さやか「転校生の能力って便利だから奪いたい!」(196)

さやか「たとえば恭介をゲットできるまでループし続けることだってできるしね」

さやか「というわけで魔法少女になるからあの転校生の能力ちょうだいね」

QB「えぇー……そんなのまどかならまだしも君の素質じゃ無理だよ」

さやか「あと色々面倒だからこの能力に関する転校生の記憶も消しといて」

QB「うわぁ実質2個に増やしたようなもんじゃないか。なんて図々しいんだ君は」

さやか「あ、当然恭介の腕も治してね」

QB「3個になった! 無理に決まってるじゃないか!」

さやか「やる前から諦めるんじゃない! いいからやってみてよ!」

QB「不可能だと思うけどそこまで言うならやってみようか」

QB「うおおおおおおお! あ、気合い入れたらできた」

さやか「やったー! これで私は最強だ!」

QB「何だか色々不安だよ」

さやか「さて、まずはマミさんを助けなきゃ」



カシャッ



まどか「こんなところにグリーフシードが……私、マミさんを呼んでくる!」

さやか「うわわわわ本当に巻き戻ったよ! 凄い!」

まどか「さ、さやかちゃん……?」

さやか「あぁごめんごめん。まどか、マミさん呼んできて。私キュゥべえと待ってるね」

QB「やれやれ……」

マミ「お待たせ。大丈夫だった」

さやか「マミさん! うぅ、生きてる……よかった……」

マミ「何言ってるのよ……あら? 美樹さん魔法少女になったの?」

さやか「はい、悩んだけど結局決めました!」

まどか「さやかちゃん、いつの間に……」

マミ「色々思うところはあるけど、魔法少女になったからには一緒に戦いましょうか」

さやか「はい!」

ほむら「待ちなさい、巴マミ」ファサッ

マミ「あら暁美さん、何の用かしら?」

さやか「あ、転校生じゃん。何もできない役立たずの魔法少女は引っ込んでなよ」

ほむら「今回の魔女は今までのとはわけが違う。私が狩るわ」

さやか「でもあんた戦えるの?」

ほむら「何言ってるのよ、私は魔法少女……あれ!? 私ってどんな魔法が使えたっけ!?」

QB「え、えーっと、僕は何も知らないよ、うん」

マミ「……あなた、魔法使えないの?」

ほむら「そ、そうだ、爆弾なら……」

さやか「あ、それ貰っとこ」



カシャッ



ほむら「ない……ない……確かに持ってきたはずなのに!」

ほむら「そ、そうだ、トラックより早く走れるわよ!」

マミ「うん、暁美さんは後ろに下がっててね。危ないから」

さやか「安心しなよ転校生。魔女はこの魔法少女さやかちゃんがばびっとやっつけちゃうからね!」

さやか「いやー余裕だったわー初めての戦いなのに余裕だったわー」

マミ「凄いわ美樹さん、まるで瞬間移動をしているかのようだったわ」

ほむら「何かあの爆発、私の爆弾のに似ているような……」

まどか「やったね、さやかちゃん!」



さやか(うへへへへ……この能力さえあれば怖いものなしだ!)

さやか(やばくなったらループすればいいだけだし……さ、何して遊ぼうかな)

さやか(よーし、まずは……)

中沢「よぉ上條。退院できてよかったな」

恭介「ありがとう。なぜか突然すっかり治っちゃって」

中沢「へぇ、不思議なこともあるもんだな……ん、何だこれ? 俺の机の中に……手紙?」

中沢「なになに……『ずっと好きでした。昼休み、屋上で待ってます』」

中沢「……え?」

恭介「どうしたんだい中沢」

中沢「い、いや何でもない何でもない!」

恭介「? そうか……?」

中沢(うおおおおお……こ、これは間違いない! ついに俺にも春が……)

中沢(誰だ!? 誰なんだ!?)

さやか(うわぁ、あからさまにきょどってる……面白いなぁ)

中沢「さて、屋上に来てみたが……いったい、差出人は……」

さやか「あ、中沢……来てくれたんだ……」

中沢「み、美樹! まさか、あの手紙は美樹が……!?」

さやか「うん……ごめんね、呼び出しちゃって……」

さやか「私……実は、ずっと前から中沢のことが好きだったんだ……」

中沢「ええっ!? 美樹は上條のことが好きとばかり……」

さやか「それは誤解だよ……恭介はただの幼馴染」

さやか「私が好きなのは中沢だけ……だから、お願い……私と、付き合って下さい」

中沢「も……勿論さ! 俺なんかでよければ、ぜひ!」

さやか「ありがとう、中沢。でも……ごめんね! ループでした!」

中沢「え?」



カシャッ



さやか「なるほど、中沢は○と。よし次は……」

QB「さやか、君は最低だね」

さやか「というわけで恭介を除くクラスの男子20人に告白したところ、○は8人、×は6人でした」

さやか「実質勝率半分以上なんて、モテる女は辛いわー」

QB「残りの6人はどうしたんだい?」

さやか「ちょっと考えさせて……だってさ。待つのしんどいから即ループしちゃった」

さやか「ちなみに断った6人はこっそりサインペンで眉毛を繋げてやったわ」

QB「……ところで上條恭介には告白しないのかい?」

さやか「それは後々にとっておくとして……今は別のことからやるよ」

さやか「例えば転校生! あいつ前の時間軸ではホントむかつきまくりだったからね」

さやか「ふふふ……私を怒らせた罰を受けてもらうよ!」

QB「またよからぬことをたくらんでるね」

さやか「最初に戻っちゃうけど……ループ!」



カシャッ

早乙女「それじゃあ暁美さん、自己紹介をお願いします」

ほむら(まどか……たとえ大した力がなくとも、あなたのためなら……)

ほむら「はじめまして」

さやか「時間停止!」



カシャッ



さやか「ちょちょいと……よし、これで準備はOK!」

ほむら「暁美ほむ……」ストン

ほむら「……え?」

まどか「ス、スカートが……落ちて……」

ほむら「きゃああああああああああああああああっ!」

男子一同「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

さやか(あはは、いい気味! つらいつらい学校生活の始まり始まり~!)

QB(同情するよ、暁美ほむら)

さやか「いやーマミさんは助かるし、転校生は学校ではいまだに涙目で過ごしてるし最高!」

さやか「爆弾も転校生の家からグリーフシードと一緒に全部かっぱらって来たし無敵だね!」

QB「暁美ほむらのソウルジェムはどうする気だい?」

さやか「大丈夫でしょ、もうあいつ魔法使えないし。ま、ヤバそうになったら分けてあげるよ」

QB「そういえば魔女退治にもちゃんと行ってるみたいだね」

さやか「一応この街を守りたいって気持ちもあるからね。この能力があれば怖いものなしだもん」

まどか「お待たせ、さやかちゃん」

マミ「さ、今日も魔女退治頑張りましょうか」

さやか「はい!」

まどか「ティヒヒ、今日も順調だったね!」

マミ「美樹さん本当に強いわね。どういう戦い方をしてるのかは分からないけど」

さやか「ふふふ、女の子には秘密があるんですよ」

QB「バレたら色々破滅するもんね、さやかの場合」

杏子「ちょっとちょっと。何やってんのさ、アンタたち」

マミ「あら、あなたは確か……佐倉杏子さん」

さやか「げ、杏子。そういえばそんな時期だったっけ」

杏子「何言ってんのかサッパリだが、卵産む前の鶏シメてどうすんのさ」

杏子「ありゃ使い魔だろ? 何人か食わせてグリーフシードを孕む魔女になるまで待てっての」

まどか「そ、そんな……」

マミ「あなた、自分が何を言ってるかわかってるの!?」

杏子「正義だの人助けだの、そんなことのために契約してんじゃねえよ」

杏子「魔法ってのは、自分のためだけに使うものさ」

さやか「ふざけないで! 魔法を自分の欲望のために使うなんて許せない!」

QB「」

杏子「ちったぁ痛い目見ないと分からないようだなぁ……」

さやか「じゃ、時間停止」



カシャッ



さやか(さて……どうしよう)

さやか(ま、こんくらいが妥当かね……うーん、さすがに難しいな……よし、解除っと)



杏子「さぁ、戦闘準備はOKだ……始めようか!」

まどか「……へ?」

マミ「あ、あなた……もしかして、戦う時はそうなるとか?」

杏子「あん?」

杏子「お、お前ら何言って……」

さやか「私ちょうど鏡持ってるよ。はい」

杏子「んん……って、なななななな何だこれ!」

まどか「……くくっ、ウェ、ウェヒヒッヒヒヒヒッヒ!」

マミ「……ぷっ」

杏子「何であたしの髪型が昇天ペガサスMIX盛りになってんだよ!」

さやか「あははははっ! で、戦うんだっけ……ぷぷっ!」

杏子「こ、こんなの絶対おかしいよ! 覚えてやがれーっ!」

QB「ベタな捨て台詞だね、佐倉杏子」

ほむら「えっと……今来たのだけど」

さやか「終わったわよ。第一あんたろくに戦えないくせに何しに来たの、パンツ露出魔」

ほむら「……ううっ……」

さやか「さて、マミさんも助けて転校生と杏子も凹ませたし、いよいよ恭介攻略に入るよ!」

QB「早速告白して、駄目だったらループかい?」

さやか「いや、多分現時点では告白してもうまくいかないと思う」

QB「じゃあどうする気だい?」

さやか「まず、幼馴染の良さを恭介に分かってもらいます!」

さやか「というわけで時間停止っと」

QB「結局能力頼りかい」



カシャッ



さやか「てなわけで恭介の部屋に忍び込みました。何年ぶりかなぁ」

さやか「目的のブツはと……ベッドの下か。定番ね」

さやか「どれどれ……って何これ! お嬢様モノばかりじゃん!」

さやか「こんなものは全部没収! 代わりに……これでよし、と」

恭介「さーて、今夜もエロ本タイムに入るか……って、ば……馬鹿な!」

恭介「何で僕の秘蔵のお嬢様モノのエロ本たちが、全部幼馴染モノに変わってるんだ!」

恭介「くそっ! 幼馴染モノなんて僕の趣味じゃないというのに……」

恭介「……む、いや……これは……なかなか……ふむふむ……」

恭介「……幼馴染ってのも、いいものだな!」



中沢「あれ? 俺ってお嬢様モノのエロ本こんなに持ってたっけ?」

中沢「幼馴染モノが多かった気がするんだが……ま、いいか。これはこれでアリだし」

さやか「これで恭介には幼馴染の魅力が存分に伝わったと思います」

QB「でもエロ本を読ませた程度で成功するとは思えないけどね。結局はあの仁美って子に取られちゃうんじゃないかな」

さやか「そう……今の私じゃ、まだ仁美には勝てない……」

QB「どうやって自分の評価を仁美以上に上げる気だい?」

さやか「私の評価を上げる? そんな必要はないよ」

QB「……さやか、まさか君は……」

さやか「仁美の評価を、私以下に落とせばいいのよ!」

QB「外道って君みたいな人のことを言うんだろうね」

さやか「ねぇ仁美、恭介に何か退院祝いでもプレゼントしない?」

仁美「いい案ですわね。何がいいかしら……」

さやか「やっぱり簡単なお菓子と……あとは本あたりかなぁと思うんだけど」

仁美「確かにそんなところですわね。じゃあ明日にでも一緒に渡しましょうか」



さやか「恭介、これ私からの退院祝いだよ!」

仁美「上條君、私からも……」

恭介「ありがとう二人とも。帰ったら早速開けてみるね」

QB(で、何で上條恭介の部屋のクローゼットに隠れてるんだい)

さやか(そうしないと時間を止めるタイミングが分からないじゃん)

QB(まったく、わけがわからないよ……あ、来たね)

恭介「ただいまー」

恭介「さて、まずはさやかのからだ。これは……ハート型のチョコだ」

恭介「そういえば幼馴染からハート型のチョコをプレゼントされ……」

恭介「その時に告白されてそのまま一気に……ってシチュがこの前のエロ本に……」

恭介「ってさやか相手に何を考えてるんだ僕は! とにかく食べよう……あ、美味しい」

恭介「あとは……漫画か。ふむふむ、恋愛モノでヒロインは幼馴染か。面白そうだ」

恭介「あとでじっくり読むとして……次は志筑さんのプレゼントだ」

恭介「どんなのかなぁっと」ガサッ

さやか(今だ!)



カシャッ

恭介「これはクッキーかな。いただきまーす」

恭介「ん……なんか変な味……う!」

恭介「うおおおおおおおお! トイレトイレトイレええええええええ!」



恭介「うぅ……酷い目に遭った……」

恭介「志筑さんって料理が壊滅的に下手なんだな……イメージと違う……」

恭介「気を取り直して本の方を……え、何だこれ……」

恭介「『伝説の木の下で貴様を待つ』……BL本じゃないか! こんなものどうしろと!」

恭介「志筑さん……君は、僕のことを苛めてるのかい……」



さやか「これで仁美の評価はガタ落ち間違いなし! 明日はダメ押しだよ!」

QB「まだやる気かい」

さやか「おはよー、恭介」

恭介「お、おはようさやか……」

恭介(うう、変に意識してしまう……さやかはそんなんじゃないのに)

仁美「おはようございます、上條君。私達の退院祝いはどうでしたか?」

恭介「あ、あぁ……えーと……ありがとう、とても嬉しかったよ……」

仁美「本当ですか!? よかったです!」

さやか「あ、そうそう。休んでた分のノート、必要だよね」

恭介「そうだね、確かに……写させてもらってもいいかい?」

さやか「うーん、でも私も結構授業中寝てるからなぁ……あ、仁美のならバッチリじゃない?」

仁美「わ、私のですか……確かに板書は全てノートに取ってますが……」

さやか「仁美、恭介にノート貸してあげなよ。恭介も仁美のノートなら心配ないでしょ?」

仁美「上條君のお役に立てるのでしたら、私は喜んでお貸し致しますが……」

恭介(志筑さんのか……正直昨日のことで気が乗らないけど、断る理由も浮かばないしなぁ……)

恭介「そうだね……じゃあ志筑さんさえよければ。明日返すから」

仁美「わかりました」

QB(で、またここに隠れるのかい)

さやか(しっ! 帰って来たみたい!)

恭介「さて、写すか……まぁ志筑さんも昨日のは何かの間違いだろう……」

さやか(はいはい時間停止っと)



カシャッ



さやか「恭介よ……仁美とは住む世界が違うってことを身をもって知るのだ!」

恭介「さて、さっさと終わらせよう」

恭介「ん? これは……メモ書き?」



上條『中沢……僕だけの楽器になってくれるね……』

中沢『……あぁ、いいよ上條……いっぱい、俺で演奏してくれ……』

上條『じゃあ……君のこのバイオリンを、弾かせてもらうよ……」

中沢『ああっ、いいよ上條……ひゃうんっ!」

上條『いい音色だね……でも、フルートの方がお好みかな?」

中沢『そ、そんな、口でなんて……も、もう、らめええええええっ!』



恭介「」

恭介「そ、そんな……自分で読むだけじゃ飽き足らず、自作BL小説まで……」

恭介「しかも題材がリアル知人、それも僕と中沢……筋金入りだ……」

恭介「駄目だ……やっぱりお嬢様の考えることは、庶民の僕には理解できない……」



仁美「あ、上條君。おはようございます」

恭介「志筑さん……ノート、ありがとう……返すよ……」

仁美「大丈夫ですか? 何だか、やつれてるような……」

恭介「ははは、いいんだよ……世の中、色々な趣味の人がいるんだなって思っただけだから……」

仁美「……?」

さやか「おっはよー恭介! どったの、元気ないじゃーん!」

恭介「さ、さやか……今日は、君の普通で幼馴染が輝いてるよ……」

さやか「あはは、何言ってるのかなー恭介は!」

QB(あの仁美って子、一応君の友達じゃなかったっけ?)

さやか(キュゥべえ……女の友情ってね、儚いものなのよ)

QB(そうだね)

仁美「美樹さん……私、上條恭介さんに告白します。でも、あなたには私の先を越す権利があります」

さやか「あ、いいよ。お先にどうぞ」

仁美「……え?」



仁美「断られましたわ……『志筑さんにはついていけそうもない』って……」

まどか「仁美ちゃん、元気出して……」

さやか「どんまい仁美。じゃ、次は私の番だね」



さやか「私、恭介が好きなの! お願い、私と付き合って!」

恭介「うん、いいよ……最近、さやかといると安心するんだ……」



さやか「やりぃ!」

まどか「おめでとう、さやかちゃん」

仁美「さやかさん……少し悔しいですが、私の分まで幸せになってくださいね」

さやか「というわけで大勝利を収めました」

QB「おめでとう。残る問題はワルプルギスの夜だけだね」

さやか「あぁ何だっけそれ? 聞いたことあるようなないような……」

QB「ワルプルギスの夜は超弩級の魔女さ。暁美ほむらはこいつを倒すためずっとループしてたんだ」

さやか「へー。まぁ転校生は役に立たないとしても、マミさんに杏子だっているし何とかなるよ」

さやか「それに……まどかを契約させたくない。まどかは、普通の女の子として生きてほしい」

QB「君は外道だと思ってたけど、まどかのことは心配するんだね」

さやか「当たり前じゃん! まどかは私の一番の親友だからね!」

さやか「私は……まどかを、恭介を、この街を……絶対、守ってみせる!」

まどか「とうとう、決戦だね……」

ほむら「大丈夫よまどか。あなたは私が守るから……」

さやか「てか何であんたがいるの? 避難所でスカートでも下ろしてた方がいいんじゃない?」

ほむら「む、昔は戦えたはずなのよ! 多分本当よ! あとその話は忘れなさい!」

マミ「そういえば佐倉さん、あの時以来あの妙な髪形見ないけど……」

杏子「あれは何かの間違いだ!」

ほむら「! 来たわ!」

さやか「よーし、あっという間に倒してやるんだから!」

さやか「大丈夫……まどかに契約なんか、させないからね!」

まどか「さやかちゃん、みんな……頑張って!」



ワルプル「アハハハハハハハハハハハ!」

さやか(あ、無理だわこれ)

マミ「何て強さなの……」

ほむら「くっ……駄目、歯が立たないわ……」

杏子「お前はまどかの近くをうろちょろしてただけだろ! ホント何しに来たんだよ!」

まどか「み、みんな……」

QB(さやか、どうする? ループするかい?)

さやか(いや……ループしてもどうせまた戦うことになるし、せっかく恭介も落とせたしループはしたくない)

さやか(だから……最後の手段を取るしかない)

QB(そ、それは一体……)

さやか(まどかに契約してもらう!)

QB(一番の親友をあっさり見捨てたぁーっ!)

杏子「どうする、このままじゃジリ貧だぞ……」

さやか「くぅっ……まどかが契約さえすれば楽勝なんだけど、そんなことさせないからね!」チラッ

まどか「み、みんな……」

ほむら「まどか、あなたは命にかえても私が……」

さやか「安心して! まどかが契約さえすればみんな助かるけど、そんなことさせないからね!」チラッ

まどか「ううっ、私のために……」

マミ「みんな、最後の最後まで諦めちゃ駄目よ!」

さやか「まどかは私の親友だよ……だから、まどかが契約さえすれば万事解決だけど、そんなことさせないからね!」チラッ

まどか「……もういい。もういいんだよ、みんな」

まどか「私、魔法少女になる!」

ほむら「ま、まどか!」

さやか「そんな! 駄目だよまどか!」

QB「さやか、君にはもはや感心すら覚えるよ」

QB「やれやれ、まぁ色々あったけどまどかが契約するなら結果オーライか。で、願い事は?」

まどか「全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で!」

QB「えぇーそんなの無理だよ……時間干渉なんてレベルじゃないし因果律そのものに対する反逆だし……」

まどか「今日まで戦ってきたみんなを泣かせたくない。最後まで笑顔でいてほしい」



さやか(ん? ちょっとまってキュゥべえ)

QB(どうしたんだい、さやか)

さやか(まどかの願いが叶ったらさ、まどかはどうなるの?)

QB(おそらく概念的な存在となるだろうね。全ての世界、時間軸に存在する神様のようなものに)

さやか(全ての時間軸……ってことは、まさか……私の今までの行動も……)

QB(もちろん全部バレるさ)

さやか(…………)



さやか「あわわわわわ! だ、駄目だよまどか! 本当に駄目だから!」

まどか「さあ、叶えてよインキュベーター!」

さやか「そ、そうだ! ループループ!」

QB「うおおおおおおお! あ、気合い入れたらできた」

さやか「おいてめぇ勝手に何してんじゃあああ!」

まどか「変身、魔法少女!」

ワルプル「アハハハハハハハハハハハ!」

まどか「もう誰も恨まなくていいんだよ。そんな姿になる前に、あなたは私が受け止めてあげるから」

杏子「ま、まどかは……」

マミ「行ってしまったわ……円環の理に導かれて……」

まどか(大丈夫だよみんな……私はいつでも、みんなのそばにいるから)

杏子「え!? 今、まどかの声が……」

ほむら「まどか! そこにいるの!?」

まどか(私には過去と未来の全てが見えるの。だからいくつもの時間でほむらちゃんが頑張ってくれたことも知ってるよ)

ほむら「何のことだか全然わからないけどありがとうまどか!」

まどか(マミさんも杏子ちゃんも本当にありがとう……みんな、私の最高の友達だよ)

まどか(私のことは忘れちゃうかもしれないけど、私はずっとみんなを見守っているよ……)

杏子「まどか……」

マミ「鹿目さん……」

さやか「な、何はともあれワルプルギスを倒せてよかったね! さーて帰ろうか!」



まどか(あ、さやかちゃんには後で話があります)

さやか「」

QB「なるほどね……確かに君の話は一つの仮説としては成り立つ。証明しようがないけどね」

QB「そして君は罰として、しばらくの間みんなの分まで魔獣を狩らなくてはならなくなった、と」

さやか「そうしないと私の今までの行動をみんなに夢の中でバラすって……」

さやか「しかも転校生の分はずっとやらなくちゃいけないし……」

まどか(当然だよ。まったく、ひどすぎるよさやかちゃん)

さやか(ふえぇ~ごめんなさい~)

QB「さ、魔獣を倒しに行こうか。さやか」



さやか「はぁはぁ……つ、疲れた……」

杏子「お疲れ。しかし本当に一人でいいのか? 別にあたし達も戦ってもいいんだけど」

マミ「というかソウルジェムは大丈夫なの?」

さやか「ま、まどかが……円環パワーで……何とかしてくれるってさ……」

杏子「なんだそりゃ……」

QB「あ、あっちでまた魔獣の反応が。さやか、もうひと踏ん張りだよ」

さやか「も、もう勘弁してー!」

マミ「来たわよ!」

ほむら「フレー、フレー、さ・や・か」

杏子「だからお前は何でいるんだよ!」

まどか(ファイトファイト。戦いの時だけは時間停止使っていいからね)

さやか(うぅ~、何で私がこんな目に……)

まどか(自業自得だよ。ほら、明日は上條くんとデートでしょ。やる気だして)

さやか(はぁ……これから先しばらくこんな毎日か……)

まどか(さやかちゃんが悪いことしないかどうか、いつも見てるからね)

さやか(へいへい、分かりましたよ……ま、ずっとまどかと一緒ってのも悪くないかもね)

まどか(ティヒヒ、だって私達は親友だもん!)

さやか「ぜぇぜぇ……ま、魔法少女さやかちゃん……きょ、今日も戦います……」



END

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月15日 (火) 23:08:18   ID: Evfyewev

tylf7おゆl

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