雪女「やめてぇっ……溶けるぅぅ……っ!」(104)
大きな透明な箱に閉じ込められた雪女。
雪女「くっ……こんなにあっさりと捕まってしまうなんて……!」
雪女「ここから出しなさいっ!」ガンガン
男「無駄だよ、ボクが作ったその箱はいかなる妖力も受けつけない」
男「もちろん純粋な腕力で壊せるほど脆くもない」
男「つまり、君はそこから出られない」
雪女「私をどうするつもりなの!?」
男「すぐに分かるさ」
雪女が閉じ込められた箱を囲むように、設置されたストーブ5台。
男「これはストーブといってね」
男「人間にとっては暖を取るための機械だが、君にとってはどうだろう?」
男はストーブ5台のスイッチをつけた。
ブオオオ……
雪女「なんなの、この熱風は……」
雪女「あ、暑い……やめてぇっ!」
雪女「か、体が……熱い……」
雪女「や、やめてぇ……!」
男「やめないよ」
雪女「なぜこんなことをするの……!?」
雪女「私に何か恨みでもあるの……!?」
男「ないよ」
男「ボクの行動は、全てボクの好奇心によるものだ」
雪女「はぁ……はぁ……」
雪女「お願い……なんでもするから……」
雪女「早くここから出してぇ……」
男「う~む、思ったより変化がないな」
男「よし、温度を上げよう」ピッ
雪女「!?」
雪女「いやっ、いやぁぁぁっ!」
雪女「く、苦しい……はぁ、はぁ……」
雪女「ねぇ、お願い……私が悪かったのなら謝るわ」
雪女「だからもう、やめてぇっ!」
男「キミはまったく悪くないし、やめるつもりもない」
男「残念だけどね」
雪女「そ、そんなぁ……」
男「部屋の気温がだいぶ上がってきたね」
男「ダメ押しにもう少しだけ温度を上げよう」ピッ
雪女「やめてぇっ……溶けるぅぅ……!」
雪女「私の体がぁっ……!」
雪女「い、いやぁぁぁっ……こんなの、こんなのやだぁ……」
男「ようやく体が溶けてきたね」
雪女「ひぃっ……か、体がぁぁぁ……」
男「一度溶け始めると、早いものだね」
雪女「あ、あぁぁっ……こ、こんな……なんでぇ……」
雪女「いやぁ……あぁっ……」
雪女「た、助け……」
雪女「うぁ……」
男「もう少しだな」
チャプン…
一時間後、箱の中は水だけになった。
もちろんこの水は、元々は雪女だったものだ。
男「完全に溶けたようだな」
男「では、さっそく……」ガラガラ…
箱の下はタイヤがついており、男は箱を注意深く運んだ。
、_人_从_人__/
_)
,..r;;: ( 人) ) ,;`ー、 | ヽ丶 _) 消 汚
ヾゞ、 ゞ'´ '`´ `ヾ、 ─|─ _) 毒 物
-‐':、ゞ'`` ,l / | ヽ _) だ は
ヾ、 ゞ;;. ,r-、 `ヾ、 ヽ、 _) l
, rヾ ,r!/r'ヽ '` \ _|_ _) っ
_,,,.,ノ、_ ヽ, `ゞ;; ;:、 /| `) !
,r‐'''" ,.r ,イ彡ミミヾ、 `` ´;;i V^V⌒W^Y⌒
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;; ヾ、彡;;;ノリ;jjjjj;;;jr' i . ノ;;:'' `゙`、 ``ー、 ,ィ
彡冫;;il;;;ミ;;;;;y;レ ,t'´ ,.、ー、 ゝ ォ i|l;
;'イ;;;'ヾ``ヽ、ィ;;i ,ri'´ ヽ ヾノ ,ry' il'Y゙r ヽ、 ,j|l;;
j'´ '´ '´/ゞ';;::`´ヽ ``´ー ゙i ;;: ,r' ) ,r、 ,rヾlir'ミ,
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ーr-、j ,! ,;',;'ィ;;:イ''``ゞ、_,、-‐'´ヽ:;/ 、 ``ヽ ;:、 `' (´ `ゞ、;;;;'',,fi、,≡:;イ==、
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' ー‐─ ,rー'゙ー─-、_j;:r'´ ヾ,ゞ 、 ゞ,ミ;:l;;l ,! ,!,i;;'´¨/
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.... _,,,ィ、 i 'ヾ人 、}( / ノ ,r'i r'"ヾ-‐i‐-:;イ, / ヾ
男がやって来たのは浴室だった。
男は箱の中の水を注意深く浴槽に入れる。
一滴残らず入れる。
ストーブでだいぶ温めたため、雪女だった水はぬるかった。
男(……本当は熱い湯の方が好きだけど)
男(沸かさない方がいいだろうな)
男は体を洗った。
頭のてっぺんからつま先まで、念入りに洗った。
そして普通の水で体を洗い流し、いざ浴槽へ。
男「行くぞ……」チャプン
男は雪女だった水の中に入った。
男「うん……」
男「悪くない……」チャプン
全身をくまなく、あの美しい雪女に抱き締められたような感覚が襲う。
男「気持ちいい……」
男「なんという気持ちよさだ」
男は水面を波立たせた。
男「………」ジャブジャブ
まるであの雪女のような美しい波紋ができた。
男(ふぅ……)
男(ようやく夢が叶った……)チャプ…
男は風呂が好きだった。
全国を巡り、あらゆる温泉に入った。
そんなある日、彼はある話を聞いた。
『雪女を溶かした水に入浴すると、とても気持ちいい』
その風呂の水を半分にして凍らせれば小さい雪女が二人になる…?
一旦木綿に抱き枕のプリントしたら嫁がふわふわ動いてくれるのかな
男は夢を叶えるため、妖怪を研究した。
雪女を探し求めた。
──そして苦心の末、雪山で雪女を捕えることに成功し、今に至る。
男「この水が、雪女なんだよな」
男(自分でやっておいてなんだが、とても信じられないよ)チャプチャプ
男「ハハハ」チャプチャプ
男はしばし、水を弄ぶのを楽しんだ。
男「………」ブルッ
男(体が冷えてきたな)
男(そろそろ上がるか)ザバァ
男はなるべく雪女の水を減らさないよう、注意深く浴槽から上がった。
男「さてと……」
男「次の準備をするか」
ほ
男は服を着ると、大量の氷を浴室にまぶした。
風呂場がどんどん冷えていく。
そして、しばらくすると──
男「お久しぶり」
雪女「さっきはよくもやってくれたわね……!」
浴槽の水が雪女に戻った。
男「ボクは自分の夢のためにキミを汚した」
男「キミを捕え、ストーブで溶かし、あげくその中に裸で入った」
男「キミにとっては死にも勝る屈辱だったろう」
男「もちろん、ただで済むとは思っていない」
男「ボクの命一つでキミの怒りが収まるとはとても思えないけど──」
男「殺すなり、凍らすなり、キミの好きにしてくれ」
雪女「あれだけのことをしておいて、ずいぶん潔いじゃない」
男「最初からこうすると心に決めていたからね」
雪女「つまり、アナタは私の思うがままってこと?」
男「そうだ。好きにするといい」
雪女「ふふふ……それじゃあ……」
男「………」
雪女「もう一回やって」
男「えっ」
こうしてイフリートができていくのか
男「ゴメン、もう一回いってくれないか?」
雪女「だから、私を溶かしてもう一回さっきのやってよ」
男「いやいやいやいや、意味が分からない」
男「キミはあれだけの仕打ちを受けたんだぞ?」
雪女「えぇ、最高だったわ……」
男「えっ」
雪女「私はアナタによって溶かされて──」
雪女「体の全てが液体となった」
雪女「アナタはそんな私に全身を委ね、私を存分にかき回したのよ」
雪女「まさか、あんなにキモチいいなんて……思わなかった……」
雪女「ほら、さっきまでのことを思い出すだけで……」
雪女「あ、あァッ……!」ビクッ
雪女「ハァ……ハァ……」
男「………!」
温泉の元入れてフローラルな雪女にしたいな
男「わ、悪いが……ボクはもうキミを溶かすつもりは……」
雪女「あら、逃げるの?」
雪女「うふふ……ダメよ。逃がさない」フワッ
男「あ……あ……」
雪女「さっきまでの威勢はどうしたの?」
雪女「こんなに顔を真っ赤にして……」
雪女「うふふ……」
雪女「それに……私に浸かってる最中……」
雪女「アナタ、ずっとおっきくしてたじゃない。ちゃんと知ってるんだから」
雪女「キモチよかったんでしょ? ……私の中」
男「いや……あれは……」
雪女「あら、今もおっきいのね……どれどれ」スリスリ
男「や、やめっ──!」
雪女「うふふ……」スリスリ
男「あ、あ、あぁっ……!」ビュルッ
男「ああぁっ!」ビュルルルッ
雪女「うふふ、いい声ね……」
男「あ、あ、あ……」ビクッ ビクッ
雪女「あらあら汚れちゃった」
雪女「じゃあもう一回お風呂に入らないとね……」
男「い、いや、でも……」
雪女「今度は浸かりながら出してもいいのよ?」
雪女「アナタの分身だって、私の中を泳ぎ回りたいはずよ」
雪女「きっと私もさらなる快楽が得られると思うし……」
雪女「想像しただけでゾクゾクしちゃう」
雪女「ね?」
男「ハァ……ハァ……ハァ……」
雪女「なんだったら人のカタチのまま相手してあげてもいいし……」
雪女「これからアナタと二人、楽しくなりそうね……」
男(捕まったのは……雪女じゃなかった)
男(捕まったのは──)
男(ボクだった……!)
男(ボクはもう、身も心も彼女のモノ……)
男(ミモココロモ、カノジョノモノ……)
<おわり>
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