結衣「可愛い妹達に囲まれて幸せに過ごしたい」(354)

カチカチ

結衣「……」

京子「結衣、何やってんの?」

結衣「ギャルゲー」

京子「ふ~ん、きらナモ以外にも持ってたんだ?」

結衣「うん、最近買ったやつだけど…」

京子「なんていう、タイトルの?」

結衣「シスター・クインセブン」

京子「……」

京子「シスター…何?」

結衣「シスター・クインセブン、妹ゲーだよ」

僕「アフィだよ」
あなた「ステマじゃん」

結衣「主人公は7人の妹のお姉ちゃんになって」

結衣「個性豊かな妹達と、仲良くなって行くんだよ」

京子「へ、へぇ~…」

結衣「特に、私はこの子がお気に入りでさぁ」カチカチ

『お姉たま、今日は何して遊ぶの?』

京子「ぷっ、お姉たまだってぇ~」

結衣「いや、確かに呼び方はアレだけど…」

京子「お姉たま」

結衣「……」

京子「お姉たま、お姉たま、お姉たまぁ~」ニヤニヤ


ゴッ

京子「……」プスプス

結衣「……」カチカチ

京子「結衣、妹とか欲しいの?」

結衣「欲しいと言えば欲しいかな、小さい子好きだし」

京子「…誘拐とかすんなよ?」

結衣「毎日毎日、ちなつちゃんにちょっかい出すお前にだけは言われたくない」

京子「今日も突っ込みが冴えてるね、結衣にゃん!」

結衣「はぁ…」

京子「そう言えば、ちなつちゃんって妹じゃなかったっけ?」

結衣「…うん、そうだね」

京子「後、あかりも」

結衣「……」

京子「……」

京子「…黙るなよ」

京子「結衣、あの2人にお姉ちゃんのように慕われたら嬉しい?」

結衣「少なくとも、お前に『お姉たま』呼ばわりされるよりかは嬉しいよ」

京子「…さっきの、そんな根に持ってるの?」

結衣「お気に入りの子だって言っただろ?」

京子「許してよ、お姉たまぁ~」

結衣「また殴られたいの?」

京子「ちぇ、なんだよ」

京子「私は結衣のお気に入りになりたいだけなのに…」

結衣「まさか、ゲームの子に嫉妬してる?」

京子「そ、そんなんじゃないやい!」プイ

翌日

京子「…と、言う訳で!」

あかり「んんっ!?」

京子「どうした、あかり。何かおかしなとこでもあったか?」

あかり「おかしなところも何も、京子ちゃんまだ何も話して無いよねぇ!?」

ちなつ「一体、何が『と、言う訳』なんですか?」

京子「いやぁ~、結衣の趣味を言いふらすのは良くないかなっと思ったので…」

京子「全部、私の回想で済ませておきました!」

あかり「それじゃ、あかり達には何も伝わらないんじゃ無いかなぁ!?」

ちなつ「結衣先輩の趣味って何ですか!?お、教えて下さいよっ!!」

京子「まぁまぁ、2人共落ち着けって…」

京子「あかりもちなつちゃんも、普段結衣に迷惑かけてるだろ?」

あかり「一番迷惑かけてるのは、京子ちゃんだと思うんだけど…」

ちなつ「私、結衣先輩に迷惑なんてかけてないもん!」

京子「だから、ここらで1つ恩返ししてみない?」

あかり「結衣ちゃんに恩返しかぁ…」

ちなつ「いいですね。やりましょうよ、恩返し!!」

ちなつ「膝枕に耳掃除、マッサージまでしちゃうよ♪」

あかり「!!」ドキッ

あかり「そ、そこまでしたら結衣ちゃん遠慮しちゃうんじゃないかなぁ?」アセアセ

ちなつ「そうかな?」

京子「そうだよ、そういう事は結衣じゃなく私にすべきだ!」

ちなつ「京子先輩にはしたくありませんから」プイ

京子「ちぇ、なんだよ。釣れないなぁ~」

あかり「…命拾いしたね、京子ちゃん」

京子「あかりは、結衣への恩返しにどんな事をすればいいと思う?」

あかり「う~んと、あかりはねぇ……えへへ」

京子「まぁ、もう私が考えてあるんだけどね!」

あかり「じゃあ、なんで聞いたの!?」ガーン

ちなつ「どーせ、京子先輩の考える事なんてロクなもんじゃありませんよ!」

京子「いやいや、今日のは本当に結衣を喜ばす為だから!」

ちなつ「…信用しても、いいんですね?」

京子「おうよ!」

ちなつ「何か、かけますか?」

京子「んじゃ、私はあかりの左のお団子をかけるよ」

あかり「んんっ!?」

ちなつ「それじゃ、もし結衣先輩が喜んだら右のお団子あげますね!」

あかり「ちょっと、待ってよぉ!!」

京子「良かったな、あかりのお団子をあげるって提案が役に立ったぞ!」

あかり「あかり、そんな事一言も言ってないからぁ!!」

登校中

結衣「……」

結衣「…何故、私は1人で登校してるんだ?」

京子『結衣にはナイショであかり達に話をするから、結衣は先に行っててよ!』

結衣「はぁ…」

結衣「どーせ、あいつの考える事なんてロクなもんじゃないよな」

???「…だよう!!」

???「…ですわ!!」

結衣「んっ、校門で騒いでるのは…」

結衣「大室さんと、古谷さん?」

櫻子「あっ、船見先輩だぁ~」

向日葵「あら。おはようございます、船見先輩」ペコッ

結衣「2人共、こんな所で何を騒いでるの?」

櫻子「聞いて下さいよぉ~、向日葵が…」

向日葵「櫻子が、ですわよっ!!」

櫻子「先に校門をくぐったのは自分だって、言い張ってるんです!」

結衣「…はっ?」

向日葵「あなたがどちらが先に入ったかを聞いたから、素直に答えたまでですわ!」

櫻子「どこが素直にだよ、向日葵が先にくぐったような言い方してただろう!?」

向日葵「事実、わたくしの方が先にくぐりましたもの!」

櫻子「なんだよ、証拠でもあんのかぁーっ!?」

向日葵「胸囲の差、ですわよ!」

櫻子「なっ」カチン

櫻子「普段コンプレックスとか言ってる癖に、こういう時だけ利用しやがって!」

向日葵「自分の体をどう使おうと、櫻子に文句を言われる筋合いはありませんわ!!」

結衣「あの…」

櫻子「きぇ~~、おっぱい禁止ぃ~っ!!」ポヨン

向日葵「きゃあ!?///」ビクン

向日葵「あなた、言い返せないからって胸を叩くのは止めなさいなっ!!///」

結衣「はぁ…」

結衣「ちょっと、2人共いいかな?」

櫻子「へっ?」

向日葵「はい?」

結衣「このままじゃ、拉致があかないから再戦しない?」

櫻子「再 ですか?
向日葵 戦ですの?」

結衣「2人共、ここから3歩下がって…」

櫻子「」スタスタ

向日葵「」スタスタ

結衣「よーーい…」

2人「「!!」」ヒクッ

結衣「どんっ!!」

櫻子「うおぉぉぉぉぉおお!!」
向日葵「負けませんわあぁ!!」

京子「ごぉ~~るっ!!」ダッ

3人「「「えっ?」」」

京子「はぁ…はぁ…」

結衣「きょ、京子!?」

京子「わったしっが、いっちばぁ~~んっ!!」

2人「「ポカーン」」

タッタッタ

ちなつ「ふふふ、私が二番だよ!」

あかり「うわ~ん、あかりは三番だよぉ!」

結衣「あかりに、ちなつちゃんまで…」

京子「結衣は馬鹿だなぁ、2人だけなら敗者と勝者しか居ないけど…」

京子「3人以上居れば、揉めてる2人を丸ごと敗者に出来るんだよん!」

結衣「はは。京子は相変わらず滅茶苦茶だなぁ」

櫻子「えっ、私歯は治せないよ?」

向日葵「それは歯医者ですわよ!」

京子「…と、言う訳で」

京子「敗者の2人には、勝者である私の言う事を1つ聞いてもらいます!」

櫻子「え゛ぇ!?」

向日葵「いつ、そのような取り決めが行われましたの!?」

京子「細かい事はいいじゃーん!」

京子「そこは、その大きなおっぱいのように関大な心で流してくれよ」ムニムニ

向日葵「いやぁ!!///」ビクン

結衣「おいこら、すぐそういう事するのやめろよな!!」ゴッ

京子「いでっ」パッ

櫻子「わぁ~、私はおっぱい小さいから聞かなくてもいいんですね!?」

あかり(小さい?)

ちなつ(無いの間違いでは?)

京子「ちっぱいちゃん、自分で言ってて悲しくない?」

櫻子「!!」ドキッ

櫻子「聞きます、聞かせて下さい~」ゲザァ

結衣「本当、こいつのペースに乗せられたらおしまいだよな…」

京子「あっ、これからナイショの話するから結衣は先に教室行ってて」

結衣「またそれかよ!?」

京子「それもこれも、みーんな結衣の為なんだからね!」

結衣「はいはい、期待しないで待ってるよ」スタスタ

京子「もー、このツンデレさんめぇ~」

櫻子「先輩、ツンデレって何ですか?」

あかり「人前ではツンツンしてるけど、2人きりだとデレデレする人の事だよぉ」

向日葵「!!」ドキッ

櫻子「ふぇ~、あかりちゃん者知り~」

あかり「えへへ、あかりが解説しちゃったよ♪」

ちなつ「結衣先輩が京子先輩と2人きりの時にデレデレなんてあり得ませんから!!」

京子「ふっ…」

ちなつ「なんなんですか、その含み笑いは!?」

ちなつ「結衣先輩が京子先輩にデレデレだなんて、認めませんからねっ!!」

教室

結衣「……」ソワソワ

千歳「船見さん、おはようさん」

綾乃「太陽さんさんサンフランシスコよ!」

結衣「ぶふっ」

綾乃(これ、イケるわねっ!?)

千歳(綾乃ちゃん、船見さんは基本何でも笑うで…)

結衣「2人共、私に何の用?」

千歳「いや~、歳納さんはどしたんかなって」

千歳「…綾乃ちゃんが」

綾乃「ち、千歳ーーっ!!///」カァー

結衣「はは、あいつならとっくに学校来てるよ」

綾乃「そ、そうなの?」ホッ

千歳「あはは、綾乃ちゃん今ホッとしたやろ?」

綾乃「べ、別に。歳納京子が船見さんと一緒じゃ無いから休みなのかしら、それは心配ね……とか、そんな事全然思って無いんだからねーーっ!?///」フシャー

結衣「……」

結衣「ハッ!!」

京子『もー、このツンデレさんめぇ~』

結衣(もしかして、綾乃はツンデレなのか?)

綾乃「大体、何で私があいつの事心配しなきゃいけないのよっ!?///」ブツブツ

綾乃「理由が無いじゃないの、理由がっ!!///」

結衣(なるほど、京子の事が好きだからか…)

結衣(まさか『一緒に帰って噂されると恥ずかしいし』とか言っちゃう人なのか?)

結衣「綾乃、今日は京子と一緒に帰ってみない?」

綾乃「!!」ピクン

綾乃「……」プルプル

結衣「えっ」

綾乃「今日は…京子と…ふふ……」プルプル

結衣(今日は京子と…イケるなっ!!)

結衣(…あれ、私はさっきまで何を考えてたんだっけ?)

京子「おはよーヨーロッパ!」ガラッ

結衣「……」シーン

京子「ッパ!!」

結衣「…何故、そこだけ繰り返した?」

綾乃「歳納京子、ちょっと来るのが遅いわよっ!!」

京子「わりぃわりぃ……って、なんで綾乃が怒るの?」

綾乃「!!」ドキッ

綾乃「そそそそれは、その……生徒会副会長だからに決まってるでしょ!?///」カァー

千歳「んふ~ふぅ~♪」ボタボタ

結衣「うわぁ!?」ビクッ

京子「ふぅ~ん、まぁいいや」

京子「悪いついでに、生徒会の1年生2人を今日1日借りていい?」

綾乃「か、構わないけど……あの2人に何の用があるの?」

京子「ナ・イ・ショ♪」ウィンク

綾乃(可愛い…///)

放課後

京子「よし、全員娯楽部に集まったな?」

5人「「「「「……」」」」」」

京子「それじゃ、点呼を取るぞぉ~!」

あかり(これって、またあかりが忘れられるパターンなんじゃ無いかな…)

あかり(ううん、これはピンチじゃなくてチャンスだよ!)

あかり(ここであかりが1番を取って、存在感を発揮するんだから!)

あかり「いーちっ!!」

京子「いちじゃなくて、ワンと言えっ!!」

あかり「えぇ!?」ガーン

京子「ワンツーさんしー、基本だろ?」

あかり「うぅ…分かったよぉ……」

あかり「ワ、ワンっ!!」

京子「わぁ~、あかりわんわんだぁ~」

あかり「酷いっ!!」ガーン

京子「ほんじゃ、作戦開始しますか!」

あかり「あれ、点呼はっ!?」

京子「いや、どう見たって全員居るじゃん?」

あかり「うわぁ~ん、またあかりだけ恥ずかしい思いしちゃったよぉ~」

あかり「」チラッチラッ

4人「「「「……」」」」

あかり「……」

京子「一区切りついたところで、ここから先は結衣に主役交代だ!」

結衣「おいこら、初めから主役は私だよ!!」

京子「あっ、そうだっけ?」ケロッ

京子「まぁ、結衣が一歩引いてくれてたお陰で」

京子「私とあかりじゃ、話が全っ然進まない事が証明されたよ!」

あかり「半分、あかりのせいなんだ…」

結衣「はぁ、しょうがないなぁ…」

結衣「それじゃ、京子の言うナイショで準備していた出し物(?)を見せてくれよ」

京子「よし来た、トップバッターはあかりわんわん!」

あかり「気持ちを切り替えなくちゃ…」

あかり「……」

あかり「」キリッ

結衣(あかりがいつに無く真剣な表情に!?)

結衣(これは、私が思っているより真面目な事なのか?)

あかり「……」

あかり「」ニコッ

結衣「えっ」

あかり「えへへ、結衣……お姉ちゃ~ん♪」

結衣「……」

結衣「……」

結衣「…おぉ、あかりが妹だ!」

あかり「結衣お姉ちゃん、結衣お姉ちゃん♪」ピョコピョコ

京子「どうだ、結衣。気に入ったか?」ニヤニヤ

結衣「うん、流石リアルの妹だね」

結衣「京子と違って、とてもふざけているようには見えないよ」

京子「ぐっ…」

京子「なんだか、あかりに負けたような複雑な気分だ」

あかり「結衣お姉ちゃん、結衣お姉ちゃん♪」ピョコピョコ

結衣「…でも」

結衣「あかり、他に何か無いの?」

あかり「えっ!?」ドキッ

あかり「う~んと、う~~んとねぇ…」

結衣「……」

4人「「「「「……」」」」」

あかり「結衣お姉ちゃん、行って来ま~す♪」ガラッ

京子「あっ、あかりが逃げた…」

京子「気を取り直して…」

京子「2人目もリアル妹だよ、ちなつちゃ~ん!」

ちなつ「うふふ、結衣お姉様~」キラキラ

結衣「お、お姉様!?」ビクッ

ちなつ「結衣お姉様、チーナをあなたのスールにしてぇ」キラキラ

結衣「ちなつちゃんは妹と言うより、何かの役に入り込んじゃってるよ!」

結衣「顔まで、少女漫画風になってるし…」

ちなつ「結衣お姉様、ロザリオはどこにあるんですか?」

結衣「ロザリオって…」

結衣「京子、そんなの用意してあるの?」

京子「先生、打ち合わせと違うじゃないですかーっ!!」

結衣「アドリブかよっ!?」ガーン

ちなつ「そこ、ブラウスの中に閉まってあるのね?」サワサワ

結衣「ひぃぃーっ!!」ゾワゾワ

京子「ちなつちゃん、ストップストーップ!!」

ちなつ「はぁはぁ…結衣お姉様ぁ…」サワサワ

結衣「あわわわわ…」ガクガク

京子「全員、ちなつちゃんを取り押さえるんだ!」

櫻子「任せて下さい、歳納先輩っ!!」スクッ

向日葵「わ、わたくしも!?」ドキッ

ガシッガシッ

ちなつ「ちょっと、今いいとこなんです離して下さい!!」

京子「こんなの、誰も望んで無いから!!」グイグイ

ちなつ「私が望んでるんです。結衣お姉様、結衣お姉様ぁ~」ガラッ

ピシャッ

結衣「はぁ…はぁ…」

京子「…どうだった?」

結衣「あれを見て、感想を聞くんだ?」

京子「一応…」

結衣「あの顔で間近に迫られたから、かなりの迫力があったよ」

京子「さて、途中アクシデントもありましたが…」

京子「3人目もまたまたリアル妹、ちっぱいちゃ~ん!!」

櫻子「船見のねーちゃん!」

結衣「ぶっ」

結衣「…大室さん、それじゃ近所の子供だよ」

櫻子「ふぇ?」

櫻子「私、ねーちゃんの事をねーちゃんって呼んでるんですけど」

結衣「そうじゃなくて……あっ」

結衣「そもそも、2人は私の事を下の名前で呼んで無いんだっけ?」

結衣「大室さん、今日は…」

結衣「いや、これからも私の事を結衣って呼んでよ」

櫻子「へへ、了解です。結衣ねーちゃんっ!!」ビシッ

結衣「…あぁ、こういうタイプの妹もいいかも」

ご飯食べゆ

京子「おや、今までで一番反応いいんじゃない?」

結衣「…かもね」

結衣「正直、あかりやちなつちゃんは元々妹みたいなものだったし」

京子「それ、あかりは兎も角ちなつちゃんが聞いたらショック受けるよ?」

結衣「そうかな、今の私は妹にしか興味ないんだけど」

京子「私は土俵にすら立ててないのかよ!?」ガーン

櫻子「つまり、妹代理である私は結衣ねーちゃんに愛されてるって事ですか!?」

結衣「大室さんさえ、迷惑じゃなければ…」

櫻子「そんなぁ、私の前世から来世まで愛しちゃって下さいよ~っ!!」

結衣「はは、今度は姉妹になれるといいね」ナデナデ

櫻子「へへへ~、結衣ねーちゃんはウチのねーちゃんと違って優しいや♪」ウキウキ

向日葵「……」

京子「では、結衣の壮絶なカミングアウトが聞けたところで…」

結衣「おいこら、私がおかしな事を言ったような言い方するなよ!」

結衣「1人っ子の妹への憧れなんて普通だろ?」

京子「私も1人っ子だけど、妹が欲しいなんて思ったこと無いよ?」

京子「なんせ、自分1番ですから!!」

結衣「それこそ、カミングアウトだろ!」

京子「スーパーナルシスト・京子ちゃん!!」

櫻子「うはぁー、それ超格好いいじゃないですか!?」

結衣「うわっ、食い付いて来た!?」ビクッ

京子「だろぉ~?」ドヤァ

櫻子「それで、一体どういう意味なんですか!?」ワクワク

結衣「凄い自己中な京子」

京子「その言い方、明らかに悪意あるだろ!?」ガーン

結衣「妹好きを馬鹿にした報いだよ、スーパーナルシスト・京子」

向日葵「……」

京子「こうやって、適度にじらしつつ…」

京子「ラストォ、おっぱいちゃん!」

向日葵「……」

向日葵「……」

京子「…あれ?」

京子「おっぱいちゃんの番だよ」

京子「ほら、そこのシスコンに『お姉たま』って言ってやりなよ」

結衣「後で覚えてろよ」

向日葵「……」

櫻子「なんで黙ってるんだよう、向日葵?」

結衣「…古谷さん?」

向日葵「わたくし……じゃ、ありませんの」

結衣「えっ?」

向日葵「わたくしは、妹じゃありませんのよ!!」

京子「な、なんだってぇーー!?」ガーン

京子「それでは、シスコマンダー・結衣を満足させる事が出来ないじゃないか!」

櫻子「シ、シスコマンダー!?」ピクン

結衣「あぁ、また変な肩書きに大室さんが反応してる…」

結衣「古谷さん、私は別にリアルな妹にこだわってる訳じゃないよ」

向日葵「いえ、そうではなくて…」

向日葵「こちらの問題ですわ」

結衣「…古谷さんの?」

京子「して、その問題とは!?」ワクワク

向日葵「人を姉のように呼んだ事が無いものですから…その……」モジモジ

向日葵「恥ずかしいん…ですの///」カァー

3人「「「……」」」シーン

櫻子「…うわ、ブリっ子きもっ」

向日葵「うるさいわねぇ、恥ずかしいものは恥ずかしいんですわっ!!」

結衣「え、えっと…」

結衣「それじゃ、どうしたら私の事をお姉ちゃんって呼んでくれるのかな?」

向日葵「それは…」

京子「おやぁ~?」ニヤニヤ

京子「さっきまで、淡々とこなしているような素振りだったのに」

京子「結局、結衣もノリノリなんじゃないか!」

結衣「…それは、否定出来ないかも」

向日葵「わたくしには、やっぱり無理…」

櫻子「仕方ないなぁ、駄目駄目駄目な向日葵に櫻子様がお手本を見せてやろう!」

向日葵「なっ!?」カチン

櫻子「結衣ねーちゃ~~ん♪」ダキッ

結衣「うわっ!?」ビクッ

櫻子「どーだ!これなら、ブリっぱいにも分かるだろう?」

向日葵「くっ…」ギリリ

向日葵「たかが船見先輩を姉呼ばわりしただけで、調子に乗りすぎですわっ!!」

向日葵「分かりました、船見先輩の事を姉と呼びますわよ!」

結衣「おぉ、流石ライバル同士だね」

向日葵「ただし、条件として櫻子には退出願いますわ!」

櫻子「なんだとぉ~!?」

櫻子「先輩方、向日葵の言うことなんて聞く必要ありません!」

京子「……」

櫻子「そうだ、拷問して無理矢理言わせちゃいましょうよぉ~」

京子「…ちっぱいちゃん」

櫻子「なんですか、歳納先輩?」

京子「外に行って、あかりとちなつちゃんと一緒に反省会やってて」

櫻子「そんなぁ…」

櫻子「結衣ねーちゃんは、私の事を見捨てませんよね!?」

結衣「大室さん…」

結衣「後で、いっぱい遊んであげるよ」

櫻子「うわぁぁ、グレてやるぅぅぅ!!」ダッ

向日葵「ふぅ、清々しましたわ!」

京子「…それで」

京子「おっぱいちゃんは結衣の事、なんて呼ぶの?」

向日葵「えっ、あの…その……」

向日葵「ふ、船見先輩のリクエストに従いますわよ///」

結衣「私は別に何でもいいけど」

京子「お姉たまでいいじゃん!」

結衣「!!」ドキッ

向日葵「…はっ?」

京子「結衣は、お姉たまが一番好きなんだよねぇ~」

結衣「おいこら、そういうこと言いふらすなよ!!」

向日葵「船見…先輩……?」

結衣「違うんだよ、古谷さん。それはあくまでゲームの話であって…」

京子「お姉たま、お姉たま、お姉たまぁ~」ニヤニヤ

結衣「」イラッ

ゴッ


ーーーーー

京子「…と、言う訳で」プスプス

京子「私も追い出されてしまいましたとさ!」

あかり「へぇ、結衣ちゃんはお姉たまがお気に入りなんだ…」

ちなつ「それじゃ、今部室は結衣先輩と向日葵ちゃんの2人きりなんですか!?」

櫻子「結衣ねーちゃんを独り占めなんて、向日葵ずりぃー!!」

京子「まぁまぁ、結衣さんは妹好きらしいし…」

京子「リアル妹にはかなわないっしょ!」

ちなつ「きゃーーっ、それ本当ですかぁ!?」

櫻子「あっ、それ私も聞いたから本当だよ!」

あかり「…あれ?」

あかり「でも、京子ちゃんは1人っ子だよねぇ?」

京子「うん、泣いていい?」

ご飯食べゆ
…落としてもいいのよ?

京子「もういっそのこと、誰かの妹になっちゃおっかな?」チラッ

ちなつ「?」キュルン

京子「ちなちゅお姉ちゅあ~ん!」ダキッ

ちなつ「ちょっと止めて下さいよぉ~、京子…」グイグイ

ちなつ「先・輩っ!!」ドンッ

京子「うわぁ~~!!」

京子「どうして私は、ちなつちゃんの先輩に生まれてしまったんだぁ!?」

京子「どなたか、3年生の方を知りませんか~」

櫻子「確か、ウチの生徒会長が3年生ですよ!」

京子「なぬぅ!?」ピクン

京子「よっしゃ~、生徒会室に妹になり行くぞぉ~!!」

京子「ばびゅーーんっ☆」ダダッ

シーン

3人「「「……」」」

あかり「…反省会、しよっか?」

結衣「……」

向日葵「……」

結衣「…あっ」

向日葵「えっ?」

結衣「いや」

向日葵「はい?」

結衣「うん…」

向日葵「……」

結衣「……」

結衣(京子を追い出したのはいいけど…)

結衣(古谷さんと2人きりで、お姉ちゃんと呼ばせるなんて気まず過ぎるだろ!!)

向日葵「…ふふっ」

結衣「えっ!?」ビクッ

向日葵「これでは拉致が開きませんわね」ニコ

結衣「あはは、そうだね…」

向日葵「それで、先程の件ですが…」

向日葵「やはり、歳納先輩の仰っていた呼び方が宜しいんでしょうか?」ヒクヒク

結衣「そ、それはいいよ!!」ガタッ

結衣「あいつの言ってた事は忘れてくれていいから!」アセアセ

向日葵「それは、安心しましたわ」ホッ

結衣「…ごめんね、古谷さん」

結衣「こんな罰ゲームみたいになっちゃって」

向日葵「いえ、そんな…」

向日葵「船見先輩は一人っ子と仰られてましたし」

向日葵「わたくしのような妹持ちに分からないような…その……」

向日葵「とても寂しい想いをしていたと思うと、ほっとけませんもの!」

結衣「古谷さん…」

結衣(まさか、ギャルゲーの影響で妹好きに目覚めたなんて言えないよな)

結衣(…いや、元々小さい子を好きではあったけど)

向日葵「それにしても、困りましたわねぇ…」

向日葵「船見先輩の事を、どのように呼んで差し上げれば宜しいのか」

結衣「古谷さん、さっき妹が居るって言ってたけど」

結衣「その妹の呼び方を参考にしてみるのはどうかな?」

向日葵「わたくしの妹の呼び方を…」

向日葵「……」

楓『向日葵お姉ちゃん♪』

向日葵『結衣お姉ちゃん♪』

向日葵「///」ボッ

結衣「うわぁ!?」ビクッ

向日葵「むむむむむ無理無理、そんなの呼び方絶対に出来ませんわよっ!!///」カァー

結衣「えっ、あぁ、そうなの?」

向日葵「はぁ…はぁ…」

結衣(普段、一体どんな呼ばれ方されてるんだ?)

向日葵「まさか、妹がここまでハードルの高いものだとは思いませんでしたわ…」

結衣(今のセリフ、『お姉たま』を聞いた瞬間連呼した京子に聞かせてやりたい)

向日葵「……」ズーン

結衣「ハッ!!」

結衣「そ、それじゃあさぁ!」

結衣「私の事を如何に恥ずかしくないよう呼ぶか、じゃなくて」

結衣「仮に古谷さんに姉が居たらどんな風に呼んでたか、を考えてみない?」

向日葵「わたくしに姉が居た場合…ですの?」

結衣「そう、一度くらいは姉が居たらって考えた事ないかな?」

向日葵「確か小さな頃に一度、大室さんのお姉さんを見て…」

向日葵「……」

向日葵「…お姉さん」

向日葵「そうですわ、わたくしが姉を呼ぶのでしたら『お姉さん』ですわよ!」

結衣「おぉ、お姉さんか…」

結衣「うん、古谷さんらしくていいね!」

向日葵「ふぅ、やっと決まりましたわ!」

結衣「それじゃ、さっそく言ってみて欲しいな」

向日葵「はい、では……お姉」

結衣「……」ジー

向日葵「ちょっ!?///」ドキッ

結衣「…えっ?」キョトン

向日葵「そんな、ジッと見つめられたら照れますわよ!///」

結衣「ご、ごめん。別に、古谷さんの邪魔をしようとした訳じゃなくて!」アセアセ

結衣「いざ、古谷さんに『お姉さん』って呼ばれると思うと緊張するんだ…」

向日葵「あの船見先輩が……緊張を?」

結衣「そんな意外そうな顔しないでよ、私だって人間だよ?」

向日葵「す、すみません。わたくし、そんなつもりでは…」

結衣「はは、いいよ。これでおあいこかな?」

向日葵「船見先輩…」

結衣「緊張すると、見つめちゃうみたいだから」

結衣「言い終わるまで、私は目を瞑ってるね」ツムリ

向日葵「気をつかわせてしまい、申し訳ありませんわ」

結衣「じゃあ、改めてお願いするよ。古谷さん」

向日葵「……」

結衣「……」

向日葵「……」ゴクッ

結衣(あっ、今唾を飲んだ)

向日葵「……」

向日葵「…おねすっ」

向日葵「///」ボッ

結衣(あぁ、噛んじゃったよ…)

向日葵「ふぅ…ふぅぅぅ……」スーッハーッ

結衣(頑張って、古谷さん!)

向日葵「……」

ガラッ

櫻子「反省会おっわりぃ~♪」

あかり「えへへ、ちなつちゃんを説得するのに時間かかっちゃったよぉ」

ちなつ「最後の砦『お姉様』は守り抜きましたよ、結衣お姉…」

2人「「……」」

ちなつ「……」

結衣「あっ」

向日葵「あっ」

ちなつ「えええぇぇぇぇぇええ!?」ガーン

櫻子「おい、向日葵。結衣ねーちゃんと見つめ合って、何やってたんだよう!?」

向日葵「ななな何って、わたくし達は特別何もしていませんわよ!?///」

結衣「そうだよ。私はさっきまで目を瞑ってたから、見つめあってはいないよ!」

櫻子「へっ、そうなんですか?」キョトン

櫻子「なぁ~んだ、2人が向かいあってるから勘違いしちゃったん♪」

結衣「…ふぅ」ホッ

あかり「…あれ?」

あかり「でも、なんで結衣お姉ちゃんは目を瞑ってたの?」

結衣「いや、目を開いてると古谷さんが照れちゃうからさぁ」

ちなつ「向日葵ちゃんが、照れる?」

櫻子「う~ん、ますます訳分かんない」

櫻子「あかりちゃん、ちょっと私と向かい合って目を閉じてよ!」

あかり「こう?」ツムリ

櫻子「……」

あかり「……」

ちなつ「…ちょっと、これって!?」

2人「「ハッ!!」」ドキッ

あかり「えっ、えっ?」パッ

櫻子「ちなつちゃん。2人が何をしてたのか、分かったの?」

ちなつ「もしかして結衣お姉様、向日葵ちゃんと」

ちなつ「キス、しようとしてたんですかぁーーっ!?」

あかり「結衣お姉ちゃんと向日葵ちゃん、キスしちゃったのぉ~~!?///」アセアセ

櫻子「私を追い出して結衣ねーちゃんとキスするとか、ふざけんなよぉ!!」バタバタ

結衣「みんな、少し落ち着きなよ!」

向日葵「そうですわよ、誤解ですわ!」

向日葵「わたくしと船見先輩はまだ、そういう関係じゃありませんのよ!」

ちなつ「まだ、そういう関係!?」ピクン

ちなつ「ちょっと、それどういう意味よ!?」

向日葵「いえ、ですから船見先輩とわたくしは姉妹関係では無いと…」

ちなつ「姉妹じゃないなら、なんなのよ!?」

あかり「恋人…かなぁ?」

櫻子「キスしようとしてたし…」

ちなつ「こここここ恋人ですってぇーーっ!?」ガーン

結衣「うわっ、コンボが繋がった!!」

向日葵「この子達は、何故そう悪い方向に事を運びやがりますの!?」

ワーワー

結衣「はぁ…」

結衣「これ以上騒ぐと、お姉ちゃん怒るよっ!!」カッ

3人「「「!!!」」」ビクッ

向日葵「!!」キュン

結衣「みんなが妹である限り、私は絶対みんなの事を裏切ったりしないから!!」

あかり「結衣お姉ちゃん…///」ドキドキ

ちなつ「結衣お姉様…///」ドキドキ

櫻子「結衣ねーちゃん…///」ドキドキ

向日葵「船見…先輩……///」ドキドキ

結衣(ふふ。シスター・クインセブンの名台詞、一度言ってみたかったんだ!)

結衣「よし、これからみんなで私の家に行こう」

結衣「流石に、一緒に住もうとまでは言えないけど」

結衣「それでも、ここに居るよりはずっと雰囲気が出るハズだからさ」

あかり「わぁ~い、結衣お姉ちゃんちで遊んで貰えるよぉ♪」

ちなつ「ふふふ、今日は妹としてワンランク上のイベントを狙うよ☆」

櫻子「結衣ねーちゃんの家に一番乗りして、ご褒美貰うぞぉーーっ!!」ダッ

結衣「えっ!?」

ちなつ「櫻子ちゃん、抜け駆けはズルいよっ!!」ダッ

あかり「うわはぁ~ん、あかりを置いてかないでよぉ~」タッタッタ

向日葵「お待ちなさい、櫻子っ!!」

向日葵「あなたはそもそも、船見先輩の家を知らないでしょーーっ!?」

シーン

向日葵「…みんな、行ってしまわれましたわ」

結衣「はぁ、しょうがない妹達だなぁ」

向日葵「全くですわね」

結衣「あれ、古谷さんは行かないの?」

向日葵「はい、あの子達に足並みを揃えるメリットがありませんもの」

結衣「ご褒美は、欲しくないの?」

結衣「みんながノリノリな以上、ちゃんとあげるよ」

結衣「夕飯のメニューの決定権とか、そんなもんだけど」

向日葵「あら、ご褒美ならもう貰っていますわよ?」

ギュッ

結衣「!!」ドキッ

結衣「ちょ、古谷さん!?」

向日葵「出来るだけゆっくり、時間をかけて歩きましょうね」





向日葵「…お姉さん///」ポッ




お わ り !

結衣んち編あるけど、書くと眠れない

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