エイラ「ナイトウィッチの適正が高い奴は全身が性感帯なんダヨ」 (13)

芳佳「あ、サーニャちゃん」

サーニャ「……!」ビクッ

芳佳「ごはんはどうする?」

サーニャ「あ、あとで食べるから……」

芳佳「そう? 今からでも食べられるよ?」

サーニャ「ご、ごめんなさい」

芳佳「サーニャちゃん、どうしたのー?」

エイラ「宮藤」

芳佳「エイラさん。サーニャちゃんってホント照れ屋ですよね。そこが可愛いんですけど」

エイラ「……宮藤はまだ知らないんだな、サーニャのことを。だったら、今教えておく。余計なことをされると困るからナ」

芳佳「え? どういうことですか?」

エイラ「ナイトウィッチの適正が高い奴はな、皆全身が性感帯なんダヨ。その中でもサーニャは適正が高すぎて視線だけでも感じちゃうから、あんまり見んナヨナ」

芳佳「……はい?」

エイラ「いいな?」

芳佳「あの、意味がよくわからないんですけど……」

エイラ「暗い夜空では視覚はアテにならないだろ? ナイトウィッチは全身で周囲の状況を把握しているんだ」

エイラ「全身が性感帯みたく敏感になるのは仕方のないことだし、そうでないとナイトウィッチは務まらない。分かるダロ?」

芳佳「は、はぁ……」

エイラ「だから、サーニャのことはあんま見んなヨ。いいか?」

芳佳「それサーニャちゃん日常生活に支障が出ないんですか? いえ、サーニャちゃんに限らずナイトウィッチは大変なんじゃぁ……」

エイラ「当たり前だろ。風が肌に直接当たるだけでも気を失うほど気持ち良いらしいからな」

芳佳「あ、危ないですよぉ」

エイラ「だから、サーニャはズボンを二枚はいてるんだ。少しでも和らげる努力をしてる。あのベルトだって肌に衣服がなるべく触れないようなつくりになってんだぞ」

芳佳「エイラさんもズボン二枚はいてますよね? もしかしてエイラさんも……?」

エイラ「私はサーニャの真似をしてるだけだ」

芳佳「あ、そうですか」

エイラ「いいな、宮藤。手を握るとか絶対にすんな。サーニャが死ぬからな」

芳佳「そ、そんなになんですか!?」

エイラ「いいな? 絶対ダゾ!!」

芳佳「わ、わかりました」

芳佳「……サーニャちゃん、良く顔を赤くして視線を逸らすのはそういうことだったんだ」

芳佳「これからは気をつけないと」

美緒「宮藤、何をしている? 食事の時間は守れよ」

芳佳「あ、坂本さん。今、エイラさんから聞いたんですけど、ナイトウィッチって大変なんですねっ」

美緒「何を今更。大変に決まっているだろう」

芳佳「全身が性感帯って聞きました」

美緒「その話か。確かに他人とのコミュニケーションに深刻な障害が出てしまうからな。だが、その特異体質であるからこそ夜空を自由に飛べる。難儀な話だ」

芳佳「サーニャちゃんは特に敏感だっていってましたけど」

美緒「ああ。サーニャが風呂に入ると大変なことになるからな」

芳佳「大変なことって……一体……」

食堂

エーリカ「あれ? 宮藤はナイトウィッチのこと知らなかったのか」

芳佳「はい。さっき初めて聞きました」

バルクホルン「ナイトウィッチとしての適正はそこで判断されるからな」

芳佳「だから、誰でもなれるってわけじゃないんですね」

バルクホルン「訓練次第である程度高めることはできるが、もって生まれたものに左右されるだろうな」

エーリカ「サーニャの場合、固有魔法の関係で輪をかけて鋭敏になっちゃってるわけだしね。あれは天才だよ」

バルクホルン「宮藤もサーニャの取り扱いには注意しろ。ハルトマンも一度やらかしているからな」

芳佳「な、なにかあったんですか?」

エーリカ「いやぁ、ナイトウィッチのことは知ってたんだけど、サーにゃんがあそこまでとは思わなくてさぁ」

美緒「思い切り握手をして失禁させた話か。もう忘れてやれ。サーニャのためにもな」

芳佳「えっ!?」

バルクホルン「少佐!! 食事中に出していい話題ではないぞ!!!」

美緒「む。そうだな。すまなかった」

エーリカ「あれは大変だったよね。事後処理が」

バルクホルン「誰が掃除したと思っている」

芳佳「想像以上ですね……」

美緒「宮藤もサーニャに恥をかかせるような真似だけはするなよ」

芳佳「わかりました」

バルクホルン「とはいえ、急に触れたり、撫で回したりでもしない限りは支障はないだろうが」

芳佳「でも、サーニャちゃんは見られるだけでもダメだって」

バルクホルン「なに?」

エーリカ「最近はそうみたいだな。サーニャの魔法力が上がってるってことだろうけど」

バルクホルン「考えてみれば、年齢的にも今がピークか」

美緒「今を過ぎればマシにはなるだろうが、時間はかかるな」

バルクホルン「留意しておくに越したことはないか」

芳佳「……ところで、サーニャちゃんがお風呂にはいるとどうなるんですか?」

エーリカ「大変なことになるよ。サーニャが」

翌日 キッチン

リーネ「サーニャちゃんのこと?」

芳佳「うん。リーネちゃんは知ってた? サーニャちゃんは全身が敏感だってこと」

リーネ「話だけなら聞いたよ。サーニャちゃん本人とちゃんとお話する機会はなかったけど」

芳佳「毎日が辛いんじゃないかな……」

リーネ「想像できないよね。握手しただけで……その……」

芳佳「うん。でも、それがナイトウィッチとしての能力だからで片付けるのはよくないと思うんだ」

リーネ「え?」

芳佳「サーニャちゃんが苦しんでるなら、少しでも何とかしてあげたい」

リーネ「できないよ。あれは元からの体質を訓練で強化した結果だっていってたし」

芳佳「そうなんだけど……」

リーネ「私だってなんとかできるなら手伝いたいけど」

芳佳「サーニャちゃん……大丈夫かな……」

エイラの部屋

サーニャ「……っ」ビクッ

サーニャ「は、はやく……服をぬがなきゃ……」スルッ

サーニャ「あっ……ぃ……!! 服がこすれただけで……はぁっ……」

エイラ「ん……? サーニャか?」

サーニャ「エイ、ラ……あっ……」

エイラ「サーニャ!? なにしてるんだヨ!?」

サーニャ「エ……イラ……いま、はや、めて……み、ないで……」ビクッビクッ

エイラ「サーニャ!! とりあえず服はもう全部脱げって!! イロイロ危ないぞ!!」

サーニャ「エイラが、ぬがして……ひとりじゃできないわ……」

エイラ「わ、わかった。せーのっで脱がすからな」

サーニャ「え、ええ……おねが……ぃ……」

エイラ「……せーのっ!!」バッ

サーニャ「ひぐっ……!?」

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