男「転校生ね…」 転校生「どうも、よろしく」(150)

男「はぁ、よろしく」

転「…」

男「…」

転「…」

男「…」

男「…」

転「…」


昼休み

男「おい、友、飯行こうぜ」

友「ああ」
  「あいつは良いのか?」

男「あ? 誰だよ」

友「いや、転校生だよ」

男「なんで?」

友「いや、普通誘わね?」

男「普通仲良いやつと飯くわね?」

友「まぁ… そうだけど」


転「…」モクモク

男「…」
  (早く授業終わらねーかな…)

転「…」

男「…」

転「…」

男「…」

男「…」ボケー

転「…」

男「…」
  (天気良いな… 雲一つない…)

転「…」カキカキ

男「…」
  (お、焼き芋屋だ… 寒いのに頑張ってんな…おっちゃん)

男「…」ボケー

転「…」
  「……」カキカキ
  「…!」グ~…
  「…///」

男「…!」
  「…」
  (気のせいか…)

転「…」アセアセ
  「…!」グー…
  「……///」

男「…」
  (何だ、こいつか)

男「…」
  (仕方ないな…)
  「…」ポイ

転「…!」
  「…」ジー

男「…」
  (良いから食えよ、カロリーメイト)
  「…」

転「…」
  「…」カサカサ
  「…」パク

男「…」

転「…」モグモグ

男「…」ボケー

転「…」
  「……ありがとう」ポソ

男「…ん?」

転「…」カキカキ

男「…気のせいか…」

次の日

男「腹減ったー!」
  「友、飯ー!」

友「おう飯飯~」

男「そうだ、あいつも誘わないか?」

友「あいつ? ああ、転校生か」
  「いいけど?」

友「どういう風の吹きまわしだ?」

男「まぁ、良いだろ何でも」

友「あ」

男「女子どもが囲んでるな…」

──キャイキャイ

転「…」ヘラ

女子「へぇそうなんだ~」キャイキャイ

男「…まぁ、いいか」

友「お、おい、いいのか?

男「良いんだよ」


転「…」ジー

女子「どうしたの?」

転「…何でもない」ニコ

男「…」ボケー

転「…」

先生「であるからして、この係数が…」

男「…」ボケー

転「…」

先生「おい、男、この問題解いてみろ」

男「ほい!?」

男「ええと… そのですね…」

先生「お前はまた話を聞いてなかったんだろ?」イライラ

男「いえいえ、そのですね」アセアセ

転「…」ジー
  「…」カキカキ

先生「お前は普段から話を聞いてないよな」ガミガミ

転「…」ポイ

男「…ん?」
  (『答えは21』…?)
  (もしや転が?)

先生「そんなんだから、生活に身が入らないんだよ!」
   「大体だな!」

男「…21です」

先生「へ?」

男「ですから、答えは21ですよ」

先生「あ、合ってる…」

男「良いすかね…?」

先生「…まぁいい」

転「…」クスクス

男「…」カァ…
  (笑うなよ…)
  「ありがとな…」ボソ…

転「…」コクン

放課後

男「あれ、転の奴もう帰っちまったのか」

友「男、帰ろうぜ!」

男「なあ、転校生知らないか?」

友「え? 転を?」
  「帰ったんじゃないの?」

男「あ、そう」ショボン

友「じゃあな、男!」

男「ああ、じゃあな」トボトボ
  (何を俺はがっかりしてるんだ…)
  「ああ! イライラする!」


転「…」トテトテ

男「ん?」
  「あれは、転か?」

男「おー…い…って」
  (…あれ誰だ?)


転「…」トテトテ

長身「でね、そこのラーメン屋がさ」

転「…」コクン


男「誰だあの長身…」


長身「今度行こうよ!」

転「…うん」

次の日

男「…」カキカキ

転「…」

男(昨日のあれ… 誰だったんだ…)

転「…」カキカキ

男「…」イライラ

転「…」ポイ

男「…ん?」

男「…」
  (『チャックあいてるよ』…?)
  「…!?」

転「…」クスクス

男「…」イソイソ
  「わ、笑うなよ…」ボソ

転「…ごめんね」クスクス

男(何か、今すげぇ嬉しかったな…)
  (何でだ…?)

昼休み

友「飯ー」

男「あ、悪い、自分の席で食うわ」

友「え? 何でー!?」

男「うるせぇな… 気分だよ気分」

友「男のバッキャロー!」ダッ!

男「…」

転「…」

男(今日はうるせぇ女子共はいないな)
  「…」モグモグ

転「…」モクモク

男「…」
  (食ってる、食ってる)ジー…

転「…?」

転「…?」ゴシゴシ

男「…」
  (何もついてねぇよ)ニヤニヤ

転「…」モクモク

男「…」モグモグ

転「…」モクモク

男「…」ウトウト…

転「…」ジー

男「…」グゥグゥ…

転「…」ツン

男「…」グゥグゥ…

転「…」ツンツン…
  「…」ニヤニヤ

放課後

男「あれ…」

友「爆睡だったな…」

男「転は?」

友「帰ったよ」

男「マジか!」
  「悪い、先帰るわ!」

友「…」

男「…」
  「いた!」ジー…


長身「でね、この前なんてさ」

転「…うん」

長身「実はそれがさー」ニギリ


男「な!?」
  (何で、あいつ手繋いでるんだよ!?)

男(いやいや、冷静になれ… 別に手を繋いでても問題ないだろ… 俺には関係ないし)


転「…」ニコ

長身「じゃあ、今日はハンバーグがいいなー!」
   「というより、ハンバーグで決定!」


男「な…」
  「なんてことだ…!」

男「…あいつ誰だよ… 何で転と晩飯の話してんの…」
  「…帰ろう…」


友「あ、男!」
  「急に帰っちまうなんてひどいじゃないか!」

男「すまん…」ドヨーン…

友「どうした、死んだ魚の雰囲気だぞ?」

男「というわけなんだ…」カクカクシカジカ

友「… お前さ、勘違いしてないか?」
  「いや、本能的には合ってるんだが…」

男「何だよ?」

友「いや、まぁ頑張れよ」
  (まさかこいつまだ一回も転と会話してないのか?)

男「…はぁ…」

友「ところでさ」

男「何だよ…?」ドヨーン…

友「お前、転と話したことあるの?」

男「え? あるけど?」
  (チャックが開いてたときに交わしたしな)

友「なら、いいか」

男「じゃあな… 友…」

友「あ、ああ… 死ぬなよ?」

男「死なねぇよ…」

次の日

男「…」

転「…」

男「…」フイ
  (何で目を逸らしちまうんだよ!)

転「…?」

男「…」

男「…」ボー

転「…」ジー

男「…はぁ…」

転「…」アセアセ
  「…」
  「……」カキカキ
  「…」ポイ

男「…?」
  (なんだ?『大丈夫?』…)
  (大丈夫なわけねぇだろ…)プイ

転「…?」

男「…」フテネ

転「……」

昼休み

友「おい、男、ちょっと来いよ」

男「何だよ友…」

友「お前、何で転を無視してんだ?」


転「…」ジー


男「無視してねぇよ…」

友「いやいや、何で嘘つくんだよ」

男「うるせぇな…」イラ

友「おい!」

男「…」ダッ
  (何やってんだよ俺…)


転「……」

公園

男「…結局、午後サボっちまった…」トボトボ

男「…」ピロピロ
  「…メールか…」

友『きちんと転と話せ! バカたれ!』

男「どの面下げて、転に会えば良いんだよ…」

男「…」キーコキーコ
  「何て言えば良いんだろ…」

男「明日、朝一で顔合わせて…」
  「取りあえず挨拶して…」
  「そういえば… まだおはようも言ったことなかったな…」

男「帰るか…」

男「…」トボトボ
  「ん?」


長身「今日は夜遅くなるから、戸は開けといてね転」

転「…」コクン

長身「友達と会うだけだから、心配すんなよ」


男「な、あいつ…」
  「転をドア係か何かかと思ってるのか!?」

男「…」
  「許せん…」
  「でも…」


長身「でさ」フフフ

転「…」ニコ


男「あいつ、楽しそうだな…」

次の日

男「…」

転「…」

男「…」

転「…」

男「…」
  (何て言えば良いんだろ…)

転「…」カキカキ
  「……」カキカキ

男「…」
  (何かきっかけがあればな…)

男「…」

男「…」ボケー
  「…!」グゥゥ
  (腹が…)

転「…」ジー

男(今のは恥ずかしいな…)

転「…」イソイソ
  「……」

転「…」カキカキ
  「…」ポト

男「…ん?」
  (『ソイジョイだけど食べて それと怒ってる?』)
  「…」ガサガサ 
  「…」モフモフ カキカキ
  (『怒ってねぇよ』)

男「…」ポイ

転「…」
  「……」カキカキ
  「…」ポイ

男「…」
  (『嘘 絶対に怒ってる』)
  「…」イラ
  (『怒って無いって言ってるだろ?』)
  「……」カキカキ

男「…」ポイッ

転「……」
  「……」カキカキ…
  「…」ポイッ!

男「…」
  (『じゃあ何で無視するの?』)
  「…」イラ
  「無視してねぇから!」ガタ!

──────シーン…

男「…あ…」

先生「…」
   「おい、男、お前廊下な」

男「ぬぐぐ…」

転「…」ジー

先生「それと、転」

転「…!」ビク

先生「手紙のやり取りじゃなくて廊下で、小声で話せ」イライラ

転「…」シュン…

廊下

男「…」

転「…」

男「…」

転「…」

男「その… なんだ… 悪かった…」

転「…!」
  「…初めて会話らしい会話したね」

男「…そうだっけ?」

転「そうだよ、男君、ずっと私にだけ話さなかった」

男「…私って… お前…まさか…」

転「ん?」

男「女だったのか…?」

転「な、何言ってるの!? 女だよ!」

転「確かにちょっと男の子っぽい格好は好きだけど…」
  「自己紹介聞いてなかったの…?」

男「…聞いてなかった」

転「酷いなぁ…」

男(友が言ってたのって… このことだったのか…)

男「大体、おま… じゃなくて転…さんは…」

転「いいよ、転で」

男「…転は何でしゃべんなかったんだ?」

転「え?」

男「転が無口なおかげで、色々勘違いしてた…」

転「それは私の台詞だよ」
  「男君、全然私と話してくれないんだもん… メモのやり取り位しかしてくれないし」

男「それは転が無口だと思ってたからであって…」ゴニョゴニョ…

転「私そんなに無口かな?」
  「クラスの女子とは結構話すようになってきたし」
  「友君とはメアドも交換するくらい話してるよ?」

男「な…」
  「ずるい…」ボソ…

転「なんだ… もっと前から男君と話してれば良かったね」ニコ

男「…」///

転「男君…?」

男「な、何でもねぇよ…」

男「…あのさ」

転「? なぁに?」

男「その…なんだ…」
  「たまたま… たまたまだぜ?」
  「たまたま、転とさ長身の男が歩いてるのを見たんだけどさ…」

男「あいつ… 転の何なんだ? 随分仲よさそうに見えたんだけど…」

転「? 長身の男?」

男「帰り道、一緒に歩いてただろ…」

転「あぁ… それは…」

転「私のお姉ちゃん」

男「え?」

転「だから、お姉ちゃんだって」

男「マジ…?」

転「うん」

男「嘘だろ…?」

転「ちゃんと前から見た?」

男「見てない」

転「お姉ちゃん、すごく美人だよ? ちょっと子供っぽいけど…」

男「…」///

転「? あれまた黙っちゃった…」

男(全部俺の勘違いじゃん!)
  (クソ! これは恥ずかしい!)///

転「どうしたの? 男君?」

男「う、うるさいな…」///

転「変なの」

男「…悪かったね変な奴で」///

転「そうかな?」

転「男君、すごく優しいよ?」
  「私、授業中にカロリーメイト渡されるの初めてだった」ニコ
  「気にしてないようで、気にしてくれて、嬉しかったな」

男「…俺は」
  「…俺は楽しかった!」

転「男君、声…声!」

男「…転が、来てから毎日楽しい!」

男「ちょっと辛い思いもしたけど、今はすごく楽しい!」
  「だから、これからもずっと一緒にいてくれ!」

転「…///」ボンッ


──ガラ
友「よう、告白は終わったか?」

女子「ずっと一緒にだって」クスクス

男子「ヒュー! 熱いね!」

───ザワザワ

友「まぁ、仲直りできて良かったな」ニヤニヤ
  「会話はほぼ筒抜けだったけど」ニヤニヤ

女子「いいなー 私も告白されたい」

男「」

転「…」///


先生「お前ら、授業中に告白とは良い御身分だな」
   「そんなに二人が良いなら、放課後両方とも指導室だ」イライラ
   (俺はまだ童貞すら捨ててないというのに!)


終わり

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