舞「買い物に行くわよ」小鳥「はーい」 (24)


小鳥「……」

小鳥「けーたいとりだし……」ポパピプペ

小鳥「舞さん、まだですか?」

舞『ごめん、今から家出るわ』

小鳥「早くしてくださいね。ナンパされちゃいますよ?」

舞『ゆっくり行ってあげよっか?』

小鳥「早くしてください」ピッ

小鳥「……」手帳ピラピラ

小鳥「今年は……」

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―――
――


舞「お待たせー」ブンブン

小鳥「私も今来たところですよ」

舞「電話かけてきたくせに何を」

小鳥「だったら早く、時間通りに来てください。誘ったのは舞さんでしょう?」

舞「OK出したのは小鳥だもん」

小鳥「へぇ」

舞「ごめん」

小鳥「けど遅れた理由は想像つく私なのでした」

舞「はずれろ」

小鳥「十中八九、大当たりだと思いますよ」エヘン

舞「むー」



小鳥「さて、何を買いに行くんですか?」

舞「まず食べよ。その辺ぶらっと入って」

小鳥「お寿司以外でお願いします」

舞「嫌いになったか?」

小鳥「私の中の舞さんと寿司の関連性を断ち切りたいんですよ」

舞「あんまり洒落た店には入らないわよ」

小鳥「庶民派ですか?」

舞「お蕎麦美味しいじゃない」

小鳥「お蕎麦のトップアイドル」

舞「まぁ、そばにいるわね」

小鳥「舞さんって物理的に距離近いですよね」

舞「嫌だっけ?」


―――
――


舞「来た」パチンッ

小鳥「蕎麦ですねー」パチンッ

舞「いただきます」ペコッ

小鳥「っと、いただきます」ペコッ

舞「一人暮らしでもいただきます、ごちそうさまぐらいはちゃんと言いなさい。ただいまもいってきますも」

小鳥「お恥ずかしいところを」

舞「七味いる?」

小鳥「」サッ

舞「なぜ遠ざけたか言ってみなさい」

小鳥「ブワーッとかけられると思いました。バサバサーって」

舞「食べ物が勿体無いでしょう。そんなことしないわよ」

小鳥「ごはん山盛り太郎とか作ってるくせに」

舞「あれはあれで大変なのよ?」パッパッ



小鳥「そうだ。太郎でいいんじゃないんですか?」

舞「嫌よ」


小鳥「最初は力入れるのに、日々続くと適当になるものってあるじゃないですか。今日もあれでいいやみたいな」

舞「今日から朝食のチェックでもしてあげよっか?」

小鳥「ちゃんと食べてますよ」

舞「ならいいわ」

小鳥「舞さん、そろそろ本番」

舞「アイドル舞ちゃんに華麗にチェンジね」

小鳥「主婦舞ちゃんでいいんですよ」

舞「せっかくだから、もうちょっと舞ちゃんと遊んでもいいのよ?」

小鳥「はい、はい。時間は限られているんですから、本題本題」

―――
――


小鳥「本とは知的な」

舞「素敵でしょう」

小鳥「けど似合いませんよね」

舞「まだ、ね」

小鳥「楽譜は?」

舞「家に仕事を持ち込みたくないわ」

小鳥「ギター」

舞「かっこよくできると思ったんだけど……」

小鳥「結果は見えてますね」

舞「というか、そんな大それたものを買いに来たわけじゃないわ」


舞「一番最初に思ったのはね」

小鳥「はい」

舞「段々揃っていく系」

小鳥「ああ、分かります。私もやってみたいです」

小鳥「……やってみたいです」

舞「よしよし」ナデナデ

小鳥「」グスン

舞「ちょっと待って」ピタッ

小鳥「待ったなし」

舞「……前がたしか……その前は……」

小鳥「」ピヨピヨ



舞「やってるじゃん」

小鳥「待ったなしですってば」

舞「綺麗に機器が揃ってくと思ったらそういう魂胆だったのね」

小鳥「ほら、舞さん! あれなんかどーです?」

舞「ズル」

小鳥「ズルくありません」

舞「私だってやりたかったのに」

小鳥「パズルのピースを一つずつ渡すとか?」

舞「よほど少なくなきゃ私が先にくたばるっつーの」


小鳥「あっ、私ちょっと見てきたいものがあるので離れますね」

舞「えー。なんのために連れてきたと思ってるのよ」

小鳥「寂しがりだからですか?」

舞「断じて違うわよ」

小鳥「私はもう言える意見は出しちゃいましたよ」

舞「何か隠してない?」

小鳥「隠してないピヨ」

舞「それやめて」

小鳥「今も少女気分の舞さんよりは痛々しくない、と思います」

舞「誰が少女気分よ、誰が」

小鳥「少なくとも、毎年、この時期は」テクテク

舞「……むー」


舞「……本、詩集とかあまり詳しい方じゃないのよね……」

舞「もっとちゃんと下調べしておけばよかったわ」

舞「部屋見回しても一冊もないし」

舞「ちゃんと話せてるのかしら?」

舞「……まぁ、大丈夫よね」

舞「……お菓子作り、だったわよね。これは道具も何も家に一通り揃ってるし」

舞「カップか何か……それとも道具を新しく……」

舞「服、かしら? でも……」


―――
――


「ありがとうございます」

小鳥(日高舞だって、女の子……とは言ってらんない年ではあるけど)

小鳥(それでいて、人の子、人の親)

小鳥(やっぱり少女気分になる)

小鳥(大切な人のことで頭がいっぱいなんだから)

小鳥(子の部屋から足りないものを探してみちゃう程度には)

―――
――


「ありがとうございます」


舞「よし、よし!」テクテク

小鳥「あっ、もう選んじゃったんですか?」

舞「ええ、色々考えたけど、バッグにしたわ」

小鳥「実用性も一緒にとりましたか」

舞「これからも忙しいでしょうからね」

小鳥「ですね」

舞「小鳥も選んだの? それ」

小鳥「私はこのあとで買います。これは別です」

舞「あらぁ? 誰かへの贈り物?」

小鳥「はい、これ」スッ

舞「……何?」

小鳥「だから、舞さんに」

舞「中身は?」

小鳥「チョコ」

舞「なんで?」

小鳥「食べてください」

舞「どうして?」

小鳥「甘いものは元気になれますよ」

舞「元気ならあるわよ」

小鳥「慰労です」


小鳥「愛ちゃんの誕生日は、舞さんが頑張って愛ちゃんを産んだ日でもあるでしょう?」

舞「まーね」ガサゴソ

小鳥「おめでとーございます」

舞「まだちょっと早いわよ」パクッ

小鳥「失礼しました」

舞「……甘い」

小鳥「甘いのダメでしたっけ?」

舞「ううん」

舞「嬉しい」


―――
――


舞「あの子、当日仕事いれてるのよね」

小鳥「舞さんは?」

舞「オフ」

小鳥「一緒に騒いで祝うかと思ってました」

舞「誕生日ぐらい、家で準備して待ってあげるわよ」

小鳥「ですね」

舞「来る? 喜ぶわよ?」

小鳥「一家団欒でどうぞ」


おわり

終わりです

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