一夏「なあ、イギリス人も挨拶でキスするのか?」 (92)

セシリア「えっ!?一夏さん、いきなり何の話ですか?」

一夏「ほら、外国人って挨拶でキスするんだろ?」

セシリア「そうですわね。そういった慣習はありますわ、大陸国ほど派手なキスではないですが」

一夏「へえ、そうなのか」

セシリア「まあわたくしの国ですと、キスといっても頬へですね」

セシリア「あと、男同士ですることはなくて、男女か女同士でだけですわ」

一夏「男同士だと……、しないのか……」

セシリア(…………、なぜそこで残念そうにするんですの?)

一夏「でもまあ、日本とは全く違ってて面白いな」

セシリア「ふふっ、そうですか」

セシリア「挨拶のキスも初対面だと普通はしませんわよ。最低でも、面識のある者同士でするものですわ」

一夏「なるほどな」

セシリア「あと、主人と使用人の関係のように上下関係がある場合はしませんね」

一夏「えっ、そうなのか?」

セシリア「ボディタッチの一種ですからね、キスもハグも細かいお約束があります」

セシリア「握手もそうですけど。キスとハグが上手にできませんと、わたくしの国ではモテませんよ?」

一夏「なんだか複雑怪奇だな」

セシリア「ふふふっ、要は慣れですが。わたくしにとっては日本語の文法の方が複雑怪奇です」

一夏「そんなものか。そのお約束ってのは、例えばどんなのがあるんだ?」

セシリア「特に男女の間の関係によって変わりまして、友達と、こ、恋人では違いますし、ええと、口での説明が難しいですわね……」

一夏「へえ。なら、試しに挨拶を『練習』でしてみていいか?」

セシリア「え!?よ、よろしいんですか?」

一夏「ああ、俺とセシリアの仲だろ?」ニコッ

セシリア「は、はい……」カァッ

一夏「まずはハグって……、こんな感じか?」

ギュッ

セシリア「あっ……、一夏さんっ……」カアア

一夏「どうした……、セシリア……?」

セシリア「こんな、恋人みたいな抱擁……、私以外にしたらセクハラですよ……?」

一夏「そ、そうなのか?」

セシリア「はい……」

一夏「じゃあ、セシリアにはいいんだな」

セシリア「ええ……、いつでも……」

一夏「まずは友達同士のキスだな」

セシリア「はい……、そうしましょう」

一夏「もう少し離れるのか?」

セシリア「はい、少なくとも腰は触れ合ってはいけませんわ」

一夏「そうだったのか、セシリアすまん!」

セシリア「いいえ、私と一夏さんの仲じゃないですか」ニコ

一夏(ん、なんだかちょっと可愛いな、セシリア……)

一夏「じゃあ……、こんな感じで軽く抱きしめて……」

セシリア(離れてしまいました……)

一夏「軽くキス……」

チュ

セシリア「ぅあ……」カア

一夏「どうした?」

セシリア「いいえ!(あ、耳に息が……)」

一夏「こんな感じか?」

セシリア「は、はい……。」

セシリア「じゃ、じゃあ、次は恋人同士のキスを試しましょうか」

一夏「そうだな」

一夏「じゃあ、またハグから………」

ギュッ

セシリア「一夏さん……」

一夏「いくぞ、セシリア……」

セシリア(ううっ、また耳に一夏さんの息があたって……)

セシリア(気持ちよすぎて……、意識が遠のきそうですわ……)

一夏「セシリア……」

チュ

セシリア「あっ……」

一夏「どうした、セシリア?」

セシリア「いえ、何でもありませんわ……」

一夏「これであってたか?」

セシリア「わ、わたくしも恋人同士のキスはしたことがないですからわからないですわ……」

一夏「そ、そうか」

セシリア「でも、きっと、あってますわ……」

セシリア「こんなにもドキドキするんですもの……」

一夏「じゃあ、また挨拶の『練習』するか?」

セシリア「えっ、一夏さん、シャルロットさんと付き合ってるんではなくて?」

一夏「ん?そうだけど」

セシリア「そうであれば、あまり二人きりにはならない方がよろしいかと」

一夏「いや、彼女ができたからって友達付き合いを制限されるのはおかしいだろ」

一夏「それに下手だとモテないんだろ?『練習』して上手くなればシャルも喜ぶんじゃないかな」

セシリア(まあ、わたくしとしては役得ですけど)

一夏「嫌か?」

ギュッ

セシリア「っ……。い、いやなんかじゃ……」

一夏「なら決まりだな」

セシリア「はい……、一夏さん……」

………………

…………

……

コンコン

シャル「一夏?来たよー」

一夏「シャル、入ってくれ」

シャル「うん……、キャッ」

ギュッ

一夏「シャル……」

シャル「あっ……」

シャル「はぁ……、はぁっ……!いちかぁ、今日は、は、激しっ……!」

パンッパンッ

シャル「あん、あっ……」

パンッパンッ

シャル「こ、この部屋でするのっ、僕が女だってバレちゃって以来だねっ……、今日は良かったの……?」

一夏「が、我慢できなくてっ……」

パンッパンッ

シャル「ふふっ、あ、あんっ!嬉しい……!」

パンッパンッ

シャル「あ、ぁあっ!んっ……!!んっ!」ビクン

一夏(い、イケなかった……)

シャル「ゴメンね?僕ばっかり感じちゃって……」

一夏「いやいいんだ、こういう日もある」

シャル「口でしよっか?」

一夏「いいって。ゴム臭いし」

シャル「そう?」

一夏(今日はシャルの声が大きすぎて周りが気になって集中できなかったな……)

一夏「そろそろ部屋戻ってくれよ。ラウラには何て言ってきたんだ?」

シャル「え?一夏のとこ行ってくるって……」

一夏「じゃあ、あんまり長く空けてるとマズい」

シャル「んー、そうだね」

チュ

一夏「ん……、愛してるぞ、シャル……」

シャル「僕もだよ……」

一夏「じゃあ、また明日」

………………

…………

……

一夏「ってことがあってさ」

セシリア「そ、そんな話をわたくしに話さないでくださいっ……!!」カアア

一夏「いや、こんな話できる相手ってセシリアぐらいだし」

セシリア「そ、そうなんですか?」

一夏「ああ」

一夏(箒や鈴だときっと暴力振るわれるからな……。ラウラは結構子供なことあるし、こういう話がわからないだろ)

セシリア「それなら……、仕方ないですわね……」

セシリア「でも、寮でするのはやめた方がいいですよ。バレたら退学でしょうし」

一夏「そうなんだよな。でも、俺もシャルも金ないからなー、本当はホテル行った方がいいのはわかってるんだけど」

セシリア「そ、そうして下さい。一夏さんとお会いできなったらさびしいですから……」

一夏「はは、嬉しいな。そんなこと言ってくれるなんて」

ギュッ

セシリア「っ……!」

一夏「なあ、挨拶の『練習』……」

セシリア「は、はい……。『練習』……、ですね……」

一夏「セシリア……、いい匂いがする……。」

セシリア「お、乙女の嗜みですわ……」

一夏「ずっと嗅いでいたいな……」

セシリア「あっ……」

チュ

セシリア「ぁ…、んっ!そ、そんなとこっ!」

一夏「ん?首筋はくすぐったい?」

セシリア「それは、挨拶のキスじゃ、あぁん!」

セシリア「……んっ!ぁあっ!」

一夏「セシリア、かわいいよ……」

セシリア「ぇ……、嬉し……。あうぅ……」

………………

…………

……

一夏「セシリア、今日も『練習』……」

セシリア「は、はい……!」

ギュッ

一夏「ん、いつもと匂いが違うな……」

セシリア「はい、香水を変えてみました」

一夏「いつものも好きだけど、今日のはいいな……。セシリアにあってるよ……」

セシリア「そ、そうですか?」

一夏「ああ、好きだ……」

セシリア「えっ!」ドキッ

一夏「セシリア……」

チュ

セシリア「っっ……!!」

一夏「はは、可愛い反応」

………………
…………
……

セシリア「今日も……?」

一夏「ああ……」

セシリア「一夏さんっ……!」

チュ

一夏「セシリア……」

………………

…………

……

セシリア(恥ずかしいことですが、正直に申し上げまして)

セシリア(わたくし、欲求不満かもしれません。一夏さんと『練習』する度に、その)

セシリア(あそこを濡らして……。同室のラウラに隠れて、パンツを洗う毎日です……。ううっ……)

セシリア(一夏さんもあそこを大きくしたまま押し付けてくるから、変な気を起こさない方が難しいですわ!)

セシリア(大好きな一夏さんに抱きしめられたら仕方ないですよね……。せめて、せめてちゃんとキスだけでもしたいですわ……!)

セシリア(神様、せめてキスだけはお許し下さい……。それ以上は、望みませんから……)

セシリア「え?それじゃあ……」

一夏「ああ、もう一月以上出してないんだ」

セシリア「その、シャルロットさんとはしてないんですか?」

一夏「いや、何回かしたんだけど最後までイケなくて」

セシリア「そ、そうなんですか」

一夏「やっぱり、寮でヤッてるのがバレると退学だと思うと、どうも集中できなくて」

セシリア「ここ、あまり壁が厚くないですからね……。その、そんなにタマってると、苦しいんですか……?」

一夏「ああ、かなり辛い……。IS学園って女の子しかいないのも、刺激が多くてちょっとキツいよ」

セシリア(………………)

一夏「? セシリア、どうしたんだ?」



セシリア「一夏さん、今日は別の場所で、挨拶の『練習』、しませんか?」

一夏「って、ここは……」

セシリア「ええ、ホテルです」

一夏「俺、そんな金ないぞ……」

セシリア「私が出します」

一夏「そんな、悪いって」

セシリア「いいんです。『練習』のためですから」

一夏「そうか、『練習』か……」

セシリア「一夏さん……!」

一夏「……。セシリア……」

チュ

セシリア「あ、ぁぁあ……」

一夏「はあ……、はぁ……。セシリア……!」

セシリア(う、一夏さんの手が、腰からおしりの方へゆっくり伸びていってますわ……)

セシリア(恥ずかしい……!)

セシリア「あっ……」

一夏「悪い、我慢できそうにない……」

セシリア「ん……」フルフル

一夏「じゃあ、脱がから……」スルッ

セシリア「ん、ぅ……」コク

一夏「セシリア、ちょっと触ってほしいんだけど」

セシリア「すごく、固くなってますわね……」

一夏「うわ……。そんな触り方されたら……!」

セシリア(ふふふ、一夏さん、かわいい……)

一夏「ちょ、ストップ!うっ、くっ!」ビクン

セシリア「えっ!?」

一夏「あ、ああ……」ビクンビクン

セシリア「もしかして……、もうイッちゃったんですか……?」

一夏「は、はい……」

セシリア「あ、でも……」

セシリア「まだ、固いままですね……」

一夏「まあ、セシリアが魅力的すぎるからな」

一夏(シャルよりおっぱい大きいしな。Dカップはあるな)

セシリア「う、嬉しいですっ……!」

一夏「じゃあ、いくぞ……」

セシリア「はい……」

セシリア「あっ!、は、ああぁっ!」

一夏「くっ!」

パンッパンッ

セシリア「はぁ、はぁ、はあ……」

パンッパンッ

セシリア「い、一夏さん……!」

一夏「ヤバい、またイキそうだっ…!」

セシリア「……!」コクコク

一夏「イクぞっ!」

セシリア「っっ………!!」

一夏「うっ」ビクンビクン

セシリア「ぁあっ!」


………………

…………

……

一夏「悪い、優しくできなかった」

セシリア「いいんです。一夏さんとできたことが嬉しいです」

一夏「セシリア……」

セシリア「一夏さん、またこういう風に会って下さいませんか……?」

一夏「………………。…………悪い、俺は……」

セシリア「…………っ」ズキッ

セシリア「今度からは、わたくしの、『練習』に付き合って下さいません?」

一夏「? どういう……」

セシリア「ですから、『練習』……」

セシリア(あなたを、諦めるための……)

セシリア「シャルロットさんには、言い訳が必要ですよね?」

セシリア「アルバイトを始めたということにすればいいですわ。『練習』、1日に、1万払います」

一夏「えっ?」

セシリア「月に3万もあれば、シャルロットさんとの仲もうまくいくと思いますわ」

一夏「いや、それは、セシリアに悪いだろ……」

セシリア「そうでなければ、今日のことも、練習のことも、シャルロットさんに話しますわ」

一夏「うっ」

セシリア「ふふっ、これからも『練習』、お願いしますね……?」

………………

…………

……

一夏「というわけで、バイト始めたんだ」

シャル「そうなんだ。って、学校の許可取れたの?」

一夏「(ギクッ)いや、取ってない。マズいかな?」

シャル「やっぱり、マズいよー」

一夏「うっ、他言無用で頼む」

シャル「どんなバイトなの?」

一夏「に、肉体労働だよ!」

シャル「へー、どうやった見つけたの?」

一夏「ああ、セシリアに紹介してもらってな」

シャル「ふーん…………」

一夏(変なこと言ってないよな……?)

一夏「バイト代出たら、外でデートしような!」

シャル「うん!デートもいいけど、その、僕ホテルも行きたいな……?」

………………
…………
……

セシリア「もう!わたくしを言い訳に使わないでください……。ひやひやしますから」

一夏「すまん!」

セシリア「まあ、いいですけど。それより……」

ギュ

セシリア「ふふっ。やっと、二人きりになれましたわ!」

一夏「ああ……。ホテルだと、安心してイチャつけるからいいよな」

セシリア「ん……、チュ……」















シャル「気になってあとをついていったら、一夏……………………………………?
    ……、とんだ肉体労働もあったもんだね………………………………………」

第二部 完

第三部あらすじ
一夏の浮気を目撃してしまったシャル。
信じていた恋人と親友に同時に裏切られ、今度こそ天涯孤独の身となってしまった……!
そんな失意のシャルの携帯電話に着信が……?

シャル『一夏!』

一夏『なんだよ』ハァ

シャル『今日は僕と出かけるって言ってたのに、どこ行くの?』

一夏『しょうがないだろ、俺もシャルもお金がないんだから』

シャル『でも、だって……』ゴニョゴニョ

一夏『ん?」

シャル『僕たち、もう2週間もしてないんだよ……?』

一夏『俺だってその、シャルとしたいよ。二人にもなりたい』

一夏『でもシャルが女の子だってバレた時、寮の部屋にはお互い入らないって千冬姉とも約束しただろ』

シャル『また『千冬姉』……。僕のことも少しは優先してよ……』

………………

…………

……

シャル「思い返せば、一夏? 僕たち、お金がないとか、そんなくだらないことでケンカしちゃってたよね……?」

シャル「僕が女の子だって皆にバレちゃったせいで、部屋が別になって、したい時にさせてあげられなくなっちゃったもんね……?」

シャル「だから、『アルバイト』って言われて、悪い誘いに乗っちゃったんだよね…………?」

prrrrr

シャル「早く僕が、一夏の目を覚ませてあげるからね…………?」

prrrrr

シャル「………………………………ふふ、ふ」

prrrrr

prrrrr

prrrrr

pi!

シャル「って、もう、何?ちょっと今、立て込んでて手が…………、え?」

シャル父「シャ、シャルか……?」

シャル「…………、お父、さん?」

シャル「なんで、お父さんが……?」

シャル父「いや……。娘が、元気か気になってな……。忙しいなら後で掛け直すぞ?」

シャル父「だが、そのだな、8時間時差があるから、都合のいい時間を教えてもらえると助かるのだが……」

シャル(お、おかしい。おかしいよ!僕の父親はこんな暖かい声音で、僕にこんな声を掛ける人間なんかじゃ……、なんかじゃないのに……。)

シャル(でも、ダメだ……。止まらな……、う)

シャル「う、うわああああああああああああああああん、おどうさああぁあん!!」

シャル父「!!? シャルロット、ど、どうしたというんだ……?」

………………

…………

……

シャル父「そうか、そんなことがあったのか……」

シャル「うん……、僕もう、どうしたらいいのか……」

シャル父「それは、お前が決めるべきだ。そのために、そうあるために私はお前をIS学園へ行かせたかったのだ」

シャル「お、お父さん?」

シャル父「今だから話すが、私の会社が経営危機に陥ってるのはお前は知っているね?」

シャル「うん……」

シャル父「会社というものは銀行からお金を借り、株主から投資を受けて、従業員が事業を行っているんだ」

シャル父「経営危機に陥ると、銀行はお金の貸し剥がしを行い、株主は逃げ、従業員をクビにしなければならないんだ」

シャル父「私は経営者だ!従業員は守らなければならない、何千、何万の従業員を……!」

シャル父「そんな時だった、お前の母親が死んだのは……。お前の存在を社内に知れ渡った」

シャル父「そして、社内のある一派が、お前のIS適性から、男性としてIS学園に送り込むと提案した」

シャル父「その一派は私と敵対していたからね。いわば制裁のような意味だったんだろうが、私は考えた」

シャル「このまま、お前は政争の具にしてはならない、と。お前を自分で自分の人生を歩けるようにしなければならないと」

>>65最後の行↓
シャル父「このまま、お前は政争の具にしてはならない、と。お前を自分で自分の人生を歩けるようにしなければならないと」

シャル父「そのために、今の時代はISだ。だが、我が社とは距離を置いてほしい」

シャル父「そこでお前がIS学園に行くのは渡りに船だと思ったよ。あそこは超法規的な場所だ」

シャル父「そして、日本語の知識を与え、ISの知識を与え、お前はIS学園へ行った。男装はまあ、うまくいかないだろうと思っていたがね」

シャル父「そこで恋に落ちた。素晴らしいじゃないか。私はお前の幸せを願っているよ」

シャル「お、お父さんっ…………!」

シャル父「すぐに私財を処分してお前に送金する手はずを整えよう!」

シャル父「ああ、ああ。また何かあったら電話してこい。ははは、時差など気にするな!ああ、じゃあ、愛する娘よ……」

秘書「お疲れ様です。台本通りに進んでますか?」

シャル父「ああ、計画通りだ。盗聴班に、この調子で続けろと指示を出しておけ」

シャル父「男装でもなんでもしてIS学園唯一の男性操縦者、織斑一夏と接点を得て、データを取るか我が社に彼を引き込む」

シャル父「その計画に何ら問題ない。では次の会合場所へ向かうぞ」

シャル父(悪く思うなよ娘よ……。自分の足で歩いて欲しいと思っているのは本当のことだ)

シャル父(だが、欲望渦巻く現実世界で生きようと思ったら、利用するかされるかしかないのだ……。私とお前では背負うものが違いすぎる……)

シャル父(だが、それでも今はお前は幸せなのだろうな……、愛する者と、お前の母親と添い遂げられなかった私と比べればな……)

シャル(今日は、なんて日なんだ!重く心に圧し掛かっていた、家族の問題、お金の問題が思わぬ形で解決してしまった!)

シャル(ふふふ、一夏と結婚した後の将来の話も父さんと話してしまったぞ!一夏、喜んでくれるかなー)

シャル(あと、残る問題は…………、)



セシリア「一夏さぁん、腕組んでもいいですか…………?」

一夏「だ、ダメだって言っただろ!そんなの誰かに見られでもしたら……」

セシリア「嫌って言っても組むからいいですわ!ね?もう少しの間だけ………」



シャル(………………、うん!あの女の問題だけだね!)

セシリア(では、また)コソコソ

一夏(ああ、じゃあ)コソコソ



シャル「あ、セシリア!」

セシリア「な、なんですか!?」ビクッ

シャル「え、お帰りってだけー。そんなに驚いてどうかした?」

セシリア「い、いえ。何でもありませんわ(わたくし、今自然に笑えてますかね……?)」

シャル「あー!セシリアの髪にゴミ付いてる!」

セシリア「え、えっ?どこですか?」

シャル「ちょっと動かないでよ、取ってあげるから!どれどれー」

セシリア「え、どこっ、って、あ痛っ!!」

シャル「ちょっともう、動かないでって言ったでしょ、セシリアー。大丈夫ー?」

セシリア「え、ええ、すいません……(今、まさか。いや、考えすぎですわね……)」

コンコン

シャル「一夏ぁ、入っても大丈夫?」

一夏「あ、ああ。どうぞ」

シャル「おじゃまします」

一夏「うん、どうかしたか?」

シャル「んーん。ただ、アルバイトおつかれさま、って言いに来たの」

一夏「そうか。ありがとうな」

シャル「えへへ」テレテレ

一夏「け、結構、疲れたよ」

シャル「そうなんだ。じゃあ、僕がマッサージしてあげるよ!」

一夏「あんまり寮で密着するのはちょっと……」

シャル「えっ……、そっか…………」

一夏「と思ったけど、うん!お願いしちゃおうかな!」

シャル「よーし頑張るよ!」

シャル「じゃあ、ベッドに横になって……」

一夏「おう」

シャル「ま、マッサージだから、ちょっと密着してもしょうがないよね……。まずは肩から……」

一夏(シャルのおしりが背中にっ……!体重で股間が圧迫されてるのもヤバいな……)

シャル「あれ?この髪の毛……」

一夏「?」

シャル「僕の色と似てるけど……、長いから違うみたいだ」

一夏「えっ?」

シャル「しかも、カールしてるし!」

一夏(ば、バカな!俺の偽装は完璧だったはずだっ!)

一夏(常に掃除は欠かさずっ!『練習』の後は部屋に戻ると全裸になって、衣類についた髪の毛をガムテープで除去!)

一夏(さらに、風呂は可能な限り早く入りっ!選択もだ!)

一夏(そんな俺が初歩的なミスだと……?)

一夏(ありえない……!これはブラフっ!そうに決まっている!)

闇落ちしたシャルの牽制とセシリアの水面下の攻防、そして一夏のデータ取りも兼ねて一夏を親に紹介するシャル、
争いの果てにやがてシャルとセシリアは……、とか妄想しても鮮血の結末しか今は思い浮かばないほど眠いので寝ます。

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