杏子「誰だあいつ、見ない顔だな」 (23)
(見滝原 とある公園)
??「いやー、ここが見滝原か。やっと着いたぜ」
自動販売機(ドスッ!、ジーガー…、ゴトン)
??「ってーと、とりあえずどこ行きゃいいのかね…お?なんか自販機にケリ入れてる人が…」
御坂「…」
??「あの人は確か…。おーい!!」
杏子「…?(誰だアイツ…見ない顔だな…)」
??「いやいや、そこにいらっしゃるのはホームレスの魔法少女、(ギャング系魔法少女)こと佐倉杏子さんではないでしょうか?」
杏子「だったら何だってんだよ…喧嘩でも売ろうってのか」
??「いやいや、おれも運がいい。見滝原に来ていきなり会えるとはねえ…」
杏子「(何よ、警察か何か?シカトするに限るわね…こういうのは)」
??「いやどうも、おれは詠矢…詠矢空希(ヨメヤ ソラキ)ってもんだよろしくなー」
杏子「(はいはい無視無視。相手するとロクな事無いからね)」
詠矢「あ、おいおい、どこ行くんだ!(って…会えたはいいがどうするかね…あ、そうだ!)…ちょいと杏子さん」
杏子「…」
詠矢「それ犯罪だろ?」
杏子「…」
詠矢「販売機に衝撃を与えてエラーを起こさせジュースをかっぱらう。それ窃盗だよな?」
杏子「…」
詠矢「流石ホームレス系魔法少女、小銭がないから窃盗しちゃう」
杏子「…」
詠矢「あんたは強くて、その振る舞いを周囲が容認してるのかも知れないが、こう公然と…」
杏子「ち、うっせぇな!!どうせもいいだろそんな事!」
詠矢「いや、よくないっしょ。刑法的に」
杏子「だいたい、テメェに何の関係があるってんだよ!!」
詠矢「俺が関係してようがいまいが、それが犯罪であることは事実」
杏子「(ビキッ…)何だ、喧嘩売ってるのか?(ボコッ)」
詠矢「…まあ、そんな感じかな」
杏子「…いい度胸ねぇ…。じゃあ、お望み通り私の一撃で貫いてあげんよ(ドスッ)」
詠矢「ちょちょ!ちょっと待って!」
御坂「あぁ!?いまさら逃げられると思ってんのかぁ!?」
詠矢「いや、違う。ちょっと離れただけ。5メートルも有れば十分かな」
杏子「?何言ってんの?私の能力知らないの?」
詠矢「いや、知ってる知ってる。ちゃんと調べてきた。殺人的な加速だよな?」
杏子「知ってるなら、無駄だってわからない?…もういいわ、死んでなさい!!(スサッ)」」
詠矢「大丈夫、この速度ならよけられる」
杏子「…?(あれ、おかしい、読まれたか)」
詠矢「僕の魔眼を持ってすれば、そんな攻撃当たらないよ」
御坂「…!?(あれ、あれ、何度突いても刺さらない!!…幻影か!)」
詠矢「(お、効果アリ…かな?)」
杏子「…テメェ…なんかやったな…」
詠矢「多分…ね」
杏子「魔女…」
詠矢「そうなるかな」
杏子「…なんか、テメェ嫌な雰囲気だな。その軽口、後悔させてあげるわ!!…!!(数千本の槍を!)」
詠矢「お・・狙いをつけない面による攻撃か、でもね」
杏子「さっきからゴチャゴチャうるさいな!!よし…これでっ!!(ドス ドスドス!)
詠矢「全部避けられるはずがないって思ったかな?人間だと思ってなめてかかってるから」
自動販売機「(ドスッ!!…ガガ…。プツン)」
杏子「えっ!?槍が…」
詠矢「窃盗に器物破損が追加…か」
杏子「くそっ、テメェ!(あれ?なんか、体が…)」
詠矢「急激な血糖値の低下は発作を引き起こす。具体的な症状としては、大量の冷や汗、動悸、振戦、譫妄!!」
杏子「(冷や汗が止まらない…、何で急に…た、立ってられない!)(ガクッ)」
詠矢「いや、いろいろゴメン。えーっと…さっき盗ってたジュース、あ、あったあった。『黒豆サイダー』?。ま、糖度高そうだからこれ飲めば多分回復するよ」
杏子「ちょ…っと…待て…」
詠矢「んじゃ、失礼しまっす」
マミ「佐倉さん!!佐倉さん!!」
杏子「ま…マミ…っ…」
マミ「どうしたの!?真っ青よ!!」
杏子「ちょっと…それ…取って…」
マミ「(缶ジュース?)は、はい、これかしら?」
杏子「(プシッ)…(ゴクゴク)」
マミ「…(ハラハラ)」
杏子「…ふう、ちょっと落ち着いたぜ…」
マミ「どうしたの?」
杏子「なんか変な奴に合って…、最初は追っ払ってやろうと思ったんだけど…」
マミ「ま、まさか…杏子を退けたと?」
杏子「いや、そうじゃないんだけど…。なんかゴキブリ並みに速い奴でさ、なんか調子出なくって」
マミ「少なくとも、佐倉さんから逃げおおせたのは確かなようね。魔女…なの?」
杏子「そうみてーだ…。はぐらかして、詳しくは分からなかったけど…」
マミ「それは見過ごせませんね…。佐倉さんがたまたま通りかかったからよかったものの…」
杏子「なんか、ヤな感じの奴だったわね。強さは感じないんだけど…なんていうか、掴みどころの無い感じ…」
マミ「これは、魔法少女として対応する必要がありますわね。佐倉さん、相手の特徴は覚えているかしら?」
杏子「ああ、それは覚えてる…。黒縁メガネで、眉毛が太くて…」
マミ「私の部屋で詳しく聞くわ。移動しましょう」
(第7学区 路地裏)
店主「はーい、かけそばお待ちどう!」
詠矢「うーい、どうもー。(これからいろいろ物入りだろうし、節約しとかないとなあ)(ズルズル)」
詠矢「(しかしかけそば一杯じゃ腹膨れねえなあ、おにぎり食っちまうかなあ)(ズルズル)」
詠矢「(でもおにぎりまで買っちゃうと牛丼の方が安いんだよなあ)(ズルズル)」
詠矢「(腹減ってたから勢いで入っちまったけど、やっぱ牛丼屋探せばよかったかなあ)(ズルズル)」
詠矢「ごちそうーさまー」
店主「あい、まいどー」
詠矢「さて…転居申請だっけか。どこ行きゃいいのかな(ポチポチ)」
マミ「ちょっと、そこのお方…」
詠矢「あ、はい?俺のことっすか?」
マミ「詠矢空希…あなたのことかしら?」
詠矢「ええ、まあ…間違いございませんが…どちらさん?(お、結構かわいいじゃねえの。中学生ぐらいかね…)」
マミ「見滝原の魔法少女よ!(ビシッ)」
詠矢「魔法少女…えーっと、確か、この町の平和を守るために戦ってる子…だったかな」
マミ「お分かりなら話は早い…。魔女は見つけ次第倒す!」
詠矢「でーっ!!て、なんですかいきなり戦闘ですか!(流石にいろいろマズかったかな、さっきのは…)」
マミ「人間らしさを保っているみたいだけど魔女には変わらないもの、おとなしく倒されて」
詠矢「…」
マミ「…かんねんなさい!」
詠矢「…俺の容疑は?」
マミ「は?」
詠矢「俺が討伐されるのは何の容疑だって聞いてるんだよ」
マミ「…いえ、まだ人を狩ったかわからないけれど…」
詠矢「罪を犯した魔女じゃなけりゃ、討伐する対象にすらならねえだろう。それにおめおめと討伐される必要はねえよな…」
マミ「いえ、あなたは佐倉さんに危害を加えたという疑いがあるわ!」
詠矢「佐倉さん?って…もしかして、えー…あのホームレスの人かな」
マミ「そうよ。ご本人の証言から、先ほど佐倉さんと関わったのはあなたであることは明白!」
詠矢「そりゃ関わったかもしれんが、俺はあの人には指一本触れてない。因果関係が成立するか?」
マミ「何らかの能力を使われたと、ほのめかしていませんのこと?」
詠矢「どうだったかなあ…。俺はアイツの攻撃を避けただけだぜ??」
ほむら「あきた」
まどか「え?」
ほむら「もうまどかにはこりごりよ、私ループするのやめる」
完
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