C.C.「ばれんたいん……ですか?」(211)
ルル「何だC.C.、お前バレンタインを知らないのか」
C.C.「すっ、すみませんご主人様……」
ルル「いや、謝ることはないんだが」
ルル「バレンタインというのはだな、女性が意中の男にチョコレートを渡す日なんだ」
C.C.「チョコレートを……?」
ルル「ああ。一般的に、バレンタインにチョコを渡すイコール愛の告白と認識されている」
C.C.「こっ、こく!?」
ルル「だから毎年この日が来るたびに、男どもは皆そわそわしたり挙動不審になったりするのさ」
ルル「ほら、あいつがいい例だ」
星刻「天子様……天子様はチョコを下さるだろうか……ハート型のチョコとか良いなぁ……アァテンシサマ…」ブツブツ
ルル「見ろ。あの星刻ですら腑抜けと化している」
C.C.「気持ち悪いですね」
ルル「それから友人に渡す義理チョコというものもあるんだ。まあ大半の男共が求めているのは本命だがな」
C.C.「……あの、ご主人様には本命チョコを貰いたい人はいるんですか?」
ルル「俺か?俺には特に意中の相手などいないが……」
ルル「まあ黒の騎士団の連中から今朝どっさり義理チョコを渡されたからな。俺はそれだけで嬉しい」
C.C.「カ、カレンさんからは?」
ルル「あいつにはチロルチョコを投げつけられたよ。今や品薄になっているものをわざわざな」
C.C.「そうですか……」
C.C.「あ、あのっ、ご主人様。もしよろしければ私からもチョコを―――……」
オレンジ「ジェレミア・ゴットバルト推参ッ!!」
ルル「ジェレミア!?」
ルル「一体どこから……。今の話を聞いていたのか?」
ジェレミア「ルルーシュ様が必要とするならば、私はどこへでも駆けつけましょう」
C.C.「おいオレンジ」
ジェレミア「さあどうぞルルーシュ様。私の心ばかりのプレゼントでございます」
ルル「む……これはチョコか?」
ジェレミア「オレンジソースを使った手作りチョコレートです。最高の出来と自負しております」
ルル「気持ちは嬉しいが、ジェレミア。バレンタインのチョコとは女が男に渡すものだ。悪いが……」
ジェレミア「何と!ルルーシュ様、ご存じないのですか?最近巷では男同志の『友チョコ』や『逆チョコ』なる新しいスタイルが生まれているのです」
ジェレミア「故に私は『忠義チョコ』をルルーシュ様にと!」
ルル「成程、これは済まない事をしてしまったな……忠義チョコ、ありがたく頂こう」
ジェレミア「お、おお……ルルーシュ様!身に余るお言葉です!」
ジェレミア「それでは私は任務がありますので失礼致します!」バッ
ルル「ああ、頼んだぞジェレミア。お前の忠義を見せてくれ」
ルル「……はは、まさかジェレミアからチョコを貰うとはな。なあC.C.――――…」
ルル「む?C.C.はどこに行った?」
ダダダダダ…
C.C.「―――咲世子さんっ!」バンッ!!
咲世子「あら」
咲世子「どうしたのですかC.C.様、そんなに慌てて」
C.C.「あの、わたしにチョコの作り方を教えてくださいっ!」
咲世子「……あぁ…」
咲世子「ルルーシュ様に差し上げるのですね?」
C.C.「ひぅっ!?」
C.C.「ど、どうしてそれを……!?」
咲世子「ふふ。今のC.C.様は分かりやすいお方ですから」
C.C.「うう……///」
咲世子「ですが、ルルーシュ様に差し上げるならば最高のチョコをお作りしなければなりませんね」
咲世子「材料や道具は全て私が揃えましょう。C.C.様はルルーシュ様の自室でお待ちください」
C.C.「あ、はい……お願いします咲世子さん!」
ロロ「聞いたよC.C.……」コソ…
ロロ「僕の兄さんにチョコを渡すだって……?しかも手作り……?」
ロロ「ふふ、そんなことさせないよ♪あのツンデレな小汚いハーフ女は見逃してやったけど」
ロロ「僕の兄さんに手を出す奴は誰だろうと……フヒヒヒヒ…」
ラクシャータ「はいはーい、無粋な邪魔するんじゃないよブラコン君」ゴキッ
ロロ「」
ズルズル…
注:時系列は滅茶苦茶です
C.C.「た、ただいま戻りましたご主人様!」
ルル「む。戻ってきたか、何処へ行っていたんだC.C.?突然いなくなるから心配したぞ」
C.C.「ごっ、ごめんなさい!ありがとうごじゃいます!」
ルル「はは、謝るか礼を言うかどちらかにしろ。いや、そもそも謝る必要はないんだ」
ルル「お前が無事ならそれでいい。そろそろ咲世子に捜索させようとしていたところだ」
咲世子「お呼びですかルルーシュ様」
ルル「おわっ」
ルル「驚かせるな咲世子、心臓に悪い。いつの間に、しかもどこから入ったんだ……」
咲世子「申し訳ございませんルルーシュ様」
咲世子「ところで、しばらくこの部屋を使わせていただきます。その間ルルーシュ様は外でお待ちください」
ルル「は?」
C.C.「咲世子さんっ!?」
咲世子「さあ、お出になって下さい」グイッ
ルル「お、おい何だ!何なんだ突然!納得のいく説明をしろ咲世子!」
咲世子「女の秘密です」
ルル「意味がわからん!」
咲世子「何でも良いからさっさと出ろモヤシ」ゲシッ
ルル「ぐはっ!?」
玉城「あん?誰だお前、ゼロの部屋の前で何やってんだ」
ルル「いや、追い出されてしまってな……」
玉城「は?おいおい、ガキのくせにこの俺様に向かってタメ口かよ。お前新入りだろ」
ルル(しまった!今は仮面をつけていない!)
玉城「俺が誰だか分かってんのか?ゼロの親友玉城様だぞ!ああん!?」ギロッ
ルル「すいませんでした何でもないです玉城サン!」
ジノ「庶み……じゃなくて 普通の人々の間では、2月14日には 好きな人にチョコを渡す習慣があるらしいな」
ジノ「ほら、こいつは 俺からアーニャに」
アーニャ「記録…」カシャッ
アーニャ「……好きな人には チョコをあげる日なの?」
ジノ「あぁ、そういう日だぜ」
アーニャ「……これ、ジノにあげる」
ジノ「いや、それ たった今 俺が渡したやつ……」
アーニャ「受け取って」ズイッ
ジノ「えっと、そうじゃなくてだなぁ……」
アーニャ「………」ズイッ
ジノ「……どーいたしまして」
支援
咲世子「さあ、邪魔者は消えましたC.C.様」
咲世子「道具は揃えてあります。チョコ作りに入りましょう」
C.C.「あ、あの……もしかしてここで作るんですか?しかもご主人様追い出しちゃいましたし」
咲世子「作る過程でルルーシュ様がいては困るでしょう。気持ちは渡すときに伝えるものです」
咲世子「それにこの部屋が一番安全なのです。艦内の厨房ではあのブラコ……いえ、誰かに邪魔される恐れがあります」
咲世子「この部屋ならセキュリティが厳しく邪魔者が入ることもありません」
C.C.「な、なるほどっ」
ジェレミア「ルルーシュ様の悲鳴が聞こえたので駆けつけてみれば……お前達」
咲世子「邪魔をなさるおつもりですかジェレミア卿」チャキ
C.C.「ひぇぇ……」
ジェレミア「いや、邪魔をする気など毛頭無い。ルルーシュ様へのチョコ作り、結構ではないか」
C.C.「え……?」
ジェレミア「ふん、甘いな」
咲世子「!」
C.C.「オレンジさん!?」
ジェレミア「その名で呼ぶな!」
ジェレミア「ルルーシュ様の悲鳴が聞こえたので駆けつけてみれば……お前達」
咲世子「邪魔をなさるおつもりですかジェレミア卿」チャキ
C.C.「ひぇぇ……」
ジェレミア「いや、邪魔をする気など毛頭無い。ルルーシュ様へのチョコ作り、結構ではないか」
C.C.「え……?」
失礼
順番間違えた
―――――――――――――
――――――――――
咲世子「そうです。そうやってチョコを細かく砕いて……」
C.C.「ええと、これを湯煎で溶かせばいいんですよね。あっ、零れちゃった…」
咲世子「少しくらいなら大丈夫ですよ。あ、ほら溶けてきました。次は水飴と砂糖を」
C.C.「はっ、はいっ」
咲世子「良いですね。あとはひたすら混ぜるだけです」
C.C.「うんしょ、うんしょ……」コネコネ
咲世子「――――どういうつもりですか?」コソッ
ジェレミア「何がだ」
咲世子「普段のあなたならば、C.C.様の邪魔をしそうなものですが」
ジェレミア「……」
ジェレミア「昨夜、ルルーシュ様の独り言を聞いてしまってな」
咲世子「独り言?」
ジェレミア「C.C.は明日チョコをくれるだろうか……、と物憂げな声がな」
ジェレミア「トイレの中から聴こえてきたのだ」
咲世子「……」
ジェレミア「ふふ、外で私が聞き耳を立てているとも知らずに」
咲世子「……」
ジェレミア「ふふふ……」
咲世子「やはり貴方ストーカーですね」
ジェレミア「黙れ」
あとよろしく
ジェレミア「それが今日になってC.C.がバレンタインを知らないと明らかになった」
ジェレミア「ルルーシュ様は口には出さずともご傷心のご様子……。せめてもと、私の持っていたチョコを差し上げたのだが」
咲世子「え……?ということは、ジェレミア卿も誰かに渡すつもりだったのですか?」
ジェレミア「その通りだ。忠義チョコなどその場の思いつきに過ぎん」
咲世子「……あの、誰に渡そうとしていたのですか?参考までに」
ジェレミア「……」
ジェレミア「そんなことはどうでもいい!///」
ジェレミア「だがルルーシュ様のお心を慰めて差し上げることは出来なかった……」
ジェレミア「しかし今C.C.がルルーシュ様へのチョコを作っている。ならば私に出来ることは完成を見届けることのみ!」
咲世子「ジェレミア卿……」
ジェレミア「まあチョコなど来年また作ればいいだけのこと。私はルルーシュ様に忠誠を誓ったのだ。私情は挟まん」
咲世子「……」
咲世子「ジェレミア卿。バレンタインのチョコレートは何も逆チョコだけではないのですよ……?」ゴソゴソ
C.C.(何か背後で桃色オーラが広がっている気がします……)
C.C.(でもそんなことより、ご主人様のためのチョコレートを完成させないと!)
C.C.「……ご主人様、喜んでくれるかな」
C.C.(でもこれは本命チョコ……。これを渡すイコール、こここ告白ってご主人様言ってたたた)
C.C.(わたしなんかが告白したらご主人様を困らせてしまうかも……)
C.C.(最悪捨てられちゃったり……ううん、今度のご主人様は多分そんなことしない)
C.C.(でもご主人様を困らせるのはいやだなぁ……)
C.C.(でも、バレンタインデーは好きな人にチョコレートを渡す日だって)
C.C.(でも、でも……)
C.C.「ううー……」
ジェレミア「何をうじうじ悩んでいる!チョコを混ぜる手が止まっているぞ!」
C.C.「はひっ!?」ビクッ
ジェレミア「細かいことをいつまでも考えるな!お前の気持ちをそのまま全力で伝えれば良いのだ!」
C.C.「オレンジさん……」
ジェレミア「だからオレンジではないと……いやもうこの際どうでもいい、それよりもだ!」
オレンジ「とにかく、全力でチョコを完成させるのだ」
オレンジ「そうすればルルーシュ様は必ず受け止めて下さる。どのような形でも、相手の気持ちをきちんと理解してくださる御方だ」
咲世子「そうですよC.C.様。まずは気持ちを伝えなければ何も始まりません」
C.C.「……わ、わかりました!わたし頑張ります!」
-斑鳩艦内 蜃気楼コックピット-
ルル「……せめて仮面だけは手に入れようと128通りの自室攻略方法を考えた」
ルル「しかしその全てがシミュレーション段階で失敗。咲世子がいる時点でどうしようもない」
ルル「対抗しうるジェレミアも任務地から突然消えてしまったとかで連絡がつかん」
ルル「ここだけが俺のセーフティスペース、か……」
ルル「……」
ルル「くそがっ、玉城のヤツあとで覚えておけよ……!」グスッ
ルル「全部玉城のせいだ、玉城の……」
<ゴシュジンサマー
ルル「……ん?」ガシャッ
C.C.「ご主人様、降りてきてくださいっ。お部屋占領してごめんなさい、終わりました!」
ルル「そうか、だがゼロの姿でないと俺は艦内をうろつくこともできないんだ。すまないC.C.、マスクを―――…」
C.C.「マスクも持ってきました!」
ルル「ほわあっ!」ダッ
C.C.「ああっ、飛び降りたら危ないですご主人様ー!」
ルル「ふう、これで一安心だ……ありがとうC.C.。助かったよ」スチャッ
C.C.「い…いえ、お礼なんてとんでもないです。それよりもご主人様を追い出してしまって……」
ルル「いや、気にしないでいい。そもそも実行犯は咲世子だ」
ルル「だがあの部屋で一体何をしていたんだ?」
C.C.「それは……その」
ルル「話したくないなら話さないで良いんだぞ。咲世子も女の秘密だと言っていたし」
C.C.「ち、ちがうんです!むしろご主人さまに話さないと意味が無いと言いますか何と言いますか……!」
ルル「落ち着け。様子がおかしいぞC.C.、どうしたんだ」
C.C.「あぅ……」
C.C.「~~~~~!///」ギュッ
ルル「……?」
C.C.「あの、……これ!受け取ってくださいご主人さま!」バッ
ルル「―――これは…」
C.C.「へ、へたっぴですけどチョコです!本命です!手作りです!えと、あのあのあの……!?」
ルル「だから落ち着け。まずは落ち着け」
ルル「……」ジッ
C.C.「……うぅ///」
ルル「俺に……くれるのか?」
C.C.「は、はい。ご主人様のために作りました」
ルル「本命とは本当か……?」
C.C.「………はい///」
ルル「……」
ルル「……ここで食べてもいいだろうか」
C.C.「ふえっ?」
C.C.「えと……、どうぞっ!」
ルル「それからもう一つ」
ルル「食べさせてくれないか」
C.C.「」ポカーン
C.C.「たっ、食べっ、た、はわわわわ!!?///」
ルル「ダメ、だろうか……?」
-天井-
咲世子「あのルルーシュ様が完全に冷静さを失っています……」
ジェレミア「ぬあああああっ!!ルルーシュ様の全力のおねだり顔ー!?」
咲世子「静かにしてくださいジェレミア卿、見つかってしまいます!」
C.C.「うぅー……~~~~~っ///」
C.C.「わ、分かりました。ご主人さま、お口を開けてください!」スッ
ルル「すまない、ありがとうC.C.」
ルル「」パクッ
ルル「……」モグモグ
C.C.「ど、どうでしょうか……?」
C.C.「あの、おいしくなかったら言ってください…」
C.C.「お菓子なんて初めて作ったので上手く出来てるかどうか―――…」
ルル「美味い」
C.C.「ぁ―――…」
ルル「美味いよC.C.。最高に美味い」
C.C.「あ、ありがとうございますっ……!」ホロッ
ルル「いや、礼を言わなければならないのは俺の方だ」
ルル「手づくりのチョコ、ありがとう。とても嬉しいぞC.C.」
C.C.「うぅ、よかったです……」
バレンタインはとっくに終わっただろうが
いつまで俺を苦しめる
ルル「しかし……これは今からホワイトデーの準備に取りかからなければいけないな」
C.C.「ほわいとでー?」
ルル「ああ、今日から一か月先の三月十四日……男がバレンタインのお返しをする日だ」
ルル「だから返事はそのときにしよう」
C.C.「ええっ!?」ガーン
ルル「はは、すまない。こんな美味い手作りチョコを貰ったんだ、俺もそれ相応のものでC.C.に返したいんだよ」
C.C.「……あ、えとっ、それはつまり……」
ルル「……」
ルル「ホワイトデーまでは内緒だ」
C.C.「ええーっ!?」ガーン
さ よ な ら ギ ア ス !
そんなわけでおわり
ギアススレが減ってるので立てた
>>110
俺 も 苦 し い
乙
続きまして記憶ありバージョンのC.Cバレンタイン編です
どうぞ
C.C.「誰か貰える宛てでもあるのか?」
ルルーシュ「当たり前だ。この日のために数か月前から下準備をしていた」
C.C.「ほう?流石は童貞ボウヤだな、俗な風習にそこまで必死になるか。いつもの冷静さはどこへやら」
ルル「黙れ魔女!」
C.C.「む……」
>>116
こんな感じか
最初こっちで書こうと思ったけど挫折したからやめた
途中までなら投下する
ルル「いいか。バレンタインとは全世界の男の夢なんだ」
ルル「今日だけはブリタニアも日本人も関係なく、すべての男達がドキドキそわそわして挙動不審になってしまう。それほどまでに特別な日なんだ」
ルル「恐らくはあの星刻でさえな……」
C.C.「気持ち悪いな」
ルル「まあそう言うな。どうせ奴には天子をチラ見するのが限界なんだ、少しは同情してやれ」
C.C.「身分の差だな」
ルル「だがその点、俺にはイレブンの憧れ『ゼロ』と学園のアイドル『ルルーシュ』という二つの顔がある」
C.C.「アイドル?」
ルル「まず黒の騎士団の女性陣からのチョコは数百を超えるだろう。既に玉城達に回収BOXを作らせてある」
ルル「そしてアッシュフォード学園のアイドル副会長ルルーシュへのチョコ。こちらもリヴァルに回収BOXを作らせた」
ルル「ククク、どうだC.C.。完璧だろう?」
C.C.「ふん、どうだかな……」
ルル「何だ、俺があまりにモテるからすねているのか?心配するな。お前からもちゃんと貰ってやる」
C.C.「そういうことじゃない。まあ私が言わなくともいずれ分かるさ」
C.C.「それから、私はお前用のチョコなど用意していないぞ」
ルル「なっ、何だと!?」ガーン
C.C.「な、何だ。お前にしては珍しく大袈裟なリアクションをとるじゃないか」
ルル「C.C.お前、俺にチョコを用意していないのか……?」
ルル「俺とお前は共犯者じゃなかったのか!裏切り者め!」
C.C.「共犯者とはチョコをくれる人間という意味だったか?」
ルル「くっ……お前には失望したぞC.C.。お前だけはどんなことがあっても俺の味方だと思っていたのに」
C.C.「ふん、残念だったな童貞ボウヤ」
ジェレミア「ご心配なくルルーシュ様。このジェレミア・ゴッドバルトが最高級のチョコレートを用意しております故」
ルル「ジェレミア!?」
ルル「一体どこから……。今の話を聞いていたのか?」
ジェレミア「ルルーシュ様が必要とすれば、私はどこへでも駆けつけましょう」
C.C.「おいオレンジ」
ジェレミア「む、C.C.。貴様ルルーシュ様にチョコを差し上げないとはどういうことだ」
C.C.「チョコをやるやらないは私の勝手だろう」
ジェレミア「ふん……紅月に取られても知らんぞ?」
C.C.「なっ…」
ジェレミア「彼女は明日勝負に出ると聞いた。お前が対抗馬だと思っていたが、まさか意地を張って用意していないとはな」
ジェレミア「これで紅月の勝ちは決まったも同然だ。笑止!」
C.C.「ぐぬぬぬぬ……」
ジェレミア「それにな」
C.C.「……まだ何かあるのか」ジロッ
ジェレミア「ついうっかりとだが、先程ルルーシュ様の独り言を聞いてしまったのだ」
C.C.「独り言、だと……?」
ジェレミア「ああ。ルルーシュ様は先程トイレに行かれただろう?」
C.C.「ああ、確かにな」
ジェレミア「個室という一人の空間はやはり誰でも気が抜けてしまうものだ。ルルーシュ様でさえも」
C.C.「も、勿体付けないで早く言えオレンジ!」
ルル「おいジェレミア、二人で何をこそこそと話しているんだ?」
ジェレミア「いえいえルルーシュ様、何でもありませーん」
ジェレミア「続きが気になるかC.C.?」
C.C.「……うるさい」
ジェレミア「ククク、そう拗ねるな。これ以上無い耳寄りな情報だぞ」
ジェレミア「ルルーシュ様は言っていた。『C.C.はチョコをくれるだろうか』、と」
C.C.「!?」
ジェレミア「しかもまるで恋する少年のような物憂げな声でな。何度も同じような事を呟いていたよ」
C.C.「た、たしかか」
ジェレミア「疑うのならば本人に聞いてみればいい」
C.C.「そ、そんなこと出来るわけが……ッ!」
ジェレミア「落ち着けC.C.、息が上がっているぞ?顔も赤い。ルルーシュ様に気付かれてしまう」
C.C.「……」スーハースーハー
ジェレミア「面白いな貴様」
C.C.「オレンジのくせにわたしをからかう気か……」
ジェレミア「いやいや、むしろ応援してやろうというのだ」
ジェレミア「私の情報に偽りはない。お前が素直になりチョコを渡しさえすれば、ルルーシュ様は間違いなく落ちる」
ジェレミア「ルルーシュ様は普段滅多にご自身の望みをおっしゃらない方。だから私はその望みを叶えて差し上げたいのだ」
C.C.「……わ、わかった。考えておく」
ジェレミア「ふふふ……」
ルル「おい、本当にお前ら何をこそこそしている?」
C.C.「な、何でもないと言っているだろう!」
-斑鳩艦内 通路-
C.C.「くっ、私が素直に……だと…?あのオレンジくんめ」テクテク
カレン「―――あ、C.C.じゃない」
C.C.「カ、カレン!?」
カレン「……何よその驚きようは」
C.C.「うるさい。それより何だその荷物は」
カレン「あ、これ?」ドッサリ
カレン「騎士団みんなにチョコを配ろうと思って。材料を買い込んできたのよ」
カレン「やっぱりイベント事はみんな楽しみにしてるからね。ついでに女性団員の分まで買って来ちゃったわ」
C.C.「ほう、それは結構なことだな」
C.C.「……ところでお前、本命はいるのか?」
カレン「はいっ!?」
C.C.「どうなんだ」
カレン「なん…っ、何であんたにそんなこと教えなきゃいけないのよ!」
C.C.「ムキになるあたり、やはりいるのか……」
カレン「……いたらどうなのよ」
C.C.「いや、何でもない」
C.C.「荷物を持っているのに時間をとらせて済まなかった。じゃあな」
カレン「ちょっと、C.C.……?」
カレン「…あいつ一体どうしちゃったのかしら。C.C.が謝るなんて重症だわ」
-夜中 ゼロ私室-
C.C.「チーズくん、わたしは素直になるべきなのか……?」
チーズくん「うん、そうすればルルーシュともっとなかよくなれるんじゃないかな!」
C.C.「そ、そうか。そうだなっ。少しがんばってみるか…」
チーズくん「うん、がんばってシーツー!」
C.C.「よーし!」
ルル「……あいつは布団の中で何をぶつぶつ言っているんだ」
-翌日-
C.C.「ラクシャータ」
ラクシャータ「あーら、C.C.じゃない。どうしたの?あんたが私の所を訪ねてくるなんて」
C.C.「その……」
C.C.「チョコレートの作り方を教えてくれないか」
ラクシャータ「はあ?私がチョコ作れるような女に見える?」
C.C.「そうだな。手間をとらせた」バーイ
ラクシャータ「早っ!ちょっとぉ!?少しくらいフォロー入れていきなさいよ!」
C.C.「セシル」
セシル「ごめんなさい、まだ仕事があるの」
C.C.「千葉っ」
千葉「すまない、機体の調整で忙しいんだ」
C.C.「ディートハルトッ!!」
ディートハルト「何故私が?」
C.C.「さ、咲世子」
咲世子「C.C.様ではありませんか。どうしました」
C.C.「チョコレートの作り方を教えてください……」バタッ
咲世子「あらあら……」
―――――――――――――――
―――――――――――
――――――――――
咲世子「はい、ラッピングも出来ました」
C.C.「ありがとう咲世子。最初からお前に頼んでいればよかったよ」
咲世子「ふふ」
咲世子「ところで、渡すときにおっしゃる言葉は決めていらっしゃいますか?」
C.C.「いや……正直それ以前に、これを渡すかどうかで悩んでいるところだ」ギュ…
咲世子「どうしてですか?C.C.様からチョコを渡されたらルルーシュ様はお喜びになりますよ?」
C.C.「……そう思うか?」ニコ
咲世子「ええ。きっと」
C.C.「そっ、そうかっ」
>>149
ミスった
―――――――――――――――
―――――――――――
――――――――――
咲世子「はい、ラッピングも出来ました」
C.C.「ありがとう咲世子。最初からお前に頼んでいればよかったよ」
咲世子「ふふ」
咲世子「ところで、渡すときにおっしゃる言葉は決めていらっしゃいますか?」
C.C.「いや……正直それ以前に、これを渡すかどうかで悩んでいるところだ」ギュ…
咲世子「どうしてですか?C.C.様からチョコを渡されたらルルーシュ様はお喜びになりますよ?」
C.C.「……そう思うか?」
咲世子「ええ。きっと」ニコ
C.C.「そっ、そうかっ」パァッ
咲世子「ところで、渡す際に言う言葉ですが……―――…が良いと思われます」コソコソ
C.C.「ふむふむ、なるほど」
C.C.「…では奴の所に行くか。済まない咲世子、何から何まで世話になった」
咲世子「いってらっしゃいませ。C.C.様のお気持ち、伝わると良いですね」
C.C.「……ふん、もし受け取らなかったら地獄を見せてやるだけだ」
咲世子「ふふ、お手柔らかに。一応私のご主人様でもありますので」
ルル「チョコの喰い過ぎで気持ちが悪い……うう」
C.C.「……」
C.C.「死ね。そのまま高血糖で倒れて死ね」ゲシッ
ルル「ぐふっ!?や、やめろ!腹はやめてくれ!」
C.C.「……ところでお前、カレンからはもうチョコを貰ったのか?」ギシ…
ルル「カレン?ああ、貰ったが」
C.C.「っ!?」ガタッ
ルル「な、なんだ!?どうした!」
C.C.「い、いやっ……なんでも、ない…」
C.C.「……」
ルル「何なんだ、おかしなやつだな……」
C.C.「……」ソワソワ
ルル「……」
C.C.「……」チラッ
ルル「だから何なんだお前は」
C.C.「返事、したのか」
ルル「は?」
C.C.「返事はしたのかと訊いているんだ……」
ルル「何を言っているのか分からんのだが」
C.C.「カレンから告白されたんだろう!?本命のチョコレートと一緒に!」
ルル「……どこから情報を得たのかは知らんが、俺は誰からも告白などされていないぞ?」
C.C.「――――、は…?」
ルル「ほら見ろ、カレンからもらったチョコレート。他の団員と全く同じチョコケーキだ」
ルル「しかも回収BOXの中に放り込まれていた。『カレン』とだけ油性マジックで書かれてな」
C.C.「……」
C.C.(どういうことだこれは?昨夜ジェレミアは確かにカレンが勝負に出ると……)
ルル「まったく、何をムキになっているんだお前は」
さるになって書き込めない……うああああああああ
あ 復活
>>160
チョコケーキに油性マジックで書けるわけがなかった
チロルチョコです
カレン(……C.C.がチョコチョコ言って走り回ってる、なんて聞いたら嫌でも勘付くわよねー、あはは)
カレン「C.C.相手じゃ勝ち目ないからなぁ……悔しいけど、頑張りなさいよC.C.」
C.C.「―――カレンのやつ、本命が他にいたんだろうか……」
ルル「何か言ったか?」
C.C.「い、いや何でもないっ」
C.C.「それで、つまりお前は誰からも本命チョコを貰っていないんだな?」
ルル「何度も言わせるな。俺だって一応男だ、少し落ち込むぞ……」
C.C.「ふ、ふん……所詮は童貞ボウヤだな」
C.C.「仕方がない、哀れだからこの私が―――…」
C.C.(!)
C.C.(いや待て。こんな言い方をしてはいつもと同じだ……)
咲世子『ところで、渡す際に言う言葉ですが……』
咲世子『やはり素直な言葉をぶつけた方が良いと思います』
咲世子『ルルーシュ様も、失礼ですが貴女も多少ひねくれたお方です。曖昧で遠回しな言いかたではうやむやに終わってしまう恐れがありますから』
C.C.「……」
ルル「おい、C.C.?」
C.C.(素直な、言葉……)
C.C.(ルルーシュに私のチョコを受け取ってほしい。食べて欲しい)
C.C.「……」
C.C.「くっ、喰らえルルーシュっ!」ガァッ
ルル「何をだ!?お前の鉄拳か!?」
C.C.「ちっ、違う!間違えた!やり直しだ!」
ルル「何だか良く分からんが落ち着け」
C.C.(な、何をやっているんだ私は…!もっと他に言うことがあるだろう)
C.C.「つ、つまりだなっ。その……」
C.C.「……、これ」ズイッ
ルル「……え」
ルル「これは何の冗談だ?」
C.C.「ほ、本気だッ!///」
ルル「……俺にはチョコをくれないんじゃなかったのか?」
C.C.「あれは嘘だ…っ」
ルル「……」
C.C.「……」
C.C.「ルルーシュ、私はお前が好きだ……」
ルル「……」
ルル「……」
C.C.「な、なんとかいえっ」
ルル「……」ギュッ
C.C.「ふぁっ!?」
C.C.「お、おいルルーシュ!?」アタフタ
ルル「……」ギュー
C.C.(あわ、あわわわわ)←パニック
ルル「いや、まさかお前から告白されるとはな……」ギュー
ルル「何と言ったらいいのか。正直言葉にならない」
ルル「だが……」
ルル「ありがとう、嬉しいぞC.C.」
C.C.「くぅ……///」
ルル「あと実はな、俺からも渡すものがある」
C.C.「え…?」
ルル「昨日お前から貰えないと分かって、意地になってやめようかとも思ったんだが」ゴソゴソ
ルル「逆チョコと言うやつを用意してみた」
C.C.「」
C.C.「わたしにか……?」
ルル「当たり前だろう、お前の他に誰がいる」
ルル「俺がお前のために、お前のことを思って作った」
ルル「……俺もお前が好きだ。受け取ってくれるか?C.C.」
C.C.「ルルーシュ……」
C.C.「――――…もちろんだっ」
今度こそ
さ よ な ら ギ ア ス !
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