アニ「果たせない約束」(113)
※エレアニ ネタバレ 地の文過多
開拓地で出会った1人の女の子。
いつも1人でいて、けっして他の人とは関わりを持とうとはしていなかった。
ある日、彼女が隠れて格闘術の練習をしているのを発見した。
普段は全く表情を変えないが、その時だけはいつもよりか少しだけ生き生きとしていた。
それが切っ掛けで彼女とは少しづつ打ち解けていった。
躰の鍛え方を教わったり、時には格闘術も教えてもらった。
ミカサとアルミンと一緒に話をしたり、食事を分け合ったりもした。
気がつけばいつも一緒にいるようになっていた。
辛い開拓地の作業も一緒に乗り切れた。
あいつから格闘術を教わるのが楽しかった。
いつも厳しいけど、時折り褒めてくれるのが嬉しかった。
ミカサたちと一緒に話をするのが面白かった。
そして、気づいた時にはもう彼女に惹かれていた。
勇気を振り絞って想いを伝えた。
彼女は戸惑いながらも、了承してくれた。
その後は、今まで以上に話をした。
いつかは壁外へ行き、冒険をする夢を。
彼女にも一緒について来て欲しいと頼んだら、喜んでくれた。
これからも一緒にいてくれると言ってくれた。
そして、壁が破壊されてから一年半、オレは彼女にあの日のシガンシナでの出来事を話した。
オレの母さんが巨人に食い殺された事も…
彼女は顔を蒼白にし、俯いてしまった。
そして、消え入りそうな声で呟いた。
ーごめん…なさい…
その日は、それで別れてしまった。
翌日、彼女は姿を眩ました。
開拓地をどんなに捜しても彼女はいなかった。
どうして…約束したじゃねえか…一緒に外の世界を冒険するって…
どうして…これからも一緒にいてくれると言ってくれたじゃねえか…
どうして…あの時、オレに謝ったんだよ…
どこに行っちまったんだよ…
ーアニ
キリが良いのでここまで
書き溜め作りながら投稿して行きます
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845年
壁内への潜入は成功した。
壁内に巣食っている悪魔の末裔共を滅亡させる使命の為に…
故郷の大人達の話によると、私たちの先祖が酷い辱めを受けていると言う。
正直、私は先祖達がどうなっていようと大して感慨は沸かないが、壁内にいる悪魔共は存在してはいけない"物"だと思った。
平気で残虐の事をする"物"。
その存在に対して憎悪が沸く。
*
*
そんな"物"は駆逐しなきゃいけない…
予定通りベルトルトが壁を破り、私は誘き寄せた巨人どもに紛れて潜入。
私の今回の役目は終わった。
逃げ迷うこの街の人々と一緒に走っていれば自然と内地への船着場に到着出来た。
後は門を破壊したライナーとベルトルトと合流して船に乗りローゼまで行けば良い。
合流しやすいよう門の近くへ行こうとしたら突如、腕を?まれた。
急な出来事に思わず正体がばれてしまったのかと思い不安に駆られる。
駐屯兵「ここは危険だ。早く船に乗るんだ!」
服装からするに街の兵士の様だ。
男の様だが髪を腰近くまで伸ばしポニーテイルにしている。珍しい。
どうやら私の正体がばれた訳ではないようだ。思わずホッとしてしまった。
駐屯兵「もう安心だ。さあ、こっちだ。子供がまだいる! 乗せてやってくれ!」
長髪の兵士は私を安心させるよう笑顔を作り私の手を引き、船へと連れて行こうとする。
ライナーとベルトルトとはまだ合流出来ていない。
予定が狂ってしまう。
しかし変に抵抗したら疑われてしまうかもしれない。
仕方なく素直に従う事にしよう。
後で合流すれば予定は戻る。
私が乗った直後、船は出港した。
船体の縁に手をかけ門を眺めていると、激しい破壊音と共に一体の巨人が突入してきた。ライナーだ。
ライナーが破壊した門から続々と巨人たちが侵入していく。
そして、近くにいる人間を捕まえては食らっていく。
その悲惨な光景を私は冷めた目で見つめる。
あんた等は私たちの先祖に酷い事をしてきたんだ。当然の報いだ。
人々が巨人から逃げ迷う中、果敢にも立ち向かっていく兵士も何人かいた。
しかし、実戦経験が無いのか、兵士たちはあっさりと?まっては食われていく。時間稼ぎにもなっていない。
その中に、見覚えのある人影が映る。特徴的な長髪のポニーテイル。
長髪の兵士は腰から伸ばしたワイヤーを使い、巨人の項に目掛けて飛ぶ。しかし、斬りかかろうとした瞬間、別の巨人に?まった。そして食われた。あっさりと。血を撒き散らしながら。
―ここは危険だ。早く船に乗るんだ!―
―もう安心だ。さあ、こっちだ。―
*
あの兵士の笑顔を思い出す。私を安心させようとしてた笑顔を。
………どんなに良い事をしようとしたって、あんたは悪魔の末裔共に変わりはないよ。
船上の人々が不安と絶望で喚く中、私の隣に人が近づいてきた。
私と年は同じくらいであろう男だ。
縁に手を置くと強く握り締めた。
怪我をしていたのか、じわりと血が滲み出て縁を汚していく。
男は涙を流しながら巨人たちを睨み付け強く呟いた。
「駆逐してやる。この世から一匹残らず…!」
酷く憎悪に満ちた声。
そして、怒りか悲しみか憎しみかも解らない程に強い獣の様な眼差し。
それらに私は覚えがある。
悪魔の末裔共の話をする時の、故郷の大人達と同じだった。
書き溜めが 酷い速度で 消えていく
とりあえずここまで
コメントありがとうございます。
平日は不定期になると思いますが、最後まで完成させてみせす。
引越しの準備が終わらない…
現実逃避がてら少ないですが更新します
ローゼに着いた時には、すでに多くの人でごった返していた。
ライナーたちと合流できるか不安になる…別に寂しくなんかない。
お腹が空いた…壁内に来てから何も食べてない…
そう考えていると周囲がざわつき始めた。
聞き耳をたててみると、どうやら食事の配給があるようだ。
配給された食事はパン1つだけだったが、この際文句は言えない。
パンを食べ終え、ライナーたちを探そうと歩いていると話し声が聞こえてきた。
ー何で他所者の為に俺達の食糧を…
ーどうせ巨人が壁を越えたんなら、もっと喰って減らしてくれりゃ良かったんだ
どうやらこの地区の兵士のようだ。自分たちの貯蓄が配給に回されご立腹の様だ。
やっぱり悪魔の考えることは醜いものだ。吐き気がする。
耳障りだ…違う場所に行こう…
兵士「痛ッ…! 何すんだ、このガキ!」
足を踏み出そうとした瞬間、話し声がしていた方から怒声が聞こえた。
振り返ってみると、船に乗っていた男が兵士を睨みつけていた。
男「知らないくせに…お前なんか見た事もないくせに! 」
男「巨人が…どうやって人を…!」
どうやら、さっきの話で腹を立てたようだ。
船で見た時と同じ、獣の様な目で兵士を睨み続ける。
ー駆逐してやる。この世から一匹残らず…!ー
巨人の恐怖も知ったはずなのに…変な奴…
いつか、あいつは私達の敵になるのかな…
………今は関係ないか…早くライナー達を探しに行こう。
ローゼに着いてから既にかなりの日数が経ったというのに、未だにライナーたちとは合流出来ていない。
私とは違う地区に行ってしまったと考えるのが妥当かな…
予定では訓練兵団て場所に入団して、壁内の知識を入手してからローゼの壁を破壊するはず…だったら訓練所に入れば合流出来るはずだ。
流石に今の状況だと訓練兵団の入団はやっていなかった。
その間、マリアに住んでいた大人の人間は奪還作戦とかいうのでほとんどが死んだらしい。
一般人が巨人に挑んでも勝てるわけが無い。きっと口減らしだろう。
やっぱり壁内には悪魔しかいない…
訓練兵団の入団が始まるまでは開拓地での過ごすしかない様だ。
きっとライナーたちも、同じ状況だろう。
訓練兵団に入ればきっと合流出来る。それまでの辛抱だ。
*
*
寂しい…
*
お父さん…
ここまで
時間が空いたらまた投稿させていただきます
書く
開拓地での作業はなかなか堪えるものだった。
一日中、鍬で地面を耕し、石ころを集めては捨てる。
身体を鍛えていたとはいえ流石に辛い…
見回りにくる兵士は進みが遅いと怒鳴るが、こっちは子供老人しかいないのに…無茶を言う…
配給される食事も周りの人たちと分け合うので雀の涙だ…
人と関わらないよう、離れて食事をしていると一人の老婆が近づいてきた。
老婆「お腹が空いたろう。私の分もお食べ。」
アニ「…いえ…大丈夫です…」
老婆「若いのにそんな量じゃ足りないだろう、ほら。」
私の手に無理やりパンを持たせると満足そうに笑顔を見せてくる。
流石にいらないと返せる雰囲気ではない。
アニ「あ…ありがとうございます。」
老婆「良いんだよ。しっかり食べて大きくなるんだよ」
老婆はまた笑顔を作った後、私から離れていった。
貰ったパンを食べる。相変わらず美味しくないパサついた物だ。だけど、いつもに比べお腹が満たされるのを感じた。
老婆はそれから幾度となく私の所に来ては食事を分けて来る事があった。
断っても無理やり渡してくる。
そして私は開拓地に来てから初めて自分から人に話をかけた。
アニ「どうしていつも私に食事をくれるんですか?」
食事を分けてくれる理由を聞いた
老婆は少し考えた後、口を開いた。
老婆「あなたが私の孫ににていたからねぇ…その綺麗な金色の髪がそっくりだよ…」
老婆「…孫は巨人が攻めてきた時に命を落としてしまった……」
老婆「孫だけじゃない。息子も、その嫁さんも、私の夫も、皆、いなくなってしまった。」
老婆「その寂しさを紛らす為かね、あなたに優しくしてしまうのは…」
老婆「ごめんなさいね…こんな話をしてしまって…」
アニ「………」
老婆「……あなたはいつも一人だろう。あなたもきっと家族を失ってしまったんだろう?」
老婆「そう思うと可哀想で可哀想で……」
老婆「ごめんなさい。迷惑だったよね?」
アニ「…いえ、気持ちは嬉しかったです。だけどお婆さんもしっかり食事を摂らないと…お婆さんまで倒れてしまったら、きっと天国の家族の人も悲しんでしまいます…」
老婆「ふふふ…ありがとうね」
駄目だ。壁内の人間と関わっちゃ駄目だ。変な感情を芽生えさせたら駄目だ。私は戦士だ。壁内の人類の滅ぼすんだ。悪魔共を駆逐するんだ。使命を果たして故郷に帰るんだ。
お父さんの所へ帰るんだ。
―…孫は巨人が攻めてきた時に命を落としてしまった……―
―孫だけじゃない。息子も、その嫁さんも、私の夫も、皆、いなくなってしまった。―
………帰るんだ。
その日から、私は今まで以上に人と距離をとった。
人の厚意を、善意を、拒否した。
お婆さんがまた食事を分けて来た時はハッキリと拒絶の意思をみせた。
年の近い子が話しかけてきた時も沈黙を貫いた。
私はここの人間じゃないんだ。
嫌われたって問題ない。
もともと友達の多い方ではない。
一人でいることなんていつもの事だ。
寂しさなんて感じない。
こんな状況も訓練兵団が再開するまでの辛抱だ。
壁内に来てから半年が経った
もうこの開拓地で私に話をかけてくる人間なんていない。
寂しい
近づいてくる人もいない。
寂しい
離れた所で私の陰口を言う人もいる
五月蝿い
私が貰った食事を分けてもらおうとする人もいない。
味気ない
私に食事を分けてくれる人もいない。
また、お父さんと料理がしたい
手のひらに傷が出来てる。
だけど気にする人なんて誰もいn「おい、お前。怪我してるだろ。大丈夫か?」
………えっ?
ここまで
また早いうちに更新出来るよう頑張る
書きます
何だあいつ? 自分の手のひらをじっと見つめて…
なんとなくそいつの手を眺めていると、赤い液体が…血が滴り落ちているのに気がついた。
エレン「おい、お前。怪我してるだろ。大丈夫か?」
女は意表を突かれたように驚いた顔をする。
オレ、変なこと言ったか?
エレン「怪我、見せてみろよ。」
傷を見てみる為、女の手を掴むとさらに女は目を見開いた。
オレ、変なことしたか?
エレン「うおっ、けっこう血が出てるな…切れてるのか?」
思った以上に手が赤く染まっていて、慌てちまった…
ミカサ「エレン、どうしたの?」
後ろからミカサの声が聞こえた。
振り向くとアルミンも一緒のようだ。
エレン「いや、こいつ、手を怪我したみたいだったからさ。」
アルミン「怪我? うわ…けっこう切れてるみたいだね…」
ミカサ「ばい菌が入ったら大変。早く手当てしないと。」
アルミン「そうだね。包帯…は貴重で無いからハンカチで良いか。あ、その前に傷口を綺麗な水で洗い流さないと…」
ミカサ「だったら私の水を使って。」
ミカサは自分の水筒の水を女の傷口にかけようとする。
エレン「待てよ、水は貴重品だぞ。」
ミカサ「だけど背を腹には変えられない。」
エレン「だから、オレのやつも使えよ。二人分なら消費も半分になるだろ。」
アルミン「だったら僕のやつも使いなよ。三人分あれば少量で済むから。」
話し合いが済んだところで女の手当てをする。
水で血を洗い流した後に、オレのハンカチを傷口に当て、アルミンとミカサのハンカチで取れないように固定する。
エレン「これで良し! もう大丈夫だぞ。」
女は手当てした手を見つめながら呟いた。
女「ごめん…ハンカチ、汚しちゃったね…」
エレン「気にするなよ。こういう時ぐらい助けあわないとな。」
女は顔を伏せ、しばらくした後、小さく呟いた。
女「…ありがとう。」
エレン「おう!」
アルミン「そうだ。良かったら今日は一緒に作業をしないかい? その手で土地を耕すのは大変でしょ?」
ミカサ「アルミンの言うとおり。一人で作業するのは大変。」
エレン「そうだな。一緒にやろうぜ。」
女は顔を上げ、何か言おうとするがすぐに閉口し俯いてしまった。
エレン「なんだよ。言いたい事があるならハッキリ言えよ。」
しばらくして、ようやく顔を上げたと思ったら表情はオレが話しかける前のように無表情になっていた。
そして口を開いた。
女「私は一人で大丈夫。あんた達の手なんか借りない。ハッキリ言って邪魔になるだけ。私に関わらないで。」
一気にそう言いたてると、女は走って何処かへ消えてしまった。
エレン「…何だよ、あいつ! 急に変なこと言いやがって!」
アルミン「僕の提案が気に食わなかったのかな…悪いことしちゃったかな…」
ミカサ「アルミン、そんな事はない。私もどうして彼女が怒ったのか解らない…」
エレン「そうだ! アルミンは何も悪くねえよ。」
本当に何だよ、あいつ!
せっかく人が優しくしてやったのに!
腹の虫が収まらないというのは、こういう事か…ああ! ムカつく!
うーむ…予想以上に少ないけどここまで
少しですか書く
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アニ「はぁ…はぁ…んッ、ぅん…」
足を止め、息を整える。
久しぶりに人と話をした。
久しぶりに人に優しくされた。
久しぶりに人の手の暖かさを感じた。
素直にそれらの行為に嬉しさを感じた。
だけど、私は人と関わってはいけない…拒絶しないといけなかった…
だけど、口を開こうと思っても、なぜか口が開かない。なんで?
ーごめん…ハンカチ、汚してしちゃったね…
ようやく開いた口から出たのは謝罪の言葉だった。
ー気にするなよ。こういう時ぐらい助けあわないとな。
男は気にした様子もなく、笑顔を見せてきた。
そんな屈託のない笑顔から逃げるように顔を伏せる。
私には眩しすぎる。
他の2人もだった。男ほどではないが、笑顔で私の事を見てきた。
だけど、嬉しかった。
こんな私にそんな言葉をかけてくれるのが嬉しかった。
ー…ありがとう。
思わず感謝の言葉を出してしまった。
…少しぐらい良いだろ…お礼を言うなんて普通の事なんだから…
だけど今回だけだ…これ以上、関わりを持ってはいけない。
3人から離れようと歩こうとしたら、金髪の男が話をかけてきた。
ー良かったら今日は一緒に作業をしないかい? その手で土地を耕すのは大変でっしょ?
私の事を心配しての提案だった。
どうしてそんな嬉しい事を言ってくるんだ。
あんた達からしたら、私は見ず知らずの他人なのに…
一緒にいた女と男も金髪の男の意見に賛同した。
その甘い言葉に思わず身を委ねそうになった。
だけど駄目なんだ…私はここにいる人間達と仲良くなっちゃいけないんだ。
私は戦士なんだから…!
ようやく口を開き、3人に拒絶の言葉を投げかけ逃げてきた。
これで良いんだ…
息を整える為に膝に置いていた手が目に付く。
手当ての為に巻かれた包帯変わりのハンカチ。
その手を顔に近づけ見つめる。
少し血が滲んでハンカチを汚してしまっている。
だけど、さっきのように大量に出血はしていない。
しっかり傷口が塞がれてるのだろう。
手当てをしてもらっていた時の事を思い出す。
ハンカチを巻く時に触れた、男の手の温もり。
あの温もりを私は知っている。
格闘術を教える時にお父さんがやってくれたテーピングをする時の手の温もりと同じだった。
技の威力が上がるように、そして怪我をしにくくする為にやってくれたテーピング。
厳しいお父さんが密かに見せる優しさ。
思い出に耽っていると、ハンカチに水滴が落ちてきた。
顔に手を触れる。
涙が流れていた。
その事実に気付くととめどめとなく涙が溢れ零れてくる。
私は一体何をやっているんだ…
人の善意を自分勝手に拒否して…
戦士とは一体何なんだ。
何で私は、普通でいられないんだ。
何で人と話をしたらいけないんだ。
何で私は1人で泣いているんだ。
寂しい。
涙が止まらない。
もう嫌だ。
ここまで
読んで下さってる方がいるとわ…ありがたや
かなり少ないですが書く
いつもの様に土地を耕す作業をするけど、あまり作業が集中出来ない。
脳内にチラつくのはさっきの女の事だ。
人が気にかけたのに、よくわからない事を言って走り出して何処かに消えてしまった。
何度思い出してもイライラする…!
それにあいつの表情…
ミカサ「…エレン、作業に集中しないと怒られる。」
ミカサが小さな声で叱咤してくる。
エレン「ああ、悪い…」
アルミン「エレン、さっきの女の子の事を考えてるの? やっぱり悪い事をしちゃったかな…」
ミカサ「アルミンは何も悪くない。エレンも気にしなくて良い。」
ミカサ「それより今は作業に集中する。話は後ででも出来る。」
アルミン「そうだね、ごめん。」
エレン「わかってるよ…」
昼になって休憩時間になった。
アルミンはさっきの話題を切り出す。
アルミン「それにしても珍しいね。エレンがあんなに人に気にかけるなんて。」
エレン「別にそんなんじゃねえよ。だけどあいつの表情がさ…」
ミカサ「表情?」
エレン「ああ、あいつ変な事を言った時はさ無表情だったけど、走り出した時は何か変な顔してたんだよ。」
アルミン「変な顔って…どんな表情だったの?」
エレン「なんていうか、悲しそうな表情だったな。いや、悲しいっていうより泣きそうだったような…」
ミカサ「そうなの? 私には変わってないように見えた。」
アルミン「僕にもわからなかったな…もし、エレンの言う通りなら、何かしら彼女にも思う事があったのかもしれないね…」
エレン「何かって何だよ?」
アルミン「さぁ、それはわからないよ。」
ミカサ「あんな事を言ったのだから、もしかしたらあまり人と関わりを持ちたくなかったのかもしれない。」
エレン「なんで関わりを持とうとしないんだよ。こんな状況なら協力しあった方が良いだろ。」
ミカサ「だから私達にはわからない………なんでエレンはあの女をそんなに気にかけるの?」
ミカサが目を鋭くして俺を見つめてくる。
正直、嫌な視線だ。
エレン「別に何でもねえよ…」
ミカサ「………もしかして、何か特別な感情でも芽生えたの?」
さらに目元を険しくして俺を睨みつける。
怖えよ…
エレン「だから何でもねえって言ってるだろ!」
流石に気分が悪くなり怒声をあげる。
だがミカサは表情を変えずに俺に目を向けたままだ。
アルミン「ま、まぁまぁ、ミカサ、エレンも何もないって言ってるんだし…それより早く食事を取らないと休憩時間が終わっちゃうよ!」
エレン「だな。早く食っちまおうぜ。」
ミカサは腑に落ちない様だが、これ以上の詮索はしない様だ。
そして、俺の気持ちも落ち着かないままだった。
ここまで
続きは書き溜め最中なので早い内に書きます
近い内に書くと言ったのに一週間近く経っているじゃないか…!
読んで下さってる方、すみません。そしてありがとうございます。
書く
ようやく今日の分の作業が終わった…
朝の出来事のせいか、午後もあまり作業に集中する事が出来なかった…
何で俺がこんな気分にならなきゃいけねえんだよ…
いつかあの女に会ったら絶対に文句を言ってやる!
用具を片付け終わったら急に便所に行きたくなったのでミカサ達と一度別れる。
用を足し、戻ろうと歩いていると前方に見覚えのある後姿が見えた。
小柄で、金色の髪を束ねた姿。
あの女だ!
俺はその女の方へ駆け出し、大声で呼びかける。
エレン「おい、お前!」
ーーーーーーーーーー
ようやく今日の分の作業が終わった…
怪我を負った手での作業は案の定、辛いものだった。
上手く鍬を支える事が出来ず、強く握ろうとすれば痛みが走る。
そのせいで監視員からも怒声を浴びせられた…
私は一体何をやっているんだ…
何度目かも分からない、自分への問答
考える度に涙が出そうになる。
そして、今朝に起きた出来事を思い出す。
見ず知らずの私の事を気にかけてきたあいつらの事を。
私の事を思っての提案を拒絶し、結局私は今日の作業で苦労する羽目になった。
本当に…何をやっているんだ…
また涙が流れてくる。
「おい、お前!」
急に背後から怒声が聞こえてきた。
聞き覚えのある男の声。
突然の出来事に涙も拭かず振り向いてしまった。
ーーーーーーーーーー
振り向いた女の顔を見てギョッとする。
泣いている…
予想外の状況に叫ぼうと思っていた怒り文句が出ない…
エレン「ああ、えっと…どうしたんだよ?」
女「………別に何でもないよ…」
女はそう言いながら袖で涙を拭った。
その時に傷に巻いたハンカチが目に入った。
エレン「もしかして傷がまだ痛むのか?」
女「何でもないってば…」
女は目を合わせようともせずに返答する。
その態度に少しだけ苛つく…
エレン「何でもねえのに涙が出るわけないだろ…! どうしたんだよ…」
女「何でもないって言ってるでしょ…私に関わらないで…」
そう言うと、再び後ろを向き歩き出そうとする。
その態度に思わず肩を掴んでしまった。
エレン「待てって…!」
女「ッ…! 私に関わらないでっていってるでしょ!」
思いもしなかった怒号に思わず後退りする。
しかし、腕は気がつかない内に女に掴まれていた。
女は勢いよく俺の腕を引き寄せる、が次の瞬間、脹ら脛辺りに激痛が走る。
エレン「ぐぁッ!」
思わず悲鳴が上がる。
何が起きたのか確認する為、足に目を向けようとしたが、その瞬間、視界が反転する。そして背中に激痛が走る。
………痛え…!
えっ、何が起こったんだ!
体を起こして女の方に視線を向ける。
女の顔は、やってしまった…と罪悪感に見舞われた表情になっていた。
しかし、俺と視線が合うと強気な表情に戻した。
女「………もう、本当に私に関わらないで…また関わろうとするならもう一度痛い目に会わせるから…」
そう言いたてると脱兎のごとく走り去っていった。
…あまりの出来事に呆然とした。
立ち上がろうとすると蹴られたと思われる脹ら脛に鈍い痛みが走る。
ズボンを捲ってみると青痣が出来ている…
俺よりか小さな体の癖に、そして女なのに、あんな技をかけられるのか…
俺は巨人共を駆逐したいと思っているのに、人間の女の子にさえ負かされたのか…
その事実に悔しさを感じる。
自分とほとんど年齢が変わらないであろう女に劣等感を覚えた。
だけどそれと同時に、あいつの格闘術の技術に対して尊敬の念を感じた…素直に凄いと…
ーーーーーーーーーー
男から逃げる様に走り、気がつけば人けの少ない林にまで来ていた。
やってしまった…
男は今朝と同じ様に私の事を気にかけて来た。
だけど私は人に優しくされちゃ駄目だ。
人と関わらないって決めたんだ…
だけど逃げようとしたら男は私の肩を掴んできた。
そしてついに手を、いや足を出してしまった…
お父さんから教わった格闘術を男に対し仕掛けた。
男は私の事を思って関わってきたと言うのに暴力で突っ返してしまった…
罪悪感に苛まれる。
だけど、これでもう私に関わる事は無くなるだろう…
これで良いんだ…
男に対して申し訳なさを感じる一方、もう一つ感じた事があった。
男に仕掛けたお父さんの格闘術。
久々に型通りに身体を動かした。
あんなに嫌だった格闘術が心地良かった。
男に対して加虐的な感情が芽生えた訳ではない。
だけど身体を動かした後、また身体を動かしたいと思った。
あんなに嫌だった特訓がまたやりたいと思った。
試しに近くの木に対して軽く蹴りの動作を繰り返す。
5分くらい動作を繰り返した後、息を整える。
開拓地での作業で身体を動かすのとは全く違う疲労感が襲ってくる。
だけどそれが非常に心地良く感じた。
身体を動かしている時だけは嫌な事が忘れられる。
手の傷が治ったら、また格闘術の練習をしよう。
何で私は傷を治さないんだ…?
私は巨人なのに…
私は巨人であるという事を忘れていたというの…?
ここまで
地の文と言うより説明文になってる…
書く
ーーーーーーーーーー
俺はあの日以来、身体を鍛え始めた。
あの女の様な蹴りを、格闘術が使えるように。
開拓作業が終わり食事の後は必ず筋トレや走りこみをやった。
それが終わってからは蹴りの練習だ。
あの女のように強烈な蹴りが出せるように何度も何度も繰り返した…
特訓を始めてから2週間近く経った。
いつものように特訓をしてからミカサたちの所へ戻る。
戻ろ頃には消灯時間近くになっているので、そのまま眠りにつこうと思っていたが、アルミンが話しかけてきた。
アルミン「エレン…最近、毎日運動をしてるけど大丈夫なのかい?」
エレン「大丈夫だよ。なんともねえ。」
早く眠りたいから素っ気なく答える。
ミカサ「嘘。作業の後にあんなに運動をして大丈夫な訳ない…」
アルミン「だよね…エレン、強くなりたいのは分かるけどそんなに焦らなくても。休める時はしっかり休まないと…」
エレン「だから大丈夫だって! 体もなんともねえよ!」
ミカサも一緒に追及してくる。
その事に苛立ちを感じ声を荒げる。
ミカサ「エレン、耳が赤い。やっぱり嘘ついてる…あまり無茶をしたら駄目。アルミンの言うとおり休める時は休まないと…」
エレン「ッ!…このぐらい平気だって…! お前らは俺の親か何かかよ! 平気だって言ってるだろ!」
感情任せに二人に向かって吠える。
そしてキツく言い過ぎたことに気づく。
案の定、ミカサもアルミンも落ち込んでしまっている。
エレン「…悪い…言い過ぎた……」
アルミン「ううん、僕も無神経だったよ…」
いや、アルミンは何も悪くねぇ…
ミカサ「…私も感情的になってしまった……私は親じゃないけど、エレンの事を大切な家族だと思ってる……」
家族だなんて、そんなの当たり前だろ…
悪いのが俺だって事くらい分かってる…
だけど謝罪の言葉が思い浮かばない。
エレン「……悪い…少し外で空気吸ってくる。すぐに戻るから着いて来るなよ…」
俺は逃げる様に外に出てった。
最悪だ…
あいつらは俺の事を思って心配してきたのに…
アルミンの言うとおりだ。
身体はいたる所で悲鳴をあげている。
腕や腹筋は、筋トレによる怠さが残ったまま。
関節も動かす度に痛みが走る。
特に足は酷い…
筋トレだけでなく、走りこみや蹴りの練習のせいか痛みが上半身の比ではない…
足の裏や指にはマメが出来ては潰れている…
俺は強くなりたいのに…だけど身体を鍛えれば鍛えるほど、身体が弱くなっている気がする…
俺は一体何をやってるんだ…
二人の善意を自分勝手に拒否して…
二人への謝罪の言葉を考えながら歩いていたら、気がつけば人けのない林にまで来ていた。
周りには誰もいない。
頭を冷やすにはちょうど良いか…
近くの木を背もたれにして座り込む。
ミカサたちになんて謝れば…いや、それは俺の思ってる事を言えば良い。
だけど、どう話を切り出せば…
いくら考えても答えが出ない。
ミカサたちから逃げ出してからだいぶ時間が経ってしまった。そろそろ戻らねえと…
バンッ!
立ち上がろうとした瞬間、少し離れた方向から大きな音が聴こえた。
思わずバランスを崩し尻餅をつく。
バンッ! バンッ! バンッ!
規則正しいテンポで響く打撃音。
まるで干した布団を叩くような打撃音。
俺はその音が気になり、音が聴こえるほうへ足を向けた。
切りが悪いけどここまで
思うように文章が思い浮かばない…
エレン「あ…あれはライナーとアルミン!?」
ライナー「俺がお前を掘るのは安価スレだけかと思ったか?」ニヤニヤ
アルミン「あぁ~!畜生!!この悪魔の末裔めぇ!!」
パンパン
続き
>>114
このSSまとめへのコメント
期待
期待
楽しめた
だいぶ半端な感じだなあ
面白かった。