走れメロス (67)
メロスは激怒した。
あの邪智暴虐の王をぶっ殺してやると。
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メロスは世間様を知らない。
メロスは一般人であった。
パソコンの前に居座り、ニコニコ動画を見てはニヤニヤしていた。
だが、邪悪に関しては人一倍敏感であった。
あー……期待
ネット中毒で走れるのか?運動不足じゃね?
今日の明け方、メロスは電車やバス、地下鉄を乗り継いで、自宅から40km離れたシラクスの街に来ていた。
メロスには父や母もいない。非リア充であった。
無職の兄を養ってくれる16の妹と二人暮らしであった。
妹は普通にリア充であった。
もうそろそろ結婚もするらしい。
そこでメロスは「ハロワでの職探し」と銘打って、花嫁の衣装やお祝いの品などを買いに来ていたのであった。
メロスゥ
単なるニートじゃねえかw
王様は誰になるか楽しみ。いやそれ以前にこのメロスは人質になってくれる親友はいるのか?
まずは街で買ったのを自宅へ宛先を自分にして送り、ホコ天をぶらぶらしていた。
メロスに竹馬の友がいた。
セリヌ以下略である。
今はこのシラクスの街でフィギュア職人をしているらしい。
PSO2のアバターを通してではなく、生身の体で会うのは暫く振りであった。
内心バクバクしていた。
竹馬の友もオタかよww
23時に再開します。
>>11
ひとまず乙。期待して待ってるよ。
二人とも全職業カンストなんですねわかります
内心バクバクしていたwwwwwwwwwwwwww
やべぇwwめっちゃ期待wwww
メロスおまわりさんに職務質問されそう。
16歳で兄を養いつつもうすぐ結婚……?
歩いているうちにメロスは怪しく思った。
静かすぎる。
夜だから街が暗いのは当たり前だ。
しかし、夜ばかりのせいではない。
何故か街全体がひっそりしてるようだ。
メロスは徐々にこの街の異変に臭さを感じた。
メロス「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!」
メロスは街のDQNをつかまえて、何故街からキャバクラだおっパブだのソープなどのネオンが消えたのか、何故酒臭いジジィやそれにからもうとするDQNがいないのかを訊いた。
しかし、DQN達はしょんべんを垂れながらしながら何処かへ消えていってしまった。
暫く歩くと前方に若い女が見えた。
メロスはすぐさま路地裏に引き入れ、女の逃げ道を塞ぎ、女に何故街がこんな状態に陥っているのかを訊いた。
なにこれクッソおもしれーなwwww俺の知ってるメロスじゃねーwwww
期待
女「王は闘いを好みます……」
メロス「何故闘いを?」キリッ
女「はうっ……///そ、それは王いわく、血が騒ぐそうです。誰もマジで闘う気などないのです……」
メロス「沢山の人間と闘ったのか?」
女「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身の世嗣を。それから、妹さまを。それから、妹さま の御子さまを。それから、皇后さまを。それから、取引先のアレキス様を揃って病院送りにしました」
メロス「王は狂ってやがる……」
女「いいえ、王は狂ってはいません。王は自分と対等に渡り合える人間が欲しいのです。王は最近街のDQNや年配の酒飲みジジィにも闘いを挑んでます。目立つ行動をすると即ファイトなのです……。今日も6人が病院に送られました」
メロス「情報をありがとう。可愛い人よ」ザッ
女「待って!」
メロス「どうした?」
女「貴方のお名前は……?」
メロス「メロス……、」
メロス「メロス・T・ランだ」
メロスは女を話を聞き、激怒していた。
メロス「自分の欲求不満を晴らす為に他人を傷つけるだと?そんなのが許される訳がねぇだろ……!」
メロスはまさに単細胞生物のような男であった。
装備もろくに整える事無く、城にずかずかと入っていった。
たちまち城の屈強な兵士たちに囲まれるが、そこは主人公補正により難なく突破した。
そして、遂に玉座にたどり着いた。
強い(確信)
ディオニス「わぁぁぁぁぁぁれの眠りを妨げる、おぉぉぉぉぉ愚か者めがァッ!!」
メロス「ほざいてろ!貴様の眠りとこの世界、どっちが大切なのかをもう一度考えながらなぁっ!!」
ディオニス「断じて!!我の眠りであるぅ……」
メロス「お前に対しての同情の念はこれで消えたぜ……」
メロス「お前を殺し、この世界を救う!!」
ディオニス「貴様如きにそれが出来るとでも!?」
メロス「やらなきゃいけねぇだろ!!」
メロスはホルスターから目にも止まらぬ早さで銃を抜いた。
メロス「喰らいな……!」
安全装置は解除済みである。メロスは迷いなく引き金を引いた。
メロス『焔の捕食者(ドレッド・イーター)!!』
放たれた弾丸はまるでメロスの心の内の正義心の炎のように燃えていた。
そして、弾丸がディオニスに命中した直後、その炎はまるで獲物を捕食するライオンのようにディオニスを包み込んだのであった。
ディオニス「ぬ、ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
メロス「さらばだ、ディオニス」
燃え盛るディオニスを背にし、メロスはその場を離れた。
そして、玉座のある王の間を去ろうと、ドアの取手に手を掛けた。
直後、メロスの肩に猛烈な痛みが生じた。
いやもう何の話だよww
メロス「ガッ!?こいつァは……」
肩を押さえた手には血が滴っていた。
そして、その肩にはディオニスが持っていた杖が刺さっていた。
メロスが玉座を振り返ると……。
ディオニス「夏にカイロとはぁ……。わぁぁぁぁぁぁれも少し驚いてこぉぉぉぉぉぉぉぉぉえを上げてしまったはぁ!!」
火傷どころか、服にさえ焦げ1つもついていない、暴君ディオニスがそこに立っていた。
スマフォに鼻水ついた
ディオニス「そぉぉぉぉぉぉろそろ、わぁぁぁぁぁぁれも反撃しようではないかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
瞬き一つであった。
メロスが一瞬瞬きをした間に、ディオニスはメロスの目前に立っていた。
ディオニス「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ドドドドドドドド
容赦のない、流星群のようなディオニスの拳が次々とメロスに襲いかかる。
完全に不意を突かれたメロスは防戦一方で、ただ、ディオニスの拳を受け続けるサンドバックになっていた。
メロス「……ッ!……ガッ!……グハッ……」
そしてついにメロスは倒れてしまった。
メロース!!
あれ?メロスってニートじゃ…
ディオニス「わぁぁぁぁぁぁれの億列拳×3セットを受けてもたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁおれるだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁけとは!!」
ディオニス「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁが、わぁぁぁぁぁぁれの相手ではなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
メロス「ちくしょう……!」
ディオニス「ひじょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉに残念だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁが、貴様にはここで死ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんで貰おう!!」
ディオニスはメロスの心臓に目掛けて全体重をのせた拳を振り下ろした。
???『運命に抗う意志(マリオネット・チェーン) !』
ディオニスの拳はメロスの胸板のわずか1cm上で止まった。
しかし、余波は止まらず、メロスは少し吐血した。
ディオニス「か、体が動かん!」
???「全く……。だからキミは単細胞生物と言われるんだよ?メロス」
メロス「ま、お陰で劇的な再開になったじゃねぇか」
メロス「セリヌンティウス」
眠いです。お休みなさい。
明日暇な時に再開します。
乙
かっけー
なんか無駄にカッコいいんだけどニートなんだろ?
セリヌ以下略かっけー
これ何マンガだよwwwwwww乙!wwwwwww
乙……ww駄目だw吹くwww
この王は間違いなくcv若本
王様のせいで「ぁ」が「ぁ」に見えなくなってきた
ジャンプの看板まんがだな
予告です。
今日も23時に辺りに再開します。
ワーイ(^◇^)
…ニートかホントにこいつ
乙。かっけ
セリヌンティウス「昔みたいにセルンと呼んでくれよ、メロス」
メロス「なんとなくお前をフルで呼びたくなったのさ……。セルン」
セリヌンティウス「だが、再開を喜んでる暇はないよ、メロス」
セリヌンティウスの視線の先には、苦悶の表情を浮かべ、先程から全く身動きがとれないディオニスが居た。
セリヌンティウス「知っての通り、僕の『運命に抗う意志(マリオネット・チェーン)』の束縛効果は3日間しかない。君には今すぐ家に帰って『約束の装備』を着けてここに戻ってきて欲しいんだ」
メロス「そうしたいのはやまやまなんだが……」
メロスは自分の肩に刺さっていた杖を引き抜いた。血が勢い良く、まるで公園の噴水のように飛び出し、宙を舞った。
メロス「すまないが俺の体力がもう限界のようだ……」
なんだこれは
セリヌンティウス『操り操られ(オート・モーション)』
途端に近くに飾ってあった鎧が、まるで意志があるように動き出し、メロスを担いだのであった。
セリヌンティウス「これなら大丈夫だろ?」
メロス「恩に着る、セルン!」
セリヌンティウス「3日で戻ってきてくれ。3日もあればキミの妹さんの結婚式も済ませられるだろ?」
メロス「必ず3日で戻ってくる!ディオニスはお前に任せた」
セリヌンティウス「任せておいてくれよ」
メロスはぐいっとセリヌンティウスの服の襟を掴み、自分の方へと寄せた。
メロス「決して無理だけはするな。ディオニスを倒すことも大事だが、俺はお前を失うのが怖い」
セリヌンティウス「……メロス」
2人はひしと抱き合った。友と友との別れに言葉は要らなかった。
メロスは鎧に担がれ、城を後にした。
このセルンは美少女と判断してよろしいですねっっ!!!!
初夏、満天の星である。
その夜、メロスは鎧に揺られながら、40kmの帰路を辿ってた。
あくる日の午前、16の妹が兄の代わりに荷物を受け取っていた頃、メロスはボロボロの姿で帰ってきた。
鎧は途中で立ち寄ったネカフェでAmazonを通じて既に売却していた。
妹は兄に質問攻めをした。
メロスは努めて笑顔で「何でもない」と言い、「街に用事を残して来た。風水的にも明日に結婚式をして欲しい」と言った。
妹は黙ったまま、手元の荷物からメロスが配送したウェディングドレスを取り出し、「結婚式、明日するから明日に備えて今日はもう休んで」と言い、兄をベッドに寝かせた。
なんで鎧売るんや役に立つやろ
その夜メロスは、たった一人家族である妹が他の家の者になる悲しみと、ディオニスに負けた悔しさで、枕を濡らした。
というか、妹結婚したら、ニートメロスはどうやって生活していくつもりなんだ?
その次の日、結婚式が盛大に行われた。
天気予報は晴れと言っていたが、外では雨がバケツをひっくり返したかのように降っていた。
メロスは不吉なようなものを感じたが、それも結婚式の雰囲気に圧され、忘れてしまった。
皆が新郎新婦を祝い、酒を飲み、盛り上がっていた。
勿論メロスも妹の門出を祝い、盛大に式を盛り上げた。
酒も入り、普段酒を飲まないメロスは、顔を鬼のように赤くして酔っ払った。
ずっとこのままでいたい……。
メロスはそう思った。
しかし、それでもメロスは、セリヌンティウスの約束は忘れてはいなかった。
式が終わりを迎える頃、メロスは誰にも気付かれないように、式場を抜け出し、自宅に戻った。
そして、地下室から箱を取り出して来た。
今日はここまでです。
少し落ち着いた感じになりましたが、明日以降は昨日と同じテンションになると思います。
お休みなさい。
[訂正]
×セリヌンティウスの約束は忘れてはいなかった。
〇セリヌンティウスとの約束は忘れてはいなかった。
それでは本当にお休みなさい。
乙
>>58
ウエディングドレスを買うためにお金が必要だったんだよ
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