【デレマス】ありす「A」 (29)

私は、私が嫌いだった。

私に付けられた名前が嫌いだった。

私を名付けた親が嫌いだった。

私の名前をからかうクラスメイトが嫌いだった。

それを、そんなことないよと諭す先生も嫌いだった。

私は、すべてが嫌いだった。


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私は、周りが憎かった。

正論を言うと、話を逸らす先生が憎かった。

正しいことをすると、それをからかうクラスメイトが憎かった。

私を孤独にさせる、親の仕事が憎かった。

私より仕事が大事な、親が憎かった。

私は、世界が憎かった。


誰からも相手にされない。

誰からも必要とされない。

誰からも愛されない。

私は、何のために生まれたのだろう。


…強くなりたい。

この憎い世界を、

この嫌いな世界を、

見返してやる。

その強さが欲しい。


私の憎しみ。

私の悲しみ。

誰にも理解できない、この気持ちを強さにして。

私の存在を、世界中に示してみせる。

???????????????

ありす「…以上です」

P「………」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ありす「…以上です」

P「………」

ありす「先日、『A』という曲のミュージックビデオを撮影するって言ってたじゃないですか」

P「………」

ありす「ですので、撮影の際に感情移入できるよう、曲を聴いて感じたことをポエムにしました」

P「………」

ありす「どうでしょうか?感想を頂きたいんですが」

P 「………」

ありす「………」

P 「………」


P「…なんでポエム?」

ありす「曲を聴いてたら、感情が抑えきれなくなって、文字にして書いちゃいました。音楽に対しては、真剣に向き合いたいですから」

P「…そうか。なんか、ありすと初めて会った時のことを思い出す内容だな」

ありす「そうですね。あの時は、本当に子どもだったと思います」

P「……その感情を、撮影のときに思いっきりぶつけてくれ」

ありす「はい。言われなくても、ちゃんとやって見せますよ」

P「その意気よし。じゃあ、もう遅いから車で駅まで送るよ。支度して待っててくれ」

ありす「わかりました。ありがとうございます、Pさん」

ガチャ バタン

P「………」

ちひろ「お疲れ様です、プロデューサーさん」

P「あ、おかえりなさいちひろさん」

ちひろ「…なんか、思い詰めたような顔してますよ?大丈夫ですか?」

P「ええ、ちょっとありすのことで…」

ちひろ「ありすちゃんですか。確か、MV撮影があるんですよね?なにか、トラブルがあったんですか?」

P「いえ、トラブルとかではないんです。ただ、もしかしたら、ありすに余計な負担をかけたかもしれないと思って…」

ちひろ「負担、ですか?」

P「この仕事の話が来て、曲を聴いた瞬間、直感でありすが適任だと思ったんです。題名も『A』ですし。可愛さの中にあるダーク感を自然に出せるのは、ありすしかいないなと思いまして」

ちひろ「そうですね。それは、事務所のみんなが納得してますね」

P「ただ、ありすには本当に暗い過去があります。なるべく、それに触れないようにと思ったんですけどね」


P「あいつ、自分に求められているものが分かってたんですよ。嫌なはずの過去とか全部背負ってまで、曲に対する想いを言ってくれて」

ちひろ「……」

P「…ありすは、大人に憧れてる節があって、実際に大人っぽいところもあるじゃないですか。だから、大丈夫だろうと勝手に思ってました」

P「でも、あいつはまだ子どもだった。それ今さらを思い出しちゃいまして。
嫌なこと思い出させてまで、こんな仕事させるつもりじゃなかったのに…」

ちひろ「プロデューサーさん」

ちひろ「確かにありすちゃんは、プロデューサーさんが思っているよりも、そんなに強い子じゃありません」

P「はい…」

ちひろ「でも、彼女には信頼できるプロデューサーがいます。でなければ、嫌な思い出を自分から話すだなんて、できませんよ」

P「…!」


ちひろ「だから、ちゃんとありすちゃんを支えてあげてください。それができるのは、プロデューサーさんだけなんですから」

P「…そうですね。ありがとうございます。少し気が楽になりました」

ちひろ「どういたしまして。さて、そろそろ定時ですから、帰り支度しないと」

P「あ、やべ、ありす待たせっぱなしだった」

ちひろ「何やってるんですか!?戸締まりはやっておきますから、早く行ってください!」

P「すいません!お先です!」バターン


P「ありすを支える、か…」

~車内~

ありす「」ムスー

P「…なあ、ありす」

ありす「何ですか」ムスー

P「もし俺が、昔の出会った頃のありすに戻って欲しい、って言ったらどうする?」

ありす「絶対嫌です。名前で駄々こねたりとか、あんな子どもっぽい考え方してた頃には戻りたくないです」

P「まあ、そうだろうな。言っといて何だけど、俺も戻りたくない」

ありす「えぇ…何で聞いたんですか」


P「あの頃は、俺も精神がガキだったからな。ありすがいない裏で、何度かキレそうになった事がある。なんで小学生に生意気言われなきゃいけないんだ、とか思ったことも正直あった」

ありす「それ、よくも私に対して直接言えましたね」

P「今だから言えるんだよ。当時は大人のメンツ保たなきゃとか思ってたけどさ、今思えば、俺は本当に子どもだった」

ありす「……」


P「ありすはよく、大人びてるけど子どもっぽいっていわれてるけどさ。多分、俺もありすと同じで、まだまだ子どもなんだと思う」

ありす「いや、そんな事は」

P「ま、ありすの場合は褒め言葉で言われることが多いけどな。俺の場合、見た目は大人で頭脳は子ども、ただの悪口!」

ありす「ひとりで何言ってるんですか?」

P「辛辣」


P「ま、要はさ、俺はありすに対して、何か悩みがあったら遠慮なく言ってくれーって言ってるけどさ」

P「そういう一方的なのはナシにする。俺も、悩みがあったらありすに相談するから」

ありす「…Pさんはほんと、まだまだ子どもですね」

P「えっ」


ありす「そんな一方的に相談するだなんて言って、私に寄り添ったつもりですか?」

P「うーん、ダメかあ…」

ありす「ほんと、Pさんはまだまだですね。仕方がないので、私の方から寄り添ってあげます」

P「…ははっ、これじゃあ、どっちが支えられてるのかわかんないな」

ありす「ふふっ、ほんとですね」

ありす「私をPさんと対等に見てくれる、その気持ちは嬉しいです」

ありす「でも、大丈夫です。私は音楽のためなら、何でも受け入れて、何にだって立ち向かって見せます」

ありす「だからPさんは、私の勇姿を隣でちゃんと見ていてください。アイドル橘ありすの、プロデューサーとして」

ーおわりー

参考文献
A / D.J.Amuro
https://youtu.be/JMV2qLTX1_g

この曲を聴いてたら、
ありすちゃんしか思い浮かばなくなったので、
駄文にしました。

強くてかわいいありすちゃんが、僕は好きです。

じゃあ次はAAでお願いしやーす

ありすはAAAじゃないの?

すまんAAだった
https://i.imgur.com/pf4T2VF.png

じゃあ次はAAでお願いしやーす

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