一夏「ラウラが背中にしがみついて離れない」(105)

ラウラ「ハッ!夢か!」ガバッ!

シャル「あ、おはようラウラ」

ラウラ「恐ろしい夢をみた」

シャル「え?」

ダダダッ!バタン!

シャル「あ、出てっちゃった」

一夏の部屋

一夏「ん、朝か…背中に違和感が…」
ラウラ「…おはよう」ギュッ

一夏「ラウラ…また入り込んで…」
ラウラ「…」

一夏「よいしょ」ガバ
ラウラ「…」

一夏「ラウラ着替えられないから離れてな?」
ラウラ「…」ギュッ

一夏「何とか離して着替えたがまたくっついてきた」
ラウラ「…」

セシリア「ちょっとラウラさん!何してるんですの!」

シャル「コアラみたいだね」

箒「いいから離れろ!」グイグイ

一夏「ほら、授業始まるし離れて?」
ラウラ「…いやだ」

千冬「何をしている!席に着け!」

一夏「な?千姉も言ってるし」

ラウラ「…仕方ない」パッ

千冬「休み時間にやれ、授業を始めるぞ」

セシリア(休み時間ならしがみついていいんですの?)

キーンコーンカーコーン

ラウラ「嫁ぇぇ!!」ガタッ

シャル「一夏逃げてぇぇ!!」

セシリア「させませんことよ!」

セシリアはラウラに突撃した、背を低くしラウラの腹にぶつかる形で

素早さではラウラのが上だ、しかしここは教室

机との間隔上、一夏に向かうには直進しかない

セシリア(体積的にぶつかれば動きを止められますわ!)

手を広げ押さえこむ姿勢をとるセシリア

しかしセシリアの視界に銀色の髪が流れ

次の瞬間ラウラは視界から消えた

セシリア「かわされた!?」

ラウラの行動は単純だった

背を低くし突撃するセシリアに対し前宙によって背中を転がる形で回避したのだ

よって背中から押される形となったセシリアは

セシリア「ふべぇ!!」

机に激突した

シャル「次はぼくだよ!」

セシリアのようになるわけにはいかない

こちらは押され倒されようと止めれば勝ちだ

つまり

シャル(正面から抱きしめ動きを止める!)

ラウラが接近し体をほんのわずか体を右に傾けた

シャル(…これはフェイント)

こちらが反応した瞬間に左に抜けるつもりだろう

ならばそれを逆手に読み、反応したふりをする

シャルの右が前に出る

その瞬間ラウラが左に動いた

シャルは左足を軸に体重により左にずれようとしたが

シャル(右足が動かない!?)

ラウラはシャルの右足に対し自分の左足を前に出しシャルの移動を止めた

その結果隙が生まれシャルの左脇をラウラが抜けた

シャル「一夏ごめん…!」

箒「止まれ!」ブンッ

ラウラ「甘い」ヒョイ

箒「な!?」

ラウラ「嫁ぇぇぇぇぇぇ!!」

一夏「うわあああああああああああ!!」

ピョイーン ガシッ!

一夏「……」
ラウラ「よし」

セシリア「無念ですわ…」

シャル「流石ラウラ…」

箒「」

シャル「そのまま昼食食べる気?」

一夏「だって離れないし」
ラウラ「嫁、早く飯だ」

セシリア「はぁ…やはり食堂だと注目されますわね」

一夏「ん、どうやって座ればいいんだ?」
ラウラ「…」

シャル「横向いて座ればいいんじゃないかな」

一夏「そうだな」
ラウラ「嫁よ食わせろ」

一夏「ほら」ヒョイ
ラウラ「モグモグ」

セシリア「完全にコアラですわね…」

箒「…あそこまでいくと羨ましくないな」

――

千冬「IS実習だ!」

一夏「せんせーラウラが離れません」
ラウラ「私はかもめ」

千冬「お前ドイツ人だろ、もういいIS展開しろ」

パァァァ

セシリア「うまい具合に合体してますわ…!」

一夏「心なしか出力が上がった気がする」
ラウラ「これが夫婦の愛の力だ」ドヤ

シャル「ぐぬぬ」

千冬「いいから模擬戦始めろ」

――

箒「まったく歯がたたない…」

セシリア「無駄に強いのが気に入りませんわ…」

千冬「よし、今日はここまでだ」

一夏「汗かいたな、シャワー浴びるか」
ラウラ「よし」

セシリア「え」
シャル「え」
箒「え」

一夏「え、どうしたんだ」
ラウラ「どうしたのだ」

セシリア(流石に連れていきませんよね…)

――

シャワー室

一夏「今日は割りといい動きができたな」ヌギヌギ

ラウラ「…」ヌギヌギ

一夏「でも、シャルには勝ちたかったなあ」シャー
ラウラ「…」ピトー

一夏「早く出ないと怒られるな」ゴソゴソ

ラウラ「…」ゴソゴソ

――

一夏「お待たせ」
ラウラ「したな」

セシリア「何で一夏さんとラウラさんが一緒に出てくるんですの!!」

一夏「はっ!?ラウラいつの間に!」
ラウラ「さっきくっ付いた」

一夏「なんだ、それならよし」
ラウラ「……」

シャル(まさか、裸でくっ付いてたは無いよね…)

一夏「じゃあそろそろ寝るか」
ラウラ「じゃあお休み」

箒「ああ、お休み」

セシリア「ええお休みなさい」

シャル「……」

バタン

シャル「ねえ」

セシリア「どうしましたの?」

シャル「今、ラウラくっ付いてなかった?」

セシリア「……はっ!?」

千冬「何をしている!早く部屋に戻れ!」

書き溜め終了した、がんばる


一夏「よし、寝るか」ボフン
ラウラ「ふぐぅ!」

一夏「ん、あ!ラウラ!」

ラウラ「痛いじゃないか」

一夏「……ところで今日どうしてずっとくっ付いてたんだ?」

ラウラ「……」

ラウラ「お前がいなくなる夢を見た」

一夏「ラウラ…」

ラウラ「だからお前は私から離れるな」

一夏「…俺はどこにも行ったりしないぞ」

ラウラ「それでも、怖いものは怖いのだ」

ラウラ「こんな感情になるのは初めてだ、だから」

ラウラ「お前は私が守る、私がお前の盾になる」

一夏「……」

一夏「…盾は前に出なきゃ意味ないだろ?」ギュッ
ラウラ「あ…///」

次の日
ラウラ「というわけで前にしがみつくことにした」
一夏「……」

シャル「流石に卑猥だよ一夏!」

ラウラ「なあ」
一夏「そんなこと言ってもなあ」

セシリア「まさかそんな体制で授業受ける気ですの?」

ラウラ「…」
一夏「流石にまずいよな…ラウラ」

ラウラ「いやだ」
一夏「ほら、いろいろまずいから」

ラウラ「これならちゃんと座れるぞ」
一夏「いや……」

千冬「席に…」

千冬「…おい、何をしている」ゴゴゴ

ラウラ「嫁よ力を貸せ」
一夏「え」

千冬「バカ者!」ブンッ!

スカッ!

一夏「うわあ!」
ラウラ「教官といえど!」

千冬「クソッ」ブンッ!

スカッ!

ラウラ「譲れないものがあります!」
一夏「うわあ!」

シャル「ラウラがしがみついたまま一夏の周り回ってる…」

セシリア「見てる分には滑稽ですわね…」

――

ラウラ「フンス」
一夏「まさか許可されるとは…」

山田「あ、えーですから」

ラウラ「…」
一夏(すっげえ見てくる…)

ラウラ「…」
一夏「凝視されると集中できないんだが」

ラウラ「そうか」
一夏(あ、視線はずしてくれた)

女生徒(なんかラウラさんが一夏さんから半分顔だして覗いてくる怖い…)

一夏「じゃあ昼飯に行こうか」
ラウラ「うむ」

シャル「ねえ、まさかラウラそのまま?」

一夏「気が済むまでやらせようかと」
ラウラ「地球は青かった」

セシリア「徐々にそこにいるのが当然になってきましたわね…」

そんなある日

千冬「おいラウラちょっとこい」

一夏「どうしたんだ千冬姉?」
ラウラ「なにかありましたか」

千冬「なんでラウラ呼んだのにお前が来るんだ」

一夏「ハッ!?そういえば!」
ラウラ「一心同体だな」

千冬「大事な用件だラウラだけ来い」

一夏「だって」

ラウラ「仕方ない」

――

一夏「…」ソワソワ

箒「落ち着かないな」

一夏「あるものが無いような…これが消失感…!」

セシリア「新しい感情の発見はいいんですけれども、確かに遅いですわね」

ダダダッ!ガシッ!!

一夏「お、お帰り」
ラウラ「……」

シャル「どうしたのラウラ?」

一夏「ラウラ?」
ラウラ「…なんでもない」



一夏「それじゃあお休みー」
ラウラ「……」

セシリア「意義あり!いい加減意義ありですわ!」

シャル「そうだよ!いい年頃が一緒に寝るのはどうかと思うよ!」

箒「そうだ!そ、その…あれが大変だろうが!」

一夏「まあそうなんだよな…ラウラ」
ラウラ「いやだ」

セシリア「ラウラさんいい加減にしなさい!」

シャル「わがままばっかり言ってちゃダメだよ!」

箒「えっと…ああ!よくない、よくないぞ!」

一夏「ほら、もう怖くないだろ?」
ラウラ「…いやだ」

セシリア「ラウラさん!」

シャル「ラウラ!」

箒「いち…ラウラ!」

一夏「ラウラいい加減にしないと…」
ラウラ「……といったら」


ラウラ「いやだといったら嫌なのだ!!」





一夏「え、なんで泣いて」
ラウラ「お願いだから今日だけは見逃してくれ…」

箒「おい!まだ言うのか!」

セシリア「…!そうですわね、明日まではいいでしょう」

シャル(やっぱり先生に何か言われたんだね…)

箒「え?あれ?」

――

一夏の部屋

一夏「なあ、千冬姉にほんとは何を言われたんだ?」

ラウラ「……」

ラウラ「帰国命令だ」

一夏「え…」

ラウラ「明日付けでドイツに帰る、そしておそらく戻ることは無い」

一夏「そんな…!」

ラウラ「お前が受け入れてくれてうれしかった」

一夏「IS学園は国家の影響を受けないんだぞ!」

ラウラ「お前は私にいろいろなものをくれた」

一夏「用事が済んだら帰ってくればいいじゃないか!」

ラウラ「一夏」

一夏「ラウラ」



ラウラ「お前のことが好きだった」

一夏「お前のことが好きだ!!!」


ラウラ「だからお別れだ嫁」

一夏「……」

ラウラ「私は満足だ、じゃあな」


次の日、本当にラウラはいなくなった


一夏「……」

シャル「一夏…泣いてる?」

一夏「ああ、ほんとだ泣いてるや…」

?「あんた、それでいいわけ!?」

一夏「……」

?「あんたいじけてラウラ救えると思ってんの?」

一夏「…俺に、俺に何しろってんだ!!」

?「今の一夏には期待してないわ!いつもの一夏ならできるわ」

?「進むべき道が分からないなら、アタシに任せなさい」

鈴「このあたし、凰鈴音が道をつけてやるわ!!」

一夏「り、鈴!」

鈴「いいことを教えるわ、ラウラはまだ日本にいるわ」

一夏「でもどう止めれば…」

鈴「場所は分かる、アンタには救える足がある、それだけで十分よ」

ホテルにて

ラウラ「明日出国か…ほんとに…楽しかった」

クラリッサ「……」

バンッ!

ラウラ「停電!?」

クラリッサ「敵です!」


――――
――
鈴『ありがたいことにラウラの部屋は最上階 、上からいけるわ」

鈴『まあ、門番はいるでしょうね』

セシリア「で、その掃討が仕事ですのね、野蛮でいけませんわ」

黒兎兵A「相手はISだ!撃て!」

黒兎兵B「」ガチャ

黒兎兵C「」ガチャ

セシリア「無粋な、乙女の道は花道と決まっておりましてよ」

セシリア「ですから、優雅に散ってくださいます?」

―――
――
鈴『ホテル内部は貸切状態、完全に要塞状態ね』

鈴『最上階に援軍がこれないように足止めが必要だわ」

シャル「はあ、あとで怒られるんだろうなぁ」

黒兎兵「敵だ!増援を頼む、ISを装備している!」

シャル「人を化け物みたいに…ひどいなあ」

シャル「ここは通せない、好きなひとの願いがぼくの願いだよ」

シャル「はあ、これも血筋なのかなあ」

―――
――
ラウラ「あいつら、なんで…」

クラリッサ「完全に挟まれましたが隙を見て窓から脱出を」

箒「どりゃああああああ」バリーン!

クラリッサ「チッ!早い!!」

ラウラ「…なんで!なんでここに来た!」

箒「私が知るかあああああああ!!」

クラリッサ「私が止めます、隊長は逃げてください」

ラウラ「……っ!」ダッ


ホテル上空

セシリア「あれはラウラさん!?ISで逃げる気ですのね」

セシリア「じゃあ、引き時ですわね」


ホテル内部
シャル「一夏…」


クラリッサ「ふん、ISだけか」
箒「」

森林

ラウラ「逃げ道は無いわけか」

鈴「悪いけどあんたの相手はアタシじゃないわ」

ラウラ「…ということは」

一夏「ラウラぁぁぁぁぁぁ!」

どん!ギュッ!

ラウラ「な!?離せ!」

一夏「離すものか!」

ラウラ「や、やめろ!そこにしがみつくな…!///」

ラウラ「い、一夏!」
一夏「絶対に離さない!」ギュッ

ラウラ「私だって本当は…!」
一夏「いいんだ!帰ってきて!」

ラウラ「一夏…やっぱりお前が好きだ」
一夏「俺もだラウラ」

―――
――
ラウラ「嫁がしがみついて離れない」
一夏「…」

シャル「」
セシリア「」
鈴「」
箒「」

終わり

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