真奥「フロシャイム・・・?」 (53)
はたらく魔王さま! と 天体戦士サンレッド
以上の2作品のクロスになります
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ヴァンプ「いやー笹塚の駅前もずいぶん変わったねえ」キョロキョロ
戦闘員1号(以下1号)「用事にかなり時間かかっちゃいましたね」
ヴァンプ「うーん夕方までには帰れると思ってたんだけど・・・晩御飯の支度も遅くなりそうだし、
そこのマグロナルドでなんか買ってこうか」
1号「・・・って、あれ?」
イイカゲンニシテクダサイ マオウサマ!
ウルセーナー! シゴトオワッタンダカラ サッサトカエラセロ!
1号「なんか店の前でケンカしてるみたいですよ」
ヴァンプ「ちょっと1号君、そんなジロジロ見ちゃだめだよ・・・」
1号「す、すみません」
ヴァンプ「目を合わさないようにね・・・さっさと店の中入っちゃおう」
真奥「お前こそいい加減にしとけよ芦屋! これ立派な営業妨害だぞ!」
芦屋「いーえ今日という今日こそは決断していただきます!」
芦屋「マグロナルドのバイトと! 世界征服と! どちらが大事なのですか!?」
ヴァンプ「・・・・・・・・・世界征服?」
FIGHT.1 悪夢の邂逅! 魔王サタンとフロシャイム!!
ヴァンプ「あのー」
芦屋「・・・なんですか。申し訳ありませんがただいま絶賛取り込み中ですのであとにしていただけますか!」
真奥「ちょ、違うんです気にしないで下さいこいつちょっと家事ノイローゼで・・・!」
ヴァンプ「いきなり声をかけてすみません。でも私の聞き違いじゃなかったら今“世界征服”って仰いませんでしたか?」
真奥「」ギクッ
芦屋「」ギクッ
ヴァンプ「ひょっとしてどこかの組織に・・・」
真奥(おいおいどうすんだよお前がこんな道端で大声出すからだろ!?)
芦屋(わ、私のせいですか!?もとはといえば魔王様がいつもいつも問題を先送りにですね・・・!)
真奥「い、いやーなんというかそのー・・・えーっとですね・・・こう、世界征服ってのは言葉の綾というか・・・ははは」
ヴァンプ「あっ、ご挨拶が遅れました。私、フロシャイム川崎支部のヴァンプと申します! 実は私たちも世界征服を目指してるんですよ!」
真奥「・・・・・・・・・世界征服?」
漆原「もしもし真奥? どうしたの急に」
漆原「悪の組織フロシャイム? ちょっと待ってね・・・ああ、公式ホームページあったよ」
漆原「へー結構しっかりした組織なんだね。日本全国に支部あるみたいだよ。うん、東京にもあるみたい」
漆原「川崎支部のヴァンプ将軍? いや、たぶんその人が責任者なんじゃない? 結構有名みたいで地元の新聞とかに載ってるね」
漆原「うん分かった。早く帰ってきてねー、でないとピザ取っちゃうから」ピッ
漆原「・・・駅前の喫茶店で極秘会談もなにもないと思うんだけどなあ」
鈴乃「悪の組織フロシャイム・・・世界征服だと!?」ガタッ
ヴァンプ「つまりエンテ・イスラっていう別の世界で魔王をなさっていたんですね! すごいじゃないですか!」
真奥「いやあ別に大したことないっすよ! 部下が優秀だったおかげで!」
芦屋(勢いで魔王様が全部しゃべってしまった)
ヴァンプ「でもすごいよねー1号君。魔界の統一だって! 誰にでもできることじゃないよ」
1号「そうですよー! 俺、魔王なんてゲームの中でしか見たことなかったですもん!」
真奥「正直な話、あんまり統一したって実感なかったんですよね当初は」
真奥「なんかこう、みんな“魔王”って肩書きに踊らされて本質見失ってる気がしてたんですよ」
真奥「別に古の魔王サタンの真似する必要ないじゃん? 俺は俺のやりかたでやってけばいいじゃん? って」
真奥「そうやって確実に一歩一歩やってったら、気がついたら魔界統一してた、みたいな感じで」
ヴァンプ「うんうん、聞いた1号君? 確実に一歩一歩、だよ! やっぱり日々の小さな積み重ねが世界征服に繋がっていくんだねー」
1号「川崎でも魔界でも、そういう根っ子の部分は同じなんですね」
芦屋「すみませーん。アイスコーヒー4つ」
恵美「もしもし鈴乃? どうしたの急に。うん、さっき仕事終わったところよ」
鈴乃『今すぐ笹塚駅前の喫茶店まで来てくれ! 真奥が世界征服を企む悪の組織と接触している!』
恵美「・・・ちょっとどういうことそれ。悪の組織ってなによ?」
鈴乃『フロシャイムという強大な組織で、日本各地で悪事を働いているそうだ! 新聞にも載っているらしい!』
恵美「フロシャイム・・・? そんな名前聞いたことないけど、新聞に載るってことはかなり大きな事件を起こしてるってことよね)
恵美(あいつ、まさか本気でそんな組織に協力する気なの?)
恵美「・・・分かった、先に行ってて。すぐに合流するわ!」
鈴乃『承知した!』
恵美(最近は大人しくしてると思ってたけど・・・やっぱりエンテ・イスラ征服を諦めてなかったのね)
恵美「・・・・・・・・・真奥。いえ、魔王サタン!」ギリッ
これはデリモンよんで特訓ですわ
真奥「・・・エンテ・イスラ制圧は目の前だったんですけど、あとちょっとの所でエミリアのやつに邪魔されて」
ヴァンプ「エミリア?」
真奥「勇者エミリア、こっちじゃ遊佐恵美って呼ばれてます。これがまた聖剣振り回すわ口は悪いわ胸ないわでもう無茶苦茶なやつで」
芦屋「あの女のために我が魔王軍の精鋭たちは駆逐され、追い詰められた魔王様と私はエンテ・イスラを脱出、こうして笹塚の六畳一間で苦難の日々を送る羽目に・・・!」
真奥「泣くな芦屋!3日後には給料日だ!」
ヴァンプ「・・・・・・・・・」
ヴァンプ「わかる」
1号「なんか聞いてるとレッドみたいですね・・・」
真奥「レッド?」
ヴァンプ「サンレッドっていう普段私たちが戦ってるヒーローです。怖いし乱暴だし気分屋だしもう滅茶苦茶なんだけどすっごく強くて」
芦屋「ヒーロー・・・こちらの世界にも勇者のような存在がいるのですね」
1号「勇者だなんてそんな上等なもんじゃないですよ。ヒモで生活してて、居候先の女の人のお金でパチンコ通いしてるんですから」
真奥「マジですか・・・。テレアポ勇者ってまだマシな部類だったんだな」
恵美「鈴乃!」
鈴乃「遅いぞ! やつらはすでに極秘会談を終え、地球とエンテ・イスラの間に暗黒の同盟を結んでしまったようだ・・・!」
恵美「なんてことなの・・・! 真奥、魔王サタンはどこなの!?」
鈴乃「店から出てくるところだ! ・・・見ろエミリア! あれが魔王とフロシャイム、人々に災いをもたらす邪悪なる者たちの姿だ!!」
ヴァンプ「ここは私が払いますよ! 無理言ってお話聞かせてもらったんだから!」
真奥「自分の分は自分で払いますってば! 大丈夫ですよ!」
芦屋「魔王様、今月はかなり厳しいのでここはご好意に甘えさせてもらったほうが・・・」
真奥「ばっか野郎! お前には魔族としてのプライドがないのかプライドが!」
ヴァンプ「すみません。領収書“悪の組織フロシャイム”でいただけますか?」
恵美「」
はたらく魔王さま———これは東京都渋谷区笹塚で繰り広げられる善と悪の闘いの物語である!
今日も日本は平和です
レッドがでてきたら本気の魔王モードでも勝てなさそうだしなぁ……
へいわってだいじよね
乙でした!!ヴァンプ将軍の声が普通にルネッサンスで脳内再生余裕っした。
何年か前に自分も某所で白い魔王とフロシャイムのクロスとか書いてたんで頑張って下さい!
これは期待
ここに鷹の爪団も入れよう
ファイアバードフォームって実際どんだけ強いんだろう
地獄のホットライン
真奥「もしもし真奥です。えっ、芦屋ですか? ちょっと待ってください」
真実「芦屋、フロシャイムのヴァンプさんからお前になんか話があるって」
芦屋「私にですか?・・・もしもし、お電話代わりました。」
ヴァンプ『芦屋さん、○×って激安スーパーご存知ですか? 今度笹塚にもオープンするらしいですよ」
芦屋「 本 当 で す か ! ? 」クワッ
クワッ!
笹塚ってマルエツは無いけどライフ、サミット、伊勢丹ストア、サンディと商店街三つが密集している激戦区何だよな…そこに新規参入ってどのくらい持ちこたえるのか気になる…
レッドさんが本気だしたらエミリア御一行をフルボッコ出来そうだから困る
恵美の反応にワロタww
FIGHT.2 勇者エミリアの伝説!
店員「シャーセサシャッシャッセー」
ガメス「シャッセー」
店員「でさー、続きなんだけどさー、ガメス君が来るちょっと前にー、実はこの店コンビニ強盗に遭ったんだよねー」
ガメス「まじっすか!?」
店員「まじまじ、超マジ。俺もけっこう長いこと働いてるけど強盗とか初めてだったわー」
ガメス「怖いっすね・・・お金とか取られたんですか?」
店員「金とかは大丈夫だったんだけどさー、なんつーか超ヤバかったんだよねー」
店員「てかさー、犯人が鎌持ってんだぜ。まずこの時点でビビるっしょ」
ガメス「鎌って、あの農作業とかに使う鎌ですか」
店員「違う違う、もっと超でけーの。なんか死神とかが持ってそうなやつ。俺の身長くらいあんの」
ガメス「ぱないっすね・・・。完全に銃刀法違反じゃないですか」
店員「あ、でもガメス君なら勝てんじゃね?甲羅に引っ込んだら鎌とか無敵じゃね?」
ガメス「あーそうっすね。俺の甲羅ちょっとやそっとじゃ壊れないんで」
店員「すげーガメス君まじぱねー。次から強盗来たら代わってもらうわー」
ガメス「えー勘弁してくださいよー」
ガメス「あれ?じゃあその強盗どうやって追い返したんですか?」
店員「つか俺も最初そいつが強盗だと思わなかったからさー。なんか怪しいなと思って声かけたんだよ」
店員「んでさ、ちょうどそのとき別のお客さんもいたの。OLでさー、あ、その人よく弁当買いに来るんだけいっつもカレーしか買わねーのwwwwww」
ガメス「カレーばっかなんすかwwwwww」
店員「結構スラッとした美人なんだけどさー。なんか知んないけどカレーwwwwww 俺カレーさんって呼んでるwwwwww」
ガメス「ひっでーwwwwww」
店員「そうそう、そのカレーさんが入り口んとこいたんだけどさ、俺いきなりその人に突き飛ばされて」
店員「いってーなにすんだよと思ったら、カレーさん強盗と揉み合いになってそのまま店の外出てったんだよ」
ガメス「やばいじゃないっすか!」
店員「俺も“やべえ!”って思ってさ。とにかく防犯用のカラーボール持って追いかけたの」
店員「そしたらさ・・・カレーさん鎌持った強盗と戦ってんだぜ!!」
ガメス「えええええええええ!?」
店員「もうまじ時代劇かよってレベル。俺もカラーボール投げたんだけどさー、あれほっといてもカレーさん強盗ぶっとばしてたんじゃねーかなー」
ガメス「すっげー・・・なんか格闘技とかやってんですかね」
店員「分かんねーけどまじはんぱねーわカレーさん」
ガメス「カレーのおかげ?」
店員「ちょwwwwww やめろよwwwwww どんだけだよカレーwwwwww」
ガメス「wwwwww」
恵美(疲れた・・・勇者がこんなんでいいのかしら)
恵美(今日もコンビニでいいか)
ガメス「シャーセー」
恵美(ゴミ袋が弁当の空き箱で一杯になっていく・・・真奥のマグロバーガー生活のこと笑えないわね)
ガメス「お弁当温めますかー?」
恵美「あ、結構です」
ガメス「2点で632円になりまーす」
ガメス「18円のお返しでーす」
ガメス「シャーセサシャッシャッセー」
恵美「カレーばっかり買う客だなあと思われてるんでしょうね・・・」
恵美「・・・・・・・・・」
恵美「・・・・・・・・・」
恵美「え゙っ!魔族!?」
店員「あれがカレーさんな」
ガメス「そうなんすか。あ、やっぱカレー買ってきましたよwwwwww」
店員「まじでwwwwww」
ゴドムとソドラ
ゴドム「やめとけよ。ビッグマグロバーガーって原価安いから客の立場からしたら損なんだぜ」
ソドラ「知らねーよ!俺は今ビッグマッグが食いたい気分なの!」
ゴドム「だったらマグロバーガー2つにしとけって。マグロバーガーは原価が・・・」
千穂(早くしてくれないかなあ・・・)イライラ
千穂ちゃんそんなことでイライラしないんじゃ・・・
その千恵ちゃんがイライラするレベルで長いことやってるんじゃ…かわいい
FIGHT.3 ヴァンプ将軍、魔王城に現わる!
ヴァンプ「急に押しかけてすみませんー。あ、これ王禅寺の柿ようかんです」
真奥「いやーこちらこそすみません、なんか気を使わせちゃって」
芦屋「すぐにお茶をお入れしますので、どうぞ上がってください。汚いところですが・・・」
恵美「・・・・・・・・・」
ヴァンプ「この前はわざわざ時間を作っていただいてありがとうございました。ほんと勉強になった、私!」
真奥「そんな・・・別に大した話もしてないのにお土産まで貰っちゃって、なんか悪いですよ俺」
芦屋「おい漆原!パソコンばかり触ってないでヴァンプさんに挨拶しろ!」
漆原「こんちわー」
真奥「ちゃんと前向いて頭を下げろ!」
恵美「・・・・・・・・・」イライラ
ヴァンプ「柿はビタミンが豊富で動脈硬化の予防にも効果があるんですよ!」
真奥「まかない生活の俺らにはありがたい話だなあ」
芦屋「日本には“柿が赤くなると医者が青くなる”という言葉もあるくらいですからね」
漆原「僕にもちょーだいよ」
芦屋「まずは手を洗ってからだ馬鹿者」
恵美「あんたらねえ・・・!」
真奥「なんだよ」
ヴァンプ「なんでしょうか?」
恵美「悪事を働きなさいよ!!」
真奥「」
ヴァンプ「」
恵美「さっきからお土産だのビタミンだの何だの! 魔王でしょ!? 悪の組織なんでしょ!? もっと話さなきゃいけないことあるじゃない!」
真奥「てか別にお前のこと呼んでねえし」
ヴァンプ「あの、この方は・・・?」
芦屋「ドコデモグループお客様相談センターでテレホンアポインターとして働くしがない勇者です。気にしないでください」
恵美「うっさいわね!バイト魔王と悪魔主夫に言われたかないわ!」
芦屋「主夫業を愚弄するか貴様は!」
ヴァンプ「どうもフロシャイム川崎支部のヴァンプと申します。あ、どうですか柿ようかん」
恵美「これはご丁寧に・・・って違う!んでまた美味しいわねこれ!」モグモグ
真奥「食いながら喋るな行儀の悪い!んで食ったらさっさと帰れよな!」
恵美「魔王が細かいこと気にしてんじゃないわよ!ごちそうさまでした!」
ヴァンプ「ああもう駄目ですよ、若い二人がケンカなんかしちゃ・・・」
恵美「わ、若い二人とか、かかかカップルみたいないいい言いかたやめてもらえる!?」
真奥「俺これでも300歳なんだけどなあ」
ヴァンプ「・・・あれ? お二人はお付き合いされてるんじゃないんですか?」
恵美「・・・・・・・・・」
恵美「・・・・・・・・・」
恵美「・・・えええええええええ!?」
ヴァンプ「てっきりレッドさんとかよ子さんみたいなご関係なのかと」
恵美「ちょ、ちが、わ、私は勇者よ!なんで勇者の私が魔王のこいつと付き合わなきゃいけないの!?」
真奥「ないっすないっす。絶対にありえないっす」
芦屋「まったくです。魔界の王たる我が主が人間の勇者ごときのヒモになるなど想像するだけで恐ろしい」
恵美「ヒモ!?」
真奥「ああ、ヴァンプさんが普段戦ってるサンレッドっていうヒーローなんだけどな。働かずに彼女のところで居候してるんだってさ」
恵美「ヒモ・・・」
恵美(真奥がヒモ・・・)
真奥『おう恵美、金くれよ』
恵美『・・・何に使うのよ』
真奥『別になんだっていいだろ』
恵美『どうせパチンコでしょ。この前あげたお金もすぐ使っちゃったじゃない』
真奥『うるせえな。だから取り返しに行くんだよ』
恵美『嫌よ! これは私のお金なの! パチンコ行くなら自分で稼いだお金で行ってよ!』
真奥『・・・なんだとてめえ!』バシッ
恵美『きゃっ!』
真奥『黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって・・・! 誰のせいでこうなったと思ってんだ! あ゙あ゙!?』
恵美『痛いっ! やめてよ! 髪引っ張らないで!』
真奥『お前は大人しく金出してりゃいいんだよ!』
恵美『分かったから! お金あげるから! 財布に、財布に5千円入ってる! だからもう叩かないで!』
真奥『ちっ・・・5千円ぽっちかよ。まあいいか、倍にして返してやるから待ってろよ』バタン
恵美『うう・・・もう嫌こんな生活! なんでこんなことになっちゃったの・・・?』
恵美(いやいやいやいやいや、ないわ)
恵美(真奥はマグロナルドのA級クルーとして仕事に誇りを持って働いてるし)
恵美(パチンコに入り浸るとか、そんな無計画でだらしない生活しないし)
恵美(だいたい無抵抗の女に乱暴するとかサイテーよ。いくら悪魔が残虐非道でもそこまでプライドのない真似はしないわ)
真奥「急にどうしたんだあいつ」
芦屋「相手にしてはいけません」
恵美(そもそもあいつは小市民っていうか、服だって全部ユニシロだしそんなに贅沢するとは思えないのよね)
恵美(私の稼ぎだけでも1人くらいなら・・・)
恵美『ただいまー』
真奥『おかえりー。風呂沸いてんぞー』
恵美『えーおなかすいたー。ご飯食べたーい』
真奥『片付かねーから先に入っちまえよ。その間に晩飯の支度してるからさ』
恵美『ごーはーんー』バタバタ
真奥『しかたねーな。ちょっと待ってろ、味は保障しないぞ?』
恵美『いっただっきまーす』
真奥『いただきます』
恵美『わあ、これ美味しい!』
真奥『芦屋に教えてもらったんだよ。恵美はこういうの好きだろ?』
恵美『貞夫・・・覚えててくれたんだ』
真奥『もちろんだよ、いつも世話になってんだからな。お前のためならなんだってしてやるさ』キリッ
恵美「・・・・・・・・・うへ」ニタァ
真奥「うわっ、気持ち悪っ」
芦屋「年頃の女性が人前で絶対に見せてはいけない顔ですね。なんでこんなのに負けたのでしょうか私たち」
恵美が悲惨過ぎるw
あれ…?恵美ってこんなチョロ可愛かったっけ…?
真奥「・・・ん? あ、ちょっとすみません電話みたいで」
ヴァンプ「いえいえ、お気になさらず!」
真奥「すみません、じゃあ失礼して・・・」ピッ
恵美「・・・はっ!」
漆原「あ、気付いた」
恵美「ま、マッサージはお風呂上りにしましょう!?」
漆腹「お前なに言ってんの?」
恵美「え!? あ、な、なんでもないわようっさいわねこのニート!」
漆原「声かけただけでひどくない?」
真奥「分かりました、じゃあ日曜の朝7時に公園ですね。なんか雨降りそうだけど大丈夫かなー。あ、はい、じゃあよろしくお願いします」ピッ
芦屋「渡辺さんですか?」
真奥「ああ、清掃ボランティアの件でちょっと」
ヴァンプ「真奥さんもやっておられるんですね!」
真奥「ヴァンプさんも?」
ヴァンプ「ええ、地域の皆さんとの交流は組織にとっても大事なことですから」
真奥「そうですか・・・そうですよね。そうか、俺はそういうとこに気が回らなかったからエンテ・イスラ征服に失敗したんだろうな・・・」
恵美「・・・地域清掃と世界征服って関係なくない? あんたたち世界を混沌の渦に陥れる悪魔と秘密結社なんでしょ?」
真奥「それはそれ」
ヴァンプ「これはこれ!ですから」
真奥「今は魔翌力も失って、この世界の国家権力に守られてる立場なんだぞ俺たちは。多少なりとも恩返しするのは当然じゃないか」
ヴァンプ「町内会の行事なんかに積極的に参加して、地元の方々と意見交換するのも立派な世界征服だと思います」
真奥「七夕のときの笹飾りみたいなこともあるし、人脈を作っといて損はないだろ」
ヴァンプ「どんな大きな野望も最初の一歩は地味なものなんです。それでも確実に、一歩一歩、必ずやり遂げるって姿勢が必要だと私、常々感じてるんです」
芦屋「立派なお考えだと思います。ああ・・・我らが魔王軍と同じ志を持つ組織がこの世界にも存在したとは。この芦屋、感動に涙を禁じえません・・・!」
真奥「泣くな芦屋! 涙はエンテ・イスラに帰還したときまで取っておくんだ! ほら、俺のようかんも食え!」
恵美「・・・・・・・・・」
恵美(なんで私が間違ってるみたいな雰囲気になってるんだろう)
真奥「ほら、ようかん食ったんだし用がなかったらさっさと帰れよ。これからヴァンプさんと世界征服に関わる重大な議論があるんだ」
恵美「ば、馬鹿じゃないの! 勇者であるこの私が、そんな危険なこと見過ごすと思う!?」
真奥「・・・てかさ、前からお前に聞きたかったんだけど」
恵美「な、何よ」
真奥「お前、勇者として地域に貢献してるの?」
恵美「えっ」
真奥「お前も聖法気失くして自由に力使えないんだろ? だからテレアポで働いて給料貰ってんだろ? その金で買い物したり公共サービス利用したりしてるんだろ?」
恵美「あ、うん」
真奥「エンテ・イスラの人間としてその恩を返そうと思わないわけ?」
恵美「・・・・・・・・・」
真奥「地域清掃くらいどこでもやってるだろ」
恵美「わ、私も忙しいのよ」
芦屋「先週の魔王様は毎日フルタイムでシフトが入っておられたが出勤前に朝6時半からの公園掃除に参加されたぞ」
恵美「・・・・・・・・・」
真奥「お前、同じマンションの人と会話とかしてる?」
恵美「・・・擦れ違ったときに会釈くらいなら」
真奥「自治会とかあんのお前んとこ?」
恵美「し、知らないわよ。うち単身者向けマンションだし・・・」
真奥「・・・・・・・・・」
恵美「・・・・・・・・・」
真奥「・・・はあ」タメイキ
ヴァンプ「ま、まあ最近の都市部はライフスタイルが変化してきてますから」アセアセ
真奥「俺のこと倒して万が一警察に捕まっても“よく分かりません。挨拶もしない人だったんで”とか言われないようにしろよ・・・」
恵美「・・・・・・・・・」
恵美(いたたまれなくなって出てきてしまった)
恵美「・・・・・・・・・」
恵美「なによ・・・なによみんなして・・・。私だって毎日クレームとかで精神すり減らして働いてるのよ・・・」ウルウル
恵美「うう・・・」ポロポロ
ヘルウルフ「・・・・・・・・・」
恵美「・・・・・・・・・」グスッ
ヘルウルフ「・・・・・・・・・」
恵美「・・・・・・・・・」
恵美(なにこれかわいい)
恵美「なに? 真奥の知り合い? それともフロシャイムの関係者かなんか?」
ヘルウルフ「・・・・・・・・・」
恵美「・・・私のこと、心配してくれてるの?」
ヘルウルフ「オマエ、コロス」
恵美「」
スキキライ
真奥「おーよしよし、お前はいいやつだなあ」
ヘルウルフ「マオウ、スキ♪」
芦屋「もうじき夕飯できますから、あとちょっと待っててくださいね」
ヘルウルフ「アシヤ、スキ♪」
ヘルウルフ「ウルシハラ、コロス」
漆原「なんでだよ!なんでこんな扱いなんだよ!!僕が何したっていうんだよ!?」
はたらく魔王さまとサンレッドの親和性高過ぎだろ
魔王さま知らないけどサンレッドと似た雰囲気なの?
FIGHT.04 笹塚に昇る太陽! サンレッド、怒りの鉄拳!
真奥「明日から新人さんがシフトに入るんですね?」
木崎「そうだ。そこでまーくんには教育係を担当してもらいたい。ちーちゃんを鍛え上げた手腕に期待している」
真奥「イエス、マム!」
木崎「で、具体的な話だが・・・」
レッド「ちっくしょう・・・。新装開店だって聞いたから笹塚くんだりまでわざわざ出向いたってのによ」
レッド「一気に2万も飲まれちまった・・・電車賃引いたら300円ちょっとしか残らねーじゃねーか」
レッド「牛丼かマッグくらいしか昼飯の選択肢ねーな・・・。すぎ屋は混んでるみてーだし駅前のマッグでいいか」
千穂「いらっしゃいませ!」
レッド「マグロバーガーふたつとアイスコーヒー」
千穂「ドリンクのサイズはいかがなさいますか?」
レッド「・・・Sで」
千穂「店内でお召し上がりですか?」
レッド「・・・店内で」
千穂「マグロバーガーおふたつとアイスコーヒーのSおひとつでお会計340円になります!」
レッド「340円・・・と」
千穂「ありがとうございます! 脇にずれて少々お待ちください!」
レッド(くっそ腹立つ。あのとき確変引いてりゃもうちょいマシな昼飯食えたのによ)
レッド(それに・・・)
DQN1「マジでー! あいつバッカじゃねーの!!」ゲラゲラ
DQN2「超おもしれー!」ゲラゲラ
レッド(うるせえんだよガキども)イライラ
千穂(どうしよう・・・。あのお客さんたち店内で騒いで周りに迷惑かけてる)
千穂(真奥さんは木崎さんに呼ばれて戻ってこないし)
DQN1「ホントかよそれー!」ゲラゲラ
DQN2「ありえねー!」ゲラゲラ
千穂(怖い・・・怖いけど)
千穂(真奥さんなら・・・。真奥さんが私の立場ならきっと・・・!)
レッド(うるせえ・・・。侘しい昼飯がよけい不味くなっちまうぜ)
レッド(混んでてもすぎ屋にしとくべきだったな。マッグはああいうクソガキがいるから・・・)
レッド「・・・お?」
千穂「あっ、あの!」
DQN1「あ?」
DQN2「なに?」
千穂「お、お客様、その、もうちょっと、あの」
DQN1「あ? だから何だって」
レッド(おーおー勇気あるねえ。バイトなのに責任感あるこって)
千穂「その、もう少し、お静かに」
DQN1「あ゙あ゙!?」
千穂「ひっ!?」
DQN2「ちょーお前やめとけよー。ビビってるじゃんよー」ゲラゲラ
千穂「うう・・・」
レッド(・・・・・・・・・)
レッド(・・・仕方ねえな)
DQN1「つか店員さん乳でかくね?」
DQN2「おおマジじゃん。何? いつからバイトしてんの?」
千穂「うう・・・!」
レッド「・・・おい、お前らいい加減にしt」
真奥「お客様、大変申し訳ございませんが周りのお客様にご迷惑ですのでお静かに願います」
レッド「」
千穂「ま、真奥さん!」
DQN「あ?なんだよお前」
真奥「申し訳ございません」フカブカ
DQN「・・・・・・・・・」
真奥「・・・・・・・・・」フカブカ
DQN「・・・行こうぜ」
DQN「お、おう」
真奥「毎度ありがとうございました! またお越しくださいませ!」
千穂「あ、ありがとうございました!」
レッド「」
真奥「ちーちゃんごめん。大丈夫だった?」
千穂「真奥さん・・・真奥さん・・・!」
真奥「おーよしよし、怖かったよな。ちーちゃん頑張った頑張った」
千穂「うう・・・。子供扱い、しないでくださいぃ・・・」グス
真奥「さあ、気を取り直して仕事に戻ろ・・・う・・・?」
レッド「」
真奥「あの、お客様? なにかご用件ですか?」
レッド「・・・・・・・・・」
真奥「あの、お騒がせして申し訳ございませんでした」
レッド「・・・ねーよ」
真奥「はい?」
レッド「なんでもねーよ!!」
真奥「ひっ!?」
レッド「なんでもねーっつってんだろ! じゃあな!!」
真奥「すすすすすすすみませんでしたあ!?」
真奥「・・・またお越しくださいませ?」
千穂「大丈夫ですか真奥さん?」
真奥「あ、ああ」
千穂「なんであんなに怒ってたんでしょうか・・・?」
真奥「さあ・・・?」
レッド「・・・・・・・・・」
セミンガ「あれ? レッドさんじゃないですか。こんなとこで会うなんて偶ぜn」
レッド「オラァ!」ドコッ
セミンガ「へぷっ!?」バタッ
レッド「チッ!」
セミンガ「な・・・なんで・・・」ピクピク
木崎「私の見込み違いだったようだな・・・! 初日から無断欠勤とはいい度胸だ・・・!」ビキビキ
真奥(こえー)
翌日、セミンガはクビになった
エンテ・イスラ征服を企む魔王軍 悪魔大元帥アルシエルの —さっと一品—
カラアゲ・ドゥーン
芦屋「ごはんと一緒に食べるだけでも美味しいですが、ここはひと手間加えてカツ・ドゥーン風にしてみましょう」
材料
唐翌揚げ(一口サイズに切っておく)
玉ねぎ(薄くスライス)
万能ネギ
卵
めんつゆ
ごはん
作り方
�水で割って味を調整しためんつゆで玉ねぎを煮る
�玉ねぎがしんなりしたら切った唐翌揚げを入れ、さらに煮る
�火が通ったら卵でとじる
�ごはんにのせ、きざんだネギをふりかけて出来上がり!
芦屋「お好みできざみ海苔なんかをのせても美味しそうですね」
真奥「色んな揚げ物に応用できそうだな!」モグモグ
漆原「唐翌揚げうめー」モグモグ
ヴァンプ「家で出汁をとるともっと本格的になるかも!」モグモグ
恵美「もうエンテ・イスラは諦めて飲食店経営すれば?(美味しいわねこれ・・・)」モグモグ
以上になります。
SS書くのも投稿するもの初めてだったんで誤字脱字、変な改行で読みにくい部分もあるとは思いますが楽しんでいただけたら幸いです
神奈川県川崎市を舞台に正義の味方サンレッドと悪の組織フロシャイムが戦う『天体戦士サンレッド』はヤングガンガンコミックスから17巻まで発売中!
東京都渋谷区笹塚を舞台に勇者エミリアと魔王サタンが働く『はたらく魔王さま!』は電撃文庫から8巻まで、コミック版は電撃コミックスから3巻まで発売中!
どっちも面白いよ!
あれ?続くんですよね?続かないんですか?
うまそうだな
え、これからでしょ?
せっかく今日はあっさり系を食べようと思ったのにこんな美味そうなものを紹介した>>1を俺はぜったいに許さない
え、まだまだ続くんだよね?
面白い…
時々でいいんで続きお願いします
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