春香「かまってください」P「やだ」春香「なんで」 (27)

書き溜めです。テンプレとうざいの注意です。

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 ………………………… ◇ …………………………

春香(この頃はアイドルのお仕事がキツキツで、事務所に行く暇がなかったけれど……)

春香(今日は久しぶりの事務所です!)

春香『おはようございますっ!』

春香『アーンド、お久しぶりですプロデューサーさん!』

P『ん? ……ああ春香か』

春香『はい! 今日も一日明るく楽しく元気よく! 天海春香です!』

P『選挙出るのか?』

春香『あのう、プロデューサーさん、実は私、今日――』


 トゥルルルルル…


P『あ、電話だ。春香、ちょっと待ってくれ』

P『はい、もしもし。……あずささんですか、おはようございます』

P『……え? 迷った? ……また? あー……はい、はい、あの辺りだな』

P『ところで今日は現場直行じゃ……ああ、やっぱり? 律子は……美希か』

春香『……』

P『わかった俺が迎えにいきます。から、そこを動かないでください。動いちゃだめですよ? 絶対ですよ』ガチャ

P『悪い、話はまたあとで』

春香『……行ってらっしゃい、プロデューサーさん』

 ………………………… ◇ …………………………


春香「……」テクテク


 ………………………… ◇ …………………………

春香『プロデューサーさん、ちょっといいですか?』

P『ん?』

春香『実は私、今日――』

響『はーむーぞーっ!!』ダダダダッ

春香『!?』

P『!?』

響『あっ、春香! プロデューサー! ハム蔵見なかったか!?』

春香『う、ううん……』

P『いや、見てない』

響『あっちにもこっちにもいない……どこに行っちゃったんだ、ハム蔵ー! ……うぅっ』

P『毎度騒がしいな響は……。一緒に探してやるから泣くな』

響『手伝ってくれるの!?』

P『驚くなよ』

響『ありがと、プロデューサー! じゃあ自分、あっち探すから!』

P『わかった。じゃ俺は向こうな』

春香『……』

 ………………………… ◇ …………………………


春香「……」テクテク


 ………………………… ◇ …………………………

春香『プロ――』

真美『兄ちゃーん!』ドーン

亜美『兄ちゃーん!』バーン

P『つっ……。遠慮を知らないガキどもめ……どうしてくれようか』

真美『うわーっ兄ちゃんが怒りゲージマックスで覚醒した!』

亜美『亜美たちボッコボコにされちゃうYO!』

P『何か用か?』

真美『んーとねー、真美たちと遊ぼーよ兄ちゃん!』

亜美『亜美たちはヒマすぎて逆に興奮のドツボなのだ!』

P『それならダンスレッスンでもしておいで』

真美『えーっ、真美たち二人でやってもつまんないよー』

P『わかった、じゃあ俺が亜美と真美に真のダンスってものを見せてやろう。ついてこい』

亜美『やったー! 兄ちゃんのハダカ踊りー!』ダッ

P『ちょっと待てよ!』

春香『……』

 ………………………… ◇ …………………………


春香「はーあ……」トボトボ



春香「戻りましたー……」ガチャッ

P「……」カチ

春香「……」ハッ

P「……」

春香「……」キョロキョロ

P「……」

春香「……」グッ

P「……」

春香「プロデューサーさん」

P「んー?」

春香「お疲れさまです」

P「おー」

春香「……」

P「……」

春香「……プロデューサーさーん」

P「……んー?」

春香「……」

P「……」

春香「プロデューサーさんっ!」

P「おわびっくりした、この声は春香か?」


春香「かまってください……」

P「は?」

春香「私のこともかまってください!」

P「なんだいきなり」

春香「かまってください」

P「やだ」

春香「なんで」

P「えーと……仕事中だ」

春香「ほんとですか?」

P「本当だよ、俺は忙しい」

春香「そうは見えないですよ」

P「馬鹿には見えない忙しさなんだ」

春香「……私、馬鹿じゃないです」

P「そうか?」

春香「だけど忙しそうには見えません」

P「春香には見えない忙しさなんだ」

春香「私限定!?」

P「そう。そして期間限定」

春香「なんだか、お菓子みたいな忙しさですね」

P「そうなんだ」

春香「ふうん……」


春香「……じゃなくて」

P「なんだよ」

春香「かまってください」

P「やだよ」

春香「暇してるじゃないですか」

P「仕事中だってば」

春香「……」

P「……」

春香「……じー」

P「……パソコン触ってるだろ、俺」

春香「……スパイダソリティアやってるじゃないですか」

P「好きなんだよ」

春香「お給料分のお仕事は?」

P「終わってるとも」

春香「むぅ……」

P「スパイダソリティアが今の俺の仕事なんだ」

春香「うまいんですか?」

P「全然」

春香「ふうん……」


春香「……じゃなくて」

P「なんだよ」

春香「かまってください」

P「かまってるだろ」

春香「さっきからこっち見てくれないじゃないですか……」

P「めぼしいものないしな」

春香「私がいますよ!?」

P「そうか……」

春香「はい」

P「春香か……」

春香「すごく不満そう!」

P「不満なんかないよ」

春香「あ、そ……そうですか? えへへ……」

P「魅力を感じないだけで」

春香「ザックリってレベルじゃないですプロデューサーさんっ!」


P「……今日はどうしたんだ春香」

春香「へっ?」

P「いつになくうっとうしい」

春香「うっとうしい!?」

P「ああ」

春香「私、傷つきました! いつもそう思ってたんですか?」

P「いつもは思ってない」

春香「なんだ、よかったぁ……」

P「ときどき」

春香「ときどきは思ってるんですか!?」

P「嘘だよ」

春香「ど、どこからどこまで……?」

P「全部」

春香「ええー……」

P「……」

春香「……あの、適当に答えないで私の相手をしてくれると春香さん的には嬉しいかなーなーんて」

P「ええー……」


春香「その……」

P「ん?」

春香「プロデューサーさん、……みんなには優しいですよね」

P「そうかな」

春香「みんなには」

P「そうかな」

春香「あずささんのことは迎えにいってあげますし、響ちゃんとは一緒にハム蔵を探してあげますし」

P「まあ」

春香「真美と亜美に遊んでって言われたら、いつもつきあってあげてますし」

P「あいつら、断るとしつこいからなあ」

春香「だからです」

P「なにが?」

春香「私もかまってほしいので、しつこくします!」

P「はーあ……」

春香「嫌そうなため息っ!」


春香「……」

P「……」

春香「……」

P「……」

春香「……プロデューサーさあん~」

P「なんだよ……」

春香「かまってくださいよう」

P「近年稀に見る蒸し暑さだな」

春香「熱中症には注意しましょうねっ」

P「……何が春香をそうさせるんだ」

春香「だって最近、プロデューサーさんとお話全然できないし」

P「春香も売れっ子だからなー」

春香「えへへ……プロデューサーさんのおかげです」

P「じゃそういうことで」

春香「そういうことじゃなくって!」


P「褒めたのに……」

春香「それは嬉しいですけど、そうじゃなくってですね」

P「これ以上何が欲しいんだよ」

春香「……かまってほしいなって」

P「これ以上どうしろと……」

春香「そろそろこっち向いてくださいよぉ!」

P「いやぁ、向いたら負けな気がして」

春香「ずーっとこっち見てくれないから! 私さっきから壁に話しかけてるみたいです!」

P「壁は喋らないぞ」

春香「壁みたいな人に話しかけてるみたいです!」

P「全国のない胸に謝れ春香」

春香「プロデューサーさんが謝ってください!」


春香「もう!」

P「どうした?」

春香「決めました! プロデューサーさんをなんとかして振り向かせます!」

P「おう、がんばれ」

春香「本気になった天海春香は怖いですよ!」

P「やあ春香」クルッ

春香「えっちょっそんな簡単に……」

P「春香は今日もかわいいな」

春香「え……ええ~……」テレテレ

P「動いたから春香が鬼な」

春香「だるまさんが転んだ!?」


P「こっちガン見したまま言う鬼がいるか」

春香「えっもう始まってるんですか」

P「ああ」

春香「一緒にだるまさんが転んだやってくれるんですか!?」

P「ああ」

春香「じゃ、じゃあやります!」

P「受けて立とう」

春香「だーるーまーさーんーがー」

P「……」クルッ

春香「こーろーんー……」

P「……」

春香「……」

P「……」

春香「プロデューサーさあん~」

P「あーもう」


P「めんどくさいな」

春香「えっ」

P「千早も大概手のかかる子だと思ってたけど、春香もな」

春香「私、面倒ですか!?」

P「超面倒」

春香「そんなあ」

P「今ならもう1個超をおまけします」

春香「いいです……」

P「人呼んで超面倒シスターズ」

春香「嫌ですよそんな不名誉な!」

P「不評かー」

春香「それに、千早ちゃんを馬鹿にしないでください!」

P「してないよ。千早のことは。俺が馬鹿にするのは……春香だけだぜ」

春香「嬉しくない!」

P「春香は特別だからな」

春香「……えっ?」


P「そろそろいいか?」

春香「何がですか?」

P「おかまいタイム終了。マジで仕事しなきゃ」

春香「かまってもらった感じがしません……」

P「贅沢だなあ……」

春香「……思ってたのと違います」

P「どんな感じに?」

春香「もっとこう……私が『お疲れさまです』って言ったら、プロデューサーさんが『春香もな』って言って」

P「うん」

春香「私が『今日はマカロンを作ってきたんですよ』って言ったら、プロデューサーさんが『ひとつくれないか』って言って」

P「うん」

春香「私が『どうですか?』って聞いたらプロデューサーさんが『腕を上げたな、春香』って言ってちょっと笑ってあわよくば頭をぽんぽんしてくれるみたいな……」

P「……」

春香「そういうやりとりがしたかったなー……なんて」


P「……ふっ」

春香「鼻で笑われた!?」


P「春香、少女漫画の読み過ぎ」

春香「ああんバッサリです!」

P「どこの世界にそんなアイドルとプロデューサーがいるんだよ」

春香「いたっていいじゃないですかあ……」

P「俺はしないぞ」

春香「……つれないなあ」

P「好きに言え」

春香「つれないつれない。プロデューサーさんのつれないひとー」

P「……」

春香「……ふーんだ。いいですよーだ」

春香「どうせ私なんか『喜んでくれるかなー』なんて無駄な期待しながらお菓子作ってきて一人で浮かれてる寂しい子ですよー……」

P「……ん? なあ春香」

春香「私は寂しい子ですよー春香さんじゃありませんよー」

P「そうか。じゃいいや別に」

春香「なんですかプロデューサーさん」


P「その言い方だと、本当にマカロン作ってきたみたいに聞こえるんだけど」

春香「……作ってきてたら、どうします?」

P「ひとつくれないか」

春香「えー……どうしようかなあ」

P「……なんだよ、お望みだったんじゃないのか」

春香「でもなあ、プロデューサーさん、つれないしなあ……」

P「そんなこと言わずに頼むよ春香、お願いします!」

春香「食べたら食べたできっとひどいこと言うんだろうなあ……」

P「言わない言わない!」

春香「本当かなあ……」

P「端っこだけ! 端っこだけでもいいからさ!」

春香「えへへ……そ、そんなに言うなら……」

P「……あーもういい。帰りにプリン買って帰るからいい」

春香「ちょちょちょっと待ってください! どうしてそこで諦めるんですか!」

P「や、もういいよ春香、気持ちだけ貰っとく」

春香「そんなこと言わないで食べてくださいお願いしますっ!」


P「じゃあ、ひとつ貰うな」

春香「はい……どうぞ」

P「……」サクッ

春香「……」

P「……」

春香「……」

P「……」

春香「……どうですか?」

P「……んー」

春香「雪歩や真は褒めてくれたんですけど……」

P「うーん……」

春香「おいしくなかった……ですか?」

P「いや、今なんて言えば面白くなるか考えてて」

春香「そんなコメントいりませんよっ!」


春香「率直な感想ください!」

P「率直か……うん、おいしいよ。上手にできてる」

春香「そんなっ、ひどっ…………あれ?」

P「どうしたんだ」

春香「い、いえ……その、……おいしいですか?」

P「ああ。やっぱり春香のお菓子はおいしいな」

春香「……」

P「……春香?」

春香「……今のは冗談じゃない?」

P「これは本音」

春香「……」

P「……」

春香「……えへへっ」

P「もうひとつ貰っていいか?」

春香「あ、はい、いくつでもどうぞ!」


―――

――




真美「……」コソ

亜美「……」コソ

真美「見ましたか亜美隊員」

亜美「見てますとも真美隊員」

真美「まーたはるるんと兄ちゃんがイチャイチャ漫才してるよ……」

亜美「今年になって何回目かね……」

真美「『かまってください!』とか言って、はるるんメッチャニコニコしてるんだけど」

亜美「兄ちゃんも兄ちゃんではるるんが来た瞬間にスパイダソリティア始めたっぽいよね」

真美「アイーンの呼吸ってやつ?」

亜美「亜美たちもまだまだですなあ」

真美「……」

亜美「……」

真美「……どうする? 亜美」

亜美「……今日は諦めよっか」

真美「……そーだね」




――

―――


P「……そろそろやよいと貴音を迎えに行かないと」

春香「あ、もうそんな時間……」

P「春香が相手だと気が緩んでいけないな。すっかり話しちゃったよ……」

春香「……」

P「なんだその顔。またそのうち会えるさ、同じ事務所なんだし」

春香「そ、そうですよね! じゃあプロデューサーさん、次に会ったときは、また」

P「うん」

春香「かまってくださいね!」

P「やだ」

春香「なんで」


おわり

お付き合い頂きありがとうございました。おやすみなさい。

ニヤニヤしてしまった
本当に春香はかわいいなあ!!
乙乙

よきかなよきかな
おつ

バカップル!このバカップル!大好き!乙!


好きな子程意地悪したくなるPか

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