まほ「みほ……お誕生日おめでとう」 (21)

ピーンポーン

みほ「うん? こんな時間に誰だろう?」ガチャ

小梅「みほさん! お誕生日おめでとうございます!」

エリカ「誕生日……祝いに来たわよ」

みほ「赤星さんにエリカさん……どうしてここに?」

エリカ「相変わらず鈍いわねぇ。貴方の誕生日だからに決まってるじゃない」

エリカ「私は別に貴方の誕生日なんてどうだっていいんだけどね」

エリカ「小梅がどうしてもって言うし隊……まほ先輩にもプレゼント渡すように頼まれてるから……それだけよ」

小梅「もーエリカさんは素直じゃないんだから」

小梅「エリカさん口ではこう言ってますけど本当は凄くみほさんに会える日を楽しみにしてたんですよ」

小梅「プレゼント選びの時だってどれにするか迷って何時間も……むぐ」

エリカ「小梅……これ以上何か言ったら晩御飯作ってあげないわよ」クチフサギ

小梅「んぐ……んー……んー!」ジタバタ

みほ「エ、エリカさん……このままだと赤星さんが……」

エリカ「あ、ああ……ちょっと力を入れすぎたみたいね」

エリカ「ごほん……ともかく私はまほ先輩のプレゼントと小梅の付き添いに来ただけだから……とりあえず部屋に入れて貰える?」

みほ「あ……ちょっとだけ待っててくれるかな。お部屋お片付けしないと」スタスタ

小梅「す、すみません。急に押し掛けちゃって」

みほ「ううん気にしないで……誕生日に人が来てくれるのって何だか新鮮だし私も赤星さんやエリカさんと話したかったから」タッタッタ

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レッドスター久し振りに見た

数十分後

みほ「ここは……こっちに片付けて……きゃっ!」ガッシャン

みほ「わ、わっ……なんで前より散らかっちゃってるんだろう」アセアセ

みほ「ええっと……このゴミは……」

エリカ「あーもう! 貴方って本当に戦車道以外はポンコツね!」

みほ「……な、なんでエリカさんが中に!?」

エリカ「貴方があまりに遅いからでしょうが……ほら私が代わりに片付けておくから、貴方に任せておくといつになるか分かったもんじゃないし」

みほ「エリカさん……ごめんなさい」

エリカ「別に謝らなくてもいいわよ。そんなことで……」

エリカ「ほらゴミ袋広げてくれる。そこに入らないものを片付けておくから」

みほ「うん……」パサァ

エリカ「ゴミ袋に入れて……と。これで綺麗になったわね」

エリカ「小梅ー! 部屋の片付けが終わったみたいよ」

小梅「分かりました。それじゃ……例のヤツ運んで来ますね」

小梅「う……うう……やっぱり一人じゃこれは運べないみたいです」

みほ「えっと赤星さんは何をしているの」

エリカ「それは後のお楽しみ。貴方はここで待ってなさい。私も小梅の方を手伝って来るから」

エリカ「よ、ようやく運べたわ……」グッタリ

小梅「部屋に入るか心配でしたけど問題なくて良かったです」ヘトヘト

みほ「え……この大きな箱って」

エリカ「まほ先輩からのプレゼントよ」

エリカ「ほら貴方の好きなあの不気味なぬいぐるみあるでしょ……それみたい」

みほ「え……ボコ? でもこんなに大きいグッズあったっけ?」

小梅「重さ的にも相当ですよね。中身は一体なんなんでしょうか?」

エリカ「何にしても羨ましい話よね。それで中身は何? どうせだから開けてみなさいよ」

みほ「ボコのグッズ。こんなに大きいの初めて中身はなんなんだろう」ワクワク

みほ「リボンを外して……箱を開けてと」

エリカ「これは……」

小梅「ボコのぬいぐるみですね……大きな」

みほ「巨大ボコだぁ!」キャッキャッ

巨大ボコ「…………」

エリカ「しかし相変わらずヘンテコなぬいぐるみねぇ。なんか所々縫い目みたいなのもあるし形だって歪だし」

みほ「形が歪なのはお姉ちゃんの手作りだからかな?」

エリカ「え? これって既製品じゃないの?」

みほ「うん。私ボコファンだからこんな商品が売られてたら知らないわけないしこの縫い目も手作りだから出来たんだと思うよ」

エリカ「そ、そうなの。ふーん……言われてみればかなり良い出来よね。さすがまほ先輩だわ」

みほ「あはは……」

小梅「本当はまほ先輩もみほさんの部屋に行きたがってたんですけど……やっぱりドイツは大変みたいで代わりに謝っててくれって書いてました」

みほ「お姉ちゃん……そんな気にしなくてもいいのに」

エリカ「それだけまほ先輩が貴方のことを思ってるってことよ……悔しいけどね」

中身はボコのぬいぐるみって言った直後に中身はなんだろうでワロタ

西住仮面「中の人などいない!」(キリッ

エリカ「まほ先輩の分のプレゼントは渡したことだし今度は小梅がプレゼントを渡す番ね」

小梅「エリカさんは先に渡さなくてもいいんですか?」

エリカ「わ、私はいいのよ……」

エリカ「まだ心の準備とか出来てないし……」ボソッ

小梅「えっとそれじゃ私から……」

小梅「これ……実生活で何か役に立てるものがいいなぁってことで」

みほ「これってお財布? す、凄く高そうだけど大丈夫なの?」

小梅「問題ないですよ。みほさんは大切なお友達ですから!」

みほ「赤星さん……ありがとう」

みほ「私……大切にするね!」

小梅「はい!」

エリカ「…………」

小梅「ほら……エリカさんも!」

エリカ「い、言われなくても分かってるわよ!」

エリカ「……はい。これあげる」

みほ「箱開けてもいいかな」

エリカ「好きにすれば?」

みほ「これって戦車の模型? ティーガー2だよね」

エリカ「そうよ。いい? 私は小梅やまほ先輩みたいに甘くはないの」

エリカ「だからこれは宣戦布告よ。このティーガー2が貴方たちを倒すってね」

エリカ「だから私が倒すまでに他のチームに負けないよう精々足掻くことね」フン

みほ「エリカさん……」

みほ「私も……もし次の大会があったら負けないよう頑張るつもり。試合でまたエリカさんたちと戦いたいから」

エリカ「貴方も言うようになったじゃない」

エリカ「私たちはこの辺でお邪魔するわ。プレゼントを渡すのが目的だったわけだし……それにこれ以上居ると他のお友達の邪魔になりそうだし」

小梅「他のお友達って?」

エリカ「四号の人たちと一緒に過ごすんでしょ? 今の貴方は大洗の生徒なんだからそっちの関係を大切にしないと」

みほ「あ……気づいてたんだ」

みほ「うん……言いそびれちゃってごめんね。ただ沙織さんたちもエリカさんたちもどっちも大切なお友達……だから」

小梅「い、いえ……こっちこそ押し掛けたのが悪いんですし」

小梅「それにみほさんに新しいお友達が出来て楽しく過ごしてるのが凄く嬉しいんです」

小梅「ちょっと嫉妬もしちゃいますけどね」アハハ

エリカ「次からは誕生日の前日に来ることにするわ。そうしたら被ることもないでしょ」

エリカ「まあ……貴方が良ければだけど」

みほ「あ、あの……エリカさん」

エリカ「な、なによ」

みほ「沙織さんたちが来るまでまだ時間があるから……その……最後にハンバーグとか作って欲しいなぁって」

みほ「前に食べた時……とても美味しかったからまた食べてみたいなぁって」

小梅「エリカさんのハンバーグ! 私も食べたいです」

エリカ「はぁ……二人とも仕方ないわね。まあ時間があるって言うなら構わないけど」

エリカ「ハンバーグの食べ過ぎでケーキが食べられなくなっても知らないわよ」

みほ「大丈夫。今日はお腹が空いてるみたいだから……」

エリカ「それで材料はあるんでしょうね?」

エリカ「はい。ハンバーグ出来たわよ」

小梅「エリカさんありがとうございます!」

みほ「エリカさんありがとう!」

エリカ「ま、他人に料理を作ることはいつもののことだしね」

みほ「いつものこと?」

小梅「最近よくエリカさんに料理を作ってもらうことが多くて」

エリカ「最初は趣味で料理を作ってたんだけど作りすぎた時があってそれを小梅にプレゼントしてたら習慣になっちゃったのよ」

小梅「えへへ……いつもありがとうございます」

みほ「それはちょっと羨ましいかも。エリカさんのハンバーグとっても美味しいから」

エリカ「……また暇な時黒森峰に来なさいよ。そうしたらいつでも作ってあげるわ」

みほ「……うん」

エリカ「ほら口元にケチャップ付いてる」フキフキ

みほ「えへへ……ありがとう」

小梅「エリカさん! 私も! ほら口元にケチャップが付いてます」

エリカ「貴方のはわざとでしょ?」

小梅「なんで分かったんですか!?」

エリカ「毎日同じことしてたらそりゃ分かるわよ!」

小梅「むむぅ……でもエリカさんに拭いてもらうのが私の日課なんです」

エリカ「変なことを日課にしないでよ……まったく」フキフキ

小梅「えへへー」

みほ「御馳走様。やっぱりエリカさんのハンバーグ美味しかった」

エリカ「そ、そう。まあ喜んでくれたのなら良かったわ」

エリカ「それと改めてお誕生日おめでとう。こうしてわざわざ祝いに来てやったんだから……」

みほ「?」

エリカ「私が誕生日の時は貴方も来なさいよ……」

みほ「エリカさん……」

小梅「エリカさんだけじゃないです。私や他のみんなだってみほさんに来てほしいって思ってます」

小梅「まだ色々と思うところはあるかも知れないけど……それでもみほさんには黒森峰を嫌いにならないで欲しいから」

みほ「赤星さん……私……必ず行くから……」

小梅「みほさん……!」

みほ「その時は赤星さんにエリカさん……お姉ちゃんも一緒で過ごしたいな」

小梅「……はい!」

エリカ「そうね……まほ先輩もしばらく会ってないし四人で過ごすってのも悪くないわね」

エリカ「またまほ先輩と話して予定は決めておくわ」

エリカ「その時は絶対に来なさいよ。これ約束だから」ユビキリ

みほ「うん……約束」ユビキリ

ピーンポーン

エリカ「どうやら四号の連中が来たみたいね」

エリカ「これ以上居ても邪魔になるだけだし私たちは退散しましょうか」

みほ「エリカさんたちも沙織さんたちと一緒に……」

エリカ「バカね。そんなことしたら私たちまで甘さが移っちゃうじゃない」

エリカ「貴方たちは精々ここで仲良しごっこでもしておくことね」

エリカ「その間に私たちはどんどん強くなって……貴方たちを越えて見せるんだから」

エリカ「それじゃ行くわよ小梅」

小梅「みほさんハッピーバースデー! また会えるのを楽しみにしてますね!」

エリカ「ハッピーバースデー……良い一日を」

数分後

沙織「ハッピーバースデーみぽりん!」

みほ「沙織さんありがとう」

麻子「西住さん……お誕生日おめでとう」

沙織「見たところ私たちが一番乗りかな? あれ……でもこのぬいぐるみ……誰か他に来てたの」

みほ「うん。私の大切なお友達!」



みほ「お姉ちゃん……プレゼントありがとう」

みほ「この巨大なボコ……大切にするね」

みほ「ベッドまで運んでと……」

巨大ボコ「」ズルズル

みほ「えへへ……ボコと添い寝だぁ」キャッキャッ

みほ「ボコ……大好きだよ。おやすみなさい」スヤァ

巨大ボコ「…………」

巨大ボコ「眠ったみたいだな」アタマハズシ

まほ「やっぱり眠っているみほは可愛いなぁ」ナデナデ

まほ「みほ……お誕生日おめでとう」

まほ「私も大好きだよ」チュ


これにてこのssは終了です。
ここまで読んで下さってありがとうございました!

あれ、普通だ…

言うほど普通…か?

いつものレッドスターならハンバーグに睡眠薬とか媚薬とか入れてた

大体まほが何かしでかしてるはず
あ、乙

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