ほむら「……雪……」(138)

「起きて、ほむらちゃん」

ほむら「……」

「ほむらちゃんっ」

ほむら「ん……」

「もー……起きてってばっ」

ほむら「もう……ちょっと……」

「ほーむーらーちゃんっ!」

ほむら「ん……」

まどか「あ、おはよ!ほむらちゃんっ」

ほむら「……まど……か……?」

まどか「てひひ。そうだよ、まどかだよ」

ほむら「どう……して……?」

まどか「どうしてって……待ち合わせの約束してたでしょ?」

まどか「てひひっ!忘れちゃったの?」

ほむら「……」

ほむら「……ああ……」

ほむら「そう……ね。そうだったわね」

ほむら「ごめんなさい、うたた寝してしまっていたわ」

まどか「あ、もしかして……疲れてる?今日、遊びに行くの止める?」

ほむら「いえ。疲れてなんかいないわ」

ほむら「今日が楽しみ過ぎて、昨日ちょっと眠れなかったのよ」

まどか「てひひっ!そうなの?」

ほむら「ええ」

まどか「てひひ。私とおんなじだ」

ほむら「まどかも?」

まどか「うん。昨日からワクワクしちゃってっ」

まどか「おそろいだねっ!」

ほむら「……ふふっ。そうね」

まどか「さ、それじゃいこっかっ!」

ほむら「ええ」

まどか「あ、その前に……」

ほむら「え?」

まどか「えいっ!」ピタ

ほむら「ま、まどか?」

まどか「てひひ、やっぱりほむらちゃん、ほっぺ冷たい」

まどか「こんなところで寝てるからだよ?」

ほむら「……ふふ。そうね、これからは気をつけるわ」

まどか「うんっ」

ほむら「まどか」

まどか「え?」

ピタ

ほむら「ふふ。まどかのほっぺも冷たいわね」

まどか「……あ……」

ほむら「これでおそろい」

まどか「……てひひ。うんっ」

まどか「ほむらちゃん手、すっごくあったかい」

ほむら「まどかの手もね」

まどか「てぃひひっ!」

ほむら「ふふっ」

ほむら「さ、頬も暖まった事だし……行きましょうか?」

まどか「うんっ!」

まどか「あ、ほむらちゃん、手、冷たくない?」

ほむら「……いえ。大丈夫よ」

まどか「でも、手も真っ赤……」

ほむら「これくらい大丈夫よ。だから気にしなくていいわ」

まどか「でも……」

まどか「あ、そうだっ」

まどか「ほむらちゃん。私の手袋貸してあげるっ」

ほむら「でも、そうしたらまどかが……」

まどか「いいのっ!はいっ!」

ほむら「そんな……って、片方だけ?」

まどか「うんっ!いいから着けてつけてっ!」

ほむら「え、ええ……」

ほむら「……着けたわ」

ギュッ

ほむら「……あ……」

まどか「てひひっ!」

まどか「こうやって着けてない方で繋ぎ合えば、あったかいでしょ?」

ほむら「……ええ。そうね」

まどか「てぃひひっ、いこ?ほむらちゃん」

ほむら「ええ」

ほむら「最初はどこに行く?」

まどか「うんとね、最初はマミさんのとこがいいかな」

ほむら「マミさんの?」

まどか「うんっ!まずはあったかい所で、何か食べてからの方が良いかなって思ったから」

ほむら「そうね。それが良いわ」

ほむら「丁度お腹も空いてきたことだし」

まどか「てひひっ。それじゃあマミさんの所で決定っ!」

まどか「それじゃあしゅっぱーつっ!」

ほむら「ふふ。しゅっぱーつ」

カランカラン

マミ「あ、いらっしゃいませ……って、鹿目さんと暁美さんか」

まどか「こんにちは、マミさんっ!」

ほむら「こんにちは」

マミ「ええ。いらっしゃい。二人とも」

マミ「……あら?手、繋いじゃって……」

マミ「今日はデート?」

まどか「はいっ。そうなんです!」

まどか「今日はほむらちゃんとお友達デートなんですっ」

ほむら「ふふっ」

マミ「あら、良いわね。羨ましい」

まどか「てぃひひっ!」

マミ「私もそんな相手が欲しいわ」

まどか「マミさんならすぐ出来ますよっ」

まどか「マミさん。すっごく綺麗ですもん!」

ほむら「そうね。マミさんならすぐに出来ると思うわ」

マミ「ふふ。ありがとね。鹿目さん、暁美さん」

まどか「てひひっ」

マミ「ふふ。……えっと、注文はどうする?」

マミ「飲み物はいつもので良い?」

まどか「はいっ!注文は……何にしようかな……」

ほむら「私はサンドイッチで」

ほむら「飲み物はいつものでいいわ」

マミ「はい。ご注文承りました」ニコ

まどか「あ、ほ、ほむらちゃん早いよっ」

ほむら「ふふ。もう決まってたから」

マミ「暁美さん、いつもこれだもんね」

マミ「でも、たまには他のを頼んでくれたら、料理のし甲斐があるんだけどなぁ」

ほむら「考えておくわ」

マミ「考えるつもりないでしょ?」

ほむら「あら、どうして解ったの?」

マミ「解らないと思って?」

ほむら「……ふふ」

マミ「ふふふっ」


まどか「むーっ」

ほむら「まどか?」

まどか「ほむらちゃんマミさんと仲良しだ」

まどか「私とのデートなのに」

ほむら「ふふ。ごめんね、まどか」

まどか「もーっ」

マミ「あらあら、ごめんなさいね、鹿目さん」

まどか「知りませんっ」

マミ「許して、ね?鹿目さん」

マミ「ホットケーキ一枚サービスするからっ」

まどか「え?良いんですかっ?」

マミ「ええ。鹿目さんの暁美さんを取っちゃったお詫びに、ね」

まどか「やったぁっ!ありがとうございますっマミさんっ!」

マミ「ふふふっ」

ほむら「ふふっ」

まどか「な、なんで笑ってるのっ?」」

マミ「ふふ、それで、注文はどうする?」

まどか「うー……ええと……それじゃあ私もほむらちゃんと一緒で!」

マミ「はい。かしこまりました」ニコ

マミ「それじゃあちょっと待っててね?」

まどか「はーいっ」

ほむら「ええ」

カランカラン

杏子「おーあったけぇっ!」

さやか「早く入んなさいよっ杏子!寒いでしょっ」

恭介「まぁまぁさやか……」

マミ「いらっしゃいませ……ってあら?」

まどか「さやかちゃんっ!それに杏子ちゃんも上条君もっ」

ほむら「久しぶりね」

杏子「おっす。まどか、ほむら、マミさん。久しぶり」

さやか「おーまどかにほむら、あんたたちも来てたんだ!」

恭介「こんにちは」

これは喫茶店マミマミの続編か

マミ「あらあら、大所帯ね」

さやか「ちわっす!マミさんっ!」

マミ「こんにちは。佐倉さんもだいぶ久しぶりね」

さやか「さっきばったりと出くわしたんですよっ!ね、杏子」

杏子「ああ。……デート中のこいつらとな」

杏子「見せ付けてくれちゃって、うざったいたらなかったよ」

恭介「いやぁ……」

さやか「へっへっへ……」

杏子「いや、褒めてねーからな?」

さやか「わかってるわよー」

マミ「ふふふっ。やっぱりあなたたち仲良いわよね」

杏子「はっ誰が」

さやか「はっはっは!照れんなよ杏子ー!」

杏子「照れてねぇよ!」

>>41
残念。それは他人のお稲荷さんだ

杏子「ったく……」

マミ「ふふ。注文はどうする?」

杏子「飲みもんはいつもの、あと、ハンバーガーちょうだい」

杏子「肉は大きくな!」

マミ「別途料金が付くわよ?」

杏子「あー?けちけちしないでよマミさーんっ」

マミ「だーめ」

杏子「ちっ」

さやか「あたしはBTBサンドの飲み物はいつものでっ!」

さやか「恭介はホットドッグとコーヒーで良いよね?」

恭介「うん。ありがとう。さやか」

さやか「へへ。以上でおねがいしまーすっ!」

マミ「はい。かしこまりました」ニコ

まどか「さやかちゃんも上条くんとデートなの?」

さやか「うん。これからクラシックのコンサートに行くことになってんの」

さやか「まどかもほむらとデート?」

まどか「うんっ!お友達デートっ」

さやか「おおーお熱いねぇお二人さんっ!」

まどか「てぃひひっ!」

ほむら「貴女に言われたくないわね」

さやか「そ、そう?そう見えちゃう?」

さやか「いやーそう見えちゃうんだって恭介っ!困ったなぁ!」

恭介「照れるな……」

ほむら「……」

杏子「な?さっきまでのあたしの気持ちが解ったろ?」

ほむら「ええ……」

ほむら「今回は旅から比較的早く戻ってきたわね」

杏子「あー……なんか、戻ってきたくなってな」

まどか「マミさんに会いたくなったの?」

杏子「ち、ちげーよっ!」

マミ「あら?そうなの?」

杏子「ちげーっつうのっ!」

マミ「ふふ。うれしいわっ」

杏子「聞けよ人の話っ!」

ほむら「あら?あなたはマミさんに会えて嬉しくないの?」

杏子「な……」

マミ「そうなの……?佐倉さん」

杏子「う……」

マミ「私は佐倉さんに会えてこんなに嬉しいのに……酷いわっ」およよ…

まどか「杏子ちゃん酷い……」

ほむら「最低ね」

さやか「あーあ。杏子、そんな奴だったんだ」

恭介「……佐倉さん……君は……」

杏子「……くっ……くう……!」

杏子「……あー嬉しいよ!マミさんに会えて嬉しいよ!」

杏子「これで良いんだろ!」

マミ「ふふふっ!」ほむら「ふふ」まどか「てぃひひっ!」さやか「あははっ」恭介「ははっ」

杏子「あー!最低だこいつら!ありえねぇ!」

マミ「……でも、本当に会えてうれしいわ」

マミ「お帰り。佐倉さん」

杏子「……」カァ

杏子「い、いいから!さっさと料理作れよ!」

マミ「はーい」

杏子「ったく……」

まどか「杏子ちゃん」

杏子「あ?何だよ!」

まどか「お帰り」

ほむら「お帰りなさい。杏子」

さやか「お帰り。杏子」

恭介「お帰り。佐倉さん」

杏子「……」

杏子「お前らってホント……」

杏子「……」

杏子「……ただいま」ボソ

マミ「……」クス

マミ「はい。いつもの飲み物四つと、コーヒーお待ちどうさま」

さやか「おー!来た来た!」

杏子「お、サンキュ」

まどか「やっぱりマミさんのお店って言ったらこれだよねっ!」

ほむら「ええ」

さやか「だねー」

杏子「ああ」

まどほむあんさや「マミさんの紅茶っ!」

マミ「ふふ。冷めないうちにどうぞ」ニコ

「「「「「いっただきまーすっ」」」」」

―――――

まどか「ふぅ。ごちそうさまでしたっマミさんっ!」

まどか「料理も紅茶も、とっても美味しかったです!」

ほむら「ええ。とても美味しかったわ」

マミ「ふふ。ありがとうございました」

さやか「ん?まどかとほむらもう行くの?」

ほむら「ええ」

まどか「うん。これから色々廻りたいからっ」

さやか「そっか。それじゃあお幸せにっ」

まどか「てひひ。さやかちゃん達もね」

さやか「当然よっ!」

恭介「ありがとう。鹿目さん」

杏子「行くのか」

まどか「うんっ」

杏子「そっか。それじゃあ達者でな」

ほむら「貴女もね」

杏子「わーってるっての」

まどか「てぃひひっ!……あ、マミさんお代」

マミ「今日は良いわ。私のおごり」

まどか「え、でも……」

マミ「いいの。その代わりそのお金をお互いの為に使ってあげて?」

まどか「……ありがとうございますっ!」ペコ

ほむら「ありがとう」ペコ

杏子「じゃあアタシもマミさんのおごり……」

マミ「あなたはダメ」

杏子「なんでだよっ!

まどか「てぃひひっ!」

ほむら「ふふ」

マミ「ふふふっ」

杏子「……ははっ」

ほむら「……それじゃあね。皆」

マミ「ええ。それじゃあ」

杏子「おう。じゃあな」

さやか「じゃーにー」

恭介「さよなら」

まどか「……いこ?ほむらちゃん」

ほむら「ええ。まどか」


カランカラン

まどか「おいしかったねーっ!やっぱりマミさんの料理は最高だよっ」

ほむら「ええ」

ほむら「……次はどこに行く?」

まどか「お買いもの!」

ほむら「買い物?」

まどか「うん。これからもっと寒くなるから、何か暖かいもの買いたいなって思ってたの」

ほむら「そうね……確かにこれから寒くなるものね」

まどか「でしょっ!じゃあ服屋さんにいこっ!」

ほむら「ええ。そうね」

まどか「あ、ほむらちゃんっ」

ほむら「……ええ」

ギュッ

まどか「てぃひひっ」

ほむら「ふふっ」

服屋

まどか「とうちゃくっ!」

ほむら「沢山あるのね……」

まどか「うんっ。よりどりみどりだよっ!ほむらちゃんっ!」

ほむら「ふふっ そうね」

まどか「ね、ほむらちゃんに似合いそうなもの、選んであげる!」

ほむら「いいの?」

まどか「うん。任せてっ!」

ほむら「ありがとう。私、こういうのには疎いから助かるわ」

まどか「いいよ。全然っ!」

まどか「それじゃあまず帽子売り場にゴーだよ!」

帽子売り場

まどか「やっぱり冬の帽子の定番と言えば、ニット帽だよ!」

ほむら「……そうなの?」

まどか「うんっほむらちゃんにはー……白が似合うかなっ」

ほむら「白?……派手じゃない?」

まどか「それぐらいが丁度いいんだよっ」

まどか「女はなめられたらお終いなんだよっほむらちゃんっ!」

ほむら「そうなの?」

まどか「……ママがそう言ってた」

ほむら「ふふっ。そっか」

カブリカブリ

ほむら「……どう?」

まどか「……」じー

ほむら「へ、変……かな?」

まどか「……」じー

ほむら「あの、まど」

まどか「すっっっごく似合ってるよっ!!」

ほむら「……そ、そう?」

まどか「うんっすっごく可愛いよっ!!」

まどか「やっぱりほむらちゃん美人さんだから、こういうのも似合うねっ!」

ほむら「あ、ありがと……」テレ

ほむら「……私に似合うんだったら、これ、まどかにも似合うんじゃないかしら」

まどか「え?わ、私はいいよっ!」

まどか「私、ほむらちゃんみたいに綺麗じゃないし……多分、似合わな」

かぶり

まどか「わっ!ほ、ほむらちゃん?」

ほむら「……」

まどか「に、似合ってないでしょ……やっぱり……」

ほむら「ううん」

ほむら「とっても似合ってて、可愛いわ」

まどか「そ、そう?」

ほむら「ええ」

まどか「……え、えへ……」

ほむら「うーん……」

まどか「ど、どうしたの?」

ほむら「人に何か着せるのってなかなか面白いのね」

まどか「それは……うん」

ほむら「……私もまどかの帽子、選んでみていい?」

まどか「いいの?」

ほむら「ええ。選んでくれっぱしていうのも悪いし」

ほむら「選ぶのも、なかなか面白いもの」

まどか「そっか……てぃひひ」

まどか「そしたら、えらびっこだねっ」

ほむら「選びっこ……そうね」

まどか「うんっ!あ、そうだっ」

まどか「どっちがお互いに似合ってるのを見つけ出すか、競争しない?」

ほむら「ええ、いいわよ」

まどか「それじゃあ……スタートっ!」


まどか「ほむらちゃんに黒はあんまり似合わないね」

ほむら「うーん……」


ほむら「うさ耳ニット帽」

まどか「そ、それは恥ずかしいよ……」

ほむら「そう?まどかなら似合うと思うんだけど……」


まどか「イー!」(目と鼻と口だけ出ているやつ着用

ほむら「なにやってるの……」


………

まどか「結局決まらなかったねー」

ほむら「そうね……色々ありすぎたのが問題だったわ」

まどか「てひひ、目移りしちゃったね」

まどか「でも何か買いたいなぁ……あ」

ほむら「まどか?」

まどか「ちょっと待っててっ!すぐ戻るからっ!」

ほむら「あ、まどかっ」

ほむら「行っちゃった……」

―――――

まどか「お待たせ!ほむらちゃんっ」

ほむら「お帰り。……あら?何買ってきたの?」

まどか「てぃひひっ!なーいしょっ!」

まどか「それより、次いこ?」

ほむら「え、ええ……」

まどか「それじゃあしゅっぱーつ!」

――――――――



まどか「わぁ……いつの間にか、外暗くなってたんだ」

ほむら「結構色々廻ったものね」

まどか「うん。……ね、ほむらちゃん」

ほむら「うん?」

まどか「ちょっと行きたいところあるんだけど、いい?」

ほむら「いいけど……まどか、時間は大丈夫なの?」

まどか「うんっ!今日は大丈夫っ」

ほむら「そう。なら、行きましょうか」

ほむら「……ところで、どこにいくの?」

まどか「それは着いてからのお楽しみっ!」

まどか「いこっ。ほむらちゃんっ」

ほむら「え、ええ……」

ほむら「バスに乗るの?」

まどか「うん。行きたい所、ちょっと遠くだから」

まどか「でも、すぐに着くから大丈夫だよ」

ほむら「……」

ほむら「……そう」

まどか「うん。てぃひひっ!」

ほむら「……楽しみ」

まどか「……」

まどか「あ、バス来たよ」

まどか「乗ろ?ほむらちゃん」

ほむら「……ええ」

バスの中

ほむら「私たち以外、誰もいないのね……」

まどか「てひひ。貸し切り状態だねっ」

まどか「あ、ほむらちゃん、一番後ろに座ろ?」

ほむら「……ええ」


まどか「よいしょっと」

まどか「ほむらちゃん、隣、どうぞっ」

ほむら「ええ」


発車します。ご注意ください

まどか「今日はとっても楽しかったね」

まどか「マミさんにも、さやかちゃんにも、杏子ちゃんにも、上条君にも会えたし」

ほむら「ええ。皆、元気そうで良かったわ」

まどか「うん。それに幸せそうだった」

まどか「……その後、ほむらちゃんと、着せ替えごっこしたり」

ほむら「まどかのかぶった帽子、とっても似合ってたわ」

まどか「てぃひひっ!ありがと」

まどか「ほむらちゃんの帽子もすごく似合ってたよっ」

ほむら「そう?ありがとう」

ほむら「あ、でも、……ふふっ!まどかのあの覆面は可笑しかったわ」

まどか「あーうん……あれねっ」

まどか「……今になってちょっと恥ずかしくなってきたよ……」

ほむら「ふふふっ!」

まどか「その後も、色々廻ったよね……とっても、楽しかった」

ほむら「……うん」

まどか「……」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん……寒くない?」

ほむら「ううん。寒くないわ」

ほむら「……こんなに近くにまどかがいてくれるんだもの」

まどか「……うん」

ほむら「まどかは……寒くない?」

まどか「うん。私も……寒くないよ」

まどか「こんなにほむらちゃんの、近くにいるんだもん」

まどか「寒いわけ、ないよ」

ほむら「……そう」

まどか「……」

ほむら「……」

まどか「あ、もうすぐ、着くよ」

ほむら「ホントにすぐだったわね」

まどか「てぃひひっ。でしょ?」

ほむら「……ええ」


終点。終点

バスが完全に止まってから、席をお立ちください

終点

本バスはこれより回送運転となります

本日は、ご利用、誠にありがとうございました


まどか「着いたねぇ……うう……寒い……」

ほむら「ふふ。そうね」

ほむら「……」

ほむら「……ここが、まどかの来たかった、場所?」

ほむら「なにも……無いのね……」

まどか「……」

まどか「あのね、もうちょっと歩くんだけど、いいかな?」

ほむら「……」

ほむら「ええ。構わないわ」

ほむら「貴女の行く所なら、何処へでも」

まどか「……ありがと。ほむらちゃん」

ほむら「ふふっ」

まどか「あ、ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「……ええ」

ギュッ

まどか「てぃひひっ」

ほむら「ふふっ」


サクサク

なんか見覚えのある文体だな
湘南新宿ライン書いた人?

終点 雪原の真中

まどか「ここだよ。ほむらちゃん」

ほむら「ここ?」

まどか「うん」

ほむら「そう……」

ほむら「……ふふ。本当に何もないわね」

ほむら「あるのは……足元に積もる雪だけ」

まどか「あるよ」

ほむら「……え?」

まどか「ここには沢山の物があるよ」


そう言ってまどかは微笑みながら、頭上へと指を差した


ほむら「……上?」

ほむら「……あ……」

>>104
残念それは他人の(ry

彼女の指の示す先、そこには、零れおちんばかりの、満点の星があった

まどか「ね?」

ほむら「……」

ほむら「……ふふ。そうね」

まどか「てひひっ」

まどか「ね、ほむらちゃん。一緒に星、見ない?」

ほむら「勿論。喜んで」


ほむらは深く頷いて見せる

まどかはそれに浮かべていた笑みを濃くすると、雪積もる丘に、そっと腰を降ろした


まどか「てぃひひっ冷たい」


腰を降ろしたと同時に、困ったような笑みを見せる

それにほむらも笑みを返すと、冷たい雪に怯むことなく、まどかの隣に腰を降ろした

ほむら「ふふ。冷たい」

まどか「てひひっ」

まどか「ね、ほむらちゃん」

ほむら「何?」

まどか「じゃーんっ」

ほむら「それって、さっき買ってた……」

まどか「うんっ。ながーいマフラーだよっ」

まどか「ほむらちゃんもうちょっとこっちに来て貰っていい?」

ほむら「ええ……」

まどか「ありがと。それで、これを……こうして……」

ほむら「あ……」

まどか「てぃひひっ!こうやって二人で巻けば、暖かいでしょ?」

ほむら「……ええ。……とっても、暖かいわ」

まどか「てぃひひ、私もっ」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「綺麗ね……」

まどか「うんっ」

まどか「ほむらちゃん。星座とか、わかる?」

ほむら「ええ。わかるわ」

ほむら「……ずっと空を見上げていたもの」

まどか「……そっか。なら、教えて貰っていい?」

ほむら「ええ。もちろん」

ほむら「……あれがね、オリオン座。それでその近くのペテルギウス、シリウス、プロキオンを繋げると……」

ほむら「……それで、あの赤い星が、アルデバラン。そこからもう少し上に行くと、プレアデス星団があるわ」

ほむら「知ってるのはこんなところ……かしらね」

まどか「凄いなぁ……ほむらちゃん。物知りだね」

ほむら「ふふ。ありがと」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「まどか、もうちょっと、傍に寄っていい?」

まどか「うんっ。どうぞ」

ほむら「……ありがと」

ほむら「……」

ほむら「……まどか、暖かい」

まどか「……ほむらちゃんも、暖かい」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「ねぇ、まどか」

まどか「……」

ほむら「これは、夢なの?」

まどか「……」

まどか「どうして?」

ほむら「……」

ほむら「だって……さやかも、杏子も、マミさんも」


ほむら「皆とっくに死んじゃってるんだもん」


ほむら「皆だけじゃない」

まどか「……」

ほむら「……あなただって……いない……」

まどか「……」

ほむら「ねぇ、まどか」

まどか「……」

ほむら「これは、夢なの?」

まどか「……」

ほむら「それとも、もう、私は……」

まどか「……」

まどか「ほむらちゃんはどっちがいい?」

ほむら「……え?」

まどか「どっちがいい?」

ほむら「……」

まどか「ここを夢とするか」

まどか「そうしないのか」

ほむら「……」

まどか「私としてはね。ほむらがちゃんがここを、夢じゃないって思ってくれた方が……うれしいの」

まどか「そうすれば、私たちはマミさんのお店に戻れるから」

まどか「あの、皆で笑い合えてた場所に」

まどか「でも、ここを夢とするなら……」

ほむら「……」

まどか「……どっちがいい?」

まどか「ほむらちゃんは、どっちがいい?」

ほむら「……」

ほむら「……ここは……」

まどか「……」

ほむら「ここは」


ほむら「夢よ」


まどか「……残念」

―――――――

ほむら「……」

ほむら「……ここは……」

まどか「……」

ほむら「ここは」


ほむら「夢よ」


まどか「……」

まどか「そっか……」





まどか「……残念」

―――――――

ほむら「……ん……」

ほむら「……ここ……」

ほむら「……」

ほむら「……寝ちゃったんだ……私……」

ほむら「……あれ?」

ほむら「こんなマフラー、私……」



うんっ。ながーいマフラーだよっ



ほむら「……あ……」

ほむら「……」

ほむら「……そっか……」

ほむら「……ごめんね。まどか」

ほむら「私は、やり遂げなくちゃいけないの」

ほむら「貴女を救えなかった、罰として」

ほむら「そして、何より……」

ほむら「これが私の、意志だから」

ほむら「……」

ほむら「あ……」


ほむら「……雪……」



―――うん。これからもっと寒くなるから


そうね……確かにこれから、寒くなるものね

おわり

一人の戦いとはかくも辛いものか……

もう見てる人いないと思うけど、見てくれた人はありがとう。そして、お疲れさまでした

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