ラブライブ!と火ノ丸相撲のクロスオーバーSSです。
ここ最近の火ノ丸相撲が熱すぎて書きました。
~~~二年前~~~
千葉県・某所
にこ(いやぁ、最高だったわね! あのスクールアイドル!)
にこ(まだ初々しい感じだったけど、それもまた良くて……遠征して正解!)
にこ(にこも負けてられないわ!)
にこ(皆と一緒にもっともっと練習して、もっともっと上を目指すんだから!)
にこ「よーし、帰ったら直ぐに練習よ!」
にこ「そうね、皆んなにも連絡しておいて、学校で集まりましょう!」
にこ「駅はこっちの方でーーー」
にこ「……あれ?」
にこ「会場に向かう時、こんな道通ったかしら?」
にこ「……これって、もしかして……」
にこ「……迷った?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1555309194
にこ「くぅ、ライブに興奮して迷子なんて……こんなんじゃチビ達の事も笑えないわ」
にこ「あっちは見るからに不良の高校があって怖いし……」
にこ「ど、どーしよう……」
にこ(ん? あそこに別の高校があるわね)
にこ(ちょっと道を教えて貰いましょう)トコトコ
にこ(……んん? 何か校庭に肌色の何かが動いて……んんん?)
にこ(ーーーってえええ!!?)
にこ(な、何この学校!? 校庭に素っ裸の男がいるんですけど!!?)
にこ(へ、変態! 露出狂の変態よ!? 110番しなくちゃ!!)
男「ん? 君、どうしたの?」
にこ(ヒィッ! 声かけられた!)
にこ(こ、ここは下手に刺激しないで、穏便に済ませましょう……)
にこ「え、え~~~っとぉ、駅までの道が分からなくなっちゃってぇ……」
にこ「教えて貰えたらなぁって……あ、でも、忙しいなら全然大丈夫なんでぇ……」
男「駅はこの道をまっすぐだよ。逆方向に行くと石高っていう不良高校に行っちゃうから気をつけてね」
にこ(ろ、露出狂なのに普通……っていうか優しげ……露出狂なのに……)
にこ(? 足元にあるのって……)
にこ「それ、土俵? ですか?」
男「え? あ、ああ、そうだよ。俺は相撲部でさ」
にこ(す、相撲……確かに良く良く見ると廻しつけてる……)
にこ(っていうか、相撲ってーーー)
にこ(ーーーダサっ!)
にこ(こんな外から丸見えの所で、裸同然の格好で練習なんて……)プクク
にこ(私なら死んでもゴメンよ)プクク
にこ「ププ……お相撲って外でやるものなんですか?」
男「いや……ちょっと事情があってね。これも全部手作りなんだ」
にこ「ほ、他の部員さんは?」
男「今は……俺一人だけなんだ」
にこ(そりゃそうよ! 今時相撲って!)プクク
にこ「そ、そうなんですかぁ~~~、頑張って下さいねっ」
にこ(無理無理、これ以上いたら笑っちゃうの我慢できない!)
男「? う、うん、ありがとう?」
にこ「じゃ、さようなら!」
男「……行っちゃった。なんか我慢してるような感じだったけど、何だったんだろ」
男「それにしても……めっちゃ可愛い子だったなぁ」
にこ「あはは、く~、もうダサすぎ!」
にこ「相撲も、外で練習してるのも、一人っきりの部活動もーーー全部ダッサイ!」ケラケラ
にこ「いやぁ、あんな高校生活だけは送りたくないわ」
にこ「ま、にこには縁の無いものね」
にこ「何てったって、にこは宇宙ナンバーワンアイドルなんだから!
つまんねーよ
~~~現在~~~
千葉県 某所
にこ「……良い、ライブだったわね」
にこ「前見た時はあんな初々しい感じだったのに、今ではしっかりとライブをこなしてて」
にこ「立派な、スクールアイドルになってた」
にこ「……すごい。本当に、すごい」
にこ(……にことは、大違いだなぁ)
にこ(高校生になって、二年という月日が流れて、)
にこ(私はもうスクールアイドルの夢を諦めてしまった)
にこ(去っていく仲間達、一人ぼっちのステージ……誰も私には付いてきてくれなくて……)
にこ(気付けば、私は一人になっていた)
にこ(誰もいない部室で、ただ他のスクールアイドルの活動を羨むだけの、何者でもない女の子)
にこ(大好きだったスクールアイドルなのに、今は辛い気持ちしか感じない……)
にこ「……あれ、ここって」
にこ(確か、二年前にも通りかかった学校だ)
にこ(迷子になって、偶然たどり着いてーーー)
にこ「あ……!」
にこ(不意に、思い出した)
にこ(あの日、この学校で見た男の人)
にこ(外からも丸見えの中、たった一人で相撲を取っていた彼)
にこ(今まで少しも思い出せなかった彼の姿が、鮮明に思い返される)
にこ「あの人って、今……」
にこ(無性に……彼の事が気になった)
にこ(今なら分かるからだ)
にこ(彼の置かれていた環境のおぞましさが)
にこ(周りから笑われ、からかわれ、理解されず)
にこ(それでも、たった一人で部を継続させる)
にこ(かつて見た彼の姿は、まるで)
にこ(まるでーーー今の、自分のようだったから)
にこ(だから、気になって仕方がなかった)
にこ(彼はまだ部を続けているのだろうか)
にこ(あの地獄のような環境で、それでもめげずに、続けられているのか)
にこ(気付けば私は走り出して、前に彼を見た校庭まだ近づいて行く)
にこ(結果として―――彼はいなかった)
にこ(運動部なら休日でも練習に出ている筈なのに、そこには誰もいない)
にこ(前に土俵があった所にも、ブルーシートが掛けられているだけだった)
にこ(シートも放置されて時間が経っているのか、砂埃塗れで汚れ切っていた)
にこ(その周囲も足跡一つなく、ここ最近では誰も足を踏み入れなかったことが分かる)
にこ(彼が、ここで活動を続けている形跡は……なかった)
にこ「……そりゃそうよね」
にこ(当然と言えば、当然だ)
にこ(孤独の辛さは分かっている)
にこ(多分新入生も入らず、一人に耐えかねて、自然と活動も終えてしまったのだろう)
にこ(私も、そうだ)
にこ(部自体は存続しているが、活動という活動はもうしていない)
にこ「……馬鹿らし、帰ろ」
にこ(溜め息を一つ吐く)
にこ(どうしようもなく遣り切れない気持ちを抱えながら……無人の校庭に背中を向けて、歩き去っていった)
にこ(……何だかそのまま直帰する気持ちにならず、何の気なしに見知らぬ街を歩いていく)
にこ(秋葉原と比べたら、何の変哲もない片田舎の街並みだ)
にこ(アイドルショップもなければ、これといって遊ぶような所もない)
にこ(ふと、赤色の鳥居が目に止まる)
にこ(境内へと続く長い階段が、昔の記憶を連想させる)
にこ(スクールアイドル時代に練習で良く使っていた神田明神の階段……)
にこ(あれに登らなくなって、もう2年が経とうとしている)
にこ(また、溜め息が零れる)
にこ(今日は何時もに増して、嫌な事ばかりを考えてしまう)
にこ「……お参りでもして、少し気持ちを切り替えましょ」
にこ(長い階段を昇っていくと、そこには森に囲まれた境内がある)
にこ「お賽銭、お賽銭っと。五円玉とかあったかしら」
にこ(と、お財布をバックから取り出した、その時だった)
バシィィィン!
にこ(何かがぶつかりあるような音が、境内の外れから聞こえてきた)
にこ(その後もバシン、バシンと、音は続けて響いてくる)
にこ「な、何の音よ、これ」
にこ(日が傾きかけ、周囲が暗くなり始めた事もあってか、何だか少し不気味だった)
にこ(そのまま帰ってしまおうかとも思ったが、怖い物見たさの好奇心もあった)
にこ(少し迷った後に、意を決して音のする方へ近付いていく)
にこ(そして―――見た)
にこ(一本の大木に向かい合う、一人の少年を)
にこ(とても小柄で、背丈なんて私よりも低いような、少年の姿を)
にこ(私は、見た)
にこ(少年は、一心不乱に大木を叩いていた)
にこ(右、左、右、と、リズムよく両手を叩き付ける)
にこ(その表情は―――鬼気迫る、という言葉がこれ以上なく当てはまった)
にこ(真剣、なんてものじゃない)
にこ(繰り返される張り手の一発一発に、全力を込めているかのように)
にこ(少年は、その動きを続けていく)
にこ(その姿に視線を外せずにいると、不意に少年がこちらを向いた)
にこ「ひっ……」
にこ(その鬼気迫る表情と視線が合い、思わず恐怖が喉から溢れる)
にこ(対する少年はというと―――)
少年「わっ、す、すまねえ。ビビらせるつもりはなかったんじゃ」
にこ(―――怯える私を見て、慌てた様子で表情をやわらげた)
少年「う、うちの道場には突っ張り棒がなくてな。それで神主に許可をもらって練習に使わせてもらておるんじゃ」
少年「け、決して怪しい者ではなくての。だ、だから、そんな怯えんでくれると助かるんじゃが」
にこ(しどろもどろそう言う少年は、先程までのそれとはまるで別人のようだった)
にこ(小さい身体を湯r際、人懐っこい童顔を慌てふためかせる様は、何だかおかしくて)
にこ「……プッ」
にこ(思わず、笑いが込み上げてきてしまった)
にこ「あはは、大丈夫よ」
にこ「あんたが怖い顔してるもんだから、ちょっとビックリしちゃっただけ」
少年「そ、そうか。すまんかったのぉ」
支援
にこ「あんた、こんな所で何してるのよ? 傍目からは結構な怪しさよ」
少年「そ、そうか? 一応相撲の練習じゃったんだがなあ」
にこ「相撲? あんた相撲取りなの?」
少年「厳密に言うと相撲取り……力士という訳ではないな。まだアマチュアの身じゃからのぉ」
にこ「へー、相撲ねぇ……」
にこ(……少年は、最初の印象通りにとても小柄だった)
にこ(横幅もなければ、身長もない)
にこ(背丈など、私よりも低いくらいだ)
にこ(小学生? なのかしら? でも学生服来てるし……)
少年「……言っとくが、ワシは高校生じゃよ」
にこ「ええ゛っ!?」
にこ(わ、私より小さい男子高校生なんて初めて見たわよ……)
にこ「って、あんたその体格で相撲やってるの!?」
少年「まぁな」
ちょっと展開を調整するために、一旦中断します。
明日、明後日あたりに更新できればしていきたいと思います。
にこちゃんがまさか破城掌みたいな事しちゃう感じの
話なんやろか
>>12
さすがにそこまでぶっ飛んだ話にはしないつもりですww
短くなりますがキリの良いところまで、更新します。
にこ「……あ、危なくないの?」
少年「そりゃまぁ、ガタイの良い奴よりか、危険じゃのお」
にこ「なら、何で……」
少年「何でって、そりゃあ―――」
少年「―――相撲が好きだからじゃよ」
にこ(……そう、少年は笑いながら、言った)
にこ(体格の良し悪しに関係なく、好きだから相撲を取る)
にこ(その些細な一言は、なぜだか―――私の心を大きく揺さぶった)
にこ「相撲が、好きだから……」
少年「そうじゃ。そりゃあ危なくもあるし、怖くないとは言わん」
少年「……負ければ悔しいし、勝てれば嬉しい」
少年「ワシは心底から相撲が、好きだ」
にこ(迷いもなく、堂々と)
にこ(相撲を好きだというその姿は今の私には、余りに眩しい)
にこ(私は今、こんなにも堂々と言えるだろうか―――スクールアイドルが好きだと)
にこ「あんた……」
少年「ワシか? ワシは潮火ノ丸―――『横綱』になる男じゃ」
にこ(『横綱』……その称号は、相撲をよく知らない私だって知っている)
にこ(大相撲の頂点に立つ、限られし者)
にこ(目の前の少年は、私よりも小さな身体でもって、笑いながら宣言したのだ)
にこ(一番の……最強の相撲取りになる、と)
にこ(……妹達に良く聞かせている言葉を思い出す)
にこ(宇宙ナンバーワンアイドル)
にこ(嘘に塗れた私の言葉が、今ほどに空虚に思えた事はなかった)
にこ(……何よ)
にこ(何よ、何よ、何よ!)
にこ(そんな小さい身体で、何を夢みたいな事いってるのよ!)
にこ(あんたみたいなチビが、あんな大きいお相撲さん達に勝てる訳ないじゃない!)
にこ(それこそ、『横綱』なんて有り得ないのに―――)
にこ(―――何で、こいつはこんなに楽しそうに笑えるのよ!!)
にこ「……くっだらない」
火ノ丸「へ?」
にこ「何が横綱よ。あんた自分の身長分かってる?」
にこ「私よりも小さい身長で、そんな夢が叶うなんて思ってるの?」
火ノ丸「な、なんじゃ、いきなり……」
にこ「うっさい! あんたみたいな現実を見えてない奴を見るとムカつくのよ!」
にこ「何が相撲が好きよ! 好きだから続けられるなんて……そんな単純なら、誰も苦労しないの!」
にこ「好きなのに……好きなのに認められない辛さも知らない癖に!」
にこ「何も知らない癖に、偉そうに語らないでよ―――!!」
にこ(……心の中の暗い感情を、気付けば吐きだしていた)
にこ(それは、ただの八つ当たりで、ただの妬みでしかない……)
にこ(最悪な……最悪な、暴言……)
にこ「あっ……」
にこ(吐いてしまってから、察する)
にこ(自分がどれだけ最低な事を、言ってしまったのか)
火ノ丸「…………」
にこ(私の暴言に、少年……火ノ丸は表情を変えていた)
にこ(それまでの無邪気な表情は消え失せ、険しい表情でこちらを睨んでいる)
にこ「ご、ごめんなさい……私、そんな……」
にこ(我に返って謝ろうとするが、一度吐いてしまった言葉を無かったことには出来やしない)
にこ(火ノ丸はもう何も語らず、歩き去ろうとしていた)
火ノ丸「認められない辛さ、か……」
火ノ丸「そんなもん……とっくのとうに知っとるよ」
にこ(擦れ違い様に、ぼそりと呟かれた言葉)
にこ(それは、どこか自嘲を含む声色で、)
にこ(それきり火ノ丸は何も言わず、歩き去っていった―――)
短いですが、一旦中断。
また明日か、明々後日ほどに更新します。
レイナのポジションがにこに食われる!?
続き期待
アニメ『 火ノ丸相撲 』とは
https://japan-anime-song.com/wp/2019/05/21/hinomaru-sumou/
アニメ『 火ノ丸相撲 』の歴代主題歌まとめ
オープニングテーマ編
OP1. Official髭男dism『 FIRE GROUND 』
OP2. Lead『 Be the NAKED 』
エンディングテーマ編
EN1. オメでたい頭でなにより『 日出ズル場所 』
EN2. 吉田山田『 桜咲け 』
アニメ『 火ノ丸相撲 』の人気主題歌ランキング
まとめ
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