モバP「何をあげよう?」 (30)
P「クックック、この漫画面白れーな」
P「いやー、昼下がりの事務所でのサボりは格別だねー」
P「読み終わったら少し寝るかな、今日は特に仕事もないし」
P「…………」
P(しっかしなんか忘れてるような気がするんだけどな……)
P「なんだっけ……?」
P(連休か? いやそれはもうちょっと先だし……)
P「少し前に聞いた気がするんだが……」
P「……あっ!?」
P「し、しまった!! 何も用意してねぇ!?」
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ガチャッ
P「ここにいたか」
斉藤洋子「やっほー! プロデューサー!! なになに、私に何か用事ですか?」
P「あぁ、重要なことを忘れてたんだよ」
洋子「ん? 重要なこと? なんかありましたっけ?」
P「ネネの誕生日忘れてた……」
洋子「はっ? 忘れてたって……」
P「そのまんまだよ! プレゼント考えてなかったんだよ!」
洋子「ま、マジなんですか……?」
P「あぁ、割とマジだよ……」
洋子「おおう……それは流石にまずいと思いますけど」
P「だからさ、洋子にちょっと手伝って欲しくてな」
洋子「ふぅ……しょうがないですね。他ならぬプロデューサーの頼みですし一肌脱ぎますよ!」
栗原ネネ(15)
http://i.imgur.com/8X4LsmC.jpg
斉藤洋子(20)
http://i.imgur.com/sQXBjBy.jpg
P「でだ、まずはネネが何が喜ぶか考えないといけない」
洋子「ネネちゃんの興味があるものですよねー」
P「ちなみに洋子は何をあげるつもりなんだ?」
洋子「私はランニングシューズですよ! ジョギングしてますしね」
P「あぁ、そういや体力作りにって言ってたな」
洋子「そういうことですよ、同じ健康仲間ですし!」
P(チッ……先を越されたか……)
洋子「ん? どうかしたんですか?」
P「な、なんでもないよ」
洋子「まぁ、喜ぶというかよく使うのは健康に関係のあるものだと思いますけど?」
P「でも、そういうのってファンからも貰えそうだよな」
洋子「あぁー、そうでしょうね……」
P「…………」
洋子「私は勢いで決めましたけど、他には思いつかないなぁー……」
P「よしっ、他のみんなにも聞きに行くか!」
土屋亜子「そらアカンでPちゃん……」
P「だからこうやって頭下げに来てんだろーが!」
亜子「ま、Pちゃんのことやから、そんなことやろーなとは思ってたけどね~」
洋子「ところで亜子ちゃんは何にするか決めてるの?」
亜子「アタシ? そりゃもちろん、ネネのことやし出血大サービスしてるよ~」
P「へぇー、珍しいじゃないか。何をあげるんだ?」
亜子「フヒャヒャヒャ~。見て驚きなや~!!」
ドサッ
洋子「こ、これ……札束ですか?」
P「……いや、作りものだな」
亜子「そ、面白グッズの札束布団! これはあかんて! 見てるとアタシ骨抜きにされてまう~!」
P「…………」
洋子「わっ、ホントだ! プロデューサー! これふっかふかですよ!!」
亜子「どや! ぐっすり眠れそうやろ? 安眠間違いナシやでPちゃん!」
P(安眠する人は限定的だろうけどな……)
洋子「うんうん! これはイイカンジですね!」
亜子「さっすが洋子さん、この魅力をわかってくれるんやね!」
洋子「プロデューサー、私これ欲しいですよっ!」
P「と、とりあえず参考になったよ……」
土屋亜子(15)
http://i.imgur.com/yte1UVH.jpg
大石泉「そろそろ来るころだと思ってた」
P「えっ、なんでだよ?」
泉「Pのことだから、ネネの誕生日プレゼントの案でも聞きに来たのかなって」
洋子「おっ、正解。泉ちゃんは凄いですねっ! プロデューサー!」
P(素直に喜べないんだけど……)
P「ま、まぁ、それだったら話は早い、何か良い案はねぇか?」
泉「……そういうのって、その人が考え抜いて選んだものだからこそ、嬉しいんだと思うんだけどな」
洋子「ヒュー! 泉ちゃんってば正論!!」
P「い、泉にそんなこと言われる日がくるとは……」
泉「ま、でもPが珍しく頼ってくれたんだから。ちゃんと調べてあるよ」
P「……すまんね、プリントアウトまでして用意周到だな」
・青竹踏み
・トレーニングマット
・家庭用ウォーキングマシン
・くまちゃんのぬいぐるみ
洋子「ほへー、やっぱりそっち方面に偏っちゃいますよね」
P「15歳の女の子が欲しがるものとは思えねーな……」
泉「ネネは普段の生活から見ていると、どうしてもそんな風になるから」
洋子「あれ? でも、くまちゃんのぬいぐるみだけ系統が違いますね?」
泉「そ、それは……」
P「なんだ、泉はそういうのが欲しいのか?」
泉「……そりゃ、私だって女の子だから……貰えたら嬉しいけど……そう言われると複雑だなぁ」
洋子「逆にネネちゃんの好きなものに縛られず、こういうのも良いかもしれないですよねっ!」
泉「実用性からはかけ離れてるけど……どうかなP?」
P「……参考になったよ、ちょっと頭に入れとくわ」
洋子「あっ、プロデューサー! 私はクマのぬいぐるみ好きですよっ!」
P「うしっ、次に行ってみるか!」
大石泉(15)
http://i.imgur.com/byGflBt.jpg
村松さくら「むむ……プロデューサーさんはオンナゴコロがわかってないみたいですぅ!」
洋子「ふふん、またもや言われちゃってますよ? プロデューサー!」
P「はいはい、わかってないから協力してくれ!」
さくら「はぁー……プロデューサーはしょうがないですねぇ」
P「……さくらは何をあげるつもりなんだ?」
さくら「えっへへー♪ さくらはこれですよぉ!」
洋子「あっ、かわいいエプロンですねっ!」
さくら「そうですぅ、いっつもお弁当作ったりお料理してるから喜んでくれるかなぁって!」
P「…………」
洋子「ふむ、これは私も思いつかなかったですね……あれ? どうしたんですかプロデューサー?」
P「あぁ……なんでもないよ。確かに喜んでくれるだろうな」
さくら「ぶぅー! どうせさくらにしてはまともだなとか思ってたんじゃないんですかぁ?」
P「お、思ってねぇよ!!」
洋子「なんにせよ、お料理の道具とかなら包丁とかも喜ぶんじゃないんですか?」
P「主婦じゃねーんだし、料理大好きってわけでもないからちょっとな」
さくら「でも、プロデューサーさんはネネちゃんといっつも一緒にいますよねぇ?」
P「そりゃ、担当アイドルだし」
洋子「私もプロデューサーの担当アイドルですよっ!」
さくら「だったらぁ、きっとなにプレゼントされても喜んでくれますよぉ!」
P「そんなもんかね」
さくら「だってぇ、さくらがそうなんですからぁ!」
洋子「なるほど、さくらちゃんの言う事ももっともですよね……」
P「ま、でもその気持ちに甘えてるわけにもいかねーからな」
村松さくら(15)
http://i.imgur.com/gT3cjcD.jpg
新田美波「……もう、やっぱり忘れてたんですね」
P「……返す言葉もないよ」
洋子「あははっ、信用されてますよね! プロデューサー!」
P「そういうわけだから、美波の意見を聞きにきたってわけだ」
美波「私のですか? そんな参考になるようなことはないですけど……」
P「なんでも良いんだよ、パッと思いついたものでも良いから!」
洋子「例えば、美波ちゃんが貰ったら嬉しいものとかあるかな?」
美波「えっと、そうですね……あっ、新しいラクロスの練習用ウェアが欲しいと思ってました」
P「なんだ、ドキドキが欲しいとかじゃねーのか……」
美波「い、言いませんよっ!!」
洋子「んー、ネネちゃんはスポーツを本格的にしているわけじゃないからちょっと違いますね……」
P「トレーニングウェアは腐るほど持ってるって言ってたからな……」
美波「お料理や健康グッズなんかは、他のみんなと被るとなると難しいですね……」
洋子「そう言えば、美波ちゃんは何をあげるつもりなの?」
美波「私はこのクリームを上げるつもりです」
P「クリーム? こんなの持ってたのか?」
美波「はい、私も使ってる有名なクリームなんです」
洋子「あっ、これ知ってますよ! 一本で紫外線防止や美肌効果、その他もろもろができるやつですよね?」
美波「はい、ネネちゃんがこの前、日に焼けると赤くなるって言ってましたから」
美波「それだと肌を傷めてしまうんで、これを塗っておくと大丈夫なんですよ!」
P「へぇー、女の子ならではのプレゼントだなぁ」
洋子「プロデューサー! 美肌にこだわる私もこれ欲しいですよっ! 今度買いに行きましょうねっ?」
P「こういうのってあんまよくわからないから、オレが選ぶのは難しそうだな」
新田美波(19)
http://i.imgur.com/UOLGIEp.jpg
美波「ふふっ、良かったらPさんも少し使ってみます?」
P「オレが塗ってどうするんだよ……」
美波「試してみてわかるものもありますよ。手を出してください、塗ってあげますね♪」
美波「ん~……」
洋子「あれ? 出てこないですね?」
美波「お、おかしいな? 詰まってるんでしょうか?」
P「お、おい、別に無理にしなくても良いから!」
美波「いえっ……大丈夫ですよ……えいっ!」
ビュルルルルル
美波「きゃっ……あっ……やぁぁ……」
P「…………」
洋子「おおう……」
美波「や、やだ……白いのが…顔にいっぱい……P、Pさん! 見過ぎですっ!」
P(その言い方はなんとかならないのか……)
洋子(天然なのかな……)
美波「Pさん……凄く……ベタついて……ど、どうしたら良いんですか?」
P「わ、わかったから拭けっ! 拭いてくださいっ!」
洋子「ほ、ほら、美波ちゃんティッシュ! ティッシュ!」
美波「あっ、すみません。取り乱してしまって……」
洋子「ふぅ……美波ちゃんは末恐ろしいですよね」
P「ホントに怖いのはわかってやってないところだよな……」
美波「ごめんなさい、迷惑をかけてしまって……」
P「ま、とりあえず良い意見は貰えたからかまわないよ」
美波「でも……やっぱりこれ、濃厚で良いですよっ!」
P「わ、わかったよっ!」
ルーキートレーナー「えっ、ネネちゃんのですか?」
P「そうなんだよ、なんかないもんかね?」
洋子「色々聞いて回ってるんですが、まだ決めかねてるんですよ」
ルキトレ「うーん、ネネちゃんって特に何か欲しいってあんまり言わないですからね……」
P「ネネのやつ、あんまり欲がないっていうかな……そういうのオレも聞いたことないしな」
洋子「買い物も消耗品くらいしか買わないって言ってましたからね……」
ルキトレ「アイドルのCDとかそういうのは……?」
P「あいつ予約購入するタイプなんだよ、だから欲しいものはもう全部予約してあるってさ」
洋子「さすが、しっかりものですね……」
P「だからさ、何かこうレッスンの合間に得た小ネタみたいなのはないか?」
ルキトレ「喋ってる時間はPさんが断トツで長いと思いますけど……」
P「オレと話すのと女の子同士で話すのはまた違うだろうに」
洋子「私の知っている情報はみんな知っている事ばっかりですからね……」
ルーキートレーナー(19)
http://i.imgur.com/PmuhaKp.jpg
ルキトレ「うーん……あっ! そう言えば水着がどうとか……」
P「なんだそりゃ……」
洋子「泳ぐにしては少し時期外れですよね」
ルキトレ「えっと、この前Pさんとプールに行って恥ずかしかったって言ってました」
P「あ、あぁ……あれか」
洋子「あれ? プールに一緒に行ってきたんですか?」
P「まぁ、ちょっとな……行きたいってボソッと言ってたからさ」
ルキトレ「その時何かあったんですか?」
P「スク水……」
洋子「はっ!?」
P「これ以上は秘密にしろって言われてるから言えない……」
ルキトレ「は、はぁ……」
洋子(なにがあったんだろう……)
兵藤レナ「ふーん、それでどうするつもりなの?」
P「い、いやレナさんならなんか良い意見をあるかなぁーって……」
洋子「大人の女性の意見もしっかり聞いておかないとですね!」
レナ「あら、いつもの態度とは違って弱気ね……」
P「そりゃ、時と場合にもよりますよ」
レナ「そうね、ネネちゃんくらいの歳の女の子が喜ぶんだとしたら……」
レナ「お前の人生もプロデュースしてやる! くらい強気に言った方が良いんじゃないかしら?」
洋子「そ、それっ! 良いですねっ! プロデューサー、私はいつでも待ってますよ!」
P「何言ってんですか、誕生日プレゼントにプロポーズするとかおかしいでしょ」
レナ「ふふっ、例えよ、例え。女はね、お前のことはお見通しだってくらいの方がキュンと来るのよ」
P「そういうもんなんですかね……」
洋子「あー、分かる気がします。あっ、私のこと見てくれてるんだって感じますからっ!」
レナ「ネネちゃんはPさんに自分の運命を掛けてるんだから、弱気になってちゃ駄目よ」
P「うーむ、そう言われるとそうなんだろうなぁ……」
洋子「そこはドーンと『黙って俺について来い!』くらいの言葉が欲しいですよね!」
レナ「そうよ、ちゃんと刺激的に言ってあげなさいよ……フフッ」
P「わかりました、ちょっと考えてみますね!」
レナ「ま、私にもたまにはそんな風に言ってくれると嬉しいんだけど……どうかしら?」
P「あぁー、そっちはまた経験値を積んでからってことで……」
兵藤レナ(27)
http://i.imgur.com/kz2ruCD.jpg
P「みんな協力してくれたけど、まだ固まりそうにないなぁ」
洋子「最後の最後になっちゃいましたからね、まぁ仕方ないですよっ!」
P「もう時間があんまりないな……どうしたもんか……」
栗原ネネ「あっ……Pさん、洋子さんここにいたんですね」
P「ネネ!?」
洋子「おおう……」
ネネ「えっ? どうかしたんですか?」
P「い、いや……それより準備はもう良いのか?」
ネネ「はい、帰る準備はもうできてますよ」
洋子「P、Pさん! どうするんですかっ!?」 ヒソヒソ
P「どうするったって、もう本人の目の前だからどうしようもないだろ!」 ヒソヒソ
ネネ「?」
P「な、なんでもない。じゃあ帰るとするか、先に車で待っててくれるか?」
ネネ「はい、わかりました!」
タッタッタッタッ
洋子「思ったよりタイムリミットが早く来ちゃいましたね……」
P「ぐぬぬ……こうなったら最後の手段だ」
洋子「ど、どうするんですか、プロデューサー?」
P「車の中で解決する。それしかないだろう……」
洋子「ま、まぁ、私がお手伝いできるのはここまでですけど頑張って下さいね……」
P「あぁ、今日は済まなかったな洋子」
------ 車内
P「…………」
ネネ「あの、Pさん。今日はどうしたんですか?」
P「ん? 別に何もないけど……」
ネネ「なんだか元気がないような……」
P「いつも通りだよ」
ネネ「でも、朝とは違う気がします」
P「……なぁ、ネネ」
ネネ「はい、どうしたんですか?」
P「お前、次のオフにオレにちょっと付き合え」
ネネ「わかりま……って!? えぇっ!?」
P「なんだ、オレとどこかに行くのは嫌なのか?」
ネネ「あっ……いえ、そうじゃないんですけど……次のオフって明日ですよね?」
P「そうだよ、昼からでいいから」
ネネ「お仕事のことなんですか?」
P「いや、仕事は全く関係ない」
ネネ「えっと、家でゆっくりしようと思ってましたから大丈夫ですよ」
P「まぁ、今まで何回か二人で出かけてるから、今更驚くことじゃないだろ?」
ネネ「そうですけど、やっぱり急に言われるとビックリしちゃいますよ……」
P「そうか、変装だけはちゃんとして来いよ。眼鏡と帽子ね」
ネネ「わかりました。でもどこに行くんですか?」
P「ん? そうだな、か、買い物……かな」
ネネ「買い物……ですか」
P「そうだよ、ちょっと欲しいものがあったんだよ!」
ネネ「なんだか珍しいです。Pさんが買い物なんて」
P(……今日に限って、妙に食いついてくるな……)
ネネ「でも、私がついて行っても良いんですか?」
P「あ、あぁ……是非とも頼むよ」
ネネ「はい、わかりました! ご一緒させてもらいますね!」
P「…………」
ネネ「♪~」
P(よ、よし……後は現地調達だな……)
------ 翌日
ネネ「そう言えば、Pさんは欲しいものってなんですか?」
P「……それよりネネ、最近どうだ?」
ネネ「えっ、さ、最近って……普通ですけど……」
P「そうか、そういや水着は欲しくないか?」
ネネ「水着……ですか? 時期がちょっと外れていますけど……」
P「そうでもないぞ、オフシーズンでも水着の仕事はあるんだよ」
P「アイドルと水着の仕事は切っても切れないからな」
ネネ「アイドルといえば、水着……なるほど」
P「それにいつまでもスクール水着じゃ問題あるだろ」
ネネ「P、Pさんとじゃなかったら……プールなんて行きませんよ!」
P「あれ? 泳ぐの好きって言ってたから結構行ってるのかと思ったけど」
ネネ「そうですけど……その、普段の水着を見られるのは、は、恥ずかしいですよ!」
P「ネネがそれで良いって言うなら、別にどうこう言うつもりはなかったんだけどな」
ネネ「でも、その学校の水着が好きという方もいるらしいですし……Pさんもそうなんですか?」
P「オレが好きだって言うならいつでもスク水見せてくれるのか?」
ネネ「も、もう! そういう意味じゃないです!」
P「流石、売りつくしになっていて安いもんだね」
ネネ「えっと……」
P「どうしたんだ、好きなの選んでいいんだぞ?」
ネネ「水着を買いに行くことなんてないから困っちゃって……」
P「えっ、マジでか……?」
ネネ「あの、Pさん……もし良かったら、水着を選んでください!」
P「んー、ネネに合う水着かぁ……」
ネネ「すみませんけど……お願いします」
P「こういうきわどいやつは?」
ネネ「は、恥ずかしいです……」
P「じゃあこのビキニはどうだ?」
ネネ「それもちょっと……」
P「結構選り好みするんだな」
ネネ「Pさん、分かってて言ってますよね?」
P「……バレたか」
ネネ「そんなことだろうと思ってましたから」
P「ネネにはかなわんね……」
P「ふぅー、これで水着はバッチリだな」
ネネ「はい、可愛いのがあって良かったです!」
P「…………」
ネネ「あの、Pさん……?」
P「ん?」
ネネ「ごめんなさい、気を使わせてしまって……」
P「どういうことだよ」
ネネ「今日は私の誕生日だから、こんなことしてくれてるんですよね?」
P「……なんだ、気づいてたのか」
ネネ「だって、Pさんが急に買い物に行こうって言いだしたからですよ」
P「バレバレだったわけね。でも謝らなくても良いと思うけど?」
ネネ「そ、そうは言っても。私、Pさんにはお世話になってばっかりなのに……」
P「……ま、そんなこと気にするなよ」
ネネ「で、でも……」
P「それに、その水着は誕生日プレゼントじゃないしな」
ネネ「えっ……そうなんですか?」
P「ったく、オレがプレゼントに80%オフの水着とかケチくさい事すると思ったか?」
ネネ「でも、それだと他に何かあるんですか?」
P「じゃあ、ネネにパンフレットをやろう」
ネネ「これって……」
------ 数日後 飛行機の中
ネネ「ん~……」
P「いつまで読んでるんだ、急に勉強しても身につくわけないだろ」
ネネ「で、でも! やっぱりあっちに着いて喋れなかったら困りますし!」
P「でも、もう飛行機に乗っちまったしなぁ」
ネネ「Pさんは喋れるんですか?」
P「英語なら挨拶くらいはできるよ、ハローってな」
ネネ「…………」
P「冗談だよ、まぁガイドさんがいてくれるから大丈夫だよ」
ネネ「良かったです、海外なんて初めてなんで心配で……」
P「今時は海外も視野に入れていかないとな」
ネネ「でも、何で急に海外の仕事に行くなんて言い出したんですか?」
P「ん? だってせっかく水着買ったなら泳げる所に行った方が良いだろ?」
ネネ「そ、そんな理由で……」
P「それもあるけどな。ほら、昔にボソッと海に行ってみたいって言ってただろ」
ネネ「そんなこと、覚えててくれたんですね……」
P「ま、どうせ初めて行くならでっかいとこの方が良いかなって」
ネネ「私は……どこでも……ううん、そうですね!」
P「ま、ライブはしないといけないけど、自由時間は多めに取ってあるよ」
ネネ「はい、笑顔で頑張りますね!」
------
ザァァァァー
ネネ「ほらっ、見てくださいPさん! 海、海が見えましたよ!」
P(ネネのやつ、朝早すぎだろ……ねむ……)
ネネ「わぁっ……綺麗な朝焼け……」
P「ま、喜んでくれたみたいで結構結構」
ネネ「Pさん、いっしょに浜辺にでませんか?」
P「でも、その靴だと歩きにくいだろ?」
ネネ「だったら、脱いじゃえば良いんですよ!」
P「おいおい、足を怪我するぞ」
ネネ「Pさん……その、良かったら後で一緒に……泳ぎませんか?」
P「はいはい、ライブが終わったらな」
ネネ「あっ、でも陽が上がったら……日焼けしちゃうかな……」
P「昨日の日差しを見てると日焼けはするだろうな」
ネネ「泳ぎたいですけど……日焼けは困りますし……」
P「日焼け止め塗れば良いんじゃないか?」
ネネ「そうですね! Pさん。よかったら、日焼け止め塗ってください! ねっ?」
P「なんでオレが塗らなきゃなんないんだよ……」
ネネ「えっと……私、ライブ頑張りますから!」
P「そんなもんがなくても頑張れ!」
ネネ「うぅ……えっと……」
P「わかったよ、塗ってやるから泣きそうな顔するな」
ネネ「は、はい! ありがとうございます!」
------
P「さて、いよいよ本業だ」
ネネ「…………」
P「どうしたんだ?」
ネネ「海の無い内陸育ちの私が、こんなに海の近くでLIVEできるなんて……!」
P「だな、特設ステージってのは豪華なもんだね」
ネネ「凄く綺麗です! 妹にも見せたかったな……」
P「ま、それは妹ちゃんの誕生日にでも考えとくよ」
ネネ「あっ、Pさんにおねだりしたわけじゃ……」
P「別にかまわねーよ、毎回海外ってわけにもいかないけどな」
ネネ「そうですね、洋子さん達にもなんだか悪いです……」
P「あぁ、それは確かに……行く前にギャーギャー言ってたし」
ネネ「私だけ良いのかな……?」
P「大丈夫、プレゼントに海を見せてやっただけだからな」
ネネ「あっ……そ、そうなんですね」
P「気に入ってもらえたか?」
ネネ「はい……いま私の心はこの海みたいに澄んで輝いています」
ネネ「それはPさんがそばにいてくれるから……」
ネネ「私……これからも輝きたいな!」
ネネ「だからその……これからも私を導いてくださいね。Pさん!」
P「……そうだな、任せとけ! さぁ、時間だ頑張ってこいよ!」
ネネ「はい、笑顔で頑張ってきますね!」
おわり
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
勢いで立てた誕生日SS
個人的にSRのネネちゃんは一番好きな絵です
このスレはHTML化依頼を出しておきます
乙?
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