アルミン「逆転アルミンでエレンを救ってみせるぞ!!」(59)


ミカサ「……エレンの審議? 何の?」

アルミン「よく分からないけど、エレンをどうするかってことらしい!!」

ミカサ「どうするかって」

アルミン「それはよく分からない!!」

ミカサ「エレンをどうするというの」

アルミン「大丈夫、どんな状況にも対応できるよう、手は打ってある!!」

ミカサ「それのこと? さっきからそれ、何やってるの?」

アルミン「座学さ! ザ・学!!」

アルミン「最近身体を動かしてばかりだったからね!」

アルミン「たまには座学トップの頭脳も取り戻しておかないとね!!」

ミカサ「そう。難しそうな本ばかりね」

アルミン「それは逆転ナントカっていう文献の攻略本さ!!」

ミカサ「裁判? それって……」

アルミン「ああ!」

アルミン「これを応用してエレンを救うんだよ!!」


憲兵「ミカサ・アッカーマン!」

憲兵「アルミン・アルレルト!」

憲兵「イルカー!?」

ミカサ「はい」

アルミン「きたッッ!!」

憲兵「午後からの審議に、証人として出廷しろとの命令だ」

ミカサ「!」

ミカサ「審議って、例のエレンの?」

アルミン「やはりきた。知識をつけたのは無駄じゃなかった!」

アルミン「僕の逆転論破を披露するときがきたんだ!!」

ミカサ「アルミンは、この審議に参加できることを知ってたの?」

アルミン「いや、知らなかった」

アルミン「でも予感はしていた……エレンを救うチャンスが訪れることを!」

アルミン「さぁ行こうミカサ! 一緒にエレンを助けよう!」

ミカサ「エレンを助ける。うん行く。行こう!」


——

エレン「! ちょ、ちょっと」

ハンジ「勝手だけど我々は、君を妄信するしかないんだ」

ハンジ「健闘を祈る」

  バァン——

エレン「……は……」

エレン(……審議所?)

エレン(俺は、審議所の地下にいたのか)

エレン(くっ……何なんだこの面子)

エレン(そもそもこれは、一体何を裁く場なんだ)


アルミン「」ジーッ
ミカサ「」ジーッ

エレン「!」

エレン(なんかめっちゃこっち見てる奴らがいると思ったらお前らだった)

エレン(一気に不安になってきた。頼むから大人しくしていてくれよ……)

もしやアホミンシリーズの人?


ダリス「……」バサッ

ダリス「では、始めようか」

エレン「!」

ダリス「エレン・イェーガー君だね」

ダリス「君は公のために命を捧げると誓った兵士である。違わないかい?」

エレン「はい」

ダリス「異例の事態だ。この審議は通常の法が適用されない兵法会議とする」

ダリス「決定権はすべて、私に委ねられている」

ダリス「君の生死も、いま一度改めさせてもらう」

アルミン(何だって!? まさかエレンの命がかかっていたなんて!)

ミカサ(許せない。あの男は削ぐべき)

アルミン(落ち着いて! まだ様子をみるんだ!)

ダリス「異論はあるかね?」

エレン「……ありません」

エレン(あるとしたらあそこの二人の不穏なやりとりだよ)ハラハラ


ダリス「察しがよくて助かる。……単刀直入に言おう」

ダリス「やはり、君の存在を隠すことは不可能だった」

ダリス「君の存在をいずれかの形で公表せねば、巨人とは別の脅威が発生しかねない」

ダリス「今回決めるのは、君の動向をどちらの兵団に委ねるかだ」

ダリス「憲兵団か」


ナイル「……」
ニック司祭「……」
モブ中年「……」


ダリス「調査兵団か」


エルヴィン「……」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
ミケ「……」

アルミン「……」
ミカサ「エレン」


エレン(調査兵団一択と思って顔ぶれをなぞってみたらテンション下がってきた不思議)

ん?どうした?
>>1はそれぐらいでへこたれるようなやつじゃないだろ


ダリス「では、憲兵団より案を聞かせてくれ」

ナイル「はい。憲兵団師団長、ナイル・ドークより提案させていただきます」

ナイル「我々は、エレンの人体を徹底的に調べ上げたのち」

ナイル「速やかに処分すべきだと考えております」


ミカサ(いま決定した)スッ

アルミン(まだ落ち着くんだ!)バッ


ナイル「彼の巨人の力が、今回の襲撃を退けたことは事実です」

ナイル「しかし、その存在がいま、内乱を巡る波紋を呼んでもいる」

ナイル「なのでせめて、できる限りの情報を残してもらったのちに」

ナイル「我々人類の英霊となっていただきます」

エレン「くっ……」

ニック司祭「そんな必要はない!」

ニック司祭「奴は神の英知である壁を欺き侵入した害虫だ! 今すぐ殺すべきだ!」

エレン(あれはウォール教の……五年前はアルミンしか相手にしてなかったのに……)

アルミンww


ダリス「ニック司祭殿。静粛に願います」

ニック司祭「ぐっ」

ダリス「では次に、調査兵団の案を伺おう」

エルヴィン「はい」

エルヴィン「調査兵団13代団長、エルヴィン・スミスより提案させていただきます」

エルヴィン「我々調査兵団は、エレンを正式な団員として迎え入れ——」

エルヴィン「巨人の力を利用して、ウォール・マリアを奪還します。以上です」

ダリス「……」

ダリス「ん? もういいのか?」

エルヴィン「あ、もうちょっといいですか」

エルヴィン「彼の力を借りれば、ウォール・マリアは奪還できます」

エルヴィン「何を優先するべきかは明白だと思われますが」

ダリス「……ん? もういいのか?」

エルヴィン「あ、以上です」

リヴァイ「おいフワフワしてんじゃねーよ」


ダリス「そうか」

ダリス「ちなみにその作戦遂行は、どこから出発するつもりだ」

ダリス「ピクシス。トロスト区の壁は、完全に封鎖してしまったのだろう」

ピクシス「ああ。もう二度と開閉できんじゃろう」(ワシの出番おわり)

エルヴィン「あ、東のカラネス区からの出発を希望します」

エルヴィン「そこからシガンシナ区へ。イチからルートを模索して、接近します」


「「待った!!」」


モブ中年「ちょっと、待ってくれ!」

モブ中年「今度こそ、すべての扉を封鎖すべきじゃないのか!?」

モブ中年「超大型巨人が破壊できるのは、扉の部分だけだ」

モブ中年「そこさえ頑丈にすれば、これ以上攻められることはない!!」

モブ「黙れ、教会の犬どもめ。巨人の力を使えば、俺達はまたウォール・マリアに戻れる!」

モブ中年「これ以上、お前らの英雄ごっこに付き合ってられねぇんだよ!!」

「「  異 議 あ り ! !」」


モブ中年「!?」 バン

モブ「!?」 バン

ニック司祭「!?」 バン

エレン「!?」 バン

リヴァイ「!?」 バン


アルミン「」m9 ドーン


モブ中年「な……何だ? 誰だお前は!」

アルミン「扉を!」

アルミン「扉を埋め固めている間、巨人が待ってくれる保証がどこにあるというんです!」

モブ中年「うっ……」



リヴァイ「ちっあの馬鹿が」

エルヴィン「待て。少し様子をみよう」

エレン(やっぱり絡んできやがった……何事も起きませんように……)


アルミン「あなた方のいう『我々』というのは、あなた方が肥えるために守ってる富裕層の話だ」

アルミン「土地が足りずに食糧に困っている人間は、視界に入らないというのですか!?」

モブ中年「わ、我々は、扉さえ封鎖されれば助かると話しているだけだ!」

ニック司祭「よさぬか! この不届き者め!」

ニック司祭「神より授かりしローゼの壁に、人間風情が手を加えるというのか!?」

ニック司祭「貴様らはあの壁を……人知の及ばぬ神の偉業を見ても、まだ分からないのか!?」

アルミン「あなたたちのせいで!」

ニック司祭「!?」

アルミン「あなたたちのせいで、壁上を武装することさえ時間がかかった!」

ニック司祭「なんだと貴様、不敬だぞ!」

アルミン「巨人に食べられるよりは、不敬で済む方が遥かにましだ!」

ニック司祭「何……!」

 

リヴァイ(思ったより悪くないな。というより何故か俺が言おうとしたことばかり)

エレン(あのアルミンが正論を言ってる! 何かに影響されたのか?)


ダリス「」ダン ダン ダン ダン ダン ダン ダン

   バンッ  

ダリス「静粛に。個人の主義主張は、別の場所で訴えて頂こう」

アルミン(くっ……この世界ではサイバンチョには勝てない!)

ダリス「イェーガー君、確認したい」

ダリス「君はこれまで通り兵士として人類に貢献し、巨人の力を行使できるのか?」

エレン「はい。できますっ」

ダリス「ほぉう。だが、トロスト区防衛線の報告書には、こう書いてある」パラ

ダリス「『巨人化の直後、ミカサ・アッカーマン目がけて拳を振りぬいた』と」

エレン「ハッ!?」バッ

アルミン(制御できなかったことを覚えてないのか……!?)

ミカサ「ちっ」 キッ

リコ「報告書に嘘を書けってのか? この事実を隠すことは、人類のためにならないんだよ」

アルミン「……しかしあなたの場合は、少し勝手が違うかもしれない」

リコ「何?」

 
「「  異 議 あ り ! !」」

 
アルミン「」m9  ビシィッ


リヴァイ「いい加減にしろよあのガキ」

エルヴィン「待て、まだ動くな。うまくいけば、例のカードを切らずに済むかもしれん」

リヴァイ「の前にあんなのを好きにさせりゃ、こっちの体裁が悪化する一方だ」

エルヴィン「いよいよとなれば彼を切り捨てる。まだ正式に調査兵団に加入した訳ではない」

リヴァイ「ふん。どいつもこいつも何考えてんだか」
 

アルミン「この度、この場に証人として立ち合わせて頂いた訓練兵——」

アルミン「アルミン・アルレルトより、当報告書に対し補足があります!」

ダリス「何かね」

アルミン「まずその報告書は、駐屯兵団分隊班長、リコ・プレツェンスカが提出したものですが」

アルミン「彼女の報告書に関しては、信憑性に欠ける事項があります!!」

リコ「な、何だと?」


アルミン「あの岩を運ぶ作戦には、巨人化したエレンを援護する精鋭班が数名ついており」

アルミン「僭越ながら自分もその班に同行させていただきましたが——」

アルミン「その際、ピクシス司令より全権を委任されたイアン・ヴィートリッヒ班長が居ながら」

アルミン「このリコ班長は軽率にも、独断で赤い煙弾を上空に放ちました!!」

リコ「な!?」

アルミン「イアン班長の機転により、その後も作戦は続行され、結果奪還に成功しましたが」

アルミン「一歩間違えば本作戦自体が失敗に終わり、トロスト区は巨人に覆われていたでしょう」

アルミン「引いては、今ごろはウォール・ローゼすらも突破されていたかもしれません」

アルミン「つまり!!」

バンッ

アルミン「リーダーの判断も待たずに軽率な行為に走る彼女が」

アルミン「『巨人化したエレンが適当に拳を振るった先に、たまたまミカサ・アッカーマンがいた』」

アルミン「という事実を歪曲させて報告書に記した可能性は、やぶさかではありません!!」

 m9  ビシィッ!

リコ「ううっ」 ビシシィッ


アルミン「以上の点から、エレンが問題なく巨人を制御できる可能性も加味して頂きたい!」


「「待った!!」」


リコ「確かに、百歩譲って煙弾信号を即座に発射したのは早計だったかもしれません」

リコ「しかしそれはそもそも、エレンが攻撃性をもって彼女に攻撃したことが事実だからこそ——」

リコ「焦燥に駆られ、行為に及んだものです。また、他にも看過できない点があります」

アルミン「!」

リコ「その報告書に記載されてあるように、エレンは二度、彼女を殴り潰そうとしました」

リコ「今までアルレルト訓練兵が指摘した点は、すべてその一度目の話」

リコ「二度目は、顔面に張り付いたアッカーマンを間違いなく攻撃していました」

リコ「イアン班長が声をかけなければ、彼女は飛びのく暇もなく殉死していたことでしょう」

リコ「つまり——」

リコ「巨人化したエレンが、自らを制御できなかった事実は明白なのです!」

アルミン「ぐぬぬ」

エレン(……というかアルミンはただリコ班長にイチャモンつけてるだけだしな……)


「「待った!!」」


アルミン「証拠が……証拠がありません!」

アルミン「ここにはリコ班長と同格であるイアン班長、ミタビ班長も不在です」

アルミン「リコ班長が独断と偏見で報告書を作成した可能性も——」


「「異議あり!!」」


リコ「報告書の捏造は重罪だ。私には虚偽を講じるメリットが何もない!」

アルミン「捏造ではないとしても、あるいはエレンの二度目の攻撃も見間違えだったかもしれない!」

リコ「それを言い出したら報告書は書けない!」

アルミン「ならば報告書には断定的な表現は避けるべきだ!」

バン バン (手)

ダリス「静粛に。ここはいったん報告書の件は別に置き、話を進めよう」

アルミン(よし、なんとか報告書に不信感を与えることができたぞ!)

リコ(くそっ、なんて迷惑千万な奴だ……)

アホミンはブレないなwww

このアルミンは駄目なアルミン


ダリス「焦点は事実の有無だ。ここは証人に直接確認するとしよう」

ダリス「ミカサ・アッカーマンは?」

ミカサ「はい。私です」

ダリス「君か。巨人化したイェーガーが襲い掛かってきたのは、事実か?」

ミカサ「……」

アルミン「ここでの最善策は『分かりません』だ。不利な発言は避けるんだよ!」ボソボソ

リコ「誤魔化さずに答えないと、エレンのためにならないぞ」ボソ


ミカサ「……」

ミカサ(アルミンに任せる<<<<エレンのためになることをする)ピーン

ミカサ「はい。事実です」


アルミン「あっ、リコ班長いま!」ボソッ

リコ「黙れ。私には人類を担う責務と減給がかかってるんだよ」ボソ

アルミン(くっ……ミカサが認めたことで、報告書の件は無意味に終わったか)

アルミン(だが落ち着くんだ、まだまだチャンスはある——!!)

ざわ……   ざわ……

モブ中年「やっぱり……巨人は巨人じゃないか」

エレン(俺がミカサを殺そうとした? 俺がか!? 俺が? ……えっ俺が??)


アルミン(くっ、まずはこの状況を何とかするしかない!)

アルミン「ミカサちょっと」ゴニョゴニョ

ミカサ「ん。分かった」

ミカサ「しかし! それ以前に私は二度、巨人化したエレンに命を救われました」

ミカサ「一度目は、この世に絶望した私がまさに巨人の手に落ちる寸前に颯爽毅然と現れ」

ミカサ「敵の巨人の前に雄々しく立ちはだかり、勢いを乗せた右拳を振りぬき私を守ってくれました」

ミカサ「私はひたすら困惑しましたが、同時に高揚もしました。それは巨人化したエレンが人類の——」

ダリス「あー。もうよい。二度目は?」

ミカサ「二度目は、駐屯兵団の卑劣な指示の元に放たれた榴弾に対し、私を抱き寄せて敢然と——」

ダリス「あい分かったもうよい」

ミカサ「よくない。もっと聞くべき」

リコ「のろけ話なら他所でやれ!」


アルミン「つまり!」 バンッ

アルミン「彼女の『巨人化したエレンに攻撃された』という証言を事実として認めるのであれば」

アルミン「彼女の命を二度救ったという事実も、考慮していただきたい!」

エレン(なんでお前がまとめるんだ)

 
「「待った!!」」


ナイル「お待ち下さい」

アルミン「!?」

ナイル「今の証言には、かなり個人的な感情が含まれていると思われます」

リコ(まぁ誰が聞いてもな)

ナイル「ミカサ・アッカーマンは、幼い頃に両親を失くし——」

ナイル「イェーガーの家に引き取られたという事情があるのです」

 
「「  異 議 あ り ! !」」
 

アルミン(ここは一歩も退かないぞ!) m9 ビシッ

そろそろ黙れwww


アルミン「エレンが巨人化能力を使い、二度目に榴弾を防いだ時!」

アルミン「自分もその場に居合わせていました! 僕が証言しましょう!」

アルミン「あの時のエレンは、意図的に巨人の力を制御していました!」

アルミン「自分とミカサを引き寄せ、自傷行為に及び、巨人の一部を具現化させたのです!」

アルミン「事実、その瞬間を目にした駐屯兵も少なくないと思われます!」

リコ「ぐぬぬ」

アルミン「ミカサ・アッカーマンの証言を、その身の上から憶測するなど言語道断!」

アルミン「議論のすり替えさえ疑われる、牽強付会も甚だしい限りです!」

ナイル「な……議論をすり替えようとしているのはお前の方だろう!」

ナイル「とにかく、アッカーマン訓練兵にはそういった背景があるのは事実なんだ!」

アルミン「そもそもの議論は、エレンの巨人化能力制御の可否!」

アルミン「ミカサの証言に個人的な感情が含まれていようとなかろうと、関係ないのです!」

バン バン (手)

ダリス「静粛に。静粛に」

エレン(ああ……何かゴチャゴチャしてきたけどとりあえず不安な展開だ……)

ごめんなさい続きは近日(^q^)

おつ
おれなんかあたまがいたくなってきたぞ

実際なるほど君もいちゃもんに近い発言で場をしのぐ事もあるから問題ない
問題ないんだが、このアルミンは色々と不安だw

ゆさぶりまくる(イチャモンつけまくる)で相手にボロを出させる作戦だからしゃーない

議論をする際に、一番難しいのって真実を捻じ曲げる事
なんだな

いちゃもんつけまくった結果(自分が)盛大にボロを出しそうなんだが


バンッ (手)

ダリス「巨人化の能力を確実に制御できるか否か」

ダリス「ここでは、イェーガー君が制御可能と仮定した上で話を進めよう」

アルミン(好感触!)

ダリス「しかしそうなると別の問題が浮き上がる。彼の人格においてだ」

エレン「えっ?」

ダリス「兵士としての忠誠には無論、信頼をもって厚く迎えたい——しかし」

ダリス「あれだけの制圧力を持つ巨人だ。いつ魔が差すとも限らん」

ダリス「今でこそ人類に心臓を捧げているとはいえ、ひとたび寝返りや乱心を起こせば」

ダリス「即座に人類は窮地に陥ることだろう。それほどのリスクを、今この瞬間さえ孕んでいるのだ」

エレン「そっ……そんな、俺は……」

 

ナイル「その件に関しまして、是非参考としてもらいたい情報があります」

ダリス「何かね」

アルミン(うっ迂闊! 先制を許してしまった!!)


ナイル「我々の調べでは、アッカーマン訓練兵がイェーガー家に引き取られる経緯にて」

ナイル「驚くべき事実も見つかっております」ペラ

ナイル「エレン・イェーガーとミカサ・アッカーマンは、当時9歳にして——」

ナイル「強盗誘拐犯である三人の男を刺殺している」

エレン「!!」


 どよどよどよ   ざわざわざわ


ナイル「いかに正当防衛とはいえ、根本的な人間性に疑問を感じざるを得ません」

ナイル「果たして彼に、人類の命運、人材、資金を、託すべきなのかどうか——!」


 ざわざわざわ   どよどよどよ



「「  異 議 あ り ! !」」


アルミン「」 m9  ビシィッ

ナイル(ま、またこいつか)


アルミン「異議を唱える点は二つあります!」

アルミン「一つ目は、強盗誘拐犯の事件の内容に関して!」

アルミン「先の弁論では、二人が過剰な正当防衛を行使した点のみ主張されていましたが」

アルミン「当該事件においては、すでにミカサ・アッカーマンの両親が殺害されていたこと——」

アルミン「また、憲兵団の到着が大幅に遅れたことで、時間が有限であったことも補足願いたい!」

ナイル「なっ……」

ナイル(こいつ、よく知ってやがる!)


エレン(ああ、アルミンには昔話したことあったっけ)

ミカサ(あ。いまエレンが一瞬こっち見た。こっち見た)


アルミン「二つ目は、この場における当事件の引用に関して! その関連性の薄さです!」

アルミン「諸々の事情を飛躍して『根本的な人間性』を語るのはまたしても拡大解釈!!」

アルミン「『今の証言にはかなり個人的な感情が含まれていると思われます』」

アルミン「先に述べられた言い分、そっくりお返ししましょう!!」m9 ビシィッ

ナイル「うぐぐっ!」 ビシシシッ


ざわざわ……    ざわざわ……

モブA「で、でもよ。やっぱ9歳で殺人って異常だよな」

モブB「ああ。相手は大の大人が三人だぞ……」


アルミン(むっ……周囲の空気が怪しい!)


モブC「そうだ。アイツは子供の姿でこっちに紛れ込んだ巨人に違いない!」

モブ「アイツもだ」 スッ

ミカサ「!」

モブ「人間かどうか疑わしいぞ!!」

モブA「そうだ! 念のため解剖でもした方が……」

エレン「待って下さい!! 俺は化け物かもしれませんが——」


「「待った!!」」


アルミン「」 m9  スッ

エレン(ア……アルミンの声がデカ過ぎる……)


アルミン「傍観者の方々、落ち着いてください!」

アルミン「僕がエレンのスパイ容疑、ならびにミカサの巨人疑惑を晴らしましょう!」

モブ「なんだとォ」

アルミン「まず、つい先刻つまびらかになった事件を思い出してください!」

アルミン「この二人は命の危険に晒されてなお、子供の姿のままで強盗犯を撃破しました!」

アルミン「本当に実は巨人であったのなら、その危機に瀕した場で巨人にならないのはヘンです!」

モブ「そ、そのときはまだ巨人化能力が身についてなかったんだよ!」

アルミン「その通りです! エレンが巨人化を習得したのはごく最近のこと」

アルミン「今年兵士になるまで、自分とエレンとミカサは、ごく普通に街で暮らしてきたのです!!」

モブ「ぬぬ……」

アルミン「また先刻、別に判明した事実! ミカサが巨人化したエレンに襲われた一件!」

アルミン「エレンが殺意をもって、ミカサを殴り潰そうとしたことを思い出してください!」

アルミン「二人が共犯であるなら、仲間に文字通り手をかけようとするのはおかしいでしょう!」

モブ「そ、そんなこといくらでも偽装が……」

アルミン「まだあります!!」  m9  ビシイッ


アルミン「ミカサの人間性に関してです! 最初にトロスト区が襲撃を受けた際、」

アルミン「住民の避難が遅延したことは覚えているでしょうか!?」

モブ「!」

アルミン「あのとき狭い出入り口に、無理に巨大な荷車を押し込もうとした富豪がいました!」

アルミン「自分も後から聞いた話ですが、避難に時間がかかったのはそれが原因だったのです!」

アルミン「しかしこのミカサ・アッカーマンは、その場に迫った奇行種をいち早く討伐したばかりか」

アルミン「その富豪を脅は……説得し、結果犠牲を出すことなく住民を避難完了へと導きました!」

アルミン「もし彼女が巨人であったのならば、人類を蹂躙する絶好の機会だったことでしょう」

アルミン「しかし彼女はその後、黙して敬礼をこなし去ったと聞きます!」

アルミン「これだけの活躍を省みても、まだ彼女が巨人だと、そして人格に問題があるといえますか!?」

モブ「うぐおおおっ!!」



エレン(アルミンすげえ……よくミカサのことをそこまで……)

ミカサ(あ、エレンこっち見てる。エレーン)

エレン(あ本人は全く気にしてなさそう……)

有能ミンなのかアホミンなのかよくわからんなw

公式四コマが異議アルミンだった件について

逆裁のBGMが脳内に流れてきたぞ

いいぞー相手を論破する展開好きだから胸熱

アホミンというか、テンション高ミンというか

アタマのなかでアルカプの追求が流れてる

>>39
公式アルミンまでアホ可愛い


 ざわざわ   どよどよどよ

モブA「……し、信用できるか!」

アルミン「!」

モブB「庇うってことは、やっぱりお前も仲間だ!」

アルミン「では根拠の提示をお願いします!!」

モブA「何ぃ」

アルミン「僕が巨人の仲間であるという根拠を!」

アルミン「イチから論理立てて証明してみせてください!!」

モブA「うっ……」

アルミン「先ほどからそちらは、自分達に都合のいい憶測ばかりで、話を進めようとしている!!」m9

ナイル「な……なんだと……」

アルミン「大体あなた方は、巨人を見た事もないくせに、何がそんなに怖いんですか!?」m9

エレン(ちょ……まずいだろ……)

アルミン「力を持っている人が戦わなくてどうするんですか!!」m9 

エレン(それ以上は黙ったほうが……)


アルミン(いや、言ってやる! 思ってること全部!!)

エレン(↑って顔だもうだめだ)

アルミン「生きるために戦うのが怖いっていうなら、力を貸して下さいよ!!」

アルミン「この腰抜け!」

アルミン「弱虫!」

アルミン「アフォーッッ!!」

ナイル「何ぃ」

アルミン「いいから黙って」

アルミン「全部エレンに投資しろおおおぉぉぉーーッ!!」

エレン(っえ俺っ!?)

 
ナイル「……! とりあえず構えろ!!」

モブ「はっ! えっ、だ、誰に?」 ジャキッ


リヴァイ「ちっ」バッ

アルミン「!!」


リヴァイ「」ヒュッ

アルミン(リヴァイ兵長!? 何を)

 ゴッッ

エレン「!?」ブ

    カツンカツーン

エレン(……歯……?)

 

アルミン(リヴァイ兵長!? なぜエレンを蹴ったんだ!?)

アルミン(いやそれよりも法廷内で暴力!?)

アルミン(議論で解決する場で暴力はいけませんよ!?)

 

ミカサ「   」

アルミン(まずい、ミカサが何が起こったのか理解したら周囲は血の海だ!)

リヴァイ「」ス…

アルミン(二撃目を与えるつもりか!? そうはさせない!!)バッ


 バッ

 

アルミン(正直、このリヴァイ兵長の実力は相当なものだ)

アルミン(一緒にいるとき、常にまったく隙をみせなかった)

アルミン(人間ながら僕でも楽勝とまではいかない相手だろう)

アルミン(でもどんな生き物でも、相手の動きが読める瞬間があるんだ! それは)


リヴァイ「」ス…

エレン(歯……)


アルミン(相手が獲物を捕える瞬間!!)

アルミン「チョップ!」

ビシッ

リヴァイ「はっ……!?」

     ドサッ

エルヴィン「あっ?」


ざわざわ…   どよどよ…

リコ「い……いま何が起こったんだ?」

ミカサ「……。……?」

リコ「な、なぜアルレルト訓練兵が飛び出してるんだ?」


ハンジ「えっ、倒れているのはリヴァイ兵長? あの子がやったの!?」

ミケ(おそろしく速い手刀。オレでなきゃ見逃しちゃうね)

 
エルヴィン(予想外の事態だ)

エルヴィン(これでは何のためにリヴァイがエレンを攻撃したのか意味不明ではないか)


ナイル「い……いったい何が……」

モブ「うう……」


エレン(何が起こったの。痛いほっぺ痛い。血が出てる。痛い)

エレン(あれ俺の歯? え、何? 俺アルミンに蹴られたの? あれリヴァイ兵長……)

アルミン「ふぅー」

さすがは脳筋アルミンだ


 バッ

アルミン「……」

アルミン「これは持論ですが」

アルミン「暴力を解決するのに一番効くのは、一撃必殺だと思います」

エレン(まじかよ)

アルミン「今この場に必要なのは暴力による鎮圧ではなく、討議による結論です」

アルミン「真ん中にいるからちょうど声が届きやすいですし」

リコ(勝手に真ん中に行ったのはお前だろう……)

エルヴィン(リヴァイ起きろ! 気絶してるのか? くっ、眼球運動を見なければ……)

 

ナイル「ま……待て!」

アルミン「何ですか!?」

ナイル「今そいつは一撃をもらった……恨みを買って巨人化したらどうする!」

アルミン「何を言ってるんですか」

アルミン「あなた達はエレンを解剖するつもりだったんでしょうが!?」クワッ


ナイル「ううっ……」

アルミン「エレンは巨人化したとき、力尽きるまでに20体もの巨人を殺しました」

アルミン「敵だとすれば、知恵がある分手強いかもしれませんが——」

アルミン「僕となかなか良い勝負ができそうです。いやむしろ戦ってみたい!」

エレン「ほぁ」

アルミン「だがあなたたちはどうするんですか!?」

アルミン「エレンをいじめた人たちも考えたほうがいいですよ……」

アルミン「本当に僕に勝てるのかどうか!!」

エレン(あああやっぱりいつものアルミンじゃないか!)

ナイル「ぐ……」

 

アルミン「総統、ご提案があります!!」

ダリス「なんだ」

アルミン「一連の騒ぎはなかったことにして、議論を続行しましょう!!」

エレン(あ、やっと分かった。こいつただ話し合いで勝ちたいだけだ……)


ダリス「ふむ。では中断したところから整理しよう」

ダリス「エレン・イェーガーが、ミカサ・アッカーマンめがけて攻撃したことは事実」

ダリス「であれば、やはり彼は巨人の力を完全には制御できていないということになる」

ダリス「この不安要素ある限り、やはり人類に利があるとは思えないが」


「「待った!!」」


アルミン「万一エレンが暴走した際は、僕が何とかしましょう!」

アルミン「僕が持ち前のパワーでエレンの管理をしましょう!」

アルミン「それでどうでしょうか!?」

ダリス「エレン・イェーガーの管理か……できるのか? アルレルト訓練兵」

アルミン「巨人化したエレンと互角以上に渡り合えることに関しては、間違いなく!」

アルミン「問題はむしろ、その機会になかなかありつけないということにあります!!」

エレン(色々おかしいだろ……)

アルミン「」チラッ

ナイル(な……なぜまだ俺を睨む……)


エルヴィン「総統。ご提案があります」

ダリス「なんだ」

エルヴィン「私はこの後、エレンとアルミンを調査兵団に迎え入れます」

エルヴィン「そしてエレンの管理をアルミンに任せ、その上で壁外調査に出ます」

ダリス「エレンを伴ってか」

エルヴィン「はい。エレンが巨人の力を制御できるか。人類にとって利がある存在かどうか」

エルヴィン「その調査の結果が判断していただきたい」

ダリス「……ふっ。結論は出た」

エルヴィン(ふっ。奇跡的に何とかなった)


「「  異 議 は ! ?」」


ダリス「!?」

アルミン「もう異議はないんですか!?」m9  ビシッ

ナイル「えっ!?」

エレン「もう結論出たって言ってんだろうが大人しくしとけ!!」


こうして裁判に勝訴したアルミンは  自らの座学の成果に満足し

再び肉体鍛錬へと励む日常に  戻った

調査兵団では  エレンの管理を任され

多少の暴走はあれど  並ならぬ活躍を果たした

しかし!

いつまた今回のように  頭脳が求められる場面がくるか分からない

アルミンが  完全に座学を捨てる日は訪れない

この世には  腕力だけでは解決できないものがある

さぁいけアルミン!  刃を振るえ!  異議をぶつけろ!

更なる力を  完全無欠を  今こそアルミン!  いけ!!

「「  異 議 あ り ! !」」

 

終わり


面白かった


やっぱアホミンか

リコさんを目の前にしてののろけ話はいかんな。
何はともあれ乙

このアホミンのパワープレイ好きだよ

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