放課後・文芸部室
コンコン
キョン(…返事がないな?まだ誰も来てないのか?)
ガチャ
キョン「よーっす。って、誰もいないのに挨拶はいらんか…ん?」
古泉「…zzz」
キョン(古泉…熟睡してやがる。…そう言えば、昨日ハルヒと喧嘩しちまったからな…閉鎖空間の処理をしてたんだろうな…)
キョン(結局俺の方から折れて今朝仲直りしたが、結構な規模だったのか?…取り敢えず、気の済むまで寝かしておくか)
キョン「…ふぅ」ギシッ
古泉「…んっ?」ムク
キョン「あ、悪ぃ。起こしちまったか?」
古泉「ああ…すみません。気を遣わせてしまったようですね」
キョン「いや…昨日、寝てないのか?やっぱり、閉鎖空間が?」
古泉「…まあ。でも、貴方が気にすることではありません。よくあることですから」
キョン「すまんな。毎度毎度…俺もどうやらこらえ性がないみたいでな…またハルヒと喧嘩しちまった」
古泉「言っているでしょう?貴方が気にすることではないと。…それに、喧嘩するほど仲がいいと言いますし」
キョン「…そんなもんか?」
古泉「だからと言って、頻繁に喧嘩されては困りますが」
キョン「ああ。分かってるさ」
古泉「宜しくお願いします…くぁっ」
キョン「…新鮮だな。お前が欠伸してるのを見るのは。やっぱり寝てないんだろ?」
古泉「すみません。お見苦しい所を見せてしまって…久しぶりの閉鎖空間でしたので、少々時間もかかってしまいましてね」
キョン「で、一睡もできなかったと?」
古泉「寝過ごしてしまうのが怖くてね。登校時間の事も考えると、3時間寝れるかどうかでしたから」
キョン「ほー…」
古泉「…」
キョン「…」
古泉「…どうしたのですか?」
キョン「なあ、一つ質問していいか?」
古泉「何でしょう?」
キョン「古泉、お前ってどこに住んでるんだ?」
古泉「何を突然…」
キョン「俺とハルヒが喧嘩したのって、確か団活が終わってからだよな?」
古泉「そうでしたね。貴方にSOS団としての自覚がなさすぎる…という理由で」
キョン「おう。で、だ。ハルヒが出て行って何分かして、お前もバイトがあるって出て行ったよな?」
古泉「ええ。…それが何か?」
キョン「…閉鎖空間の処理って、そんなに時間がかかるもんなのか?その時間に発生して3時間しか眠れなくなるほどの時間まで戦ってたのか?」
キョン「最初に連れて行かれた閉鎖空間も…規模が小さかったにせよ、侵入してすぐに終わったよな?」
キョン「規模が大きかったってんなら、お前からそれなりの小言が入ってもおかしくないと思うんだが…それもない」
古泉「ほう…それで貴方は僕が無理をして遠方からこの学校に来ているのではないかと?」
キョン「ま、そういうことだ」
古泉「貴方は何か忘れていませんか?僕は超能力者である前に、この学校の特進クラスに所属しているのです。宿題も毎日出ます」
古泉「僕はあくまで優等生であるという肩書を持たなくてはいけません。涼宮さんの望む役割を演じるためにね」
古泉「そうでなくても、僕にだって普通の人のようなプライベートの時間、私生活があります」
古泉「そこに閉鎖空間の発生という非日常的な要素が加わればどうなるかは…想像に難しくないと思われますが?」
キョン「…」
古泉「沈黙は肯定とみなしますよ?」
キョン「今度の日曜。不思議探索もないよな?」
古泉「はい?」
キョン「…お前の予定は?」
古泉「空いていますが…」
キョン「よし。ならお前の家に遊びに行く…いいか?」
古泉「…へ?」
キョン「丁度いい機会だ。お前がどこに住んでいるのか把握しておきたい」
古泉「どういう機会ですか…理由は?」
キョン「なんだよ?同じ部活仲間、同性…お前の家に遊びに行く理由にしては十分だと思うが」
キョン「それとも、俺に遊びに来て欲しくないのかよ?あーあ、悲しいぜ。俺とお前は結局そんな仲だったのか…」
古泉「いえいえ!そんなことは…むしろ嬉しいですよ!…ただ、今まで貴方からそのようなことを言われたことがなかったので、驚いただけです!」
キョン「じゃ、決まりだな…何時ごろに行けばいい?」
古泉「そうですね…すみませんが、午後からにしてもらえませんか?急な話なので、こちらとしても準備が必要ですから…」
キョン「なんだよ?気を遣ってくれるなよ」
古泉「親しき仲にも礼儀あり、ですよ。…お願いします」
キョン(なんだ?部屋の片づけとかか?…まさか、いかがわしい本の隠し場所の変更とか…何れにせよ、何かあるな)
キョン「こういうところはマメな奴だからな…分かったよ。場所は?」
古泉「○○市の、××マンションです」
キョン「…部屋は?」
古泉「僕が出迎えますから、ロビーで待っていてください。結構設備が充実してますので、退屈はしないと思いますよ?」
キョン「いや、そこまで迷惑をかけるわけにもいかんだろう」
キョン「…いや、設備が充実してるって……まさかそのマンション、機関の息がかかってるとか…そんなんじゃないだろうな?」
古泉「…孰ればれることですから白状してしまいましょう。その通りですよ。厳格な決まりもありますから」
古泉「最も手間がかからないようにするには、僕が出迎えるのが一番なのですよ」
キョン「…そういうことなら納得だ。分かった。今度の日曜、楽しみにしてるぜ」
古泉「此方こそ」
バァン!!
ハルヒ「や~っほーい!キョン!古泉くん!いる?」
みくる「こんにちは~」
長門「…」
キョン「お、一気にそろったな。じゃあ、この話はお開きだ」
みくる「じゃあ、着替えるから…」
キョン「分かりました…古泉、行くぞ?」
古泉「ええ」
バタン
団活中
キョン「…」パチン
古泉「…そう来ますか。…では」スッ
キョン「おい。そこに置いたら詰むぞ?」
古泉「おや…ではここに…」ニコニコ
ハルヒ「…ねえ、古泉くん?」
古泉「どうかしましたか?涼宮さん」
ハルヒ「今日は何かいいことでもあった?いつもより顔が綻んでるわよ?」
古泉「おや、顔に出てしまっていましたか…ええ、実はちょっと、ね」
ハルヒ「何があったの?」
古泉「いえいえ…些細なことなので…」
ハルヒ「ふーん…まっ、古泉くんなら間違ったことにはならないからいいけどさ」
キョン「…俺の時は根掘り葉掘り聞いてくるくせに…」ボソッ
ハルヒ「何か言った?キョン?」
キョン「…なんでもねえよ」
古泉のマンション前・日曜日―午前9時
キョン(さてと、教えられたマンションはもう目の前にある訳だが…)
古泉のマンション「…」
キョン「…外見は普通だな」
キョン(昨日は何事もなく探索が終わったし、閉鎖空間も発生しなかっただろうから…家に居るだろうし、起きてるよな?)
キョン(悪いな、古泉…こっちもお前の要望に応えてやりたいところだったが…今回の自宅訪問にはもう一つ理由があるんだよ…)
キョン「何時も仮面を被っているお前の素顔を覗くっ!!」
キョン(…SOS団の中で、お前だけ未だ距離が遠いように感じるからな。なんかもやもやすんだよ)
キョン(あいつは機関のせいで自分を偽って生きているんだろう…でも、あいつだって人間だ。いつぼろが出るか分からない)
キョン(…あいつには、捌け口が必要だ。何でも打ち明けられる相手がな。SOS団の中では、俺が最適だろう)
キョン(だが、口ではあいつに敵う気がせん。…という訳で、状況証拠を押さえちまおうという訳だ…)
キョン(午後に来いと言われたからには何か知られたくないヒミツがあるはずだ…まずはそういう小さい所からあいつの素顔を暴いていくか…)
キョン「最も、古泉が言った通り、色々部屋に入るのに面倒な手続きが要るのなら、この計画はおじゃんになっちまうがな」
ロビー内
キョン「…なんだ此処?どっかのホテルか?…いや、娯楽施設って言っても過言じゃねえな…」
管理人「あら、どちら様ですか?このマンションに何か御用で?」
キョン「ああ。実は友人に会いに来たんですが…部屋の番号を忘れてしまいまして…」
管理人「そうですかぁ…ご友人のお名前は?」
キョン「”古泉一樹”です」
管理人「古泉さんですね…ああ、707号室です。7階の、エレベータを降りて向かって右側の3番目の部屋ですね」
キョン「分かりました。ご丁寧にありがとうございます」
管理人「いえいえ、本人は在宅のようです。ごゆっくり」ニコニコ
キョン(…やけにあっさり通されたな。…やっぱり、あいつ嘘ついてやがったんだな。…こりゃあ黒確定だ)
707号室
キョン(…ここか)ピンポーン
707号室「」
キョン(反応がないな…寝てんのか?)
キョン(…おもてなしするとか言っときながら寝てるとか…案外ルーズなのかもな…意外な一面が見れたぜ)
キョン「まさか、鍵かけてない…なんてことは…」ガチャ
キィ…
キョン「…オートロックじゃないのか?ここ…っていうか、鍵かけてねえのかよ、危なっかしいな…お邪魔しますよーっと」
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キョン(…案外綺麗にしてるんだな。もしかしたら、昨日までは汚かったのかもしれんが…ん?)
テクテクテク
キョン(風呂場?…の方から足音が聞こえるな…朝シャンでもしてたのか?…なんにしろ、いいチャンスだ。一発脅かしてみるか)
古泉「すみません。シャワーを浴びていたもので…どちら様です……」テクテク
キョン「よお、待ちきれなくて来ちまった………」
古泉・キョン「……………」
古泉・キョン「うぇ?!」
キョン「す、すみません!部屋間違えました!!」バッ
古泉「…待ってください」
キョン「へ?」クル
古泉「…僕ですよ。古泉一樹です」
キョン「へ?……いや、だって…あなた…女性じゃないですか…ああ!!もしかしてあいつの彼女さん!!あいつ、俺を来るの見越してドッキリを…」
古泉「現実から目をそむけないでください。本人です。…もっとも、このマンションでは”古泉一姫”という女性ですが、ね」
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キョン「……」
古泉「…どうぞ。粗茶ですが」
キョン「…」ズズー
古泉「…さて、どこから説明しましょうか?」
キョン「……お前、どっちが本当の性別だ?男か?女か?」
古泉「いつしか言ったでしょう?『涼宮さんの望む役割を演じている』と。僕…いえ、私は元来女性です」
キョン「…もしかして、今日はそのことも話すつもりだったのか?」
古泉「まさか。ずっと隠すつもりでしたよ」
キョン「だとしたら、今日はどうするつもりだったんだよ?ロビーなんかに出たら…」
古泉「その辺は抜かりありません。このマンションには、男である私も居ることになっていますから。名前は変えてありますがね」
キョン「…その名前は?」
古泉「新川一樹…ということになっているかと。新川さんが親代わり…という設定です」
キョン「マジかよ…」
キョン「待てよ…偽名が必要ってことは…このマンションって一般の物件か?」
古泉「ご名答です」
キョン「なぜここに住んでるんだ?機関ならこういうマンションの一つや二つ、抱えていそうなもんだろうが」
古泉「……すみません。お答えできません」
キョン「どうしても、か?」
古泉「…どうしても、です」
キョン「…なら、次の質問だ。…男になる時はどうしてんだ?」
古泉「もちろん、変装してますよ。…ほら、これで」ズルズル
キョン「…身長差はどう処理してんだよ?男の方と13cm位差があるぞ」
古泉「特殊素材でできてますよ。…こればかりは長門さんに感謝しなくては…」
キョン「は?…機関はSOS団設立前に協力関係にあったのか?!」
古泉「いえ。協力関係が始まったのは貴方が閉鎖空間から帰ってきた後です。それまでも変装はしていたのですが…今のよりはずっと性能が落ちていました」
キョン「あっ…」
ハルヒ『一応男に見えたわね。変装してる可能性もあったけど』
キョン(ハルヒの奴…恐ろしいぜ)
親来た。
勉強してないのばれた
中断
帰ってこれるか分からん
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