―冬休み、織斑宅―
セシリア「一夏さん、急に呼び出してどうしましたの?」
ラウラ「教官が何やかんやと言っていたが」
一夏「あぁ、実はな…」
ガララッ
千冬「あーぬくいーー炬燵さいこーーもう出たくないーー」
一夏「千冬姉がこたつむりになってしまったんだ」
鈴「うわぁ…」
箒「学園での威厳が…」
シャル「炬燵の力って、こんなに凄いんだ…」
一夏「このままだと、千冬姉は新学期が始まっても炬燵に籠り続けちまう。皆の力を貸してほしい」
こんな感じか
シャル「分かったよ一夏。織斑先生の為だし」
鈴「い、一夏の頼みならやってあげるしかないわね」
セシリア「勿論!一夏さんの為なら私、セシリア・オルコットはいくらでも手を貸しますわ!」
箒「いいだろう、一夏。昔からの付き合いなら助けるのが幼馴染みの務めだ」
ラウラ「こんな教官、私の知ってる教官ではない……早く教官を元に戻すぞ一夏!」
一夏「皆…ありがとう」
千冬「あーーいちかーみかんとビールとってーー」バンバン
後はこんな風に
シャル「よし!まずは腕を引っ張って引きずり出そう!」
箒「シャルロット、手伝おう!」
二人「せーのっ!」グギギ
千冬「………」クカー
シャル「だ、ダメだ!ビクともしない!」
箒「寝ながら反抗しているとでもいうのか…」
千冬「…さむい」パッ
シャル「あっ」
箒「ダメか…」
ラウラ「次は私だ!」
次はラウラの出番になる展開で
よし
任せろ
ラウラ「とぅっ!」プツン
一夏「あ、コンセントを…」
鈴「な~に一夏?こんな簡単な事も考えつかなかった訳?」ジトー
一夏「いや、そんな事をすると…」
千冬「………」ギロッ
ラウラ「!!!」ビクッ
千冬「…ボーデヴィッヒ…炬燵のコンセントを抜いたな…」ゴゴゴ
ラウラ「」ガクブル
千冬「今すぐにコンセントを入れろ…さもないと…」ビキビキ
ラウラ「」プツン
千冬「……あーぬくい…」
一夏「…こうなるんだ」
セシリア「凄まじい殺気でしたわね…」
ラウラ「嫁ぇ…」ブルブル
投下支援
ラウラ「くぅ…かくなる上は…これだけは使いたくなかったが、やむをえん!」
ラウラ「教官…今の教官は見るに耐えません! ご無礼をお許しください! AIC!」カッ
千冬「――!」ビタッ
ラウラ「動きは封じたぞ! 今だ!」
鈴「OKよ! セシリア! 手伝って!」
セシリア「はい! せーっの!!」グググ
千冬「……」ギギギ…
ラウラ「な!? ば、バカな! AICに対抗しているだと!?」
鈴「ダメ! ビクともしないわ!」
セシリア「まるで巨大な樹木のようでしてよ!」
千冬「貴様ら…いい加減にしとけよ…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
3人「ひぃッッ!!」アトズサリ
一夏「…これでもダメか」
次よろ
セシリア「次は私の番ですわ!」バーン
シャル「それは一夏の写真?」
箒「セシリア、いつの間にそんな物を…」
セシリア「織斑先生、ほらほら、一夏さんの写真ですよ~」ピラピラ千冬「」ピクン
鈴「成る程、千冬さんの大好きな物で釣ろうって作戦ね」
ラウラ「そんなので上手くいくのか?」
一夏「…さあな」
セシリア「さぁ、織斑先生。炬燵から出てきt」
シュッ! バッ
セシリア「…え?」キョトン
鈴「写真が…」
箒「消えた!?」
千冬「いちかぁ~いちかぁ~」チュッチュッ
シャル「目に見えなかったよ!?」
ラウラ「流石教官、一夏の事に関しては人一倍に速く動く…」
一夏「そこ、褒める所か?」
もうネタが無い
ラウラ「教官に強硬策は通じない……か。私が未熟だったようだ、すまない嫁よ」
一夏「そんなことないぞ、ラウラ。ありがとうな」ポンポン
ラウラ「むぅ……」
箒「――こうなっては、奇策を用いるよりほかあるまい」
セシリア「奇策、ですの?」
箒「ああ、つまり……押してダメなら、引いてみろだ!」
一夏「ど、どういうことだよ箒?」
シャル「そうか! ……織斑先生も、やっぱり女の子ってことだね」
箒「その通りだ。つまりこれは、ただ一夏に構ってほしいという千冬さんの願望だったのだよ!」
一夏「ち、千冬ねえが俺に……?」
箒「その証拠を、今から見せてやろう。一夏、他の部屋に行くぞ」
一夏「え、だって千冬ねえがまだ……」
箒「いいから! すぐにわかる!」グイグイ
一夏「おいおい――、そんなに押すなって……!」
――数十分後
一夏「……なあ。こんなことしてないで、はやく千冬ねえを――」
箒「まったく、お前は本当に女心がわかっていないな」
一夏「な、どういうことだよ?」
シャル「今ごろ織斑先生はあの部屋でひとりぼっちなんだよ?」
シャル「一夏とじゃれ合えなくなった以上、もう炬燵から自発的に出てるはずだよ」
一夏「そうか……?」
シャル「ただ織斑先生は、一夏に構ってほしかったんだって」
箒「うむ。――そろそろいいだろう」
スタスタ、ガラッ
箒「それ見たことことか! いつもの千冬さんに元通り――」
千冬「」クカー
一夏「――には、なってないな」
箒「な、なんだと?! そんな……、馬鹿な!」
ここまでー。カブり申し訳ない
どうした続けなさい
鈴「最後は私の番ね!」ドン
一夏「ん?炬燵のテーブルを掴んで…」
シャル「そっか!少しずつ解体していけば、自然に外へ出るもんね!」
箒「ほう、考えたな鈴」
鈴「ふん、これくらい当ぜ……って、あれ?」
一夏「どうした?」
鈴「ふん、ぬ…て、テーブルが持ち上がらない…」グギギ
一夏「え?」
ラウラ「!もしかして…」グイッ
セシリア「どうしましたの、ラウラさん?」
ラウラ「やっぱり…教官は炬燵を工具で固定しているようだ」
一夏「な!?いつの間に!」
一夏「う~ん…皆の手を借りても無理だったか…」
ラウラ「面目ない…」
鈴「何処まで炬燵に執着してるのよ、このブラコン…」
箒「こうなると打つ手無しか…」
セシリア「このままだと、本当に新学期になっても炬燵の中で過ごすのでは…」
シャル「うーーん………!」ピキーン
一夏「どうしたシャル?」
シャル「最終手段を思い付いたよ!」
鈴「え?ホントに!?」
セシリア「どうしますのシャルロットさん!」
ラウラ「その作戦を聞かせてもらおう」
箒「一夏の為なら、私は何でもやるぞ!」
シャル「皆!耳を貸して!」ヒソヒソヒソ…
(…………)
ガタガタガタ…
千冬「(……ん?)」
千冬「(二階に上がったか…)」
千冬「(…まあいい、一夏の部屋には暖房があるし、それに五月蝿いのがいなくなってー)」
シャル「……あぁん」
セシリア「一夏さん、そこは…」
千冬「!?」
きたないさすが妾きたない
千冬「(あ、アイツら…何を…)」
箒「ぐっ……きもち……ぞ……かぁ!」
鈴「ちょ…いや……そんな奥をやられたら…」
シャル「中に……してえ…こど……ほしいよぉ…」
千冬「………」ゴゴゴゴ
千冬「ア・イ・ツ・らぁ~~!人の弟に何を……!!」ゴゴゴゴ
――二階――
セシリア「あっ、あぁん……」
鈴「ねぇ、ちょっと…こんなアホらしい声で千冬さんを引きずり出せると思ってんの?」
シャル「いいから、喘ぎ声を出し続けて。その内来る筈だから」
ラウラ「い、いちかぁ…きもちいよぉ…」
一夏「(…ヤバい、ただの演技なのに興奮してきた…)」
箒「一夏、何か嫌らしい事を考えてないか?」
一夏「い、いやーそんな事を考える程俺は」
ドゴオォォォォォン!!!!
全員「!?」
シャルって子はビッチなの?
>>44
天使です
千冬「………」ゴゴゴ
一夏「ち、千冬姉!」
セシリア「やっと炬燵から出ましたのね!」
鈴「全く、こんな演技に引っかかるなんて千冬さんもまだまだねぇ」
ラウラ「教官!あぁ、あの勇ましい教官の姿が!」
シャル「…あー、皆。ちょっとヤバいかも」
鈴「え?」
箒「悪戯を通り越して…千冬さんの逆鱗に触れてしまったようだ…」
千冬「………」ゴゴゴゴ
一夏「あ、あの、千冬姉?これは、千冬姉の為で決して悪戯でやった訳じゃー」
千冬「………」ダッ
一夏「ちふーー」
ドカッ バキッ ボコッ ドゴォンッ ………
>>44
近々俺と式を挙げるらしい
>>49
お前の葬式にしてやろうか
―――――
鈴「あぐぅ…」ヒクヒク
セシリア「…死より恐ろしい物を見ましたわ…」ボロボロ
シャル「悪戯が過ぎたみたいだったね……皆、ごめん」
ラウラ「シャルロットが謝る事は無い。寧ろ教官を引きずり出せたのならーー」ガクッ
箒「痛っ……もう炬燵に入ってる千冬さんには触れない方がいいぞ、一夏」
一夏「……あぁ…身を通して味わったぜ…本気で怒った千冬姉の怖さ……」
その後、五人は一夏の応急手当を受けて帰って行った。
残された一夏は、再びこたつむりと化した千冬の世話をするハメになった。
そして新学期の数日前、こたつむりと化していた千冬は突如、炬燵から脱出していつもの千冬に戻ったという。
一夏曰く、千冬は連休をギリギリまでだらけたい性格だとの事
―おわり―
終わってもうた
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