高森藍子『ごめんなさい加蓮ちゃん。明日、予定より早くリハーサルとステージの確認をすることになったってモバP(以下「P」)さんが――』
北条加蓮(晩ご飯を食べ終わった頃、藍子からそんな文章で始まるメッセージが飛んで来た)
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レンアイカフェテラスシリーズ第113話です。
<過去作一覧>
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「最初にカフェで会った時のこと」
~中略~
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「ふきげんなホワイトデーのカフェで」
・高森藍子「す~……」北条加蓮「藍子の寝ているカフェテラスで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「3月の終わりで4月が始まる頃のカフェで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「ちいさく変化したカフェで」
加蓮(正直ちょっと誘うタイミングが悪かったと思う。今度のLIVE、藍子が主役なんだし、それが終わるまで誘うのは待ってあげるべきだったよね)
加蓮(さらにいえば何か急な用事があった訳でも、どうしても藍子に話しておきたかった何かがあったのでもない)
加蓮(いつも通りの、ただのんびりして、テキトーなことを話すだけの時間)
加蓮(……悪いことしちゃった。迷惑、かけちゃったなー)
加蓮(藍子はその後も、繰り返しごめんなさいと書いていた。それを2度読み直し、3度目を通し、文章にゆるふわさが全くないのを感じとって……こんな文を送らせてしまったことを、ちょっとだけ申し訳なく思ってしまった)
加蓮「とりあえず返信、っと……」
加蓮『こっちこそ、忙しい時に誘ってごめん。頑張って来て――』
加蓮(……、)ポチポチ
加蓮『応援するね』
加蓮(返信は、やる気に満ち溢れたスタンプだった)
――翌朝――
加蓮(さてと)
加蓮(外の天気も温度もいい感じ。今日は、藍子の時間が許す限りカフェで一緒にだらーっとするつもりだったんだよね)
加蓮(つまり、外に出かけたい気分だけど、1人で出かけるのはちょっと微妙。アクティブに何かをしたい訳ではない。そんな心境)
加蓮(……1人でカフェに行っちゃおうかな?)
加蓮(店員さん、きっと今日もいるし。ひょっとしたら、あの子とその友達もいるかもしれない)
加蓮(藍子抜きで藍子の話でもして盛り上がろうか。……ふふっ。そうして後日、そういう話をしたよって藍子に教えてあげちゃお)
加蓮(どんなお話だったんですか? って、絶対藍子の口から言わせてやる――)
「1人でここに来るなら、そして私も今日オフだって知ってるなら、ここに来る時、誘ってほしかったな」
「私にとって、ここは藍子との2人の場所だから」
加蓮(……あれはやっぱり、例え気が緩んでいても言うべきじゃなかったって、今でも思う)
加蓮(藍子になら――)
加蓮(何を言っても受け止めてくれて、何を言っても関係を……変化したとしても、それが絶たれることはないと甘えちゃってたかな)
加蓮(でも、言ったのは事実だよね……)
加蓮(それで私1人でいつもの場所に行く、っていうのもなー……)
加蓮「……」
加蓮「……あ、そうだ」チラ
加蓮「んー……今の気分的には……」
加蓮「ここ、かな?」
――街角のカフェ、手前の席にて――
加蓮「――クリームソーダと、それと……ううん、クリームソーダでお願いします」
加蓮「さて、っと」
加蓮(懐かしいなぁ、ここ。藍子とカフェ巡りをしてた時に来たんだよね)
加蓮(都会の一角にある、いつも通りかかる時に目にするけど入ったことがないようなカフェ)
加蓮(前に来た時は――)チラ
加蓮(あの奥の席に座ったんだっけ)
加蓮(秘密基地みたい、って2人で言ったの、よく覚えてるなぁ)
加蓮(今は誰もいないみたい)
加蓮(未来から来た自分が、過去の私を、干渉しないように見守る――そんな映画があった気がするけど)
加蓮(残念。未来の私は過去の加蓮ちゃんを見つけられませんでした。……なんてね)
加蓮(ふふっ。ま、探すつもりもないんだけどさ)
加蓮(今は、大衆の中に埋もれてしまいたかった。数あるカフェからここを選んだのも、そんな感じ)
加蓮(隣の席に知らない人がいるのはちょっと慣れないけど、手前側の席を選んだ)
加蓮「あっ……あ、クリームソーダ。ありがと」
加蓮(つい、いつものカフェの店員さんに話しかけそうになってた……。誤魔化したけど、冷たい言い方になっちゃったかな……)
加蓮(前に藍子も同じことなってたよね。ううん、なりそうになってたじゃなくて、実際にやらかしたんだっけ)
加蓮(でも、あれってカフェ巡りをしている時じゃなくて……何か別の外出をした時に、たまたまカフェに立ち寄った時で――)
加蓮(……そうそう。桜を見に行った時)
加蓮(うんうん、思い出した思い出した。あの時の藍子、すっごく慌ててたんだよね! もー、あんなに慌ててたらその後しばらくネタに……あれ? ネタにした覚えがないんだけど)
加蓮(……そっか、そうだよ。あの日の事をネタにするってことは、あの日の出来事を思い出すってことだから――)
加蓮(あの時辛い思いをしたのは、私だけじゃなかったもんね)
加蓮「……」マゼマゼ
加蓮「……すっぱ」
加蓮(なんというか、自分で自分のことを予想できてたけどさ)
加蓮(カフェに来ると、藍子とのことばっかり思い出すなー……)
加蓮(いつものカフェを避けてもこれだもん)
加蓮「はぁ」ベチョ
加蓮(結局、寂しいっていうか、むなしい。何やってんだろ、って後悔がふつふつと湧き上がってくる)
加蓮(いつものカフェじゃなくても、私はこうなるのか)
加蓮(一応これでも、長いこと独りで生きてきた実績があるんだけどなー……)
加蓮(分かった。これは藍子の呪いだ)
加蓮「藍子の呪いだー!」
加蓮(……)
加蓮(……右斜後ろから感じる視線は気の所為です。今日の私はアイドルモードではありません。自意識過剰なだけです)
加蓮(呪い、か。呪いって、確か"まじない"とも読むんだよね。だから、これは藍子のまじない)
加蓮(今度藍子に会ったら言ってやろ)
加蓮(……今日も、ここはけっこう人が多いね。ここの席だと、私も大勢いる中の1人にちゃんとなれてるのかな……)
加蓮(私も、カフェのコラム――)
加蓮「コラムってほどじゃないけど、日記みたいなの、書いてみよっかなぁ……」オキアガル
加蓮(……)
加蓮「……クリームソーダはすっぱくて美味しかったです」
加蓮「バカだ」ベチョ
加蓮「……」
加蓮「……」
加蓮「……そういえば、確か……」ガサゴソ
加蓮(あったあった。トークルームのグループ名"あーちゃんを見守り隊")
加蓮(うん。どーせ名前つけたの未央でしょ)
加蓮(招待送られてたの放っといたままだったんだよねー。今入っちゃお。藍子はいるかな?)ポチポチ
加蓮(……あぁ、いるいる。今ちょうど茜とやり取りしてるね)
加蓮(未央もいる。それと……肇? 確か同じイベント会場で別の、クイズを交えながら進行するステージに参加してるんだっけ。わ、意外とアイコン可愛いのにしてるー)
加蓮(他にも何人かいて――みんな楽しそうに話してるね。藍子も、特に緊張してる感じじゃないみたい。まだ本番当日じゃないから……それか、みんなに囲まれているから、とか)
加蓮(……)
加蓮(……こうやって藍子を遠く感じるのとか、藍子の周りにみんながいて自分が近づけなくてもどかしい感じとか、なんだかすごく懐かしい気がするなぁ)
加蓮(最近は、藍子が私にそんな感じだって言うけどさ)
加蓮(もともとは――それこそ、このカフェに来た頃なんてまだ、藍子ちゃんはみんなに大人気の優しい女の子で。私は、性格が悪いだけの――)
加蓮(……なんて卑下したら、藍子に怒られちゃうか)
<ぽろん♪
加蓮「ん?」
加蓮「……」ポチポチ
加蓮「……えぇ……」
藍子『加蓮ちゃん、今いますか?』
(加蓮個人宛てのメッセージ)
加蓮「いやいやいや。グループで話してる最中でしょ。アンタそういうことしてるのバレたらあれだよ、反感買うどころじゃないよ?」
加蓮「まあ私そーいうのそこまで詳しくないし、それくらいで藍子がどうこう言われるのも想像できないけど」ポチポチ
加蓮『いません』
藍子『いない人はいませんって言いません』
加蓮『えー、屁理屈ー』
藍子『それこそ加蓮ちゃんのやってることですっ』
加蓮(……なんか藍子、返信打つの早くない?)
加蓮(スマフォの時はゆるふわが封印されるんだったっけ? いや、そんな話はなかったと思うけど……)
加蓮(うん。トークルームの方でもそんなに早く返信してる訳じゃないみたい)
加蓮(藍子も……私と話したいから、なんて思ってくれてたりするのかな)
加蓮(……)
加蓮「……まー今は私が拗らせちゃってるだけなんだろうけどね。自覚してる」ベチョー
加蓮「っと、ヤバ。クリームが垂れそうに……スプーンスプーンっ」アムアム
加蓮「左手で打つの、そんなに得意じゃないけどっ」ポチポチ
加蓮『クリーム食べながら左手でスマフォ打ってる』
藍子『相変わらず器用ですね』
藍子『クリーム?』
加蓮『クリームソーダ』
藍子『カフェ?』
加蓮『うん』
加蓮(……おっと? 藍子ちゃんからの返信がなかなか来ないぞ?)
加蓮(トークルームの方に行ったのかな。……いや、いないや)
加蓮(っていうかこっち、藍子そっちのけでなんか盛り上がってるし)
加蓮(何なの、藍子の写真を撮るならどのアングルがいいか選手権って。そしてなんでこのアホ達は熱弁してんの?)
加蓮(うーわっ、きっちりレギュレーションまで決めちゃって。あまり藍子のことを知らないファンに見せる時用? そんなの変に凝らないで自然体な笑顔の藍子を正面から撮るのが一番に決まってるでしょっ)ポチポ...
加蓮(……敵に塩を送ることなんてないっか)
加蓮(敵?)
加蓮(いやいや、ある意味敵。ライバル)
加蓮(敵だっけ?)
加蓮(いやいやいや。アイドルとしてはライバルだよ? 倒すべき敵)
加蓮(けど……藍子を取り合うライバルって感じは、もう全然しなくて)
加蓮(それよりは、そんなことを言うくらいなら一緒に何かしたいって気持ちの方が――)
加蓮(……)
加蓮(……腑抜けたなぁ、私。悪い気持ちじゃないけどね)
加蓮「あー、藍子から返信来たー」
藍子『1人で行くなら誘ってほしいって言ったの、加蓮ちゃんの方』
加蓮「やっぱ藍子も引きずるかぁ……)
加蓮(藍子からよくないオーラが漂ってるのが目に見える。今日リハだよね? スタッフさんとか困ってそう」
加蓮『違うカフェだよ』
藍子『そうなんですか?』
加蓮『藍子と一緒に行って、藍子がコラムに書いた場所』
藍子『なんだか懐かしいですね。ちなみにそのうちのどこですか?』
加蓮『どこでしょう?』
藍子『せめてヒントを!』
加蓮『秘密の場所』
加蓮(……だからさ、藍子。アンタは今、グループの主役でしょ。私と1対1で話してていいの?)
加蓮(……)
加蓮(……向こうの店員さんが不気味そうな顔で私のことを見てるのは、あれだよね。女の子が1人だから珍しいってだけだよね。私がニヤニヤしているからじゃないよね?)
加蓮(次来た時は顔見られる前に例の奥側の席に行こ……)
加蓮「はぁ……。ソーダおいしー」ズズ
加蓮「おいしー……」
加蓮「……」
加蓮「……いつものカフェとか違うカフェとか関係なく、美味しさを伝える相手がいないことって、こんなに寂しかったんだね」
加蓮「はぁ……」
藍子『奥側の席に座った、街角のカフェのこと?』
加蓮『よく分かったね。しかも早いし』
藍子『やった♪』
加蓮『景品いる?』
藍子『楽しみにしちゃいますっ』
加蓮『お。自分が主役だからって調子づいてるねー?』
藍子『……そういう意地悪なこと、言わないでください』
加蓮『ふふっ。冗談冗談』
加蓮『誰よりも輝けるチャンスだもん。藍子はそれくらい、思いっきり行きなさい?』
藍子『はいっ』
加蓮『そして、』
加蓮(……、…………)
加蓮『そしてLIVEが終わったら、今日寂しかった分を埋めてもらうからね』
加蓮『覚悟していてね?』
藍子『こちらこそ、加蓮ちゃんにお話したいことがいっぱいありますから。かくごしててくださいっ』
加蓮「……あははっ。調子出てきた」
加蓮『今話せばいいじゃん?』
藍子『そういうことじゃないって分かってますよね?』
加蓮『分かってる』
藍子『もう』
加蓮『今打ち合わせ中?』
藍子『今は休憩時間です。お昼ごはんのお弁当が、トラブルでまだ届いていないみたいで、それを待っています』
加蓮『一流の大アイドル様を待たせるとか度胸あるねー』
藍子『……それ私のことですか?』
加蓮『うん』
藍子『加蓮ちゃんっ』
加蓮『藍子。今から私の言うことをスタッフさんの前で言ったら、きっと面白いことになるよ』
加蓮(私は一流のアイ――)ポチポチ
藍子『言いません』
加蓮『まだ書いてないー』
藍子『書いていなくても、なんとなく分かりますもんっ』
加蓮『だよね』
加蓮(……っと。グループのトークルームの方で藍子が顔を見せてる。ってことは、今個別のメッセージを送ったら藍子は困っちゃ――じゃなくて、藍子に迷惑だよね)
加蓮「クリーム……ほとんど溶けちゃってる。飲むより食べる方が好きなんだけどな」
加蓮「ま、これはこれで美味しいか」ゴクゴク
加蓮「しまった。藍子に何食べるのか教えてもらえばよかった」
加蓮「そしたらそれとは全然違うものを食べてたのに」
加蓮「お弁当遅れてるって言ってたし、聞いても分かんなかったかも?」
加蓮「……」ポチポチ
加蓮(トークルームの方では、今度はみんなが藍子への応援メッセージを書き始めてた。言い出したのは、やっぱり未央)
加蓮(みんなこーいうの上手いなぁ。私、頑張れとしか言えないもん。でも、やっぱり何かくらいは書いておくべきかな?)
加蓮(あ、でも茜が相変わらず"頑張りましょう!! 気合です!!! ボンバー!!!!"としか書いてない。ふふっ。私と同じだ)
加蓮(……え、待って、私って茜と同じってこと?)
加蓮(えっ)
加蓮(えっ)
加蓮(……でも、最近それがちょっと否定できなくなってる自分が悲しい)
加蓮(私はクールグループ。私はクールアイドル。決めた。例のチャレンジ番組、次の次のゲストにはクールグループの誰かに来てもらおう。なんなら3連続くらいそうしよう)
加蓮(みんなの応援のメッセージに、藍子が1つ1つお礼を言って、さらに一言を添えてる)
加蓮(それに対してお礼をもらった子がさらに返事をするのだから、会話の流れがついていきにくいし、ごっちゃごちゃになっちゃってる)
加蓮(やっぱ私も何か送ろっかな……)
加蓮(でも)
加蓮(みんなを否定するとかじゃないけど、私は……)
加蓮(藍子の顔を見て、それから私の声が、ちゃんと藍子に届く場所で。そういう言葉を、伝えたい)
加蓮(……文字を薄っぺらいと言うつもりはないし、電話じゃ伝えきれないって言うつもりもないんだけどさ)
加蓮(ま、そんな感じ)
加蓮(トークルーム覗くのやーめた)
加蓮(もしそこで何か面白い話があったなら、後で藍子に教えてもらお)
加蓮(同じ知ることでも、知る方法の違いって大切だもん)
加蓮「クリームソーダ、ごちそうさまでした」パンッ
加蓮「さて。これからどうしよ」
加蓮(たぶん藍子もお弁当を食べてる頃だよね。個別にメッセージを送っても邪魔になっちゃうかな。あの子、食べるのに時間かけるし)
加蓮(ここでのんびりしてもいいけど、1人でいても面白くないし)
加蓮(ただま、お腹は空いちゃったもんね。何か食べてから、それから……とりあえず外に出て、テキトーに歩いて。行きたいところがなかったら帰ろ)
加蓮「メニューメニュー」パラパラ
加蓮「何にしよっかなー……。みんな何を食べてるんだろ」キョロキョロ
加蓮「窓際のおじさんは定食っぽいのを食べてて、あっちの大学生くらいの2人組はパフェだね。あ、オシャレしてますって感じのOLさんがすっごくガッツリ食べてる。ふふっ。面白ーい」
加蓮「あっちの人は飲み物だけなのかな? それにしてはグラスが多いけど。もしかして、朝からずっといたりするの?」
加蓮「店員さんが運んでるのは、銀のお皿の……微妙な角度で見えないや。もどかしいっ」
加蓮「……あれ? ひょっとして、こういうことを書いていけば私もカフェのコラムリストになれる?」
加蓮「藍子はカフェの内装とか特徴とかを書いたり、店員さんの印象を教えてたりしてたよね。一応、他のお客さんのことも言及はしてたけど、そんなに深くは書いてなかったし」
加蓮「加蓮ちゃんの人間観察コラムー、みたいなヤツ? けっこういいかも!」
加蓮(それはそうとして。注文はみんなバラバラだね。参考にならないなぁ)
加蓮(あ、また店員さんが注文を届けに行ってる。サンドイッチ……ううん、あれはホットサンドかな。美味しそー)
加蓮(私もあれにしよっかな――)ジー
加蓮(ん?)
加蓮(んん?)
加蓮(……今、店員さんがホットサンドを届けに行った先、あっちの窓際の席に座ってる2人組の、片方の人――)
加蓮(え、あれっていつものカフェの店員さんじゃない!? なんでここにいるの!?)
加蓮(この前偶然ってなかなか起きないねーって藍子と話したばっかりなのに、偶然、起きちゃったんだけど!)
加蓮(向かい合って座ってるのは……穏やかそうな女の人だけど……待って、あの人もどこかで見たことあるような――)
加蓮(確か、ええと……確か……)
加蓮(……思い出せないっ。写真送ったら藍子なら分かるかも?)
加蓮(いや。やめとこ。隠し撮りなんてサイテーだよね)
加蓮(藍子なんてサイテー! なんてねっ)
加蓮(直接聞きに行く、のも……ね)
加蓮(それに、あの2人のところに行った店員さん……注文ってだけじゃないみたい。なんだか楽しそうに話してる……)
加蓮(カフェの店員さん同士、仲良かったりするのかな)
加蓮(……あっ。ひょっとして、じゃあもう片方の人もどこかのカフェの? それなら見たことがあるのも、思い出せそうで思い出せないのも納得ー)
加蓮(行ってみるのはやめとこ。2人用の席だから私が入るスペースないし、いきなり私が行っても店員さんはともかく、もう1人の女の人は困るもんね)
加蓮(……別に、知らない人と話すのが嫌って訳じゃないからね??)
加蓮「なんか、知り合いがいて話さないって決めたら居辛くなっちゃったけど……ホットサンド、どうしよっかな」パラパラ
加蓮「……ん? さっきの2人、今藍子の名前を出した……?」
加蓮(なんか真面目そうな雰囲気……。何話してんだろ。この距離だと絶妙に聞こえないし……)
加蓮(……気にはなるけど、ま、ここはカフェだし全員カフェの店員(?)なんだし、カフェアイドルの藍子の名前を出すくらい不自然じゃないっか……)
加蓮(別に悪巧みしてそうな感じじゃないし。危害を加える訳ないだろーし)
加蓮(やっぱり今日はもう帰ろーっと。ここのホットサンドは今度、藍子を誘って食べに来るってことで)スクッ
【おしまい】
<あとがき?>
このお話に関連した過去話一覧です。よければまた読んでくださいませ。
第110話 高森藍子「す~……」北条加蓮「藍子の寝ているカフェテラスで」
高森藍子「す~……」北条加蓮「藍子の寝ているカフェテラスで」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1584352275/)
第49話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「靄々の桜流しに」
北条加蓮「藍子と」高森藍子「靄々の桜流しに」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493372767/)
第58話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェの奥の席で」
高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェの奥の席で」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1533634439/)
第55話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「郊外のカフェで」
北条加蓮「藍子と」高森藍子「郊外のカフェで」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506933548/)
作者です。
このお話はモバマスにて開催中のイベント「第52回ドリームLIVEフェスティバル」を元としていますが、
このイベントには最終日に加蓮も「ポジティブ・ナチュレ」のメンバーとして参加しておりますので、
お話の内容と噛み合わないことになっています。
こうなったのは私の予想が甘かったこと、
及びユニット「トリクロマティック・ナチュレ」を軽視していた為だと認識しております。
加蓮がどこかで登場することを正しく推測できていれば、投下日を変更することも可能だった筈でしたが、
浅慮により事実が確定しないまま投下してしまい、このような事態となってしまいました。
この点に関し、深く謝罪致します。
既に多数のまとめサイトに掲載していただいている以上、
今からこのお話の撤回や変更は不可能だと判断し、
また加筆も行わないことと致します。
この度は申し訳ございませんでした。
このSSまとめへのコメント
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