ{'´ ゝ-ミヽ{ィft! ) } ̄ \ 」¨
`¨¨´ l`‐く_ミ_/: : :} /! {i ( |. /ヾ!
_/ |: : : 〃}:.: : : : } \ {!イ¨¨Y (. | /
ヽ {: : : ヘ-k: : : : / /¨Y"|| ¨ヽ 〉 ノ /
/ i /レ‐彳/\__/ ヽ.ノ .ノv''l__:: ノ ( /_/
.,イ´′ \ /: : :| |: : : : マ _ゝl¨マ)、"ヾ ̄ "\ } ./´
・・・・・
「お疲れ様でーす」
P「お疲れ様、雪歩。今日の演技、監督も褒めてくれていたぞ」
雪歩「はい…ありがとうございますぅ……」
P「……なんだか最近、元気が無いみたいだな」
雪歩「………」
/ ヽ
. / / ヽ ハ
/ ' | i_}i } ',
. i| { |_」八 i\「i`ヽ | } }|
. i| { ィ'i 八l八|\ハ ィテミl八∧ノノ|
八八 ヽト、xテ圷 ヒ:::リ ゙Y |
Y ヽハ〃弋:ツ 、 .:::` |i | 昔はアイドルやっていたんですよ
| i l', .:::: _ ハ |
|i l l |_ヽ. く 丿 .' l | i| 男の人が大好きですって言ったら、人気なくなっちゃたんです
八l 八i个ト . . イ、 ; ' ,リ
>、i{ ヽK´ ]≧=‐ '" | У//
,.-――‐<´ / ` --――-、
/  ̄ ̄ヽ '  ̄ ̄ ̄ ヽ
| V |
! { !/ !
| У ヾ/ |
| / .. V ,
| ! f-;: ::ーィ; } !
| ヽ _ _ ,' |
/\___/\
/、-―' ゙、ー- ::\
| (○), 、(○)、:::|
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, :::| そんな…嘘だ…
| ,゛-=-'、 .:::::|
\ '´`.::: .::::/
/`ー‐--‐‐―´´\
, -‐v‐…‐-
/ 丶、
/ ヽ
. / / ヽ ハ
/ ' | i_}i } ',
. i| { |_」八 i\「i`ヽ | } }| ……お客さん、何か嫌なことがあったんですね
. i| { ィ'i 八l八|\ハ ィテミl八∧ノノ|
八八 ヽト、xテ圷 ヒ:::リ ゙Y | 誰だってつらい時、ありますものね
Y ヽハ〃弋:ツ 、 ` |i |
| i l', ハ |
|i l l |_ヽ. ー ' .' l | i| あの、キス、してもいいですか……?
八l 八i个ト . . イ、 ; ' ,リ
>、i{ ヽK´ ]≧=‐ '" | У// 今日はいっぱいいっぱいサービスさせてください。ね?
,.-――‐<´ / ` --――-、
/  ̄ ̄ヽ '  ̄ ̄ ̄ ヽ
| V |
! { !/ !
| У ヾ/ |
| / .. V ,
| ! f-;: ::ーィ; } !
| ヽ _ _ ,' |
| ,>――一'人`ー―─ 、 -1 |
! / ` ー=' `ー 、 \ |
! / \ / \ |
i / ヽ 、 \_Y ,.イ / \ |
| |\ _ Y_//,. /ヽ ヽ|
ヽ ,' ー―∧. Vーー‐' | |
ゝ---/ {_∧_j ヽ、 ノ
雪歩「心配なんです……」
P「心配?」
雪歩「春香ちゃんの一件以来周りがどんどん悪い方に悪い方に変わっていって…」
P「………」
雪歩「もうこのまま、765プロが終わっちゃうんじゃないかって。そんな風に思っちゃうんです」
泡歩期待
__,冖__ ,、 __冖__ / //
`,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /
ヽ_'_ノ)_ノ `r=_ノ / /\___/\
__,冖__ ,、 ,へ / ノ' 'ヽ、 ::\
`,-. -、'ヽ' く <´ 7_//| (○), 、 (○)。 :::|
ヽ_'_ノ)_ノ \> / | ,,ノ(、_, )ヽ、, :|
n 「 | .| / r=‐、 ヾ ::|
ll || .,ヘ / | l| |,r- r-| |l :::|
. n. n. n ヽ二ノ__ { \. ヽ`ニニ´ノノ.::::/
|! |! |! _| ゙っ  ̄フ. /`ー‐--‐‐一''´\
o o o (,・_,゙> /
雪歩「みんなもなんだか元気が有るふりをしているみたいだし……」
P「……確かにもうこのままかも知れないな」
雪歩「えっ……」
P「雪歩がそんな風に思ってるままなら、その通りになるんじゃないか?」
雪歩「………」
P「今の俺たちに大切なことは、変わらないことだと思うんだ」
雪歩「変わらないこと・・・?」
P「そうだ。俺達が周りに影響されて悪い方向へいってしまったら、悪い方向へ導いているやつらの思うつぼだろ?」
雪歩「!」
P「みんなが気丈に振る舞っているのも、いつも通りの765プロを維持したいからじゃないかな」
P「きっとみんなだって、雪歩みたいに不安でいっぱいだと思うぞ」
雪歩「いつも通りの765プロ……。そうですね!悪い方向へ行きそうなら、自分たちでそれを止めなきゃ!」
P「そうだ!とにかく今は、なんでも笑い飛ばすことが大切だ!」
雪歩「はい!それに春香ちゃんが帰ってきた時、元気のない765プロじゃ悲しいですもんね!」
P「………」グスッ
雪歩「プロデューサーさん?」
P「本当に、春香は良い仲間を持って幸せもんだな……」
ヤク中の人殺しだけどね
・・・・・・
テクテクテク……
雪歩「あ、あの、そろそろこの辺で……」
P「? 家まで送るぞ?」
雪歩「か、帰りに買い物に寄りたいんですぅ」
P「なんだ、そんなことか。付き合うよ」
雪歩「い、いいですぅ!」
P「なんでだよ?」
雪歩「プロデューサーさんのエッチいぃ!」
タッタッタッ……
P「お、おい雪歩ぉ!……なんなんだ一体?」
雪歩はPにさんづけしねえよ
呼称くらいは覚えとけゴミ野郎
雪歩「(はうー…さすがにプロデューサーと下着屋さんはいけません…)」
イケメン「ねえねえ、そこの君」
雪歩「(お、男の人おぉ…)は、はい?」
イケメン「道、教えてくれないかな?」
雪歩「み、道ですか?」
イケメン「うん。○○ってところなんだけど」
雪歩「あ、○○だったら分かりますぅ…えっと……」
・・・・・・
イケメン「ん~。よく分かんないなぁ…」
雪歩「えっと…それじゃあ、地図を書きますね…」
イケメン「……ねぇ、そこまで連れてってよ。近いんでしょ?」
雪歩「た、確かに近いですけどぉ…」
イケメン「よし!決定!それじゃあ行こう!」
ガシッ
雪歩「ひえっ!」
イケメン「レッツゴー!」
・・・・・
雪歩「あの…全然、道が違うんですけどぉ…」
イケメン「・・・・・」
雪歩「(どんどん人気のない場所へ進んでる…!逃げなきゃ……!)」
ガシッ
雪歩「ひっ……」
イケメン「・・・・・」
チュッ
雪歩「!?!?!?」
イケメン「ふぅ、バイバイ雪歩ちゃん」
タッタッタッ……
雪歩「い、いやあああああああ!!!!!」
「へへへ……」
ー翌日・765プロ事務所ー
P「えぇ!?雪歩が襲われた!?」
律子「はい…1人で歩いているところを……」
P「そ、それで、怪我は!?」
律子「怪我は無いんですけど……何か変なんです」
P「変?」
律子「はい。犯人は雪歩にキスをしたらすぐに居なくなったそうです…」
P「…確かに変だな」
律子「しかも、犯人は去り際に雪歩の名前を呼んだらしいんです」
P「たまたまじゃなくて、雪歩と分かって近づいたってことか?」
律子「おそらく…」
P「何か嫌な匂いがするな…」
律子「何も起こらないと良いんですけど…」
P「それで、雪歩は?」
律子「相当ショックだったみたいで、今日は休んでもらっています」
ガチャ!
伊織「ちょっと!大変よ!大変!」
P「おはよう、伊織。どうしたそんなに慌てて?」
伊織「これよ!これ!」
P「…週刊誌?」
伊織「いいから、黙って早く見なさいよ!」
P「!」
普通につまらん
煽ったり罵倒する気さえ起きん
P「『独占スクープ!765プロ萩原雪歩、イケメンと路上で熱烈キス!』!?な、何だこれは!?」
伊織「それはこっちのセリフよ!雪歩のやつ、いつの間に彼氏なんて作ってたのよ!」
律子「これは一杯喰わされましたね…」
P「ふ、ふざけやがって……抗議の電話をしてやる!」
伊織「な、なに?何かあるの?」オロオロ
P「どういうことですか!?あの記事は!?」
「知りませんよー。うちの記者がたまたま現場に居ただけですしー」
P「どうせ相手の男だって、あなたたちがさし向けたんじゃないですか!?」
「…765さん、弱小プロダクションが滅多なことは言うもんじゃないですよ?」
P「くっ…」
「訂正の記事を来週号に載せときますから。それでいいでしょう?それじゃ」
ガチャ
P「くそっ…」
律子「どうやら全て仕組まれたことのようですね」
P「そのようだな」
伊織「え?この男、雪歩の彼氏じゃないの?」オロオロ
律子「こんなことするのは…」
P「ああ。きっとあの人だろうな…」
律子・P「はぁー…」
伊織「ちょっとぉ!私にも分かるように話なさいよ!」
・・・・・・・
ー961プロ事務所ー
黒井「ハッハッハ!今頃765プロのやつら青ざめてるだろうなぁ!愉快!実に愉快!」
記者「相変わらずやることがえぐいですねぇ」
黒井「出ている杭は叩きやすい時に叩かんとなぁ!」
記者「ヘヘヘッ…ひどいお方だぁ…」
黒井「こちらだって、駒を一つ765に潰されたんだ。お互い様だろう?」
記者「確かに大御所さんは残念でしたねぇ…。あの…それで……」
黒井「金か?持っていくがよい。今回はよくやってくれたなぁ!」
記者「ヘヘヘっ……」
黒井「高木…まだまだこんなものじゃ済まないぞ……お前らを叩き潰す秘密兵器がこちらにはあるのだからなぁ!」
ハッハッハッ・・・・・
・・・・・・・
ー765プロ事務所ー
P「!」ゾクッ
貴音「あなた様、どうかしましたか?」
P「いやっ…何か寒気がしただけだ……」
律子「あの、プロデューサー…」
P「どうした?」
律子「今、雪歩のお父様から電話があったんですけど…今から事務所に来るそうです……」
P「!?」
・・・・・・
雪歩父「いつも雪歩がお世話になっています」
P「いえ、こちらこそ(…ずいぶんと強面なお父さんだな)」
雪歩「………」
P「……あの、今回の件はこちらの管理が行き届かず、お嬢さんを傷つけることになってしまい申し訳ございませんでした」
雪歩父「今日はそのことについて話をしたくて伺いました」
P「はい…」
雪歩父「単刀直入に言わせてもらいます」
雪歩父「雪歩にはアイドルをやめさせます」
P「え…」
雪歩父「ちなみに、これは雪歩の意思でもあります」
雪歩「………」
P「ほ、本当ですか!?」ガタッ
響「嘘だろ!?雪歩ぉ!?」
やよい「雪歩さぁん!」
真「雪歩ぉ!」
雪歩「あの、私は……」
雪歩父「雪歩、黙っていなさい」
雪歩「……はい」
P「あの、このようなことは二度と起こさないようにするので…」
雪歩父「もう決めたことです」
P「う、嘘だよな雪歩!?アイドルやめないよな!?」
雪歩「あ、あの…」
雪歩父「帰るぞ雪歩」
グイッ
雪歩「みんな…ごめんなさい……」
ガチャッ…バタン……
P「雪歩……」
真「嘘だ!嘘だぁ!雪歩がアイドルやめたいなんて言うはず無い!僕、雪歩に聞いてくるよ!」
ダッ!
伊織「お、落ち着きなさいよ真!」
ガシッ
真「は、放せ伊織!」
律子「あの様子じゃ無理よ…」
真「で、でもぉ!」
あずさ「なんだか、どんどん状況が悪くなっていきますねぇ…」
伊織「あずさ!」
あずさ「あっ……。あらあら私ったら……」
「「「・・・・・・」」」
千早「……もう嫌っ!!」
千早「春香が居ないからだわ!春香が居ないから上手くいかない!」
P「千早…」
千早「春香ぁ!春香帰って来てぇ!春香ぁ!」
P「お、落ち着け。みんな、千早を取り押さえるんだ」
「「「は、はい」」」
千早「嫌っ!放して!春香ぁ…!はるかぁ…」
・・・・・・
律子「プロデューサー、千早は?」
P「家の前まで送ってきたよ。だいぶ落ち着いていたみたいだし、大丈夫だろう」
律子「そうですか…良かった……。しばらく千早には休んでもらいましょうか…」
P「そうだな……」
あずさ「あのぉ…」
P「どうしました?あずささん?」
あずさ「頑張りましょうね、みんなで」
貴音「あずさの言う通りです。逆風だって待てばいつか止みます」
響「そうだぞ!みんなで頑張っていくぞぉ!」
亜美・真美「いぇーい↑↑↑」
真「そうだね、僕達がしっかりしなきゃ雪歩も戻ってこれないもんね」
伊織「その調子よ、真!」
やよい「うっうー!」
美希「みんなで頑張るのー!」
P「よーし!765プロー」
「「「ファイトォ!オーッ!」」」
・・・・・・
ー千早宅ー
「大丈夫?千早ちゃん?」
「えぇ…大丈夫よ……演技に力が入り過ぎてしまったわ」
「ふふふっ…千早ちゃんは笑う演技以外なら役者としてもやっていけるね」
「春香を守るためなら笑う演技でもできるわよ?」
「ありがとう千早ちゃん、大好き」
「私も大好きよ、春香……」
グゥー…
「…おなか空いたよぉ」
「ふふっ。それじゃあ、買い物に行ってくるわね」
・・・・・・
ー翌日・765プロー
P「………」
律子「どうしたんですか?難しい顔して」
P「いや、これからどうすれば良いのかなって……」
律子「そうですねぇ……」
P「正直、五里霧中でお手上げだよ。春香についてなんの手掛かりも見つからないし……」
律子「プロデューサーがそんな風でどうするんですか?アイドルたちに示しがつきませんよ?」
P「うん。だから、律子だけに言っているんだ」
律子「えっ!?」
P「みんなには内緒だぞ?」
律子「は、はイぃ。ま、まア悪い気はしませんネェ!」
社長『春香くん、とにかく連絡をくれぇ!話なら聞くから!』
P「……社長も大変だよな、TVで連日春香に向けてメッセージ送って…」
律子「この数カ月でずいぶん前髪が後退したような…」
P「律子もやっぱりそう思うか?」
律子「まあ、それはプロデューサー殿も同じですけど」
P「え!?」
律子「ふふっ、冗談ですよ。でも、少し寝た方が良いと思いますよ。最近全然寝てないでしょ?」
小鳥「目の下のクマ、すごいことになってますよ?」
P「小鳥さん…。いや、寝ている暇なんて俺には無いですから」
律子「ダーメです!残りの仕事、やっと来ますから少し寝てください」
P「でも…」
律子「いいから、ほら。ソファーの方行ってください」
P「すまんな…それじゃ、少しだけ……」
・・・・・・
亜美「おやおやぁ!?兄ちゃんが寝てますぞぉ?」
真美「悪戯しろってことですかねぇ!?」
亜美・真美「ニシシシィ→…」
貴音「お二人とも、おやめなさい」
亜美・真美「えぇ~…お姫ちぃん……」
あずさ「そうよぉ。プロデューサーさんは疲れてるんだから」
亜美・真美「ちぇ~っ」
伊織「それにしても、よくやるわね。体は大丈夫なのかしら」
真「ふ~ん。伊織、心配なの?」
伊織「ち、違うわよ!馬鹿!」
美希「美希も心配だよぉ…ハニーぃ……」
やよい「今度、プロデューサーと千早さんと雪歩さんにスタミナもやし料理作ってあげよっーと」
小鳥「…みんな、良い子ですね」
律子「えぇ。逆境の中でもへこたれない強い子たちに育ちました」
小鳥「それもプロデューサーさんのおかげですかね?」
律子「プロデューサーが居なかったら765プロは前に進まなかったかもしれませんね……」
ガチャ
響「はいさーい!」
貴音「響、おはよう」
美希「響、遅刻なの」
響「ごめんさー。あれぇ?千早は居ないのかぁ?」
律子「千早なら休んでもらっているわよ?」
響「あれ?おかしいぞぉ…」
伊織「何がよ?」
響「昨日帰りにスーパーへ動物達のご飯買いに行った時、千早を見たものだからもう大丈夫なのかと思ったさぁ」
伊織「……あの状態からスーパーへ行くのはありえないでしょ。あんた、見間違えたんじゃないの?」
響「ほ、本当だよぉ…」
P「響、その時のことを詳しく教えてくれ……」
伊織「わぁ!?あんた、いつの間に起きたのよ!?」
響「ん~…。ただ1人で普通に買い物していただけのような……」
P「どんなくだらないことでも良いから」
響「そういえば、やけにいっぱい食べ物を買い込んでいたなぁ」
伊織「何よ、本当にくだらないわね」
響「むっ。いやさ、千早って1人暮らしだろ?その割にはたくさん買い込んでるなぁって」
P「ふむっ……」
伊織「急なお客さんでも来たんじゃない?」
伊織「他には?」
響「他に?ん~…もう特には無いような気がするぞ……」
P「ありがとう、響。もういいぞ」
響「でも、そんなこと聞いてどうするんだプロデューサー?」
P「いや、霧の中で迷っている今は、なんでも聞くことが大事だと思ってな」
伊織「結局、大した話じゃなかったわね……」
・・・・・・
P「ちょっと千早の家へお見舞いに行ってくる」
律子「あ。それならこれも持っていってください」
ガサッ
P「…これは?」
律子「お見舞いセット。ポカリとかゼリーとか買っておいたんです」
P「律子は気がきくなぁ……」
ー千早宅ー
ピンポーン
千早『……はい?』
P「俺だ千早。具合はどうだ?」
千早『正直、あまり良くないですね……』
P「そうか…、悪いんだけど少し上がってもいいか?律子から差し入れを預かってるんだ」
千早『ありがとうございます。でも今は、人と会う気分ではないんです……玄関の前に置いといてください』
P「そうか…なぁ、千早。少し聞いていいか?」
千早『……なんですか?』
P「何か俺に、いや、俺たちに内緒にしていることがあるんじゃないか?」
千早『いいえ、ありませんけど』
P『じゃあ、悩み事はないか?』
千早『……なんなんですか?何か私に言いたいことが有るならはっきりどうぞ』
P『いや、何もないなら良いんだ…すまない……』
千早「……今日はもう帰ってください」
「プロデューサーさん?」
「うん、なんだか私のことを疑っているみたい…」
「ああ見えて結構、勘が鋭いんだよね」
「ばれるのも時間の問題なのかしら……」
「…そうかもね」
「私、春香と離れたくないわ…このまま時が止まれば良いのに……」
「私もだよ千早ちゃん、離れ離れなんて寂しいよ…」
「春香……」
「……ねぇ、千早ちゃん。ずーっと一緒に居れる方法思いついちゃった」
「本当に?」
「私と一緒に居たい?」
「うん、、、春香と一緒に居たい…居たいよぉ……」
「それなら、私の言うとおりにしてみて……?」
・・・・・・
ー765プロ事務所ー
P「ただいまー」
律子「千早の具合どうでした?」
P「うーん…あまり芳しくはないようだなぁ」
律子「そうですか。あ、差し入れは渡してくれましたか?」
P「ああ。千早、喜んでたぞ」
やよい「プロデューサー、千早さんの家に行って来たんですかぁ?」
P「おう。ついさっきな」
やよい「なぁんだ…それなら一緒に行けば良かったです…」
P「どうしたんだ?」
やよい「お仕事無くて暇だったんで、千早さんに食べてもらおうと思ってスタミナもやし炒め作ったんです」
P「おお。美味そうだな」
やよい「プロデューサーの分もありますよー」
ムシャムシャ
P「おおっ!ものすごく美味い!やよいは良いお嫁さんになれるぞ!」
やよい「うっうー!ありがとうございますぅ!」
P「きっと、これを食べたら千早もすぐ元気になるよ」
やよい「私、ちょっと千早さんの家に届けてきますね!」
P「ああ。喜ぶと思うぞ。いってこい」
ー千早宅ー
ピンポーン ピンポーン
やよい「あれぇ?千早さん留守なのかなぁ?」
コンコン コンコン
やよい「千早さーん!高槻ですけどー!」
カチャ
やよい「あれ?鍵は空いてるみたい……」
やよい「千早さぁん…。お邪魔しますねぇ?」
キィー… パタン
やよい「お邪魔しまーす…。あれ、真っ暗だ…寝てるんですかぁ?」
テクテク…
やよい「うぅっ…生ゴミ臭い……」
「…この部屋から匂いがする。リビングかな…」
カチャ
「な、何これ…食べ残し……?」
「いっぱいある…」
「うっうー…虫がわいていますぅ……」
「何かこの家、様子がおかしい…千早さん?千早さん?」
「寝てるなら…寝室かな……」
「……ここかな」
カチャ
「ひっ…なにこれぇ……」
「壁も、家具もボロボロ……」
「暴れまわった後みたい……」
チクタク…チクタク……
「怖い…早く帰らなきゃ…」
ピチャン…ピチャン……
「! な、なにこの音……」
「水の音・・・」
「お風呂場かな……」
キィー…
「………っ!」
バタン…
ー765プロ事務所ー
P「やよい、上手くやってるかなー」
伊織「あら?やよい、千早の家に行ったの?」
P「スタミナもやし炒め作ったんだってさ」
伊織「でも、行っても意味無いんじゃない?あんた、門前払いされたんでしょ?」
P「うーん。まあ、やよいなら大丈夫だろ。千早、やよいには甘いし」
伊織「確かにやよいにはデレデレだもんね。千早って」
P「それに、やよいも『もやし炒め渡せればそれでいい』って言ってたから家にあがるつもりはないだろ」
伊織「まあ、やよいが上がっても問題は無いでしょ。むしろ良いくらいだわ」
P「ああー。やよいって家に入れると勝手に掃除とかしてくれるもんなぁ」
伊織「ちょ、ちょっとぉ!なんでやよいがあんたの家に入ったことあるのよ!?」
P「いや、遊びに行きたいって言うから」
伊織「あんた!ロリコンは犯罪よ!」
P「おいおい」
P「誤解だよ」
伊織「変態!変態!」
ピピッピピッ
P「おっ!噂をすればやよいから電話だぞ」
伊織「ふんっ」
P「もしもし?やよい?どうした?」
『プロデューサー!!助けて!助けてくださあいぃ!』
P「やよい!?どうした!?」
『早く!早く来てくださいぃ!あっ!?』
プツッ… ツー…ツー……
P「………」
伊織「ちょっと!?どうしたって言うのよ!?」
P「分からない…とにかく、千早の家に行ってくる」
ー千早宅ー
ガチャッ
P「やよい!?」
P「うっ…くさっ……」
P「やよい!?やよい!!どこだ!?」
「ここですぅ!プロデューサーぁ!」
ガチャ!!
P「やよいぃ!! ……!?」
やよい「うええええぇぇぇぇんプロデューサーあああああ」
ガシッ
P「え…?うそだろ…?」
やよい「ちはやさんが、ちはやさんがあああああ」
真っ赤だった
P「落ち着け!やよい!救急車は呼んだのか!?」
風呂場には真っ赤に染まった千早が
やよい「はいぃ…救急車呼んで、プロデューサーに電話して……でも、携帯を浴槽に落としちゃってぇ……」ヒックヒック
グッタリと横たわっていた
P「大丈夫だ。もう大丈夫だから……」
傍らに転がっていたナイフが怪しく鈍く光っていて
やよい「うええええん…プロデューサーあぁ……」
俺はただ立ち尽くすしかなかった……
ー病院ー
P「………」
・・・・・・
『患者は!?・・・おい!!早く運べ!!』
『聞こえますか?聞こえますかー?』
『意識なし!』
『脈は!?』
タッタッタッ…
・・・・・・
P「………」
律子「千早はなんとか一命を取り戻したみたいです…」
P「律子…」
律子「意識はまだ無いですけど…」
P「……この前千早は俺にこう言ってくれたんだ」
律子「………」
P「『誰が一番悪いかなんて決められませんよ』って……」
律子「………」
P「『人はこういう時、誰でも自分が一番悪いと責めるものです』って……」
律子「………」
P「もう、俺、どうすればいいか分からなくなってきたよ律子……」
P「救急車で千早が運ばれて行った後、千早の家を調べたんだ……」
律子「………」
P「そしたら春香が居なくなってから千早がどんな気分でいたのか痛いくらい分かったよ」
律子「………」
P「部屋はめちゃくちゃに荒れ果てていて、それに……」
律子「………」
P「なんだろう。まるで誰かと一緒に住んでいたみたいな感じでさ……」
律子「え?」
P「洗面台には歯ブラシが二本並んでいて、リビングにはお揃いのマグカップが並んでいた……」
律子「それって、もしかして春香が一緒に?」
P「いや……。どちらも片方は新品だったんだ」
P「もしかしたら千早は、春香の幻覚と暮らしていたのかもしれないな…」
律子「………」
P「もっと俺が千早に気をかけてやっていれば…」
律子「………」
P「あの時、強引にでも部屋に入っていたら…」
律子「………」
P「全部俺のせいだ!俺の……!」
律子「プロデューサー!!」
律子「どうしてですか!!」
P「え?」
律子「どうしていつもいつも、そんな風に1人で背負いこもうとするんですか!?」
P「………」
律子「私たちじゃ頼りないですか!?」
P「……ごめん律子。また俺の悪い癖が出ちゃったな」
律子「………」グスッ
P「もう俺、1人で抱え込むのやめるよ」
律子「…本当ですか?」
P「これからは1人でくよくよせずに、みんなにきちんと相談する」
律子「…グスッ。約束ですよ!」
P「うん。ほら、指きりしよう」
スッ
「「指きりげんまん、嘘ついたら針千本飲ーます」」
・・・・・・
・・・・・・
「ほぉう。765プロはそんなことになっているのか」
「へへへっ…今回のことも記事にしますか?」
「いや、そんなことしなくていい。それよりもショッキングでセンセーションなネタがあるからなぁ!」
「へ?」
「早速会見の準備をさせろ!高木ぃ!お前たちの命日は明日だぞ!」
ハッハッハッ・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
・・・・・・
ー765プロ事務所ー
翌日
「「「………」」」
P「さあ、みんな今日も一日頑張ろう」
「「「…はい」」」
社長「…ああ、秋月くん。テレビを点けてくれないかい?」
律子「どうしたんですか?」
社長「黒井のやつが『絶対にテレビを点けろ』ってメールしてきたんだ」
律子「黒井社長が?また急ですね…」
社長「まあ、付き合いだと思ってさ…あいつも寂しい男なんだ……」
律子「は、はぁ…」
ピッ
『今、961ホテルで重大な発表があるとのことです!』
律子「記者会見のようですね」
『あっ。黒井社長が出てきました!』
黒井『諸君。本日は961プロから重大な発表が有る』
美希「相変わらず偉そうなおじ様なの」
黒井『早速だが、本日の主役の登場だ。おい、出てこい!』
「「「!?」」」
「「「は、春香ぁ!?」」」
『今、行方不明だった女優の天海春香さんが登場しました!いったいどういうことなんでしょうか?』
春香『…今日から961プロでお世話になる、天海春香です』
真「い、いったいどういうこと?」
伊織「ちょっと真!邪魔よ!画面が見えないじゃない!」
『……いくつか質問してよろしいでしょうか?』
黒井『うむ。』
『亡くなった大御所さんの部屋に春香さんが居たらしいですが、それはどういうことだったのでしょうか?』
春香『………』
黒井『それは961プロを代表して私が答えさせてもらおう』
黒井『大御所が自分の地位を利用して、破廉恥にも天海に手を出そうとしてなぁ』
『………』ザワザワ
黒井『そして、天海が逃げようとしたところを大御所は追いかけて……』
『………』ザワザワ
黒井『足を滑らせて、頭を打って死んでしまったのだよ。無様なやつめ』
『………』ザワザワザワ
律子「……これって、真実なんですか?」
社長「んん~…分からん……」
響「なんだか都合が良すぎだと思うぞ…」
P「でも、本当の真実を知っているのは向こう側だけだ…」
貴音「真実が黒でも、向こうが白と言えば白になってしまうのですね…」
『それでは次に、何故今になって事務所の移籍なのでしょうか?』
黒井『天海は765プロと折り合いが悪くてなぁ。随分と悩んでいたのだ…そうだろ天海?』
春香『はい……』
黒井『そして、路頭に迷っていた天海を961プロが拾ってやったのだよ。うちのタレントの粗相の謝罪も含めてなぁ』
響「むきー!そんなのでたらめだぞ!嘘つきは許さないさぁ!」
社長「まさか黒井がここまでやってくるとは…」
律子「春香はずっと黒井プロにかくまってもらっていたんですね…」
美希「ひどいよ春香!春香とまた踊りたいと思っていたのに…」
伊織「こんなのあんまりだわ……」
P「………」
黒井『会見はここまでだ。765プロ、楽しみにしておけよ』
ハッハッハッ・・・・・
ー961プロ事務所ー
冬馬「おい、おっさん!どういうことだよ!」
黒井「なんだ貴様、駒風情が私に逆らう気か?」
冬馬「あんなでたらめばっかり並べて!しかも、天海春香を961からデビューさせるなんて…」
黒井「黙れ。貴様ら駒が使えぬから悪いのだ」
冬馬「……どういうことだ?」
黒井「今のジュピターで、いや、今の961プロのタレントで765プロに勝てるものは居るか?」
冬馬「ぐっ…」
黒井「弱体化させたと言っても765プロはまだまだ健在だ。復活する可能性は大いにある」
冬馬「……」
黒井「天海春香を使うのは私だって本意ではない…。だが、これも765プロに完全勝利をするためだ。それが分からんのか冬馬!?」
冬馬「おっさん…」
黒井「私はどんな手を使ってでも高木に勝ちたいのだよ…」
数ヵ月後
『さあ、本日のゲストは芸能界復帰を果たした天海春香さんです』
『こんにちわ!』
『わあああああああああ!!』
『相変わらずすごい人気ですねぇ』
伊織「春香、すごいわね……」
律子「そんなに腐らないの。今は竜宮小町のニューシングルに集中しなさい」
律子「今や、マスコミは961vs765の全面戦争だからね…気を抜けないわ」
亜美「はるるんも敵に回すとやっかいだね→」
あずさ「負けてられないわねぇ」
律子「そうよ。春香という大きなライバルを越えなきゃ」
伊織「ふん!分かってるわよ!」
投下ミス
オチまで書いてるけど>>479で終わりってことにします
もう本当に辛いです
ID:0L7bB7WV0をはじめ、保守してくれた方々、期待に応えれなくてごめんなさい
大団円にしようとしたらこんな展開になってしまったのです
すいませんでした・・・
夜から始める
すいません
このスレは落としていただいて結構です
申し訳ないので……
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