エレン「世界の尽きる所」(78)
サラサラと音をたてて、草が揺れる。見渡す限り、地平線まで続く草原。真っ青な空と、チラホラと浮かぶ白い雲。太陽が照り付けているけれど、そよ風のおかげか、暑くはなかった。
エレン「ミカサ……?アルミン……?」
名前を呼んでも、返事は帰ってこない。自分の他には、誰もいない。
けれど、不思議と寂しくは無かった。
エレン「どこだよ、ここは……」
草と、空と、雲。そして自分。他には何もない。壁も無い。
エレン「あれ?何で、俺……」
ポロポロと涙が落ちる。止まらない。次から次へと、涙が溢れ出してくる。
――そして、目が覚める。
エレン「あぁっ!」ガバッ
不思議な夢だった。
エレン「…………」
頭が回らない。汗をかいているわけでもなく、涙がでているわけでもなく、体調におかしなところはない。
外はまだ暗い。もう一度、寝ることにした。
ミカサ「エレン、アルミン、おはよう」
エレン「おう」
アルミン「おはよう」
エレン「…………」
ミカサ「どうしたの?」
エレン「え?」
ミカサ「暗い顔をしている」
エレン「そうか?」
ミカサ「ええ」
アルミン「何かあった?」
エレン「いや、何も」
アルミン「そう……じゃあ、とっとと食べちゃおうか」
アニ「どうしたんだい?いつもの元気は」ゲシッ
エレン「ッ!」
アニ「訓練中だってのに上の空だ。やる気がないなら私は別の人と組むよ?」
エレン「ああ、悪りぃ、集中する」
アニ「そう。じゃあ、いくよ」
エレン「おう!」
アニ「シュッ!(とは言ったものの、やっぱり何か別の事を考えてボーッとしている)」
ドガッ
エレン「うあっ!」ドテッ
アニ「あんた、本当にやる気あるの?悪いけど、今日は教える気にならないよ。やり甲斐がない」
エレン「そうか……すまねぇ」
期待
クリスタ「……」チラッ
ユミル「あ?どうしたんだ、クリスタ」
ユミル「余所見なんかして」
クリスタ「エレンの様子がいつもと違うなって」
ユミル「エレン?」
クリスタ「うん。なんだかいつもより元気がないみたい」
ユミル「あー、よく見ればそうかも知れないな」
ユミル「いつもはうぜえ程熱心なのに、気味が悪いな」
クリスタ「大丈夫かな……」
あれ?ID変わってたか?
エレン「悪いな、ライナー」
ライナー「なんて事はない。それより、大丈夫か?」
エレン「あ、あぁ……」
ライナー「何があったのかは知らんが、お前らしくないぞ。もし良かったらいつでも相談しろ」
エレン「ありがとう」
ライナー「さあ、早く晩飯を……」
タッタッタッタッ
クリスタ「エレーン!」
エレン「クリスタ?」
ライナー「クリスタ!!??」
エレン「どうしたんだ?」
クリスタ「今日のエレン、元気がないように見えたから、心配になっちゃって……」
クリスタ「何かあったの?」
エレン「いや、大丈夫だ。何でもない。心配かけて悪かったな」
クリスタ「ううん、大丈夫なら良いんだけど」
ライナー「いや――」
ライナー「その調子で何もないわけがないだろう」
ライナー「どうしても話したくないなら無理に話せとは言わんが、このままでは訓練に支障がでるぞ」
ライナー「結果的に班員を困らせることになるかも知れん。エレン、一体何があったんだ?」
クリスタ「うん、ライナーの言うとおりだよ!自分の中に溜め込むのは良くないよ?」
エレン「……!」
夢を見たんだ 夢?
ああ、そうだ どんな夢だ?
どこかはわからないけど
とても広い草原に
一人で俺が立っているんだ
外の世界だよ
ただ、それだけなんだ 立っているだけだったの?
ああ わからないな
オレだってわからない
でも、そしたら、体中から力が抜けていって……
それで、今の状態に?
ああ……。
クリスタ「(エレンが見た夢…か)」
ただ、広い草原に自分が自分が立っている夢……。
ただそれだけの夢が、エレンをあそこまで変えてしまったのか。
エレンの考えていることが、私にはわからない。
ユミル「クリスタァッ!」ダキッ
クリスタ「きゃっ!?」ビクッ
ユミル「おお!やっと応えてくれた!」
クリスタ「ユミル!?」
ユミル「何回呼んでも反応しねえから、心配したぞ」
クリスタ「ご、ごめん……」
ユミル「…………あいつの事か?」
クリスタ「うん……」
ユミル「何かわかったのか?」
クリスタ「ううん。何にも」
ユミル「だったらそんなに考えても仕方がないだろ」
クリスタ「でも……」
ユミル「でもじゃねえ。時計を見てみろ」
クリスタ「えっ!?い、1時!?」
ユミル「どんだけ考えてんだか……明日も訓練なんだ、もう寝ろ」
クリスタ「うん……お休み」
気付くと、私はそこにいた。
地平線まで、360度続く綺麗な黄緑色の草原。陽の光が空から降り注ぎ、キラキラと草は輝く。
空は気持ちが良い程に晴れていて、どこまでも遠く、どこまでも透明だった。
クリスタ「エレン……?」
横を見ると、エレンがいた。
エレン「…………」
子供だった。まだ10歳位の小さな少年だった。
クリスタ「エレン!」
ポカンと口を開けて、ずっと地平線を見つめていた。目は、ほんとりと赤く。
私も、エレンの見る先を見る。
クリスタ「あ……」
男が立っている。
クリスタ「父君!」
ヒストリア、すまない。一言、頭に父の言葉が響き渡る。
そして、彼はクリスタに背を向けた。
クリスタ「待って……!待ってください!」
父はどんどん進んでいき、そして点となって消えた。
クリスタ「待って……いないで…………」
ポロポロと涙が零れる。クリスタはその場に座り込むと、声を押し殺して泣いた。
エレン「お姉ちゃん、大丈夫か?」
エレンが声をかける。
クリスタ「……うん」
そうか、このエレンは私を知らないのか。まだ子供だから。
クリスタ「ありがとう、エレン」ニコッ
エレン「おう!元気になって良かったな!へへへ///」
エレン「って、何で俺の名前を知ってんだ?」
クリスタ「それは、もう少し大きくなったら、わかるかな……?」
エレン「は、何言ってんだ?意味がわかんねぇ」
クリスタ「ふふふ、可愛い」
スッ
私は、エレンの頭を撫でようと、手を伸ばした。
エレン「ハッ!!?」
ライナー「やっと起きたか!」
アルミン「エレン!!」
エレン「なっ!何だよお前ら!こんな夜中に大声だして!」
アルミン「エレン、大丈夫?」
エレン「は……?」
グラリ
エレン「うっ!」
ベルトルト「エレン、君はうなされていた。あまりに苦しそうだからライナー起こそうとしたら、凄い高熱だってことに気付いたんだ」
エレン「熱?」
エレン「なるほど、頭が痛いわけだ……」
エレン「クリスタは……」
ライナー「は?」
エレン「クリスタを起こせッ!」
アルミン「エレン何言って――」
エレン「ライナー!思い出したんだよ!」
アルミン「もしかして寝ぼけtライナー「アルミン、待て」
アルミン「ライナー?」
エレン「あの後!夢の中で何が起こったのかを!」
ライナー「何だと!?」
エレン「説明すると長くなるから、凄いヤバイとだけ言っておくぞ!」
エレン「早くクリスタを……クリ…ス…………」ガクッ
アルミン「エレン!?」
ライナー「アルミン、エレンを頼む」ダッ
アルミン「ライナー!?」
ライナー「クリスタを助けてくる!」
ダッダッダッダッ
ライナー「ハァッ、ハァッ」
ダッダッダッダッ
キース「止まれ」
ライナー「!!」ピタッ
キース「何をしている?こんな夜中に」
ライナー「きょ、教官!」
キース「早く答えろ、ブラウン」
ライナー「後からどんな罰でも受けます!今だけは見逃してください!」
キース「お前がそこまで言うとは……」
ライナー「仲間を助けるためなんです!」
キース「…………よかろう」
ライナー「!!」
キース「しかし、覚悟はしてもらうぞ?」
ライナー「ありがとうございます!」
ライナー「クリスタの部屋は……!」
ライナー「…………」
ライナー「これだ!!206号室!」ダッ
ライナー「ハァッ!ハァッ!」ダッダッダッダッ
ライナー「あった!」
ドンドン
サシャ「ん……」
ライナー「開けてくれぇ!」
サシャ「ぎゃあああ!!」
ユミル「……!?」ガバッ
ライナー「早く開けてくれ!」ドンドン
ユミル「あ!?」
ライナーが行くと襲いに来たと思う
ユミル「ライナー!?てめえ何やってんだ!?」
ライナー「早く!」
ユミル「いや訳がわかんねぇよ!お前何してんだよこんな時間に!!」
ライナー「クリスタが危ないんだ!!」
ユミル「は?お前何言って……」
ライナー「頼む!信じてくれ!!」
ユミル「…………」
サシャ「ユ、ユミル!?開けるんですか!?」ビクビク
ライナー「頼む!」
サシャ「何されるかわかったもんじゃ無いですよ!」
ライナー「サシャ!?」
ユミル「いや、こいつはそこまでバカじゃねぇよ……」
ライナー「!」
ガチャ
ユミル「ちょっとでも怪しい行動したら、ぶっ殺すからな……」
ライナー「ああ……」
ライナー「ってそれどころじゃない!クリスタを起こせ!」
ユミル「は?」
ライナー「いいから早く起こすんだ!」
ユミル「やっぱりてめえクリス「ユミル!」
ユミル「あ?」
サシャ「ク、クリスタが!!」
ユミル「!!」
ライナー「こ、これは……!」
ユミル「顔が真っ青じゃねえか!」
サシャ「汗の量が凄いです!」
ライナー「早く!早く起こせ!」
ユミル「ライナー!どう言う事だッ!」
ライナー「詳しい事は俺にはわからん!エレンに聞け!」
ユミル「エレンだと!?何を言って――」
ライナー「いいから早く起こせ!」
サシャ「起きませんよ!」ユッサユッサ
ユミル「おい!クリスタ!起きろ!」ユッサユッサ
サシャ「ライナーも手伝ってください!力持ちでしょう!?」
ライナー「何言ってんだ!俺は男だぞ!?クリスタが嫌がるだろ!!クリスタが嫌がることは俺にはできん!!」
ユミル「!!」
ライナー「ユミル、何腕を止めて――」
ユミル「手伝え」
ライナー「は?」
ユミル「お前もクリスタを起こすのを手伝え!」
ライナー「し、しかしだな」
ユミル「大丈夫だ。私がクリスタには説明してやる」
ライナー「わ、わかった」
ユミル「ただし変なところ触ったらただじゃあおかねえからな!」
クリスタ「エレン……?」
急に消えてしまった。どこに行ったの?
もう一度地平線を眺める。ここはどこなのだろう。
キラキラと揺れる黄金の草原。
果てしない開放感。
――ここはどこまでも自由なのだ。
私を止めるものは何もない。
壁も無い。巨人もいない。
人もいない。建物もない。
これが、外の世界――
どこまで、ちっぽけなのだろう。
壁の中に閉じ込められている人類は。
くだらない権力争いは。
日々の訓練は。
いつまでも永遠と続くこの草原に、どこまでも透き通るこの空に比べれば。
これが、エレンの目指す外の世界。
クリスタ「そうだ……」
クリスタ「ここが、外の世界だとしたら……」
見つけちゃったんだ。
叶えてしまったんだ。
夢を。
エレンを突き動かすものが、全てここで完結してしまっている。
駆逐する巨人もいなければ
守るべき人たちもいないのだ
そしてここが、夢の場所
夢のない人間は、惨めなんだ
夢に対する思いが強ければ強いほど、夢を失った時に空っぽになっちゃうんだ
ジャン「おい、アルミン!やべえんじゃねえのか!?」
アルミン「うっうん!急がないと!」
ジャン「エレン!もうすぐ医務室だかんな!頑張れや!」
アルミン「ハァッハァッ、重い!」
エレン「クリ……ス…タを……助けな……いと………」
ジャン「先にてめえの心配をしやがれ!」
アルミン「エレン!着いたよ!医務室だ!」
エレン「(クリスタ……耐えろ…………キョムに喰われちまう前に…目を覚ますんだ…………)」
何て安らかな場所だろう。
クリスタ「あれ?」
私の夢は、何だっけ?
冷たい……冷たくて、そして焼けるほど熱い何かが、私の体を包む。
針で刺すように痛い。
何て暗いんだろう。
光を吸い込むような闇が、煙のような形をとって私を包み始める。
期待
医師「ったく、こんな時間に……」ブツブツ
ジャン「こいつを……こいつをよろしくお願いします!」グワッ
医師「ああ、わかった、わかったから落ち着いてね、君」
アルミン「よろしくお願いします(ジャン、意外と優しいんだね)」
医師「あーじゃあちょっと君たち、手伝って」
ジャン「はっはい!」
医師「心音を聞きたいから、上を脱がしてあげてね」ポリポリ
ジャン「くそったれ!」ヌガセヌガセ
3人「は?」
ジャン「お、おい、アルミン、何だよ、これ」
アルミン「なっ!僕にもわからないよ!」
医師「君たち、これは今までにもあったのか?」
アルミン「いいえ、少なくとも……」
アルミン「はっ!そういえば、エレンは今日1人で風呂に入っていたぞ!まさか、これを見せないために……」
アルミン「少なくとも昨日まではありませんでした!」
医師「こんなもの見たことがない……」
アルミン「そんな!」
医師「(火傷の跡か?それともアザか?この全身に及ぶ紫のかかったドス黒いシミは……)」
ユミル「クソ!汗の量が尋常じゃないぞ!脱水症で死ぬぞ!」
ユミル「服がビショビショで体温が下がっちまう!着替えさせるか!?」
ユミル「ライナー!目ェ背けろやッ!見たら殺す!」
ライナー「お、おう!」プイ
ライナー「……(気になる)」
ライナー「!(いや、イカン!そんなことを考えてる場合じゃない!)」ブンブン
ユミル「何だこれ!?」
サシャ「ヒィッ!?」
ライナー「どうしたんだ!?」オロオロ
ユミル「ライナー!見るんじゃねえぞ!」
サシャ「アザ?……ですかね?」
ユミル「おいおいおいおい、こんなん今までなかったぞ!」
サシャ「ええ、そうで……わあ!」
ユミル「何なんだよ!?ジワジワ広がってるぞ!?」
ライナー「おっおい!何だか知らんが早く着替えさせろ!はやく起こさないといけないんだ!」
ユミル「そっそうだった!」
サシャ「ライナー!ライナーの目の前に畳んであるある白いTシャツとってください!」
ライナー「これか?」ヒョイ
サシャ「それです!」
ユミル「おいてめえ何クリスタのもんに触れてんだよ!」
ライナー「なっ!?」
サシャ「ユミル!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
サシャ「ライナー、ありがとうございます!」
ユミル「タオル一枚じゃ足りねえ!サシャ!お前のタオルも出せ!」
ライナー「(クソ!ユミルめ、俺をそこまで信用していないのか。俺はただ、クリスタを助けようとしているだけなのに……)」
サシャ「ライナー!もういいですよ!」
ライナー「そっそうか?」クルッ
ズギューン
ライナー「(天使……)」
ライナー「っとクリスタ!起きろ!」ユッサユッサ
ライナー「クリスタァ!」
もう、どうでもいいや。
夢だとか、そういうの。ここにいれば、安らぎが手に入るんだから。
この真っ黒いものに包まれて、私は眠ろう。
熱い。冷たい。苦しい。痛い。
段々と意識が遠退いて――
スタ
ク…リスタ
リスタ!
誰かが、私を呼んでる……?
でも、もう私には届かないよ。
ガシッ
ライナー「クリスタ!」グイッ
やめて
そんなに引っ張らないで
眩しい
暗闇から出たくない
眩しい
眩しい
眩しい
ライナー「クリスタ!目を覚ませ!」
クリスタ「ライナー?」
ライナー「クリスタ……!」
クリスタ「ライナー!」
ライナー「クリス……うおお!?」
クリスタ「ライナー!?」
クリスタ「ライナー!」
『おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ』
クリスタ「ライナー!きちゃだめ!」
ライナー「ダメだ!俺はお前を助ける!」
クリスタ「でも、ライナーまでこの闇に飲み込まれちゃうよ!」
ライナー「ダメといったらダメなんだ!」
ライナー「お前は俺の大切な仲間なんだ!俺は戦士だ!戦士は仲間を見捨てない!!」
クリスタ「ライナー!?(戦士……?)」
クリスタ「ライナー……まさかライナーは私と一緒に闇に飲まれてもいいと思ってるの?」
ライナー「何を言っているんだ!俺はお前を絶対に連れて帰る!」
ブチブチブチッ
闇が千切れる音がする。
でも、もう手遅れなの。
手に負えないほど、闇は成長してしまっているの。
千切っても千切っても再生して、もっと大きくなる。
サシャ「ライナー?」
ユミル「おいライナー!?何やってんだ!石みたいに固まって!」
サシャ「あっ!」
ユミル「どうした?」
サシャ「ライナーの腕にもクリスタのものと同じこの黒いシミが!」
ユミル「何だと……?」
サシャ「ライナー!クリスタから手を話して下さい!」
ユミル「ふんぬ!」グググググ
ユミル「はっ離れねぇ!」
ライナー「」ダラダラ
ユミル「ライナーまで汗が!」
ライナー「く!結局、飲まれちまうのか……!」
クリスタ「ライナー……」
クリスタ「ゴメンね」
ライナー「……謝らなくていい。俺はまだ諦めてない」
クリスタ「ライナーは、強いんだね」
ライナー「……」
クリスタ「ライナー……私、怖いよ…………」ギュッ
ライナー「!!!!!!!!!(クリスタが俺に抱きついている!?)」
ライナー「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
ブチブチブチブチ
諦めないのか?
どうしてそこまで抵抗するのだ?
クリスタ「……誰?」
ライナー「この声は!?」
ブワアアアアアアアアアア
闇が、一気に晴れて行く。
サシャ「ライナーとクリスタのシミが消えていきます!!」
ユミル「汗も止まった!」
クリスタ「ライナー……」ギュゥウッ
ライナー「何者だ?(クリスタの抱きつく力が強くなっている!)」
眩しくて、何も見えない。真っ白な光に包まれる。
そのままでいれば、楽に終われたのに。
そう言うと、光は消えた。
パチリ
クリスタ「ハッ!」
ユミル「クリスタ!だいj」
クリスタ「ライナー!」ギュッ
ライナー「」
ライナー「ハッ」
ライナー「!!!?????」
クリスタ「あっ!」パッ
クリスタ「///」カァアアァアアアァァアァアアア
ライナー「」プシューッ
ユミル「」
シリアス見たいになるかと思ったら
ライクリかい期待はずれだった
>>50
ゴメン余計なの挟んだわ
シリアスだよ一応
以降慎む
アルミン「そう、クリスタも無事だったんだ、良かった」
ジャン「不思議な夢か……わけがわからねえな」
ライナー「クリスタが説得してくれなかったら、営倉行きだったな俺は今ごろ」
ジャン「まあ、事実お前は無実だしな」
アルミン「そうだね。でも、根本的な解決はまだ出来てないんだよね……」
アルミン「また誰かがその夢を見るかもしれないんでしょ?」
アルミン「それに……」
キース「何度も言うように、これ以上昏睡状態が続くようだったら、エレン・イェーガーは退団せざるを得ない」
ミカサ「そんな……!」
キース「私もそれは避けたいので尽力はするが……(グリシャ、私はお前の息子をなんとかして守ってみせるぞ……!)」
アルミン「(エレンの昏睡は、もう2日間も続いている……)」
ミカサ「ねえ、エレン……いつになったら起きてくれるの?」
ミカサ「エレン……」
アルミン「ミカサ……(ミカサも訓練に身が入っていない)」
クリスタ「あの夢……もう一度見れないかな?」
ライナー「クリスタ!?」
ユミル「お前、何を言って……!」
クリスタ「あの声の主に、もう一度会えれば……」
ライナー「あの光の……?」
クリスタ「うん……」
ユミル「でもよぉ、危険すぎるだろそれは」
クリスタ「そうだけど……」
その夜に、夢を見た。
ジャン「は、ははは……」
ジャン「ここが、その場所か……」
ジャン「すげえな、本当に一面草原だわ……」
ジャン「いるんだろ?」
ジャン「死に急ぎ野郎」
ジャン「ミカサを悲しませんなよ」
ジャン「あいつを笑顔に出来るのはお前だけだからさ……」
ジャン「お前、こんなところで諦めるなよ」
ジャン「情けねえ」
エレンは、ジャンの横でうずくまっていた。
ジャン「ははっ!クリスタの言うとおり、お前ガキになってんだな!」
ジャン「本っっ当に情けねえな!」
ジャン「…………」
ジャン「良い加減目ェ覚ませよ糞がッ!!」ガシッ
ジャン「てめえマジでぶんなgミカサ「待って」スッ
ジャン「ミカサ!?」
ミカサ「エレン、ここにいたの」
クリスタ「また来れた!」スッ
ライナー「ぬ、クリスタとミカサとジャンじゃないか!」ヌッ
ジャン「なっ!皆来てんのか!」
ユミル「うお!クリスタ!ここか!?お前が言ってたのは!」
サシャ「あ!皆さんも来ちゃったんですか!?」
ミカサ「エレン、みんな来てくれた。エレンも一緒に行こう」ギュッ
ミカサ「エレン……」ギュゥウッ
>>18
おや、このセリフは
エレン「あ……」スクッ
ミカサ「エレン!」
一同「!!」
エレン「あぁあああ……」ザッ ザッ
アルミン「うっ……あ!ここは!?」
コニー「お?何だここは?」
エレン「あああああああ!!」
漫画のナウシカっぽいね
みんな来ちゃったら だれが起こすんだよ・・・orz
世界が、目まぐるしく変化して行く。
アルミン「そ、そっか……」
目の前ににはありったけの水が広がり、後方には砂の雪原が広がっていた。
右側には巨大な山がそびえ立って炎の水を吹き出し、左側には氷の大地がキラキラと光っていた。
アルミン「エレン、君は……」
クリスタ「何?これ!」
ジャン「おいおい何だよわけがわからねえよ!」
ミカサ「エレン、これは……!」
エレン「は、はは、夢だよ。ここにはオレの!オレの夢が!」
エレン「どうあがいたって叶うわけがないオレの夢が全部詰まってんだよ!」
エレン「なあ!アルミン!そうだろ!?」
エレン「オレが巨人を駆逐したいのは!母さんを殺したからだ!」
エレン「一匹残らず駆逐したらもう同じような思いをするやつがいなくなるから!」
エレン「でもここはどうだ!?」
エレン「そんな巨人はどこにもいないんだ!」
エレン「オレはここにきて始めて自由になったんだよ!」
エレン「壁の中に飼われた家畜ではなく!自分の足で何処へだっていけるんだ!」
エレン「かつて外の世界についての本で見たものが全部あるんだ!」
エレン「そりゃここは夢の中だし、オレのやっていることは現実逃避だよ!?」
エレン「でもさァ!でも!どんなにオレが努力したって!オレのこの短い寿命のうちに!巨人を全員駆逐するなんて無理だろうが!」
ジャン「!」
エレン「ミカサみたいに強いわけでもなく?アルミンみたいに頭もよくない?そんなただの一兵士に過ぎないオレに何が出来るっていうんだよ!」
エレン「外の世界を探検するなんて!無理だろうが!」
エレン「でもここなら全てが手に入る!」
エレン「だったら!」
エレン「だったらさぁ……」
エレン「辛い思いをして叶わない夢に向かって走るくらいなら……ここにいてもいいんじゃないか…………?」
ジャン「この野郎!」
バキッ
エレン「ガフッ」ドサッ
アルミン「ジャン!いくらなんでも本気で殴るなんて!」
ミカサ「……アルミン」プルプル
アルミン「み、ミカサ……!」
クリスタ「エレン!血が……!」
ライナー「クリスタ、辞めておけ」
クリスタ「でも……!」
ユミル「ライナーの言うとおりだ」
ドガッ バキッ
エレン「ッ!ッ!」
ジャン「クソ野郎!良い加減にしろ!ふざけんな!」
ドゴッ ドゴッ
エレン「ガッ!ゲホッ!お……ぅうう」
ジャン「ハァーーーッ!ハァーーーッ!」
クリスタ「そ、そんな……」
サシャ「本気で殴りまくりましたね……」
エレン「……」
ジャン「…………お前、幸せか?」
エレン「……」
エレン「…………ああ」
エレン「オレは……ッ、まだ…まだ行かなきゃ………行けないんだよ……」
エレン「はっ、はっ、ははは、探検したい……んだ」
エレン「見たこと、がない、もの……だらけでさぁ……」
エレン「夢が全て……あるんだ」
エレン「だから……オレは、行くんだよ………」
エレン「世界の尽きる所、まで……夢…………だから」
ジャン「だったら……」
ジャン「だったらよ……!」
ジャン「何で泣いてるんだよ、お前」
エレン「……!」
ミカサ「エレン」
エレン「何でかって……?」
エレン「それは……」
エレン「…………」
エレン「そうだよ」
エレン「そこには、いなかったんだよ」
エレン「ミカサも、アルミンも、ジャン、お前や他の奴らも……!」
帰っちゃうの?
クリスタ「!」
ライナー「これは!」
エレン「……ああ」
そう……残念だな。
結局、いつも同じなんだね。
そうやって、毎回同じように進んで同じように滅びるんだ。
だったら、ここに留まっちゃえばいいのにさ。
エレン「でも、例え夢を叶えたところで、こいつらがいなきゃ意味がないからな」
夢より友をとるんだね……。
エレン「ああ」
そう……さようなら。
エレン「じゃあな」
おわり
ええ? 乙 え?
エレンは友と夢だったら、どっちを取るのかと考えて、友だと思った。1巻でもアルミンのために自分犠牲にしたし
でも、そこで外の世界を見せて揺さぶりをかけたらどうなるかな
って思って書いてみた
しかし完全に見切り発車だから文章もストーリーもガタガタだわこれ
え?虚無に飲まれるとか格好いいこと言っといてこんな落ち?
でも乙
キョムは投げっぱなしかよ
くっそわろた。くそSS乙。時間返せカス。
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