妹「かくも日本の威信が失われた理由はまさに人の内より生ずる重みが失われた事による」
妹「親は親の責務を果たさず、して子は親を敬わず、これ連綿と繰り返さば人の内の力が失われるは必然」
妹「日本の復興すなわち人の復興なりと思いしかばまずは我が身の周りよりせんとかくして貴兄に話している所である」
兄「あ、はい」
午後7時 剛丈さんはホストファミリーの家でホストブラザーのウェブと、ジョン・トラポルタのサタデーナイトフィーバーのレコード(CDではないらしい)を聞いて踊りの練習をしていた。
ハロウィンパーティーに招待されたのが嬉しそうだった。このパーティーは17日に行うものだが、正式には10月31日に行う。剛丈さんはトラポルタの格好をし、ウェブは怪我をしていたのでそれを衣装とした。
視力が悪い剛丈さんだが、この時「衣装に合わないから」ということでメガネを置いて行ってしまう。
カメラをもった剛丈さんとウェブは、父リチャードから手書きの地図をもらい家を出る。
午後8時30分 車の運転はウェブ、剛丈さんは地図を見る。なかなかたどりつかないし当初より時間が遅れている。焦りやはやる気持ちもあった。
剛丈さん「ちょっと待って!今の家じゃない」、確信はないが車をUターンするウェブ。剛丈さんはカメラを持って家に向かった。
剛丈さんは「はやく」とせかす。「わかったよー」とウェブ。目指す家の番地は「10131」だったが、この家は「10311」だった。
ピンポンをするウェブ、だが応答はない。でも人はいるようだ。ウェブはガレージに回る。「あ、すみません」とウェブ。
そこには女性と子供がドア越しに覗いている。「はーい、僕たちパーティーに来ました」と剛丈さんはドアの向こうに向かおうとする。しかし、ドアが閉められる。「ここじゃないんじゃないか?戻ろう」、「わかった」。
2人は車へ戻ろうとした。その家の敷地を出ようとしたとき、ウェブの目に映ったのは拳銃だった。「ほら、やっぱりここだよ」、「おい、ヨシ・・・」。
剛丈さんは拳銃を見て逆にハロウィンとだと思ったのか、「僕達パーティーに来ました」と言って敷地内に向かおうとした。「ヨシ、戻れ!」とウェブ、ドアを開けて拳銃を持つロドニー・ピアーズは「フリーズ!」と言っている。なおも向かう剛丈さん。銃は放たれてしまった。
妹「して貴兄はいかように思うか?」
兄「日本は大変だなぁと思います」
妹「然り。欧州亜細亜阿弗利加と大別された世界の中に生きる我々が直面している危機は巨大である」
妹「亜細亜の獅子は長い眠りから覚めその人足の十分たるを以って日本経済を揺るがそうとしている」
妹「また天変地異に襲われ神にも見放されんとする故国の危機に立ち上がる勇士の少なきことも憂慮せし所」
妹「この冬の時代にこそ我々若者の為すべき事ありと叫ぶべきであろう」
兄「そうですね」
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