男「暇だから元彼女にメールでも送るか」 (96)
男「何か眠れないな・・・」
男「でもやることもないしなぁ」
男「そだ元カノにメールでもしてみるか」
男「『最近どうしてる?』っと・・・」
男「・・・」
男「なかなかメール来ないな」
カ゛チャ
男(ん?ドアが開いた音?)
男「友達でも入ってきたのかな?」
元カノ「そうね。最近は最悪。あんたのせいで」
男「・・・」
男「こ、こんばんわ」
元カノ「ええ、こんばんわ」
元カノ「あ、お邪魔するわよ」
男「う・・うん」
男(もう家の中入ってんじゃん・・・)
男「ひ、久しぶりだな」
元カノ「ええそうね。久しぶり」
元カノ「それで・・・そうそう」
元カノ「最近の話だったわね・・・うん」
元カノ「最近は本当に地獄みたいな日々ね」
元カノ「あんまりいらいらするからバイト先で暴れてやったわ」
男「あ、あばれた?」
元カノ「ええ。首になったけど」
男「そ、そう」
元カノ「まぁ積もる話もあるでしょう?」
元カノ「夜食でも作るわね」
男「お前な・・・寝る前だぞ」
元カノ「どうせ寝られないんでしょう?」
男「まぁ・・・そうだけど」
元カノ「じゃあいいじゃない。野菜炒めでいい?」
男「おう」
元カノ「はい。できたわ。少し油っぽくなったけど」
男「はは。お前の料理が油っぽいのはいつもの事じゃん」
元カノ「はぁ?」ギロ
男「うう・・・にらむなよ」
元カノ「ふふ。あなたの怯えた顔は本当にかわいいわ」
男「そうかい」
元カノ「今日は泊まるから」
男「ええ?でもさ」
元カノ「いいじゃない。何かするわけじゃないもの」
男「でもさ・・・俺」
元カノ「ん?」
男「彼女いるぞ。今」
元カノ「そう。知ってるわ」
男「知ってるの?」
元カノ「ええ。知ってる」
元カノ「あなたのことだもの。」
男「そうか」
元カノ「ええ。そうよ」
男「あ!でも」
元カノ「今度は何よ?」
男「彼女がいるのに元カノを家に泊めるってのは・・・」
男「何かなぁ・・う~ん」
元カノ「いいじゃない。あなたはそういう奴でしょ?」
男「なんだその言い方」
男「怒った。もう泊めさせてやらない」
元カノ「嫌よ」
元カノ「じゃあシーツ敷くからね」
男「・・・・」
男「おい同じベッドで寝るのか?」
元カノ「ああこれはミスミス」
男「本当にミスかよ」
元カノ「何よ?私が信用できないの?」
男「そういうわけじゃないけどさ」
男「いや待てそういう問題じゃないだろ」
男「何もなくても同じベッドで寝るのはおかしい」
元カノ「一般常識を心得ているってことね」
男「そうだ」
元カノ「男の癖に」
男「・・・」
元カノ「ねぇ?男」
男「何?」
元カノ「そういえば聞いてなかったんだけど」
元カノ「あなたはどうなの?最近」
男「俺か?」
男「う~ん」
男「まぁ普通かな」
元カノ「普通?」
男「うん。普通に楽しいよ大学もバイトも」
元カノ「そうなの。よかったじゃない」
元カノ「私が苦しんでる間に男は楽しんでるのね。それはさぞよかった」
男「何だよお前・・・久しぶりに会ったと思ったら」
男「でもお前だって苦しいったって充実してるんだろ?」
元カノ「充実?」
男「受験失敗した俺と違って」
男「超一流大学入って。お前なら男子生徒引く手あまたじゃないのか?美人だし」
男「はは。俺とは雲泥の差」
元カノ「そう。だからあなたは馬鹿なのよ」
男「は?」
元カノ「ねぇ?男。聞いてもいい?」
男「何?」
元カノ「何で私のことフッタの?」
男「・・・」
男「別になんとなくだよ」
元カノ「私はなんとなくで振るような女なの?」
男「そんなことない」
元カノ「そうなの?」
男「・・・うん」
元カノ「そう・・・」
男「何だよ」
元カノ「いや私も同じ」
男「は?」
元カノ「男はなんとなくで別れる相手じゃなかった」
男「・・・」
元カノ「受験一生懸命ふたりでがんばったのにね」
男「ごめん」
元カノ「どうして謝るの?」
男「せっかくお前が教えてくれたのに」
男「俺だけ落ちちゃって・・・」
男「しかも・・まさか落ちるなんて考えてなかったから」
男「はは・・今じゃよくわかんない大学のよくわかんない学部にいるわ」
元カノ「そうなの」
元カノ「それで?今はなにやってるの」
男「だから・・・よくわからない大学の」
元カノ「もういいわ」
男「そ、そうか」
元カノ「もう寝ましょうか」
元カノ「明日は平日」
男「おう」
元カノ「お休みね男」
男「おい・・俺のベッドで寝るな」
元カノ「やっぱり駄目だった?」
男「駄目」
元カノ「男のケチ」
元カノ「今日は晩御飯は秋刀魚とお味噌汁でいい?」
男「お前今日も来たのか」
元カノ「ええ。来たけど」
元カノ「何か問題でもありました?」
男「そりゃあるだろう」
男「俺今彼女いるしさ」
元カノ「今日はその子来るの?」
男「別に・・・来ないけど」
元カノ「だったら良いじゃない。好都合で」
男「いや駄目でしょう普通」
元カノ「何で駄目なのよ。私と貴方の仲でしょ?」
男「元彼女よりも今の彼女の方を優先すべきだろ?」
元カノ「一般常識ではそうかもね」
男「俺は一般常識外の人間ってこと?」
元カノ「違うの?」
男「・・・・」
元カノ「わめいてないでコップを出せ腑抜け」
元カノ「もうご飯できたんだから」
元カノあ、「麦茶くらいはあなたが入れてね」
男「それくらいいいけどさ・・・・」
元カノ「やっぱり秋刀魚はおいしいわね」モグモグ
男「ああ・・そうだな・・・」
元カノ「あら?煮え切らない態度とって」
元カノ「秋刀魚。いやだったの?」
男「いや・・そんなんじゃなくてさ」
男「何か変な感じするなって」
元カノ「抽象的に言うのはやめて。聞き返すのが面倒だから」
男「・・・・」」
男「いや・・お前ともう会うことなんてないと思ってたのに」
男「この部屋にお前が来ることが何かな・・・って思ってさ」
元カノ「それはあなたが勝手に思ったんでしょ?」モグモグ
男「?」
元カノ「私の行動は私が決めるから勝手なこと言わないでね」モグモグ
元カノ「早く食べたら?」
元カノ「秋刀魚。おいしいわよ」
男「あ、ああ」
元カノ「おいしいおいしい」モグモグ
男「・・・」
男「はぁ」
元カノ「zzz」
男「・・・」
男「こいつ今日も泊まりやがって」
男「彼女持ちだっていってんだろ」
男「はぁ」
男「何だろ今の状況」
男(こいつは未来を見て前を見てがんばってる)
男(俺みたいな後ろを振り向いてばかりのウジウジ野郎とはちがうんだ)
元カノ「あなた」
元カノ「私が目の前で無防備に寝てるのに少しもいたずらしないのね」
男「うわ!起きてたの?!」
元カノ「起きてたのよ」
元カノ「何よ?私が起きてたら駄目なの?」
男「何でわざわざ寝た振りなんかしたんだよ」
元カノ「実験してみたの」
男「実験?」
元カノ「そう」
元カノ「男が無防備な私に手をだすかどうか」
男「そうか。なら合格だよな。彼女持ちが元カノに手を出すか」
元カノ「結果は・男はとんだ腑抜けになってしまったとさ」
男「いや、彼女持ちなら当たり前のことだから」
元カノ「こんな美人な女の子が誘ってるのに」
男「誘ってたの?」
元カノ「それとも、あなたにとって私はそんなものなの?」
男「・・・」
男「なんだよその質問・・・・」
元カノ「少し踏み込んでみようかと思って」
男「・・・もう寝るからな」
元カノ「そう」
男「・・・」
元カノ「お休みなさい。腑抜け。軟弱もの。」
男「寝られないからやめて」
元カノ「嫌」
~大学~
男「おはよう」
男友「おはー」
男友2「おはよう」
男「みんな相変わらず早いなぁ。朝」
男友「俺寝てない。夜バイト入れてたからそのまま」
男友2「うわ!体持つ?」
男友「授業中ねるから」
男友2「絶対ノートは見せねぇ」
男友3「おはよー」
男「おう」
男友「おはよっす」
男友2「おっす。早いなお前も」
男友3「うん。昨日寝るの早くてな」
男友「何してたんだよ~」
男友3「はぁ?何もしてないって」
男友3「あ!」
男友3「それでっさ~男?」
男「ん?」
男友3「今日お前の家遊びに行ってもいい?」
男「はぁ?いやだよ俺彼女持ちだぞ?」
>>39
>男友3「今日お前の家遊びに行ってもいい?」
>男「はぁ?いやだよ俺彼女持ちだぞ?」
!?
男友3「はぁ?だからなんだよ?」
男友3「友達の家に遊びに行くのに彼女持ちかどうかなんて」
男友3「関係ねーよ。なぁ?」
男友「はは・・・・」
男「だってお前・・・さ」
男「その・・・ゲイでしょ?」
男友3「ん?」
男友3「あー・・・まぁ」
男友3「そうだね」
男友2「・・・」
男友「俺疑問あるんだけど良い?」
男友3「何よ?言ってみ?」
男友「何でお前ってゲイなの?」
男友2「直球だな!」
男友3「いい質問だわ」
男友「は?」
男友3「異性同士の恋愛ってよぉ、結局異性の部分に惹かれるわけジャン」
男友「体つきとかな。筋肉とか胸とか」
男友3「でも同性愛ってそういうのじゃないってか」
男友3「本当の人間愛な気がしねーか?そういうの抜きの恋愛なんだから」
男友「う、うーん・・・そうなのかな」
男友3「そうだよ」
男友3「性欲抜きってかさ、相手の人格に惚れてるんだぜ?」
男友3「何か、神秘的というか真実の愛な気がしねーか?」
男友「う、うーん」
男友「そうなのかなぁ・・・」
男「おい・・お前言いくるめられんなよ」
男友3「ま!俺はムキムキな筋肉に興奮するからさ」
男友3「今の話は関係ないんだけど」
男友2「じゃあ今の説明なんだったんだよ!」
わはははは
男「大学終わったぁ・・・」
彼女「せんぱ~い!」
男「あ・・・彼女ちゃん」
彼女「はい!一緒に帰りません?」
彼女「先輩も講義終わったんでしょう?」
彼女「久しぶりに先輩の家。行きたいですよぉ」
男「講義は終わったけどそうだなぁ・・・」
男(家には元カノがいる可能性があるからな・・・)
彼女「どうしたんですか?」
男「いや・・・なんでもないよ」
男「家じゃなくてさ、遊びに行かない?」
彼女「んーー」
彼女「でも私お金があんまり・・・」
男「・・・」
男「大丈夫!俺が出すことにする」
彼女「えぇ・・悪いですよぉ?」
男「心配するな!お前より金持ってる」
彼女「本当ですかぁ?」
男「おう。バイト代も出たばっかりだ」
彼女「そうですかぁ。じゃあお言葉に甘えます」
男「さてさて・・」
男(どこに連れて行こうかな・・・)
男(せっかくだから喜ばせてあげたいけど・・・)
彼女「あ」
男「何?何か思いついた?」
彼女「ホテルでも行きますかぁ?」
男「・・・」
男「・・・いやそれはいい」
彼女「そう?」
彼女「・・・テーマパークかぁ・・・」
男「うん。女の子といってみたかったんだ」
彼女「ふぅ~ん・・・・」
男「なんだ?テンション低くくない?」
彼女「いや・・・」
彼女「先輩私のことそういう風に見てるのかなぁって」
男「はぁ?」
彼女「だから私が、こういうところで喜ぶ女だと思ってるのかなって」
彼女「先輩?私もう大学生ですよ?」
男「わ、わかってるよ?」
男「でもさ・・・別に普通でしょ・・・」
男「テーマパークで遊ぶくらい・・・むしろ鉄板というか」
彼女「そうですかぁ?高校生っぽくないですかぁ?」
彼女「友達とかはクラブとかで遊んでるんですけどぉ」
彼女「私はテーマパークって・・・」
彼女「・・・」
男「い・・・いやごめん・・・」
男「マジで、そういうつもりじゃなかったんだけど」
彼女「もう良いですけどぉ」
彼女「・・・」
男「じゃ、じゃあさ!」
男「次はアイスクリームでも買ってくるから一緒に並ぼう?」
彼女「・・・」
男「・・・」
男(ああ、くそ!ずっと不機嫌だな)
男「わ、わかったよ・・・」
男「俺が買ってくるからそこで座って待ってて」
彼女「はぁ??」
彼女「私を一人で待たせるんですかぁ?」
彼女「こんな人が大勢いる場所で?」
男「いや・・・」
男「だって並ぶの疲れるかなぁって」
彼女「疲れるって・・・はぁ」
彼女「先輩って本当無神経」
男「お前そんなこと言ったって・・・」
男「お、俺はどうすればいいんだよ?」
彼女「逆ギレ?」
男「別に切れてねーよ」
彼女「切れてんじゃん」
~夕方~
男あ今日はこれで解散しようか・・・?」
彼女「えー先輩の家に行く」
男「え?家来るの?」
彼女「うん。何かだめですか?」
男「いそんなわけじゃないけどさ・・・・」
彼女「?」
男(あーやべー元カノいたらどうしよー・・・)
彼女「先輩もしかして浮気とかしてる?」
男「はぁ?してねーよ」
~自宅の前~
男「あ・・なぁ」
彼女「何ですか?」
男「片付けるからちょっと待ってて」
彼女「ええ?待つの?どのくらい?」
男「本当にちょっとでいいからさ」
彼女「わかりました」
彼女「マジあり得ない」ボソ
男「・・・・本当ごめんな」
彼女「良いから早く」
男「・・・おう」
男(・元カノは今日は来てなかったな・・・)
男「おっけ入って」
彼女「はいおじゃましま~す」
彼女「あー今日は歩きつかれた」
男「そっか。はいお茶」
彼女「うん」
彼女「って!熱!」
男「あ?熱かった?ごめん」
彼女「あつーい・・・口やけどした~痛い~」
男「ごめん。見せて?」
彼女「あーもう最悪!」
彼女「かえる!」
男「え?帰るの?」
彼女「うん」
男「でも来たばっかりじゃん!」
彼女「でも帰る」
男「そ、そっか・・・」
男「じゃあまぁ送ってくわ・・・途中まで・・・」
彼女「いや良い」
男「そ・・そう」
彼女「ほんっと!最悪!今日!」
男「・・・」
元カノ「中々可愛い子だったわね」ギィ
男「うわ!クローゼットから妖怪が」
元カノ「誰が妖怪じゃ」
男「てか・・・お前・・・・いたの?」
元カノ「ええ。いたわよ」
元カノ「今日も健気に男の帰りを待ちながらお料理を作ってたら」
元カノ「窓から男と女の子が二人で歩いてくる姿が見えので」
元カノ「急いでクローゼットの中に入ったわ!!」
男「そ、そっか気を使ってくれ」
男「って・・・それじゃあまるで俺が悪いみたいだな。悪いのはお前だ」
元カノ「何よ?私がここにいたら悪い?」
男「いや・・・悪いよ」
元カノ「いや、悪くないわよ」
男「何だよそれ・・・」
男「普通に不法侵入だ」
元カノ「あ」
元カノ「ところで今日の晩御飯はハンバーグね」
男「話を変えるな」
元カノ「私はハンバーグも好きな女なの」
男「ああ・・・そうかい・・・」
元カノ「ハンバーグ♪ハンバーグ♪」
元カノ「あ!麦茶ね!」
元カノ「・・・」モグモグ
男「・・・」モグモグ
元カノ「ねぇ?男」
男「何?」
元カノ「・・・」
元カノ「さっきの彼女さんかわいかったわね」
元カノ「私には及ばないけど」
男「・・・」
男「そうだろ?」
元カノ「自慢の彼女だぜ!っと?」
男「そんなわけじゃない・・・さ」
元カノ「あら?違ったの?」
男「違う・・・」
男「何となく付き合って・・何となく」
男「はは・・・俺はお前とは違うんだよ」
元カノ「私とは違うって?」
男「おう・・・俺はお前なんかとは違って」
男「何となく大学に入って・・何となく・・・」
男「俺はそんな奴なんだ」
元カノ「・・・」
元カノ「男」
男「何だよ」
元カノ「いい加減にしなさい」バシ
男「痛!」ドサ
元カノ「大学受験に失敗したからっていつまでウジウジしてるの?」
男「お、俺は・・・お前と同じ大学に受かりたかったのに」
男「お、落ちちゃって・・それで・・・申し訳なくて」
元カノ「申し訳なかったからこうやってウジウジしてるの?」
元カノ「だったら浪人でも、入り直すでもして私と同じ所にこれば良かったじゃない」
男「・・・」
元カノ「それに、申し訳ないから私と別れるの?それじゃあ本末転倒じゃない」
元カノ「私は貴方が好きなの」
男「・・・」
元カノ「確かにショックだった。私と同じ大学に行くと思ってた男が落ちて」
元カノ「男と別の大学に行くことになるなんて」
男「ごめん」
元カノ「でもそれは私があなたを好きだから」
元カノ「だから私はショックなのよ?」
男「俺はお前のことを考えてさ!!」
元カノ「そう・・・どうやら待っていても何も始まらないみたいね」
男「は?」
元カノ「ならわからせてあげる。私の想いがどれほど強いか」
男「わからせるって・・具体的に何すんだよ」
元カノ「そうね」
元カノ「ん」チュ
男「!!!」
男「お!おい!だから俺は彼女持ちだって・・・」
元カノ「どうせよくわかんない大学に通うよく分からないあなたに惚れた女でしょ?」
元カノ「私は違う。あなたをみて貴方を支えてあげる」
元カノ「貴方を愛してるから」
男「でも」
元カノ「決めたわ。男。私の大学を受け直しなさい」
男「は、はぁ?」
元カノ「でも?何?今の私立に通うより私の大学に通った方が学費だって安いじゃない」
男「ん・・・そうかなぁ」
元カノ「そうよ」
元カノ「ウジウジしないで。がんばることに遅すぎるなんて事はないんだから」
元カノ「がんばれ受験生!!!」
end
短編でした
終わり
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この変態が!