塩ゆでピーナッツがうますぎる (52)
これはやばい
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男「そうは思わないか?」
A「は?」
B「そんな食べ方しねえよ…なあ?」
C「煎ったのとバタピーしか食べたことないわ」
男「…………」
~自宅~
男「…ただいまー」
妹「あ、お帰りー
って、なんか元気ないね。どうしたの?」
男「…なあ、妹」
妹「ん?」
男「我が家の食卓はどこかおかしいのかね?」
妹「……は?」
妹「ちょっとまって、突然すぎて話が掴めないんだけど」
男「俺の周りはみんな塩茹で落花生なんて食べないそうだ」
妹「うん、理解できた…ってえぇ…?あんなに美味しいのに…」
男「癖になるよな」
妹「つまみ食いしてよく怒られるよね」
男「でも母さんもこっそり台所で食べてるのを俺は知ってる」
妹「まじか。ずるいよお母さん」
男「味見って量じゃねえぜあれは」
妹「でもさ、それだけでうちの食卓がおかしいとは言えないでしょ」
男「勿論だ。だが他にもこんな事があってだな……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
A『米にはやっぱタラコだよな』
B『俺魚卵嫌い。鮭缶最強』
C『沢庵で食いまくれるだろ。甘くないやつな』
A『男は?』
男『ん?焼き海苔に醤油つけて巻いて食べるやつ』
ABC『『『は?』』』
男「めっちゃ否定された…みんな味付け海苔しか食わんのだとさ…」
妹「私味付け海苔あんまり好きじゃないなあ」
男「同じく。そういえばこの前行ったホテルのバイキングで、焼き海苔と書いてあったから取ったら甘めの味付け海苔だったのにはイラッとした」
妹「ふ~ん………ねえ、ホテルのバイキングなんて私知らないんだけど…」
男「他にもこんな事がだな…」
妹「おい」
A『豆腐』
B『大根』
C『かぼちゃ』
男『味噌汁にかぼちゃ?』
C『旨いぞ』
B『あるな』
A『うちはあんまりやらんけど』
男『へー…俺はあおさ』
ABC『『『なんだそれ』』』
男「あおさ、知らないんだってさ」
妹「私あおさ苦手なんだけど」
男「いいじゃん、あのとぅるっとした感じ」
妹「くさい」
男「慣れろ」
妹「無理」
男「昼に食べたであろう青海苔は平気なくせに」
妹「何故わかったし」
男「歯についてるぞ」
妹「はやく言ってよ!!」
男「とまあそんなわけで、我が家の食卓は少しおかしいんじゃないかと思い始めたわけだ」
妹「ふーん…」
母「なるほど」
妹「あ、おかえり」
母「ただいま」
男「あ、聞いてた?」
母「うん。とりあえず」
ゴッ
母「私の作った料理を馬鹿にしてたってのはよくわかった」
男「欠片も聞いてなかったよね?」ヒリヒリ
男「で、今日の夕飯は?」
母「鍋」
妹「わーい」
母「豚肉が安く買えた。でも最近白菜高くて嫌になるわ…」
男「ネギも高いよな」
妹「豚肉ってことは、水菜のハリハリ鍋?」
母「そうよ」
男「あれ旨いよな」
妹「ねー」
母「味付けは私のアレンジよ」ドヤァ
男「………」
妹「………」
男「…なぁ」
妹「…うん」
男妹「(もしかして我が家の食卓がおかしい理由って…)」
母「?」
鍋<アッツアツヤゾ!
男「旨いんだけどなあ」
妹「ねー…」
母「ほら、豆腐も食べなさい」ポチャポチャ
~次の日、調理実習~
男「(母さん、アレンジ好きだからなあ…旨いけど)」スッスッ
男「(いや、もしかしたら昔から母さんの料理ばっか食べてたから俺達の味覚がおかしいだけなのか…?そういや外の料理に時々違和感を感じるし…)」トトトトトトトトトトトト
男「(…他所の家庭の味ってどんなんだろう)」ジューーーーー
A「料理すげえ上手いなおい」
男「できた」
男の料理
・白米
・茄子の味噌汁
・金平牛蒡
・生姜焼き
・?????
・野菜のサラダ~うさりんごを添えて~
B「すげえ…」
D「女子力で負けた…」
C「というか、調理実習で作る量じゃないよなこれ」
D「ん?ねえねえこれなに?」っ?????
男「えーっと…じゃがいもと魚肉ソーセージを素揚げした後甘辛いタレに絡めたやつ」
D「へー…初めて見た」
A「俺も」
男「(やっべ、これもマザーズ・オリジナル?)」
B「あ、うめえ」
C「すげえ酒に合いそうだな。これをビールで…」
先生「C、あとで生徒指導室に集合な」
C「」
男「…………」
男「どうやら味覚はまともらしい」
妹「帰ってくるなりどうしたのさ」
男「いや、な?もしかしたら母さんの料理ばっかたべてる俺達の味覚がおかしいのかと思ったわけよ」
ゴッ
母「ただいまー」
男「せめて挨拶してから殴りなよ」ヒリヒリ
妹「おかえりー」
母「ったく…失礼しちゃうわね。そもそもなんだっけ?塩茹でピーナッツや焼き海苔やあおさを周りが食べてないからうちのご飯がどこか可笑しいんじゃないか、だっけ?」
男「よくわかってるじゃん。とりあえず昨日殴ったことを謝罪してくれ」
母「んなもん私のオリジナルでもなんでもないし、他所があまり食べてないのは当然よ」
男妹「「なんで?」」
母「だって私、ここの出身じゃないもの。この辺だとそういう料理はあまり食べないのよ」
男妹「「…あー…」」
男「そういや、母さんも父さんも三重出身だっけ…」
母「そ。あっちは海苔とかそういうのをよく食べるからね」
妹「ピーナッツも?」
母「ピーナッツはどっちかというと愛知とか九州とかね。ほら、お父さん愛知の方の大学だから」
男妹「「なるほど」」
父「そういうことだ」
男妹母…「「「あ、おかえり」」」
父「ん、ただいま」
~~~~~~~~~~~~~
父「まあお前たちの考えもわかる。人と違うってのは不安になるもんな」
妹「うんうん」
父「それでも、たとえ他と違ってでも、故郷の味、おふくろの味ってのは捨てられないものなんだ」
母「ちなみにじゃがいもと魚肉ソーセージのやつも私のお母さんからの受け売りよ」
男「でも俺の故郷はここだから、故郷の味って言われてもなあ…」
父「ま、そりゃそうだろう。
それじゃあお前たち、塩茹でピーナッツは好きか?」
男妹「「好き(だよ)」」
父「あおさの味噌汁は?」
男「俺は大好き」
妹「私はあんまり…」
父「ふむ、まあ苦手なものがあるのは仕方ない。でも、それでいいんだ」
父「父さん達の故郷の味を食べて、好きなもの、嫌いなものを感じながら、我が家の『家庭の味』を受け継ぎ、後世に伝えていってくれることが、父さん達の願いなんだ」
男「父さん……」
父「さあ、お前たちはちゃんと後世に伝えられるかな?」
男「…ああ」
妹「…うん」
男妹「「まかせとけ(いて)!!」」
~十五年後~
???「お父さーん…あのね、みんながうちのご飯はおかしいって…」
???「うん?例えば?」
???「あのね、みんなはさめなんて食べないんだってさ…」
???「なるほど。じゃあ聞くけど、子はさめのたれは好きかい?」
子「うん!大好きだよ!!」
???「なら、何も問題はないさ」
男「それが、我が家の『家庭の味』なんだからね」
以上です。
VIPに立てようと思ったら間違えてSS速報に立ててたから焦った
即興は難しいね
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