ジュレイモン「わしの木の実を喰わんかーッ!」まどか「ひぃっ!?」 (50)



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空白は甘えじゃなくて[ピーーー]

まどか「~♪」テクテク

さやか「でさー♪」

「そこのお嬢ちゃん」

まどか「えっ? 今なにか聞こえた、ような…。 だ、誰!?」キョロキョロ

さやか「ど、どこにいるんですか?」

「そこの木に美味しそうな木の実が成っとるじゃろう」

まどか「この木?うわあ、おっきい木だなぁ…。」 

さやか「実って?…あ、あった…わぁ、すっげー美味しそうっ!」

「とっても美味しいよ。ひとつ食べてごらん」

まどか「いいんですかっ? わぁい!」テクテク

「ふふふふ…」

さやか「待って、まどか」

まどか「ふぇ?」

さやか「姿を見せてください。おじさん、どこにいるんですか?」

?「ふっふっふ…ここじゃよ」ズイッ

さやか「あ、そんな所にいたんだ」

まどか「…何か、ヘンだな…。 まるで木造の人形みたいな…」

?「ふっふっふ、失礼なことを言うわい。まぁ、ワシの美肌がツヤツヤすぎたせいかのう」

さやか「あっははははは! こら、まどかっ!」

まどか「あっ、ご、ごめんなさい…」

>>2
すまん イーモバはいろいろあるのだ…

マミ「待って!2人とも!」テクテク

まどか「マミさん!」

さやか「見てよマミさん! この実、すっげーおいしそう!」

マミ「2人とも下がって。そいつは魔女か、その使い魔のはずよ」ザッ

?「ま、魔女?」

さやか「何言ってるんですか! ふつうに人の言葉喋ってますし…」

マミ「そこの男はダミーよ。本体は、そこっ!」(木を指差す)

まどか「え…?」キョロッ

さやか「そういえば、なんか樹のシワが顔っぽく見えますね」

マミ「ティーロ!」ダキューンッ

チュインッ

まどか「ああっ、樹を撃っちゃったっ!」

ジュレイモン「ぐわぁっ!」ギャアアッ

さやか「ひ、ひええええええっ!? 樹が喋ったぁっ!」

マミ「これではっきりしたわ! あなたはやはり、魔女…」ソウルジェムチラッ

マミ「え…? ま、魔力の反応がない…? どういうこと?」

さやか「えっ」

まどか「魔女じゃないんですか?」

ジュレイモン「いてててて…。 これ嬢ちゃん、いきなり撃つでない。怖がらせちまったもんはしょうがないがのう」イテテ

さやか「また喋った!?」ヒエエ

QB「これは…何だろう。少なくとも、魔女やその使い魔ではなさそうだよ」

マミ「どういうことQB? これは…魔女じゃないの? だって有り得ないじゃない、樹がしゃべるなんて!」

QB「そうとも限らないよ。君たち魔法少女は、条理を覆す存在だからね」

さやか「ってことは… これは誰かの願いから生まれた、魔法の樹ってこと?」

QB「その可能性は否定できないよ」

ジュレイモン「怖がるのも無理はないのう。何せこんな姿なのじゃから。じゃがワシは、本当に美味しい木の実を食べてもらいたいだけなのじゃよ」

まどか「なんだか不思議だね。ねぇマミさん、この木の実、食べてみようよっ!」

マミ「う、うーん…」

QB「僕が毒見をしてあげるよ。あーん」モグッ

QB「これは…。高い栄養素を持った、素晴らしい食品だね。君たちが食べたら、味覚的にも楽しめるんじゃないかな」モグモグ

まどか「本当っ!? てぃひひ…じゃあ、私も…! あーんっ」モグッ

さやか「ちょっと待ってまどか!」

まどか「おいひーいっ!」シャリシャリ



ピピピピピピピ…

まどか「うーん…。夢?」

まどか「夢だったのかぁ…えへへ。まあ、当然だよね。でもあの木の実、すごく美味しそうだったなぁ…♪」ニヤニヤ

まどか「本当にあったら、食べたいなぁ…♪」

~学校~

まどか(確か、この辺だったなぁ…)テクテク

「そこの美味そうなガキィィィィッ!!!」

まどか「ひええっ!? だ、誰ですかっ!?」ビクッ

ジュレイモン「わしじゃあッ! こっちを向けいクソガキッ!」キシャアアアア

まどか「はわわ、でっかい樹のお化け…!」ガクガクブルブル

まどか(夢の中で会った、ような…)

ジュレイモン「必殺ぁぁぁぁつッ!『チェリーボム』ッ!」ドヒュドヒュ

ゴロゴロ…

まどか「あっ、あの木の実だ! 2個もあるっ!」

ジュレイモン「さあ食え!!」

まどか「ごくりっ、とっても美味しそうっ… じゅるりっ」ゴクッ

ジュレイモン「さっさとわしの木の実を喰わんかーッ!」

まどか「ひいっ!?」ビクッ

まどか(ど、どうしよう。夢の中の樹のおじさんと違って、なんか怖い…!)ビクビク

ジュレイモン「食え言うとるやろーがァァーーーッ!!」

まどか「あ、はいっ! ごめんなさい、すぐ食べますっ! あーん…」

さやか「まどかじゃん! なに食べてんの?」

まどか「えへへ、とっても美味しそうな木の実だよっ!」

さやか「へーすげー美味しそう! どこで買ったの?」ワクワク

まどか「そこの樹のおじさんにもらったんだよ!」

ジュレイモン「そこのキサマも食えーーーッ!!!」キシャアアアアア

さやか「ひ、ひええええええええぇぇーーーーーーーっ!!??」ペタン ガタガタ…

まどか「そうだよさやかちゃん、いっしょに食べようよ!」

さやか「た、食べるって、何を…? まずこいつは何なの?魔女の使い魔っ!? わ、私を食べる気…?樹だけに?」ガタガタ

まどか「ほら、そこに転がってる木の実だよ♪もう一個あるでしょ?」

ジュレイモン「そうじゃああっ! さっさと食ええええええっ!!!」グルシャアアアアアア

さやか「ひいいっ! って、あった。これか」チラッ

さやか「うーん… でも、地面に転がってるものってさ、あんまり食べたくない。そもそも魔女が落とした物なんて、食べたらどうなることか…」

ジュレイモン「つべこべ言わず食えーーーーっ!!!」ガルルルル

さやか「ほらやっぱり怪しいじゃんっ!! 絶対悪意に満ちてるよ、この果実!」

まどか「魔女じゃないよっ!」

さやか「えっ」

まどか「この人はね、一人の魔法少女の願いから生まれた、魔法の樹なんだ~♪ ちょっと怖いけど、みんなを幸せになってもらいたいんだよ~♪」

さやか「そ… そうなんですか?」チラッ

ジュレイモン「そうだよもうなんでもいいからさっさと食え!!」

さやか「ま、まどかがそう言うなら…。 じゃあ、向こうの手洗い場で洗ってこよっか」オドオド

まどか「うん、早く行こう!」ヨダレダラダラ

ジュレイモン「待てい貴様らッ!! どこへ行くかあぁぁッ!! ここで食え! できるだけわしの根元で食え!」ガルルルルルル

さやか「え?だ、だって地面に落ちたものなんて汚いし…!」

ジュレイモン「ンなこまけえこと気にすんなや!これだから近頃のガキは…。わしの若けぇ頃のガキは地面に落とした柿やザクロを平気で食っとったぞ」

まどか「そうだよ! ちょっとくらい汚れたって平気だって、こうやってハンカチで拭けば大丈夫でしょ?」フキフキ

さやか「うーん… じゃあ、そうしよっかな」ハンカチデフキフキ

まどさや「あーんっ」アーン

マミ「二人共待ちなさい!」スタスタ

さやか「はっ、マミさん!」

まどか「マミさーん! マミさんも一緒に食べようよ!」

マミ「貴女達、そこの化け物が怪しいとは思わないの!?」チャキッ

さやか「え、ま、まあ…。あたしは正直、ちょっと胡散臭いかなーなんて思ってましたけど…」

まどか「見た目で判断しちゃ駄目だよ! とっても怖いけど、きっと本当はとっても優しい人なんじゃないかなーなんて♪」

マミ「どう見ても魔女か使い魔じゃない! 貴女達、幻惑の魔法をかけられてるんだわっ!」

さやか「まあまあマミさん、落ち着いて…」

マミ「この状況で落ち着ける貴女達って何!? 自分達が正気だと思ってるの!?」

まどか「まあ見ててよマミさん。わたしがこの木の実を食べるから… あーんっ」

シュルシュルシュルッ ギシッ

さやか「うわっ! リボンでわたしたちの木の実が奪い取られたっ!」

まどか「返してよマミさん!独り占めしたくなっちゃうのは分かるけど、まだまだいっぱいあるからいいんだよ? マミさんの分もちゃんと…」

マミ「汁が飛び散らない距離まで木の実を引き離したわね…。ティーロ!」ドキュドキュンッ!

パンパァンッ

さやか「ああっ、木の実が弾け飛んだ!」

まどか「美味しそうな木の実が…!ひどいよ、こんなのもったいないよぉ…!」

ジュレイモン「このガキィィィィッ!!!わしの木の実に何さらすんじゃボケエェェェッ!!」

マミ「間一髪ってところね。二人にかけられた幻惑の魔法を解くために、一気に決めさせて、もらうわっ!」

マミ「いくわよっ!」ティロフィナーレキャノン準備

まどか「や、やめてマミさんっ! そのおじさんを撃たないでぇぇっ!」

さやか「あわわ、せめて話だけでも聞いてあげたら…」アセアセ

ジュレイモン「ぬううぅぅぅぅっ…! おどれ、何をするかあああっ!!」

マミ「問答無用よっ、ティロっ!フィナーレっ!」ギュイイイイインッ

??「食い物粗末にするんじゃねぇぇぇぇぇーーーーっ!!」ドゲシッ

マミ「きゃっ!?」ドカッ ドサンッ

さやか「ま、マミさんが蹴り飛ばされたっ! な…何者っ!?」

杏子「まったく。マミの奴、頭に血が上ってとんでもねー事しようとしやがって。ここ結界の中じゃないぞ?」

まどか「杏子ちゃん!」

マミ「げほっ… な、何をするの佐倉さん、そこの化け物の肩を持つ気? そいつは見ての通り、魔女の使い魔よ!」

杏子「だってほら、魔力の反応ねーじゃん」ソウルジェム

マミ「あ、本当ね…。ど、どういうこと?」

まどか「私の言った通りでしょ?その人は願いから生まれた魔法の樹なのっ! 人々をしあわせにする、希望の樹なんだよっ♪」

さやか「どっちにしたって、うさんくさい事に変わりはないんだけどね」

マミ「佐倉さん、そんな話を本気で信じるの!? きっと鹿目さんは幻惑の魔法で操られて、信じ込ませられてるのよっ!」

杏子「あそう、じゃあ幻惑魔法解除っと」パッ

まどか「どうしたの、杏子ちゃん?」キョトン

杏子「どういうことだオイ… こいつ、幻惑の魔法なんてかけられてねーぞ!?」

マミ「えっ!?」

さやか「えっ!?」

まどか「当たり前だよー! うぇひひ、マミさんったら私の話ぜんぜん聞いてくれないんだから。ひどいよ!」

さやか「まどか、し、正気だったんだ…。いや別に疑ってたってわけじゃないけどさ…」ブツブツ

マミ「え、ええっと…(困惑)」

杏子「まどかの話も、案外外れてないんじゃねーの? そういう愛と勇気が勝つストーリーだって、この世界にはひとつくらいあるさ」

ジュレイモン「必殺ッ!『チェリーボムッ』!!!」

ドヒュウンッ

マミ「っ! 佐倉さん避けて!」

杏子「サンキューおっさん! へへっ」パシッ

ジュレイモン「ば、バカなっ!? 完全体であるわしのチェリーボムを片手で受け止めるとは…! 信じられんっ!!」

杏子「うわ、すっげー美味そうじゃんっ! じゃ、遠慮なくいただくよ~♪」キラキラ

マミ「駄目…! 佐倉さん、食欲に負けないで!」リボンシュルシュル

杏子「無駄だよっ!」ズバッ

さやか「マミさんのリボンを切り裂いたっ!? す…凄い!」

杏子「邪魔すんなマミ! はぁはぁ、ごくっ…美味そうっ!」ヨダレジュルジュル

QB「危険だよ杏子! その果実は今すぐ捨てた方がいい」

杏子「はぁ!? お前にはやらねーぞ」

QB「その樹の正体は僕にはまだ特定できないけど、鹿目まどかの推論通り魔法少女の祈りから生まれた可能性はある。だけど、それが幸福のための祈りとは限らない」

QB「万が一の可能性だけど、悪意から生まれた祈りかもしれない。だからその木の実は…」

杏子「あんっ」モグッ

さやか「あっ」

マミ「佐倉さんっ!?」

まどか「うぇひひっ」

杏子「もぐもぐ…」ムシャムシャ

杏子「…うん、すっげー美味いじゃんコレ! こんなうまい果物はじめて食った!」シャムシャム

さやか「本当っ!?」

マミ「そう… そういう事もあるのね」ニコッ

まどか「おじさん、わたし達にもさっきの果物ちょうだいっ!」

ジュレイモン「言われんでも食らわせたらァーーーッ!! 必殺ッ、『チェリーボム』ウウウゥゥゥゥゥッ!!」ドヒュドヒュドヒュッ

さやか「うわ早っ…!」

まどか「きゃっ!?」

シュルル パシッ

マミ「もう、そんなに早く飛ばしてどうするの。鹿目さんや美樹さんが怪我をしちゃうでしょう」

マミ「はい、貴女達の分よ」シュルシュル

さやか「ありがとうマミさん!」

杏子「むしゃむしゃ、やっとその気になったんだなマミ。おっさーん、あたしにもう一個!もっとくれよ!」

ジュレイモン「もう一発喰らいたいとはいい度胸だな小娘ッ! お望み通り、食らわせてやるわあああーーーッ!必殺、『チェリーボム』ッ!」ドヒュッ

杏子「よっと。おっさん、球速もうちょっとおさえらんねーの? これじゃああたしらじゃなくっちゃーぶつかって怪我しちまう」パシッ

ジュレイモン「ぐううっ、2度も受け止めおったか…! 小娘やるな、貴様も完全体か?」

杏子「かん… 何て? まあいいや。いっただきまーす! あむっ」シャリッ

まどか「うぇひひ、杏子ちゃんったらがっついちゃって。美味しそうっ!」ジュルッ

杏子「お前も何さっきから遠慮してんのさ?さっさと食べちゃいなよまどか!」

まどか「もちろん! いただきまー…」アーン




「それには及ばないわ」




チュドドドドドーーーーーンッ ドキュキュキュキュキュッ

ジュレイモン「ぬぐうううおおおおおォォーーーッ!!!!?」

杏子「爆炎と銃創!?」

まどか「おじさん!? どうしたのおじさんっ!」

マミ「あれっ? 私の木の実が…」

さやか「無くなってる?」

ジュレイモン「おのれ小娘、不思議な術を使いおるな…小細工を!」

ほむら「何て奴…! これだけ弾を浴びせても死なないというの…!? はぁ、はぁ…」

まどか「ほむら、ちゃん!」

杏子「てめぇ! 樹のおっさんに何てことすんのさ!」シャリシャリモグモグ

ほむら「…佐倉杏子… あなた、それを食べてしまったのね…」

杏子「うん?な、何だよ」

さやか「ほむら、あんた…。こいつの事、何か知ってるの?」

ほむら「知らないわそんな奴。だけどわけのわからない存在から与えられるモノを口にするなんて、論外よ」

QB「それに関しては、僕も暁美ほむらと同意見だ。君たちは一種の集団催眠にかかっている!」

ほむら「あなたと同意見であっても嬉しくはないわ。私はひとりの人間として意見を言ってるの。食事を楽しむ習性の無い貴女達とは違う」ファサッ

マミ「そうかしら? こんな素敵な事があってもいいと思わない、暁美さん?」

ほむら「とにかく、まどか。それに美樹さやか、巴マミ、ついでにQB。決してそれを口にしては駄目。でなければ、貴女もああなるわ」ビシッ

杏子「え?お、おい、何だよ…」

ほむら「クロックアップ」ギュインギュインギュインギュイン…

杏子「うーん…なんか眠くなってきた…。ふわぁ…」フアー

さやか「ちょっと杏子、いきなりどうしたのさ?」

ジュレイモン「ぬわぁーーっはっはっはっは!! こっちに来い小娘ェェェーーッ!!! がはははははッ!!!」

杏子「むにゃむにゃ…。樹のおっさん、ちょっと根元っていうか幹のところで、昼寝させてくれ…」スタスタ

マミ「ねぇ…どうしたの、佐倉さん?」

まどか「うぇひひ、杏子ちゃん、お腹がいっぱいになって眠くなっちゃったんだね」

ほむら「佐倉杏子はもう手遅れよ、諦めなさい」

杏子「うーん、腹いっぱいだぁ…ふわぁ、おやすみ…」クタッ

ジュレイモン「ぐわははーーっ!! 小娘、わしの養分になるがいいーーーーッ!!」根っこシュルシュル

さやか「ああっ、あいつの根っこが杏子に!?」

まどか「杏子ちゃんっ!」

マミ「佐倉さんに何をするの!」ドキュンドキューンッ

ジュレイモン「イデデッ! おのれ、わしの根に傷をつけたなああぁぁっ!!」

マミ「佐倉さんから根っこが外れたわ!」リボンシュルシュル

さやか「マミさん、杏子は無事なの!?」

杏子「」

QB「…駄目だね。もう死んでいる」

さやか「嘘だよ、嘘だよね?そ、そんな…!目あけてよ!」

まどか「嫌だあ…! こんなのあんまりだよ、こんなのってないよ…!」ウエエエエン

ほむら「…二人とも、佐倉杏子のソウルジェムを大事に持って離れてなさい。ここは私と巴マミが片付ける」ザッ

マミ「佐倉さんの仇… 討たせてもらうわ!」ザッ

ジュレイモン「来るか小娘共ッ! ふはははは、5人まとめてわしの養分にしてくれるわああああああああッッ!!!」キシャアアアアア

まどか「離れてようよ、さやかちゃん」タッタッタ

さやか「う、うん…。ごめんね杏子、ちゃんとソウルジェム預かってるからさ。ちゃんと後で迎えに行くからね…!ぐすっ」ヒョイッ タッタッタ…

ジュレイモン「二人まとめて片付けてやるッ! …必殺、チェリーボムッ!!!」ズガガガガガガガガッ

マミ「よっ、はっ!当たらないわ!」

ほむら「魔女の使い魔のほうがまだ強烈な弾を撃ってくるわ。拍子抜けね」

ジュレイモン「さあどうした!!さっさとわしの木の実を拾って食えーーーーーーーーッ!!!!」グワアアッ

マミ&ほむら「は?」



コロコロ…

さやか「あいつが飛ばしてきた木の実だ… 杏子の命を奪った木の実!」

まどか「…でも、本当に美味しそうだね…」トローン

さやか「…まどか?駄目だよ!?」ガシッ

まどか「わかってる、分かってるけど…! ごくっ…」グーギュルルルルルル

さやか「ああ、うん。すっげー美味そう…!」ジュルリ

まどか「ね、ねえ、さやかちゃん… 匂いをかぐだけだったら、駄目かな?」ゴクリ

さやか「んっ… に、匂いくらいなら…。 さっきから嗅いでるわけだし、大丈夫じゃない…かな?」

木の実くんかくんか

まどか「…ふわぁあああああぁ…♪」トローン

さやか「すごくいい匂いだね、まどか…♪」スンスン

くんかくんか…

…小一時間後


ほむら「はぁ、はぁ…。どういうことよ! これだけ撃ち込んだのに! ワルプルギスの夜に備えた兵装をもう3分の1も使い切ったわ…!」ゼェゼェ

QB「学校の敷地内でそんなものをバカスカ撃つなんて、君はどうかしてるよ」

ほむら「黙りなさい!」ガシッポイッ

ジュレイモン「ウマイ!」バクッ モグモグ…

QB「きゅっぷい! わけがわからないよ…」グチャグチャ…

マミ「それにしても、なんて耐久力なの…!?」ハァハァ

ジュレイモン「そんなものか小娘共ォォッ! わしはかつて機械帝国に攻め込まれた時、核弾頭並みの威力のミサイルをブッ放ってくる空飛ぶ機械恐竜を追い払ったことがあるぞ!! 属性の相性的に厳しかったがな! グワハハハ!!」

ほむら「核弾頭!?」ビクッ

マミ「そ… そんなものを食らっても生きてられるっていうの!? なんて奴…!」

グーギュルル…

マミ「あ」

ほむら「…巴マミ、貴女…」

マミ「だ、だって!仕方ないじゃないっ! こんなに長い間、こんなにいい匂いを嗅いでいたら、お腹だって空くわよ!」アセアセ

クーキュルル…

ほむら「…」

マミ「今の、私じゃないわよね、暁美さん…」

ほむら「…」ゴクリ


まどか「はぁはぁはぁ、ねえさやかちゃん!舐めてみるだけ!舐めるだけならきっと大丈夫だよ!!ね!?試してみようよ!!!」ハァハァハァハァハァ

さやか「ごくっ…! ねえQB、この木の実から毒を抜くっていう願い事、できるかな?」ハァハァハァハァハァハァ

QB「ええっ!? 君はそんな願い事で契約するつもりなのかい!? まあ、早く絶望が来そうだから別にいいんだけど…」

ジュレイモン「ぬわははははは!! 雑魚どもが、笑わせてくれる!」

ほむら「くっ… 貴方! さっき核弾頭の恐竜がどうたらとか言ってたけど、どうやって追い払ったっていうの!? こんなしょぼい技で!」

ジュレイモン「? 近づいてきた所に、わしのチェリーボムを放り込んでやったわい! 当然奴は食って、腹を壊しおったわ!」

ほむら「どうやらあいつはバカのようね」

マミ「だけどこのままじゃジリ貧よ…! どうしようかしら…」

ほむら「…ねえ巴マミ。こいつを倒す意味ってあるのかしら」

マミ「え?」

ほむら「見ての通り、こいつは魔女でなければその使い魔でもない。倒してもこの濁ったソウルジェムは回復しないわ」ドローリ

マミ「うっ…」ソウルジェムドンヨリ

ほむら「ならもうこいつは放っておいてもいいんじゃないかしら…? まどか達は、こいつの果実が毒だって知っているのでしょう?はぁ、はぁ…」

マミ「だからって、こいつをほうっておいたら一般の人に危害が加わるでしょう!きっと他の生徒たちに同じ事をするに違いないわ!」

ほむら(くっ…! だからこの人は面倒なのよ…!)イライラ

ピカッ

ほむら「!? これは… 契約の光!?」

マミ「いったい誰が!?」

QB「それでいいんだね?美樹さやか」

さやか「…」ポウッ

まどか「さやか…ちゃん!?」

マミ「美樹さん、貴女…! だめ!」ダッ

QB「聞かせてくれるかい?君の願いを…」

さやか「私の願いは…!」


さやか「あいつの木の実を、完全回復アイテムにすることっ!」

ほむら「!?」

さやか「あの樹のモンスターの果実を食べれば、たちどころに病気が治り、ついでにどんな怪我も治り、ソウルジェムの濁りも完全回復する!」

さやか「欝っぽくなっても気分よくなる感じで、しかも味もめっちゃウマスな果物にすること!! お願い、QB!!」

ピカー

さやか「これが…私? そっか、とうとう私、魔法少女になっちゃったんだね…」

QB「契約は果たされたよ、さやか」

さやか「うーん…。でもこの衣装さ、ちょっと露出度高くない? 胸元が涼しいし、おヘソ出てるじゃん。それにこんな短いスカートじゃ戦えないでしょっ!」

QB「いやいや… 君が望んだ姿なんだから、僕に文句は言わないでよね」

まどか「ね、ねぇ! ってことは、もうこの木の実、食べれるってことだよねぇ!?」ハァハァ

QB「そうなるね」

まどか「ほ、ほら、さやかちゃん! あいつの木の実だよ、食べてみて!」

さやか「さんきゅーまどか! じゃあ第一番は、魔法少女さやかちゃんがもらっちゃいますよっ♪ あんっ」シャクッ

ほむら「!!」

マミ「み、美樹さん…!?」

さやか「っ…」モグモグ

まどか「ご、ごくり…!」ギューッ

QB「そ、そんなに強く絞められるとさすがに苦しいんだけど、まどか…」グエエエ

ジュレイモン「ぐわーーーっははははははは!!! ついに食いおったな!!バカめ、さあそこの赤い髪のおなごと同じ運命をたどるがいい!」

さやか「ごくんっ…!」

ほむら「…」

さやか「め…」プルプル

ほむら「…め?」ドキドキ





さやか「めっちゃうまっすよこれええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!」シャムシャム


メッチャウマッスヨコレー!…

ウマッスヨコレー!…

ッスヨコレー…



まどか「ほ…本当!? はむっ、もぐもぐっ!」シャムシャム

ほむら「だ、駄目っ! まどかぁぁっ!」ダッ

まどか「…おいひいーっ♪」モグモグ…

マミ「ほ、本当なの…? 本当に大丈夫なの?」

グーギュルル…

マミほむ「…ごくっ」ガシッ

マミほむ「もぐもぐ…」シャリシャリ

マミほむ「ごくっ!」ゴクンッ



マミ「…っ美味しーーーーーーいっ!! すごい、すごいわっ! はぐっ、もぐもぐっ!」モグモグシャリシャリ

ほむら「ああ、ソウルジェムが輝くっ! …こんな幸せな気持ちになったのは初めて…! まどか、美味しい?」モグモグ

まどか「美味しいよーっ! ほむらちゃーんっ!」

ジュレイモン「ははは、バカめ! とうとう全員食いおったな! さあ、わしの木の根元で永遠に眠るがいい!」

さやか「そうだ、この果物をすり潰してーっと…」ショリショリ

さやか「杏子! これ、飲み込んでごらん」

杏子ボディ「」

さやか「こうやって、無理矢理、喉に…! おらっ!」ネジコミ

さやか「あとは、こうやってソウルジェムを置けば…!」コトッ

杏子「」

杏子「…ふわあぁぁーーっ、良く寝たぁ~。あれ?あんたら何やってんのさ。 …ってさやか!?あんた…」

さやか「良かったあぁーーっ!! 杏子おぉおーーっ! 心配したんだからっ!」ギューッ

杏子「ぐえええっ!?」

ジュレイモン「バカな…! 死んだハズの小娘が、復活しただと…!? あ、ありえん…!貴様ら、何をしたァーーッ!!」ワサワサ

ジュレイモン「ぐううううううぅぅーーーーッ!! おのれ!! こんな事は認めんッ!!『チェリーボム』ゥゥゥゥッ!!!」ドヒュドヒュ

まどか「ありがとうございます! ありがとうございます!」

マミ「この木の実でパイを焼こうかしら♪」

さやか「おおっいいですねーマミさん! あたしの契約で食べれるようになったんですから、いちばんに食べるのはさやかちゃんですよっ!」

杏子「QB、あんたもくうかい?」

QB「いただくよ」モグモグ

QB「これは…! 素晴らしいよ、この木の実はエントロピーを凌駕した!」モグモグ

ジュレイモン「おのれ貴様らアァァーーーーッ! 一発ごとのDP消費がおかしいことになってるぞ!? どうしてくれるゥーッ!?」

まどか「樹のおじさんも食べなよ、あーん♪」

ジュレイモン「や、やめろッ! 死んでも食うものかあぁァァーーーッ!!」

ほむまどあんさやマミ「ほら、あーーーーんっ♪」×5

ジュレイモン「おのれ、このわしがあァァーーーーッ!!! …あ、美味い」モグモグ





こうしてジュレイモンは無害化され、見滝原中学校には再び平和が訪れた。

杏子はマミの焼いたチェリーボムパイを美味しく平らげた。

まどかは毎日ジュレイモンに肥料をやったり、虫を払ったりして世話している。

QBは木の実から魔女サイクルを上回るエネルギー機関を開発した。

さやかがチェリーボムを恭介にプレゼントすると、たちどころに恭介の手は自由を取り戻した。

仁美はさやかと協力してチェリーボムを高額で売りさばき、莫大な富を手にした。

ほむらはチェリーボムジャケット弾をワルプルギスの夜の口に射出して魔法少女に戻す計画を考案し、実行に向けて取り組んでいる。




…しかし、彼女達は皆、大きな事を見落としていた。それはジュレイモンの正体である。

さやか「おっさん、なんか葉っぱが枯れてきてるけど、大丈夫?」アセアセ

ジュレイモン「ゼェ、ゼェ…」ゼーハー

まどか「どうしたのおじさん…!? び、病気なの!? しっかりしてっ!」

さやか「肥料なの? 肥料が合わなかったからなの!? やっぱり肉の方が良かった!? ねえ、悪かったよ…! 元気になってってば!」

まどか「そ、そうだ! 木の実だよ! おじさんの木の実を食べれば治るよ!」

ジュレイモン「やかましいわ… わしらはデジタルモンスターだ、1ヶ月程経てばどんだけ無敵でも寿命が来るわい…」ゲホゲホッ

さやか「寿命…!? そ、そんな、早すぎるよ…!」

まどか「だめ、だめだよ、おじさん…! 死なないで!」カタカタ

ジュレイモン「今更ペンデュラムしたって遅いわ、ボケが…。そこの青いの」

さやか「わ、私っ!?」ビクッ

ジュレイモン「よくも今まで、わしをこき使ってくれおったな…。ウィルス種のわしを、善行に利用するなど…!」ゲホゲホ

さやか「ごめんなさい、ごめんなさいっ! もう無理なことしなくていいから、死んじゃダメっ!」

ジュレイモン「…フフ…。我がテイマーよ、こいつを、よ、よろしく頼むぞ…。うぅっ…」シュウウウウ…

ピーッ

まどか「おじさああああああああああああんっ!!!」

さやか「あたしって、ほんとバカ…」

さやか「うっ、ひぐっ…! あたしが調子に乗って、無理させすぎたから…!」

杏子「おっさあああぁぁぁんっ! おっさんがいなくなっちまったら、あたしは何を食えばいいんだよおおおおっ!」

仁美「な、なんてこと…!」

QB「せっかく宇宙を救うエネルギー機関ができたのに… 残念だ。君たち魔法少女には、これからまた働いてもらうよ」

ほむら「また武装を集めなくちゃいけないわね…」

まどか「ぐすっ… ま、待って! あれを見て!」ビッ

デジタマ「」ピコピコ

杏子「あれは… タマゴ?」

QB「生命エネルギーを感じるよ。さやか!」

さやか「きっと樹のおっさんが残して行ったんだね…」ダキッ

ピキピキッ パリッ

ニョキモン「にょきー!」

さやか「!? う、生まれた…!」

まどか「かわいいっ! なんだか種みたいだねっ!うぇひひっ!」

QB「この個体は…! さやかの祈りを受け継いでいる!」

まどか「ほ、ほんとっ!?」

さやか「わかったよ、おっさん…。この子を大事に大事に育てて…!」 

さやか「またおっさんみたいな、立派な樹にしてみせる!」


【ジュレイモン】

世代/完全体
タイプ/植物型
属性/ウィルス
必殺技/チェリーボム

ウッドモンが更に進化し、非常に高い知性とパワーを得たデジモンがジュレイモンである。
身体からは幻覚を見せる霧を発生させ、森の深みに誘い込み、枝のような触手やツタで敵を取りこんで自らの栄養としてしまう。
必殺技は頭部の茂みに生える禁断の木の実『チェリーボム』。甘い香りに誘われて、この木の実を口にすれば確実な死が待っている。

さやかはその後、大事に大事にニョキモンを育てた。

再び大きなジュレイモンに成長させることを目指して…。



…数週間後…



まどか「えへへ~♪ ニョキちゃーんっ♪ すっごく大きくなったねーっ!」ナデナデ

エアロブイドラモン「さあ、我がテイマーよ!共に魔女と戦いましょう!」

仁美「」

QB「」

さやか「だっ…大事に育てすぎた!!」


                     ~完~

何故ジュレイモンをセレクトしたのかが聞きたい

>>46
前々からチェリーボムって完全体のくせにアホな技だなーと思ってて、つい
あと3DSのデジモンワールド新作に新規で入ってたのが嬉しかった

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