響「だーれだ♪」 P「ん?この声は……」 (104)
P「響だな!」
響「せいかーい!さすがプロデューサーだね!」
P「わかるに決まってるだろ。毎日会ってるわけだしな」
響「え?じゃあ毎日会ってないとわからなくなるの?」
P「いやそういうわけじゃないけど……」
響「じゃあ試してみるさー。ちょうど土日はオフだから、休み明けの反応が楽しみだぞ」
P「ははは、そのくらいじゃ忘れようもないさ」
月曜日
響「だーれだ?」
P「ん?誰だろう・・・?すまん、分からん!」
響「酷いぞ!プロデューサー!」
P「え?お前誰だよ」
翌週
響「だーれだ?」
P「この声は……」
響「(ま、さすがに土日挟んだだけじゃ忘れるはずもないよね)」
P「……誰?」
響「え?」
P「えっ、ちょっと誰ですか?こわい」
響「な、なに言ってるんだ?」
P「事務所の人ですか?」
響「ちょっと!悪ふざけはやめてよね!」
ハム蔵「ジュージュジュイッ」
P「春香だな、すぐわか…なんだハム蔵か」
春香「」
P「わ、悪ふざけなんて……あ、わかったぞ!」
響「!」
P「響だ!」
響「せ、せいかーい!」
P「お、やっぱりそうか」
響「やっぱりって……かなりギリギリだったじゃないか!」
P「はは、ごめんごめん」
響「もー……なんですぐにわからなかったんだ?」
P「いや、わからない振りをしてればずっと響と触れ合ってられるかなと思って」
響「なっ……!」
響「なに恥ずかしいこと言ってるんだー!」
P「え、恥ずかしい?」
響「やっぱりプロデューサーはヘンタイプロデューサーだぞ!」
P「いやあ、休みの間会えないのが寂しかったから」
響「そ、そんなことなら言ってくれれば会いに行くのに……」ボソッ
P「え?なんだって?」
響「そんなことなら言ってくれれば会いに行くのに!!」
P「え?なんだって?」
響「なんで聞き取れないんだよ!!」
P「まあ、とにかく響の声を忘れるわけないだろ?」
響「う……ま、まあ、自分は声もカンペキだから、いくらプロデューサーでも忘れるはずなんてないよね!」
P「こいつめ、試すようなことをしたくせに」
響「そんなの自分知らないぞー」
P「やれやれ。まあそんなところもかわいいけど」
響「だ、だから恥ずかしいこと言うのはやめろって!」パァン!!
P「ブフォッ!!」パタッ
響「う、うぎゃー!プロデューサーが耳から血を出して倒れたぞー!」
小鳥「プ、プロデューサーさん!?響ちゃん、一体何をしたのっ?」
響「じ、自分はただ両手でプロデューサーの両耳をパシッと……」
小鳥「とにかく救急車を呼びましょう!!」
双海病院にて
亜美真美パパ「両鼓膜破損!命に別状なし!」デデン
響「ほっ、よかった……」
P「んー、ここはどこだ?」
小鳥「実は……」
小鳥「かくかくしかじかというわけなんです」
P「口パクじゃ何も伝わりませんよ。ちゃんとしゃべってください」
響「ピヨコ、プロデューサーは鼓膜破損してるから音が聞こえないんだぞ」
小鳥「あ、そうだったわね。紙に書いて教えてあげなきゃ」
響「まったく、二度手間だぞ」
P「えーと、何々?両鼓膜破損?なんだって!!!!」
響「うるさっ!声が大きいぞプロデューサー」
小鳥「しょうがないわよ……きっと音量の調節ができないんだわ」
響「だーれだ?」
P「ん?今声が…」
P「響が事故で死んでからもう1年か... 久しぶりに墓参り行くかな」
響「」
響「ごめんなープロデューサー。医療費とかは経費で落ちるらしいから勘弁してほしいぞ」
小鳥「響ちゃん、紙に書かないと……」
響「あ、そうだった」カキカキ
P「医療費とかそういう問題じゃないだろ!手ついて謝れ!」
響「ごめんねプロデューサー」ポンッ
P「手つくってのは『なるほど』ってなったときのことじゃない!床に手つけって言ってんだよ!」
響「えー!?それって土下座ってこと!?」カキカキ
P「当たり前だろ!」
響「自分わざと鼓膜破ったわけじゃないしそこまでするつもりはないぞ!」カキカキ
P「じゃ誰のせいでこうなったんだ?」
響「誰も悪くないと思う」カキカキ
P「お前……!」
亜美真美パパ「まあ入院させるから、今日は付き添いの方はお帰りください」
響小鳥「はーい」
P「まったく、なんて奴だ……」
響「ねーピヨコ。さっきのプロデューサーうざかったねー」
小鳥「そうね。響ちゃんが謝ったところで怪我が治るわけでもないのに」
響「小さいことでウダウダ言い過ぎだぞあのプロデューサー」
小鳥「それにしてもどのくらい入院するのかしら。場合によっては雇えなくなるかも」
響「そうなの?大変だなー」
小鳥「あ、焼き芋屋さんがあるわよ。響ちゃん一緒に食べない?」
響「食べるー!」
小鳥「お姉さんが奢ってあげるわ」
病室にて
高木「いやあ、災難だったようだねPくん」
P「すみません、聞こえないので書いていただけますか」
高木「おっとそうだったね。ん?つまり今は何を言ってもPくんには聞こえないわけか……」
P「?」
高木「……Pくん、君はクビだ。荷物まとめて故郷に帰りたまえ」
P「え?あの、ですから書いていただかないと……」
高木「わっはっは。一度社員に言ってみたかったのだ。さて、遊びはこれくらいにして用件を……」カキカキ
「鼓膜のほかに怪我はしてないのかな?」
P「ええ。耳が聞こえない以外問題ありません。不幸中の幸いでした」
「そうか。じゃあ体は普通に動くのだね?」
P「はい」
「じゃあ明日から仕事に来れるね?」
P「えっ」
「耳が聞こえないだけなんだろう?」
P「いや、そうですがそれは……」
「じゃあ、また明日。我が社にとっても大事な体なんだから気をつけてくれたまえ。それでは失礼する」
高木「お大事に」
ガチャ バタン
P「……」
ドブラックやで
翌日
P「おはようございまーす……」
響「あ、プロデューサー。もう出てきて平気なの?」
P「……用が紙に書いてくれ」
響「あ、忘れてた。じゃあいいや、なんでもない」
P「……」
律子「プロデューサーの代わりに営業行くことになったわ。響、準備して」
響「わかったぞ!」
律子「プロデューサーは事務の仕事やっててください、っと」カキカキ
P「……わかった」
亜美「あーみキーック!!」ドスッ
P「!」ビクッ
真美「にーちゃんいつもよりビビりまくりでチョーおもしろいよ→」
亜美「んっふっふ~。次はどんな攻撃をしかけようか……」
P「お前らやめろ!!!!!」
真美「わぁ~おマジギレじゃーん?」
亜美「ドッチラケ……行こ、真美」
真美「そだね、亜美」
P「……」
雪歩「亜美ちゃんと真美ちゃんにあんな大きい声出して怒るなんて……やっぱり男の人ってこわいなあ」
春香「うんうん、あれはひどいよね。大人の人のすることじゃないと思う!」
雪歩「春香ちゃんそんな大きな声出したら聞こえちゃう……って聞こえないんでしたぁ」
春香「雪歩の今の発言も相当ひどいよ?」
雪歩「あうぅ、そんなつもりじゃないのにぃ……」
春香「ま、でも事実だからしょうがないよね」
そんなこんなで一ヶ月後
響「はいさーい!」
P「響、おはよう」
響「あれ!?プロデューサー、耳治ったのか?」
P「ああ、おかげさまでな」
響「そっかー。じゃあこれからは営業も行けるんだよね?」
P「もちろん」
響「これはめでたい」
響「(ようし、サプライズでパーティーでもしてあげよっと)」
数日後
P「おはようござい……」
クラッカー「パーン!!パパーン!!」
全員「鼓膜復活おめでとー!!」
響「祝!!プロデューサー鼓膜再生!!~プロデューサーのPはピッコロのP?~」
P「みんな……」
小鳥「まったくもう、心配してたんですからね?」
律子「これでやっと仕事が楽になるわね……」
亜美「にいちゃん、これからはもっと一緒に遊べるよね?」
真美「太鼓の達人また一緒にやろーね!」
P「みんな……」
P「(これからどうやって復讐しようか考えていたのに……なんて優しい連中なんだ)」
響「悲しい出来事だったけど、おかげでプロデューサーの新しい一面も見れたしよしとするさー」
亜美「だよねー。にいちゃん意外と心が狭いんだもん」
真美「これからは腫れ物に触るように扱わないとなんないよねっ」
P「……は?」
小鳥「まあまあ、確かにちょっとアレだったけど、過ぎたことは忘れましょうよ」
高木「うむ、その通りだな。彼の性格についてはこれから直してもらえばいいじゃないか」
響「それもそうだね!プロデューサー、がんばるんだぞ!」
P「……ッッ」プルプル
P「ふざけるな!!!!!!」ビリビリ
シーン
P「なんなんだお前等は!人の耳聞こえなくしたり、出勤させたり、嫌がらせしたり!!」
響「……」
P「誰一人俺に気を遣ったりなんてしてなかっただろ!それをなんだまるで俺のせいで全員迷惑したみたいな言い方!!」
春香「……ちょっとプロデューサーさん」
P「なんだよ!!!」
響「そんなふうに、女の子たち相手に恫喝して恥ずかしくないのか?」
P「元はといえばだな……!!!!」
春香「響ちゃんの言うとおりですよ。実際プロデューサーさんがみんなに迷惑かけたのは事実じゃないですか」
亜美「亜美達兄ちゃんに怒鳴られてメッチャ怖かったもんね→」
真美「ほんとだよ→」
美希も…美希もそっちなのか…?
春香「その辺も水に流して許してあげようと思って、こうやってパーティーも開催したんですよ?」
雪歩「せっかく楽しいパーティーだったのに……」
高木「……Pくん、我が社のアイドルたちにそれ以上言うのなら私としても何らかの措置をとらねばならない」
P「ちょっ……!!」
高木「ひとまず謝りなさい」
やよい「ううー……プロデューサー、こわいですー……」ウルウル
千早「大丈夫よ、高槻さん。泣かないで」
小鳥「謝ってください。ちっちゃい子まで泣かせて、見損ないました」
P「し、しかし……!」
高木「Pくん!!!!」
P「」ビクッ
P「……すみません、でした」
高木「え?」
P「すみませんでした!!」
高木「……許してくれるかね、みんな」
響「……自分は許してあげてもいいぞ」
春香「響ちゃんがそう言うなら……」
亜美「亜美も」
真美「真美も」
雪歩「私も……」
亜美真美「ゆきぴょんは黙ってて!!」
P以外「ドッ」ワッハッハ
P「……」
小鳥「ところで、あの子たちそろそろ帰ってきますね」
高木「ああ、美希くんたちのことだね?長いこと海外に行かせていたからね。早く会いたいものだね」
律子「向こうでの活動報告が楽しみですね」
P「(ああ、貴音と美希と真は海外に行かせてたんだっけ……すっかり忘れてた)」
数時間後
高木「さて、そろそろお開きにしよう」
小鳥「みんな気をつけて帰るのよー?」
全員「はーい」
P「お疲れ様でした……」
律子「あ、プロデューサーはこの書類お願いします」ドサッ
小鳥「戸締まりよろしくお願いしますね?お疲れ様でした」
P「……」
P「なんだか、ここ一ヶ月で十年分くらい疲れた気がするな……」
P「どうでもいいや。さっさと終わらせて帰ろっと」
prrrrrrrrrrr
P「ん、電話か……美希からだ」ピッ
美希『もしもしハニー!?今事務所にいる!?』
P「ああ。どうしたんだ?」
美希『じゃ、またなの!!』
P「……なんだったんだ一体」
数十分後
バターン!!
P「なんだ!?」
美希「は、ハニー!!お久しぶりなの!」
P「美希!?お前、アメリカにいるはずじゃ……」
美希「今日の便で急いできたの!どうしても見てもらいたい物があって……」
P「見てもらいたいもの……?」
美希「ジャーン!!美希たちがとった賞なのー!」
P「えーと何々……アカデミー主演女優賞にアカデミー主演男優賞にアカデミー助演女優賞!?これ全部お前と真と貴音でとったのか!?」
美希「そうだよ!ねー、美希たちえらい?」
P「偉いも何も……すごすぎるじゃないか!」
美希「やったー!ハニーに誉められた~♪」
P「そうか……お前たち、がんばってたんだな……」グスッ
美希「どうしたのハニー?泣いてるの?なんか嫌なことあった?」
P「馬鹿、嬉し泣きだよ」
美希「えへへ……あれ?そういえばほかのみんなは?」
P「ああ、もうみんな先に帰っちゃって……」
美希「そっかあ。ねえねえ、ミキたちが居なかったときのこと教えて?」
P「ああ、実は最近俺がちょっと怪我しちゃってな……」
美希「ええ!?大丈夫なのハニー!?」
P「もう治ったから心配ないよ」
美希「ほっ、よかったの」
P「それで今日もまたいろいろあってな……」
カクカクシカジカドンガラガッシャン
P「とまあこんな感じだったよ」
美希「……なにそれ」
P「おい、顔が怖いぞ?」
美希「なんなのなの!!ハニーは何も悪くないのに!許せないの!」
いーやーしーてー星井ー
カイカン、愛のリハビリでー
美希「ちょっと社長のとこ行ってくる!」
P「おい待て美希!」
社長宅
美希「社長!どういうことなの!?」
社長「おや、美希くんじゃないか。いつ戻ってきたのかな?」
美希「そんなことどうでもいいの!それより、みんなでハニーにひどいことしたって本当!?」
社長「ははあ……どうやら彼に何か吹き込まれたようだね。まあ、人間は自分が損しないためなら平気で嘘をつく生き物だからねえ」
美希「ハニーはそんなことしないよ!!」
社長「だったら私以外の人間とも話してみたまえ」
数日後
P「なあ美希、お前まだ日本にいていいのか?」
美希「……ハニー、ここの事務所は狂ってるの」
P「え?」
美希「もうミキ、ハニーをこんなとこに置いておけないの。ねえ、ミキと一緒にアメリカに行こ?」
P「うーん……思い切って、そうしようかな。俺も正直キツいしな」
プロデューサー、渡米決定!!
高木「星井君、もっと人気になりたくならないかね?そうだな…今晩、なんてどうかな?」
高木「え?退職金?出さないよ?だって退職願を受理していないからね」
その後、美希たちの力をフルに利用し、プロデューサーは世界的に有名なプロデューサーとして芸能界に名を轟かせた
その後
P「高木ちゃーん、お久しぶりじゃーん」
高木「おおおお久しぶりですPさん」
P「飯食いに行かない?奢るからさぁ~」
高木「はいっお供しますっ!」
P「じゃあ俺はフレンチのフルコース食べてるから、高木ちゃんはさっきコンビニの棚一個分買ってきたポテチね~」
高木「うっうっ」モシャモシャ
P「残したら鼓膜破壊だからよろしく~」
高木「ひっひいっ」
P「あとで響も飯に連れて行ってあげよっと」
P「(やっぱり悪いことをするといずれ自分に返ってくるんだな。人には親切にしなきゃダメだな!!)」
P「ほらほら、五分以内に完食しないとニートにしちゃうよ~?」
完
Pさんなにもしてないじゃないですか!やだー!
は?
P「……うわあああああああああああ!!!!!」ガバッ
P「はーっ、はーっ……」
P「ゆ、夢か……」
P「(ものすごい悪夢を見た……。まったく、いくら休み明けに響に『だーれだ♪』ってされるのが楽しみだからって動揺しすぎだな……)」
P「汗びっしょりかいた……シャワー浴びよ……」
休み明け 事務所
響「だーれだ♪」
P「んー、響だな!」
響「正解だぞー!なーんだ、やっぱり毎日会わなくてもわかっちゃうんだね」
P「当たり前だろ?」
響「やっぱり声だけでわかるの?」
P「それも大きいけど、あとは匂いとかかな」
響「げっ、匂いとか、ちょっと変態っぽいぞ……」
P「な、実際そうなんだからしようかまないだろ!?響は髪の量多いから、シャンプーのいい匂いですぐわかるんだ」
響「具体的に言わないでほしいぞ!恥ずかしいなー。嗅がれないように髪隠さなきゃ」サッ
P「(隠しきれる量じゃないのに……)」
夢ならちかたない
P「……」ナデナデ
響「わわっ、何で急に頭撫でるのー!?」
P「……いやあ、響ってほんっとにかわいいのな」ナデナデ
響「意味わかんないぞっ、離してー!」
P「やーだよ」ナデナデ
響「もー……」
P「(結局されるがままになる響かわいい)」ナデナデ
響「いつまでやるんだよー……」
響「あ、そうだ」
P「ん?」
響「明日は匂いでわからないようにマスクつけてきてよ!」
P「えー?めんどくさいがまあ、いいか。風邪予防だと思おう」
響「じゃあ、また明日仕掛けるからね!」
P「(それ言っちゃったら意味ないと思うんだが……)」
P「ああ、待ってるよ」
翌日
P「(しっかりマスクもつけてきた。ろそろ来るかなー)」
??「……だぁれだ?」ピトッ
P「(はいはい響響……ん?違うぞ、これは……)」
P「貴音か?」
貴音「お見事です。あなた様」
響「やっぱり声だけで判別できるのかー。プロデューサーなかなかやるぞ」
P「貴音ってのは意外だったけどな」
響「よおしじゃあ今度は……」
この後、目隠しして匂いだけで誰か当てたり、目隠しして鼻栓して触っただけで誰か当てたりするのだが、それはまた別のお話
完
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