中川「えっ!?先輩が部長を殺したですって?」(157)

古畑「え~…警察官 いつの時代も警察官は人々の生活と安全を守る頼もしい存在です そんな警察官に憬れて自分でなってしまう物好きな人も多々いるようで…私もその一人ですが…」ンッフッフ

古畑「しかしぃ、警察官を目指す動機は人によって様々です 正義感に燃えて、あるいは安定した収入のため…変わったところでは子供の頃から警察のお世話になっていてそのままズルズルと、なんて人もいます」

古畑「今回の犯人の動機はなんと…拳銃を撃ちたいから…え~危険な人物です」

派出所

部長「両津のバカはどこにいるっ!?両津のバカはどこだ!?」

中川「「敗北を知りたい」と言って東へ向かいました!!」

部長「まったくアイツめ…逃げ足だけははやいのだから…」

中川「まぁまぁ部長、あまり怒ると血圧が上がりますよ ちょっと奥で休んだらどうです?」

部長「うむ…そうさせてもらうよ しかし派出所のみんなはどうしたのかね」

中川「邪魔だからちょっと消えて…い、いや、麗子さんには神戸まで買い出しに行ってもらってます 寺井さんは突然機関車に撥ねられて死にました」

部長「ふむ…わしと中川の二人だけか…」

中川「一応犬もいますが…マニアにしか分からないだろうから問題ないでしょう」

部長「それじゃあ少し横にならせてもらう…一時間たったら起こしてくれ…」フワァア

中川「一時間と言わず…」

中川「好きなだけ寝ていいんですよ部長!!」

ドゴォオオオオ

部長「ぎょえええええええ!!!」

中川「…」

中川「死んだ…」

中川「部長が悪いんですよ…」

犬「ワンワンッ!!」
中川「うるさいっ!あっちへ行ってろ!ボクはこれから先輩に罪を着せる工作に忙しいんだ!!」

一時間後

両津「いやぁ、よく出たなあ!部長から逃げてる間はパチンコの調子がよくて困るよ、なんと日用品を1年分もらってしまった」ワッハッハ

両津「部長はまだ怒ってるだろうがチョコレートでもあげれば機嫌を直すだろう 戦中派だからな」

両津「ん…?派出所がいやに静かだな…」

両津「なあんだ部長、奥で寝ているんですか 脅かさないで下さいよ」

両津「両津巡査長!ただいま帰還いたしました!!私(わたくし)には帰るべき場所があった!!」ビシッ


し~ん…

両津「な…なんか変だな…息もせず眠るなんてなかなか出来ることじゃないぞ…」

ゴロン…

両津「ぎぇ!死んでる!!」

両津「た…大変だ!はやくお巡りさんに連絡しないと!!」オロオロ

麗子「ただいま両ちゃん、頼まれたもの買ってきたわよ でもわざわざ神戸まで行かせるなんて人使いが荒いわね」

両津「麗子!ワケの分からんことを言ってる場合じゃないぞ!部長が死んでしまったんだ!!」

ワイワイ ガヤガヤ

今泉「では両津さん、あなたが発見された時には大原さんはすでに亡くなっていたんですね」

両津「あぁ…ピクリとも動かなかった…完全に死んでいたよ」

麗子「部長さん…」シクシク

犬「ワンワンッ!!」

犬「ワンワンッ!ワンワンッ!」

両津「こら犬ッ!こんな時にワンワンなどと吠えるんじゃない!少しは場の空気を読まんかっこのバカ者めっ!!」

犬「くぅ~ん…」

???「まぁまぁ…そう怒らずに…私もネコを飼ってますが動物に罪はありませんよ」ンッフッフ

今泉「古畑さん!遅刻ですよ!!なにやってたんですか」

古畑「疲れたよ今泉くん…健康のために自転車で来たんだけど下町は地面が悪くてまいるね、二回もパンクしたよ」

麗子「あ、あなたは警視庁で有名な凄腕刑事…」

古畑「はい~…古畑、古畑任三郎です」

両津「古畑…?何者なんだこのオッさん」

麗子「両ちゃん知らないの?古畑さんはラジオに出演したこともあるのよ 署内では超有名な警部さんよ」

両津「知らん、毛ほども分からん」

古畑「んっふっふ…まあ興味のない人間にはそんなものです…それに私、『警部補』です」

古畑「それで…今どうなってんの?説明して、デコ泉」

今泉「はいっ!亡くなったのは大原大次郎さん この派出所の巡査部長をされておりました 発見されたのは同じくこの派出所の巡査長である両津勘吉さんです」

両津「わしが見つけた時にはもうすでに冷たくなっていた…手の施しようなどなかったんだ…」

麗子「両ちゃん…」

古畑「え~…お嬢さん…失礼、麗子巡査はその時どこへ?」

麗子「両ちゃんに頼まれて神戸に行ってました なんでも「酒を買ってきて欲しい」と」
両津「なにを言うんだ麗子!そんな嘘を言うとは!」

麗子「ホントよ!電話で頼んだじゃない!「腰の寒梅」を買って来て欲しいって!確かに両ちゃんの声だったわ」

両津「うぅむ…麗子の狂言癖がこんな時に出るとは…女はこれだから困る 大体わしに酒を買ってきてもらう余裕などあるものか」

古畑「まぁまぁ…とにかく麗子さんは神戸にいた…確認もとれるでしょう それで、両津さん あなたは大原さんの死体を発見されるまではどこへ?」

両津「ぎ…ぎくっ!そ…それはつまり…なんと言うか…ちょっと言い辛いなあ…」ハハハ…
今泉「つまり、アリバイはないと」

両津「失敬な!アリバイはちゃんとあるぞっ!!しかし人には言えない秘密もあると言うことだっ!!」

両津「(うぅむ…まさか「パチンコしてました」なんて言えんからな…こいつらが警視庁のお偉方にそのことを伝えたらわしのクビはとんでしまうぞ…)」
今泉「古畑さん…なにか様子がおかしいですよ…この男がホシじゃ…」ヒソヒソ

古畑「先走りはよくないよ~今泉くん」

中川「いやあ皆さん、ずいぶん賑やかですね!何かあったんですか?」ビシッ

今泉「実は両津勘吉さんが大原大次郎さんを殺した容疑で事情聴取を…」

両津「こらデコっ!なんてことを言うんだっ!!」

中川「えっ!?先輩が部長を殺したですって?」

古畑「今泉くん、消えて はじめまして~私、古畑任三郎といいます 中川財閥の御曹司、中川圭一さんですね」

中川「お噂はかねがね…しかし信じられないなぁ、先輩が部長を殴り殺すなんて…あの二人は表面上はいがみあってますが本当は親子以上の関係なんですよ」

古畑「…え~…まだ確定したワケではありませんが…」

犬「ワンワンッ!!ワンワンッ!!」

麗子「どうしたのワンちゃん?」

犬「グルルルル」

え~…書きためはここまでです… あとは即興で話を考えてゆきます…
一応オチまで考えているので…シュール・意味不明な展開にはならないと思います…ンッフッフ
よろしければしばらくお付き合い下さい…
え~…>>1でした

今泉「しかし両津巡査長の態度は誰が見ても怪しいですよ!大体顔からして怪しい!」

両津「たわけ者っ!この顔は生まれつきだ!!」

古畑「んっふ…でもね両津さん…アリバイを喋ってもらわなくては我々もあなたを疑うしかないわけで…」

両津「ぬっ…!仕方ない、正直に言うよ…パチンコをしてたんだ」

今泉「勤務をほったらかしてパチンコとは…とんでもない不良警官ですね!」

古畑「勤務をほったらかして観覧車に乗ってたキミが言える義理じゃないよ~…今泉くん」

両津「わしはずっとパチンコを打ってたんだ!部長を殺すヒマなどあるはずがないっ!!」

今泉「一応裏を取りましょう、どこのパチンコ屋です?」

両津「か…角のパチンコ屋だが…(し…しまった…パチンコ屋の店主にはわしが来たことは公言しないよう口止めしてるんだった…!こいつらが確認に行ってもわしがいたことは証明できんじゃないか!!)」

両津「い…いやぁ…だけど行っても無駄足かもよ…あそこの店主は頭がパラダイスだから私(わたくし)のことなど忘れているかも…」
麗子「両ちゃん、すごい汗よ」

今泉「なにかあやしい…ホントはパチンコ屋なんかには行ってないんじゃないですか?」
両津「なにを吐かすかっ!確かにわしは行ったぞ!バカスカ出て日用品を1年分もらったほどだ!!」

今泉「ならその景品はどこにあるんです?」
両津「そ…それは…(まずい…現場検証で見つかるとヤバいから全て処分してしまった…)」

中川「計画通り…」ボソッ

両津「とにかくわしはパチンコをやってたんだ!頼む!信じてくれっ!」

古畑「んっふふ…どうやら両津さんの言ってることは本当みたいだよ今泉くん」

今泉「えっ!?どういうことです古畑さん?」

古畑「両津さんの自転車を何気なく調べたら見つけたよ~ 備品入れの中から、これを」
両津「あっ!それは署長に高く売り付けようと思って別にしておいた高級葉巻…すっかり忘れていた」

古畑「両津さん…これ、パチンコの景品ですよね」

両津「そのとおりだ古畑!!」

今泉「何故それがパチンコの景品だと分かるんです?自分で買ったのかも知れないじゃないですか」

古畑「それはないだろう 買えば1万円以上はする高級な葉巻だよ 両津さんにそんな金銭的余裕があるとは思えないなあ…両津さん、今月の生活費を教えて下さい」

両津「今月はあと十日、三十円で乗り切らねばいかん」ズコッ

麗子「小学生並ね…」
古畑「分かったろ今泉くん、両津さんではその葉巻は買えない…パチンコでとるしかないんだ」

今泉「い~や、納得できません アリバイ工作のために無理して買ったのかも知れないし、大体、その葉巻が今日とったものとは限らないじゃないですか 別の日にもらった葉巻の可能性も充分にある」

古畑「んっふっふ…今泉のくせに痛いとこをつくね…」

古畑「わかったよ今泉くん、両津さんの容疑は灰色(グレー)ということにしよう」

両津「うぅむ…グレーとは…絶え間なく注ぐ愛の名を永遠と呼びたい気分だな…」

中川「先輩!ぼくは信じてますよ!例え先輩が部長にひどく怒られていたとしても!殺したいほど憎んでいたとしても!先輩は絶対にそんなことはしないと!」

両津「それはフォローなのか中川…?」

古畑「では、我々はこの辺で…しばらくは何度もお邪魔することになると思いますが…」
両津「頼んだぞ古畑!わしの無実を立証してくれ!!」

中川「ぼくからも頼みます!先輩を救ってやって下さい!!」ビシッ

古畑「んふふ…ちなみに中川さん…あなたはあの時間…志望推定時刻ですが…なにを?」

中川「パトロールに行ってました それは先輩が証明してくれると思います」

両津「確かだ古畑 中川はわしが派出所にいる間…つまりわしが部長から逃げるためパチンコに行く直前にパトロールに出かけた 商店街が管轄だったな」

中川「はい、たっぷりと商店街をパトロールしていました!街の人達に聞いてもらえば分かるはずです」

古畑「そうですか…一応聞き込みをしておきますよ 長々とすいませんでした」ンッフッフ

今泉「絶対シッポを掴んでみせるぞ…繋がり眉毛め…」ブツブツ

古畑「それでは…あ、あともう一つだけ、中川さん」

中川「」ピクッ

古畑「あなたさっき『先輩が部長を殴り殺した』と言いましたが何故大原部長が撲殺されたとご存じで?」

中川「」ピクピクッ

麗子「そういえば…圭ちゃんはパトロールから戻ったばかりで部長さんの遺体を見てないはずよね」

中川「それは…イメージですよ!なんとなく先輩って人を殴り殺すイメージがあるでしょ?」

両津「どういうイメージなんだわしは…」

古畑「確かに…頑丈そうな身体だ 酒もお強いでしょう」

両津「まあね、わしも下町のバッカスと呼ばれたほどの男だからな 酒など水だよ」エッヘン
麗子「そうそう両ちゃん、『腰の寒梅』買ってきたわよ」

両津「だからわしは知らん!所持金三十円の男が何故そんな高級酒を買うんだ!?」

古畑「では今度こそこれで…」

両津「おう、また来いよ古畑」ワッハッハ

中川「(古畑任三郎…要注意だな)」

犬「ワンワンッ!ワンワンッ!」

麗子「一体どうしたのよワンちゃん…?」




古畑「ソーセージは魚肉に限るよ」モグモグ

今泉「古畑さーん、聞き込みしてきましたよー!しかしなんで両津のアリバイじゃなく中川さんのアリバイを調べるんです?」

古畑「いいからいいから…で、どうだった?」

今泉「バッチリでしたよ!大原氏が殺されたと思われる時間、中川さんがパトロールしているのを見た人が何人もいます 彼はシロですね」

古畑「ん~…果たしてそうかな?ちょっと確かめたいことがあるんだ」

今泉「え?一体どうゆう…」

プラモ屋の親父「確かです、この目でしかと見ました 中川さんは確かにこの商店街をパトロールしていた」ズンッ

今泉「ね?言ったとおりでしょ」

古畑「んっふっふ…プラモ屋さん、一つ確認したいんですが…中川さんは『犬』を連れてましたよね?」

プラモ屋の親父「い…犬っ…!?」

プラモ屋の親父「ど…どうだったかな…最近記憶が…」

古畑「中川さんが『犬』を連れてないと…大変こまったことになるんですがねぇ…」

プラモ屋の親父「そうだ!確かにそうです!中川さんは犬を連れていた!完全に思い出しました!!」

古畑「んっふ…今度は別の人に聞いてみよう」


駄菓子屋のばあさん「あたしゃ確かに見たよ!中川さんはその時間、パトロールをしていたよ!あたしゃボケちゃいないよ」

古畑「おばあちゃん、その時中川さんは『ワニ』を連れてたよね?」

駄菓子屋のばあさん「ひぇっ!?ワニっ?」

古畑「中川さんが『ワニ』を連れていないと非常にマズいことになるのだけれど…」ンッフッフ

駄菓子屋のばあさん「思い出した!さっきまでのあたしはボケてたよ!中川さんは確かに『ワニ』を連れていた!間違いないよ!」

今泉「これは一体…?」

古畑「簡単な話さ…誰も彼がパトロールしてるとこなんて見ちゃいないんだ…」ンッフッフッフ

次の日 派出所

両津「部長が死んで、のびのびとプラモ作りに励めるぞ!」ワッハッハ
両津「もうわしを叱ったり怒鳴りつけたりする人間はいないんだ!まるで天国だな!!」
両津「もうあの声も聞かなくてすむ!あのチョビヒゲも、見なくてすむんだ!!わっはっはっは」

両津「はっはっは……は…」

古畑「え~…こんにちわ両津さん」ヒョッコリ

両津「ぬおっ!!」ドキッ

両津「ば…ばか者っ!ビックリさせるんじゃない!部長の霊が化けて出たのかと思ったぞ!!」ドキドキ

古畑「んっふ…すいません」

両津「まったく…それで…真犯人は見つかったのか?」

古畑「え~…それはまだ…しかし両津さん、見かけによらず随分器用でいらっしゃるんですね」

両津「まあな、プラモ作りに関してはすでにプロの域だと自負しているよ 見なさい、この美しいカーブ やはり戦艦はいい…」

古畑「んふふ…特にミリタリーがお好きなんですね」

両津「そういえば部長が死んだ日…昨日も戦車をつくっていたよ…そのことで部長に怒られそうだからわしはパチンコ屋に逃げたんだ…今思えば逃げずにそのまま怒鳴られていればよかったのかも知れん…」

古畑「両津さん…」

両津「古畑、頼む 必ず犯人をみつけだしてくれ この通りだ」ガッ

古畑「頭をあげて下さい両津さん それに…犯人の目星はもうついているんです」

中川「やぁ、古畑さんじゃないですか」ビシッ

両津「おう中川」

古畑「んふふ~…どうも…実は私中川さんに会いたくてきたんです」

中川「まぁこんな殺人が起きた縁起でもない派出所で話すのもなんですし、ボクのフェラーリに乗って下さいよ 東名高速をドライブといきましょう」

両津「こら中川っ!なんてことを言うんだ!」

古畑「え~…おともいたします」

中川「じゃあ人殺し…じゃなくて先輩、留守番頼みますよ」

ズボボボボボボ


古畑「いやぁ…やっぱりスーパーカーはすごいですねぇ…私のセリーヌの自転車とは大違いだ」

中川「自転車と一緒にされるなんて一本とられたな」ハッハッハ

古畑「え~…それで中川さん…ちょっとお話ししたいことが…」

中川「ボクもなんですよ、実は先輩のロッカーからこんなものが出てきまして…」ビシッ

ぶちょうころすころすころすころすころすころすころすころす

古畑「ふぅむ…まるで呪いの呪文ですねぇ」
中川「ぼくも驚きましたよ、まさか先輩の部長への恨みがこんなに深いものだったとは…このニューナンブにはびっしりこの言葉が書き込まれていたんです」

中川「この特徴的な筆跡は先輩のものです、間違ない それに、これも見て下さい」

古畑「茶碗の破片に始末書の束…なんですかコレは」

中川「どっちも部長に見つかったら困るものですよ!ね、分かったでしょ?先輩には部長を殺す明確な動機がある!」


古畑「んっ…ふふふふふ…」

勘弁してください部長ぉーもう眠くて限界ですよー

古畑「不思議な人ですねぇ、中川さん あなた一体両津さんをどうしたいんです?」

中川「ボクはただあなたの推理の手助けをしているだけですよ古畑さん 他意はない」

古畑「んっふ…それはありがたい…何しろまだ大原部長が殺された凶器さえ見つかってませんからね…」

中川「(…ちっ…)」



>>82
俺だって眠いんだっー

中川「そういえば古畑さん…実は気がかりなことが」

古畑「伺いましょう」
中川「部長が殺された現場…つまり休憩室ですが、天井になにか血のあとのようなものがついていたんです」

古畑「ほう」

中川「奇想天外で意味不明な発想かも知れませんが…先輩が天井を落として部長を殺したなんてことは…」

古畑「天井を…落とす…?」

中川「い…いや、忘れて下さい 我ながらバカバカしい発想だった なにしろ先輩は金のためなら自転車を食べるメチャクチャな人間ですから…」

古畑「え~…中川さん…ここで降ろしてもらえますか?」

中川「えっ?いいんですか なにかボクに話があったんじゃ?」

古畑「急用ができました 派出所に戻ります」ガチャッ

中川「(いいぞ古畑…探せ!凶器はお前の頭の上だ…)」クックック…

派出所

両津「おう古畑、ドライブは終わったのか 中川はどうし…」

ズカズカズカ

両津「お、おい古畑!なにを!そ…そのロープにさわるんじゃない!!」

ズドォオオオオン

古畑「んっふっふっふっふ…」

両津「た…頼む古畑!このことは上には黙っておいてくれ!天井をこんなにしてしまったことがバレたらわしは懲戒免職だ!」

古畑「いいですよ…ところで両津さん、『これ』いつ完成したんですか?」

両津「『これ』か?『これ』は確か…丁度昨日中川がパトロールに行って一人になった時だが…」

古畑「んっふっふっふっふ」

古畑「え~…」

古畑「全ての謎は解けました 中川さんが言う通り、凶器はズバリ天井 大原部長は天井を落とされて命を奪われたのです」

古畑「今から私は、天井を落としたのが両津さんではなく中川さんであると証明しなければいけません え~…ここは一つ、罠を仕掛けてみようと思います 果たして上手く引っ掛かってくれるでしょうか?そしてまた、何故両津さんは天井を改造しなければいけなかったのか」

古畑「解決編はこのあと、古畑任三郎でした」

中川「やあ先輩!戻りましたよ」ビシッ

両津「中川…」

中川「あれっ?まだいたんですか、てっきりしょっぴかれたとおもったのに」ハッハッハ

古畑「え~…お待ちしておりました中川さん…」

中川「古畑さん、何故このゴリラをさっさと逮捕しないんです?」

古畑「え~…残念ながら中川さん…逮捕されるのはあなたです…」
今泉「」バッ

向島「」バッ

羽賀「」バッ

中川「こ…これは…!?」

古畑「え~…中川さん、逮捕状です」

逮捕状が三つ?

中川「な…なにを言うんだっ!?犯人はそのゴリラだっ!全ての証拠がそれを物語っているじゃないか!!」

古畑「全て状況証拠に過ぎませんし、あからさますぎます 両津さんがはめられていることは明白です」

中川「はめられているっ…?バカ言うなっ!全てそのケダモノがやったことだ!人殺しの悪魔めっ!!」

古畑「いいえ、この事件には別のカゲがいるんです その人物は両津さんと大原氏が普段喧嘩ばかりしていることをよく知っています」

中川「…」

古畑「両津さんが大原氏を殺す動機を持ちやすいことをよく知っている人物、公園前派出所に近い人物だということが分かりました」

>>100
ごめん、三人は中川を取り囲んだの

古畑「次に、麗子さんが聞いたという『お使い』の電話」

中川「あの女が邪魔だったからそうしたんだっ!!部長を殺すのになっ!!あいつはしらばっくれてるがな」

古畑「んふ~…しかし何故「腰の寒梅」だったのでしょうか?他のものではダメだったんでしょうか?両津さんの経済状況から「腰の寒梅」は非現実的すぎます 麗子さんに怪しまれたらおしまいじゃないですかつまり…」
古畑「真犯人は両津さんがお酒が好きなのは知っているが、金銭感覚がまるでない人物ということになります」

古畑「え~…そして電話口の自分の声を自由に両津さんの声に変えるハイテク器機を入手できる人物」

古畑「両津さんがアリバイを証明できないのを承知してる人物」

古畑「商店街の人を買収して自分のアリバイをでっちあげることが出来る人物……え~っと…」


古畑「まだ続けますか?」

中川「状況証拠だ!全部状況証拠に過ぎない!」

古畑「しかしかなり確信に近いと思いますよ」

中川「凶器はどうした古畑っ!?ぼくが発見した凶器は!天井の血のシミはどうなった!?ゴリラが改造した天井はっ!?」


両津「な…中川っ!何故わしが天井に『ジオラマ』をつくっていたことを知ってるんだ!?」

中川「気付いていたさ!あんたが『ジオラマ』を吊るして天井にしていたことぐらいっ!!それを落として部長を殺したんだろっ!?」

古畑「え~…中川さん、それは違います その『ジオラマ』こそが両津さんがハメられている決定的な証拠なのです」


中川「なにっ…?」

古畑「え~…見て下さい中川さん、これが両津さんの指紋です 四角くて変わった指紋ですが、何故かジオラマを吊るしているこのロープに指紋が全くついていなかったんです」
中川「疑われないよう拭き取ったんだ!!」
古畑「はぁ?このジオラマの製作者は両津さんなんですよ 何故両津さんが指紋を拭き取る必要があるんです?無意味じゃないですか」

古畑「指紋は真犯人…つまり中川さん、あなたが拭き取ったんですよ、それ以外に説明がつきません」

中川「…ぎぎぎ…」

中川「わ…わかった…先輩がハメられていたことは認めよう、先輩はぬれぎぬを着せられていた…」

中川「しかしそれがボクだという証拠はどこにもないっ!全て状況証拠!状況証拠だ!証明してみろ古畑!ボクが先輩のジオラマを使って部長を殺したと!」

古畑「す…すいません中川さん!今、なんのジオラマっておっしゃいました!?」

中川「…え?先輩の…」

古畑「先輩の、どんなジオラマ!?」

中川「先輩の…『戦場』のジオラマ…」

古畑「はぁい、今の聞いたね?」

今泉「聞きました!」
向島「聞きました!」
羽賀「聞きました!」

中川「…???…聞いたってなにを…」

古畑「中川さん、あなた今自分で罪を認めたんですよ」

中川「なにを言って…!?」

古畑「確認なんですが中川さん、その『戦場』のジオラマには戦車は何台…?」

中川「三台だよっ!!」

古畑「はい、今のも聞いたね!?」

今泉「聞きました!」羽賀「聞きました!」向島「聞きました!」
古畑「中川さん…確かに両津さんが今吊るしているジオラマは『戦場』のジオラマです しかしこのジオラマ、いつ完成したと思いますか?」

中川「いつって…ま、まさか…!!」

古畑「そうなんですよ、昨日、あなたがパトロールに出かけたあとに両津さんが戦車を乗せて完成したんです それまではずっと『荒地』のジオラマだったんです」

古畑「意味するところはおわかりですね?あなたが例え天井のジオラマの存在を前々から知っていたとしても、昨日まではそれが『戦場』のジオラマだということは絶対に知ることはできないのです」
中川「うっ…うっ…」
古畑「両津さんがジオラマを完成させた昨日の午後、そして大原氏が殺されるまでの間だけ、それが『戦場』のジオラマだと知ることが出来るんです その後では休憩室は現場検証のため入れませんからねぇ」

古畑「何故パトロールに行っていたあなたにそれを知ることが出来たんでしょうか?あなたはパトロールに行ったとみせて引き返し、ジオラマを落として大原氏を殺した そこで『戦場』のジオラマを見た それ以外に知るチャンスは、ありません!」

中川「ぐぅうう~っ」
古畑「え~…いかがですか?」

中川「もう…いい」

古畑「それは自白と受け取っていいんですね?」

中川「…ああ…」

古畑「はい、どうも」
両津「中川…お前…」

両津「何故…部長を…」

中川「認めて…ほしかった…ふりむいて…ほしかった…それしか言えない…」

古畑「え~…その奇抜なファッションや言動も…全ては…大原氏のために…」

中川「愛なんて言葉じゃ…陳腐かな…」

中川「古畑さん…行く前に…一つだけお願いします」

古畑「はい…」

中川「ネクタイ、かえてきていいですか?」

古畑「どうぞ…」

中川「ありがとう」スッ

両津「中川…」
古畑「……」

中川「…」スッ

中川「悪人を撃ち殺すために警官になったのに…最後の標的が自分になるとは…」カチッ



ドォォォォォォン


両津「中川!!」

古畑「………」


ダッダッダダダ ダッダッダダ
ダッダッダダダ ダッダッダダ
ダッダッ ダッ ダダダ!!


というわけでこのSSは終了です
睡魔の中付き合ってくれた人達ありがとうございました
俺は今日仕事休みです
オナニーぶっこいて寝ます
おっはよほほほ~い警視総監だびよぉ~ん
では

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom