桃「シャ、シャミ子おはよう」
シャミ子「!!!もっ桃ですか・・・おはよう」
桃「一緒に歩かない?ウォーキングしようy」
シャミ子「いえ、お構いなく、桃一人で行ってください」
シャミ子「今日は一日いっぱい忙しいんです」
シャミ子「そういうことで!」ダッ
桃「あっ、・・・」
最近シャミ子が冷たい。
氷の属性を持っているのではないかと思うほどに、
実は氷のまぞくなのではないのかと思うほどに...
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桃「はぁ...」
身に覚えがないと言えば嘘になる。
シャミ子のペースを無視したトレーニング、
これが一番の原因だと考えている。
いつもシャミ子が出来ないことを、
無理矢理やらせていたことは、間違いない。
桃「そういえば最近シャミ子の目つきがだんだんと変わってきた気がする」
桃(そもそも、あんまり目も合わせてくれないんだけどね...)
私の言うことは聞いてくれるというシャミ子への甘えと、
すぐに結果を出そうしていた焦り。
シャミ子のためのトレーニングのはずだったのに、いつのまにか、
私の考えを押し付けていたのだ。
桃「トレーナー失格だな...トレーナーじゃないけど...」
桃(悩んでもしょうがない、後悔先に立たず...とにかく今の状況を少しでも良くしよう)
桃「まずはシャミ子の様子を知りたいな」
桃(シャミ子はどこか寄る所があるって言ってたけど、もしかして家にいるかもしれない)
桃「・・・行ってみよう」
扉 コンコン(シャミ子の住む部屋のドアをノックする)
桃「おはようございます」
桃「シャミ...優子さんの知り合いの桃と申します」
桃「今、優子さんはご在宅でしょうか?」
?「はーい 今でまーす!」
玄関から出てきたのはシャミ子のお母さんだった。
清子「おはようございます!お久しぶりですね、千代田桃さん」
清子「いつも優子がお世話になっております」
清子「ちなみに優子は、現在外出中です」
桃「おはようございます。お久しぶりです」
桃「こちらこそいつもお世話になっております」
桃「そうですか、外出中でしたか・・・」
桃(いないのは残念だけど、少しホッとしたかも...)
清子「立ち話はなんですからまずは上がって行きませんか?」
桃「ありがとうございます。それではお言葉に甘えてお邪魔します」
そうしてシャミ子の家に上がった。
清子「今日は何か、聞きたいことがあったのでしょう?」
桃「はい、そうです」
清子「優子と知り合いだなんて、今更そんな仲でもないでしょうからね」
桃「失礼な言い方でした。本当にすいません」
清子「そんなことはダンボール箱の上にでも置いといて下さい」
清子「それより、聞きたいこととはなんでしょうか?」
桃「最近のシャ、優子さんについてですが、雰囲気が変わってしまったと感じますか?」
清子「まぞくとして覚醒してから今まで、そこまで変わった様子はなかったと思います」
清子「むしろ、元気になったようです」
清子「桃さんのおかげですね。ありがとうございます」
桃「そんな・・・」
桃(むしろ私は・・・)
清子「ただ、一つだけ気になることがあります」
桃「教えて頂いても良いですか?」
清子「数日前の話で、優子が家に帰ってきた時のことなのですが」
清子「少し熱っぽい様子を感じた時がありました」
清子「その時、何かあったのかそれとなく尋ねてみたのですが」
清子「優子が作り笑いを浮かべて誤魔化してる様子でした」
清子「言いたくないことなのだろうと、その件は聞かないことにしました」
清子「その後は、以前と同じ様子に戻っていたように見えました」
清子「ですので、今まで忘れていましたよ」
桃「そうだったんですね」
清子「これで、私の知ってることは話しました」
清子「次は、桃さんの話を聞いてもよろしいですか?」
桃「はい」
桃「私が原因で、優子さんが私に冷たい態度を取るようになってしまったかもしれないんです」
清子「なんと...申し訳ないですが、具体的にどのようなことがあったか、伺ってもよろしいですか?」
桃「はい」
桃「少し前からですが、優子さんに会ったり話しかけると、無視・・・とまではいかないですが」
桃「明らかに私を避けるようになってしまったのです」
清子「そのようなことが・・・」
桃「そしてその原因が私には分かってます」
清子「聞かせて頂いてもよろしいですか?」
桃「私のトレーニングが原因です」
清子「トレーニングですか?」
桃「正確には、優子さんのペースを無視したトレーニングです」
桃「優子さんに出来るだけ早く力を付けて頂こうと、焦ってしまったばかりに、私の考えを押し付けていたのです」
桃「そして、少し前から優子さんの態度が冷たいと感じるようになりました」
清子「ありがとうございます。話は分かりました」
桃「優子さんに申し訳ないことをしてしまいました...」
清子「そんな...しかし、それは変だと思いますよ?」
桃「と、良いますと?」
清子「最近、優子が帰ってくるときは、笑顔で帰ってくる時がほとんどですよ?」
桃「それは、皆を心配させないように作り笑いをしてるだけなのでは?」
清子「私はずっとあの子の表情を見てきてます」
清子「本当の笑顔と嘘の笑顔の違いくらい、見れば分かりますよ」
桃「本当ですか?」
清子「勿論です。だこらこそ先ほどお話をした優子の作り笑いが、記憶に残っていたのかもしれません」
清子「一度、優子と桃さんの二人で話をしないといけませんね」
桃「はい、その通りですね」
桃「今度こそ焦らずに、しっかりと話をしたいと思います」
桃「私もこのままの関係はとても嫌ですので」
清子「はい、私からもよろしくお願いします」
桃「今日のことは、優子さんには話さないで頂けますか?」
清子「分かってますよ。お互い焦らずにいきましょうね」
桃「今日は相談にのって頂いて、本当にありがとうございました」
桃「長々とお邪魔してしまい、申し訳ありませんでした」
清子「私も桃さんと話が出来て、とても有意義な時間をすごせました」
清子「優子をよろしくお願いします」
桃「はい、勿論です。それではまた」
扉 バタン...(桃が玄関から外へ出る)
清子「・・・これが青春なのですかね...」
清子「久しく忘れていたかもしれない気持ちです」
清子(桃さんには、一つ伝えてないことがあります)
清子(あの時、優子が見せた表情には検討が付きます)
清子(優子が生まれて初めて見せたあの表情は...)
清子「あとは当人たちの問題ですね」
清子「見事宿敵である魔法少女を堕とし闇の一族の復興を成し遂げるのです!」
清子「応援してますよ・・・優子」
清子(・・・私もたまには闇の一族らしいことが出来たでしょうか、あなた...)
桃「もうお昼過ぎか・・・」
桃(シャミ子の居場所は分からないし、明日学校で会えるかな)
桃「せっかくだから昼食を買って帰ろう」
そして歩いて、近くのお店に到着した。
桃「あ...このポテチ新作だ・・・買うしかないのかな?」
桃「後は飲み物をk...」
―そうそう蜜柑さん、初めての時のこと覚えてます?
―勿論よ、あの時は強引にしてしまって本当にごめんなさい。
桃「!?」
桃(シャミ子と...蜜柑? なんでこんなところに・・・?)
シャミ子「あの時は本当にドキドキしてしまいましたよ...」
桃(あの時ってなんのこと?)
蜜柑「私もよ...最初はまさかこんな関係になるなんて思わなかったし」
桃(私の知らないところでシャミ子と蜜柑が...)ズキッ
桃(とても仲が良かったんだね...)
桃(私の誘いなんかより蜜柑と一緒が良かったんだね...)
桃(もう聞きたくない...早く会計を済ませて帰ろう...)
~数分後~
シャミ子「そしてその後にですね、桃g...」
シャミ子「あっあれっ!?」
蜜柑「どうしたの?」
シャミ子「いっ今桃がお店を出て行きました」
蜜柑「え?本当に?」
シャミ子「間違いありません!」
蜜柑「私は買い物したものを持って帰るから、行ってあげなさい」
シャミ子「・・・まだ気持ちの整理が...」
蜜柑「多分だけど、桃は私たちに気付いていたと思うわ」
シャミ子「はい...私もそう思います」
蜜柑「なのに声をかけなかったってことは・・・」
シャミ子「・・・そうですねこれ以上桃と離れるのは私が参ってしまいます」
シャミ子「ここで決めないとシャドウミストレス優子の名が廃ります!」
蜜柑「廃るほどの栄光が今までにあったの?」クスッ
シャミ子「なんですと!?やる気か柑橘系魔法少女よ!」ポコー!
蜜柑「その意気よ。応援してるわ」
シャミ子「・・・ありがとうございます」
シャミ子「それでは、桃を倒してきます」
蜜柑「行ってらっしゃい」
~夕方~
桃「たまには・・・石段の下で一人、ポテチを食べるのもなかなかな悪くないかな」
桃「シャミ子と蜜柑が話してた内容...」
桃(あれってそういうことだよね...)
桃(やっぱりシャミ子は、いやらしまぞくだったんだね...)
桃「・・・」
桃(もうシャミ子と話すこともなくなって、これからさらに関係は希薄になるのかな?...)
桃(なんかポテチの味も薄くなってきたよ)
桃「もう帰ろう」
?「ぉ...ぃ!も...ぉー!」
ブゥ゛ゥ゛ン...ブゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛...!!!
桃「・・・?」
桃(今、誰か私を呼んだ?騒音でちゃんと聞こえなかった)
シャミ子「桃ー!早過ぎて追い付けませんでしt」道でつまづく
桃「シャミ子!?」
シャミ子「きっ!危機管理ー!」
ブゥ゛ゥ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛!!!(ダンプカーが近づく)
桃「いけない!シャミ子!!!」変身!
桃(今のシャミ子じゃ間に合わn...)
桃(え!?もう変身してる!?そしてすぐに体勢を立て直した...)
ブゥ゛ゥ゛ゥゥゥンンン...(ダンプカーが遠ざかる)
桃(・・・シャミ子、強くなったね)
桃(本当に私はもう必要ないのかな...)
シャミ子「桃!今、ほんの少しだけピンチでしたが、あの程度今の私には問題になりません!」
シャミ子「・・・桃のトレーニングのおかげです。本当にありがとうございます」
桃「・・・蜜柑はどうしたの?」
シャミ子「やっぱり気付いてたんですね...」
シャミ子「蜜柑さんは私に舐めた口をきいてくれたので、お店にぶち転がしてきましたよ!」
桃「ふーん...」
シャミ子「あ、あの桃...桃さん?大変怒ってらっしゃるようですが...」
桃「怒ってないよ」
シャミ子「怒りが天上天下の時にしか出てこない返しじゃないですか...」
桃「色々聞きたいことがあるのだけど、付き合ってもらってもいいかな?」
シャミ子「もとよりそのつもりです。最初から決闘する覚悟で来てますから」
桃「良い度胸だね」
桃「蜜柑と仲が良いみたいだけど、いつ頃からそんな関係になったの?」
シャミ子「え?それは今まで桃も一緒にいたから分かるんじゃないですか?」
桃「どういうことかな?」
シャミ子「どういうことと申されましても...」
シャミ子「蜜柑さんは最初に会ったあの日から、ずっと友達だと思ってましたけど?」
桃「友達?それ以上の関係だって聞いてるけど?」
シャミ子「だっ誰からですか!?その人は話を盛り盛りにしてますよ!」
桃「誰って他ならぬ二人かr...」
桃「あっ」
シャミ子「もっ桃?どうしたのですか?」
桃(先程の二人の会話を思い出してみれば、初めにシャミ子と蜜柑が出会った時の話と一致してる部分が...)
桃(・・・いや、全部一致してた)
桃(私はまた焦って早とちりを...)
桃「分かった、シャミ子。この件は終わりにしよう」
シャミ子「桃が納得して頂ければ問題ないです」
桃「次は私のトレーニングについてだよ」
シャミ子「トレーニングですか?」
桃「うん、この件は先に謝らないといけない」
桃「本当にごめんなさい」
シャミ子「え?どういうことですか?」
桃「どういうことって、シャミ子に無理矢理トレーニングさせてたことだよ?」
シャミ子「言われてみればそうかもしれませんが、私は無理矢理やらされてたなんて思ったことはないですよ?」
桃「え?そうなの?」
シャミ子「いつも私のことを一番に考えてくれて、メニューを組んでくれていたじゃないですか」
シャミ子「たしかに無茶なメニューばかりでしたが、そのおかげで先程のピンチもなんなく乗り越えられたのですよ?」
シャミ子「桃に感謝こそせよ、こんな形で桃から謝られるなんて想像もしませんでしたよ...」
桃「そうだったんだね...」
桃(肩の荷が少し降りたよ...)
桃「・・・でも、これで謎が増えたよ?」
シャミ子「はい」
桃「最後の質問だけど、どうして最近私を避けていたのかな?」
シャミ子「はい、それについてですが、実は最近まで私も理由が分からなかったんです」
桃「へ?」
予想外の答えに素で驚いてしまった。
桃「よく分からないって...そんな理由で避けてたの?」
シャミ子「本当にそうだったんです・・・今日までは...」
桃「どういうことか聞いても良いかな?」
シャミ子「私が・・・桃を避けるようになった前日の出来事を覚えてますか?」
桃「覚えてるよ。その日は今まで以上に、ハードなトレーニングをしてた日だね」
シャミ子「そうです。そして私が途中でヘマをしてしまい、あやうく大怪我をするところでした」
桃「その時、私がシャミ子を間一髪の所で助けることが出来たんだよね」
桃(あの時、シャミ子すごい泣いてたんだよ...?)ズキッ
シャミ子「そうです。そして、その時からです。私が桃の顔をみれなくなったのは」
桃「え?」
シャミ子「私も最初は分からなかったんです!」
シャミ子「桃と一緒にいたいのに、なんで顔が見れなくなったんだろうって!」
シャミ子「家に帰ったときも、お母さんに心配されてしまったくらいでしたよ...」
桃「そんな理由があったんだ...」
シャミ子「そして次の日から今日まで、桃のことを避けてしまっていたんです」
桃「話してくれてありがとう」
桃「でもどうして、今日から私を避けなくなったのかな?」
シャミ子「それは、今日、自分の気持ちを理解することが出来たからです」
シャミ子「・・・蜜柑さんのおかげなんですけどね...」
桃(また蜜柑か...)
桃「続けてもらっても良いかな?」
シャミ子「はい、でもその前に一言よろしいですか?」
桃「ん?どうしたの?」
シャミ子「桃、好きです」
桃「...!?///」
桃「いっいきなりっ どうしたのかかな!?」
シャミ子「そんなびっくりの仕方しないで下さいよ...」
シャミ子「私だって頑張って伝えたんですから...」
桃「そんな...いきなりそんなこと言われても///」
シャミ子「私、最初に言いましたよね?」
桃「え...?」
シャミ子「決闘をしにきたって」
桃「う、うん」
シャミ子「決闘は今、この瞬間に始まりました。ゴングは鳴ったのですよ!」
シャミ子「そういうことで、これから桃を堕とします」桃の目を見つめる
桃「!?///」ドキッ
シャミ子「文字通りの意味です」
シャミ子「私は桃を堕とすまであきらめません」
シャミ子「もう・・・桃から逃げたりなんてしません」
桃「シャ、シャミ子...」
シャミ子「今日、蜜柑さんに先程のことを相談したんですよ」
シャミ子「そしたら、数秒で答えが返ってきましたよ...」
桃「それで今日は忙しいって...」
シャミ子「朝飯前ならぬ、挨拶前でしたけどね...」
シャミ子「答えを聞いた時、驚きましたよ」
シャミ子「最初に桃に助けられた時も、こんな気持ちにならなかっt...」
シャミ子「・・・いえ、きっと私は...」
桃「シャミ子...」
シャミ子「・・・だから私うれしかったんですよ?」
桃「なっなんのことかな?」
シャミ子「私と蜜柑さんの関係を心配してくれて///」
桃「そ、それはシャミ子のトレーナーとして...」
シャミ子「・・・そうなのですか?数少ない優勢の立場を利用しようしていたのですが・・・」シッポしょんぼり...
桃(危ない危ない...)ドキドキ
シャミ子「千代田桃よ!」
桃「はっはい!?」
シャミ子「この時をもって、今一度私は貴様に宣戦布告をする!」
シャミ子「血液を!...加えてその綺麗な髪をさらさらにして待っているが良いですよ!」ピョン!ピョン!と跳ねる
桃「・・・」
桃(私に、こんなハッピーが降りかかるはずないのに...)
桃「分かったよシャミ子...その宣戦布告を受けるよ」
シャミ子「うむ!覚悟するが良い桃よ!」
桃「魔法少女とまぞく同士、正々堂々と決闘しよう」
桃「まぞくであるシャミ子が勝ったら潔く、まぞくに堕ちよう」
シャミ子「・・・ちなみに私が負けたらどうなるのですか?」
桃「トレーニング10倍にs」
シャミ子「さぁ桃!今日はこのくらいにしておいてやる!」
シャミ子「明日から朝道、昼道、夜道にはせいぜい気を付けるが良い!」ダッ!(全力で立ち去ろうとする)
桃「あ、そうだシャミ子、一つ忘れてたことがあった。戻ってきて」
シャミ子「え?なんですか?」トコトコ
チュッ...
シャミ子「なっっ!なッッッッ///」
シャミ子「何を!!!?///」
桃「闘いは先手必勝だよ?」
シャミ子「きっ貴様っ!卑怯だぞ!たった今正々堂々と闘おうと誓ったばかりではないか!?」
桃「この程度で卑怯だなんて...シャミ子はうぶまぞくなのかな?」
シャミ子「こっ!これで勝ったと思うなよー!!!///」全力で立ち去っていく
桃(・・・シャミ子...決闘は既に終わってるんだよ?)
桃(結果は私の負け...いや、引き分けかな?)
桃(シャミ子が悪いんだよ?そもそもそのルールじゃ決闘が成立しないんだから...)
桃(私はずる魔法少女だったのかな?・・・語呂が悪い)
桃(やっぱり、ずるまぞくの方があってる...)
桃「早く私を闇堕ちさせてね?」
桃「マイシャドウミストレスさん♡」
頑張れシャミ子!
桃の桃に敷かれない、対等な関係を築いていくんだ!
いいねー!
おつ!
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