短いです
キャラ崩壊してても、懐かしいなぁこんなキャラいたなぁといった
温かい目で見てもらえれば助かります
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祐一「おはようございます………」
秋子「おはようございます、祐一さん」
秋子「今朝は遅いですね」
祐一「名雪が朝練らしくて……」
祐一「名雪を起こして、それで二度寝してしまったので」
秋子「そうなんですか。いつもすみませんね」
祐一「真琴ももう行ってますね。確か日直だったし」
秋子「そうですね。いつもは騒がしいですが、二人きりってのもなんだか新鮮ですね」
祐一「え? ええぇ、まぁ…」
祐一(な、何をいきなり……)
秋子「それはそうと、祐一さん。朝ごはん、食べますよね」
祐一「あ、はい。いただきます」
秋子「コーヒーと紅茶、どちらが良いですか?」
祐一「コーヒーで。眠くてしゃーないです…」
秋子「かしこまりました」
祐一(ほんと、一人で登校するの、久しぶりだな…)
祐一(そう言えば、もうすぐ夏だな…)
祐一(佐祐理も誘って、みんなで遊ぼう。忙しいかね)
秋子「お待たせいたしました、祐一さん」
祐一「どうも」
祐一(バターバター…)
祐一「……ん?」
秋子「どうされました?」
祐一「…いえ」
祐一(なんでこれ見よがしに変な色のジャムが…)
秋子「そうでした、祐一さん」
秋子「また新作のジャムを作ったんですよ」
秋子「こんなジャムなんて、どうかしら?」
祐一(まるで今気づいたように言ったな!?)
祐一「あー…もう、バター塗っちゃったんで…」
秋子「そうですか…それでは、小分けにしますので、お友達にプレゼントしてください」
祐一「それって罰ゲーム…あぁいやっ!」
祐一「わ、分かりましたよ…」
秋子「はい、どうぞ」
祐一「えぇ…」
秋子「いい天気」
秋子「今日は、とてもいい日になると良いですね」
祐一(このジャムを渡された時点で…もう…)
続きはよ
懐かしすぎる、期待してる
この祐一のイメージCVは杉田智和(京アニ版)?それとも、私市淳(東映版)?
>>10
私的には私市さんですが お好きにイメージしてくださいね
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通学路
祐一「ふぅ………あ、あれは」
祐一「おう、栞」
栞「あ! ゆ、祐一さん!」
祐一「おう、祐一さんだぞ。一人か?」
栞「あ…はい。お姉ちゃん、風邪で…」
祐一「そうか……じゃあ、一緒に行くか」
栞「はい!」
栞(本当は、祐一さんを待ち伏せしてたんですけどね!)
栞「えへへへへへへへ」
祐一「? …楽しそうだな」
懐かしい
ラジオ水瀬さんち聴いてたなあ
なんかPCの調子悪いな……書き込めてるかな?
栞「それでですね、お姉ちゃんってば、アイス食べすぎて」
祐一「ははは…香里らしい」
栞「私の分まで食べた罰が当たったんですね」
祐一「なるほど…あ、そうだ」
祐一「栞、これあげるわ」
栞「祐一さんからのプレゼント!なんですか!」
祐一「いや、俺からじゃなく、秋子さんに持たされたもんだけど」
栞「…………なんですかこの禍々しい色…」
祐一「だよなぁ」
栞「……どうしましょう」
祐一「香里へのお見舞いってことで」
栞「えー………」
栞「まぁ、ありがとうございます」
祐一「おう。あと、秋子さんが作ったのだし、何か効能があるかもしれんしな」
栞「え、効能?」
祐一「秋子さん、年齢は分からんけど、まだすごい若々しいからな」
祐一「きっと、こーゆージャムに秘密が隠されてるに違いない」
栞「食べます!私!!」
祐一「だろ?欲しくなった?」
栞「ありがとうございます!」
栞「お礼と言ってはなんですが…これ、どうぞ」
祐一「何これ?栄養ドリンク?」
栞「あっはい。薬局のおまけですが」
祐一「ふ〜ん…サンキューな」
栞「はい!」
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教室
祐一「うっす。北川」
北川「おう、相沢」
祐一「おはよう、名雪」
名雪「くー…」
祐一「……」
北川「水瀬なら、教室に戻ってくるなり寝たぞ」
名雪「んにゅ……ゆーいち……?」
祐一「起きろ。もう授業始まるぞ」
名雪「うにゅ〜………眠いお〜」
祐一「起きろ!受験生なのに、お前は…」
名雪「くー」
祐一「名雪!」
名雪「うにゅ〜…くー……」
祐一「はー……」
北川「水瀬のやつ、お前が毎晩なんかしてるせいで起きないんじゃないか?」
祐一「適当な事言うな!」
名雪「くー……」
祐一「ってかもう石橋来るぞ!起きろ!」
名雪「くー……」
名雪「……………おはようのキス………」
北川「!?」
北川「やっぱり相沢、お前!」
祐一「してねーよ!!」
祐一「だーもう、あ、そうだ……」
祐一「名雪、これでも飲め」
名雪「んー……?」
祐一「栄養ドリンクだ」
祐一「眼も覚めるだろ?多分」
名雪「うん……飲むー……」
名雪「ありがと、祐一……」
祐一「おう」
名雪「お礼に、これあげるおー」
祐一「なんだこれ」
名雪「スポーツドリンクー…」
祐一「お、おう…」
祐一「って!しかも残り少ないし!」
名雪「ごめんね、私の飲みかけ…………」
名雪「でも………私と間接キスになるおー」
祐一「それは全然気にしないけど」
祐一「……そうか、なるほど」
北川「どうした?」
祐一「こいつ後輩からの人気高いからな」
祐一「後輩に売りつけてやろう」
北川「うっわ!最低だなお前」
祐一「はっはっはっはっはっは!何とでも言え!」
名雪「ひどいよ祐一〜…」ぎゅっ
祐一「うぉ!?いや、冗談だって」
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授業中
祐一(……………)
祐一(……!あの、校舎裏に居るのは…もしや)
名雪(祐一?)
祐一(…いや、なんでもないぞ)
名雪可愛いなあ
正義ジャムに……残虐ジャム……
悪魔ジャムに……完璧ジャム……
校舎裏
祐一「よう。やっぱり舞か」
舞「祐一」
祐一「大学はどうした?ってか何やってんだこんなとこで」
舞「猫さんがいる」
祐一「ん?猫……あ」
舞「このへんで見かけた猫。この学校に住みついていた」
舞「猫さんに、ご飯を持って行ってる」
祐一「で、大学は?」
舞「出席日数足りないと分かったから」
祐一「…休んだのか」
舞「一般教養だから大丈夫」
祐一「あぁそう……」
祐一「バイトは?」
舞「終わってから行く」
祐一「そっか」
舞「猫さんにご飯あげたから私もご飯食べる」
祐一「佐祐理と食わんのか?」
舞「佐祐理は普通に授業。私はバイトだから、今食べておく」
祐一「どこだっけ?」
舞「牛丼屋」
祐一「つまみ食いしてないだろうな?」
舞「大丈夫。少しならばれない」
祐一「…いやすんなよ」
舞「みまみま」
祐一「それ佐祐理の弁当だな?」
舞「うん」
祐一「最近食ってないなぁ…いいなぁ」
舞「あげない」
祐一「えー…まぁ食いに行けばいい話だけど」
舞「佐祐理が寂しがってるから会いに来て」
祐一「はいはい」
舞「……!」
舞「………………!!」
祐一「あれ?どした?」
舞「ひくっ……、………!」
祐一「あ、水?持ってきてないのか?」
舞「………!」こくこく
祐一「何やってんだよ…」
祐一「ほら、スポーツドリンクだけど」
舞「……」ごくごくごくごく
祐一「大丈夫か?」
舞「うん」
祐一「そりゃよかったな」
舞「…………」じーっ
祐一「……………なんだ?」
舞「祐一と間接キス……」
祐一「残念だったな。そりゃ名雪のだ」
舞「そう……」
祐一「いや、落ち込まんでも」
舞「落ち込んでなんかいない」
祐一「そうかい」
祐一「さてっ、と……俺はもう授業だし行くけど」
舞「うん」
祐一「佐祐理にもよろしく言っといてくれ」
舞「………待って」
祐一「ん?」
舞「お礼」
祐一「水の?いいよ、それ貰いもんだし」
舞「それでも。祐一」
舞「これ、あげる」
祐一「!? なんだこれ!?」
舞「脇差」
このわらしべ長者の行きつく所は何処?
祐一は佐祐理さんのことさん付けで呼んでた気が
>>39
佐祐理さんと一歩前進した仲になり、呼び捨てするようになった…
っていうことで。
設定的にはALLエンドなので
祐一「なんでこんなの持ち歩いてんだよ!!」
舞「私の剣の脇差。私にはもう必要ないから」
祐一「いや………ってか、お前二刀流だっけ?」
舞「………? 脇差は二刀流の為に使うものじゃない」
祐一「あれ?そうなの?」
舞「刃が欠けた時に使う。でも、結局使わなかった」
祐一「……これを受け取れと?」
舞「うん……最近は物騒だから」
祐一「お前みたいなんがいるから物騒なんじゃないかな………………」
舞「そんなことない」
祐一「ってか、法律に違反してるし…まぁいいか」
祐一「サンキューな、舞」
舞「うん」
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祐一「さて……今日は午前中で終わりか」
祐一「名雪ー、今日も部活か?」
名雪「えっ!?う、うん」
祐一「そうか、じゃあしゃぁないか。じゃあ一人で帰るわ」
北川「相沢、帰るのか?じゃあ一緒に美坂の家……」
祐一「じゃあなー」
北川「ちょ、ちょっと待てって!おい!」
商店街
祐一「そういや、本屋に行かなきゃならんかった」
祐一「相変わらず分かりにくい場所にあるよな…まったく」
祐一「………ん?」
あゆ「どいてどいて〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
祐一「………………」
あゆ「あ、祐一くん!」
祐一「誰ですか?それは」
祐一「俺に泥棒の知り合いなんて居ないんですが……」
あゆ「ゆ、ゆ祐一くんでしょ!助けて!追われてるんだよ!」
祐一「また食い逃げか……」
あゆ「うぐぅ……なんでそんな事言うんだよ!」
祐一「両手いっぱいにたい焼きの袋抱えて言う事か!」
おやじ「おーーーーーーーーい!!」
祐一「あ、来たぞ。自首しろ自首」
あゆ「うぐぅ……ちょっとお金が足りなかっただけだよぉ……」
祐一「何の言い訳にもなっとらんがな…」
あゆ「ゆゆゆゆゆういっちくん、どうしよっ」
祐一「だから自首しろって」
あゆ「ななななんとかなんないの!?」
祐一「その羽根で飛べへんのか?」
あゆ「うぐぅ……無茶苦茶だよぉ……」
祐一(生霊だったこともあったのによく言う……)
おやじ「こらああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
あゆ「どどどうしよっ!なんかないの!?」
祐一「ないって……」
あゆ「あ、祐一くん!いいの持ってる!!」
祐一「ん?」
あゆ「借りるよ!」
祐一「え?お前一体何を」
祐一「っておい!脇差っ……!」
祐一「お前そりゃマジでヤバい!!待て!!」
あゆ「さぁ!!どっからでもかかって来て!!」
ブンブンブンブンッ
あゆ「さあさあさあ!!!!!」
ブンッッッッ!!
祐一「うわぁ………」
おやじ「ひいいいいいい!?」
おやじ「う、うわああぁぁぁぁぁ!!」
祐一「……退散した………」
あゆ「ふぅ……危なかったよぉ」
祐一「てめぇ………とうとう山賊になり下がりやがったか」
あゆ「山賊ってなんだよぉ!」
祐一「武力で物を強奪してるんじゃ賊と同じだ!」
あゆ「うぐぅ…………」
祐一「警察来るかもしれんし俺逃げるわ……」
あゆ「ま、待って!これ……」
祐一「いや、たい焼き受け取ったら俺も共犯になりそう」
祐一「ってか、凶器化した時点でもう共犯っぽい……」
あゆ「いいから!ほら!」
祐一「いや、要らない!!やめろ!!」
↑ ×化した ○貸した
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———————
祐一「押しつけられてしまった……どうしよう」
祐一「捨てるのもあれだな……」
祐一「捨て犬とか野良犬とか居ないかな……」
真琴「ゆーいちーーーーーっ!」
祐一「真琴?」
真琴「何してんのっ」ぎゅーっ
祐一「いや、本屋に行く途中だったんだ」
真琴「そうなんだ」
祐一「そしたら山賊に襲われたんだ」
真琴「山賊?」
祐一「そー、山賊」
真琴「ふーん……?」
祐一「真琴は何やってるんだ?」
真琴「え?あー」
真琴「新発売の中華まん買ったの」
真琴「いっしょに食べよ?」
祐一「おっ。じゃあ飲み物買って来るわ」
真琴「うん!」
見てるで
期待
公園
祐一「はい。ココアでよかったか?」
真琴「うん!」
祐一「あ、そうだ。たい焼きもあるぞ」
真琴「たい焼き……?」
真琴「あゆにあげたら?」
祐一「あゆから貰ったんだ。俺は要らんから」
真琴「ふーん」
そういや記憶喪失の話って完結したの?
>>58
私が入院している間に落ちてしまいました…
また改めて立てようかなと思います
祐一「で、新発売の中華まんってのは?」
真琴「えーと」がさがさ
真琴「抹茶まん、いちごジャムまん、石狩鍋まん……」
祐一「色ものばっかや…………なんや石狩鍋て…」
真琴「そうね」
祐一「どういう意図なんだろう…」
祐一「じゃ俺は石狩鍋をもらう」
真琴「祐一石狩鍋好きだもんねー」
祐一「おう」
真琴「真琴はいちごジャムを……うーん」
真琴「んー……これ、はずれかなぁ」
祐一「毎朝誰かさんが食ってるの見てるからじゃね?」
真琴「あはは、そうかしらね?」
祐一「学校はどうだ?」
真琴「楽しいかって?普通かなぁー」
祐一「普通か」
真琴「うん。あゆと栞がいっしょのクラスなんだけど。あむ……」
真琴「おかげで退屈はしないわね」
祐一「あゆが一緒だとな。お、石狩鍋うめぇ」
祐一「ってか、栞ダブったんだよな…」
真琴「仕方ないわよ。ってか、復学出来てよかったわよね」
祐一「本当、そうだよな。まぁ、それは真琴も、あゆもだ」
真琴「うん」
祐一「元気になってよかったよ。本当に…」
祐一(あの丘で真琴を見つけた時、どれだけ嬉しかったか)
真琴「あと、なんか男子がすごい話しかけてきてうざいわ」
祐一「ふーん、そうなん」
真琴「祐一は心配しないの?」
祐一「誰と付き合うかってか?恋愛は自由にしなよ」
真琴「そ、そんなんじゃないってば。だから、祐一が……」
祐一「いや、そう言う事だったりするんじゃないか?」
祐一「真琴はかわいいからな」なでなで
真琴「あ……、ん……♪」
真琴「うん。外れだったわね」
祐一「石狩鍋はおいしかったぞ」
真琴「そうね。あ、これ、残りあげるわ」
祐一「抹茶まん……」
真琴「多く買っちゃったのよ」
祐一「そうか。じゃあ貰っとくよ」
真琴「うん。じゃ、真琴帰るね」
祐一「おう。気をつけて帰れよー」
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本屋
祐一「なんかすごい時間食ったような気がするぞ……」
祐一「さっさと買って帰ろう」
祐一「で、どれだっけ。参考書……」
祐一「ってか。なんで理系なのにセンター試験には国語があるんだろう」
祐一「ってか、何が楽しくて1000年以上前の文章を読まなきゃならんのだ」
祐一「土佐日記ってなんだよ。なんで古人のネカマブログなんて読まなきゃならないんだよ……」
美汐「相沢さんは古文がお嫌いですか?」
祐一「嫌いだよ。何て言うか。これからの時代、役に立つのか?」
美汐「と、言うと?」
祐一「たんなる一高校生の戯言だけど」
祐一「英語とかは役立つんだろうけどさ。古文は……って」
祐一「天野!?」
美汐「こんにちは。相沢さん」
祐一「お、お前……いつから………」
美汐「相沢さんがセンター試験の悪口を言ってた件からです」
祐一「最初からか……」
祐一「って!俺声に出てた!?」
美汐「はい。ばっちり」
美汐「相沢さんは参考書を買いにいらっしゃったんですか?」
祐一「ああ。天野は…?」
美汐「私もです。参考書と、あと少女漫画を」
祐一「そうか」
美汐「……運命ですね!」
祐一「言うと思った……」
水瀬さんちの天野か。「棒読みなら任せとけー」なあの人の声で脳内再生余裕
祐一「ってか、まだ2年なんだから早くないか」
美汐「そんなことありませんよ」
美汐「今から始めている方もいらっしゃいますし」
祐一「そうかぁー?」
美汐「えぇ。相沢さん、大学に合格したらまた家庭教師をしてくださいますか?」
祐一「また天野の家でか?……気が向いたらな」
美汐「ふふ。楽しみにしていますね」
美汐「それはそうと、手に持っていらっしゃるのは何ですか?」
祐一「あ、これ?」
祐一「新発売とか言う…なんだっけ」
祐一「あぁ、抹茶まん、だっけか」
美汐「え!本当ですか!」
祐一「ん?」
美汐「先程コンビニに言ったら売り切れていたのですが…」
美汐「相沢さんが買われていたのですね」
祐一「や、俺じゃなくて真琴だ」
美汐「そうだったんですか……私、抹茶が好きで買おうとしていたのですが…」
祐一「そうなのか?じゃあ、残り物だけどあげるよ」
美汐「え!よろしいのですか?」
祐一「おう」
美汐「ありがとうございます…!」
美汐「それでは」
美汐「あーーーーん」
祐一「…………え」
美汐「あーーーーん。してください、相沢さん」
祐一「…口に放り込めと?」
美汐「違います!もう、分からないお人……」
美汐「こう、私の隣に座ってですね」
美汐「あ、こちらです。お座り下さい」
祐一「…おう」
美汐「ちょっとずつ、こうちぎってですねぇ」
祐一「めんどいなお前はぁ!」
美汐「あーーーーーん」
祐一「あーもう!分かったよ!」
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美汐「ごちそうさまでした」
祐一「おそまつさまでした……ったく」
美汐「ありがとうございます。相沢さん。ふふ……」
祐一(変な目で見られてたじゃないか……)
美汐「お礼と言ってはなんですが……」
祐一「いや。いいよ」
美汐「そんなこと言わずに。受け取ってください」
祐一「え、これ、さっき買った少女漫画じゃないのか?」
美汐「違いますよ。これは、読み終わった方です」
祐一「あ、そうなのか?」
美汐「はい。面白いので、是非読んでみてください!」
祐一「お、おう……」
美汐「はぁっ……私と相沢さんも、この漫画のような恋が出来れば…♪」
祐一「…金色夜叉みたいなのが好きか」
美汐「そうです!あぁ!」
美汐「祐一さん!あぁ…美汐さんっ……」
美汐「そして二人はっ、お互いの眼を見つめ、腰に手を……」
祐一「寸劇始めんな!………もう放って行こう。注目浴びちまうし…」
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祐一「さて……参考書買ったし。これ、どうしよう」
祐一「少女漫画なんか読まないしなぁ」
祐一「えーっと……」
祐一「あ、そうだ。香里んとこ行こう」
祐一「あのジャム食ったら死にそうだしな。さすがに」
祐一「ちゃんとしたお見舞いでも持って行ってやるか」
祐一「あと、暇でもしてるだろうしな」
祐一「…そうと決まれば、缶詰とスポーツドリンクでも買っていくか」
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栞「おかえりなさいませ、祐一さん」
祐一「おう……って、おかえりなさいって」
栞「いずれは私たちの愛の巣になるんですよ!今のはその練習です♪」
祐一「栞、結婚しても家を出ないのか?」
栞「そ、そうですよね!」
栞「祐一さんと私の、憧れのマイホーム……はぁ」
栞「祐一さん。がんばって稼いでくださいね♪」
祐一「…で、栞は働かんのか……?」
祐一「冗談はそれくらいにして、香里は?」
栞「冗談!?……え?お姉ちゃんに用なんですか?」
祐一「ああ。風邪なんだよな。見舞い」
祐一「あと、あのジャムどうした?」
栞「……ちょっと匂って、ちょっと食べてから捨てました」
栞「ごめんなさい…」
祐一「いや、全然気にする事ないよ、栞」
祐一「押しつけちゃってごめんな。はい、栞にはアイス買ってきた」
栞「あっ!ありがとうございます!」
栞「祐一さん、お姉ちゃんは部屋にいますので、どうぞ」
祐一「え、いいの?勝手に入って」
栞「う〜ん…祐一さんならいいんじゃないですか?」
栞「北川さんならアレですけど」
祐一「アレって………まぁ入らせてもらうよ」
祐一「香里〜」
ガチャ
香里「あら。相沢くん」
香里「って。ノックしなさいよ!」
祐一「あ、そうだったな。失礼」
香里「で、どうかしたの?」
祐一「ん?いや。単なる見舞いだ」
香里「そう?どういう風の吹きまわしかしら」
祐一「いや、まぁ。死んでないかなと思って見に来た」
香里「ちょ、縁起でもないわね!」
祐一「いや、割とマジだったんだが……」
祐一「あ、退屈してるだろうと思って少女漫画持って来たぞ」
香里「え?」
香里「ど、どうして相沢くんが少女漫画を」
祐一「ん?いや、ちょっと貰い物だ」
香里「ふ、ふ〜ん……」
祐一「あと、缶詰と、スポーツドリンク」
香里「あ、ありがと……」
祐一「なんか、弱ってる香里ってのも、珍しいな」
香里「そっそんなこと……」
祐一「一回しか見たことなかった」
祐一「あ、食べさせてやろうか?」
香里「えっ!?い、いいわよ」
祐一「遠慮すんなって」
香里「もう……」
—————————————
———————
祐一「さて、俺、そろそろ帰るわ」
香里「え、もう…?」
祐一「ん。いや、長居しちまったしな」
祐一「あ、タオル。替えてきてやるよ」
栞「あ、祐一さん…」
祐一「栞。替えのタオル無いか?」
栞「え?あ、あちらです」
祐一「おう」
栞「あの……祐一さん。晩ご飯食べて行かれます?」
祐一「いや、今日は秋子さん待ってるだろうし。気持ちだけもらっとくよ」
栞「そうですか……」
祐一「また今度呼んでくれよ」
栞「はい!絶対来てくださいね」
ガチャ
祐一「香里。ほい、変えの」
香里「あ、ありがと……」
祐一「んじゃま、帰るわ。お大事に」
香里「あのさ……相沢くん」
祐一「ん?」
香里「……今日来たのって」
祐一「うん………?」
香里「………………やっぱなんでもないわ」
祐一「……?おう」
———————————————————
———————————
祐一「さて……帰るとするか」
祐一「………あれ?鞄に何か?」
祐一「って。タオル。持って来ちまった」
祐一「明日返すとするか」
北川「ん?相沢?」
北川「おーい!相沢ーーー」
北川「お前。帰ったんじゃなかったのか?」
祐一「ん…北川。ちょっと寄り道してただけだ」
北川「寄り道…俺も呼んでくれよ〜」
北川「どこ行ってたんだ?」
祐一「香里んち」
北川「ってめぇ!ずりぃぞ!!」
祐一「……何がだ?」
面白いしえん
北川「くっそぉ……美坂の家……」
祐一「…いや、お前行けばいいだろうに」
北川「!? おっ、おお俺一人でか!?」
祐一「そうだ!」
祐一(なんだこの馬鹿は……)
北川と香里の関係好きやわ
筋肉
祐一「…で、お前は何してんだ」
北川「ん?あぁ、CD屋に行って来た」
祐一「なんだこれ。ドクロマークばっか」
北川「最近デスメタルにはまっててな…」
祐一(……この歳で厨二か…北川)
北川「あれ?お前手に何持ってんだ?」
祐一「ん?あぁこれ、間違えて持って来ちまった」
北川「ん?タオル………?」
祐一「香里が使ってたやつ」
北川「それをよこせえええぇぇぇぇぇ!!」
祐一(うわぁ……………)
うわぁ……
祐一「まぁいいや。やるよ」
北川「おお恩に着るぜ親友!!」
祐一(…親友って思われたくねぇ。なんでだ…)
北川「お礼にこのCDやるぜ!」
祐一「うっわ。いらねぇ…」
北川「いらねぇなんて言うな!」
祐一「誰がこんなの聴くんだよ……」
北川「いや、意外にいいもんだって。聴いてみろよ」
祐一「はぁ……お前は…」
北川「さっそく俺はこれを持ち帰って」
祐一「だああぁぁぁっ言うな!!聞きたくない!!」
———————————————————————
————————————
祐一「中古のCDショップはないだろうか。ここへんに」
祐一「こんなCDでも、20円くらいで受け取ってもらえるだろう」
祐一「もし無理なら野良ネコよけに使おう。うん」
七瀬「CDはカラス避けじゃないの。相沢」
祐一「ん?七瀬?」
七瀬「なんか独りで喋ってる危ない人がいるかと思ったらあんただったのね」
祐一「…………俺、また声に……」
七瀬「出てたわ。ばっちり」
祐一「この癖なくしたい……」
七瀬「そうね。いつかトラブルになりそうだわ」
祐一「七瀬は何やってんだ?」
七瀬「ちょっと野暮用。あれ?あんた何持ってんの?」
祐一「ん?………!」
祐一「そうだ。これ、七瀬にぴったりだった。七瀬にやるよ」
七瀬「はぁ?」
祐一「これ。デスメタルのCD」
祐一「ほら。いかにも男らしいお前のテーマとして……」
祐一「ど、どうしたんだ?頭抱えて」
七瀬「ううん……まったく同じセリフを言われた事があるの」
祐一「ふぅん?」
七瀬「ひんっ……もう。頭いたい」
七瀬「あんたも。こんな厨二くさいの買わないの」
七瀬「こんな一発ネタだけのために…」
七瀬「あいつじゃあるまいし…」
祐一「いや、北川から貰ったんだ」
七瀬ってKanonにも出てたのか
七瀬「北川って、美坂の事好きな男子?」
祐一「おう……って、お前も知ってるのか…」
七瀬「知ってるも何も、分かるわよ。あんなあからさまな…」
七瀬「それで、あんたはあんたで、女の子の気持ちに気付いてあげてないし」
祐一「っな!?そんなこと……」
七瀬「あるの。まったく、あいつを思い出すわ…」
キャラがwww
うほ
七瀬「おせっかいかもしれないけど………あんた女の子の気持ち、あんた分かってないわ」
七瀬「もうそろそろ、あんたも腰を落ち着けなさい」
七瀬「これ。あげるわ」
祐一「遊園地の……チケット?」
七瀬「そ。知り合いが用事で予定狂ったし返そうと思ったんだけど」
七瀬「これ、あんたにあげる。これで誰か誘って告白でもしたら?」
祐一「こ、告白だって!?」
うむ
はよ
七瀬「いい加減に」
祐一「で、でも、いきなり告白だなんてっ」
七瀬「全然いきなりじゃないじゃない!はぁ……」
七瀬「あ、そのCDと交換でいいわ」
祐一「いや、ちょっ……」
七瀬「ほら。行った行った。誰か誘って来なさいな」
————————————————
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祐一「七瀬……」
祐一「誰かに決めろ、か……」
祐一「………」
祐一「…………」
祐一「…………………」
祐一「………分かってる。みんなが俺に……好意を抱いてくれているのは…」
祐一「…………」
祐一「でも………俺はそれで、どうすればいいか分からなかった」
祐一「…だけど、いい加減、はっきりさせた方が良いんだな………」
祐一「いつまでも、俺がこんな態度なら、失礼だな……うん」
祐一「…………」
祐一「…………」
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駅前
佐祐理「あれ……」
佐祐理「あ、祐一さんっ」
祐一「佐祐理!大学の帰りか?」
佐祐理「はい。祐一さん、奇遇ですね〜」
佐祐理「えーと、あの……誰かと待ち合わせですか?」
祐一「え?まぁ、そんなとこかな」
佐祐理「え……やっぱり。そうなんですか」
佐祐理「それで……その……」
佐祐理「その方は………女のひとですか?」
祐一「ん?……おう」
佐祐理「そうですか……」
祐一(俯く佐祐理……)
佐祐理「…………それでは…………佐祐理、もう行きますね」
佐祐理(祐一さんが女の人と一緒に歩いているとこ、見たくないですし………)
祐一「え、なんで?」
佐祐理「ふぇー……その…………」
祐一「俺が待ってた相手、佐祐理なんだけど」
佐祐理「ふぇ?」
佐祐理「さ、佐祐理をですか?」ぱぁぁ
祐一「……おう」
佐祐理「あっあの!えっと。ふぇー………」
佐祐理「あの…佐祐理に何か用ですか……?」
佐祐理(ま、まさか、デートの約束………?)
佐祐理(でも、祐一さん鈍感ですから………)
佐祐理(そんな事、あるわけないですよね……………)
祐一「あのさ。佐祐理」
佐祐理「はい」
祐一「その……えっと」
祐一「……………」
佐祐理「………?」
祐一「今度の日曜さ。その……」
佐祐理「えっ………」
祐一「日曜さ。暇?」
佐祐理「っ!!」
っ!!
佐祐理「ふぇ〜……」
佐祐理「あ、あの、それって……」
祐一「で、デート……………しないか、佐祐理?」
佐祐理「………………!」
佐祐理「祐一さん……!」
佐祐理「………はいっ!喜んで!!」
なんか佐祐理さんが喋ってる姿を想像したら涙が・・・
祐一「…良かった。断られたらどうしようかと……」
佐祐理「そんなことっ!!佐祐理は、祐一さんが大好きだから、何だって……」
佐祐理「って!違います! 大好きってのは!えぇっと…………」
佐祐理「でっでもでも、、、別に違うってことでもなくてですね……」
佐祐理「はえ〜………」かぁぁぁ
祐一「佐祐理、落ち着け」
佐祐理さんきゃわいい
佐祐理「でもでも!」
佐祐理「祐一さんから誘ってもらえるなんて、佐祐理、夢みたいですー……」
佐祐理「佐祐理、本当にうれしいんですよ〜………」ぽー
祐一「お、おう」
祐一(こんなに喜んでくれるとは…)
佐祐理「佐祐理、楽しみにしてますね!祐一さん」
祐一「おう!えっとそれじゃあ、日曜、10時駅前でいいか?」
佐祐理「ええ!」
祐一「それじゃ。家まで送ってくよ」
佐祐理「……は、はい……ありがとうございます」
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祐一「…………」
佐祐理「あ!祐一さん」
祐一「おう、祐一さんだぞ」
佐祐理「あははー………………えっと」
祐一「ん?」
佐祐理「その…」
祐一「あぁっ。…………うん」
祐一「似合ってるよ、佐祐理」
佐祐理「!」
佐祐理「ふぇ〜……あ、ありがとうございます……」
佐祐理「ゆ、祐一さんも……」
祐一「うん」
祐一「それじゃ、行こっか」
佐祐理「はい…………」
佐祐理「あ、あの、祐一さん」
佐祐理「手、繋いでもいいですか…………?」
祐一「(佐祐理の上目使い……)お、おう。いいぞ」
佐祐理「あ………佐祐理、嬉しいです…」
佐祐理「えっと、どっちから行けば良いんでしたっけ」
祐一「ん…?二番線からだな」
佐祐理「あ、こっちですね」
祐一「おう……佐祐理?」
佐祐理「なんですか?」
祐一「切符買うからちょっと手、離して…」
佐祐理「ふぇ〜…祐一さん、佐祐理と手をつなぐの、ヤですかぁ?」
祐一「いや、むしろ全然です!」
佐祐理「なら、良いですよね♪」
祐一(佐祐理、楽しそうだな……)
祐一(今日は、思いっきり楽しもう。そして……………)
祐一(昨日一晩中考えた言葉を、佐祐理に伝えよう)
祐一(これからもずっと、佐祐理と笑顔で過ごすために)
これでおしまいです
他の方々がこれを見てKanon思い出してもらえれば幸いです
KanonかONEのSSが増えてくれることを祈っています
へび
乙です
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