P「世にも奇妙な765プロ」 (238)

1 春香「おいしいですよね、カブトムシ」

真美「ただいまにいちゃーん!」

P「お疲れ様、亜美、真美。レッスンはどうだった?」

真美「そんなの余裕っショ→先生にも褒められたよ!」

亜美「あれ~?真美、先生に怒られてたよねぇ?」

真美「そ、そんなことないよ」

P「まぁまぁ、しっかりレッスンしてくれたなら何よりだ」

P「…最近はまともにレッスンできないアイドルもいるんだから」

真美「それって…」

春香「」ヘラヘラ

P「ああ、春香のことだよ…」

亜美「はるるん、最近ずっとあんな調子だよねー」

真美「いつもヘラヘラしてるっていうか、何処か遠くを見つめているというか」

P「まともに会話もしてくれないしな…ご両親に聞いても、どうやらよく分からないみたいだし」

亜美「ホント、一体全体どうしちゃったんだろ?」

真美「きっとあれは宇宙人に改造されちゃって…」

美希「ふあぁ…あふぅ」

P「美希、まだ寝てたのか」

美希「ハニー、おはようなの」

亜美「もーミキミキ!はるるんが一大事だというのに!」

美希「春香…そうだね」

P「美希は春香について何か知らないか?」

美希「ミキは何も知らないの」

P「そうか…」

春香「」ヘラヘラ

P「…春香、今日の調子はどうだ?」

春香「え?」

春香「え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、」

真美「は、はるるん…?」

P「お、おい…?」

春香「えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」

亜美「うわ…」

春香「ぷろでゅーさーさん」

P「な、なんだ?」

春香「おいしいですよね、カブトムシ」

P「え…?」

春香「カブトムシおいしい、おいしいカブトムシ」

春香「カブトムシ?カブトムシ?」

春香「おいしいですよね、おいしいですよね」ヘラヘラ

美希「…これは重症なの」

P「春香…一度病院へ行かないか?」

春香「私だいじょうぶです」ヘラヘラ

P「お、おい春香!」

亜美「どこかに行っちゃったね…」

真美「うぅ…はるるんが怖いよぉ、にいちゃん…」

P「そ、そうだな…久しぶりに口を開いたと思ったらこれか…」

真美「本当にどうしちゃったんだろう…」

P「っと、こんな時間か。すまない、俺は一旦会場まで行くから、また後でな」

美希「ハニー、行ってらっしゃいなのー」

亜美「にいちゃん、お仕事忙しそうだね」

真美「最近の765プロはお仕事いっぱいだからね」

亜美「はるるんもこの前まではお仕事頑張ってたのに…」

真美「…」

真美「ねぇ、亜美。私たちではるるんのこと調べてみようよ!」

亜美「え、調べる?」

真美「そうだよ!はるるんは765プロの仲間なんだもん!きっとああなったのも何か理由があるはずだよ!」

亜美「…そうだね、うん!私たち二人で協力すれば、余裕だよね!」

美希「…ミキね、やめといたほうがいいと思うなー」

真美「え?どうして?」

美希「今のはるるんは異常なの。今のミキ達じゃどうしようもないと思うな」

亜美「そんなぁ!ひどいよミキミキ!」

美希「はるるんを思う気持ちはミキにも分かるよ。でもね、関わらない方がいいと思うの」

真美「そ、そんな言い方しなくたって!」

美希「危ないと思うの」

亜美「…」

真美「…」

美希「それでも助けたいのなら、いいと思うなー。でも、ここから先はミキは知らないの」

美希「それじゃ、もう一眠りしてくるね。あふぅ」

亜美「…ふん!ミキミキのアホー!」

真美「アホー!」

真美「…気を取り直して捜査開始だよ!亜美!」

亜美「うん!操作の基本は聞き込み!まずは事務所にいる人たちから聞いていこうよ!」



小鳥「え?春香ちゃん?」

亜美「最近どうも様子がおかしいよね?何か知らない?」

小鳥「うーん…」

小鳥「気になることが、一つだけあるわ」

真美「え!?いきなり手がかりゲット!?」

小鳥「この前ね、ここから少し離れた廃墟で春香ちゃんを見たの」

小鳥「急いで追いかけたんだけど、見失ってしまって…」

亜美「そ、そこってどこ!?」

小鳥「口で説明するのは難しいから地図で見せるわね…ここよ」

真美「ここは…怖そうなビルがあるところだよね?」

亜美「ここで間違いない!?」

小鳥「ええ、間違いないわ」

真美「よーっし!そうと決まれば」

小鳥「駄目よ二人とも!危険な場所かもしれないから、近寄っちゃ駄目!」

亜美「えーどうして?ちょっと見に行くだけだよ?」

小鳥「それが駄目なの!」

真美「ちぇー、分かったよ」

律子「亜美ー、そろそろ出かけるから支度してー」

亜美「わわ、しまった!そういえば収録があるんだった!」

真美「うーそんな!はぁ、調査はここで一旦打ち切りか…」

小鳥「はぁ…よかった。余計なこと話すんじゃなかったわ…」

亜美「真美隊員!後は任せたよ!」バタン

真美「」コクコク

真美「…」

真美「ふっふっふ、ここで諦める真美隊員ではないっ!」

真美「はるるんが大変な目にあってるかもしれないのにじっとしてられないよ!」

真美「地図もこっそりお借りしたことだし…さっそくビルまで行ってみよう!」





真美「…ここがそのビルね」

真美「うぅ…昼過ぎなのにこの辺だけ暗くて怖い…」

真美「で、でも、もしかしたら何か分かるかもしれないし…」

真美「そうだ!亜美には先に行ってることを連絡しといて…っと」

真美「一応地図の写メも送っておこうかな」パシャッ

真美「ドキドキするなぁ~よし、いけいけ真美隊員~!」タッタッタッ

真美「…何ここ…生き物がいる感じがしないよ…」

真美「本当に長い間人が入ってないんだね…」

真美「一応、部屋を一つ一つ見ていった方がいいのかな…」

真美「はるるん…」

真美「…」

真美「…大丈夫、大丈夫」

真美「しっかり調べないとだよね…」

真美「し、失礼しまーす…」ギィィィィ

真美「この部屋、何もない…調べることもなさそう」

真美「よし、次の部屋だ」



真美「失礼しまーす…」ギィィィィ

真美「この部屋も何もない…」



真美「この部屋も何もない…これで3つ目の部屋だよね」

真美「何もないところを見ると、ちゃんと人が出て行ったんだね」

真美「家具とかあった方が何かあったのかなって思っちゃうし…」

ブゥゥゥゥゥゥゥン

真美「うわあああ!?な、なに!?」

真美「か、カブトムシ…?」

真美「出ていっちゃった…」

真美「カブトムシ…そういえばはるるんが何か言ってたっけ」

真美「この季節にカブトムシなんて、普通いないよね」

真美「ここ、絶対はるるんと関係あるんだ。ここまでのこと亜美に知らせないと」

真美「カブトムシがいたこと以外は特に何もなし…さて、次の部屋だ」

真美「一旦廊下に出なきゃ」

真美「!? 遠くに誰かいる!!」

真美「あれは…はるるん!!!!!」

春香「」ヘラヘラ

真美「ま、待ってはるるん!」

真美「上の階に行っちゃった!早く追いかけないと!」

真美「待って!待ってよはるるん!」

真美「はぁ、はぁ…どこ!?どこにいるのはるるん!」

真美「真美だよ!はるるんのこと探しに来たんだよ!」

真美「うぅ…どこにいるの!?」

真美「あ!あそこだけドアが開いてる!!」

真美「きっとあそこだ!間違いないよ!!」

真美「逃がすもんか!!」

真美「見つけたよはるる…」

真美(うっ、何この部屋…変なにおいがする…)

真美「は、はるるん!」

春香「」バキバキ ゴリグチャ

真美「へ…?」

真美「は、はるるん…」

真美「どうしてカブトムシなんて食べてるの…?」

春香「」ピクッ

春香「…おいしいよね、カブトムシ」ヘラヘラ

真美「ひっ…」

ドンッ

真美「えっ」

ガシャァン

真美「うわぁ!」

真美「いたた…誰、今押したの!?」

真美「それに…ここどこ!?狭くて真っ暗で何も見えないよ!!」

真美「だ、出して!出してよ!!」ドンドンドンドン

真美「うわあああああああああああああ怖いよ亜美いいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

真美「どこなのここぉ!真っ暗だよおおおお!」

真美「はるるん!助けてよはるるん!そこにいるんでしょ!?」

真美「身動きできないの!助けてええええ!!真っ暗なの!!」

真美「うわあああぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁ」ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン

グチャア

真美「ひっ」

真美「な、なに?今何を潰したの…?」

真美「なんか殻みたいなの潰したよね…何この液体!?」

真美「嫌…嫌だよおおお」

真美「気持ち悪いよおおおお助けてよおおお」

真美「そ、そうだ!!携帯で助けを…」ガサゴソ

チクッ

真美「いたっ!」ガシャン

真美「な、何かがチクッと刺した…うぅ、携帯落としたけど拾えないよ…」

チクッチクッ

真美「うわぁああ!!何かが足を刺してるよぉ!!」

真美「痛い痛いよぉ!」

真美「こ、これ…刺してるんじゃない…?」

真美「何かが足を這ってるんだ…」

ブゥゥゥゥゥン

真美「うわあああやめてええええええええ!!」

真美「か、体中を虫が…!!」

真美「気持ち悪いよぉぉ!誰か助けてえええ!」

真美「どうしてこんなことするのはるるん!!!出してよおおおおお!」

真美「これすごく痛いの!!怖いよぉ!!」

真美「あぁ…ああ…」

真美「足が…全部虫に包まれてる…」

真美「う」

真美「うわああぁああぁぁぁぁああああぁあぁあああ!!!」ドンドンドンドン

グチャッバキグチャ

真美「もう嫌だああああああああああああああああ」バキグチャゴリッ

真美「出して!出してえええぇぇぇ!!!」

真美「助けてよ亜美ぃ!どうして来てくれないの!?」

真美「体中を虫が這ってるの!!助けて亜美いいい」

真美「亜美いぃ…」

真美「亜美いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃ!」

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン...

亜美「…遅くなっちゃった、真美大丈夫かな…」

亜美「ちょいちょい連絡入れてくれたみたいだけど…」

亜美「心配だよ、今すぐ行かなきゃ!!」



亜美「こ、ここが真美隊員の侵入した廃墟ビル…」

亜美「すっごい雰囲気出てるなぁ…真美ここを一人で行ったんだよね」

亜美「こ、怖いけど負けてらんないよ!」

亜美「よし、いざ侵入!いけいけ亜美隊員~!」タッタッタッ

亜美「うーん…意外と中は広いんだね…」

亜美「さくっと探して早めに帰らないと日が暮れちゃうよ~」

ブゥゥゥゥゥン

亜美「あ、今のはカブトムシ!?」

亜美「どうしてこの時期に…」

亜美「そういえば、カブトムシを見たって連絡が…」

亜美「きっとあのカブトムシがヒントなんだね!」

亜美「よし!急いで真美隊員のところに向かうのだ!」

亜美「お、あそこだけドアが開いてる」

亜美「いかにも怪しい…トラップかもしれない」

亜美「でも、もしかしたらはるるんかも…行ってみなきゃ!」



亜美「失礼しまーす…」

亜美「あ!これ真美の携帯じゃん!」

亜美「ってことは、もしかしてこの中に真美が!?」

亜美「真美ー!亜美だよー!いるなら返事してー!」

亜美「…返事がない」

亜美「よし、部屋に入ってみよう」

真美「…」

亜美「おお!!真美!!どうしてこ…」

真美「」バクッ グチャ

亜美「ま、真美…?それ…」

真美「あみ…」

亜美「そ、それカブトムシ…?」

亜美「な、なにしてるの真美!?そんなの食べちゃ駄目だよ!」

真美「」ヘラヘラ

亜美「真美…?」

真美「おいしいよね、カブトムシ」

亜美「ひっ」

ドンッ

ガシャァン

1おしまい

2 やよい「かくれおにですー!」

やよい「ほらみんな!挨拶して!」

長介「こ、こんにちは」

あずさ「あらあら~こんにちは~」ニコッ

やよい「今日は兄弟みんなで遊びに来ちゃいました!」

あずさ「あらあら、そうなの~」

かすみ(おっとりしてるけど、綺麗な人だなぁ…)

あずさ「何もないけど、ゆっくりしてね」

長介「は、はい!」

伊織「あら、何処かで見た顔と思いきや」

響「おぉー!みんな久しぶりだなー!」

やよい「えへへ、今日はみんなで遊びに来たんですぅ!」

伊織「全く…事務所をなんだと思ってるのよ!」

かすみ「い、伊織お姉ちゃん…嫌だった?」

伊織「べ、別にそんなこと言ってないでしょ!ふんっ!」プイッ

響「伊織は素直じゃないな~」

伊織「う、うるさいわね!」

かすみ「そうなんだ、えへへ、良かった~」

伊織「う…うぅ…」

あずさ「あらあら~」

響「よーし!自分、少し時間があるからみんなと遊ぶぞ!」

やよい「わわ、本当ですか?嬉しいですぅ!」

伊織「し、仕方ないわね!このスーパーアイドル伊織ちゃんが少しだけ遊んであげるわ!」

響「で、何して遊ぶ?」

伊織「ちょっと、言いだしっぺはアンタでしょ!」

やよい「そうですね、ここは…」

やよい「かくれおに!かくれおにをしますー!」

かすみ「かくれおに?」

やよい「鬼ごっことかくれんぼが一緒になった遊びだよ!」

やよい「隠れてて見つかっても、鬼にたっちされなければセーフだよ!」

響「見つかっても逃げればいいってことだね」

やよい「そうです!」

伊織「で、どこに隠れて良くて、どこは駄目なの?」

やよい「うーん…外は車が走ってて危ないから、この建物内で!」

やよい「でも、一階はお店だから、そこはやめといたほうがいいかなーって」

長介「よし、分かった。それじゃ鬼決めようぜ。最初はグー、じゃんけん…」

やよい「負けちゃいましたぁ~…鬼かぁ」

やよい「100秒数えたら探しにいこう!いーち、にー、さーん…」



やよい「…きゅうじゅうきゅー、ひゃーく!」

やよい「よーし!みんな捕まえちゃうぞ~!」

やよい「この建物自体そんなに大きくないから、すぐに見つけてみせます!」

やよい「よし、まずは上の階に行ってみよう!」タッタッタッ

やよい「うーん…みんなどこだろう…」

長介「」コソコソ

やよい「む、そこにいるのは誰だ!?」

長介「うわ!?マジかよ!?」ダッ

やよい「早速見つけちゃいました!待てー長介~!」

長介「やっべやっべ!!」

やよい「下に逃げて行った!」

長介「」ガシャン

やよい「事務所に入っていきました!これは捕まえられるかも!!」

長介「チッ」ダッ

やよい「キッチンは行き止まりだよ!長介!」

やよい「ちょうす…あれ?」

やよい「おかしい…確かにここに逃げたのにいない…」

やよい「天井も机の下もホワイドボードの後ろも…」

やよい「ま、まさか!冷蔵庫!」ガチャン

やよい「うー…いませんでしたー…」バタン

やよい「おかしい…ここは絶対に行き止まりのはずなのに」

やよい「少し見張ってみよう…」

5分後...

やよい「ここにはいないみたいだなぁ…」

やよい「一旦置いといて、別のところ探さないと」

やよい「二階に来ました!ここなら誰かいるはず!」

やよい「さーて、どこに隠れてますか~?」

ガタン

やよい「今のは、掃除用具入れから!!」

ハムゾウノバカバレチャウゾ

やよい「ふっふっふっ…ここに誰がいるかまで特定しちゃいました!」

やよい「響さん!ご覚悟です!」ギィィィ

やよい「あ、あれ…?」

やよい「誰もいない…」

やよい「掃除用具の裏にもいないし…あれ?」

やよい「ここ…このドア以外出入り口ありませんよね…?」

やよい「声も聞こえたのに…どうして?」

やよい「…」

やよい「どうして…どうして誰も見つからないの?」

やよい「もう探せるところは全部探したはず…」

やよい「…卑怯かもしれないけど、事務所に戻ってあずささんからヒントをもらいます!」



やよい「あずささーん!少しお聞きしたいことが…」

やよい「あれ…?あずささん…?」

やよい「あずささん、いない…」

やよい「確か今日はレッスンがあるとは聞いてたけど、まだそんな時間じゃ…」

やよい「あずささんはいつもレッスン前まではここでゆっくりしてるはずなのに…」

やよい「そ、そういえば小鳥さんは!?社長は!?」

やよい「ど、どこにもいないですぅ!あの二人は今日外に出る用事はないはずなのに…」

やよい「みんな…どこに行っちゃったの…?」

やよい「もしかしたら…伊織ちゃん達はルールを破って外に逃げてるのかも!!」

やよい「もうそれ以外有り得ないです!」

やよい「長介たちも心配だし、外に出なきゃ!」



やよい「一階まで来ました!」

やよい「早速外に」ガチャガチャ

やよい「あ、あれ?」ガチャガチャ

やよい「ドアが開かない…」

やよい「立てつけが悪いとかじゃない…」

やよい「だ、誰ですかこんなイタズラをしたの!」

やよい「亜美ちゃん!?真美ちゃん!?」

やよい「でもあの二人…今日は仕事だよね…」

やよい「外に出られないなんて…そんな…」

にひひっ♪

やよい「今の笑い声は…伊織ちゃん!?」

やよい「い、伊織ちゃん!待って!」

伊織「ほらここよやよい!早く捕まえてみなさい!」

やよい「い、伊織ちゃんそれどころじゃないの!外に出られなくなって…!」

伊織「私を捕まえたら、話を聞いてもいいわよ?」

やよい「や、約束だよ!絶対に捕まえるんだから!」

伊織「そう!それでこそやよいよ!」

やよい(伊織ちゃん…何か知ってるの…?)

やよい「とうとう屋上まで来ちゃいました…」

響「お、やよい、なんかバテバテだなー」

長介「ねーちゃんどうしたんだ?」

かすみ「…」

やよい「み、みんな…!なかなか見つからないから不安だったよ…」

伊織「まぁ、これで全員捕まえた、ってことで」

やよい「伊織ちゃん…」

伊織「さて、次は何をして遊ぼうかしら?」

長介「高鬼!高鬼がいい!」

響「じゃあ、それで!鬼は今度もやよいでいいかな?」

やよい「…」

響「それじゃみんな!早く逃げよう!」

伊織「どうしたのやよい、何か暗いけど」

やよい「だ、だって…伊織ちゃんは話聞いてくれないし」

やよい「何か、仲間外れになっているような…気のせいだよね?」

伊織「気のせいよ」

やよい「…」

長介「よし!みんな逃げろ~!」

やよい「長介、そこは」

長介「とう!」

やよい「!!」

やよい「ちょ、長介が飛び降りた…!」

やよい「待って、かすみ!!!」

かすみ「はやく逃げなきゃ」

やよい「飛び降りちゃ駄目!!死んじゃう!!」

かすみ「」ヒュゥゥゥゥゥ...

やよい「え、あ、え…?」

響「あー浩太郎君たちも飛び降りたみたいだぞー」

やよい「へ、あ…」

伊織「ここは屋上なのに…みんな何してるのかしらねぇ」

やよい「え…な、何これ…」

やよい「どうしてみんな…飛び降りちゃったの…」

やよい「ちょ、長介えええええ!!」

伊織「…」

響「…」

やよい「ど、どうしよう伊織ちゃん!みんなが…みんなが…!」

伊織「うーん、下見てみれば?」

やよい「うぅ…伊織ちゃん、どうしてそんなに冷たいの…?」

伊織「…」

やよい「ちょ、長介ぇ!」ガバッ

やよい(人だかりができてる…)

やよい(下に長介たちがいる…!あずささんも!小鳥さんも…!)

やよい(え、何あれ)

やよい(真っ赤でぐちゃぐちゃ)

やよい「どうして」

やよい「どうして私の死体が落ちてるの」

長介「うわあああああん!お姉ちゃん!おねえちゃああああああん!!!」

かすみ「うっ、ぐすっ…」

小鳥「救急車は呼んだけど…脈がないわ…」

長介「嘘だろ…そんな…!」

野次馬A「おい、アイドルが飛び降り自殺だとよ」

野次馬B「人が死んでる所なんて滅多に見れないぜ、写メっとこ」パシャ

長介「や、やめろよ!!ふざけんなあああああああああああ!」

長介「姉ちゃんは自殺なんかじゃねぇ!俺が…屋上に隠れて暴れたから…!」

あずさ「…すみませんが、部外者の方はお引き取り下さい」

野次馬C「お、あれ三浦あずさじゃね?本物じゃねーか!」



やよい「…これって…」

響「またな、やよい」ドン

伊織「にひひっ♪」

やよい「あ…」

やよい(そっか、私こうやって落ちたんだ)

やよい(思い出した、思い出した)

やよい(長介を捕まえようとしたら落ちたんだっけ)

やよい(頭から落ちたんだよね)

やよい(私知らなかった、頭から落ちる音って、ぐしゃじゃないんだよね)

やよい(ぱぁんって、何かが破裂したような音がするんだよね)

やよい(私、こんな死に方するんだ)

やよい(想像しなかったなぁ)

やよい(もうおしまいなんだね)

やよい(じゃあね、みんな)

かすみ「うぅ…」

長介「…」

長介「…へ?」

やよい「うぅ…」

あずさ「へ!?嘘…」

やよい「…あれ?」

かすみ「い、生き返った!!!」

小鳥「嘘!?こんなことって!?」

やよい「私、死んだんじゃ…」

やよい「太陽が…眩しい…」

やよい「あの影は…」


響「ふふっ」

伊織「にひひっ♪」

2おしまい

3 雪歩「穴掘って埋めますぅ~!」

雪歩「お、男の人~!」ビューン

真「ちょ、雪歩!す、すみませんでした!」



雪歩「はぁ…」

真「雪歩…男の人が苦手なのは分かるけど、いきなり逃げ出すのは…」

雪歩「ご、ごめんね…」

真「まぁ、今は落ち着いてよ。ゆっくり呼吸して、ね?」

雪歩「真ちゃん、いつもごめんね…」

真「ううん、ボクは大丈夫だから」

雪歩「えへへ、真ちゃんは優しいね」

真「そ、そうかなぁ。そう直接言われると照れる、っていうか」

雪歩「真ちゃんが友達でよかった…。私にとって真ちゃんは大切な人だから」ボソ

真「え、今なんて?」

雪歩「ううん、なんでもない!そろそろ事務所に戻らないとだね」

真「そうだね、そろそろ時間だし」

雪歩「えへへ…」

真「それじゃ、お疲れ様でしたー!」

P「ああ、お疲れ」

真「雪歩、一緒に帰ろうか」

雪歩「ご、ごめんね真ちゃん、私用事があるから、先に帰るね、じゃあね」

真「分かった、またね雪歩」



真「…うーん」

P「ん?どうした真?」

真「雪歩、ボクに何か隠してませんか?」

P「え、何がだ?」

真「なんでもないです。気のせいかもしれないし」

P「そうか…気をつけて帰るんだぞ」

真「はい、それではまた明日」

翌日、夕方

雪歩「それでは、お先に失礼しますー」

真「…怪しい」

真「あれは怪しいですよ!プロデューサー!」

P「そうか?」

真「あんなに早く帰りたがるなんて、絶対何かありますよ」

P「気のせいじゃないのか、誰にでもプライベートはあるんだから」

真「まさか…彼氏!?」

P「」ブーッ

真「ボク、雪歩の後を追ってみます!それでは!」

P「あ、あまり深入りはするなよ?」

真(いたいた、雪歩だ!)

真(あれ?何か街から外れていくような…どこに行くんだろう)



真(ここは…不気味なビルの廃墟がある場所か)

真(あまり近寄らない方がいいって聞いたけど、雪歩はこんなところで何を?)

真(まさか…逢引!?)

雪歩「」スッ

真「ん…?あれはスコップ?」

雪歩「」ザクザク

真(地面を掘りだした…)

雪歩「」ポイッ

真(なんか埋めた?)

真(そしてまた土を戻してる…)

真「何か埋めて帰っちゃった…」

真「…もういないみたい」

真「それにしても、ここに何を埋めたのだろう?」

真「プロデューサーは深入りするなって言ってたけど…」

真「気になるし、すぐに埋め戻せば大丈夫だよね」

真「よーし!掘り返すぞー!」



真「…流石に手だときつかった」

真「何を埋めてたんだろ」

真「これは…ボクがこの前雪歩にあげたブローチだ…」

真「どうしてこんなものを…」

真「このブローチ…気に入らなかったのかな」

真「雪歩が喜ぶと思ったんだけどなぁ…」

真「…ちょっとショック」

真「確かに深入りしない方がよかったかも」

真「すぐに埋め戻しておかないと」




真「はぁ…今日はもう帰ろう…」トボトボ

翌日、夕方

雪歩「」ザクザク

真(今日もここで何か埋めてる…)

真(埋めるだけ埋めて帰っちゃった…)

真「…掘り返すのはあと一回だけ、一回だけ…」ザクザク



真「これは…ボクがあげた洋服!?」

真「そういえば最近着てなかったっけ…」

真「いくらいらないからって、こんなことしなくても…」グスン

真「ボクのこと、本当は嫌いなのかな…」

真「帰ろう…」

翌日、夕方

真「…埋めていったか」

真「なんかもう、何を埋めたか確認するのが日課になってきちゃった」

真「でも雪歩にはバレてないみたいだし…まぁ、いいか」

真「さて、掘り返してみよう…今度は違うものかもしれないし…」ザクザク



真「これは…写真だ…」

真「この前の撮影で雪歩と撮ったものだ」

真「しっかりビニールに入れて埋めてる…汚れるの、嫌なんだ」

真「ブローチと洋服は土まみれだったけど」

真「しかし…なんで埋めるんだろう?雪歩は穴掘って隠れるイメージはあるけど…」

真「そっちの方が気になってきた…」

翌日、夕方

真「さて、今日は…」ザクザク



真「これ…あのときの台本だ!」

真「家で無くして監督にすっごい怒られたっけ…」

真「なんでこれがここに?というか、何故雪歩が持っているの?」

真「ボクの家に来た時期はこの台本もらってなかったし…」

真「うーん…考えても分かんないや」

真「あと、やっぱり埋まっている物がボクに関係するものばかりだ」

真「…雪歩の行動が意味不明だよ。どういう意味なんだ…?」

真「家に帰ってきたし、ちょっと調べてみようかな」

真「今の携帯はネットも扱いやすくて便利だなぁ」ヒュンヒュン

真「どう検索しよう?『埋める 癖 理由』とかどうだろう?」

真「お、出てきた。ふむふむ…心のスキマ、さみしさ…」

真「ちょっと心理的なものなのかな…もうちょっと調べてみよう」



真「…なんか心理的なものって調べてるとなんか精神的にくるな…」

真「え…?なにこれ…?」

真「タフェフィリア(埋葬性愛)…?」

真「性的倒錯って…?」

真「性的倒錯…人間の性に関連する行動において、精神医学における病理的な精神疾患と診断される症状…」

真「せ、精神疾患!?」

真「ま、待って、落ち着くんだボク。雪歩に限ってそんなことは…」

真「診断基準…ボクが見た分では雪歩は特に当てはまらないような…」

真「でも、タフェフィリア(埋葬性愛)って…?」

真「葬儀や埋葬行為への性的嗜好。『タナトフィリア(死性愛)』との混同も見られる…。」

真「な、なんだよこれ!?こんなことで性的興奮を覚えるのか…!?」

真「で、でも雪歩の物を埋める行為ってこれに当てはまるんじゃ…」

真「ま、まさかね、wakipediaって誰でも編集できて間違った知識も多いって言うし…」

真「信用しちゃ駄目だ…うん、駄目だ…」

真「忘れよう…今日はもう早めに寝よう…」

翌日、夕方

真「今度はボクが学校で使ってるノート…」

真「これも雪歩が手に入れることはできないはずだよ…」

真「ボクの家に来なければ…」

真「でも、ボクの家の周辺で雪歩を見た人はいないし…」

真「…」

真「雪歩とは…一旦距離を置いた方がいいかもしれない…」

真「信用してない訳ではないけど…怖いよ、雪歩…」

真「帰ろう…」

翌日

雪歩「真ちゃん、これ見て!可愛い人形でしょう?」

真「…」

雪歩「私と真ちゃんでおそろいなんてどうかなーって思って二つ買ってきたんだけど」

真「…」

雪歩「真ちゃん?どうしたの?具合でも悪いの?」

真「…」

雪歩「具合悪いなら、確か置き薬があったからそれを」

真「ごめん、雪歩、ボク用事があるからこれで」

雪歩「あ!真ちゃん!」

雪歩「真ちゃん…」

雪歩「…」

別の日

雪歩「…」

真「…」

雪歩「…あの、真ちゃん」

真「あ、プロデューサー!ちょっとお話が」

P「ん?どうした?」

真「今日の予定なんだけど…」

雪歩「真ちゃん…」

雪歩「…」

ある日

P「真、雪歩を知らないか?」

真「え?ボクは知りませんよ?」

P「本当にか?」

真「な、なんですか急に」

P「いや、まぁ、本当ならいいんだけど。…真は雪歩と仲がいいからさ。」

真「そういえば、最近見ませんね、雪歩」

P「ああ、だから心配でな…ご両親も心配してる」

真「そうですか…」

P「どこに行ったか、せめて心当たりがあればな…」

真「…」

真「まぁ…心当たりってなるとここだよなぁ」

真「ここに来るの久しぶりかも」

真「雪歩がいつも物を埋めてた場所…」

真「ほんとこのビル不気味だなぁ…なんで取り壊さないんだろ」

真「ん?新しく何かを埋めた後がある?」

真「いつものごとく、掘り返してみようかな」

真「ふぅ…今回はちょっと深いかも」

真「スコップ探してきたし、これで一気に掘り進もう」

真「いつもは10cmぐらいのところにあるんだけどなぁ」

真「さすがに骨が折れる。何も埋まってないのかな」

真「まぁ、時間なら幾らでもあるし…」



サクッ

真「お、手ごたえあり」

真「ちょっと広く掘ってみよう…」

真「ん…?」

真「っ!?」

真「う、うわあああぁぁあああああああああ!!!」

真「雪歩!?ど、どうして…こんなところにっ…埋まっ…」

真「う、ぁ…」

真「雪歩だけじゃない…以前ボクが掘り返したものが…」

P「…」

真「ぷ、プロデューサー!!ゆ、雪歩が、雪歩がああ!!」

P「…なぁ、真」

真「こんなときに何ですか!?雪歩が埋まってるんですよ!?」

P「お前、この前からここで何をしていた?」

真「え?」

P「そのスコップを持って、何をしていたって聞いてるんだ」

真「…え?」

P「深入りはやめておけ、俺がそう言った日からお前はおかしくなった」

真「ぷ、プロデューサー…?何を…」

P「お前、自分と雪歩に縁があるものをここに埋めていたよな?」

真「ち、違う!!ボクは雪歩がここに埋めたものを掘り返して確認しただけで…!」

P「…雪歩はな、そんなことしたことはないそうだ」

P「雪歩が、俺に言ったんだ」

P「真の様子がおかしいってな」

P「そして、真と関わりのあるものが消えていくと」

真「え、ちが…」

P「なぁ、真。真実を教えてくれ、いや、もうそこの雪歩が証明したか」

真「っあ…」

P「これで俺もハッキリしたよ、雪歩が消えた理由が」

真「…」

P「雪歩を殺したのは…真、お前だ」

真「うっ…」

うわああああぁぁあああぁぁああぁぁあぁ

P「お前みたいな人間を」

あああああああああああああああああああああああ

P「世間では」

ああぁぁぁああぁああぁああぁああぁ

P「タフェフィリア(埋葬性愛)というそうだ」

うわあああああああああああああああああああああ

3おしまい

ごめん、これで終わるつもりだったけどまたポーンとネタ思い浮かんだから次で終わる

終わり 貴音「私にできること」

貴音「じいや、それでは行って参ります」

じいや「…」

貴音「…」



オーディション会場

P「それじゃ、貴音、千早、律子。オーディション頑張ってきてくれ!」

貴音「はい、それでは、行って参ります!」



P「オーディション、駄目だったな…」

貴音「申し訳ありません、私の力が及ばないばかりに…」

千早「四条さんは悪くないわ、私がもう少し声が出せれば…くっ」

律子「次に向けて頑張りましょう。まだチャンスはあるわ!」

P「…」

P「はぁ…どうすればもっとオーディションに合格できるようになるんだろう…」

貴音「…あなた様」

P「うお!?貴音まだいたのか!?もう帰ったとばかり…」

貴音「今後のレッスンのことで、提案があるのですが」

P「なんだ?」

貴音「千早は歌唱力が高いですし、律子嬢も歌唱力に関しては伸びしろを感じます」

貴音「なので、もっとボーカルレッスンに力を入れるべきなのでは…と」

P「なるほど…参考にしてみるよ、ありがとう貴音」

貴音「いえ、あなた様の力になれただけでも、嬉しいものです」

P「俺も…頑張るからな」

貴音「…はい」

別の日

千早「プロデューサー、それでは」

P「ああ、お疲れ様」

P「…うーん、どうしたものかな…」

貴音「あなた様、どうかしましたか?」

P「いや、千早のことをもっと知らないといけないと思うんだけど、千早はビジネスライクな人付き合いするから難しくてな…」

貴音「千早…ですか。まずは、千早がどのような歌を歌いたいかなど話してみるのもいいのではないですか?」

P「歌に関する話…か」

貴音「はい。私たちのユニットは、もっと大人びた曲というか、私たちに合った曲を歌うのがよろしいかと」

P「なるほど…」

貴音「次曲を決める機会があるなら、もっと千早の意見を取り入れてみてはどうでしょうか」

貴音「それだけでも、より会話の機会が増えるかと」

P「なるほど…!ありがとう、貴音!」

貴音「いえいえ」

また別の日

貴音「あなた様」

P「相変わらずぬるっと現れるな、どうした?」

貴音「最近、ライブ等開催して活発的に活動させてもらってて、非常にありがたいのですが」

貴音「その…資金は大丈夫なのですか?」

P「それが…ちょっときつくてな」

貴音「来月からは営業に力を入れてはどうでしょうか?ライブは場合よっては赤字になりますし」

貴音「資金がなければ、何もできず後々苦しくなるかと」

P「…ホント、貴音には何から何まで頼りっぱなしだな」

貴音「構いませんよ、私が喜んでしていることなのです」

P「ありがとう、貴音」

貴音「ええ…」

貴音(私たちは、トップアイドルを目指し、一致団結してきた)

貴音(何とかノミネートもされたとき、事務所はこのニュースで盛り上がった)

貴音(手強いライバルが現れる中、ついにアイドルアカデミー大賞発表の日が訪れた)



千早「…とても緊張します」

律子「そうね…ここに来れただけでも、嘘のようだわ」

貴音「祈りましょう、私たちの勝利を!」

P「さぁ…頼むぞ!」


司会「今回、アイドルアカデミー大賞に見事輝いたのは…!」

P「…」

貴音「…」


貴音(結果は、駄目だった。私たちは、部門賞を取ることもなく終わったのだ)

千早「悔しい…本当に悔しい…!」

律子「…一生懸命頑張ってきたんですけどね…」

P「俺の力不足だ…本当にすまない…」

貴音「…」

貴音(終わった…)

P「貴音…」

貴音「あな…プロデューサー殿、あなたはよくやりました」

P「本当に…すまない…」

貴音「…すみません、私は行かなければならないところがありますので…」

P「た、貴音…?」

貴音「さようなら、プロデューサー…」

P「貴音…?貴音!!」

貴音「…」

貴音「…ただいま、じいや」

じいや「…」

貴音「申し訳ありません…私には、できませんでした…」

じいや「…」

貴音「…もう、そろそろでしょうか」

貴音「私が来るのは」

貴音?「…」

貴音「…こんにちは、私」

貴音?「…お疲れ様でした」

貴音「恐らく、今の貴方からすればどのような状況か分からないでしょう」

貴音「ですから、今は私の話を聞いてください。質問には後でお答えします」

貴音?「…はい」

貴音「貴方はここから出た後、765プロでトップアイドルを目指すことになるでしょう」

貴音「貴方はそこで多くの人たちと出会います」

貴音「プロデューサーや仲間、社長に事務員…出会う人々みな素晴らしい方ばかりでした」

貴音「ですが、もしトップアイドルになれなかった場合、その人たちはどうなるのか」

貴音「765プロは倒産し、皆バラバラになってしまうのです」

貴音?「…」

貴音「そして私たちは普通の生活へと戻っていきます。皆、平凡な生活を送るのです」

貴音「ですが、一人だけ違ったのです」

貴音「それが、プロデューサーだったのです」

貴音?「…」

貴音「プロデューサーはアメリカに留学しますが、挫折してしまいます」

貴音「彼はプロデューサーを辞め、別の職に就きます」

貴音「そして…過労に倒れ、重い病気にかかってしまうのです」

貴音「それから彼は寝たきりになりました…」

貴音「私や妹たちは…彼の未来を変えるべく、トップアイドルを目指していたのです…」

貴音「それが、彼の…プロデューサーの未来を変える方法だと信じて…」

貴音「しかし、私にはそれができなかった…」

貴音「自分勝手なことかもしれません。ですが、できるなら貴方にトップアイドル目指してほしいのです」

貴音「貴方になら…できるかもしれないから…」

貴音「彼や…仲間たちを救いたいから…」

貴音「…これが、おおまかな説明になります」

貴音?「…分かりました」

貴音?「…気になる点があるので、少しお聞きしてもよろしいでしょうか?」

貴音「はい…」

貴音?「妹…というのは…?」

貴音「妹というのは…プロデューサーを救えなかった、トップアイドルになれなかった世界の貴方のことです」

貴音「貴方からすれば、私は妹ということになりますね…」

貴音?「…なるほど」

貴音?「あと、そちらのいらっしゃる…じいや、と呼ばれている方はどなたなのですか?」

貴音「彼は…私たちを支えてくれた尊い存在」

貴音「プロデューサー…なのです」

貴音?「え…?」

貴音「もっと言えば、最初の妹…もとい最初の私が出会ったプロデューサーです」

貴音「最初の妹の強い想いが、今私たちがいるこの世界を作った…と前の妹に聞きました」

貴音?「ということは…今まで救出に失敗したプロデューサーは皆このような状態に…」

貴音「そういうことになります」

貴音?「…」

貴音?「貴方は…今後どうするつもりですか?」

貴音「一つの世界に同じ人間が存在することはできません。ですから、私は私の故郷…もとい、私がいた世界に帰ります」

貴音「それに、私のことを慕う民もいますし…」

貴音?「それは、…ふぁん、ということでしょうか?」

貴音「ええ、そうなります」

貴音「それと、今まで民となった者たちは、別の世界でも民となるようです」

貴音「ですから、私の民は、貴方の世界でも貴方の民になるのです」

貴音「例えトップアイドルになれなくても、民は少しずつ増えていっています」

貴音「もしかしたら、貴方の民は私よりももっと多くなるかもしれません」

貴音「これを繰り返していけば、きっとトップアイドルになれると思います」

貴音「そして、プロデューサーのことなのですが、彼は最初はとても頼りないです」

貴音「ですから、貴方がしっかりさぽーとしてあげてください…」

貴音?「…分かりました」

貴音「私からお教えできることは…これぐらいです」

貴音「そろそろ時間のようです。私はもうじいやがいる世界にいることはできない」

貴音「…健闘を祈ります。別の世界から、妹として貴方を応援しています」

貴音?「…ありがとうございます」

貴音「さようなら…」

貴音?「ええ…」




貴音(今までの私は、ずっとこのようなことを繰り返してきたのか)

貴音(仲間たちを救うために…一人のプロデューサーを救うために…)

貴音(でも、それが私が背負う宿命というなら、喜んで受け入れましょう)

貴音(どうすればいいのか、分からないけれど、目指すはただ一つ、トップアイドルを目指せばいい)

貴音(私の世界で…すべて終わらせてみせる)

貴音「それが恐らく、私にできることなのだから」

おしまい

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