魔子「は?」
男「え?」
魔子「人違い?」
男「うん」
魔子「mjd?」
男「mjd」
魔子「え、え?ちょっと待って?僕、ここに勇者がいるって聞いたんだけど」
男「人違いです。てかそもそも、勇者って女だし」っ新聞
『美少女勇者、また快挙! 山賊を討伐!!!』
魔子「」
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魔子「ちょ、ちょっと待って。もう僕、契約結んじゃったんだけど」
男「・・・・ドンマイ」
魔子「」
男「いや、それにしてもいきなり胸につっこまれて、心臓取り出されたときはびっくりしたよ」
魔子「」
~回想~
男(・・・・ふう、これで掃除終わりっと。暗くなる前に畑の世話も終わったし、あとやることは・・・)
ドンドン
「すいませーん」
男「あ、はーい」
男(こんな僻地に人が来るなんて珍しいな)
ドンドンドン
男「今開けまーす」
ガチャッ
ドスッ
男「えっ?」
魔子「抵抗されるかもしれないからね、先に契約だけさせてもらうよ。
私にはもう後がないんだ
君には悪いけど、確実な手を取らせてもらう」
男(俺の、心臓が、抜き取られて・・・?)
ズブズブズブ
魔子「今から3ヶ月前、勇者によって魔王・・・私の父は殺された」
魔子「そして今、次の魔王を決める争いがはじまっているんだ」
魔子「その、魔王選定のルールの中の一つに『魔王候補者は人間と契約を結び戦い抜くこと』というものがあってね・・・ぐっ」
男(今度は、自分の胸に手を・・・何を、してるんだ・・・?)
グチュッ…
魔子「ぐ・・・あぁっ!!・・・ふぅ、ふぅ」
魔子「まぁ、詳しい話は・・・ハァ、ハァ、あとでもいいだろう・・・。先に契約を済ませよう・・・」
魔子「互いの心臓を入れ替えること、これで、契約が完了する」
魔子「私が魔王になるのに協力しろッ・・・!!勇者よ!!」
魔子「ふふ、ふふふふふふふふっ!!契約は完了したっ!!これで私とお前は一蓮托生、私が死ぬときはお前も死ぬ!!」
魔子「死にたくなければ、私のために戦え」
魔子「魔王を誕生させるために戦う、今の気分はどうだ?勇者よ」
男「・・・」
魔子「ふふふ、どうした?言葉もでないか?」
男「・・・・・・あの、さ」
魔子「なんだ、言いたいことがあるなら言ってみろ。まぁ、言ってもどうにもならないがなぁ!!」
男「えっと、人違いです・・・」
魔子「」
~回想終了~
魔子「」
男「あ、あのー・・・君、大丈夫?」
魔子「」
男「え、えっと・・・」
魔子「はっ」
男「あ、あのさ、とりあえず立ち話もなんだから、中に入ってよ」
魔子「・・・・・・・・ハイ、オジャマシマス」
~男の家~
男「あ、適当に座ってて、今お茶用意するから」
魔子「アルガトウ、ゴザイマス・・・」
男(全然雰囲気違うなぁ・・・)
男「はい、お茶」
魔子「・・・・・・」
男(よっぽどショックだったんだろうなぁ、俯いてるし、さっきも呂律回ってなかったし)
男「まぁ、とりあえずお茶、飲んで」
魔子「・・・・・イタダキマス」
ズズッ
魔子「あ、美味しい」
男「お、それは良かった。それ、ケルビナっていうお茶の葉っぱでね。今年はじめて栽培してみたから、ちょっと不安だったんだ」
魔子「すごく、いい香りがします。・・・本当に、美味しい」
男「喜んでもらえて何より。それじゃあ、一息ついたところで、事情の説明、してもらえるかな?」
魔子「・・・はい」
男「えっと、じゃあまずは自己紹介から。俺の名前は男。見ての通り、農家をやってる。この辺は人がいないから、食糧を自分で確保しなくちゃいけないからね。野菜からお茶の葉、牧畜までなんでもござれだ」
魔子「男、さんですか」
男「うん、そう。君の名前は?」
魔子「えっと、僕は魔子、と言います。魔界の七大氏族・・・人間界でいうところの貴族の家系のひとつ、『傲慢』の魔子です」
魔子「あ、それと先代魔王の息子です」
男「」
魔子「お、男さん?」
男「あ、あぁごめん・・・えっと、魔子君、さっきも言ってたけど、魔王の息子ってマジ?」
魔子「あ、魔子って呼んでください」
男「じゃあ、魔子・・・本当に魔王の息子なの?君華奢だし、綺麗な顔してるし、魔王と似ても似つかないんだけど」
魔子「僕は魔術のほうが得意なので・・・」
男「な、なるほど・・・(そういう問題か?)」
魔子「えっと、話、続けますね?」
男「頼む」
魔子「先ほど契約するときも話しましたが、今回僕が人間界に来たのは次の魔界の王を決めるためです。魔界の王になる資格を持つのは七人・・・先ほど言った、七大氏族の族長がこれに当たります」
魔子「そして魔王と認められるには、七大氏族と呼ばれるようになった原因である『嫉妬』『憤怒』『怠惰』『強欲』『暴食』『色欲』そして『傲慢』、この七つの【宝】を集めなくてはなりません」
魔子「また、それぞれの氏族にも特徴があって、僕は・・・」
男「ちょ、ちょっと待った」
魔子「はい、なんでしょう」
男「その話、長い?」
魔子「そうですね・・・ちょっと、長くなるかもしれません」
男「とりあえず、要点だけ掻い摘んで説明してくれ。いきなりたくさん言われても、頭に入らん」
魔子「分かりました。重要なところを説明すると・・・
・次の魔王を決める戦いがある
・魔王候補者は七名
・魔王になるにはそれぞれの候補者が持つ宝を全て集める必要がある
というところです。
また、先ほどは説明しませんでしたが
・七大氏族にはそれぞれ得意な分野がある(力が強い、魔術が得意、身体が固いなど)
・魔王候補者はひとりの人間と契約を結ぶ
・どちらかが死んだらその候補は脱落となる
といったところでしょうか。必要があればそのときまた説明します」
男「おk、把握」
男「ところでさ」
魔子「はい?」
男「なんで人間と組む必要があるの?魔物だけで戦えばよくない?」
魔子「あ、それはですね、人間のことをよく知るため、らしいです」
男「ふむ・・・(人間界に侵攻するときのため、かな?)」
魔子「他に質問、ありませんか?」
男「んーと、【宝】ってなにさ」
魔子「【宝】、ですか。勇者の持つ特別な武器や防具のようなもの、というのが一番近いでしょうか」
魔子「それぞれが特殊な力を持ち、通常の物理攻撃や魔術などでは対抗できない、とてつもないものです」
魔子「その力の強さや特殊性のせいで、扱える種族が決まってしまうのが難点ですが・・・」
魔子「それと魔王が決まった後、【宝】は各氏族に返却するのが習わしですね。魔王も別の氏族の【宝】を使えるわけでもないので」
魔子「そもそも一つの種族が七つの【宝】すべてを扱えるのであれば、『七』大氏族なんて呼ばれず、『六』大氏族や『四』大氏族などになってしまいますしね」
魔子「ともかく、とても強い力を持ったものなので、それぞれの族長は簡単に『宝』を渡そうとはしないでしょう」
魔子「方法としては、相手を殺して奪ったり、恭順させ、【宝】を譲渡させたり、盗んだり・・・」
魔子「余談になりますが、宝を譲渡した相手が魔王となった場合、四天王としてつかえることもあるそうですよ」
男「へぇ」
魔子「まぁ私も、他の氏族の持つ【宝】については詳しくないのですが・・・」
魔子「じいやに聞いた話だと、七大氏族の名が【宝】と関係しているらしいです」
魔子「こんなところでしょうか」
魔子「さて、一通りここまで説明しましたが・・・。男さん、重要な話があります」
男「おっけー、協力する」
魔子「僕とともに、魔界の王を目指してください。一般人であるあなたにこんなことを頼むのも気がひけ・・・えっ」
男「えっ」
魔子「」
男「おkwww」
魔子「いいんですか?」
男「うん」
魔子「ホント、ですか?」
男「ホントだって。ま、俺は所詮人間だから魔物と戦うのはきついだろうけど、人間同士でなら役に立つかもだし。見てこの筋肉」ムキッ
魔子「なんで、そんな簡単に」
男「いや、だって俺と君の命、一蓮托生なんでしょ?それに・・・」
魔子「・・・それに?」
男「君、最初にあったときにさ、後がないって言ってたろ?」
男「あのときの表情を見たら、俺の命、君にあげてもいいかなって思ったんだ」
魔子「男、さん・・・」
男「それに、さ」
魔子「はい・・・」
男「もし君を魔王にできたら、俺って魔王の相棒でしょ?ww」
男「てことはさ、魔物のおんにゃのこに好き勝手できるってわけだwwwww
おれさぁw、魔物っ娘とかとイチャイチャするの夢だったんだよねwwwwww」
魔子「は?」
男「いやー、サキュバスたんとキャッキャウフフしたいなぁwwwwいやでも、獣人っ娘もはずせないなぁwwwww
人魚族とか、妖精たんとかもいるだろうし、うはww夢が広がりんぐwwwww」
魔子「」
男「ウッヒョーwwwwwww」
魔子「」
魔子(パートナー、間違えたかも・・・)
とりあえず今日はここまで(プロローグで終了です。設定説明だけだったのに思ったより時間がかかってしまった・・・。
次からは書き溜めしてから投下する予定。
コメントしてくださった方々ありがとうございます。嬉しいです。
暇な時間にフラッと書きに来ます。
ではでは、おやすみなさい
男「ところでさ」
魔子「なんでしょう」
男「最初口調違ったじゃん、あれなんで?」
魔子「え、えっと・・・」
男「なんで?」
魔子「な、舐められないように・・・」
男「ん??」
魔子「舐められないように必死だったんですよぅ・・・もうそのことにはふれないでくださいっ!!///」
男「そうなんだ」ニヤニヤ
魔子「もぅ・・・///」
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