赤沢「恒一君がモブキャラとイチャイチャしてる……?」(209)


鳴「……」

赤沢「それ、本当なの?」

鳴「うん……」

赤沢「不味いわね……もしかしたら私達がモブキャラになっちゃうかも……」

鳴「…………私達で阻止するの」

赤沢「え……?」

鳴「……モブキャラ対策係」

赤沢「……一時休戦って事で良いのかしら?」

鳴「……」コクリ


赤沢「…………」

赤沢「……いいわ、その話、乗るわよ」

鳴「まずは榊原君の様子を見よう?」

赤沢「この時間は恒一君、屋上かな……」

鳴「……」

赤沢「ヒロインの座は渡さないわ……待ってなさい!」

鳴「……」

――――
―――

~屋上~

恒一「多々良さんの髪って綺麗だよね」

多々良「え、髪……ですか?」

恒一「うん、長いからケアとか大変そうだし、よく綺麗で保っていられるね」

多々良「あ、ありがとうございます……///」

恒一「…………ぷ、あはは、多々良さんが照れてる顔って初めてみたかも」

多々良「榊原君っ!?」

恒一「ごめんごめん、嫌だった?」

多々良「も、もう……知りません!……ばか///」


~♪

恒一「あ、チャイム鳴っちゃったね……」

多々良「も、もし良かったら……今日の放課後、一緒に帰りませんか?」

恒一「え?僕は別にいいけど……」

多々良「ほ、ほんとうですか!?その……恒一君、前に勉強教えてほしいって言ってたから……」

恒一「あ!覚えててくれたの?」

多々良「……///」コクリ

恒一「んー……それじゃ、今日僕の家に来る?」

多々良「い、行きます!」


――
――――
赤沢「……な、なによ多々良さん……」

鳴「……」

赤沢「あんなに楽しそうに話して……!」

鳴「榊原君、すごい楽しそう……」

赤沢「あぁ!どうして照れながら榊原君の太腿に手を置いてるのよ!」

赤沢「なに?彼女気取りな訳?」

鳴「私も榊原君の太腿、撫でたい……」

赤沢「え?」

鳴「……赤沢さん、見て」


赤沢「嘘……今日、多々良さん恒一君の家に行くの!?」

鳴「……」

赤沢「あぁ~もう!勉強の事なら私に言いなさいよ~!!」

鳴「……真面目なキャラだと思わせて、実はかなり積極的……多々良、できる……」

赤沢「これは思ったより深刻ね……」

鳴「他のモブキャラ達とも仲良くしてるみたい……」

赤沢「い、今はまだ様子見……覚えてなさい、多々良さん……」

~廊下~

恒一「お昼休みかー……」

綾野「こういっちゃーん!今暇?」

恒一「ん、どうかしたの?綾野さん」

綾野「いやー、その……お弁当、作ってみたんだけど……」

恒一「綾野さんが?」

綾野「……う、うん」

恒一「そうなんだ……なんか以外だね」

綾野「そ、それで……一人じゃ食べきれないしさ、良かったらこういっちゃんも……」

恒一「僕も一緒に食べていいの?」

綾野「う、うん!いいよ!これが作ったお弁当なんだけど―――――」


赤沢「今度は綾野さんね……」

鳴「……」

赤沢「…………いつもと特に変わらないけど……」

鳴「……手」

赤沢「手……?ってお弁当?どうして……」

鳴「……」

赤沢「あ、綾野さんが恒一君にお弁当……!?」

鳴「追跡……」

赤沢「ま、待ちなさい!」


綾野「こ、これなんだけど……」

恒一「それじゃ、いただきます」

恒一「……」モグモグ

綾野「……ど、どうかな?こういっちゃん……」

恒一「お、おいしい……これ、綾野さんが作ったの!?」

綾野「あ、本当に?本当においしい?」

恒一「うん、綾野さん、いいお嫁さんになれるね」(※)

綾野「あ……も、もう!///」

バシッ!

恒一「いてっ!」


赤沢「二人で綾野さんのお弁当食べてるわ……」

鳴「……」グー

赤沢「……」

赤沢「な、なにが『良いお嫁さんになれるね』よ……」

鳴「……」

赤沢「あ!今度は綾野さんが食べさせてる……!」

鳴「あーん、してる……」

赤沢「な、何よこの状況……まるで付き合ってるみたいじゃない!」

鳴「……」

赤沢「み、見てなさい、恒一君……私も料理勉強するんだから……」

~放課後~

恒一「やっと放課後か……」

多々良「さ、榊原君!」

恒一「あ、今行くよ」

赤沢「……」

鳴「……」

赤沢「合鍵ならあるわ……」チャリン

鳴「……」チャリン

~榊原宅~

多々良「こ、ここが榊原君の部屋……」

恒一「ごめんね、散らかってて」

多々良「そ、そんな事ないですよ!むしろ綺麗なくらいです」

恒一「ほんとに?じゃあ僕、飲み物取って来るよ」

多々良「そんな気を遣わなくても……」

恒一「いいからいいから、それじゃあちょっと待ってて」


多々良「……」ドキドキ

多々良「……あれ?」

多々良「……この本、榊原君の本かな……」

『スカトロマニア~尻穴アルティメット編~』

多々良「…………」


――
―――

赤沢「……ごめんね、恒一君」

鳴「後はこれで引いてくれれば……」


榊原「お待たせ、麦茶でいいかな?」

多々良「あ、え……ぜ、全然待ってないですよ」

榊原「ほんとに?はい、これ」

多々良「ありがとう……榊原君」

榊原「なに?」

多々良「私、榊原君の全てを受け止めます!!」

榊原「え、え?多々良さん?」

ガタッ!ゴトッゴトッ!

榊原「うわぁ!?」 多々良「きゃっ!」


榊原「れ、玲子さん……?」

多々良「……」

……。

榊原「……多々良さんはそこで待ってて」

多々良「で、でも……榊原君」

榊原「……!」ガラッ!

榊原「………だ、誰も居ない?」


多々良「ほ……榊原君、勉強会しましょうか?」

榊原「あ、うん……なんかごめんね」

多々良「ううん、いいの……」

多々良「それより、わからない所を教えてほしいな」

榊原「えっと――――――」


――
―――

赤沢「ど、どういうことなの……?」

鳴「多々良、恐るべし……」


多々良「―――――そう、ここはこうしてね」

恒一「あ、なるほど……ってもうこんな時間か」

多々良「今日はこの辺で終わりにしましょうか」

恒一「ありがとう、多々良さん、すごいわかりやすかったよ」

多々良「は、はい……その」

恒一「ん?」

多々良「ご褒美とか……ほしいです……///」


恒一「ご褒美か……僕、そんなにお金持ってないよ?」

多々良「あ、いや……そうじゃなくて……」

恒一「?」

多々良「あ、頭を撫でてくれません……か…?///」

恒一「頭を撫でるだけでいいの?」

多々良「は、はい……今日はその……それだけで十分です……」

恒一「あはは、多々良さんは変わってるなぁ」



――
―――

赤沢「……」ドスッ、ドスッ……

鳴「……」ドスッ、ドスッ……

赤沢「さて……今日は帰って、明日からまた頑張りましょう」

鳴「……」コクリ

赤沢「……」

~朝~

恒一「……あ、小椋さん」

小椋「……榊原君」

恒一「おはよう」

小椋「おはよ……」

恒一「いい天気だね」

小椋「そうね、榊原君と朝会うなんて初めてじゃない?」

恒一「そうかな……朝に話すのは初めてだけど、結構見掛けたよ」


小椋「私って……話し掛け辛いイメージなのかな」

恒一「あ、いや……そういう意味で言った訳じゃ……」

小椋「ふふ、冗談」

恒一「あ、あはは……ごめん」

小椋「だーめ」

恒一「え?」

小椋「ふふっ、ほら、行くわよ」



――
―――

赤沢「昨日は危うくタイトルが『多々良ー』になりそうだったわね」

鳴「……今日は小椋さん」

赤沢「小椋さんとも仲良くなるなんて……」

鳴「……」

赤沢「小椋さんのあんな笑顔、初めてみたわよ……!」

鳴「……」コクリ

~教室~

勅使河原「よう!サカキ……って小椋も一緒じゃねえか」

小椋「なによ、悪いの?」

勅使河原「いやー……サカキ、お前どんな魔法使ったんだよ」ゴソゴソ

恒一「え?魔法?」

勅使河原「あの小椋が同い年の男と登校なんて、見た事ねえぞ!」ゴソゴソ

恒一「……?」

小椋「聞こえてるわよ……勅使河原」ピキピキ


~昼休み~

恒一「今日は綾野さんのお弁当も無いし……」

赤沢「こ、こうい……!」

小椋「榊原君、良かったら一緒に食べない?」

恒一「え?いいの?」

小椋「朝、喋ったらもう少し話したくて……都会の事とか聞きたいな」

恒一「都会かー……都会も話すほど良いところじゃないよ?」

赤沢「……」

鳴「……どんまい」

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