亜美「あずさお姉ちゃん!今日も絵本読んでくれるんっしょ?!」(125)

昔々、あるところに肌が雪のように白いお姫様がおりました。

ザクッザクッ

雪歩「よいしょ、よいしょ。えへへ、雪かき楽しいな……腰やられちゃいそうだけど……」トントン

貴音「白雪姫、今日も城の除雪作業を? そのような雑務はわたくしめにお任せを」

雪歩「あ、そ、そんな姫なんて……雪歩でいいですよ……。姫は……むしろ四条さんの方がお似合いですぅ……」

雪歩「わたしなんてせいぜいモブキャラAだよ……。うぅん木の役でいいよ……セリフ無しでいいよ……」

貴音「白雪姫……いいえ、ゆきぽ、己をそう卑下してはいけませんよ」

白雪姫はたいそう美しいおひとでしたが、自分にいまいち自信が持てず、へんそーでひんにゅーでちんちくりんでした。

あああ、一向に立たないと思ったら3つも立ててしまった……
ごめんなさい他は落としてください……

白雪姫は遠い国ジパングにとても興味を持っておられました。

雪歩「あ、四条さんも食べますか?」スッ

貴音「こ、これは?」

雪歩「うまい棒ですぅ、船で輸入してきたんですよ。まとめ買いはお得ですぅ」

貴音「なにやら面妖な魔物が描かれておりますが」

雪歩「えへへ、魔物じゃないよ宇宙人だよ……」

貴音「なんと、わたくしと同じ異星人とは……」

雪歩「えっえっ? 貴音さんうまえもんと友達なんですか?!」

貴音「トップシークレットです。それにしても雪歩、このような質素な食事ばかりでは……」

雪歩「ううん、いいんですよ。私、庶民の皆と同じ生活がしたいから、えへへ」サクサク

貴音「はぁ……」

雪歩「あ、これ復刻版のたこやき味だ……ちょっと酸味が強いんだね……」サクサク

召使の貴音は、白雪姫をどうにかして女王らしく振舞ってほしいと悩んでいました。

貴音「白雪姫には困ったものです。しかしあの方は将来この国を統治する立場……」スタスタ

お城にはもう一人、従順な召使がおったそうな。

響「あっ貴音だ!はいさーい!」

貴音「響、ごきげんよう。はいさいとは一体何ですか?」

響「えっ……あっ……何でもないぞ」

貴音「響、あなたも白雪姫について何か思うことがあるのでしょう」

響「うぅ~ん、ま、でも雪歩はとっても優しいから、国民もきっとついてくるぞ。なんくるないさー!」

貴音「なんくるないさー?一体どこの国の言葉ですか?」

響「あっ……いや……」

貴音「あなたは給仕係でしょう、なにか精の出るものを作っておやりなさい」

響「そうだな、よ~しそれじゃ自分が完ぺきなゴーヤチャンプルーを……」

貴音「響、ゴーヤなんてこの国では育ちませんよ」

沖縄設定の無くなった響は、なんくるねぇキャラの薄さでした。

白雪姫は、どれだけ階級が低かろうとも、城の者全員に施しを与えておりました。

やよい「こんなに広いとお掃除が大変れぅ~!」サッサッ

雪歩「あ、やよいちゃん、毎日お疲れさま。これ、お茶だよ、私が入れたんだけどどうかな……?」

やよい「ありがとうございますぅ雪歩さん。雑用の私にまで……感動ですぅ~!」ガルーン

雪歩「ジパングのうまい棒もあるよ。パンチ味とちょいからパンチ味どっちがいい?」ガサゴソ

やよい「あ、それじゃ……ちょいからで……」

雪歩「ちょいからパンチ味とパンチ味ってどっちが辛いのかわからないよね、私も萩原でも荻原でももうどっちでもいいよね……」

やよい「……雪歩さんかわいそうです」ブワッ

白雪姫のネガティブっぷりには皆、頭を悩ませておりました。

貴音(白雪姫をどうかにして、女王の格まで育て上げなくては……)

ある日、白雪姫は窓から物憂げに月を眺めていました。

雪歩「はぁ……あと少しだけ前に出て、言葉を掛けられたらなぁ……」

ガチャッ

貴音「雪歩、あなた様はもしや恋をしておられるのですか?」

雪歩「へっ?! 聞いてたんですか?!」

貴音「なるほど、雪歩も許嫁さえいれば、少しは変わるやもしれませんね」

雪歩「そ、そんな! ダメダメな私なんて……街の占い師のあずささんみたいに、文字通り一生独身貴族で……」

響「コラッ! 雪歩、好きな人がいるなら早く教えるさ! 水くさいぞ!」

雪歩「うぅん、水くさいっていうより私なんてお茶臭い……」

響「雪歩っ!!!」ガナハッ!

雪歩「ひっ! ま、真ちゃんっ!です……」モジモジ

貴音「なんと! あの百人の妃を娶っているという真王子に想いを寄せているのですか!」

雪歩「……う、うん、だからこんな私が真ちゃんと結婚なんて出来るわけないよ……穴掘って埋まってますぅ……」

貴音「……承知いたしました」

雪歩「えっえっ」

貴音「萩原雪歩、あなた様は城内での人望はとても厚く皆、敬意を払っております」

響「そうだぞ!」

貴音「しかし、民は、悲しいことにあなたを気弱な、頼りない君主としか思っていません」

響「そうだぞ!」

貴音「そこで、私は策を思いつきました。 あなたの人柄の良さを、社交界で示すのです!」くわぁ……!

貴音「そう、【じぱんぐ】でいうとこの【おふ会】なるものです!そこに真王子もご招待しましょう!」

響「そうだぞ!」

こうして、白雪姫は7人の小人に協力を要請し、オフ会を開催することになりました。

雪歩「で、でも……そんな……私、何もできないし……」

貴音「ふふっ、心配ありません。 あなた様には、うつくしい歌声があります」

響「雪歩、こっそり夜中に城の屋上で歌ってるだろ?」

雪歩「うっ……聞きえてたんだ……」カァァ……

響「うん、よく『……ハジマル!』って聞こえるぞ。雪歩は、歌が大好きなんだよね」

雪歩「うぅ……恥ずかしいですぅ……」

貴音「わたくし、街の掲示板に募集をかけておきます」

貴音「社交場は、ぱせら。参加料は5000ゲイツポントです」

現在の価値に換算すると、5900円である。

雪歩「あ、お金取るんだ……結構高いですね……」

貴音「えぇ、なにせ内政が厳しい状態、それに下衆な者を白雪姫に近付けさせるわけにはいきませんから」

響「よーし! 絶対に!絶対に!成功させるさー!」

雪歩「イ、イエーイ!」

……その噂はあっという間に街中に広がりました。

北斗「チャオ☆」

冬馬「お、おいこれ見ろよ!あの美しい白雪姫とオフ会だってよ!これはやばいだろ!」

翔太「あはは、冬馬君そんな顔真っ赤にしちゃって」

冬馬「馬鹿野郎! こ、これは霜焼けだよ!」

翔太「だけど、5000ゲイツは高いね……ボク達の3か月分の給料だよ」

冬馬「チッ、だが仕方ねぇよ。白雪姫と恋をはじめられるんだからな」

冬馬「俺は早速今日からオナ禁するぜ!」

北斗「ゲッチュ☆」

不満はありましたが、街の者は白雪姫とのオフ会を心待ちにしておられました。
しかし、これを快く思ってられない者が城にひとり……。

そのもうひとりのお姫さまは白雪姫と同じくらい美しいお方でしたが世の中をあまり知らない……。

ゆとり姫でした。

美希「ま、真クンと雪歩が結婚するの……?」ギリギリ

美希「ダメ!ダメダメダメなの! 美希の真クン取っちゃやだー!」

律子「コラッ、まだお稽古の途中でしょ」

美希「ねぇ律子、真クンは美希とケッコンするんだよね?」

律子「律子、さんでしょう。私はただのあなたの専属教師だし、それは管轄外よ」

美希「む~……あ、そうだ! 律子、さん。あれ使ってよ!あれ!」

律子「……あれはダメって言ったでしょ」

美希「聞かれたら、ホントのホントのことしか言わない……」

律子「魔法のメガネでしょ。やれやれ……仕方ないわね……」スッ

美希「やったのー!」

美希「律子、それだとメガネキャラじゃ無くなっちゃうね」

律子「う、五月蠅いわね! だからイヤなのよ。早く返してちょうだい」

美希「あふぅ、え~っと……メガネよメガネ。乱視用メガネよ。国じゅうで、誰が真クンのハニーになるのか教えてほしいの!」

メガネ「……女王さま、あなたこそ、お国でいちばんうつくしい」

美希「うん、胸もおっきいよ? Fカップだよ?」

メガネ「だけど、真王子が好きなのは白雪姫です」

律子「はーはー、残念だったわねぇ」

美希「ど、どうして?! ありえないの!」

美希「メガネの……メガネの……」

律子「……」

美希「うそつき><」パリーン!

律子「あっ」

美希「」ガチャバタン!

美希「ミキ、真クンのハニーになりたかったの……」

──ヘコんじゃったときは!

美希「あれれ?」

── 一発泣いて、そして復活するのさ!

美希「だ、誰なの? ヘンタイさん?」

亜美・真美「いやっほ~!イタズラ好きな双子悪魔ですぅ~!」

美希「なんか変な口調なの、そういうのってミキ的にはちょっと無いって思うな」

亜美「本当はカラ元気なんじゃないの?」

真美「どうなの?」

美希「うん……ミキね、今、ブルー入っちゃってるの。涙のハリケーンなの」

真美「んっふっふ→ 真美たちに任せなさい!」

亜美「亜美たちはミキミキの味方だかんね!だってその方がおもしろそーじゃん!」

森に住む二匹の妖精はたいそうイタズラが好きで、街の人を困らせてばかりいたそうな。

雪歩「うぅ……人前で歌うのって緊張するなぁ……」

貴音「雪歩、覚悟を決めるのです。あなたの努力はわたくし達が見ております」

響「うん、雪歩。弱音吐いてばっかりだったけれど、なんだかんでいって頑張ったじゃないか」

雪歩「四条さん……響ちゃん……」ウルッ

ガチャッ

やよい「雪歩さん、大変れぅ~~!」ガルガルーン

貴音「いかがいましたか?! やよいが【がるうぃんぐ】を2回するなどっ……!」

やよい「町の掲示板がですね~!あのですね~!」

やよい「……う~!私、文字が読めませんでしたぁ。とにかくついてきてくださぁい!」

[シブヤといえばヤングの街ですよね。
失礼な話ですが、炭鉱夫系(私も含む)の方々には、
シブヤの領域に踏み入る事は不可能だと思います。
貴方も姫という職業をやっているならば、我々の立場も考えてもらいたい]

雪歩「うっ……!」

貴音「……」

響「他にも、5000ゲイツはぼったくり。金儲け乙って手紙が100通以上来てるぞ!」

雪歩「そ、そんな……む、むしろ、赤字で国の貯蓄もギリギリなのに……」

貴音「このままでは民衆のクーデターが起こるやも知れません」

雪歩「うっ……それじゃ中止に……」

冬馬「おい!もう休み入れちゃったじゃねぇか!」

雪歩「ひっ、男の人……!」

冬馬「それにな……その日のためにオナ禁何日したと思ってんだ!」

雪歩「ひぃ~ん、ごめんなさい~……!」

冬馬「それともアレかよ……あんたが……オナ歩にでもなってくれんのかよ?!」

雪歩「ひぃ~ん!」

この失策により、白雪姫の民衆からの信用は地に落ちた。

ビュウウゥゥ

雪歩「あ、あそこの窓、割れちゃてる……。さ、寒いですぅ……」ガクガク

貴音「申し訳ありません。補修しようにも、民からの徴税も今はままならぬゆえ……」

雪歩「う、ううん。私が、何もできないダメダメなお姫様だからだよ……えへへ、雪かきしてこようかな……」

響「ゆきぽ……」

貴音「……」ぐぎゅるるるる

貴音「なにやつっ?!」ビクッ

雪歩「あ、四条さん、お腹減ってるんですか? ご、ごめんなさい。最近お給料あげられなくて……」ゴソゴソ

雪歩「えっと……それじゃ元祖さすがたこ焼き味でいいですか……?」グゥゥゥ……

貴音「雪歩、それはあなたの私物では……」

雪歩「うまい棒もね、せっかくの最後の1本だし、四条さんに美味しく食べて欲しいよ…えへへ…」

ザクッザクッ

雪歩「いたた……腰が……」

シャァァァ キキィッ

真「雪歩ぉ~! 久しぶりぃ~!」マッコマッコリーン!

雪歩「ま、真ちゃんっ?!(裏声)」

真「ダーン! 雪歩、社交会は中止なんだって?」

雪歩「う、うん。真ちゃんに恥かかせちゃったよね……、私ね、姫引退しよっかなって思ってるんだ……」

真「えっ」

雪歩「他の妃の人にCHANGE!!!するよ。ブログ……じゃない、掲示板にも書いておくよ、大人の都合でって……ね?」

真「雪歩、君はそれでいいのかい?」

雪歩「……」

真「こんな寒い日にも、お城の雪かきを一人でやってる、こんなことする姫なんて雪歩だけだよ」

雪歩「う、うん。真ちゃんもよくタンクトップ1枚で平気だね……」

真「……雪歩、すべては一歩の勇気から、だろ?」

雪歩「……」

小鳥「ご、ごめんなさい! 私、亡命するわね!このままじゃ一生独身ですしおすし!」ダダッ

響「あっ待つさー、ピヨ子!」

貴音「響、去る者は追わずですよ」

響「だって、このままじゃ……!」

貴音「わたくしの瞳は、狂っていたのでしょうか……」

響「目、悪いしね……」

タッタッタッ ガチャッ

雪歩「イ、イエ~~~イ!!!」

貴音「雪歩、その格好は……!」

雪歩「わ、私、ね! もうちょっと頑張ってみる! お料理は私がサンドイッチ作るよ! 会場も私が飾りつけする!」

雪歩「四条さん!これなら800ゲイツでオフ会ができるよ! それでね、今度は私が歌うだけじゃなくてっ」

雪歩「すこし怖いけど……ま、街の人たちと一人ひとり、お話するっ!」

貴音「なんと、あの流されるまま生きる事しか出来なかった白雪姫が……!」

これを聞いた街の人々は、おぉなんと健気な姫だろう。
庇護欲がかきたられて、ついつい守ってしまいたくなるよ、
おっぱいでお弁当温めて欲しい、とすべての人が思いました。

……こうして、残った城の者たち総出で、会場を用意し、格安のオフ会を開きました。

──ゆーきーぽ!ゆーきーぽ!

雪歩「みなさ~ん!今日は私のオフ会に来てくれて、ありがとうございます!」

春香「わっほい!わっほい! 白雪姫~輝いてるよ~!」

千早「私、歌います、ねむりぃぃぃぃぃぃひめぇぇぇぇぇ!」

春香「はい、私たちの出番はこれで終わりだよっ!今日はいっぱい楽しもうね? 千早ちゃん」グイグイ

雪歩「みなさんがいてこその、国なんですっ!今日はめいっぱい楽しんでくださぁ~い!」

真「やっほー!雪歩、おめでとう!」

雪歩「あっ、真ちゃん来てくれたんだ……」

真「もっちろん! お茶とサンドイッチって意外と合うよね」モグモグ

雪歩「ま、真ちゃんの好きなブレンドで煎れてみたんだよ……」

オフ会とゆきまこの仲は順調に進んでいきました。
しかし……

美希「え~お茶にはやっぱりおにぎりって思うな」

真「う、うわああ!ミ、ミキ?!」

美希「もぉ~真クンは浮気モノだね。あのお熱い夜はもう戻ってこないのかな……」

真「わ、わわっ!な、何言ってるんだよ!」

美希「ねぇ雪歩、ミキね。ショージキ負けちゃったなって思うの」

雪歩「えっ、えっ」

美希「だって、みんなドキドキワクワクしてる。みんなのこんな顔を見たの初めてだもん」

美希「でもね、ミキこのまま諦めるつもりはないよ? 真クン、ずっと見てて絶対だよ?」

美希「……りれーしょんず!」ガチャッ

雪歩「美希ちゃん……」

……。

亜美「んっふっふ→ このまま大団円にはさせないってもんよ!」

真美「おぉ!おぬしもワルですのぅ」

亜美「りっちゃんからもいだ~……この毒エビフライがあるYO!」デデーン!

真美「ソースじゃなくて、魔法をかけたんだね!」

亜美「亜美はタルタルソース派だかんね!」

真美「イェイ!」パァン!

亜美「これを食べるとぉ~……!」

真美「食べるとぉ~……!」

亜美「寝ます!」

真美「メチャ寝ます!」

亜美「オーイエース!」

真美「さっ、ゆきぴょんに食べさせるYO!」ダダッ

一 体 ど う な っ て し ま う の か !

真美「ねね、ゆきぴょん、ゆきぴょん」ツンツン

雪歩「ふぇ?」

亜美「これさ、ゆきぴょんにプレゼント! 巨大なエビフライだYO!」

雪歩「ふわぁ……おいしそうですぅ……」

真美「そうっしょ? ささっ食べてよ食べてよ」

貴音「白雪姫、いけません。得体のわからぬモノを食すなど」

雪歩「えっ! そ、そうですよね……あの、ごめんね……」ペコリ

亜美「……ちぇぇ!」

真美「ねっ、どーするよ」ヒソヒソ

亜美「……」ピクッ

真美「亜美……?」

この時、亜美に電流走る……!

亜美「亜美ね、すっごいアイディア思いついちゃったじゃん……」

亜美「あ、ミキミキいた!おにぎり一個くださいな!」

美希「あふぅ、いいよー」サッ

真美「それをどーすんのさ」

亜美「んっふっふ→ まぁ見てなっさーい!」ダダッ

亜美「ゆきぴょん、おにぎりは知ってるっしょ?」

雪歩「えっあっうん、私、ジパング大好きだからよく食べるよ」

亜美「じゃあこれ知ってる?」ザクッ

雪歩「えっエビフフライをおにぎりに……?」

亜美「……むす」

雪歩「えっ」

亜美「天むす」

真美「……」

雪歩「!!!」

白雪姫のジパングへの好奇心がここで裏目に出てしまいました。

雪歩「こ、これが……ナゴヤ名物の天むすなんだ……!」プルプル

亜美「うん、ささっ食べなよ!」

雪歩「でも、し、四条さんに内緒で……」

真美「も→! お姫様がそんなんでどーすんのさっ! ガバッといっちゃいなYO!」

雪歩「そ、それじゃ一口だけ……」パクッ

亜美・真美「んっふっふ→」

雪歩「あ、あれ……フ、フヒィ……」バタン

なんということでしょう。
たちまち雪歩はその場で死んだように眠ってしまいました。

貴音「雪歩……?」

響「雪歩ぉ!どーしたんだ?!」ユサユサッ

雪歩「すぅ……あずみん……すぅ……」

ざわ……ざわ……

冬馬「おい、大丈夫か。オフ会で主催者が寝ちまったじゃねぇか……」

黒井「おや~?どうしたのかなぁ。 この国の王女はよほど責任感が無いと見える」

貴音「も、申し訳ありません、姫は体調が優れないようでして……」

黒井「ウィ、言い訳など不要なのだよ。やはり、隣国の我が国へとみんな移民するべきじゃないのかね」

一同「……」

黒井「さぁ、こんなくだらん国とはもうオサラバしようではないか!」

響「あわわ……また暴動が起こりそうだぞ……」

貴音「姫っ……!起きてください……!あなたがこの【おふ会】を締めるのですっ……!」

しかし、いくら揺すっても、何度頬を叩いても、姫は起きず……。

雪歩「すぅ……すぅ……」

黒井「こんな茶番に800ゲイツも払う必要はないだろう!」

冬馬「姫が寝ちまったんじゃしかたねぇ……帰ってオナるぜ……」スタスタ

響「ま、待ってよみんな! た、貴音なんとか考えてよ!」

貴音「……」

響「たかね……?」

貴音「……」

響「……」

貴音「はやー……」

響「た、貴音もお手上げか……」

貴音「あやー……」

響「うわ~ん! 貴音の電源がオフになっちゃぞー!」

やよい「はわっ、このままじゃいよいよこの国は終わりかもー! 私、餓死しちゃうかなーて!」

いよいよもう終わりだ……。
みんなが諦めかけた そ の と き !

真「ちょ、ちょっとすいません。通してください!」

響「真王子……?」

真「雪歩、起きてよ!」ユサユサ

亜美「計画通り」ニヤッ

真「えっそれってなに……?」

真美「そう! 真美と亜美がメチャンコ見たかったのはぁ~! この光景なのだよ!」

亜美「カッチョイー王子様とカワイィィお姫様のお熱いチュー!」

真美「眠り姫を起こすのはぁ~! THE 愛! う~んロマンチックですのぅ」

真「うぇぇ?! ボ、ボクが、雪歩にKisSだって……?」

亜美「これこそハッピーエンドっしょ!」

貴音「はやー……」

響「お、お願い! 真王子、雪歩を救ってあげてよ!」ユサユサ

真「えっと……そんな……」

響「ここでヘタレ属性出しちゃダメさー! このまま雪歩が眠ったまんまでいいのか?!」

真「……わかった」コクン

雪歩「すぅ……こすもすこすもす……すぅ……」

真「雪歩、いくよ……」ゴクリ

真美「おぉ、いっちゃうんかい? まこちん」

亜美「ヒューヒュー!」

真「……」スッ

響「……」ドキドキ

真「……せぇい!!!」

ドグォ

雪歩「ふ、ふぇっ?!」パチッ

亜美「……今何したの?まこちん」

真「えっ、気つけだけど……」

真美「……」

雪歩「あっ、真ちゃん……今のジパングの……カラテだよね……」

真「うん、雪歩がすすめてくれたんだよね。通信空手やってみたんだ」

雪歩「真ちゃん……! ありがと……でもこんな展開誰も望まない、誰も得しないよ……」

貴音「……これこそ愛、というものでしょう」スッ

響「あっ戻った」

貴音「さぁ、【ふぃなーれ】ですっ! 白雪姫っ今こそ、この【おふ会】に終止符を!」

雪歩「あ、あのっ、みなさん! 途中で寝ちゃってすいませんでした!」

伊織「そうよそうよ! 常識的に考えてありえないわ!」

雪歩「……私、見ての通りダメダメで……四条さんや響ちゃんが居ないと何もできない姫なんです……」

あずさ「あらあら~……」

雪歩「だ、だから、あの、ダメダメな私だからこそ、これから皆さんの声を大切に聞きますから……」

貴音「はい、このお方のいうことに、偽りはありません」スッ……

雪歩「あのっ! これからもちょっと皆さんに辛い思いさせちゃうかもですけど、私についてきてくれませんか!」

響「なんくるないさー!」

雪歩「えっ、何それ……。と、とにかく! ここにいるみなさん、ううん、この国のみんな全員がっ」

雪歩「仲 間 だ も ん げ ! ! !」

一同「……」

シィン……

雪歩「あ、あれ……?」

──り

雪歩「えっ」

伊織「……うり」パチ……

冬馬「……しょーうり」パチ……

あずさ「……いしょ~うり」パチ……パチ……

真「だーいしょうり!」パチパチ……

冬馬「大ー勝ー利!!!」パチパチパチ……

雪歩「みんな……」ウルッ

一同「大勝利!大勝利!」

ワァァァァ!!!

雪歩「イ……」

一同「大勝利!!!大勝利!!!」

雪歩「イエーイ!!!」

このあと、美希と亜美と真美は、イタズラがバレて律子にこってり説教されたそうな。
そして、白雪姫は真王子と結婚し、国はいっぱいいっぱい繁栄したという。 やったね、雪歩大勝利!

あずさ「うふふ~めでたし、めでたし」パタン

亜美「ゆきぴょん……じゃないや白雪姫、なんとかなって良かったね」

あずさ「うふふ、そうね~」

亜美「あずさお姉ちゃん、また今度絵本読んでよ!」

あずさ「はいはい~」

おわり

白雪姫ってこんな話だったっけ……。

支援してくれた方、読んでくれた方本当にありがとうございました。

桃太郎(ゴージャスセレブプリン花子)

白雪姫(眠り姫+ゆりしー+白雪姫)
ときて次が楽しみだぜ

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