結衣「ゆきのーん。ここの問題教えてー?」
雪乃「ここはこうで……」
いろは「雪ノ下せんぱーい。生徒会の仕事で相談なんですけどー」
雪乃「これはこうで……」
八幡「……」
八幡(雪ノ下は、二人に甘い。初めての友達と慕ってくれる後輩だ。多少舞い上がるのもやむなし、いやそもそも元からこういう面倒見のいい性格だったのだろう)
八幡(今まで孤独だった雪ノ下の交友関係が広がっていくのは、本来望ましいことだ……)
八幡(だがしかし、その輪に入れて貰えないばかりか罵倒されてばかりいる俺としては、奴らがのほほん仲良ししているのは面白くない)
八幡(だから俺は、ほんの少し意地悪をしてやることにした)
八幡「雪ノ下。お前、由比ヶ浜と一色どっちの方が可愛いと思う?」
雪乃「え?」
八幡(この質問によって雪ノ下は二人の間に明確な優劣を付けざるを得ない。どちらを選んでももう一方を傷つけてしまう、悪魔の質問だ)
雪乃「そうね………………」ジッ
八幡(顔に手を当て呟いた後、雪ノ下は押し黙ってしまった。……いや熟考し過ぎだろ。かなり高レベルな次元で競り合ってるのがはたから見て取れる。それを察した二人も嬉し恥ずかしはにかんでいた)
雪乃「……ごめんなさい、選べないわ。どちらも可愛い、では駄目かしら?」
結衣「ゆきのーん!」ガバッ
いろは「雪ノ下せんぱーい!」ガバッ
雪乃「?な、何?」
八幡(雪ノ下は最高のたらし発言をした後二人に抱きつかれる。策士八幡の思惑叶わず、三人の絆はより深まったのでした。めでたしめでたし。……どこかでこうなると分かっていた俺が居る)
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雪乃「比企谷君は、由比ヶ浜さんと一色さん。どちらが可愛いと思う?」
八幡(そそくさと読書に戻ろうとした俺に、天罰のごとく雪ノ下から同じ質問が返ってきた)
結衣「……!」
八幡(どちらを選んでも角が立つ……どうにか差し障りなくやり過ごしたいが、俺に『どちらも可愛い』などと浮ついた台詞を吐けようはずもない。ならばここは……)
八幡「そうだな。由比ヶ浜が100点だとしたら……」
結衣「!」ドキッ
八幡「一色は168点だ」
結衣(負けたー!)
結衣「ちょ、ちょっとお手洗い行ってくるね……」ガチャ
いろは「ちょっと先輩。ダメじゃないですかあんなに点差付けちゃあ!いくら私が先輩の好みどストライクだからって、せめて10点差ぐらいじゃないと……」
八幡「はぁ?何を言ってんだお前は。あんなの、本気で言ってないってすぐ分かるだろうが」
いろは「え?」
雪乃「一色さんの下の名前はいろは……だから168点。そういう駄洒落でしょう?」
八幡「おう。これで冗談っぽく済ませるつもりだったんだが……」
いろは「……先輩は本当にコミュ力ゼロですね。可哀想に由比ヶ浜先輩。今頃お手洗いで泣いてますよ」
八幡「いや泣きはせんだろ……」
雪乃「そうね。泣いてはないと思うわ」スッ
八幡(雪ノ下が俺にスマホの画面を見せる。同時に、俺と一色のスマホにも同文のメールが)
結衣『皆でスキーに行こう!』
八幡(あれから数日、俺達はスキー場に来た……のだが)
雪乃「遅いわね……由比ヶ浜さん」
いろは「なんか準備があるって言ってましたけど……あ、来ましたよ」
結衣「お待たせー!」
八幡(手を振りながら現れた由比ヶ浜はバスローブを身にまとい、体から湯気を出していた。風呂上がりの様相だ)
雪乃「……由比ヶ浜さん?何でそのような格好を……」
結衣「ふっふっふ……ゲレンデの女の子は三割増しで可愛い……そして風呂上がりの女の子も三割増しで可愛い!」
結衣「二つの条件を同時に満たした今の私の可愛さは100×1.3×1.3=169!いろはちゃんの168点を1点だけ上回るってこと!」(169)
いろは「私も今ゲレンデに居ますけど」(218.4)
結衣「しまった!!!!」
八幡「あざといぞ一色」
雪乃「あざといわよ一色さん」
いろは「これ私が悪いんですか?」
ーおわりー
おまけ
八幡(俺達は風邪をひいた由比ヶ浜のお見舞いに来ていた)
結衣「けほんけほん」
雪乃「由比ヶ浜さん、これに懲りたらもうゲレンデにあんな格好で出ちゃ駄目よ」
八幡「ったく、なんであんな馬鹿なことしたんだよ」
結衣「ヒッキーに可愛いって言ってほしかったんだもん……」シュン
八幡「う……そ、そうか……」
いろは(この人本当ストレートに弱いですよね)コショコショ
雪乃(今までずっと変化球だけで生きて来たからね、きっと)コショコショ
八幡(好き勝手言いやがって……)
八幡「ありゃ冗談だよ。一色いろはだから168点。本気で付けた点じゃねぇ」
結衣「はぁ……?何それ。じゃあ結局、どっちの方が可愛いと思ってんの?」
八幡(悪魔の質問再び……はぐらかすには……)
八幡「今は風邪ひいてるから、お前の方かな」
結衣「風邪?風邪ひいてる女の子は可愛いの?」
八幡「風呂上がりの女の子が可愛いのは、お湯によって血行が良くなるからだ。発熱状態においても同様の効果が期待できるだろう」
結衣「じゃあ……ずっと風邪ひく」バサ
八幡「あっこら、掛け布団を元に戻せ」
いろは「この人由比ヶ浜先輩の扱い下手ですね」
雪乃「比企谷君。もっと彼女の気持ちを慮りなさい」
八幡「これ俺が悪いのか?」
ーおわりー
以上になります。
先生「数学の問題では、十台の数字の二乗が頻出します。九九と一緒に覚えておくと便利です。11の二乗は121。12は144。13は169……」
ぼく(丁度いろはの一つ上やん)
という経験から思い付いたSSです。数学は人生を豊かにしますね。
あと左門君と過去作からパクりました。
過去作【モバマス】ありす「文香さんと文Pさんをくっつけます」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1530686220/)
最新刊で由比ヶ浜さんが授業参観に来たお母さんみたいになってるの好き。
雪ノ下と八幡の間にある感情はあくまで友情で、八幡は由比ヶ浜さんとくっつく。
っていう展開が一番丸く収まると思うんですけど駄目ですかね。
ありがとうございました。
まとも内容だったことがまず驚いたお疲れ
【第六百四十三話】
らいは「まだアプローチを続けているの?」
いろは「はいっ! 先輩が思わず『好きー!!』と叫んでしまうような事日々研究中ですよー。なので今日も付き合ってくださーいっ♡」
らいは「いいよー」
いろは「ではいきますよーっ」
らいは「どうぞ」
いろは「『コーンフレークにかけて甘くなった牛乳』」
らいは「あぁ! 好きぃ!」
いろは「『かつて敵対してたキャラがうやむやに味方サイドにひきこまれ主人公サイドとの共通の敵を倒して、存在意義を見出しデレる。』『最終回クライマックスで1期のオープニングが流れる』」
らいは「好きだ――――――!!」
いろは「『町の薄汚い中華屋さんのちょっとしっとりして刻んだカマボコとか入ってて紅しょうが添えられてるパラパラチャーハン』」
らいは「卑怯者ーっ! 結婚して――――――!!」
いろは「『大雨が降り止んでカラッと晴れた空に残る土の湿った雨のにおい』」
らいは「そ、そんなアプローチまで!? 好きが止まらないんですけど!?」
いろは「そして……『色んな手を使って好きと言わせたいあざと可愛い後輩キャラっ♡』」
らいは「…………」スンッ
いろは「…………」
らいは「いろはす」
いろは「なんですか」
らいは「あざと可愛い後輩キャラ、いろはす」
いろは「変な属性を付加しないでくださいー」
「おまえの研究はあれだ、ピンポイントで刺さるやつには刺さるが、意味がわからないやつは冷めるし、狙いすぎててすべるし、そもそも恋愛関係ないことで好きって言うの聞いておまえは嬉しいのか胸に手を当てて考えなさい」
いろは「胸に手を当てても自分の声がよく聞こえません。」
「おまえまじそういうとこだぞ」
「ていうか今のを葉山にもしようとしてたの?あいつこういうの笑いながら『…それってどういう意味?』って訊いてくるタイプだからやめとけよ」
一色「センパイ詳しいですね…はやはちは私の地雷なんで認めませんよ……」
「今ボーイズラブの話ししてないよね。BLの話しすると海老名さん寄ってきちゃうからやめて」
「はー、タチ悪い。それ絶対わざとやってるだろ。もうそれ以上研究すんな。うっかり好きになっちゃうから」
一色「いいじゃないですかぁ好きになっちゃえば!まぁアウトオブ眼中なんで付き合うのは無理ですごめんなさい」
「へいへい。あざとエンジン絶好調だな今日も」
一色「…センパイも、わざとやってますよねっ」
「……もう帰れよ」
一色「絶対私のこと好きですよね?」
「あー、好き好き。あいしてるー。」
一色「きゃっ♡」
「純粋無垢な俺のことをからかうのは楽しいか。こんな言葉のなにが嬉しいんだよ……」
一色「……ひ・み・つ、ですっ!」
スマン。誤爆した……orz
【第千三百六十二話】
結衣「連休ももう終わりかぁ」
戸塚「あっという間だったね」
結衣「三日間いちゃいちゃしてたけど物足りないよー……」
戸塚「もっとしたかった」
結衣「時間が欲しい。もっと愛し合う時間が欲しいよー……」
戸塚「欲しいよね」
結衣「この際、高校卒業したら同棲しよっか」
戸塚「したいー……」
【第千三百六十一話】
小町「10月14日は世界ひょ――」
八幡「うるせー!」
小町「何すんのよお兄ちゃん!」
八幡「何が世界標準の日だバカヤロー! めでたくもなんともねーよ!」
八幡「80億も人間がいるのに標準規格を決めようだなんてちゃんちゃらおかしい!」
八幡「どうせ多数派が自分らに都合の良い数値にしてんだから標準も何もねえっての!」
八幡「少数派を差別する温床になってんだから廃止しろ廃止!」
八幡「規格外のレッテルを貼られた側の気持ちを考えてみやがれってんだ!」
八幡「スタンダードなんて概念のせいで俺は……俺はぁ!」
小町「いや負け犬の遠吠えはいいから」
八幡「ちげーし! 一方的な基準に対して意見しているだけだし!」
スマン。誤爆した……orz
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