NEWスーパー志希博士の薬シリーズ
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(事務所)
志希「ヤマト~ナデ~シコ七変化~♪」フンフンフ-ン♪
志希「内緒~あな~たの腕の中~♪」フンフンフフ-ン♪
カチャカチャ...
ポコポコ...
ボ-ン!
志希「よっし。新薬の完成~♪」
志希「さて。あとは誰に飲ませるか、だけど……」フム
カチャ
紗枝「おはようございます~」
志希「飛んで火に入る夏の虫」キラ-ン
紗枝「……いきなりなんどす。志希はん?」キョトン
志希「ううん。気にしないで♪ それより紗枝ちゃん麦茶飲まない? 外暑かったでしょ」
紗枝「あら。ええんどすか?」
志希「もちろん。志希ちゃんは後輩への優しさに定評があるからね。ちょっと待ってて~♪」イソイソ
紗枝「(あらまぁ……やっぱり志希はんも周子はんと似てはりますなぁ……自由人に見えて年下のうちにも気ぃつかってくれはってるわぁ……)」
志希「はい。おまたせ」コトリ
紗枝「おおきに。いただきます~」スッ
志希「♪」ニタリ
コクコク...ボンッ!
紗枝「っ……ウニャッ……!? な、なんやこれ身体が熱く……!」フラフラ
志希「んふふ~、麦茶に薬を混ぜました♪」ニコニコ
紗枝「……っ……志希はんを疑わなかったうちがあほや……っ……た……」パタリ
紗枝「ZZZ……」スヤスヤ
志希「目が覚めるのは約20分後。そろそろプロデューサーがくる時間だし、あとは全部任せよーっと♪」スタコラサッサ-
(しばらくして)
カチャ
P「おはよう。今日は暑いなぁ……って、ん?」
紗枝「……ZZZ」スヤスヤ
P「(紗枝がソファで寝てる……珍しいな)」
P「(……テーブルに麦茶の入ったグラスが2つ? いや、待て、なんかメモみたいなものがテーブルの上に置いてあるぞ?)」
スッ...ペラッ
【To P】
紗枝ちゃん 薬 飲んだ
性格七変化薬
後は任せる
P「簡潔かつ極めて邪悪なメッセージ。またやらかしたなあの製薬ニャンコ」クシャッ
ノソリ
紗枝「んー……あれ……うち……?」ボ-ッ
P「……おはよう紗枝。身体におかしいところはないか?」
紗枝「……身体に?」
P「志希に薬を飲まされたらしいんだけど。立てる?」
紗枝「……立てますえ」スッ
P「そのまま2、3回屈伸」
紗枝「ほっ、ほっ」ヒョコヒョコ
P「手を前に。俺の手を強く握って」
紗枝「はいな」ギュ-
P「ちゃんと力も入ってるな。何ともない?」
紗枝「何ともあらしまへんよ?」キョトン
P「そうか……」ウ-ン
P「(性格七変化薬って書いてあったけど……特に変わった様子はないみたいだな)」
紗枝「うちはなーんも悪いところはないんやけど……しいて言うなら、寝起きのうちは自分でも怖くなるくらいかいらしいってことくらいやなぁ♪」ニコニコ
P「うん?」
紗枝「なんでうちってこんなにかいらしいんやろ。プロデューサーはんもそう思いまへんか〜♪」ニコニコ
P「(あっ。やっぱちょっと違う)」
(しばらくして)
紗枝「なあプロデューサーはん。なんでうちってこんなにかいらしいんやろうなぁ♪」ニコニコ
P「なんでだろうなぁ」
紗枝「まずな、気遣いができはるやろ。おしとやかやろ。たおやかやろ。慎ましくて。背もちぃちゃくて。黒髪で。サラサラで。お人形さんみたいで。日本舞踊ができて。着物の着付けができて。おまけにあいどる。これはもう人間国宝やわぁ♪」ニコニコ
P「指を折りたたんで自分のいいところを数えてる。可愛い」
紗枝「さて……お待ちかねの小早川紗枝のかいらしいところ3つ当てるげぇむ始めまひょ〜♪」パチパチパチ
P「(唐突になんか始まったし)」パチパチパチ
紗枝「ほな。プロデューサーはん。うちのかいらしいところ3つ当ててみてください〜♪」
P「3つかぁ」
紗枝「ちなみにさっきうちが言ったことはあかんよ? うちのかいらしいところはぎょうさんあるから問題はないと思うけどな」
P「えーと……可愛いところ」ウ-ム
紗枝「とろいなぁ。紗枝はんぽいんと-1点や」ピッ
P「紗枝はんポイント」
紗枝「紗枝はんぽいんとが5点溜まったら、うちが踊りだすんや。かいらしいやろ?」
P「誰の何のためのシステムなんだろう」
紗枝「それよりプロデューサーはん。うちのいいところ3つ。はよ言わんと」ホレホレ
P「1つ。着物がよく似合っている」
紗枝「あら♪ 具体的にはどれくらい似合ってはるん?」
P「具体的」
紗枝「事務所の中では何番目なん? あと、世界基準で考えると?」ズイッ
P「……」
P「事務所の中で1番。世界基準で1番だ」
紗枝「当然やろなぁ♪」ニッコニッコ
P「2つ。笑顔が可愛い」
紗枝「世界基準では?」
P「むろん世界一」
紗枝「んふふ♪」ニコニコ
P「3つ。洋服も似合う」
紗枝「れでぃ・ががはんより洋服似合っているやろか?」
P「(比較対象……)」
P「ワンピースを着たレディー・ガガとワンピースを着た紗枝が並んで立っていたとしたら紗枝の方が似合ってると断言するよ」
紗枝「うち。世界を超越しとるわぁ♪」ニコニコ
P「(幸子っぽいかと思ったけど他人と比較する辺り微妙な違いを感じるな……これはこれで可愛いけど、どういう性格の変化なんだろう? 志希のことだから何かしらの基準は設けてるはずだが)」ウ-ン
紗枝「なんやプロデューサーはん、気難しい顔しはって。紗枝はんぽいんと-1点や」ピッ
P「そのシステムまだ継続してたのね。マイナスし続けるとどうなるの?」
紗枝「紗枝はんぽいんとが-5点になるとな……えーと……」ウ-ン
P「決めてなかったんかい」
紗枝「あ、紗枝はんぽいんとが-5点になるとな。プロデューサーはんがうちに洋服を選んで買ってくれるんどす〜♪」ニコニコ
P「いいけど服は紗枝が自分で好きなの選びなよ」
紗枝「そんないけずなこと言いはるのはあかんなぁ。紗枝はんぽいんと-3点や。これで合計-5点。洋服決定どす〜♪」ニコニコ
P「とんでもない王様ルール」
紗枝「……周子はんが着てるようなちょっと大人っぽい服を選んでもええんよ?」
P「周子っぽい服ねぇ。キャミとか?」
紗枝「プロデューサーはんがどうしても着て欲しいいうなら、うちはそれでええけど……♪」ソワソワソワソワ
P「すっごい着たそう」
紗枝「んふふ〜♪ 世界一かいらしいうちに大人っぽさまで加わってしもたら、どないなってしまうんやーーー」
ボンッ!
紗枝「ニョンッ!!!」
P「急にどうした!?」ガ-ン!
紗枝「うぅ……うちは……うちは……」ヨロヨロ
パタ-ン
P「(ソファに倒れこんだ!?)」
P「だ、大丈夫か! 紗枝!?」アセアセ
紗枝「干し柿になりたい」クテ-
P「」
(しばらくして)
紗枝「……」ポ-ッ
P「紗枝。さっきから天井を見つめてるけど、何かあるの?」
紗枝「無があるんよ……」ポ-ッ
P「(性格の落差)」
紗枝「あのな……プロデューサーはん……」クテ-
P「うん?」
紗枝「うちな……きなこと黒蜜をたっぷりかけたあいすくりーむが食べたいんよ」クテ-
P「ほほう。アイス」
紗枝「ん」ア-
P「ん?」
紗枝「あいす……はよぉ……」ア-
P「用意して喰わせろってか」
紗枝「やむを得ない事情でな……どうしてもうち動けへんのよ……」ア-
P「動くのがだるいからだよね」
紗枝「くろみつ」
P「発音が義光」
紗枝「紗枝はんぽいんと5点あげるさかい……きなこ黒蜜あいすぅ……」クテ-
P「あ、もしかして5点溜まった?」
紗枝「-5点やったろ……これでプラスマイナスゼロどす……」クテ-
P「永遠に貯まる気がしない。踊りだす気がしない」
紗枝「……」ア-
P「無表情のまま無言で口を開けてるのは怖いからやめなさいな。ちょっと待っててアイス持ってきてあげるから」スタスタスタ
紗枝「……」ア-
P「はい。きな粉黒蜜アイス持ってきたよ……ってさっきから微動だにしてないな」
紗枝「……♪」ア-
P「ちょっとだけ嬉しそう。ほれお食べ」スッ
紗枝「♪」モグモグ
P「(赤ちゃんに離乳食を与えている気分)」
紗枝「……んま〜♪」ニコニコ
P「はい。あーん」
紗枝「あー……♪」
ボンッ!!
紗枝「ぷぅん!」
P「どうした紗枝!?」ガ-ン!
紗枝「……」
P「しゃっくり? いや、まさか今の反応は」
紗枝「何でうちにあいすを食べさせてるんや! この変態!」カッ!
P「情緒のジェットコースター」
(しばらくして)
紗枝「うちは今、怒っとります〜!」プンスカ
P「何で怒ってるの?」
紗枝「プロデューサーはんがうちの怒ってる理由がわからないことに怒っているんどす!」カッ!
P「やだやだ。またこの子はめんどくさいことを」
カチャ
柚「おはようございまーす♪ おろ、プロデューサーさんと紗枝ちゃん。2人で何してるの?」
紗枝「……おはようさんどす」ムス-
柚「?」
P「おはよう柚。実はかくかくじかじか。事情があって」コソリ
柚「つまりまた志希チャン案件」
P「イエッサー」
紗枝「なんやこそこそしはって。2人していけずやわぁ」ムス-
P「ああ、ごめん」
P「(というわけで何かあったらサポートしてほしい)」コソリ
柚「(もちろん。このパーフェクトサポーターの柚チャンに任せたまへ)」キラ-ン
紗枝「そいっ!」シュッ
P「なんか球を投げつけられた!」ポコ-ン
紗枝「てぃっしゅだまや」クシャクシャ
柚「ティッシュを丸めてボールにしてるよ」
紗枝「ふん!」シュッ
P「2発目被弾。しかし痛くはない」ポコ-ン
紗枝「プロデューサーはん! うちがなんで怒ってはるのか考えてみたらどうどす!」カッ!
柚「突然の無理難題」
P「寝不足?」
紗枝「ちゃう!」
P「運動不足?」
紗枝「ちゃう!」
P「カルシウム不足」
紗枝「ちゃうわぁ!」
柚「プロデューサーサンのハグ不足」
紗枝「ちゃ……正解どす!!!」カッ!
P「嘘ついてるんじゃないの。違うって言いかけてたでしょ」
紗枝「いいえ、ほんまどす。うちの怒りを鎮めるためにもギューてはぐしたってもええんやで?♪」ニコニコ
P「柚。この前、行くって話してた駅前のタピオカ屋どうだった?」
柚「タピオカ屋さんじゃなくてタピオカも売ってるカフェだよ〜」
紗枝「露骨にはぐらかしとる! プロデューサーはんの小鬼〜!」シクシクシク
P「そこは鬼でよくない?」
柚「それより紗枝チャン。本当はどうして怒ってたの?」ヨシヨシ
紗枝「だって……だってプロデューサーはんが……」シクシク
柚「……プロデューサーサン?」ジト-
P「それでもオレはやってない。冤罪だよ」
紗枝「冤罪とちがいます!」シュッ
P「3発目被弾。でも思い当たる節がまるでないのですが」ポコ-ン
紗枝「ほんまになんてお人なんやろ! プロデューサーはん! 先週のライブの後、うちのこと褒めてくれへんかったやないの!」カッ!
P「は?」
柚「先週?」
紗枝「あの日のうちはよう頑張りはったのに……なんで……なんで……っ!」プルプルプル
P「ち、ちょい待ち。なんかまた」
柚「さ、紗枝チャン落ち着いて」
トコトコ...スッ
紗枝「ふんっ!」ドスッ!
P「胸板に頭突きを!」
紗枝「なんで褒めてくれへんかったの〜!」ヒ-ン!
ドスドスドスッ!
P「痛っ、痛っ。怒ってるの? 悲しんでるの? ちょっ、たんま。本当にちょっと痛い。あと荒ぶってる髪の毛が顔に当たってくすぐったい」
柚「プロデューサーサン。声かけてあげなかったの?」
P「いや、ちゃんと声かけたよ」
紗枝「うち1人だけ特別に褒めて欲しかったんよ〜!」ヒ-ン!
P「うーん。でも誰か1人を贔屓するのは」
柚「ちなみに柚はおねだりしたらこっそり褒めてもらったよ♪」ムフフ
紗枝「!?」
P「このタイミングでそれ言う!?」
柚「♪」フ-ン
紗枝「……」ゴゴゴゴゴ
P「待って。怖い。般若のような顔でにじり寄ってこないで……ヒィーッ!!!」ジリジリ
ボンッ!!
紗枝「ピャマッ!!」
柚「さ、紗枝チャンどうしたの!?」ビクッ
P「おぉ……助かった。これは性格変化の合図だよ」
柚「また変わるんだ?」
P「志希の薬は七変化薬って言ってたから、これ含めておそらくあと4回はな……何かの間違いでそろそろ終わってくれてもいいけど」
紗枝「……」ボ-ッ
柚「紗枝チャン。大丈夫?」
紗枝「大丈夫って……何の話どす?」キョトン
P「よかった。少なくともさっきのおこ紗枝じゃなくなってるな」ホッ
柚「よかった。よかった」ウム
P「柚。さっき火にガソリンをぶちまけたのは忘れないからな」
柚「ハハハ。ナンノコトカナ」
紗枝「……」ジ-
P「ん? どした紗枝?」
紗枝「プロデューサーはん。すぅつの上着にゴミ付いとりますえ?」
P「え? 本当?」
紗枝「ほんまどす。米粒みたいなもので取りづらくなっていますから……ちょっと脱いでもらえます〜?」
P「うん。じゃあ任せるよ」ヌギヌギ
スッ
紗枝「ありがとさんどす〜♪」ガシ-
P「……」
柚「……」
紗枝「♪」ニコニコ
P「え? ゴミは?」
紗枝「♪」ガシ-
柚「なんかすごくいい笑顔で抱きしめてる!」
紗枝「もうこのすぅつはうちのもんや♪」ニコニコ
P「このご時世に追い剥ぎ」
柚「ずるい。ずるいよ紗枝チャン。プロデューサーサンの上着をもらう権利は柚にもあるよ」ズイッ
紗枝「ふ〜ん。そんなん知りまへん〜」ツ-ン
柚「こ、こんにゃろう」
P「気が済んだら返してね。あと出来ればシワは付けないで」モグモグ
柚「人ごとのようにコアラのマーチを食べてるし」
P「薬が切れたらどうせ元通りだもの」モグモグ
紗枝「♪」ニタリ
シュッ
P「……ん、あれ!? 俺のコアラのマーチが消えた!?」アセアセ
紗枝「んま〜♪」モグモグ
柚「いつのまにか強奪してる!」
P「紗枝。返しなさい」メッ
紗枝「嫌どす〜」プイ-
柚「じゃあ紗枝チャン。1個ちょーだい」
紗枝「嫌どす〜」プイ-
柚「け、ケチだ」
P「仕方がない。ここはパックンチョのイチゴ味に切り替えよう」ピリッ
柚「あ、チョコのイチゴ味は柚も大好き! プロデューサーサン、お1つちょーだいな〜♪」ペロリン
P「はい」スッ
柚「食べさせてよ。あーん♪」ア-
P「ほれ。あーん」
紗枝「……」
スッ
紗枝「あん♪」パクリ
柚「!?」ガ-ン!
P「食われた!」
紗枝「ん〜、美味しいどすなぁ♪」モグモグ
柚「ち、ちょっと紗枝チャン! 柚のチョコ! 柚のチョコをなんで横取りするのさ!?」
紗枝「柚はんのものはうちのもの。うちのものはうちのもんや♪」キラ-ン
柚「どこのガキ大将の理屈なのさ!」
P「(ジャえはん理論……)」
紗枝「この世の全てはうちのもんや♪」ムフフ
P「なんという強欲。あ、いま気付いた。この性格変化薬って七つの大罪がモチーフなのかな」
柚「七つの大罪って鋼の錬金術師のやつ?」
P「元ネタは同じだから間違っちゃいない。多分最初のはウザ可愛い『傲慢』。で、次が怠け者の『怠惰』。さっきのが激おこの『憤怒』」
柚「今は何でも欲しがる『強欲』ってことだね」
P「だと思う」
紗枝「なんや〜、2人してうちのことがめついな〜おもてはるん?」ゴソゴソ
P「元々の性格がそうだって思ってるわけじゃないけど……って俺のポケットに手を突っ込んで何してるの!?」
紗枝「プロデューサーはんのはんかちシワくちゃやなぁ。使ったらちゃーんと畳まないとあきまへんで?」スッ
柚「そう言いながら自分の懐にしまい込んでる!」
P「ハンカチは普通に困るから返して。トイレのエアータオル使いたくないんだよ。あれ水飛沫が全然落ちないんだよ」ガシッ
紗枝「んふふふ♪ 何いうてはるのプロデューサーはんのものも含めてぜーんぶうちのも……」
ボンッ!
紗枝「ノピャッ!!!」ビクッ!
P「5回目」
柚「プロデューサーサン。変化に対して落ち着きすぎじゃない?」
P「どうせおおごとにならないだろうなって思ってるし」ハハハ
柚「まあここまでの様子だと心配はいらなそうだよね」ハハハ
紗枝「……」フラフラ
パタリ
P・柚「「倒れた!!!!」」ガ-ン!
紗枝「」
P「さ、紗枝! 大丈夫か!!」ユサユサ
柚「紗枝チャン! カムバーック!!」ユサユサ
紗枝「お腹減った……」キュルルルル
P「……ん?」
柚「これ腹ペコの『暴食』じゃない?」
P「あ、そっか」
紗枝「黒蜜きなこのあいす、湯豆腐、おしるこ、山椒とおかかのおにぎり、しじみのお味噌汁、ばぁむくぅへん、冷凍のいちご、カニのしゃぶしゃぶ、鮭のお茶漬け、おむらいす、赤魚の煮付け……」ブツブツブツブツ
柚「何か詠唱を始めたよ」
P「紗枝の好物ばっか。でも無害っぽいし次の性格変化まで放っておこう。俺は麦茶飲むけど柚はどうする?」
柚「待って、その前に……さっきのパックンチョの残りを紗枝チャンの口元に近づけて……っと♪」ニヒヒ
P「これ。危ないから近づくのはやめ」
紗枝「フゥンッ!!!」ガフッ!
柚「柚の指ごと!」ヒンッ!
P「言わんこっちゃない」
紗枝「んまぁ〜♪」モグモグ
柚「ったぃ〜……指がジンジンするよぅ……プロデューサーサン痛いところさすって治して……」スンスン
P「麦茶飲む?」
柚「飲むけどさぁ」ムス-
紗枝「こんなんじゃ足りんわぁ……」ノソリ
P「ん?」
柚「あら?」
紗枝「ぱっくんちょぉ〜!!!」ガシッ!
柚「ちょぉっ! ま、待って紗枝チャン! パックンチョはあげるから! そんな血走った目で掴まな」
紗枝「ンァァァァァァァ!!!!」
柚「ア゛ァァァァァァァァァ!!!!」
P「(麦茶。紗枝の分も用意しとこうかな)」イソイソ
(しばらくして)
カチャ
周子「おはようございまーす」
P「おはよう周子」
柚「おはよう周子チャン……」クテ-
周子「おや柚ちゃん。くったりしてどうしたのかね?」
柚「どうしたもこうしたもないよ! いまこの事務所には猛犬がいるんだよ!」バッ!
周子「ほう猛犬」
柚「それがあちらの小早川紗枝チャンです!」ババ-ン!
紗枝「……」キュルルルルルル
周子「紗枝はんがかつてないほどだらけきった姿を晒してる。お腹の音すごいし」
P「かくかくじかじか。志希博士」
周子「なるほど。それでああなっちゃってるわけね」
紗枝「かにかま、ニシンそば、ご飯に胡麻の混ぜこんだおいなりさん、回鍋肉、まんごーぷりん、ういろう、フランクフルト、ほうれん草のおひたし、鮎の塩焼き、ろこもこ丼、れもん牛乳……」ブツブツブツ
周子「呪文かな」
P「さっきからずっとああやって食べたいメニューを呟いてるんだ」
周子「何か食べさせてみたらどうかな」
柚「なら周子チャン。このコアラのマーチを食べさせてみてよ♪」ニヤニヤ
周子「了解」サクサク
柚「いや周子チャンが食べるんじゃなくて」
P「紗枝の口に近づけると指ごと噛まれるし襲われる危険性があるぞ」
周子「そりゃ怖いねー」
柚「プロデューサーサーン……」ムス-
P「犠牲者は少ないに越したことはない」
周子「というかね。最初の柚ちゃんの様子で何となく察してたよ」
ボンッ!
紗枝「チュンッ!」
周子「おおっ、なんだ」ビクッ
P「変身タイムだ」
柚「残すは嫉妬と色欲。どっちだろーね」
周子「紗枝ちゃんにはどっちも似合わんけどなぁ」
紗枝「……」
P「紗枝。大丈夫? 体調悪かったりしてない?」
紗枝「心配してくれはってありがとさんどす。大丈夫どすえ〜……でも、そないにプロデューサーはんにじぃっと見つめられはったら恥ずかしいわぁ〜♪」ウフ-ン
3人「「「(色欲だ)」」」
周子「話し方がセクシー」フム
柚「仕草がセクシー」フム
P「(でも身体つきにエロさはな)」
紗枝「紗枝はんぱんち」ペチ-ン
P「痛い! 何も言ってないのに!」
(しばらくして)
紗枝「んふふ。それにしてもプロデューサーはんったら、さっきからうちのことを見る目がやらしいわぁ……いけないお人やなぁ♪」フフフ
P「誤解を招くようなことを言うんじゃないよ」メッ
周子「スケベプロデューサー」ウワ-
柚「最低」ジト-
P「ほらご覧。招いてる」
紗枝「あら? プロデューサーはんはうちに魅力がないと思てはるん♪」フフフ
P「い、いや、それは」アタフタ
紗枝「はっきりせんお人やなぁ。ま、そういうところもうちは嫌いやないんやけど♪」ピト-
P「おふ」
柚「ちょっと紗枝チャン! くっつきすぎ!」カッ!
紗枝「そんなことあらへんよ〜♪」ピト-
柚「距離感ゼロじゃん! 密着じゃん! あたし的には断じてノー!」ガシ-
紗枝「あ、柚はん何しはるん〜」ズリズリ
柚「離れて〜!」グイ-
ニャ-!
P「助かった」ホッ
周子「いやー、新鮮な紗枝はんだねー♪」ニマニマ
P「やられる側としては1番反応に困るパターン」
周子「ほう。引っ付かれるのが?」ノシッ
P「俺の頭の上にアゴを乗せるのはやめなさい」
周子「ワックスアゴに付いたんやけど」
P「知らないよ」
周子「ドキドキせんの?」
P「髪型が崩れるからやめてほしい」
紗枝「ところでプロデューサーはん」ヒョコリ
P「いつのまにか戻ってきてる。何?」
紗枝「床に丸めたてぃっしゅが散らばってるんやけど……かいらしい子に囲まれているとはいえちょっと控えた方がええんとちゃう?♪」ニマニマ
P「控えるって何を……?」
【床に散らばる丸まったティッシュ】テ-ン
P「……」
紗枝「♪」ニマニマ
P「いや待て風評被害。用途も散らばした人も違う。紗枝だよね? 紗枝が俺に丸めてぶつけてきたんだよね?」
周子「……」ススス
P「距離を取るな! 違うから!」カッ!
柚「まったくプロデューサーサンは」ハァ
P「柚ぅ〜? お前はティッシュが散らばってる理由を知ってるよなぁ? 見てたよなぁ?」グリグリグリ
柚「あいたたたたァ! うめぼしは痛い! ごめんなさい嘘つきました!」ジタジタ
紗枝「おまけに放置しておくだなんて……変わった趣味やなぁ♪」フフフ
周子「……」カシャ-
P「待って周子! 写真を撮って何するつもりだ! 火のないところに煙を立てられている! やめて放火魔小町たち!」
柚「周子チャン。実はかくかくじかじか」
周子「ああ、そういうことだったのね」ホッ
P「そういうことじゃなかったらいまの写真をどうするつもりだったんだ」
周子「あはは」
P「怖い怖い」
紗枝「ふふふ。でもプロデューサーはん。どうしても困った時はいつでもうちに言うてええんやで〜♪」ピト-
P「この性格が1番恐ろしいな」
柚「距離!」ガシ-
紗枝「あん。いけず♪」
周子「そんなんいうて顔緩んどるやん」
P「ソンナコトナイヨ」
周子「ほーん」
ボンッ!
紗枝「ペニャッ!!」
P「ああ、よかった。これで最後か」ホッ
柚「長かったね」
周子「ところで最後って何なん?」
P「嫉妬」
周子「昼ドラ展開にならないといいね」
柚「でも誰に、何を嫉妬するんだろう」
P「うーん」
紗枝「……」
P「紗枝。大丈夫?」
紗枝「ふん」ツ-ン
P「目すら合わせてくれない!?」ガ-ン
柚「さ、紗枝チャン?」オソルオソル
紗枝「なんどすか柚はん」
柚「(あれ? 柚には普通だ)」キョトン
周子「紗枝はん。八つ橋食べる?」スッ
紗枝「おおきに♪」モグモグ
周子「(アタシにも普通だ)」
P「紗枝」
紗枝「……」ツ-ン
P「手で耳を塞がれてる……」ズ-ン
柚「これはアレだ。プロデューサーサンが嫉妬されてるね」
P「どういう類の嫉妬よ」
周子「そらあれでしょ。色んな子とキャッキャしてるから」
P「そんなんで嫉妬される?」
柚・周子「「される」」
P「ハモった」
紗枝「……」プイ-
周子「試しにほら。アタシの肩を抱き寄せてみてよ」
P「はい」グイッ
紗枝「……!」ムカッ
シュッ!
P「ティッシュボールを投げつけられた!」ポコ-ン
周子「ほれ見たことか」
柚「試しに柚のこともおんぶしてみて」
P「はい」ヒョイ
柚「♪」
紗枝「……」ムカ-
シュッ
P「のど飴が飛んできた!」ポコッ!
周子「じゃあ次はアタシを後ろから抱きしめてみ」ホレホレ
P「これ以上やる必要なくない?」
周子「はよ」
P「はい」ガシ-
紗枝「!」
シュッ
P「今度はスタージュエル!」バシッ!
柚「次は柚にお姫様抱っこ♪」
P「もうよくない?」
柚「早く」ペチペチ
P「はい」ヒョイ
柚「♪」エヘヘ
紗枝「……」ムカムカムカ
シュッ
P「スタミナドリンクがすごいスピードで飛んできた!」ポコッ!
紗枝「ちょっと柚はんも周子はんもいい加減に……!」ガタッ!
ボンッ!
紗枝「ミ゛ャッ!!!!」パタリ
3人「「「あ」」」
紗枝「……」
紗枝「う、うーん……なんや頭がくらくらするなぁ……」フラリ
P「もしかして治った?」オソルオソル
紗枝「治った……? あら、いつのまにプロデューサーはん来てはったん? 柚はんと周子はんまで」
柚「ありゃ覚えてないの?」
紗枝「?」キョトン
周子「(覚えてないなら黙っとこ)」ヒソリ
P「(賛成)」コクリ
柚「(異議なし)」ウン
紗枝「ち、ちょっと。なんや3人してどうしはったん?」アタフタ
3人「「「何でもない」」」
紗枝「気になるやないの〜!」ヒ-ン!
(後日)
志希「いやぁ。薬は大成功だったらしいねぇ♪」ニコニコ
柚「もうっ。気軽に薬をバラまくのはやめてよね」プンスカ
志希「いやでもさ。私の言い分を聞いてよ」
柚「何?」
志希「楽しい」
柚「サイコパスの発言」
志希「ま、迷惑をかけたお詫びに……ほら新しい薬を作ってきたから柚ちゃんも好きなの選んでいいよ〜♪」ニコニコ
柚「えー、もうちょっと別の形のお詫びはなかったのかなぁ。どれどれ……」ゴソゴソ
志希「その赤いやつは飲んだ人がお元気になる薬だよ♪」
柚「どういう方向でお元気になるのかはあえてツッコマナイ」ポイ-
志希「その緑のやつは飲んだら2時間くらい笑顔が表情に張り付く薬♪」
柚「普通に怖いヨ」ポイ-
志希「黄色はしばらく食べるもの全てがカレー味に感じる薬」
柚「茜チャンが喜びそうだけど柚は欲しくないや」ポイ-
志希「紫色は口の中でとろけてパチパチするよ。ちなみにぶどう味」
柚「わたぱちじゃん」ポイ-
志希「桃色は惚れ薬」
柚「ほう」ピクッ
志希「お、それがいいのかな♪」
柚「いや別に柚は何でもいいんだけどね。一応、貰っておこうカナーなんて♪」ニマリ
志希「上手に飲ませられるといいねぇ♪」ニコニコ
柚「何の話かな。柚は誰にも飲ませるつもりなんてないんだけどナー♪」ニマニマ
カチャ
バタン!
P「ようやく見つけたぞ。志希」
志希「げ。プロデューサー。ここは退散……って、あれ!? う、裏口のドアが閉まってる!?」アセアセ
P「さっきカギを締めてきた」
志希「こ、この卑怯者!」
P「誰が悪いと思ってるんだ。ああん?」ガシッ
志希「ちょ、待ってよ! 掴まないでよ!」ジタジタジタ
P「トレーナーさんに連絡してあるから今日はこの後地獄のトレーニングな」ニタリ
志希「」
ニャァァァァァァァァァァァ!
柚「……」コソコソ
P「柚」
柚「な、何カナ!?」ビクッ
P「隠し持ってる薬」
柚「……」
柚「どうぞ」スッ
P「よろしい」
柚「チキショー!!」ヒ-ン!
終わり
おまけ
紗枝「何があったような気がしたんやけど……思い出そうとすると頭がよう痛くなるんやわぁ」ウ-ン
周子「まあまあきっと気のせいだよ。紗枝はん。ずっと寝てたしねー」
紗枝「せやろか……あら?」
周子「うん?」
紗枝「……な、なんで床にこんなに丸めたてぃっしゅが落ちてはるんやろ?」キョドキョド
周子「それは」
周子「(説明できんな)」
周子「ぷ、プロデューサーが丸めて捨てたやつだよ」
紗枝「プロデューサーはんが?」
周子「う、うん」
紗枝「てぃっしゅを丸めて?」
周子「そう聞いてたよ」
紗枝「……」
紗枝「ふぅん……お盛んなんどすなぁ」ハイライトオフ
周子「」
【しばらく事務所で噂が立った】
終わり
以上です。
お読みいただきありがとうございました。
とんがりコーンとかコアラのマーチみたいなメジャーどころに比べて名前が挙がることは少ないけどパックンチョも名菓だと思う。
乙でした
パックンチョはあのタシーロがCMやってた事しか覚えてないな
乙
よくある性格変化ssかと思いきやスレタイ通り七変化してたのが面白かった
乙
関係ないが、トライダーG7はあれを7変形と言い切るのがすごい。トリプルチェンジャーの方がまだマシだよ
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