杉下右京「ひぐらしのなく頃に」 (1000)

興宮署

熊谷「大石さん! 頼まれた資料、出来上がりました!」

大石「どうもー熊ちゃん、そこに置いといてください」

熊谷「……そろそろ、例の日っスね」

大石「…………」

熊谷「今年も、また何かあるんですかね?」

大石「起こらないに越したことはありませんが……ま、何かしらあるでしょう」

大石「今年こそ、尻尾を掴んでやろうじゃないの」

熊谷「了解っス! ……そういえば大石さん、本庁から応援が来るって話、聞きました?」

大石「本庁って……警視庁から? 熊ちゃん、それ本当?」

熊谷「ええ。なんでも、二人の刑事が来るって話ですよ」

大石「ふーむ……本庁から、ねぇ……」


相棒

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亀山「なんだって俺たちがわざわざ田舎まで行かなきゃならないんですかね?」

右京「いつも暇な僕たちに与えられた仕事です、文句を言ってはいけませんねぇ」

亀山「いや、もちろん何かの捜査ならいいですよ? よりにもよって祭りの警護って……」

右京「人の多く集まる行事では、必然と犯罪の発生率も高くなるものです」

右京「そういった場での犯罪を未然に防ぐのも、大切な仕事だと僕は思いますよ?」

亀山「……なんか、無理やり自分を納得させてません?」

右京「気のせいです……それより、目的地へ着いたようですよ」

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興宮署

大石「どうも初めまして……興宮署で刑事をやってます、大石です」

右京「警視庁特命係、杉下です」

亀山「同じく、亀山です」

大石「なっはっはっ、いやーまさかこんな田舎にまで本庁の方々がおいでになるとは思いませんでしたよ」

亀山「ははは、俺たちもまさかこんな所にまで来るとは……」

大石「ちなみに……どういった仕事内容でこちらへ?」

右京「近日行われる『綿流し』というお祭りの警備と聞いています」

大石「綿流し……やはり、本庁のお二人がここまで出張って捜査に来たのは……『鬼隠し』絡みですか」

右京「はい?」

亀山「何ですって? 鬼隠し?」

面白そうじゃないの
支援

大石「……これは驚いた。いや失礼、もうとっくにご存知だろうと思ったものですから」

大石「むしろ、祭りの警備という名目で『鬼隠し』について調査に来たものだとばかり……」

右京「無学で申し訳ありません……あなたの言う鬼隠しとは何なのか、教えていただけないでしょうか?」

大石「…………」

大石「簡単に言えば……この雛見沢村で起こっている連続怪死および行方不明事件の総称です」

大石「毎年、一人が死に一人が姿を消す……その事件を村の住人は鬼隠しと、そう呼んでるんですよ」

亀山「れ、連続怪死と行方不明ですか!?」

大石「ええ、我々も捜査はしてるんですが……未だに決定的な証拠にはたどり着けてないんですよ」

操作一課トリオは出ますか

右京「今、毎年とおっしゃいましたね?」

大石「ええ……最初の事件から四年、今年でもう五年目になります」

大石「そして、その鬼隠しが発生するのは一年に一度、それも決まって同じ日……」

大石「あなた達が警護を任されている、綿流しの祭りの日なんですよ」

亀山「…………」

亀山「……右京さん」

右京「ええ……もしかしたら僕たちは、大変な仕事を引き受けてしまったのかもしれません」

期待

亀山「何か手掛かりはないんですか? それだけ何年も続いてるなら一つくらい……」

大石「お恥ずかしい限りですが……まだ確定的な証拠が見つからない状況です」

右京「『確定的な証拠がない』……つまり、犯人の目星は付いているということですね?」

大石「……この村には御三家という、非常に強い権力を持った家柄がありましてね」

大石「古手家、公由家……そして、園崎家。この園崎が、また私らと対極の存在でして」

亀山「警察と対極って……つまり」

右京「……そういった道を歩む者たち、『組』であると言うことでしょうか」

大石「そうです……そういった連中の職業柄を考えれば……」

右京「なるほど、自然な判断です」

大石「加えて、園崎は御三家でも最も強力な権力を握っていますから……」

亀山「殺しの一つや二つくらいなら……ってことですか」

右京「…………」

ほほう期待

まだ亀山の時か

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大石「本当に、ご案内しなくてよろしいんですか?」

右京「お心遣いは大変ありがたいのですが、まずは自分たちだけでこの村を歩いてみようと思いまして」

亀山「すいません、こういう人なんで」

大石「んっふっふ、なるほど……分かりました。何かありましたら、いつでも連絡して下さい」

右京「ご丁寧にどうも……亀山くん、行きましょう」

亀山「はい!」

大石「…………」

期待

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亀山「しっかし……のどかで良い村ですね、こんなの東京じゃ考えられないですよ」

亀山「景色も綺麗で車も人も溢れてない、もう最高じゃないですか」

右京「それだけに、おぞましい事件が何年も続いているとは些か信じがたいですねぇ」

亀山「偶然だったりしないですかね? 不幸な事故が毎年、同じ日に重なっただけっていう……」
右京「さあ、どうでしょうか……先ほどの大石刑事は毎年の事件に何らかの関連があるとの確信を持っているように見えましたがねぇ」

亀山「ですよね……さすがにそんな都合のいい話があるわけないですね」

右京「……いずれにせよ、少し調べてみる必要がありそうです。その、『鬼隠し』について」

期待

右京「おや、そんなことを言っている間に……一人目の住人と出会うことになりそうです」

亀山「えっ?」

右京「道路の先、見えませんか?」

梨花「…………」

亀山「……子供、みたいっすね」

梨花「…………」

亀山「何か、こっちを見てるみたいですけど」

右京「僕たちはこの村の人間ではありませんからねぇ、外からの来客は珍しいのかもしれません」

右京「せっかくです。怖がらせないように注意しながら、お話を聞いてみましょうか」

亀山「任してください、俺、そういうの得意ですから!」

右京「では、お願いしましょうか」

最初の遭遇が梨花か…

亀山「よっ、初めましてお嬢ちゃん!」

梨花「みぃ……初めましてなのです」

亀山「急に話し掛けてごめんな、びっくりしただろう?」

梨花「びっくりは……しましたです」

右京「驚かせてしまってすみません、この村で初めて見かけた住人があなただったものですから……」

梨花「二人は……外から来たのですか?」

右京「ええ、近々この村でお祭りがあると聞きましてねぇ。仕事に暇があったので、二人で観光に来たというわけです」

亀山「まあ、いつでも基本的には暇なんだけどねぇ……」

そのとき、三人が会話していた道路の向かい側から

圭一「あっ、いたいた! おーい、梨花ちゃーん!」

レナ「あれ、誰かと一緒にいるみたいだけど……?」

沙都子「見たことのない殿方ですわね……」

魅音「んー、とりあえず行ってみようよ!」


右京「お友達ですか?」

梨花「同じ学校のクラスメートなのです、僕の大切な友達なのですよ」

右京「それはそれは……」

梨花「そして、同じ部活のライバルでもあるのです」

亀山「……部活?」

続けて続けて

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魅音「へぇー観光客の人ねー、見たことないわけだよ!」

レナ「綿流しのお祭りも近いからね!」

右京「ええ……綿流しにはまだ一足早いようですが、先にこの雛見沢を歩いておこうと思いまして」

亀山「まだ少ししか回れてないけど、ここは本当にいい村だよ。おじさんは君らが羨ましい」

沙都子「お二人はどちらから?」

亀山「東京だよ、東京。人は多いし車は走ってるしで……ねぇ?」

右京「ええ……もっとも、都会は都会で良い所もたくさんあるのですが」

亀山「それに、また嫌な奴もいっぱいいるしで……意地の悪い野郎がいてねぇ」

圭一「く、苦労してるんですね……」


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警視庁

伊丹「この痒み……誰かが俺の噂をしてやがる……」

魅音「よし、決めたぁ! 今この瞬間、今日の部活が決まったよ!」

梨花「みぃ?」

亀山「ん?」

魅音「今日の部活はこの二人に、雛見沢村の素晴らしさをたくさん教えてあげること!」

圭一「へぇ、面白いなそれ!」

魅音「フッフッフ……ルールは簡単、この雛見沢村を案内して一つでも多くの良い所を教えられた者の勝ち!」

レナ「え、えっと……どうしよう、古手神社と……」

レナが様々なスポットを思考する中、亀山の手を引っ張ったのは

魅音「甘いねレナ! さぁおじさんたち、おじさんについて来て!」

亀山「うわっ! ちょ、ちょっと!」

右京「…………」

右京「とりあえずは……あなた達がこの村を案内してくれる、そういうことでいいのでしょうか?」

梨花「そういうことでいいのです、にぱー」

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エンジェルモート

魅音「ははははは、今回の部活もおじさんの勝ちだね!」

レナ「はうぅ……魅ぃちゃん凄すぎるよ、レナも知らないような所もたくさん……」

魅音「そして最下位は……ヒッヒッヒ、予想通り圭ちゃんだったねぇ」

圭一「ていうか卑怯だぞお前ら! 俺より長く住んでる分、秘密スポットを知ってるのは当然だろ!」

魅音「おやおやぁ、最初に意気揚々と勝負に乗ってきた人が何か言ってるなぁ……あっ、最下位の人だったか」

圭一「うがあああああっ!」

亀山「ま、まあまあ……みんなのおかげで雛見沢村はほとんど見て回れたから……」

右京「ええ、心から感謝していますよ」

詩音「ご注文のデラックスパフェ、お待たせ致しましたー」

亀山「あ、どうもー…………」

亀山「……へ?」

数秒の硬直後、亀山は詩音の顔を指差し

詩音「どうしました? 私の顔に何かついてます?」

亀山「いや、だっ……えっ!?」

続けて

魅音「ん? どったの?」

魅音の顔へと交互に指を向けた。

右京「おやおや、そういうことですか……」

梨花「魅ぃと詩ぃの影分身に亀山が混乱してるのですよ」

詩音「ははぁ……そういうことですか。お二人はこの村に住んでる人じゃないんですね?」

右京「初めまして、杉下と申します」

圭一「そういえば、あれだけ案内しといて今更だけど自己紹介してなかったよな!」

右京「そうですねぇ……改めて、杉下右京と申します」

亀山「か、亀山薫です」

梨花「みぃ、まだ混乱してますですか?」

亀山「いや、んなこと言われたって……」

右京「君……女性の顔をジロジロと見るのは、あまりマナーがいいとは言えませんよ」

亀山「……はい、すいません」

右京「少し、コーヒーでも飲んで落ち着いたらどうですか?」

亀山「あっ、いただきます」

魅音「じゃあ渦中のおじさんから……私が園崎魅音!」

亀山「ぶっ!?」

圭一「うわっ! 吹き出した!?」

これは期待
時代はひぐらしの昭和58年?それとも相棒の平成?

亀山「ゴホッ! ゴホッ! いや、悪かった……もう一度、名前教えてくれる?」

魅音「魅音、園崎魅音! この部活の部長をやってるよ!」

亀山「そ、園崎さん……あっ、そうなんだ。良い名前だね」

詩音「そして私が園崎詩音、魅音の双子の妹です。綺麗なのが詩音でばっちぃのが魅音って覚えてくださいね」

魅音「本人がいる前でばっちぃとか言うなアンタは!」

圭一「えっと、俺は前原圭一! 得意なことは……」

梨花「口先で魔法を掛けてその場しのぎをすることなのです」

圭一「ぐっ……非常に不本意な紹介だが間違ってないから何も言えない」

レナ「私が竜宮レナです、レナって呼んでください」

亀山「はいはい、よろしくな……えー、魅音ちゃん、詩音ちゃん、圭一くんにレナちゃん……と」

沙都子「北条沙都子ですわ、得意なことは圭一さんを罠に嵌めることですわね」

亀山「わ、罠?」

梨花「沙都子のトラップは一級品なのですよ、にぱー」

亀山「ははっ、でも子供が仕掛ける罠じゃさすがに……」

圭一「…………」

笑いかけていた亀山が圭一に視線をやると、圭一は青い顔で小さく首を横に振っていた。

亀山「…………」

亀山「……そんなにヤバいのか」

圭一「…………」

その問に圭一は小さく頷き返答する。それは今まで、彼がどれほどの罠を経験してきたかを如実に示していた。

亀山「……そうか」

亀山は思った、何だろう、俺はコイツといい友人になれる気がする、と

右京「そして、あなたが……」

梨花「みぃ、古手梨花なのです。よろしくなのですよ、右京」

右京「こちらこそ、よろしくお願いします」

魅音「梨花ちゃんはこの村のマスコットだから、扱いには気をつけたほうがいいかもねぇ」

圭一「はは、梨花ちゃんを怒らせれば下手したら村全体が敵に回るかもな!」

右京「それはそれは、大変なことを知りました。肝に銘じておきましょう」

梨花「みぃ、いくら僕でもそんなことはしないのですよ」

詩音「…………」

右京「……詩音さん、どうかなさいましたか?」

詩音「お姉たちは言ってないと思うんですけど……外から来た二人に、知っておいて欲しいことがあるんです」

詩音「綿流しの日のことを……」

魅音「アンタ……やめな詩音!」

詩音「だって! 杉下さんと亀山さんにだって関係あることかもしれないじゃない!」

魅音「けど、それはわざわざここで言うことじゃ……」

右京「……鬼隠し」

梨花「!」

右京「……お二人が仰っているのは、そのことではありませんか?」

魅音「杉下さん……知ってたんですか」

右京「いえ、詳しくは知りません……ただ、不幸な事故があったとの噂を耳にした程度です」

魅音「…………」

魅音「……隠してるつもりはなかったんだけどね、せっかく観光に来てくれた二人を怖がらせたくなかったから」

右京「分かっていますよ、あなた方が僕たちに心から配慮してくれたことは」

亀山「……やっぱり、他人には聞かせたくないような事件が起きちゃってるんだ?」

魅音「事故なんだよ、全部が全部……本当に、不幸な事故」

右京「なるほど……部外者の僕たちが立ち入ったことを聞いてしまったようで、申し訳ありません」

魅音「杉下さんが謝ることじゃないよ……本当に」

レナ「うん……今日のところはお開きにしようか」

沙都子「それがよろしいですわね、お二人にはまた機会があれば私のトラップを御披露目させていただきますわ!」

亀山「はは、それは遠慮したいかなー」

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亀山「じゃあみんな、今日はありがとうな!」

右京「みなさんには心から感謝しています、また改めてお礼を言わせてください」

魅音「いいっていいって! じゃあ杉下さんに亀山さん、またね!」

圭一「また、近いうちに!」

亀山「おう、またな!」

各々が別れの言葉を告げる中、誰にも聞こえない声で

詩音「……あれが不幸な事故? そんなわけない……そんなわけあるもんか……」


右京「…………」

すいません、今日はここまでで。なるべく毎日来ます

>>26これは作中でわかる感じかな?
連投すまん


相棒組はどの時代でも違和感無いんだろうな、と思った

これは期待。 


なんだろう、この安心感
惨劇が起きる気がしない

乙。お手並み拝見といったところか

さとこは亀山くんになつきそう

おーつー


最近相棒見てハマったからタイムリーなssだ

>>39
事件の舞台にいたのにみすみす事件を防げない展開って探偵ものや刑事ドラマのお約束だけど、
相棒でそういう展開って無かったんだっけ?
劇場版第1作のビッグシティマラソンの事件はそういうのとはちょっと違うかな

>>26
すみません、その辺りはあまり深く考えない方向で……


これは期待

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亀山「なんていうか、みんな良い子でしたね。部外者の俺たちを色々と案内してくれて」

右京「そうですねぇ……今時、珍しい子どもたちだと思います」

亀山「それだけに……余計驚いちゃいましたよ、俺」

右京「『園崎』魅音さんたちのことですか」

亀山「はい、まさかあの子らが大石さんが犯人だって睨んでる園崎家の人間だったなんて……」

右京「僕も驚きました、何とも奇妙な巡り合わせです」

亀山「……やっぱり、俺たちが刑事だってことは」

右京「今は言わないほうがいいでしょうねぇ……あらぬ誤解を招くことになるかもしれません」

亀山「ですよね……」

右京「……おや」

道行く先、見覚えのある人影が一つ。

こちらに背を向けていたその影は、右京の声に反応して振り返り

梨花「みぃ?」

亀山「あれ、さっき別れたばっかりだったのに!」

梨花「人類史上でも稀にみる早さでの再会となったのですよ」

右京「どうして、こちらへ?」

梨花「この先にある古手神社が、僕たちのお家なのです」

亀山「古手神社って……ああ、今日案内してくれたあの!」

梨花「来ますですか? 二人なら歓迎するのですよ」

亀山「…………」

右京「…………」

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梨花宅

梨花「どうぞ、なのですよ」

右京「失礼、お邪魔させていただきます」

亀山「お邪魔しまーすっと……」

そう言いつつ、綺麗に並べられた子供用の靴に合わせるように二人も靴を脱ぎ、中へ踏み込んだとき

梨花「では、二人が僕の家に来たことでもう一人との再会の時になったのです」

亀山「もう一人?」

梨花「沙都子ー!」

梨花がそう呼び掛けると、奥から

梨花「何でございますの梨花……へっ?」

亀山「あっ!」

沙都子「先ほど『ごきげんよう』と言ったばかりですのに、杉下さんと亀山さんがどうしてこちらに?」

梨花「僕が外を歩いていたら、無理やり家の中へ入れろと脅されたのです!」

亀山「はっ!?」

梨花「気をつけるのです沙都子、亀山は怖い怖い大人なのです」

亀山「いや、だって……う、右京さん!?」

沙都子「…………」

右京「一応聞いておきます……弁明が必要ですか?」

沙都子「いーえ……どうせ梨花の悪ふざけでございましょう? 子供の私でも分かりますわ」

右京「理解が早く、助かります」

梨花「というわけで、亀山と面白く遊んだところで……」

亀山「面白くねえ!」

沙都子(それに、亀山さん『と』ではなく……亀山さん『で』遊んだというほうが的確ではございません?)

梨花「僕は祭具殿の鍵を見て来ます、二人は沙都子と一緒に待っててくださいです」

亀山「祭具殿?」

梨花「綿流しのお祭りに使う道具だったり、厳かな神具がたくさんある場所なのです」

右京「そういったものを管理するのは、梨花さんの役割なのですね」

梨花「にぱー!」

亀山「一人で大丈夫か? もう外も暗くなってきてるし」

梨花「み、みぃ! 亀山は僕についてきて、暗い夜道で襲うつもりに違いないのです!」

亀山「だから違うっての!」

沙都子「……完全に梨花のおもちゃにされてますわね、亀山さん」

右京「大人しく待っていましょう、亀山くんよりその子のほうが二枚ほど上手のようです」

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沙都子「さて、梨花が戻ってくるまで私がお二人をもてなさなければいけませんわね」

右京「いえ、お構いなく……長居をするつもりはありませんから」

亀山「あの……親御さんはいないのかな? せっかくだし挨拶でも……」

沙都子「…………」

右京「……沙都子さんは梨花さんと、二人で暮らしているのですね?」

亀山「えっ!?」

右京「失礼……部屋を少し見回してみたのですが、ここには大人が住んでいる形跡がまるでありません」

右京「玄関には並んでいたのはあなたと梨花さんの靴だけ、部屋にある衣服も子供用のものばかり……」

亀山「言われてみれば……」

沙都子「…………」

沙都子「私には……両親がいませんの、そしてそれは梨花も同じ……だから、私たちはここで……」

右京「なるほど……これは、立ち入ったことを聞いてしまいました」

亀山「こんな小さい子が二人だけで暮らしてるなんて……」

沙都子「子供と思って馬鹿にしないでくださいまし! 不便なことがあっても、梨花と二人ならやっていけるんですのよ?」

亀山「そうかい……たくましいんだなぁ」グスッ

右京「無粋なことを続けて聞いてしまうようですが……金銭的な問題はないのでしょうか?」

沙都子「心配ございませんわ。私も入江先生のところでバイトをしておりますので」

右京「おや、バイトですか?」

沙都子「ええ、栄養剤の研究に少しばかりの協力を……入江先生が紹介してくださいまして」

右京「入江先生とは、この村にいる医師の方ですか?」

沙都子「ええ、入江診療所で働いている馬鹿で少しばかり……いえ、相当に変態な医者ですわね」

沙都子「野球チームの監督もなさっていて、監督と呼ぶ人もいますわね。まあ、かくいう私もそうなのですけど」

亀山「へぇ、監督ねー……」

右京「なるほど……ずいぶんと慕われている方なのですねぇ」

沙都子「たまに警察に訴えてやろうかと思うくらいで、基本的にはとても優しい方ですわ」

右京「……ところで、栄養剤の研究協力と言っていましたが、具体的に何をなさっているのでしょう?」

沙都子「簡単に言えば、栄養剤を注射して効果が現れるかと確認する……といった感じですわね」

沙都子「最初は自分で注射するのは嫌でございましたけど、もう慣れましたわ」

亀山「えっ、それって……もしかして治験ってことかな?」

沙都子「まあ、そのような物ですが……そんなに大仰なものでもございませんのよ」

右京「そのバイトとは、どれくらいの頻度で行っているのでしょう?」

沙都子「朝晩に二回の注射を毎日して……週末には診療所で監督の検査を受ける、といった感じですわね」

亀山「へー、結構長いこと続けてるんだ?」

沙都子「そうですわね……もう何年かは」

亀山「それだけやってるなら、とりあえず危険ってわけでもなさそうですね」

右京「ええ……そのようですねぇ」

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帰り道

亀山「子供だけで生活してるなんて……なんとかならないんですかね」

右京「色々と、込み入った事情があるようです……おいそれと、簡単に口を出すことは出来ませんねぇ」

右京「もっとも、あの二人はどちらも今の生活を楽しんでいるように見えました」

右京「そこまで心配することでもないのかもしれませんよ」

亀山「まあ、万が一のときはきっとレナちゃんとか圭一くんたちが力を貸すでしょうしね」

右京「それよりも……亀山くん。明日、是非とも足を運んでおきたいところがあります」

亀山「えっ、何か分かったんですか?」

右京「……亀山くん」

右京「君に、頼みたいことがあります」

亀山「…………え?」

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入江診療所

亀山「あいててて! ああ、腹が痛い!」

入江「そうですね……何か悪いものを食べた心当たりはありませんか?」

亀山「あの、期限の切れた弁当を……少し」

入江「今の時期は食べ物が傷むのも早いですから……気持ちは分かりますが、体を壊しては元も子もありませんよ?」

亀山「はい、気をつけます」

入江「お薬を出しておくので、しっかりと飲んでくださいね」

鷹野「はい、じゃあ亀山さん……こちらで薬をお渡しして、服用方法を説明しますからね」

亀山「あっ、はいどうもー」

右京「どうも、連れがお世話になりました」

入江「腹痛は酷いようですが、熱もなくその他も異常はなかったので特に心配はいりませんよ」

右京「ご丁寧にどうも……綿流しのお祭りを見に来たのですが、まさか連れが食当たりになるとは」

入江「綿流しはそろそろでしたね。とても賑わうお祭りです、是非楽しんでいってください」

右京「ええ……しかし、あなたにとっては仕事の増える日になってしまうかもしれませんねぇ」

入江「?」

右京「人の集まる行事では何かとトラブルが起きやすいものです、何人かの怪我人や気分の悪くなる人も出てくるでしょう」

入江「いえ、そういった人たちを診るのも含めて、僕の仕事ですから」

右京「お若いのに、ご立派ですねぇ」

入江「いえ、そんな……」

右京「ですが……この村には数少ない診療所、お一人で仕事をこなすのはさぞかしお辛いのではありませんか?」

入江「いえ、鷹野さんが僕のことをよく手伝ってくれていますから」

右京「鷹野さんとは、先ほどの女性の看護士でしょうか?」

入江「ええ、ナースとしての仕事をほぼ完璧にこなしてくれるだけではなく色々と……」

入江「例えば、この診療所にある薬品の管理をしてくれているのも鷹野さんなんですよ?」

右京「それはそれは、大変優秀な方なのですねぇ」

右京「それと、もう一つ気になったのですが」

入江「なんでしょう?」

右京「ご両親はお医者さまか、相当な資産家でいらっしゃるのでしょうか?」

入江「いえ……そんなことは……」

右京「おや、そうでしたか。どうやら僕の予想は外れてしまったようです」

入江「あの……なぜそんなことを?」

右京「これは失礼……先ほども申し上げたと思いますが、あなたはまだ非常にお若い」

右京「にも関わらず、あなたはすでに『開業医』として活動していらっしゃり、この診療所の設備も非常に充実している」

右京「田舎ということで土地代を抑えられたとしても、これだけの施設を作るには当然、それなりに費用が掛かったはず……」

右京「お若い先生一人で負担するには、少々重すぎる金額だと僕には思えたのですがねぇ」

切り込むねぇ

入江「それで……僕の両親が医者なのではないか、と」

右京「ええ……もしくはそれに準ずる資産家……しかし、あなたはそのどちらでもないと仰る」

右京「それでは、この診療所を作る資金は……一体、どうやって集めたのでしょう」

入江「…………」

右京「可能性としては……どういう縁か、あなた自身が莫大な資産を有していた」

右京「もしくは……この診療所の設立にあたって支援金を出した人物、団体が存在した……」

入江「…………!」

右京「…………」

亀山「右京さーん! 薬、貰えましたよ」

右京「失礼、色々と余計なことを聞いてしまいました。僕のつまらない独り言だと思ってください」

入江「…………」

右京「では、僕はもう行きます。改めて、今日はお世話になりました」

入江「い、いえ……とんでもないです」

亀山「いや、どうも先生!」

右京「また、機会があったらその時は」

入江「は、はい……」


右京「ああ、もう一つだけ」

入江「何か……?」

右京「北条沙都子さんのことをご存知でしょうか?」

入江「沙都子ちゃん、ですか? もちろん知っていますが……」

右京「いえ……彼女と話をする機会がありまして、入江医師にはとてもお世話になっていると話していたものですから」

入江「そんな……僕は医師として、当然すべきことをしているだけですよ」

右京「なるほど……よく分かりました、細かいことばかりお尋ねしてすみません」

亀山「すいません、そういうのが気になっちゃう人なんで」

右京「では……また」

入江「…………」

一旦切ります、夜にまた来ます

出た、右京さんの十八番!

乙 続きが楽しみだ

おつー



これは楽しみ


右京さんの口癖脳内再生余裕で半端ないな

>>45
了解
携帯があれば…なんてひぐらしに結構あったから気になっただけ

これは期待
伊丹の背中が痒くなる癖が出ててワロタ


気体してる


圧倒的な脳内再生率と安定感

乙です

右京さんは鷹野さんをメタメタに論破してへこませてくれそうだ

乙!!
亀とのコンビ、復活しないかなー

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亀山「どうでした右京さん、何か気になることとかありました?」

右京「それはむしろ、僕から君に投げかけたい質問ですねぇ」

亀山「えっ、俺にですか? いや……入江さんは親切で、すっごい感じの良い人でしたし……」

右京「他には、何もありませんでしたか?」

亀山「他に……薬を渡してくれた鷹野さんはこう、完璧って感じの人ですかね。美和子とは正反対の」

右京「なるほど、完璧ですか」

亀山「ええ、そりゃもう! 美人で頭も良さそうで物腰は柔らか、おまけに人当たりもいいんですから!」

右京「なるほど……確かに、『完璧』に見えますねぇ」

亀山「あとは……どことなく、たまきさんに似てるかもしれない、とかですか」

右京「おや……たまきさんに?」

亀山「まあ、なんとなーく雰囲気の話ですけど……」

右京「…………」

亀山「……あの、何か失言しました?」

右京「いいえ……しかし、君の言っていることが本当なら……彼女は、一筋縄ではいかない相手かもしれませんよ」

某所

「警視庁……つまり本庁の人間ということ?」

「ええ、まず間違いありません」

「鬼隠しについて調べに来たのか……フフ、それとも単なる観光かしらね」

「綿流しの警備という理由で派遣されてるようですな、偶然かもしれませんがRとも既に接触しとります」

「今日、診療所にその二人が来たけれど……別段、警戒すべきとも思わなかったわね」

「今日、私が薬を渡したのは単純そうなタイプに見えたし……とにかく、下手に手を出さないよう全員に伝えなさい」

「ええ……本庁の人間にまで手をかければ、警視庁全体が調査に出てくることも十分に考えられますからな」

「暫くは泳がせて様子を見ましょう……刑事が二人くらい増えたところでどうにかなる計画でもなし……」

「はっ!」

これで終わりです
お疲れ様でした

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興宮署

亀山「なーに読んでるんですか?」

右京「鬼隠しと呼ばれる事件で最初に起きたもの、ダム工事現場殺人事件の詳細を読んでいました」

右京「君も、目を通しておきますか?」

亀山「あ、どうも……えー何なに、殺害現場は雛見沢ダム建設現場で……被害者は四肢を切断って……!」

亀山「な、何なんですかこれ……!」

右京「痛ましい事件です……猟奇的とも言えるかもしれません」

亀山「言い方はあれですけど……俺には犯人の頭がいかれちゃってるとしか思えないですよ」

右京「その感覚は決して間違っていないと思いますよ、まともな精神であればそのようなこと、思いつきもしないはずです」

亀山「大石さんはなんて言ってるんです? この事件については」

右京「大石刑事は、この事件を含めた全ての鬼隠しを園崎家の犯行と考えています」

亀山「じゃあ、これも園崎がやったと……」

右京「かつて、この雛見沢村にダムを建設する計画があったようです」

右京「当然、雛見沢村の住人は強く反対する……その先頭に立っていたのが……」

亀山「御三家の園崎家だった……そして、反対運動に行き詰まりを感じたから直接的な行動に移ったと?」

右京「ええ……被害者を殺害したのはダム工事建設員の6名のグループ」

右京「大石刑事は、この建設員たちに園崎が圧力をかけて殺させた、そう考えているようです」

亀山「自らが手を下さずに脅しで殺させる……あり得ますね」

亀山「現場監督が死んで、殺害したのも建設従業員だなんてことならダム建設は一気に止まりますよ!」

右京「ですが……僕が気がかりなのは、その後です」

亀山「後、ですか? えー……」

亀山「また、切断された遺体の右腕のみが未だに発見されておらず、6名の犯人のうち主犯格も見つかっていない……」

亀山「……何かもう、めちゃくちゃですね」

右京「読めば読むほど、分からなくなる事件です」

亀山「これについて、大石さんは?」

右京「遺体を切断したのは見せしめのため、ダム工事に関わった者の死を惨たらしいものにすることで」

亀山「後に現れるかもしれない新たな建設業者に脅しをかける……なるほど、筋が通りますね!」

右京「では、なぜ犯人は右腕だけを持ち去ったのでしょう?」

右京「現場監督を惨たらしく殺害して見せしめにする、ここまでは理解できます……」

右京「ですが、わざわざ切断した遺体の右腕だけを持ち去るというのは……どうにも、違和感を覚えるのですよ」

亀山「何か、不気味だからじゃないですか? 殺された遺体の一部が見つからない、なんて」

右京「仮に現場監督を殺せと指示をしたのが園崎家だとするなら、右腕を持ち帰らせたのも園崎による指示だと解釈すべきです」

亀山「確かに……好きで遺体の一部を持ち帰ろうなんてことをする奴がいるわけないですよね」

右京「ですが、なぜ園崎家はわざわざ面倒な指示を出したのでしょう、『殺した遺体の右腕だけを持ち去れ』などと」

右京「そんな目立つ行動をさせれば犯人確保の危険性が高まり、さらには園崎が指示を出していたことも明るみになるかもしれません」

右京「園崎が裏で手を引いていたとすれば、……んな指示は出すはずがないと僕は思うのですが」

亀山「じゃあ……右京さんは、園崎は犯人じゃないって考えてるんですか?」

右京「当然、可能性は否定しきれませんが……不自然な点が多い、という話です」

亀山「仮に園崎家が犯人じゃないとするなら……なんだって従業員は現場監督を殺したんですかね」

右京「ええ、しかも遺体を切断するなどという手間のかかることをしてまで……」

亀山「…………」

亀山「あっ、こういうのはどうですか?」

亀山「犯人は遺体をバラバラにして、それを別々の場所に埋めることで警察の捜査を攪乱しようとしたんです!」

亀山「それで、最初に主犯格が右腕をどこかに隠したところで……」

右京「遺体が見つかってしまって仲間も逮捕されたことを知り、主犯はそのまま逃走した……」

亀山「そう、そういうことです!」

右京「なるほど……しかし、今の君の推理には疑問点が二つ」

亀山「ふ、二つですか……」

右京「まず一つ、仮に犯人の目的が切断した遺体を別々の場所に埋めることで捜査を攪乱することならば……」

右京「主犯格が右腕を隠している間、他の仲間たちは何をしていたのでしょう」

亀山「えっ?」

右京「事件の犯人グループは主犯格を含めて6名、そして切断された被害者の部位は頭部、両手足、胴体……」

右京「ちょうど、6つあることになります……遺体を隠す目的なら、他の仲間も手伝えばいいじゃありませんか」

亀山「確かに一人が一つずつ隠せば……手間が省けますよね」

右京「なのに、彼らはそうしなかった」

亀山「……じゃあ、どういうことなんですかね?」

右京「……遺体を切断したのは、何か別の目的があったということです」

亀山「それで……二つ目の疑問っていうのは……?」

右京「君の推理によれば……犯人は何らかの事情があって遺体を切断し、右腕を持ち去ってそのまま逃亡した」

右京「そういうことですね?」

亀山「何か、問題があるんですか?」

右京「何の問題もないことが何よりも問題なのですよ」

亀山「は?」

右京「どんな理由があったにせよ、遺体をバラバラに切断するような人間がまともな精神状態であったとは考えにくい」

亀山「猟奇的っていうか、もう普通な思考じゃないですよね。異常な興奮状態っていうか……」

右京「そんな犯人が、的確かつ迅速に、しかも遺体の右腕を持ったまま、現場に何一つ証拠を残さずに逃走する……」

右京「そんなことが、本当に出来るのでしょうか?」

亀山「言われてみりゃ……なんか変ですね、やってることの割に逃げるのは妙に上手いっていうか……」

右京「『錯乱』と『冷静』……相反する二つの意思が、この事件からは読み取れます」

亀山「ってことは……まさか、犯人は二重人格とか?」

右京「可能性はあります……しかし、さらに可能性が高いのは」

右京「『冷静』な意思を持った第三者が、『錯乱』状態であった犯人をどこかに隠した……」

亀山「か、隠したって……一体、誰が隠したっていうんですか? 何の目的で?」

右京「残念ながらそこまでは……ただ、一つ言えるのは」

右京「一人の人間の行方を完全に消し去り、尚かつ痕跡も残さない……並大抵のことではありません」

右京「僕たちが相手にしている敵は……それほどの力を持っている可能性があるということです」

亀山「……何か俺、また分からなくなってきちゃいましたよ」

右京「無理もありません、まだまだ僕たちも調査不足のようです」

亀山「……今年の綿流し、何も起きないといいですね」

右京「僕も、そうなることを願っています……それに、何事もなく綿流しを終わらせることが僕たちの仕事です」

亀山「綿流しの祭りの警備、ですからね」

右京「仮に、過去四年間で綿流しの日に起こった事件に何か関係があるのなら……あるいは」

右京「過去の事件になぞって、今年もまた同じような事件を起こそうと考えている者がいるのならば……」

右京「止めなければなりません……! なんとしても……そんな馬鹿げたことはっ……!」

亀山「…………!」

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翌日・某所

亀山「今日はどうするんですか?」

右京「古手神社へ向かいます。梨花さんに少し、聞いておきたいことがありますから」

亀山「なるほど、梨花ちゃんに……って、あれ? 右京さん、見てくださいよ」

亀山に促され、向かいの道路に目をやると

梨花「はっ……はっ……!」

足裏を汚しながら、額に汗を浮かべながら、必死に走る梨花の姿があった。

右京「…………!」

亀山「何か、急いで走ってますね……」

右京「亀山くん、後を追いますよ!」

亀山「えっ!?」

右京「梨花の足、靴を履いていませんでした! 加えてあの様子、何かあったに違いありません!」

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沙都子宅

梨花「はっ……はっ……!」

梨花(人の住んでいる気配……まさか、この世界でも……!)

変化のある世界だったはずだった、今までに見たことのない二人の観光客の訪れ

しかも、そんな人が部活メンバーと交流を持つ……今までにはない経験だった。

梨花「でも、それでも結局……沙都子……沙都子ぉ……!」

運命をサイコロに喩えるなら、この目はそう、全てを終わらせる……覆しようのない最悪のファンブル。

すべてに絶望をした少女が血が滲むほど拳を握り立ち尽くしていたとき

「梨花さん!」

梨花「っ!」

ふと、自らの名を呼ぶ声が聞こえた。

右京「梨花さん、大丈夫ですか?」

亀山「うわっ、怪我してるじゃねえかよ!」

梨花「右京……亀山……!」

右京「梨花さん、何かあったのですか?」

梨花「沙都子が……沙都子が……!」

右京「…………」

亀山「…………」

梨花の言葉に、二人は顔を見合わせると

右京「……行きましょう、亀山くん」

亀山「はい、あの建物ですね」

右京「外から見ても、人の住んでいる気配があります……」

亀山「沙都子はあそこにいるってことだな?」

梨花「そうなのです……でも、沙都子は……」

亀山「…………?」

その時だった

沙都子「……梨花?」

梨花「!」

亀山「さ、沙都子……?」

三人は驚愕する。

数日前の快活な少女からは想像も出来ないほどに、虚ろな目をした沙都子に。

沙都子「右京さんに亀山さんも……どうしてこちらに?」

亀山「どうしてって……!」

梨花「沙都子……僕と一緒に帰りましょうです」

沙都子「ごめんなさい梨花……私、今日からこちらの家で暮らすことになりましたの」

亀山「な、何があったんだ一体、俺たちに話してみろ!」

沙都子「あの……」

状況を掴みきれない亀山に、沙都子が何かを言おうとした瞬間だった

「おらぁ! 沙都子ォ! いつまでやっとるんね!!」

沙都子「ひっ……!」

柄の悪い、髪を金色に染めた中年の男が怒号を飛ばしながら現れたのは

鉄平「とっとと洗濯せんかい! このくそガキが!」

沙都子「は、はいっ……!」

亀山「あっ!」

沙都子は亀山の手を振り切り、家の中へ入っていく。

こちらを一度も振り向かずに。

鉄平「あん? なんねお前ら!」

亀山「それはこっちの台詞だこの野郎!」

掴みかかろうとする亀山を右京は制止し

右京「失礼、僕たちは沙都子さんの知り合いでして……今日、お会いする約束があったものですから」

鉄平「約束? ああ、すまんね。沙都子はちぃと今、忙しくてのォ!」

右京「……失礼ですが、あなたは?」

鉄平「わしゃ北条鉄平、沙都子の叔父じゃ」

右京「叔父……なるほど」

右京は頷きつつ、亀山に小声で

右京『……亀山くん、すぐに確認を』

亀山『はい……!』

すごくわくわくする

激しく支援

右京「しかし……沙都子さんの叔父ですか、初めてお会いしましたねぇ」

右京「今までも、ずっとこちらの雛見沢に?」

鉄平「今までは忙しくてな! 少しばかり離れとったけど、仕事も一段落したんでの!」

右京「なるほど……その間、沙都子さんには保護者として何かなさっていたのでしょうか?」

鉄平「なんて他人のアンタにそんなこと言わなきゃならんね!」

右京「…………」

亀山「右京さん!」

亀山『確認取れました、北条鉄平……間違いなく沙都子の叔父です』

右京『そうでしたか……』

亀山『ただ……叩けばいくらでも埃が出るような輩みたいですよ』

右京「…………」

鉄平「約束があったとこすまんね! 久々に帰ってきてワシも沙都子と色々あっての!」

鉄平「叔父とは言え、ワシらは家族じゃからな! 今日は帰ってもらえるかい!」

亀山「てめえ! あれが家族に対する言葉遣いかよ!」

鉄平「やかましい! お前誰じゃ、人様の家に口出しするほど偉いんか!?」

亀山「何だとこの野郎!」

梨花「…………」

梨花「……家族? フ……フフ……アハハ、アハハハハハ!」

鉄平「あぁ!?」

梨花「笑わせないで……ろくでもないことばかりして今までの沙都子の面倒も見なかったくせに……」

梨花「今だって、自分の出来ない家事を沙都子に全部やらせているだけでしょう?」

梨花「そんなアンタが……家族? お腹が捩れるほど面白い冗談ね! アハハハハハ!!」

鉄平「こん……ガキのくせに……!」

怒りに任せて鉄平は拳を振り上げる。それを右京は即座に掴み

鉄平「いっ!?」

そのまま強く捻り上げた。

右京「そこまでです、そのままあなたがこの子に手をあげれば……僕たちも、黙ってはいませんよ」

鉄平「……ちっ!」

苦虫を噛み潰したような顔をして右京を睨みつけつつ、鉄平はその場を後にした。

右京「…………」

亀山「…………」

このまま殴らせればタイーホ→即解決!!だったのに

梨花「…………」

終わった、終わってしまった。来なければいいと願い続けた、運命の袋小路。

梨花「……お終いね、もう」

全てを諦めた少女の、絶望の呟きだった。

どれほど足掻いても、もう遅い。どうにもならない……そう思った。

だが

亀山「……このまま、見過ごしたりはしませんよね?」

梨花「えっ……?」

右京「当然です」

梨花「…………!」

目の前にいる二人の男は意思を見せた。

それは明確な、現状を打破しようとする、戦いの意思。

梨花「…………!」

二人に梨花は驚くもすぐに理解する。

そうか、この二人は知らないのだ。

いや、私以外は誰も知らない。この袋小路の存在を、どう足掻いても沙都子が壊れてしまうことを。

梨花「……無理なのです、もう」

右京「はい?」

梨花「こうなってしまっては……もうどうしようもない、法的にも実力行使でも……無理なのです」

右京「…………」

右京「あなたは、友達の沙都子さんを助けたくはないのですか?」

右京の問い掛けが胸に刺さる。もういい、どうせ終わる世界。表に出そう、私を、本当の私を。

梨花「助けたい……助けたくないはずがない……でも、私たちに何が出来ると言うの」

右京「…………」

幾千の死の山脈を通り続けてきた少女の、心からの嘆き。

梨花「もう無理よ……私には分かってしまう、沙都子が壊れてしまうことが」

右京「…………」

梨花「私達だけで出来ることには限界がある……そしてその限界までやっても……沙都子は……!」

右京「僕はそう思いません」

梨花「えっ……?」

右京の口から紡がれたのは否定の言葉

そして

右京「もしもあなたの言う限界があるとするならば……それは諦めた瞬間でしょう」

梨花「!」

亀山は梨花の肩を叩き

亀山「絶対に諦めないぞ、俺は!」

そう力強く口にした。

>限界があるとするならば……それは諦めた瞬間でしょう

名言きた!

本当にこの二人は名コンビだよな

右京さんの頭脳と亀山の行動力はいいよね

亀山ならオヤシロさまも見えるかもな

梨花「あなたたち……一体……?」

あまりの言葉に困惑する梨花に対して

右京「約束です……沙都子さんは必ず助けてみせます」

亀山「俺たちを信じて、待っててくれ!」

そう言って、彼らは走り去る途中

梨花「!」

胸元から一冊の手帳を取り出し梨花へと提示する。

そこに書いてあった文字、それは

『警視庁』

今日はここまでで、明日また来ます

乙したー

面白くなってきやがった


鉄平って権力に弱いから絶対知ったらゴマすってくるだろwwwwww
あとリナ問題も解決か?


相棒SSはテンション上がる。続き期待してます

脳内再生率はんぱねえッス

乙です

梨花って言っちゃ何だけどちょっと賢い子供でしかないんだよな。


皆殺し編のような感じですか。わくわくします。
ただ相棒を劇場版2しか見てないので大丈夫なのでしょうか?

梨花ちゃんの最大の不幸はそこだよね
せめてレナや魅音くらいの年齢だったらもっとはやく抜け出せたと思う

しかし皆殺し編の読んだ後でひぐらしを見返すと…
入江診療所が真っ先に怪しいはずなのに何で梨花ちゃん100年もループしてわからなかったんだろ?

色々なことを疑うとか考える力がついた頃には諦める癖がついてたんだろ

まさに>>118が理由なんじゃねーの

>>121
死亡直前の記憶は消えるらしい
罪滅し世界だとクロロホルム嗅がされたとこで記憶があやふやになってる
祭囃しでも途中で羽入に言われるまで忘れていた
基本、山狗は味方だと思っていたし死んだ(と思ってる)鷹野が指揮してるなんて気付かない

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興宮署

資料『二年目の……北条夫妻は壊れた柵より転落死、柵は台風の影響で脆く……兄妹は親戚に……』

右京「…………」

大石「んっふっふ……精が出ますね杉下さん、資料を読んでいるだけなのに気迫が伝わってくるようですよ」

右京「大石さん、頼んでおいたことは……」

大石「ええ、言われた通り、古手梨花さんは熊ちゃんにパトで送らせときましたよ」

右京「ご協力、感謝します」

大石「しかし……北条鉄平、あの男が戻ってきましたか」

右京「やはり、あなたもご存知なのですね?」

大石「ええ……絵に描いたようなチンピラとはまさに奴のことでしょう、色々ときな臭い噂も聞いています」

右京「今はその噂とやらの裏付けを、何としてもしなければなりません」

大石「ただ……こういっちゃ何ですが、園崎の連中に比べればあの男は小物もいいところです」

右京「はい?」

大石「例の、綿流しの日も近い……今はそこまで本腰を入れて捜査することとは思えないんですがね……」

右京「我々警察にとって、事件の大小など関係のないものです……何より」

右京「人の……命が関わっているのですから」

大石「命、ですか……?」

その時

亀山「右京さん! 確認取れました!」

聞き込みに走り回っていた亀山は

亀山「間宮律子、北条鉄平の愛人で何度か接触しています!」

右京「やはり、そうでしたか」

大石「やはり……?」

右京「北条鉄平は今まで雛見沢村から離れていました、のどかなこの村も彼にしてみれば刺激のない退屈な場所だったのでしょう」

右京「にも関わらず、彼は突然この村へと戻ってきた……当然、それには何らかの理由がある」

大石「その理由というのが……間宮律子?」

右京「自らの欲望に忠実なタイプの人間である彼が一番に欲しているもの、おそらくは金銭でしょう」

右京「沙都子さんの家に帰ってきたのも、金に関することだと考えるなら……」

大石「…………」

大石「北条家の財産……そういうことですか」

結局視野の範囲が違いすぎるんだよな

>大石「北条家の財産……そういうことですか」
北条家の財産って…もう鉄平や殺された叔母が全部使ったんじゃね?

右京「彼はしきりに、こう言っていました」

鉄平『ワシらは家族じゃからな!』

右京「彼は今まで沙都子さんと疎遠であったはず、一緒に住んでいないどころか養育費すら払っていない」

右京「なのに、なぜ急にこのような発言が出てきたのか……僕にはとても不思議に感じられたのですよ」

大石「ふーむ……」

右京「しかし、そうすると今度は別の疑問が浮かびます……彼は何故、今このタイミングで雛見沢に戻って来たのでしょう」

大石「北条家の財産狙い、そうおっしゃったじゃありませんか」

右京「ええ、しかし……それならば、もっと早くからこの雛見沢に戻って来ていてもいいはずです」

レイプ目沙都子立ち絵は心が痛む

右京「今、資料を見て確認していましたが……北条さんのご両親が亡くなったのは今から三年前……」

右京「最初から北条家の財産を狙っていたのならば、三年前に両親が亡くなった時点で雛見沢に戻ってきているはず」

右京「しかし、北条鉄平はそうしなかった……そこまで、頭が回っていなかったのかもしれません」

大石「それが、思い出したかのように雛見沢に戻ってきたのは……」

右京「金に困り果て、本当にたまたま思い当たったのか、もしくは……誰かから、そのような事を吹き込まれたか……」

大石「……その入れ知恵をした人物が、間宮律子であると?」

亀山「北条鉄平と連んでる奴は他にも何人かいました。けど、ほとんどが鉄平と同じようなチンピラばかり……」

亀山「けど間宮律子! コイツがまた妙な噂が多い女で……金に関しては人一倍執着があるらしいです」

亀山「北条鉄平に何かを吹き込んだとしたら、コイツに間違いないですよ!」

大石「…………!」

右京「……もう少し、僕たちも動いてみましょうか」

----
某所

亀山「いました……あいつが間宮律子です」

亀山の視線の先には、髪を染め派手な装飾で身を着飾った若い女の姿があった。

リナ「…………」

後を付ける二人にまるで気付かない彼女は、早足でどこかへと歩いていく。

ただ、目的もなく街をふらついているわけではなさそうだった。

亀山「どこへ行くんですかねえ……まさか、北条鉄平のところか?」

右京「……行きましょう」

----

亀山「どこかの家に入って行きましね……」

右京「…………」

そこは、一言で表せば、様々な物が庭に置かれている家だった。

傍目からはゴミにも見える物であった、しかしそれらは乱雑に置かれているようには見えない。

誰かが意思を持って並べている、そう考えるのが自然だろう。

右京「…………」

比較的新しいダンボールも見受けられた……大きさから言って家具だろうか。

右京「……亀山くん!」

亀山「あっ! こ、これって……!」

右京が指差したのは表札……それは二人にとっては聞き覚えのある名字

『竜宮』と大きく書かれた表札だった。

右京「……亀山くん、この村にある『竜宮』と名の付く世帯数を」

亀山「すぐに確認します!」

----
図書館

亀山「右京さん、この近辺に『竜宮』って名字の家は一つだけみたいです」

右京「では、やはり先ほど間宮律子が入っていったのは……レナさんの家でしたか」

亀山「間宮律子、レナちゃんの家で何やってたんですかね?」

右京「彼女の父親と話をしていたようですが……残念ながら、内容までは分かりませんねぇ」

亀山「で、今は図書館で待ち合わせ……今度こそ、北条鉄平ですかね」

右京「……どうやら、違うようですねぇ」

亀山「?」

右京「待ち合わせている相手が来たようです……」

カイトもなかなかだけど、やっぱ亀山が一番だなぁ。

今までの相棒もいい人たちなんだけど、一番長い間相棒やってた亀山くんが一番しっくりするよなぁ

リナ「--! 笑っちゃ--!」

A「声が大き--」

リナ「誰も聞いてや--」

亀山「今回はまた別の男、それも三人……内容はよく聞こえませんね」

右京「静かに……」


リナ「上手く--園崎の--高飛び--笑いが止まら--」


亀山「右京さん、今……」

右京「『園崎』……確かに、そう聞こえましたね」

亀山「くそっ、もっとはっきり聞きたいってのに……!」

鉄平と異なり、間宮律子にはまだ二人の顔は割れていない。

が、間宮律子を含む四名が他人に聞かれたくはない何かを話し合っていることは明白である。

当然、最低限の警戒心はもっている……あまり不用意に近付くことは危険だった。

はずなのだが

右京「…………」

亀山「えっ……う、右京さん!?」

右京は数冊の本を片手に、堂々と彼らに近付き

彼らの席の前で、本を床へ派手にぶちまけた。

リナ「ちょっと! 何やってんだい!」

右京「ああ、これは失礼! 本の返却口を探してよそ見をしていたもので……」

リナ「ここと真逆じゃないか! 少し見れば分かりそうなもんだけどね!」

右京「おや、そうでしたか! ご迷惑をおかけしてすみません」

リナ「早く行きなっ……何だってんだい、まったく……」

右京「失礼……何か、鍵が落ちているのですが、これはあなた方のものでしょうか?」

リナ「!」

右京が持っていたのは数種類の鍵をまとめてある鍵束……それを目にした瞬間

リナ「つ、机に置いとい……か、返しな! あたしのだよ!」

引ったくるかのような手付きで、右京から奪い返した。

右京「そうでしたか、僕が本を落とした拍子に、一緒に落ちてしまったのかもしれません。たびたび迷惑を……」

リナ「もういいから! さっさと行きな!」

----

右京「では行きましょうか、亀山くん」

亀山「ちょ、ちょっとちょっとちょっと! 何やってんですか右京さん!」

亀山「ていうか、まだ連中の話は終わってないですよ!」

右京「ボイスレコーダーを忍ばせておきました、頃合いを見計らって回収に来ましょう」

亀山「ぼ、ボイスレコーダー?」

右京「特定の人物に対する張り込みや尾行では、時に重宝しますよ」

亀山「あんな仕掛け方、俺には出来ないですって……」

右京「彼女たちの話はまだ暫くは終わらないでしょう……その間に、行きますよ」

亀山「行くって……どこにです?」

----
鍵屋

鍵師「あー、来たねこの写真の女の人なら」

亀山「えっ、この人がここに来たんですか?」

鍵師「おお、派手な服で香水振りまいてる人だったからよーく覚えてるよ」

亀山「それー、いつぐらいだったか分かります?」

鍵師「さあなぁ……けど、そんな昔じゃなかったはずだよ」

鍵師「確かこの人は、仕事の内容もなかなか大変でなぁ」

亀山「仕事が大変だった?」

右京「もしや……その仕事とは、鍵束についている鍵を全て複製してくれ、との依頼ではありませんか?」

鍵師「よく分かったなぁアンタ……そうそう、鍵の複製ならよくある仕事だけど、まさか一束全部やってくれなんて……」

鍵師「金は二倍払うから、出来るだけ速く! なんて言われてさ」

右京「なるほど……彼女が複製した鍵の品番などの記録、残ってはいないでしょうか?」

鍵師「おお、あるよ! ちょっと待ってな!」

右京「ご協力、感謝します」

どこぞの麻雀刑事よりマトモに警察してるな

----
興宮署

レコーダー『いいかい、三人で上手く見張りをかわして、その間に園崎の上納金をかっさらうんだ』

レコーダー『金庫の鍵はこの鍵束に付いてるどれかだ……慌てて手間を取るんじゃないよ』

亀山「……とことん、ヤバい女ですね」

右京「そして、ひどく無謀です……組の上納金に手を出すなど、失敗したときのことリスクを考えれば……」

亀山「やろうとすら、思いませんよね」

右京「そして……店に残っていた鍵の品番記録とあの時に彼女が持っていた鍵の品番が一致しました」

右京「確定です、間違いないでしょう」

亀山「…………」

亀山「もしかして、鍵の品番……落としたのを拾った時に覚えたんですか?」

>>143
いや、ほら、あの人も頭は悪くないし……やっぱ無理だフォロー出来ん。

亀山「それで右京さん、ここからはどうやって動くんですか?」

右京「明日は別行動を取りましょう、僕はまず北条鉄平の愛人である間宮律子の逃げ場を塞いでおきます」

亀山「園崎の上納金……でも、園崎家に乗り込むのはさすがに……」

右京「いるじゃありませんか、僕たちには……園崎と関係のある人が、二人も」

亀山「……ですね」

右京「亀山くん、君は僕が動いている間、北条鉄平を張っていてください」

右京「……彼の目的である北条家の財産など、本当はもうないのかもしれません」

亀山「梨花と沙都子の生活振りを見ても……金に余裕があるって感じじゃありませんでしたからね」

右京「それでも北条鉄平は探すでしょう、存在すらしていないかもしれない……北条家の財産を」

右京「そして財産が見つからず……沙都子さんがそれを隠しているのだと彼が思い込めば、どんな行動に出るか分かりません」

亀山「…………!」

亀山「君は、沙都子さんを守ってあげてください」

亀山「任せてください!」

何か最後の三行で亀山くんが自問自答してるぞ

>亀山「君は、沙都子さんを守ってあげてください」


ここは右京さんだよね?

L5発症したのかもしれない

----
某所

梨花「限界があるのは……諦めた時だけ」

梨花(あの二人の目……諦めなど微塵も感じさせない、強い意志を持った目……)

梨花(だったら……私も……!)

羽入『梨花……期待しすぎては……』

梨花「分かってる……期待すれば裏切られた時に辛くなる……それは何度も経験した……」

梨花(でも、それでも……)

梨花「最後まで、諦めたくはない!」

…………

……私は


私は、運命と対峙する

一旦ここまでで、夜にまた来ます

相棒やってます

>>146


亀山「それで右京さん、ここからはどうやって動くんですか?」

右京「明日は別行動を取りましょう、僕はまず北条鉄平の愛人である間宮律子の逃げ場を塞いでおきます」

亀山「園崎の上納金……でも、園崎家に乗り込むのはさすがに……」

右京「いるじゃありませんか、僕たちには……園崎と関係のある人が、二人も」

亀山「……ですね」

右京「亀山くん、君は僕が動いている間、北条鉄平を張っていてください」

右京「……彼の目的である北条家の財産など、本当はもうないのかもしれません」

亀山「確かに、梨花と沙都子の生活振りを見ても……金に余裕があるって感じじゃありませんでしたからね」

右京「それでも北条鉄平は探すでしょう、存在すらしていないかもしれない……北条家の財産を」

右京「そして財産が見つからず……沙都子さんがそれを隠しているのだと彼が思い込めば、どんな行動に出るか分かりません」

亀山「…………!」

右京「君は、沙都子さんを守ってあげてください」

亀山「任せてください!」

乙 そして修正に感謝

にしても相棒コンビ凄いな
何の矛盾も予断もなく雛見沢の闇を暴いてくれそうだ

乙です

期待


雛見沢に特命係がいくのはそこそこあるけど、これは群を抜いて読みやすさと再現度が高いわ
続きに期待


読んでて楽しいな

ここまで脳内再生ゆゆう
ここからもゆゆう

このクオリティで神戸verカイトverでも見たいなぁチラチラッ

角田「おっ暇か?…って居ない」

>>160
角田「あいつら最近きてねえなぁ。」
大木「そういやそうですね。」
小松「刑事部長に言われてどっかの田舎
の祭りの警備に行かされてるらしい
ですよ。」
角田「なんだ。いそがしいんじゃねえ
か。」

そこに陣川がやってきて課長も逃げるわけか

----
翌日、学校

魅音「今日は沙都子と梨花ちゃん、どっちも休みかー」

圭一「ああ、珍しいよな、二人して休むなんて初めてじゃないか?」

レナ「はうぅ……風邪で二人とも寝込んでたりしたら大変だよね」

圭一「あの二人に感染しようとする風邪菌がいるならよっぽど物好きだよなぁ」

魅音「ふぇ? どうしてよ、二人とも可愛いし菌からも人気高そうじゃん」

圭一「いや、仮に俺が菌だったとしてあの二人に感染できたとしても……抗体にどんな目に遭わされるか分からないぜ」

魅音「あー、確かに……あの二人の抗体なら『倍返しだ!』とか言いながら菌をメチャクチャにしそう」

レナ「ふ、二人共……本人がいないからって……いいのかな? かな?」

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同時刻、竜宮家に呼び鈴の音が響く。

中からは

レナ父「はい、どなたですか?」

右京「……竜宮保典さんですね?」

レナ父「そうですが……あなたたちは?」

右京「警察の者です」

亀山「少しだけお時間、いいですか?」

レナ父「え、ええ……」

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レナ宅

レナ父「そんな……リナさんが……?」

右京「確かな情報です。彼女は……あなた以外の男性と、親しい関係にあります」

レナ父「しかし、リナさんは本当によく私に尽くしてくれて……やっぱり信じられません」

亀山「いやお父さんね、気持ちは分かるんですけどね……」

レナ父「もしかしたら、リナさんがその北条って男に脅されているのかもしれないじゃないですか!」

亀山「いや……それはさすがに……!」

右京「…………」

ふと、右京は自らの右側に置かれている棚を指差した。

そして

右京「……こちらにある家具は、新しく購入なされた物ですね?」

レナ父「ええ、それが何か……?」

右京「間宮律子に頼まれて、買った物ではありませんか?」

レナ父「…………」

右京「この家の内装にそぐわない派手な色をした家具……とてもあなたが自らの意思で買ったとは思えません」

右京「ましてや、レナさんがあなたに買わせたわけでもないでしょう」

レナ父「……この色が好きだと、彼女が言うものですから」

亀山「お父さん、もう何となく気付いてるんでしょ! 自分はいいように利用されてるだけだって!」

レナ父「…………」

右京「……竜宮さんの家の庭、拝見しました。たくさんの物が並べられていますねぇ」

レナ父「礼奈の趣味なんです、ゴミ置き場から物を拾ってくるのが……場所に困ってますが、本人が『宝物』と言っているので」

右京「なるほど……しかし、本当にただの『趣味』なのでしょうか?」

レナ父「……どういうことです?」

右京「確かに、レナさんの感性は個性的です。僕もなかなか、彼女という人間を測りかねています」

右京「しかし……彼女が集めてくる、一見すれば『粗大ゴミ』にも見えてしまう、彼女の『宝物』」

右京「この家の中にある派手な家具とは非常に対照的な存在だと、僕は思うのですがねぇ」

レナ父「…………?」

亀山「お父さん……レナちゃんと、しっかり話したりしました? あの子がどんなことを考えてるか、ちゃんと聞きました?」

亀山「自分の子供が! 何を考えてるのかちゃんと分かってますか!?」

レナ父「あの子はよく、私の言うことを聞いてくれますから……」

右京「…………」

右京「……これは、僕の個人的な推察なのですが……レナさんの集めて庭に並べている『宝物』」

右京「彼女にとってそれらの品は……自分にとっての『居場所』なのではないでしょうか」

レナ父「居場所……?」

右京「あなたは単身で懸命にレナさんを育ててきた……彼女も、そのことをよく理解しているのでしょう」

右京「だからこそ、あなたが間宮律子に対して派手な振る舞いをしても何も言わなかった」

右京「そうすることが父の幸せなら……彼女はそう考えたのでしょう」

右京「しかし、その結果……自分と父だけの空間であった家に、本意でない何かが侵入してくることとなった……」

右京「少しずつ新しい家具で埋められていく家、自分の知らない形へと変わっていく家……」

亀山「納得したつもりでも、心の奥底ではやっぱり耐えられなかった……だから、あの子は『宝物』を集め続けたんだ」

右京「彼女は……変わっていってしまう家の中に、変わらない自分の居場所を……守りたかったのだと思いますよ」

レナ父「…………」

流石すぎる

右京「……常にあなたのことを考え、耐え忍んできたレナさんが集めた物」

右京「そして今、あなたの目の前にある派手な家具……」

右京「あなたにとって本当に大切な『宝物』は……どちらなのでしょうねぇ……」

レナ父「…………」

レナ父「……あなた達の、言うとおりかもしれない」

右京「…………」

亀山「…………」

レナ父「必ず話します、今日……あの子と、二人で」

右京さん流石すぎる

----

亀山「とりあえずは……何とかなったんですかね?」

右京「あとは、家族二人の問題です……これ以上の介入は、出過ぎた行動になってしまうでしょうねぇ」

亀山「じゃあ……こっからは」

右京「ええ……今の僕たちは、僕たちに出来ることをするだけです」

亀山「はい、じゃあ俺はすぐに沙都子の家へ向かいます!」

右京「こちらの仕事が終わり次第そちらへ合流します、くれぐれも早まった行動は取らないように」

亀山「了解!」

何度もすいません、一旦切ります
多分、今日はもう一回くらい来ます

亀山くんはなんか心配だなww

亀山くんの真摯で真心のこもった態度と言葉、そして直感も強みだよな
一旦乙

おつー

これは乙ですねぇ

投下中にコメするのは控えた方がいいんじゃまいか

コメと来ましたか


二人ともかっけぇな

雛見沢でも半沢直樹流行ってんのかww

おっつおっつ

>>1がなにか言わん限り合いの手レスはええやろ

乙です

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エンジェルモート

詩音「いらっしゃいませー!」

右京「こんにちは」

詩音「あれ……右京さんじゃないですかー、どうしてまたウチに? 意外とこういう衣装とかお好きなんですか?」

右京「今の時間帯は、こちらにあなたがいらっしゃると伺ったものですから」

詩音「何だ、私に用があったんですか?」

右京「お仕事中にすみません……少し、よろしいですか?」

詩音「フフ……いいですよ、ちょうど今なら暇ですから」

詩音「それで……わざわざバイト先に来てまで聞きたい話っていうのは何なんですか?」

右京「単刀直入に伺いますが……間宮律子、という女性をご存知ですか?」

詩音「間宮律子……知らないですね、どんな人なんですか?」

右京「いわゆる……『園崎』に関わっている人物のはずです」

詩音「…………」

詩音「……『園崎』に、ですか」

右京「ええ、その通りです」

詩音「なるほど……右京さん、『園崎』がどういう存在なのか、もう知ってるんですね?」

詩音「その上で、私にお話を持ってきたと」

右京「決して他意はありません……あくまでも、あなたの友人として、です」

詩音「…………」

詩音「……場所、変えましょうか。その辺の事情に詳しい人、呼んでおきますね」

----
喫茶店

葛西「詩音さんからお話は聞いています……葛西です」

右京「はじめまして、杉下右京と申します」

詩音「葛西は私の面倒見……というか、色々と世話をしてくれている人です」

詩音「まあ顔は怖いですけど、基本的にはいい人ですから。甘いものとか好きですし」

葛西「……あまり、からかわないでください」

右京「お二人は、たいへん仲がよろしいのですねぇ」

詩音「そういう右京さんも、葛西みたいな強面を前にして平然としてるなんてやるじゃないですか」

詩音「……それで、なんて名前でしたっけ……えーっと」

右京「間宮律子」

詩音「そうそう……葛西、聞いたことある?」

葛西「……名前は知っています、『園崎』の従業員ですから」

詩音「ふーん、従業員ね……続けて」

葛西「最近、金遣いが荒くなったと聞きました。周りには『いい金ヅルが出来た』と言っていたようです」

詩音「金ヅル?」

葛西「男のことでしょう、あれは昔からそういうことを平然とやる人間です」

右京「なるほど……」

葛西「すみません、これ以上のことは……私も全ての人間について知っているわけではないので……」

詩音「だそうです……右京さん、満足しましたか?」

右京「ええ。大変、参考なりました……」


右京「ああ、最後に、もう一つだけ」

葛西「……何か?」

右京「これに……見覚えはありませんか?」

そう言いながら右京が取り出したのは不規則に並べられた数字とアルファベット列。

詩音は首を傾げつつ

詩音「何ですかこれ、暗号?」

右京「とある鍵束についている鍵の製造番号を一覧にしたものです」

詩音「製造番号って……冗談が過ぎますよ右京さん。いくら葛西でも、そんなの分かるわけが……」

葛西「…………」

詩音「……葛西?」

右京「何か、心当たりがあるようですね?」

葛西「……あなたの質問に答えるには、こちらからも質問をしなければいけません」

右京「と、言いますと?」

葛西「杉下右京さん、でしたか……あなたは一体どこに身を置く人間なんですか?」

右京「…………」

詩音「葛西、それどういうこと?」

葛西「この記号列の中にいくつか……見覚えのあるものがあります」

葛西「しかし……これは一般人は知り得るはずのない事柄です」

葛西「なぜ、村の住人でもないあなたがこの鍵を知っているんです? ましてや製造番号まで……」

右京「……あなたの疑問はもっともです。ですが今は、先に僕の質問に答えてはいただけませんか?」

右京「あなたの問いに対する回答は……その後に必ず」

葛西「…………」

葛西相手にこの切り返し……

詩音「……葛西」

葛西「……とある金庫の鍵の製造番号がこの中にあります」

詩音「金庫?」

葛西「……あまり大きな声では言えませんが、莫大な金の入った金庫です」

詩音「……『園崎』のお金、まさか『上納金』ってこと?」

葛西「……そういうことになります」

右京「…………」

右京「……少し、お二人に聞いていただきたい音声があります」

詩音「音声……ですか?」

レコーダー『いいかい、三人で上手く見張りをかわして、その間に園崎の上納金を----』


詩音「こ、これって……!」

葛西「…………」

右京「……僕が何を伝えたいか、理解していただけましたか?」

葛西「…………」

葛西「……これは『園崎』に関わる大きな問題です、見過ごせるレベルではありません」

詩音「…………」

葛西「あなたには……礼を言わなければいけません」

右京「恐縮です」

葛西「ただ……同時に、あなたにはどうしても私の問いに答えてもらわなければならなくなった」

右京「…………」

詩音「確かに……上納金を保管する金庫の鍵について知っていただけでなく、こんな音声まで……」

詩音「『ただ観光に来た一般人』に、こんなことが出来るはずありませんよね?」

右京「…………」

詩音「右京さん……私からもお訊きします、あなたは……何者なんですか?」

右京「約束です。あなたたちのその問い掛けには、答えなければなりませんねぇ」

そう言いつつ、右京は胸ポケットから手帳を取り出す。

そこに書かれた文字を見て

詩音「け……警視庁!?」

詩音は驚愕の声を上げ、葛西は

葛西「っ!」

椅子を倒しつつ立ち上がり、即座に警戒態勢へと移行した。

右京「二人とも、落ち着いていただけますか」

詩音「いや、落ち着けって言われても……」

右京「僕はあなたたちと敵対するつもりはありません……ここまで一人で来たことからも、察してくださると有り難いのですが」

葛西「…………」

右京の言葉はもっともだった、園崎の敵ならば……わざわざ間宮リナの情報を教えてくるはずもない。

ましてや、一人でここまで乗り込んでくるなど考えられないだろう。

そう思い直し、それでも最低限の警戒心を張ったまま、葛西は再び席に着く。

右京「……冷静な対応、感謝します」

詩音「あの……なんか頭がぐるぐるしてきたんですけど、右京さんは結局、私たちにどうしてほしいんですか」

右京「あなたたちとは対極の世界に身を置く僕でも……間宮律子の行動が、園崎でどう評価されるかは見当がつきます」

葛西「……上納金に手を出すなどこの上ない裏切り行為です、きっちりと『けじめ』はつけることになるでしょう」

右京「そうでしょうねぇ……しかし、僕はあくまでも刑事です。その『けじめ』を、見過ごすわけにはいきません」

葛西「……『けじめ』を付けさせずに放っておけ、そう言いたいのですか?」

詩音「右京さん……それは無理です、上納金に手を出した以上、相応のけじめは……」

右京「いいえ……まだ、手を出してはいないはずです」

詩音「……はい?」

右京「現状は、間宮律子が上納金に手を出すという計画があることが明らかになった……ただ、それだけです」

右京「まだ行動に移していない以上、彼女は何もしていないのと同義でしょう」

詩音「いや、まあそうかもしれませんけど……」

右京「つまり、このまま間宮律子が上納金に手をつけることが出来なければ……」

葛西「金を奪ったわけではないから、けじめを受けさせる必要はない……と?」

右京「…………」

詩音「……葛西、その金庫の鍵って付け替えられるの?」

葛西「……そう簡単ではありません、新しい鍵を作らせるにもそれなりの時間が掛かります」

詩音「そうよね……うーん……」

右京「金庫ごと、別の場所へ移せばいいじゃありませんか」

詩音「…………あ」

右京「あらかじめ金庫を移動させておき、そして元あった場所には鍵をかけた偽の金庫を置いておく……」

詩音「ああ……うまく行けばその間宮って女、空っぽの金庫を開けるために一生懸命になるってわけですね!」

詩音「しかも、掛けられている鍵そのものが違ってるからどうやっても開くはずがない……」

右京「開かない金庫を前に間宮律子はさらに焦るでしょう、『鍵が違っているのでは、複製を失敗したのでは』……」

右京「不安が不安を呼び続け、文字通りの『パニック』に陥るでしょうねぇ」

詩音「……いいです」

詩音「いい! それ、最高に面白いじゃないですか右京さん!!」

葛西「……組のメンツにも関わることです、あまり楽しまれても困りますがね」

詩音「堅いこと言わないの! それで、その金庫を別の場所に移すことは出来るの?」

葛西「誰にも知られることなく、となれば少々骨が折れますが……決して不可能ではありません」

右京「……間宮律子の件、それで手を打っていただけますか?」

葛西「本来ならば有り得ない措置です、が……結果として金の損失を未然に防げたので……」

詩音「そうそう、なんてったって面白いし! オールオッケーってことで!」

右京「そうですか。それならば僕も、来た甲斐があったというものです」

詩音「でも……何か割に合わないですね、右京さんがここまでしたのに何にも得にならないなんて」

右京「警察官は損得で動くものではありませんからねぇ」

詩音「そういうものですかねー」

右京「そういうものです……しかし今回ばかりは、僕からあなたたちに一つだけ、頼みたいことがあります」

詩音「何ですか?」

葛西「上納金を守られた借りがあります……出来る範囲でならば尽力しましょう」

右京「僕からの頼み、それは----」

右京「……僕の頼み、聞いていただけますか?」

詩音「それくらいなら別にいいですけど……そんな状況、これから来るんですか?」

右京「もしもの未来に備えて……とでも思ってください」

詩音「はぁ……」

葛西「何か考えがあるのでしょう……私も、確かに引き受けました」

右京「感謝します」

葛西「……敵ながら思います、あなたは非常に頭がいい」

右京「はい?」

葛西「何もせずに放置しておけば、間宮律子が我々園崎によって粛正されるのは明らかだった」

葛西「場合によっては、粛正によって命を落とすことになったかもしれません」

葛西「それを、我々に計画を密告したことで結果的に人の命を救い……そして、自分にとって利益となる契約も我々と交わした」

右京「…………」

右京「少々、持ち上げすぎです……僕はただ、自分がすべきと思ったことをしているだけなのですから」

----
沙都子宅、玄関前

亀山「…………」

亀山「…………」

亀山「…………」

亀山「……あー、くそっ! 中で人の気配はするってのに!」

右京と別れてから今まで、片時も玄関前から離れずに張り続けていたが……

以前のような怒号も、誰かを叩く音も聞こえてこない。

ただ、人のいる気配はある……鉄平は中にいないのだろうか。

亀山「こうなったら窓開けてちょっとだけ中の様子を……」

その時、玄関で靴を履く音が耳に入る。

誰かが出て来ようとしているのだ。

亀山「!」

慌てて亀山は物影に身を隠し、その人物を待った。

右京さんはすごいからな……


あんまり知らないけど体術とかはどうなの?
結構強そうなイメージなんだが……

>>201
見稽古だけで武道の達人を下した
他にも結構凄いことをさらっとやってのけてる

そこにシビれる憧れる

沙都子「…………」

玄関から出て来たのは沙都子だった。

亀山「…………っ!」

思わず息を呑んでしまった、鉄平が雛見沢にやってきてから丸一日。

まだ丸一日『しか』経っていない、亀山はそう考えていた。

しかし、その一日によって

沙都子「…………」

沙都子という存在は確実に壊れていっている。

彼女の虚ろな目と重い足取りが、亀山にそう語りかけていた。

色々ハイスペックなんだよな右京さん
女性の扱い以外は

>>201
関節技かなんか決めてたり、組み伏せてたりしたのは再放送で見たぞ。

話に聞くとほぼ完璧超人なんだな。右京さん

学生の頃は同人誌も書いてた。ただし一次元の超難解な内容。

>>207
でも亀山くんは右京さんにたりないもの一通り持ってる
右京さんは完璧じゃないが右京さんと亀山くんのコンビは完璧だぜ!

でもミスを指摘されると相手によっては認めないとか厄介な欠点もチラホラ

亀山「沙都……!」

見張りを忘れ、庭へと向かった沙都子に思わず声をかけそうになる。

その時

梨花「沙都子!」

沙都子「!」

心からの声で沙都子に語りかける、少女の声が響いた。

沙都子「梨……花……?」

梨花「沙都子……もういい、もういいのです……あなたは十分過ぎるほど頑張りましたです」

梨花「……帰りましょう、僕と一緒に。僕が沙都子のそばにいます」

沙都子「…………」

沙都子「お気持ちはとても嬉しいのですが……私、何も無理はしていませんのよ?」

梨花「!」

沙都子「私は全然へっちゃらですわ! どんなことがあっても……私は!」

梨花「違う!」

>>208
犯人にその同人誌のファンがいたな

右京さんは確か全学歴と特命係に飛ばされるまでの警察での各種成績はほぼ満点、唯一苦手だったのは色恋が絡む一部の文学系教科だったそうな

梨花「あなたは本当に強くて優しい子……でも、だからこそ……あなたは自分で自分を苦しめている!」

梨花「苦しみに打ち勝てなんて言わない……頑張れだなんて言わない……でも……」

梨花「苦しくなったら……頑張れなくなったら……私たちに手を伸ばしてよ!」

沙都子「…………」

梨花「あなたには、友達がたくさんいるじゃないっ!」

沙都子「梨花……でも、でも私は……!」

梨花「沙都子! 仲間に頼るってそんなにいけないこと? 誰かから非難されること!?」

梨花「私はそう思わない! いつだって、どんなときだって、互いに迷惑をかけてかけられる……」

梨花「それが出来るのが仲間でしょう!」

沙都子「…………」

梨花「ごめんなさい沙都子、本当は私にこんなことを言う資格なんてない……」

梨花「勝手に運命の袋小路だと決め付け、諦め、今までに何度もあなたを見殺しにしてきた!」

沙都子「梨花……?」

梨花「でも、今は違う! 私は最後まで手を伸ばす! あなたを助けるために! だって、人間には……」

『限界があるとするならば……それは諦めた瞬間でしょう』

梨花「人間には、諦めなければ限界なんて存在しないんだから!」

沙都子「…………!」

梨花「だからお願い、この手を取って! 私と一緒に、あの男と戦うと……そう言って!」

沙都子「梨花……私は、私は……!」

それは、自らを思いやる親友の叫び。

梨花がこれだけ悲痛な声を上げたことがあっただろうか、叫んだことがあっただろうか。

沙都子には思い当たる記憶がない。

そして、目の前の親友がそうしているのは……全て自分のためなのだ。

沙都子「私は……私は……!」

伸ばされた手、それを掴むことは弱いこと……違う。

相手に頼る……それは相手を信頼するという心の強さの証。

沙都子「私は……梨花と……」

伸ばされた手を沙都子が掴もうとする、あと数センチで二人の手が触れ合う。

その瞬間

鉄平「オラァ! 何やっとるんね沙都子ォ!!」

沙都子「!」

鉄平「何やっとるんじゃ! 早く戻って掃除せんか!」

梨花「駄目よ沙都子! 早く、私の手を!」

沙都子「あ……ああ……!」

梨花(ダメだ……どれだけの言葉を投げかけても、どれだけ思いをぶつけても)

梨花(あの男の声は壊してしまう……何もかも……全てを……)

鉄平「さっきから聞いとりゃ何じゃオラァ!! 沙都子連れ出してどうする気じゃ!」

梨花「あっ……はっ……!」

胸ぐらを掴まれて持ち上げられる、呼吸が出来ない……苦しい……!

沙都子「お願いですわ、おじさま! 梨花は、梨花に手をあげるのは……!」

でも……沙都子はもっと苦しかった……!

ならば、私は

梨花「私は……戦う……友達だから……!」

鉄平「友達ぃ? ワシは沙都子の家族じゃ! 生意気抜かすなクソガキがぁ!!」

梨花「力で脅して屈服させようだなんて……本当に……醜い人間ね……!」

鉄平「こんガキ……友達だのぬかしよって! 友達なんぞに何が出来るんじゃ!」

梨花「…………」

鉄平が腕を振りかぶる……ああ、今から私は殴られるんだ。

きっと痛いだろう、苦しいだろう、それでも構わない。

友達として、沙都子を守ろうとして戦った結果なのだから。

そう思いながら、梨花は自らに襲い来るであろう衝撃に備え、かたく目を閉じた。

…………

梨花「…………?」

痛みが来ない、何故だろうか。大人に殴られて、痛みを感じないはずが……

そう思い、閉じていた目をそっと開ける。

その時に飛び込んで来たのは

亀山「友達に何が出来るかって……ああ、教えてやる」

鉄平「!」

亀山「そいつは……テメェをぶん殴ってやることだよ!!」

亀山が……友達が、鉄平を殴り飛ばしている光景だった。

この「よくやった!」と「(ノ∀`)アチャー」が入り乱れる感

こりゃ右京さんにお説教されますわ

でも正当防衛なんじゃ…
いや、なんでもないでーす

ちょっと薫ちゃん正義感強すぎんよー
流石だぜ!

でも右京さんに怒られるやろなぁ

そんなぁ、右京さぁん!

でも人としては正しい行動だよな
亀山くんは仕事に縛られて人を見捨てるようなちっせぇ男じゃない

まぁ、後で叱られるのも覚悟の上でしょ

止めるのはいいけど殴っちゃダメだよ薫ちゃんwwwwww

鉄平「痛っ……な、なあっ!?」

鉄平は痛みと衝撃に顔を歪めつつ、心底驚いた表情をしていた。

当然だろう、少女を殴ろうと腕を振りかぶった瞬間、自らの顔が殴られていたのだから。

梨花「あっ……ああ……か、亀山ぁ!」

沙都子「か、亀山さん!?」

亀山「もう大丈夫だ、こっからはおじさんに任せとけ」

鉄平「な、何じゃお前!」

なおも威嚇をする鉄平に対し、亀山は

亀山「警察だ! 北条鉄平、暴行罪および麻薬取締法違反により逮捕する!」

胸元から警察手帳を取り出しつつ、そう叫んだ。

亀山くんがこういう事いってるとやらかしてる感しかしないのは何故だろう

後先考えないからなあ

今回は裏付け取れてる分まだマシか

鉄平「け、警察……ひ、ヒィ!!」

亀山「あっ、待てこの野郎!」

逃げようとする鉄平を追い掛けようとした瞬間

右京「亀山くん!」

振り向けば、杉下右京がこちらへ向かって走ってくるのが見えた。

亀山「右京さん! 今は色々とあるでしょうけど、俺はあの野郎を追います!」

右京「その必要はありません、あの方角は既に警察が張り込んでいるはずです」

亀山「えっ?」

右京「ここへ向かう途中、大石さんに連絡をしておきました。北条鉄平は、まもなく捕まるはずです……」

亀山「そうですか……良かった……!」

右京「『良かった』……君、本当に胸を張ってそう言えますか?」

亀山「え?」

右京「別れ際に僕が何と言ったか……もう、忘れてしまったようですねぇ」

亀山「あの、あれは……考えるよりに先に手が出たというか……」

右京「人間である以上……行動より先に思考のプロセスが来て然るべきだと僕は思うのですが」

亀山「……すんません、はい」

右京「それと君、北条鉄平を確保しようとした際に大声でなんと言いました?」

亀山「えっ!?」

右京「麻薬取締法違反……初耳ですねぇ、彼が薬物を所持していたは……」

亀山「……何か、暴行傷害未遂だけじゃあれかと思ったんで、叩けば麻薬出てくるだろうと思ったんで、つい」

右京「『つい』じゃありません! 裏もとれていないのに、君は何を考えているんですか!」

亀山「か、勘弁してくださいって……右京さーん!」

麻薬の方は裏取れて無かったんかよwwwwww

薫ちゃんwwww

久々に格好良い亀山くんを見たと思ったらwww

右京「…………」

右京「……ただ」

亀山「…………?」

右京「家族を語って、幼い子供を殴ろうとする大人が目の前にいたとして……」

右京「止めに入った人間のうち、果たして何人の人間が手を出さずにいられるかと言われれば……僕には判断がつきませんねぇ」

亀山「右京さん……」

梨花「……右京、亀山をあまり怒らないでほしいのです」

右京「はい?」

梨花「あの時、僕は鉄平に殴られそうだったのです……でも、亀山のおかげで助かりました」

梨花「それに、亀山のパンチで吹き飛ぶ鉄平は……見ていてとても気持ちよかったのですよ」

沙都子「会心の一撃とは、まさにあれのことでこざいましたわね」

右京「…………」

右京「亀山くん、良い友人を持ちましたね」

亀山「……そっすね」

右京「犯人を殴ったことは緊急行為として、ここは大目に見ることにしましょう」

亀山「すいません、ありがとうこざいます!」

右京「……おや、ここでもう一人、友人が来たようですよ」

右京の視線の先、そこには

詩音「ちょ、ちょっと右京さん……足速すぎですって……!」

梨花「詩ぃ! 来てくれたのですか!」

詩音「右京さんから鉄平が帰ってきてるって聞いて慌てて来たんですよ!」

詩音「右京さんについて行こうとしたんですけど、足が速すぎてもう……そんなことはどうでもいいんです!」

詩音「それで沙都子は、沙都子は大丈夫なんですか?」

沙都子「え、ええ……私なら大丈夫ですわ」

詩音「良かった……良かったぁ……!」

沙都子「詩音さん……」

右京「…………」

右京「……とりあえずは、と言ったところでしょう」

亀山「ですね……」

右京「くどいですが亀山くん……くれぐれも、次からは気をつけてください」

亀山「はい!」

右京「返事だけが素晴らしいのも、困りものですねぇ……」

亀山「いや気を付けますって、本当に!」

すいません今日はここまでで、明日また来ます


スカッとしたわ

乙です


でもこれが亀山くんの良い所なんだよなww
沙都子の話は原作でも本当辛かったから、早いうちに解決しそうで嬉しいな

乙~

やはり亀山とのコンビがいいな

乙!


最後のやりとりを見て二人がコンビ組んでた頃が猛烈に懐かしくなった

やっぱり右京と亀山のコンビが一番だわ

乙。よく殴ってくれた。

澪尽し編では圭一が自転車で鉄平にぶつかってたな
ちなみに麻薬はあったらしい

おつ

丁度ひぐらしを見始めた俺にはタイムリーなスレ

やっぱ相棒は亀山くんだよな

乙。薫ちゃんGJ
右京さんが真剣な表情で直角に曲げた腕をブンブン振りながら全力疾走するのと、置いてきぼりくらう詩音の図が浮かんだ


相棒劇場版2しか見てない俺でも見れる気がする

相棒って今は三代目だっけ?
過去の相棒ゲスト出演とかないのかね?

>>256
>>1でもないのにコテハンを使うのは止めた方が良い、それと基本的にはsageるべきだぜ

>>257
二代目の神戸はたまに出るけど亀山はもう出ない

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大石「んっふっふ……お手柄ですねぇお二人とも、さすがは本庁の刑事といったところですか」

右京「北条鉄平は、確保できたようですね?」

大石「ええ、そりゃもう楽勝でしたよ……杉下さんの仰った場所を張ってたら、向こうから勝手に飛び込んで来たんですから」

大石「ただ亀山さん、令状もないのに『逮捕する!』はないでしょう……おまけに、一発いいのを食らわせたそうじゃありませんか」

大石「これ……問題になりますよ?」

亀山「……すいません、ホント」

大石「なっはっはっ、いやいや冗談ですって! 令状に関しては現行犯でしたし、殴ったのも……まあ何とかしときしょう」

亀山「すいません、ありがとうこざいます!」

右京「お手数をかけます」

大石「いえいえ……んっふっふ、杉下さんは良い部下をお持ちですねぇ」

鉄平「離せェ!!」

右京「…………?」

見れば、手錠を掛けられた鉄平が数人の警察官に抑えられながら連行されている。

亀山に殴られ萎縮していた鉄平も、今となっては怒号を上げながら必死に抵抗していた。

亀山「あんの野郎、まだ何かやってんのか!」

大石「ちょっと熊ちゃん、何やってんの! 早く連れて行きなさいって!」

その時、鉄平は自らを捕まえるきっかけとなった刑事、そして隣にいた幼い子供を目にした。

そして

鉄平「オイコラ沙都子ォ! お前、一人だけ助かりよって! ワシよりお前のがよっぽど悪人じゃ!」

鉄平「てめえの親、殺しよったくせに!」

沙都子「っ!!」

沙都子「ち、違う……私じゃない……私はそんなことは……!」

梨花「沙都子! 聞いてはダメです! あんな奴の言うこと、気にしてはいけないのです!」

鉄平「偉そうにしよってこんガキがぁ! あいつは自分を親、突き落として殺しよったんじゃ!!」

大石「熊ちゃん! 何やってんの!」

熊谷「こいつ、大人しくしろ!!」

亀山「テメェさっさと車に乗れ!!」

詩音「さ、沙都子!? ちょっと、どうしたの沙都子!?」

梨花「沙都子! だめ、考えてはだめ! あなたは何も悪くない!!」

沙都子「違う……私じゃ……私は何も……私は…………っ!」

声にならない声で、沙都子はそう言い続けていた

ただならぬその様子に右京は

右京「大石さん! 大至急、車を回していただけますか!」

大石「ここから少し離れたところにパトを一台停めてあります、そいつを使いましょう!」

右京「亀山くん! 沙都子さんをこちらへ連れてきてください!」

亀山「わ、分かりました!」

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入江診療所

沙都子「…………」

入江「心配いりません……気を失ってはいますが、直に目を覚ますと思います」

詩音「よ、良かった……本当に」

亀山「それで、沙都子が倒れた原因は?」

入江「身体的には異常がないので、精神的に強いショックを受けたことが原因ではないかと……」

亀山「精神的に……ですか」

入江「一人で何でも出来るように振る舞っているようでも、沙都子ちゃんはまだ子供です」

入江「何かがきっかけで……積み重ねられたストレスが爆発してしまったのだと思います」

入江「…………」

入江「……あの」

右京「どうか、されましたか?」

入江「北条鉄平から沙都子ちゃんを救ってくれたのが、あなたたちだと聞きまして……」

亀山「いや、そんな……礼を言われることじゃないですよ」

入江「いえ……本当に感謝しています。……悔しいですが、私には何も出来ませんでした」

亀山「そんな……あなた、ずっと沙都子に優しくしてたらしいじゃないですか!」

亀山「沙都子も言ってましたよ! 『監督は良い人』って!」

梨花「入江……あなたが負い目を感じることは何もないのですよ」

右京「…………」

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帰り道

亀山「どういうことなんですかね、鉄平のやつが言ってた『親殺し』って……」

右京「沙都子さんの受けた精神的ショックの原因は、まず間違いなくその発言でしょうねぇ」

右京「沙都子さんのご両親は三年前、県立白川自然公園の展望台で落下事故にあっています」

右京「父親の遺体は見つかったものの、母親の遺体は見つからずに行方不明……」

右京「また、事件のあった日がちょうど綿流しであったことから……二回目の鬼隠しともされている」

亀山「けど俺、ちゃんと資料見ましたよ! 沙都子の両親が亡くなったのは不幸な事故、沙都子は車の中で寝てたって!」

右京「ですが、少なくとも……彼女は自分の両親の死について、重い責任を感じているようですねぇ」

亀山「くそっ……沙都子は何も悪くないってのに!」

右京「…………」

----
翌日、学校

魅音「ええ!? さ、沙都子が入院!?」

圭一「り、梨花ちゃん! それ本当かよ!」

梨花「本当なのです……でも、そんなに心配することではないのですよ」

レナ「大変な病気ではないってことなのかな? かな?」

梨花「沙都子は……今まで一人で頑張りすぎてしまったのです」

梨花「だから、少しだけ体がお休みを欲しがった……それだけのことなのですよ」

圭一「……そっか、じゃあ今はそっとしておいたほうがいいのかもな」

魅音「そだね……うん、そうしよっか。お見舞いに行くのは頃合いを見計らって、かな」

レナ「あの……全然関係ないんだけど、ちょっとだけみんなに聞いていいかな?」

圭一「ん? 何だよレナ、ちょっとと言わずにいっぱい聞いていいぞ」

レナ「あはは、ありがと! あの……この前に会った杉下さんと亀山さん、見た人いないかな? かな?」

梨花「!」

圭一「そういえば見てないな……綿流しのお祭りを見てくって言ってたからまだこっちにはいるんだろうけど」

魅音「おじさんも知らないなー……でも、なーんかあの二人って面白いよね! 似ても似つかないのに噛み合ってるっていうか」

梨花「……レナ、右京と亀山がどうしたのですか?」

レナ「…………」

レナ「……あんまり大きな声で言えることじゃないんだけど、みんなだから言うね」

レナ「レナのお父さんね……最近まで若い女の人とすごく仲が良かったの」

レナ「その人のために、びっくりするようなお金を使っちゃうくらい……」

魅音「……レナ、それって」

レナ「うん、レナも何となく気付いてた……この女の人は本当にお父さんと仲が良いわけじゃないんだって」

レナ「でも、レナは何も言わなかった。その人と一緒にいてお父さんが幸せなら、そのほうがいいと思って」

レナ「そうやって……ずっと自分を納得させてた」

圭一「…………」

梨花「……それで、その後はどうなったのですか?」

レナ「昨日、お父さんと話をしたの。二人きりで、すっごく真面目に」

レナ「私がその女の人どう思ってるのか、どうしたいのか……本当にたくさんのことを話し合った」

レナ「レナは自分の思ってることを全部、正直に言ったよ……そうしたらお父さん、泣き出しちゃって……」

圭一「泣き出した……?」

レナ「『今まで気持ちに気付なくてすまなかった、悪かった』って……そうしたら、何だかレナまで泣けてきちゃって」

魅音「……一歩間違えれば危ない道に行きそうだったところを、親子の絆が引き止めたんだね」

魅音「いいねえ、そういうの……おじさん、そういう話は嫌いじゃないよ!」

沙都子を薫ちゃんが救って、レナを右京さんが救って
それぞれがそれぞれを救ってる形が凄くいいなぁ

レナ「お父さん、約束してくれたんだ……あの女の人とは絶対に縁を切るって」

レナ「それで、これからはもっと二人で色々とお話しようって!」

魅音「素晴らしい! おじさんは感動した! モスクワ国際映画祭特別作品賞! 少女R!」

圭一「最高の終わり方じゃないかよレナ!」

レナ「うんっ! でも、少しだけ気になって聞いてみたの……なんで急にレナと話し合いなんかしようと思ったの? って!」

梨花「…………」

レナ「そしたらお父さん、『二人の警察の人に気付かされた』って」

レナ「お父さんの付き合っている女の人が詐欺をしてることとかも、全部説明してくれたんだって」

梨花「!」

魅音「へぇー、大石のヤツ……じゃない、どこぞの大人と違って良い警察官もいるんだねぇ」

レナ「それで、その警察官の特徴を聞いたら……」

圭一「杉下さんと亀山さん、みたいだと思ったってことか?」

レナ「うん……レナもまさかと思ったんだけど、どうしてもあの二人にしか思えなくて……」

魅音「ふーん……でも、もし本当にそうだったら色々と凄いかもね」

圭一「ああ、颯爽と現れて事件を解決していくなんてな!」

レナ「だから、どうしても二人に会って確認をしたくて……」

梨花「…………!」

----
興宮署

大石「杉下さんに亀山さん、お客さんですよ」

右京「はい?」

亀山「俺たちに、ですか?」

大石「若ーい女の人です、あなたたちも隅に置けませんねぇ」

亀山「へっ!?」

右京「…………」


----

梨花「…………」

亀山「……こういうことですか」

右京「君、何を想像していたんですか?」

右京「何にしても、よく来てくれました……それで、僕たちに何か用ですか?」

梨花「……少し、お話があるのです」

亀山「話?」

梨花「とても大切なお話なのです、だから……」

亀山「…………?」

右京「…………」

メタ的にいうと主人公が警察でもないと物語における警察の扱い悪いよね。

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古手神社

右京「それで、お話というのは?」

梨花「……二人は、レナに何かしましたですか?」

亀山「レナちゃんに……?」

梨花「もっと言えば、レナの家族に関わることです」

亀山「……あっ」

梨花「やはり……心当たりがあるのですね?」

右京「レナさんから、何か聞きましたか」

梨花「レナは二人を探していました……父を救ってくれた人だと」

右京「…………」

右京「……少々、お節介をしただけです」

梨花「お節介……?」

右京「ええ……お節介です」

梨花「何者なの……あなたたちは……」

右京「はい?」

梨花「幾度もやり直してきたこの世界、あなたたちが現れたのは今回だけ……」

亀山「や、やり直して? こ……今回だけ?」

右京「…………」

梨花「レナの家の問題は複雑だった……それがきっかけで惨劇が生まれたことも数え切れない」

梨花「それを防ぐことがどれほどのことか……なのに、なのにあなたたちは……」

梨花「お節介なんて言葉で済ませるほど、簡単に壁を乗り越えていく……」

梨花「沙都子だってそう……北条鉄平が現れれば、それはもうファンブルと同じ」

梨花「諦めて、次の世界へ期待をするしかなかった……」

改めて思うが
梨花ちゃん電波すぎる

普通の人間なら電波になるより早くブッ壊れて潰れるがな

それに電波具合ならはにゅ

はたして右京さんは信じてくれるか…

羽入はファンタジー

幽霊に興味抱いてるし大丈夫だろ(適当)

右京さんは幽霊のアレからして割と信じそう

最近のシリーズでオカルト2本もあったし右京さん受け入れそうだよな

感嘆、驚愕……様々な感情が合わさった問い掛けだった。

それは、幾千もの死を経験した、戦いに疲れて諦めることを知ってしまった、少女の言葉。

梨花「教えて……容易く運命すら覆す……あなたたちは、何者なの?」

右京「…………」

右京「……一つだけ」

梨花「…………?」

右京「僕たちは、決して特別な人間ではありません……あなたと何も変わらない」

梨花「…………」

右京「ただ……何か壁にぶつかった時、運命という言葉を言い訳に使ったことは、一度もありませんよ」

梨花「!」

右京「君も、そうではありませんか?」

亀山「まあ……俺は諦めの悪さだけが取り柄っすから」

右京さんかっけぇ

梨花「…………」

右京「……そろそろ、話してはくれませんか。あなたが知っていることを」

亀山「…………」

右京「ずっと気になっていました、時折あなたがする……まるで、全てを見てきたかのような言動が」

梨花「……迷惑ではないのですか、こんな子供の言うことを、信じてくれるのですか?」

亀山「……沙都子の時、言ってたよな。『互いに迷惑をかけてかけられるのが友達だ』って」

右京「僕たちは……あなたのことを、良き友人だと思っているのですがねぇ」

梨花「…………」

二人の言葉が私の後押しをする、こんな時まで自分は信じることが出来ないのか。

だが、もう

梨花「……助けて」

少女に迷いはなかった。

梨花「私を、助けてください………」

右京「…………」

亀山「…………」

右京「……聞かせてください、あなたのことを」

すいません、夜にまた来ます

助かってほしいな、梨花ちゃん

小さな少女に、ここまで悲痛な叫びをさせる事だからな……

いい引きだ
すごいクるものがある
ひぐらしとしてここからが本番だ…!


梨花ちゃんまで救えたら本当すごい
この世界の羽入は実体化してないんだよな…?

まあ圭一とかの中学生が知恵を絞って真相にたどり着くぐらいだから
警視庁の特命係に自分の正体を打ち明けることが出来た時点で、もう運命打破確定ルートに入ってるよなww

あとは山狗か...

詩音も、というか悟史もどうにかしてくれるはず

給料はおいくらですかねえ

鑑識の[ピザ]とズッコケ三人組とコーヒー泥棒のメガネは出ないのか?

続きが滅茶苦茶気になる

そういや、最近の奴で、だが幽霊っぽいのあったよなぁ。
なんか、誘拐されてクリームがどうとかいう

>>298
さすがに悟史はどうにもならんだろ

>>303
詩音の惨劇回避するだけでいい

そもそも右京さんたちが相手してきた中には
海千山千の日本の中枢に巣食う妖怪たちも含まれるからな

>>302
そうそう。あと、 即身仏のも最後にね

あぁ、即身仏あったあった!

即身仏の犯人たちは心底腹が立ったな
見えない世の中の不幸を理由に目の前の人間を殺人未遂した挙句婦女暴行なんて濡れ衣着れるクズだった

右京さんが相手した一番の大物って誰?
閣下?

閣下じゃね?朱雀は微妙だし

副総監じゃね?
閣下は自分のこと閣下って呼ばせてるだけのような気がする。

圭一が完全に空気wwwwww

圭一の活躍は犠牲になったんだよ
他の部活メンバーの幸せの犠牲にな……

梨花「二人は……この村で起きている『鬼隠し』のことは、もう知っていますですね?」

右京「ええ……四年前のダム工事現場監督に始まり、そして去年までそれが続いている」

梨花「……今年も、事件は起きます」

亀山「えっ!?」

右京「……詳しく、話してもらえますか?」

梨花「今年の綿流しでは、まず男が一人……富竹ジロウというカメラマンが死にます」

梨花「素手で自分の喉を切り裂くという……とても無惨で、恐ろしい死に方……」

亀山「じ、自殺……? いや、でも素手で喉って……」

右京「ええ……刃物を使うならともかく、素手で喉を切り裂いての自殺など、聞いたことがありません」

来たか。バッチコーイ

梨花「二人目は女……入江診療所で看護師をしている鷹野です」

亀山「た、鷹野さんが!?」

右京「…………」

梨花「自殺する富竹と違って、鷹野はドラム缶の中で焼き殺されます」

右京「ドラム缶で……」

梨花「鷹野は身元が分からないほど酷く焼かれます……遺体は山の中で見つかりました」

亀山「なんてこった……!」

右京「…………」

梨花「そして、最後に……私が、殺される」

亀山「殺されるって……こ、子供の梨花ちゃんがなんで……一体誰に……!?」

梨花「…………」

右京「……なぜ、あなたは殺されるのでしょう?」

梨花「……分からないわ。私は誰かに殺されるほどの恨みを買った覚えはないし、私を殺して得をする人も思い当たらない」

右京「なるほど……」

亀山「手掛かりはゼロってことか……」

梨花「……これが、私の秘密。何度やっても変えることの出来なかった、私の未来」

右京「……自らの殺される未来が分かってしまう。それが、あなたの抱えていた秘密だったのですね」

梨花「こんなこと、誰も信じてくれない……どれだけの死を重ねていようと、私の言葉なんて他人からすれば単なる子供の戯言……」

右京「……たしかに、そのような受け取られ方をしてしまうかもしれませんねぇ」

梨花「信じてもらえなくてもいい、でも……あなたたちには聞いておいてほしかった」

右京「…………」

梨花「多くを望むつもりなんてない……みんなと一緒にもっと長くいたい、綿流しの先の世界を見てみたい」

亀山「…………」

梨花「……私は、死にたくない」

きてたー!
相棒は政治家が絡むとスッキリしないオチになることが多いからちょっと怖い…

右京は静かに梨花の話を聞いていた、この上なく真剣な表情で。

それが、梨花を期待させる。

梨花「……どうかしら二人とも、今の私の話から……何か分かった?」

早過ぎる問い掛けだとは分かっている、何の調査もしていない……ただ子供の話を聞いただけ。

そんな状態で真相が分かるはずもない……なのに、彼女は期待してしまう。

レナと沙都子を救ったこの二人なら……運命の壁を打ち破ってみせたこの二人なら

右京「少し……気になる点が、いくつか」

梨花「!」

私の気付かなかった綻びを、見いだせるのではないかと。

亀山「何か、分かったんですか?」

右京「まず、第一の死亡事件……カメラマンである富竹ジロウさん」

亀山「自分の手で喉をかきむしって死んだっていう……確かに変ですよね、なんでそんなやり方で自殺を……」

右京「……本当に、『自殺』なのでしょうか」

亀山「いや……だって自分自身の手で喉を切り裂いて死んでるんですよ?」

亀山「そりゃ『お前、喉をかきむしれ!』って脅された、とかなら他殺ですけど」

右京「ええ……そのような状況、考えにくいですねぇ」

亀山「だったら、やっぱり自分の意思で喉をかきむしったと考えるべきですって!」

これはオフレコだが、範馬勇次郎は相棒の大ファンらしい
現実では水谷豊とさし呑みする仲だとか。もちろん場所はあの店…おっとまずいオリバが来たようだ

右京「群発頭痛」

亀山「え?」

右京「君は、群発頭痛というものを知っていますか?」

亀山「いや……聞いたことないっすけど」

右京「いわゆる一次性の頭痛です。通常の頭痛と比較して、眼底部に激しい痛みを感じること」

右京「また、その痛みが周期的に襲ってくることを特徴としています」

亀山「へえ……怖いっすね、それ」

右京「そして、この群発頭痛……重度の患者は発作が始まると、あまりの痛みが自分の頭を何度も殴り付けることも珍しくないそうです」

亀山「頭が痛すぎて、ってことですか……」

右京「ええ……そして、ここからは何の裏付けも根拠もない、僕の推察なのですが……」

右京「自殺した富竹さんも……同じような状態であったとは考えられませんか?」

梨花「…………!」

亀山「えっ、じゃあ……富竹さんが首をかきむしったのは自殺しようとしたんじゃなくって……」

亀山「首に凄まじい痛みか痒みかを感じて、それから逃れようと思って……ってことですか?」

右京「そうと考えなければ、自分の意思で、わざわざ、素手で喉を切り裂いたことの合理的な説明が出来ないのですよ」

亀山「じゃあ、自殺っていうより……病死って感じ、ですか?」

右京「あるいは……何者かの手によって、何らかの薬物を投与されたか」

梨花「薬物を……?」

亀山「い、意図的に喉の違和感を出して自殺させる薬物なんて存在するんですか!?」

右京「残念ながら、聞いたことがありません……ですが、発症すれば喉を切り裂いて死ぬという病の存在も、僕は知りません」

右京「調べてみる価値は、あると思いますよ?」

すさまじい推理力

頭回転が回って完璧超人に近いレベルのハイスペック主人公
アニメキャラとかになるけど例えるなら不動遊星やジョルノ

一瞬で雛見沢症候群の症状を看破してしまうとは…
流石は右京さん

群発性偏頭痛持ちだが…
この例えは納得した

亀山「けど……仮に第三者が薬物で殺したんだとしたら、どこのどいつが」

右京「君はもう、心当たりがあるはずですよ」

右京「小さなこの村で、様々な薬品の関わっている機関といえば……一つしかありません」

亀山「右京さん……それって、まさか……!」

梨花「右京……あ、あなたが疑っているのは……!」

右京「…………」

右京「……もう少し、情報を集める必要がありそうです」

右京さんマジチート

>>60ですでに右京が…
恐ろしいね

群発性頭痛ってハリーポッターやってたラドクリフがなったらしいあれか

右京さん有能すぎる

右京さんに関わってしまったばかりに滅亡した犯罪者や犯罪組織は星の数
本編だけでも一体何人に法の裁きを下したのだろうか…

まぁ犯罪する方が悪いし……

----

右京「そろそろ、僕たちは興宮署に戻ります」

亀山「また何かあったらいつでも来てくれよ」

梨花「ありがとう……ありがとうなのです、二人とも……話を聞いてくれて!」

右京「…………」

右京「……綿流しの日、梨花さんは古手の巫女として演舞を行うそうですね」

梨花「それが……どうかしたのですか?」

右京「僕たちは二人とも、楽しみにしていますよ……是非とも、見てみたいものです」

亀山「だから、今年は絶対に何も起こさせずに綿流しを終わらせてやるからな!」

梨花「あっ……!」

それは、二人からの誓いの言葉だった。

諦めという言葉を知らない男たちの、必ず約束を守ってみせるとの誓いの言葉。

その言葉は

梨花「はい……はいなのです!」

数え切れないほどの死を通過してきた少女にとって、この上なく心強いものだった。

羽入がいたら原作の鷹野みたいに角を右京さんが突っ込んでいただろうな……

駒の性能

圭一 メイン戦力
赤坂 チート
右京さん TAS

>>337
スルーするだろう
で、亀山が言ってしまいそう

>>338
的確すぎて吹いた
亀山くんは例えるなら何だろう

>>340
乱数調整

ことここに至って圭一が戦力になるとは思えんが…
彼は仲間内の結束を固めるとか疑心暗鬼を打ち破るとかの場面での駒だから、圭一が戦力になる場面がすでに解決された以上、このSSではもう圭一の出番はなさそう

----

亀山「自分の死ぬ未来が見える……か」

右京「見えるだけではない、何度もそれを経験した……そう言っていましたね」

亀山「……右京さん、信じますか? あの子が言っていたこと……」

右京「真実かどうかはともかく、決死の覚悟で打ち明けてくれた梨花さんの話です、それを無碍にわけにはいきません……何より」

亀山「何より……?」

右京「どんな形であれ、彼女は我々に助けを求めてきた。僕たちは……それに応えなければならないでしょう」

亀山「そっすね……守ってやりましょうよ、必ず!」

----

梨花「…………」

梨花(信じなきゃいけないわね……私も、運命は必ず乗り越えられるって)

羽入『梨花……』

梨花「不安な顔ね……分かるわ、こんな世界は今までになかったものね……」

梨花「でも、だからこそ……私はこの世界に賭けてみたい……私の好きなようにやってみたいのよ」

羽入『あうあう……』

梨花(そう……右京たちは私の話を聞いてくれた、こんな突拍子もない話を……)

梨花「動かなきゃいけないわね……私も」

梨花(……私の仲間は、他にもまだたくさんいる!)

----
翌日、学校

圭一「沙都子は……まだ休みか」

魅音「うん、結構長引いてるみたいだね……」

レナ「早くみんなで部活、やりたいね」

詩音「そうですね……でも、沙都子の回復を第一に考えなきゃいけませんから」

圭一「ああ、確かに……ん?」

魅音「って詩音! なんでアンタはしれっと紛れ込んでるの!」

詩音「はろろーん皆さん。暇なんで、こっちへ来ちゃいました」

魅音「暇ってアンタ! 学校があるでしょ!」

詩音「やだなぁお姉ったら、ちゃーんと許可は取ってるの知ってるくせに!」

梨花「…………」

レナ「どうしたの梨花ちゃん、さっきからずっと黙ってるけど……」

圭一「心配なんだよな……梨花ちゃん、沙都子と一緒に住んでるわけだし」

梨花「…………」

梨花「……みんなは」

圭一「ん?」

梨花「みんなは、例えば……もしも僕が信じられないような危機に陥っていたと知ったら、助けてくれますですか?」

詩音「…………?」

梨花「僕の口から……おとぎ話としか思えないような話が出てきて、そして僕が助けを求めたとしたら」

梨花「みんなは……助けてくれますか?」

魅音「…………」

ほら、圭一出番だよ

魅音「はぁ……」

梨花「?」

魅音「『急にどうしたの?』とか色々と言いたいことはあるけど、今はやめとくよ」

魅音「にしても……梨花ちゃんがまさかそんなことを聞いてくるなんて思わなかったなぁ」

梨花「魅ぃ……?」

圭一「なあ梨花ちゃん……俺たちって仲間だろ?」

圭一「そりゃ、たかが学校が一緒なだけとか、部活で楽しく遊んでるだけとか、そんな風に言われるかもしれないけど」

圭一「それでも、俺たちは友達で……仲間だろ?」

レナ「うん、そうだね」

詩音「私は正式な部活メンバーじゃありませんけど……梨花ちゃまとは、友達だと思ってますよ」

ぶひぶひ

圭一「はっきり言うぜ梨花ちゃん……大切な友達が困ってたとして、誰も信じられないような状況で苦しんでいたとして」

圭一「その友達を見捨てたり軽んじたりするような奴は、ここには一人もいないってな!」

梨花「圭一……!」

圭一「おとぎ話みたいな状況! 最高に面白いじゃないかよ、だったら俺たちはその中でヒーローになってやる!」

魅音「甘いね圭ちゃん、私だったらそのおとぎ話の神になるね! そんで全部、私メインの話に改変するね!」

梨花「みんな……!」

詩音「……何か、困ってるんですね?」

レナ「話してよ梨花ちゃん……レナたちに」

梨花「ありがとう……みんな、ありがとう……!」

----
興宮署

亀山「見えてきそうで見えてこないっすね、今回の事件」

右京「ええ……とりあえずは、何とか富竹さんに接触しなければ……」

大石「お話し中に失礼しますが……また来客ですよ。お二人とも」

亀山「来客?」

大石「今回はまた、ずいぶんと大人数で」

亀山「?」

右京「…………」

----

右京「先日はどうも……みなさんと会うのは、二度目ですか」

詩音「私とは三度目じゃないですか?」

右京「そうですねぇ……それで今日はまた、お揃いでどうしたのですか?」

魅音「…………」

魅音「……興宮署にいるってことは、そういうことだったんだね?」

レナ「うん……みたいだね」

右京「…………」

右京「……君たちの想像している通り、僕たちは刑事です」

亀山「いや、あの……別に、隠してたわけじゃないんだけどな……」

レナ「あの……ありがとうございました!」

亀山「へっ!?」

レナ「父から聞いたんです、騙されそうになっていたところを二人の刑事さんが目を覚まさせてくれたって……」

魅音「その辺の事情を知ってた梨花ちゃんにも確認を取って……その二人の刑事が右京さんたちだって分かったから」

レナ「だから、お礼を言わなきゃって……!」

亀山「あ、ああ! 本当に良かったな、レナちゃん!」

右京「…………」

右京「……そろそろ、本題に入ったらどうですか?」

圭一「!」

右京「あなたたちが揃って僕たちに会いに来たのは……何か目的があってのことでしょう」

右京「見知らぬ僕たちにさえあれだけ良くしてくれたのです……仲間が何かを訴えれば、皆さんなら精一杯、力になろうとする」

右京「この状況は……そういうことなのではありませんか、梨花さん」

亀山「もしかして梨花ちゃん……」

梨花「みんなは……僕の信頼する大切な仲間なのです、きっと力になってくれるのですよ」

右京「やはり……そうでしたか」

俺氏既に涙目

展開が早すぎる

圭一「とんでもない話だった……けど! 仲間の梨花ちゃんが困ってるなら、俺たちはその力になりたい!」

レナ「梨花ちゃんが誰かに狙われていることは聞きました……綿流しの日に、狙われているって」

魅音「そんな話を聞いたら……仲間として、ほっとくわけにはいかないよねぇ」

亀山「だ、大丈夫だって、俺たちもその話はちゃんと聞いてるから、な! だから、ここは一旦……」

圭一「梨花ちゃんは俺たちの仲間だ! その仲間から助けを求めているのに、黙ってなんかいられるかよ!」

圭一「何だっていい、俺たちに出来ることを! 梨花ちゃんのためにやってやれることをしたいんだ! 亀山さん!」

亀山「気持ちは分かるけどな、ここからは俺たち警察が……」

右京「構いませんよ」

亀山「そうそう、構いま……えっ!?」

口先の魔術師(だったっけ?)の圭一と名コンビになりそう

右京「梨花さんを狙っている敵の正体が分からない以上、味方の目は多いに越したことはありません」

右京「僕たちも、常に梨花さんの側にいられるわけではないのですから」

詩音「なるほど……分かりましたよ右京さん」

レナ「……みんなで協力して梨花ちゃんを守ること、そして」

魅音「妙な連中がいたり、おかしなことがあったらすぐに報告する……そういうことだね」

右京「ええ……みなさんの、力を貸していただけますか?」

圭一「分かりました……無理を聞いてくれて、本当にありがとうございます」

右京「ただし……くれぐれも危険であったり、軽はずみな行動だけは避けてください」

右京「……この亀山くんのように」

亀山「はいっ!?」

>>358
コテハン使うなって昨日も言われてなかった?
sageもしてないし…本当にマナーがなってないな

----
圭一たちと別れた後

亀山「ちょ、ちょっとちょっとちょっと! いいんですか右京さん!?」

右京「おや、何がですか?」

亀山「何って……いくら何でも子供を捜査に加えるなんて無茶ですよ!」

右京「止めたところで無駄でしょう、どちらにしろ彼らは自分たちで事件について調べようとするに違いありません」

右京「僕たちの預かり知らぬところで動かれるより、連携という形で捜査してもらったほうがいいと思いませんか?」

亀山「いやそりゃね、そうかもしれませんけど……」

右京「加えて、魅音さんと詩音さんは園崎家……彼女たちを介して園崎家とコンタクトが取れるかもしれません」

亀山「まあ……それが出来ればデカいですけど」

右京「子供の彼らだからこそ出来ることもあるのですよ……そして何より」

亀山「……何より?」

右京「親しい友のため、なりふり構わずに行動しようとする彼らの姿は……まるで、君のようでしたよ?」

亀山「…………」

亀山「……ずるいんだよなぁこの人は、本当に」

すいません、今日はここまでで
明日は多分夜から来ます

>>360
一度でわからないバカには二度目、三度目も意味ないから触らないほうがいいよ


おつー

それと>>323に誤字がありました。

右京「そして、この群発頭痛……重度の患者は発作が始まると、あまりの痛みが--」
ではなく
右京「そして、この群発頭痛……重度の患者は発作が始まると、あまりの痛みから--」

が正しいです。

乙です


右京さんかっこいいよ~

乙です。
流石右京さん。
勝手に危ない事されるより、"物分かりの良い大人"となって、制御するのが一番だよね。



部活メンバーが誰も雛見沢症候群を発症させてないのも楽勝ムードの一因かと

>>363
そうだな、以降そうするよ

乙です

乙。でも、亀山が発症しかねないんだよな……

エフッエフッ乙

乙!

ハッピーエンドになってほしいなぁ


そうかまだ杉下亀山が症候群発症する可能性もあるのか
外部からの人も感染するみたいだし
うわー、発症して疑心暗鬼で相棒同士で殺しあう惨劇展開にならんだろうな…ひぐらしだけに怖いぞおい…

もしそうなってもひぐらし名物の屋上決闘で何とかするだろ

亀山くん羽生に薄々気づくだろうな。原作でも霊感あるらしかったし

なんか、鹿手袋だか牛靴下だかそんな名前の奴と一緒に女の幽霊見てたな、そういや。
二次何スペシャルかなんかだった気がする

>>377
一個目で正解出てるじゃないですかやだー!

そういや相棒の世界は幽霊が普通にいるって設定だったね

何がすごいって右京さん、ここまでぶっ飛んだ推理は何一つしてないんだよな
雛見沢症候群の症状を群発性頭痛と結びつけて看破したのとか素直に感心した



>>360
ごめんなさい。そのレス見えてなかった

ここまで再現かつ違和感のないセリフ回しができる>>1に感服

>>381
ドンマイ!

赤坂より優秀な右京さん

右京の推理も確かに冴えてるのは冴えてるが、それ以上に改めてひぐらしの構成の妙を感じるな
仮にひぐらし本編で右京と同じように富竹の死亡状況の情報だけしか与えられてなかったら
病気や薬の類にたどり着いてた可能性は十分にあったけど、それに圭一達の疑心暗鬼の描写という
余計なノイズを加わることによって、富竹と圭一の事件をわざと関連付けさせて真相を見えにくくしてる

本当にすいません、私用が出来てしまったので今日は書けません
明日は必ず来ます

>>386
了解

舞ってます!

くるくるひらり~
wktkが止まらないので早く帰ってこいよー

大の水谷豊ファンの俺涙目

把握
楽しみに待ってる

はあく
まってます

最初から一気に、追い付いたぜ
相棒、ひぐらし、ともに好きだから楽しめる

>>384
でもこれで赤坂がそろえば、知と武の両方がそろうぞ。

>>394
赤坂いなくとも文武両道だからww右京さん最強だしww

武なら薫ちゃんもいるしなぁ

----
圭一たちと別れた後、梨花は一人で興宮署を再び訪れた。

梨花「……僕は右京と亀山に謝らなければいけませんです」

亀山「謝らなきゃならない?」

梨花「……二人に何も言わずに、勝手なことをしてしまいました」

右京「前原くんたちのことですか?」

梨花「…………」

梨花「勘違いしないでほしいのは……二人を信頼していないわけではないのです」

右京「もちろん、分かっていますよ」

梨花「……みんなは僕の話を笑うことも、疑うこともせずに聞いてくれました」

梨花「そして言ってくれたのです……僕の力になってくれる、約束する、と」

梨花「それで……僕は……」

右京「…………」

キテター!

右京「皆さんは、本当に仲が良いのですねぇ」

梨花「え……?」

亀山「羨ましいっすね、一課の連中も見習えってんだ」

梨花「……二人は、怒っていないのですか?」

右京「僕の個人的な意見としては……友人である彼らに助けを求めたあなたの判断は、間違っていないと思いますよ」

右京「梨花さんを狙う敵の正体が明らかでない以上、あなたが一人になる時間は極力抑えたい……」

亀山「本当は、俺たちが一緒にいてやれればいいんだけどな」

右京「しかし、刑事である僕たちが常に梨花さんと一緒にいることは不可能であり……まず、何よりも不自然です」

亀山「一応『綿流しを観に来た観光客』ってことになってるしな」

右京「その点、部活仲間として親しい彼らならば、いつ梨花さんと一緒にいてもおかしくはない……」

梨花「では……圭一たちに相談をしたことは正しかったのですね?」

右京「ええ……ただし、気を付けなければならないこともあります」

梨花「気を付けなければいけないこと……?」

右京「味方の目が増える……それは逆に、こちらも敵から察知されやすくなることを意味します」

右京「いくら前原くんたちが子供とは言え、あまりに目立つことをすれば……間違いなく、敵も警戒するでしょう」

右京「最悪の場合……こちらの予想を超える行動を取ってくることも、十分に考えられます」

亀山「それって……じゃあ梨花ちゃんだけじゃなくって、圭一たちも!」

右京「ええ……彼らもまた、危険にさらされることになるということです」

梨花「そんな……僕のせいでみんなが!?」

右京「あくまで可能性の話です……しかし僕の見立てでは、敵も一筋縄でいくような相手ではありません」

右京「協力捜査を認めたとはいえ、前原くんたちは一般人……ましてや大人ですらない」

右京「そんな彼らを危険に晒すことだけは……絶対に、避けなければなりません」

右京「梨花さんも、そんなことは望んでいないでしょう」

梨花「…………」

梨花「……僕は、どうすれば……!」

未来へ進むために諦観することをやめ、勇気を持って仲間へ秘密を打ち明けた。

それは今までの世界からの変化である一方、仲間を危険に晒すことに繋がる両刃の剣……

当然、圭一たちも危険を承知で味方になってくれてはいる……それでも、梨花の心には迷いが生まれていた。

その時

亀山「梨花が、圭一たちを守ってやるんだ」

赤坂って警視庁だっけ?
ことによっては特命の片方もしくは両方と面識あったりするんじゃないか

梨花「僕が、みんなを……ですか?」

亀山「圭一たちは梨花のために本気で動こうとしてる、直に対面して言葉を受けた俺には分かるんだよ」

亀山「だから右京さんが言ったように、やり過ぎて危険な目にあうこともあるかもしれない」

梨花「…………」

亀山「だから、そうなる前に……友達が暴走する前に、自分で止めてやるんだ!」

亀山「ただ守ってもらうだけじゃなく、梨花も守ってやるんだ! 仲間として!」

梨花「…………」

梨花「……分かりましたです。みんなは……僕の大切な友達は、僕自身の手で守ります!」

赤坂さんは公安だっけか

二人とは何かと繋がって仲良さそうな気がする

右京「あなたの口からその言葉を聞けて僕も安心しました……おかげでまた、捜査に集中することが出来そうです」

梨花「…………」

亀山「どうかしたか?」

梨花「……謝らなければいけないことは、もう一つありますです」

右京「…………?」

梨花「以前、右京は言いました……富竹の死は、自殺ではない可能性があると」

梨花「そして……『ある機関』に、疑いの目を向けていることを」

右京「……ええ、確かにそのようなことを言いましたねぇ」

梨花「だから……その可能性を導き出した、二人には知っておいてほしいのです……この雛見沢に存在する……」

梨花「『雛見沢症候群』のことを」

亀山「雛見沢……症候群……?」

右京「…………」

雛見沢症候群って寄生虫が原因だったっけ?

ただの風土病じゃなかったか

寄生虫であってる

梨花「雛見沢症候群、その名の通り……この雛見沢の土地がきっかけとなって発症する、一種の病のようなもの」

亀山「病の……『ような』もの?」

梨花「雛見沢症候群は普通の病気と違って、発症してもひどい熱が出たり、具合が悪くなったりすることはないのです」

亀山「じゃあ、別に体に悪いってわけじゃ?」

梨花「そう、体は別に悪くない……至って健康そのもの、だから発症したことにすら気付かない」

亀山「えっ……じゃあ、そもそも病気とは言えないんじゃ……」

右京「つまり、身体に影響の出ることのない、言わば精神的な病……そうですね?」

梨花「そう……最初は、ほんの少しだけ周りを疑うようになることから始まっていく」

梨花「やがて疑いの心ははより強くなり、疑心暗鬼となり……そして、全てが信じられなくなっていく」

亀山「全てが信じられなくって……そんな大袈裟な……人間なら誰でもちょっとくらい自暴自棄になったり人間不信になったり……」

梨花「その人間不信が原因で……私は、仲間に殺されたこともある」

亀山「な、仲間って……?」

梨花「私の積み重ねた死の山脈、その全てが見えない敵によって作られたものではないということ……」

梨花「雛見沢症候群は……それだけの危険性を秘めている」

亀山「…………!」

右京「…………」

右京「……その雛見沢症候群の存在を、他に知っている方は?」

梨花「…………」

梨花「入江診療所の……入江、そして鷹野です」

梨花って山狗の存在は知ってるんだっけ?

梨花「そして……もっと言えば、あの二人は雛見沢症候群について深く研究をしている立場の人間です……」

右京「……なるほど、そういうことでしたか」

亀山「なるほどって……右京さん、何か分かってたんですか?」

右京「最初から疑問に思っていました……このような小さい村にも関わらず、診療所の設備は非常に充実していること……」

右京「そして院長をしているのが、開業医としては非常にお若い入江医師であること……」

右京「ですが……梨花さんの言う雛見沢症候群、それを研究する機関施設であるとすれば、辻褄が合います」

梨花「…………」

>>411
知ってる まさか敵だとは思ってなかった

>>413
自分を守ってくれる存在だっけか

梨花「……やはり右京は入江診療所を、入江と鷹野を疑っているのですか?」

右京「……黒幕である可能性は否定しきれない、というのが正直な僕の考えです」

梨花「……余計な口出しなのですが、僕にはあの二人が犯人だとはどうしても思えないのですよ」

右京「…………」

梨花「入江は僕や沙都子に対して本当によく接してくれますです、そしてそれは鷹野も同じ……」

梨花「何より、あの二人には僕を殺す動機がありませんです」

右京「……亀山くん、君はどう思いますか?」

亀山「……正直言って、俺もあの二人が黒幕だなんて考えたくないですね」

右京「…………」

バックの組織のことを考えると、上から圧力かかりそうだな

そもそも犯人がいるかすら怪しい事件に圧力は逆にかけないでしょう

閣下に頼もう(提案)

右京「……一つ、お聞きしたいことが」

梨花「?」

右京「梨花さんの話が正しければ、この村において雛見沢症候群を知る者は非常に少ない」

右京「雛見沢症候群について研究をしている入江診療所の二人を除けば、存在を知る者は誰一人としていなくなる……」

右京「そのような病の存在を……どうして、あなたはご存知なのですか?」

梨花「……それは、僕が雛見沢症候群の『女王感染者』だからなのです」

亀山「感染者って……まさか、梨花もその雛見沢症候群に!?」

梨花「ただ、僕は少し特殊なのです……疑心暗鬼になることも、それがきっかけで人を殺すこともない……」

右京「……それが、『女王』感染者ということなのですね?」

梨花「そうなのです……古手家は代々が女王感染者となる家系で、先代の女王感染者は僕の母でした」

右京「…………」

梨花「だから、女王感染者である僕は入江たちに協力をしているのです」

亀山「協力?」

右京「雛見沢症候群の感染者でありながら、精神が疑心暗鬼に揺れることはなく、症状が進行することもない……」

右京「その梨花さんの体を研究すれば、雛見沢症候群の治療に繋がる何かが掴めるかもしれない……」

右京「仮に僕が研究者であれば、きっとそのようなことを考えていたでしょうねぇ」

梨花「右京の言う通り……女王感染者である僕は、二人にとって非常に大切な存在であるようなのです」

梨花「僕の身体を研究したことで、雛見沢症候群の治療薬も開発出来たとも聞きました」

亀山「なるほど……確かにそれなら適当な扱いをするはずがない、か」

梨花「万が一にも僕に危険がないよう、護衛まで付けてくれているほど僕に気を遣ってくれています」

梨花「だから、あの二人が敵かもしれないと右京が言ったとき……僕はとても驚きました」

右京「今、なんと言いました?」

梨花「えっ……あの二人が敵かもしれないと聞いたとき、とても驚いた……」

右京「いえ……その前です」

梨花「僕に護衛まで付けてくれている……ですか?」

右京「……護衛とは、一体どのような?」

亀山「俺たち、全然見かけなかったぞ?」

梨花「『山狗』と呼ばれる部隊で、いざという時に備えて、少し離れたところから僕を見てくれています」

梨花「……もちろん、常に僕と一緒にいるわけではありませんですが」

右京「…………」

梨花「……右京?」

右京は躊躇っているかのようだった、その事実を告げることを。

古手梨花と自らにとっては最悪のシナリオとなりかねない、その事実を。

右京「仮に……彼らの二人ないし一人が黒幕であった場合、あなたを見守っているはずの山狗部隊は」

右京「必然的に……あなたを監視している敵になるということです」

梨花「…………!」

右京「そうだとすれば、こちらの動きも……既にある程度、敵に伝わっていると考えるべきです」

亀山「まさか……俺たちが刑事ってことは……!」

右京「……把握されているでしょう、まず間違いなく」

すいません、短いですけど今日はここまでで
明日また来ます

おつー

乙です

乙!

おっつ
右京さんキレッキレやで


右京さん達が実はピンチに・・・?
続き楽しみだな


山狗が敵かもしれないところを話す右京さんがありありと想像できたわ

乙ー
このスレが毎日の楽しみだわ


この片田舎のカルトっぽさが相棒の2時間スペシャルの雰囲気出してて良い。

乙です
カルトな片田舎、即身仏思い出すね



ただ、女王感染者の説明が間違ってるのは、梨花ちゃんが態と特命係に隠してるのか、この梨花ちゃんが女王感染者を正しく認識できてないのか、あるいは>>1が素で間違ってるのか、どうなんだろう


ただ、雛見沢症候群の女王患者が殺されると、雛見沢症候群患者全員L5になって殺し合う可能性があるんじゃなかった?

実際違ったんだっけ?

梨花ちゃんが死んでも住民に影響がないのは綿流し編・目明し編で示されてたな
神の視点を持つプレイヤーでしか知り得ない事だけど

祭囃しで詩音がそこについて言ってたような
で、48時間作戦が決行されたはず

詩音が魅音で魅音が詩音の話はやらないのかしら

梨花「そんな……まさか……!」

亀山「けど、まだまだ調べなきゃならないことはたくさんありますよ! ここで退くわけには……」

右京「当然、捜査は進めます……ただし、今まで以上に我々も慎重に動かなければなりません」

梨花「…………」

梨花「……考えもしなかったのです、入江機関そのものが敵であり、そして山狗まで……」

右京「可能性の話です……が、仮に入江機関が梨花さんを狙っているのだとすれば、動機は何なのでしょうねぇ」

亀山「梨花が死んだら、連中に何か得をすることがあるとか……」

梨花「そんな……そんなことが……?」

右京「……いずれにせよ、調べてみる必要がありそうです」

亀山「けど、どうするんですか? さすがにもう、入江診療所に乗り込むわけにはいかないですよ」

右京「ええ……ですから、仕掛けるのは二人ではなく」

亀山「…………!」

亀山「今年、被害者になるかもしれない富竹ジロウ!」

右京は亀山の言葉に小さく頷いて応える。

そして

右京「梨花さん……富竹ジロウさんについて、何かご存知ではありませんか?」

梨花「みぃ……富竹、ですか……」

右京「ええ、どんなに些細なことでも結構です」

梨花「富竹はカメラマンで……外の人間ではありますが、毎年この雛見沢へ足を運んでいます」

ひぐらし懐かしいなぁと思って、久しぶりにyouを聞いたがレナのやつが一番心にきたわ

右京「毎年、ですか」

梨花「それも年に一度や二度ではありません……部活メンバーの全員が、富竹のことを知る程度には……」

右京「なるほど……他には、何かありませんか?」

梨花「あとは……富竹は、鷹野と交際関係にあります」

亀山「えっ、交際関係!?」

右京「それは、本当ですか?」

梨花「富竹の片想いと考える人もいますが……鷹野本人も悪い気はしていないようなのです」

右京「…………」

右京「その富竹さんは……雛見沢症候群については……」

梨花「……少なくとも、雛見沢症候群の研究について僕が協力をしているのは入江と鷹野の二人だけです」

梨花「鷹野から個人的に何かを聞かされているかもしれませんですが……僕もそこまでは」

右京「…………」

----
興宮署、古手梨花の二度目の来訪後

亀山「入江機関、つまり入江医師と鷹野三四が黒である可能性があり……殺される富竹ジロウは、その鷹野と交際していた」

亀山「何か、繋がりそうで繋がらないっすね……まさか……恋愛感情のもつれで、鷹野三四が殺したとか」

亀山「けど、その鷹野三四もドラム缶で焼き殺されてて……」

亀山「もう、どうなってるんだよこれ……ねえ、右京さん?」

同意を求めて亀山が振り向くも

亀山「……あれ?」

そこに、右京の姿はなかった。

亀山「またあの人は……!」

----
同時刻、警視庁

角田「もしもし……あっ! ちょっとちょっと、どこ行ってんのよ二人して……え? 何? 祭りの警備ぃ?」

角田「へーえ……何日も来ないから珍しく忙しそうだと思ったら、相変わらず暇そうでいいねぇ」

角田「ん、本題に入る? ……何? 調べてほしいこと?」

角田「相変わらず人使いが荒いねぇ……俺、結構偉いんだよ?」

角田「……俺にしか出来ないって? いや、そう言われちゃうとさ」

角田「ま、いいや……で、何なに……えー、雛見沢村の……入江診療所……」

ついに出番か暇課長

----

右京「…………」

亀山「あっ、ちょっと右京さん! どこ行ってたんですか?」

右京「少し、電話をしていました」

亀山「一言くらいくださいよ、置いて行かれたかと思ったじゃないですか!」

右京「それはともかく……行きますよ、亀山くん」

亀山「ともかくって……」

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雛見沢村、某所

富竹「…………」

雛見沢村の自然を前に、眼鏡をかけた体格のいい男がカメラを構えるのが見える。

彼は一枚、二枚と風景を写真に収めながら、満足げな表情を浮かべていた。

一見、村の住人と言われても違和感がないように思われる男に

右京「良い写真が撮れましたか?」

富竹「あ、これは失礼……カメラに夢中になっていたので気付きませんでした」

亀山「何かすいませんね、いきなり声かけちゃって」

富竹「いえいえ……初めてお会いしますけど、あなたたちは……」

右京「これは失礼、杉下と申します。近々、この村で行われる綿流しの祭りを観に東京から」

亀山「同じく、亀山です」

富竹「ご丁寧にどうも、カメラマンの富竹ジロウです。お二人と同じく、この村の外から来た者ですよ」

米沢さんの出番まだかな(´・ω・`)

>>442
Dear you Cryのことかな

梨花ちゃんが無知すぎるのは右京さんに情報を与えすぎると即解決してしまうから改変してるのか?

右京「この村には、よくいらっしゃるんですか?」

富竹「ええ、初めて来た時にこの村の自然の美しさに感動しましてね……今では、毎年来るようにまで」

右京「魅力的な土地ですからねぇ、お気持ちはよく分かります」

亀山「しっかし富竹さんはカメラマンですか、何かイメージと違いますね」

富竹「恥ずかしい話、まだまだ駆け出しもいいところで」

亀山「ああ、いやそういうんじゃなくて! カメラマンのわりに何かこう……がっしりした体格をしてるんで」

亀山「何となく体育会かな、なーんて思ったりしちゃいまして」

富竹「カメラもある意味ではスポーツですからね、シャッターチャンスを逃さない集中力も必要ですし」

富竹「今度の綿流しのようなイベントの日に体調を崩さないよう、体にも気を遣うんですよ」

富竹「おかげで、ここしばらくは健康そのもので」

右京「カメラというのも、実に奥が深いのですねぇ」

右京「しかし、写真のために体調を管理なさっているとは……ひどく感心しました」

富竹「ああ、すみません……少し大袈裟に言ってしまったようで」

右京「とんでもない、僕たちなど観光に来てすぐ……こちらの亀山くんが体調を崩してしまいまして」

亀山「食あたりで……この村の診療所のお世話になっちゃいまして」

富竹「ははは、食あたりですか! いや失礼、笑ってはいけませんね」

亀山「笑ってやってください、そのほうが気が楽ですから」

富竹「しかし診療所ですか、あそこは良い先生がいますからね」

右京「おや、ご存知でしたか」

富竹「まあ、毎年この村には何度も来てますから」

ひぐらし久しぶりにみたいなって思ってたらニコ生でやってて、さらにこのスレ発見して
最高やん

違和感ないなーすごいなあ
楽しみ

右京「診療所にいらしたのは医師の入江さんと看護士の鷹野さんでしたね」

亀山「ホントに二人とも良い人でしたよー、その鷹野さんが美人で……ねぇ右京さん!」

右京「確かに、お綺麗な方でしたねぇ」

亀山「それだけに残念っすねー」

富竹「残念?」

亀山「いや、この村に来てから『部活』をやってる子供らと知り合ったんですけどね」

富竹「ああ……あの子たちですか」

亀山「その子らが言うんですよ、『鷹野さんは付き合ってる恋人がいる!』なんて」

富竹「は、はは……な、なるほど……」

>>450
それそれ
レナが天使過ぎて泣ける

亀山「最初は同じ職場で働いてる入江先生が交際相手じゃないかって思ったんですけどね」

右京「ええ……しかし、子供たち曰く、お付き合いをしていらっしゃるのはこの村に住んでいる方ではないとか」

右京「この村に頻繁に足を運んでいらっしゃる方で……そうそう、確かその方も写真がお好きだと聞きました」

右京「誰か、心当たりはありませんか?」

富竹「…………」

富竹「……お二人とも意地が悪いなぁ」

右京「すみません、あなたがカメラマンと言われた時に『もしや』と思ったものですから」

富竹「あの……恥ずかしいんで、あんまり大声では言わないでくださいね」

亀山「大丈夫ですよ、分かってますって!」

右京「踏み込んだことを聞くようですが……お二人はどういったきっかけで?」

富竹「いや……僕が何度も村の診療所にお世話になりまして」

右京「おやおや……では、その時に?」

富竹「はい、回数を重ねて彼女と会っている内にいつの間にか魅かれていったんだと思います」

右京「なるほど……しかし、不思議なものですねぇ」

富竹「不思議?」

右京「あなたは先ほど、こうおっしゃいました……」

富竹『今度の綿流しのようなイベントの日に体調を崩さないよう、体にも気を遣うんですよ』

富竹『おかげで、ここしばらくは健康そのもので』

富竹「…………」

右京「健康に気を遣っているというあなたが、何度も診療所に通っていたというのは……些か、不自然に思えまして」

富竹「参ったなぁ……下手な嘘はつくものじゃないですね」

亀山「やっぱり、この村に来る前から親交が?」

富竹「ええ、その通りです」

亀山「もしかして、この村に来てるのも写真が目的じゃなくて、実は鷹野さんに会いに来てるんじゃないんですか?」

富竹「いや……まあ、それもあるかもしれませんね、ははは」

亀山「富竹さんも色男だなぁ、このー羨ましいっすよ!」

富竹「そうですかね……いつも彼女の尻に敷かれて振り回されているんで、そう言ってもらえると嬉しいですよ」

右京「…………」

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興宮署

亀山「どうなんですかね富竹さん、診療所の話を振っても普通に対応してましたし」

右京「鷹野三四との関係も、あっさりと話してしまいましたからねぇ……少なくとも、僕たちが刑事だとは知らないようです」

右京「仮に、彼が山狗という部隊ないしは入江機関に直接的な関係のある人物ならば、僕たちのことを知らないはずがないのですが」

亀山「やっぱり考え過ぎだったんじゃないですか? 入江機関が梨花を狙ってる黒幕だなんて」

右京「かもしれません……あるいは……」

亀山「あるいは?」

右京「富竹ジロウと鷹野三四は直接的な関係者ではなく……もっと複雑な関係であるか」

亀山「複雑……ですか?」

右京「仮に富竹氏が直接的に雛見沢症候群の研究に加わっているのならば、入江医師たちのように雛見沢に住めばいいはずです」

右京「わざわざ外とこの村を行き来するより、そのほうが遥かに効率的でしょう」

亀山「なのに……富竹さんは敢えてそんな面倒なことをやっている……」

右京「富竹さんは、鷹野さんがこの村に来る前から親交があったと言っていました」

右京「また、富竹さんが彼女のことを『鷹野さん』と呼んでいたことから、二人が幼い頃からの知り合いであったとは考えにくい……」

亀山「仕事か何かを通じて知り合った、そう考えるのが妥当ですか」

右京「ええ……その彼女の仕事は看護士であり、雛見沢症候群の研究者でもある……」

亀山「カメラマンって職業の富竹さんとは少しギャップがありますね」

右京「加えて、両者は交際するほど親密な関係であると考えれば……彼の職業はカメラマンなどではなく」

亀山「何か別の、鷹野三四に近い仕事をしている……でも、二人は全く同じ仕事をしているわけではない……」

右京「そういうことになりますねぇ」

亀山「……複雑っすね、確かに」

右京「ええ、しかし……おぼろげながら、見えてきました」

亀山「えっ!?」

すいません一旦切ります、今日は多分もう一回来ます

おつー


右京さんマジ化け物

乙です


右京さんの安定感はほんとなんだろうな


亀山くんのえっ!?が普通だよなw

警視庁からお越しの亀山様ぁ

大石「お二人ともこちらにいましたか」

亀山「あ、お疲れさまです!」

右京「どうか、されましたか?」

大石「んっふっふ……少し、お二人に会わせたい方がいましてね」

亀山「?」

大石「赤坂さん、入ってきてください」

大石に促され部屋へと入ってきたのは一人の男だった。

男は二人に対して

赤坂「初めまして……警視庁公安部、赤坂です」

亀山「け、警視庁!?」
右京「…………」

大石「なっはっは、さすがにお知り合いじゃありませんでしたか」

赤坂「無理もありません、僕の所属は少々特殊ですから」

亀山「えっ、警視庁の公安部……ですよね?」

赤坂「正確には、『警視庁公安部第7資料室』です」

亀山「し、資料室……ですか?」

赤坂「ええ、資料室はいわゆる……」

右京「表立って活動を明かせない仕事を任されている場合、一般には分からない『資料室』のような用語をダミーとして使う……」

赤坂「!」

右京「そして……第7資料室にある資料は、大物政治家や高級官僚などの動向、不正に関するものだったと記憶しています」

右京「そうでしたね? 赤坂警視」

赤坂「……失礼ですが、あなたたちは?」

右京「申し遅れました……警視庁特命係、杉下です」

亀山「同じく、亀山です」

赤坂「『特命係』……あなたたちが……?」

大石「そうそう、私も気になってたんですよ……お二人の言っている『特命係』ってのは、一体なんなんです?」

右京「説明するほどのことではありません、刑事がただ……暇を持て余しているだけの場所ですよ」

亀山「おかげで、自由に動けるんですけどね」

赤坂「……なぜ、私が警視だと?」

右京「自由に動き回っているせいか、色々な情報を小耳に挟むもので……大変、優秀な方だと伺っています」

亀山「この人、そういうことは絶対忘れない人なんで」

赤坂「…………」

乙です

>>416
>>417
官房長は「違った形の正義」の人だからな
あの人が噛んで来たらどう腹芸仕掛けて来るか

ヒナ+長谷川が来たら
部活チームがどうなるかは別にしてむしろ鷹野が転がされてヤバそう。
もっとも、この時期だとヒナはまだ一議員?
長谷川の方はバリバリ現役で右京さんと面識無し、ヒナとのタッグ前だと思うけど

ごめん書いてる内に再開してた

右京「それで、第7資料室にお勤めのあなたが……何故、この村に?」

赤坂「最近……私たちが追っていた献金疑惑の捜査が打ち切りになったんです」

亀山「打ち切り……圧力ですか」

赤坂「捜査が打ち切られること自体は珍しくもないのですが……献金先に気になる名前を見つけまして」

右京「入江診療所、ですか」

赤坂「!」

右京の言葉に赤坂は心から驚いていた。

第7資料室の資料はその全てが極秘、一般の刑事は知り得ることのない情報であるはずだった。

にもかかわらず、献金と聞いて即座に対象となった機関を言い当ててみせたのだ。

赤坂「……どうして、あなたがそれを?」

右京「僕たちも、この村で少し動いていたものですから……失礼、続けてください」

赤坂「私は以前……この村を訪れたことがあったんです」

大石「その時に私と……まあ色々しましてね、犯人追っ掛けたり麻雀で私がくそみそにやられたり」

大石「まあ、それは置いときましょう……赤坂さんが今回来たのは、『予言』を思い出したからだそうです」

亀山「予言……?」

赤坂「私がこの村で出会った……小さな少女の予言です」

亀山「それって……まさか……」

右京「……詳しく、聞かせていただけませんか?」

赤坂「お二人のことです……既に、この村で起きている事件はご存知でしょう?」

亀山「例の、鬼隠しですか……四年連続で起きてて、今年で五年目の」

赤坂「ええ……私はその鬼隠しが起きる前に、それらの事件についての詳細を聞かされていました」

赤坂「一年目、二年目……全てです……そして先ほど、大石さんに確認を取ったのですが」

大石「私も驚いてたんですがね……これがまた、ピタリと当たっているんですよ」

赤坂「杉下さんのような方は信じられないかもしれませんが……本当のことです」

右京「僕、幽霊や超能力は信じています」

赤坂「…………」

大石「……意外ですね、あっさり納得されるとは」

赤坂「そして……その子は今年についても予言をしていました」

赤坂「……どんな予言か、分かりますか?」

右京「…………」

右京「……カメラマンである富竹ジロウ、入江診療所に勤める看護士の鷹野三四の二名」

右京「そして、予言していたその子自身……古手梨花さんが、何者かによって殺される」

大石「す、杉下さん……あなた一体……!」

赤坂「……やはり、あなたも聞かれたんですね? 彼女の予言を」

右京「ええ……そして、今の話を聞いて確信が持てました……彼女の言っていたことは、紛れもない真実なのだと」

赤坂「ここへ来る前に……献金が入江診療所へ流れていると分かった時から、少し調べていたことがあります」

赤坂「……おそらく、今年の鬼隠しに繋がる重要な情報です」

大石「赤坂さん……何ですか、その情報ってのは」

赤坂「その前に……杉下さん」

右京「はい?」

赤坂「あなたは……一体、どこまで掴んでいるんですか? この鬼隠しについて、入江診療所について……」

赤坂「私の話の前に……是非、あなたの考えを聞かせてください」

大石「赤坂さん、そいつは無茶ってモンです……杉下さんたちはこの村に来てまだ数日……」

大石「おまけに、赤坂さんのように極秘資料を見られるような環境にもいなかった」

大石「そんな状態で答えを求めるのは、いくらなんでも……」

赤坂「……杉下さん」

右京「…………」

右京「……僕の個人的な推察でよろしければ」

キターッ!!!

赤坂「……やはり、何かを?」

右京「ただ……今、ここでお話するのは、些か不適切でしょう……何より、人数が足りません」

大石「人数が……?」

右京「僕以外に、話をしてもらわなければならない人がいるということです」

赤坂「……なるほど、分かりました」

右京「…………」

右京「……一つだけ、よろしいですか?」

赤坂「どうぞ」

右京「入江診療所……いえ、入江機関という枠組みの中に、富竹さんは含まれていましたか?」

赤坂「いえ……診療所のトップは入江京介、下にいるのも鷹野三四のみだったはずです」

赤坂「ただ……富竹ジロウと鷹野三四には、ある共通点がありました」

亀山「共通点……?」

赤坂「両者とも……『東京』と呼ばれる組織に所属をしていることです……」

亀山「な、何なんですか? その『東京』ってのは……」

赤坂「俗に言う秘密結社です……何でも、日本を戦前の体制に戻そうと画策しているとか」

赤坂「閣僚などにも構成員は多くいますが……組織内で派閥争いが起きたため、今は半ば分裂しかけていると」

亀山「…………」

赤坂「……お役に立つ情報でしたか?」

右京「ええ、十分すぎるほどに……極めて重要な情報を、感謝します」

赤坂「いえ……あなたたちとは、いずれゆっくりとお話をしたいものです」

右京「時が来れば、いずれ……行きますよ、亀山くん」

亀山「ちょ、ちょっと右京さん!?」

とうとう赤坂も合流か…
いよいよ本筋だな…

圭一たちいらん子?

裏山でドンパチする役目があるから(震え声)

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亀山「どうする気ですか右京さん、これから……」

右京「攻め込みます」

亀山「攻め込むって……入江診療所ですか?」

右京「ええ……敵と味方を、ここではっきりとさせておかなければなりません」

右京「ただ、その前に……圭一くんたちにも、会って話をしておく必要があります」

亀山「動かれすぎないように、ってことですか……敵の規模が予想以上だったことを考えれば、当然っすね」

亀山「けど、どこまで話すんですか? あんまり具体的に話すわけにも……」

右京「問題はそこです……何とか、上手く話をまとめるしかありません」

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某所

圭一「それで……俺たちに話っていうのは?」

詩音「何か……分かったんですか?」

右京「その前に……梨花さん、皆さんにはどこまでのことを?」

梨花「…………」

梨花「僕が殺されること……富竹と鷹野も同じく殺されること……敵の正体は分からないこと……敵は大きな力を持っていること」

梨花「……僕が話したのはここまでなのです」

亀山「…………」

亀山『梨花ちゃん、雛見沢症候群についての話はしなかったみたいですね』

右京『賢明な判断です……僕たちも、それに触れないよう話を進めましょう』

亀山『分かりました』

魅音「一応だけど、私たちなりに犯人については色々と考えてたんだけど……どうしても分からなくてね」

レナ「村の中には梨花ちゃんを殺す動機のある人がいないから、もしかしたら外部犯の可能性もあるって……」

右京「なるほど……皆さん、本当によく考えていらっしゃるようですねぇ。僕たちとしても、心強い限りです」

梨花「それで……右京たちはどうなのですか? 何か新しいことが……?」

右京「ええ、少なくとも……確実に前進はしています」

亀山「今から俺たちで入江診療所へ行ってくる……だから、圭一たちは動かないで、少しだけ待っててくれ」

圭一「い、入江診療所って……!?」

魅音「まさか……か、監督たちが犯人なの!?」

右京「誤解しないでください。梨花さんの言う、今年の犠牲者には入江診療所の関係者が多かったものですから」

右京「その辺りの人間関係や事実関係を、少々確認しに向かうだけです」

詩音「何だ……単純に話を聞きにいくだけですか?」

亀山「そうそう、だからそんな大袈裟なことじゃないんだ」

詩音「良かった……監督たちが犯人だったら私、どうしようかと思いましたよ」

魅音「うんうん、監督も鷹野さんも良い人だからねぇ」

詩音「何だか私、緊張が緩んじゃいましたよ……少し顔を洗ってきますね」

魅音「こんな時に詩音ったら……」

亀山「まあまあ、わざわざ集めて緊張させといて、気の抜けた話をしちゃったからな」

レナ「…………」

レナ「でも……何だか不思議だよね」

魅音「ん? 何が?」

レナ「杉下さんたちがこの村に来たのは、本当に偶々でしょ?」

レナ「偶然、観光に来た二人が刑事さんで……偶然、レナたちと知り合って……そしてレナたちと行動を共にしてる」

レナ「ううん、それだけじゃない……誰にも言えなかったレナの家のことも解決してくれて」

圭一「ああ……沙都子を叔父から助けたのも、二人なんだろ?」

レナ「だから、思うんだよね。本当に、二人が来たのは偶然だったのかな……なんて」

魅音「確かにね……神様か何かが巡り合わせてくれたんだったりして」

梨花「…………」

梨花(そう言われてるけど……どうなの、羽入)

羽入『あ、あぅあぅ……少なくとも、この二人を呼んだのは僕ではないのですよ』

魅音「……もし、二人が来るのがあと一年くらい早かったら、ひょっとしたら悟史も……」

亀山「悟史……?」

右京「北条悟史……沙都子さんの、お兄さんでしたね?」

魅音「さすが、よく知ってるね……じゃあ悟史が四年目の鬼隠しに遭ったことも……」

右京「ええ……知っています」

魅音「あの時は……もう何がなんだか分からなくてさ、精一杯探したんだけどね」

魅音「それでも……結局、私じゃ何も出来なかった」

梨花「魅ぃ……」

レナ「魅ぃちゃんのせいじゃないよ……」

魅音「でも……悟史がいなくなったせいで沙都子は色々と抱え込むようになっちゃって……」

魅音「それに、詩音にも辛い思いをさせちゃったから……」

亀山「詩音に……?」

右京「…………」

魅音「うん……詩音は、悟史のことが本当に好きだったから」

魅音「悟史がいなくなってから、あの子は一生懸命探してた……本当に、草の根を分けるくらいに」

梨花「…………」

レナ「そういえば、詩ぃちゃん遅いね?」

圭一「ああ、顔を洗ってくるって言って、もう結構経つよな」

魅音「見てこよっか……詩音ー……あっれー、おかしいな」

右京「…………」

詩音『……あれが不幸な事故? そんなわけない……そんなわけあるもんか……』

右京「…………」

魅音『詩音は悟史のことが本当に好きだったから……』

右京「…………っ!」

その瞬間、何かを察した右京は

右京「僕としたことがっ……迂闊でした!」

そう言うと同時、一目散に外へ走り出した。

亀山「ちょ、右京さん!?」

梨花「!」

矢っ張り
シオンの挙動、不審だったもの

詩音……

右京さん頑張れ、超頑張れ
薫ちゃんも頑張れ

右京の走りのフォームが目に浮かぶ

----
入江診療所

詩音「こんにちは、監督……沙都子、まだ寝てます?」

入江「お見舞いですか……ありがとうございます、しかしまだ……沙都子ちゃんは」

詩音「そうですか……鷹野さんは?」

入江「ああ、鷹野さんは少し用事があるとかで……今は私一人ですよ」

詩音「なるほど、じゃあ都合がいいですね」

言い終わると同時、火薬の炸裂音が診療所内に鳴り響く。

入江「!?」

驚きで一瞬目を瞑った入江が再び目を開けると、そこには銃とスタンガンを両手に持った詩音の姿があった。

そして

詩音「……悟史くんは、どこ?」

すいません、今日はここまでて
明日また来ます


詩音がついに暴走しちゃったか…

>>471で赤坂が『僕』って言ってますが『私』の間違いでした、すいません

うわああああ!?
しおん…
お疲れ様です。

チートとTASが合流した矢先にコレだよ!

おっつおっつ
詩音さんいけませぇんっ!っていう右京さんが見えた


赤坂合流で勝ったなと思ったのが甘かった

乙。間に合うかな……

安定して暴走することに定評のある詩音さん

>>503
(プルプル)

乙です

順調かと思えば途端に悪い方へ進んだりするのがひぐらしなんだよなぁ

入江「し、詩音さん……何の話をしているんですか!」

詩音「とぼけないで! もう分かってるんだ、優秀な刑事の二人があんたを犯人だって睨んでるんだ!」

詩音「今までの鬼隠しの犯人も、悟史くんを連れ去ったのも! 全部アンタなんでしょう!?」

入江「なっ……?」

詩音「信じてたのに……監督は沙都子の面倒だってよく見てくれて……私、すごく信頼してたのに!」

詩音「なのに……本当は悟史くんがいなくなって動揺する私や沙都子を見て、心の中で笑ってたんでしょう!?」

入江「そんな……だ、誰が一体そんなことを……!」

詩音「間違えているはずがない……レナさんのことも沙都子のことも、あの二人はすぐに解決したんだ!」

ヤンデレって怖いなぁ(棒)

園崎家の女性は暴走すると最早一般人じゃ止められない
若ければ尚のこと

入江「沙都子ちゃんを……? まさか、その二人の刑事とは……杉下さんたちのことですか?」

詩音「そうですよ、監督も知ってるでしょう? あの二人がどれだけすごいのか」

入江「待ってください、本当に杉下さん達が私のことを鬼隠しの犯人だと言ったんですか!?」

入江「いや……それ以前に、あの二人が刑事だなんて私は初めて……」

詩音「何ですか! そうやって話を逸らそうとして、私の隙でも狙ってるんですか?」

入江「とにかく、落ち着いてください……私の話を……!」

その瞬間、再び火薬の炸裂音が診療所に響き渡る。

それは、入江の言葉を遮るために放たれた一発の弾丸……明確な脅しだった。

詩音「質問にだけ答えてください……悟史くんは、どこにいるの!」

入江「…………!」

入江「……わ、分かりました。ご案内します」

----
入江診療所、地下

入江「……言われた通り、ここへ続く扉は閉じておきました」

詩音「それでいいです……右京さんたちが追ってきてるかもしれないですからね」

入江「…………」

詩音「それにしても……入江診療所にこんな場所があったんですね……知りませんでしたよ」

詩音「よくもこんな暗い所に悟史くんを……許せない……絶対にっ……!」

入江「詩音さん……あなたには辛い思いをさせてしまいました……」

詩音「ええ、そうですよね……そうやって良い人の仮面を被って、私を笑ってたんですよね」

入江「あなたが私をどう思っても構わない、憎んでも構わない……しかし、これだけは言わせてください!」

入江「私は決して、悟史くんを傷付けたりはしていない! 本当です!」

入江「あなたや沙都子ちゃんに悟史くんのことを黙っていたのも、全ては……!」

詩音「それ以上、何か言ったら頭を撃ち抜きますよ」

入江「…………!」

----
入江診療所

詩音が入江と共に地下へ向かって数分後

圭一「詩音! いるなら返事しろ! 詩音!」

レナ「詩ぃちゃん! 監督!」

魅音「本当に詩音のヤツ、ここにいるの!?」

梨花「早く、早く探さないと! そうでないと……!」

亀山「…………」

亀山「……あっ! 右京さん!」

診療所内を探していた亀山が何かに気付き、皆を呼び寄せる。

亀山の指差す先には

右京「弾痕ですね……ごく、最近できた物のようです……!」

魅音「嘘でしょ……詩音、本当に監督を!?」

レナ「詩ぃちゃん! どこにいるの!?」

圭一「ダメだ! 診療所の中は寝ている沙都子以外に誰もいない!」

梨花「まさか、外に連れ出して……!」

亀山「いや、窓からも正面の入口からも内から外へ出て行った形跡はなかった!」

亀山「第一、この診療所は見晴らしがいい場所にある! わざわざ外へ出ても目立つだけだ!」

魅音「じゃあ一体どこへ……!」

右京「…………」

喧騒の中、右京は思考を展開しつつ、床や壁を探っていた。

外へ出た形跡はない、園崎詩音は銃を持っている……死体や血痕がないことから、最悪のパターンである殺しをしたわけではない。

壁の弾痕、威嚇射撃、脅し……北条悟史の行方を追っていた……入江機関……

右京「…………っ!」

ふと、壁の前で立ち止まり

右京「風が通り抜けています……ここです!」

周りがあたふたしてる中、冷静に探る右京さんの姿が目に浮かぶ

----

入江「ここです……この扉の向こうに悟史くんはいます」

詩音「……確認します、監督はそこを動かないでください」

入江「…………」

入江に指示された壁の向こうを一つだけ付いている窓から覗き込む。

そこには

悟史「…………」

詩音「っ!」

体をベッドに固定され、眠り続ける悟史の姿があった。

詩音「悟史くん……やっと……やっと見つけた……!」

良かった、生きていた、死んでいなかった、また会えた……様々な思いが一度に沸き立つ。

それは、憎しみの心も同様だった。

詩音「……やっぱりアンタが犯人だったんですね、鬼隠しをやっていたのは」

詩音「悟史くんみたいに拉致した人をベッドに縛り付けて! 人体実験か何かをしていたんじゃないんですか!?」

入江「…………」

詩音「アンタへの罰は後で考えます……今は、悟史くんを解放することが先……」

詩音「早くこの扉を開けてください……そして、悟史くんの拘束を外してください」

入江「…………」

入江「……それは、出来ません」

三度目の銃撃、それは今までのような威嚇射撃ではなく

入江「ぐっ……!?」

入江の足を掠める一撃であった。

詩音「もう一度だけ言います、そこを開けてください……」

詩音「開けないのなら……今すぐにあなたを撃ち殺して、無理矢理にでも開けます」

入江「悟史くんは……悟史くんは病気なんです!」

詩音「……病気?」

入江「完治の難しい、治療法の確立していない病です……今の彼は、悟史くんであって悟史くんではないんです!」

詩音「な、何を言ってるんですか……?」

入江「詩音さん、あなたに悟史くんのことを教えなかったのは……本当にすまないと思っています」

入江「辛かったでしょう、苦しかったでしょう、必死になって彼の行方を探したんでしょう……!」

詩音「分かってるじゃないですか……それだけ分かってるのにアンタは!」

入江「しかし、知らせてどうなりますか! 今の悟史くんを見れば、あなたが辛くなるだけです!」

診療所の地下全体に響き渡る入江の叫び。

それは一点の曇りもない、医師としての、入江京介という人間としての魂を込めた、心からの言葉。

入江「悟史くんの病状は重い、今の状態から良くなる保障はない! もしかしたら二度と目覚めないかもしれない!」

入江「それでも……会いたい、触れ合いたいと思う気持ちは治まらない! それだけあなたの心は傷ついていく!」

入江「だから……私は医師として! 責任をもって悟史くんを完治させた状態で、あなたや沙都子ちゃんに会わせたかった!」

詩音「……何ですかそれ、こんな時まで良い人を気取るつもりですか」

詩音「会えば辛くなるなんて誰が決めた、会えない苦しみよりも辛いなんて誰が決めた!」

詩音「今さら詭弁を使って、責任を逃れようとするな!!」

入江「責任から逃げるつもりなんてありません! 私はこの上なく重い罪を犯している人間です!」

詩音「だったら……」

入江「だからこそ! 私は、今の悟史くんをあなたに会わせるわけにはいかないんです!」

詩音「…………」

詩音「……最後通告です、その扉を開けてください。従わなければ、本当に撃ちます」

入江「…………」

入江「……撃ち殺されても、構いません」

今の詩音に逆らえば無事では済まないだろう、それだけ彼女は本気だ。

この扉を開くことを拒めば、彼女は躊躇なく引き金を引く……そうなることは分かっている。

それでも、入江は扉の前に立ちふさがり

入江「撃ちたいなら撃て……医師として! 私はここを決して動かない!」

詩音「そうですか……覚悟は出来てるってわけですね」

詩音は、銃口をゆっくりと入江の頭部に向けて照準を合わせ

詩音「じゃあ……さっさと死んでください……!」

撃鉄を起こし……引き金に掛けた指に力を込める……

その瞬間


右京「いけませんっ!! 詩音さん!!」

詩音「!」

少女の行動を制止する声が響き渡った。

シリアスシーンなのに、不覚にもワロタ

わかっていても吹く

すいません、少しだけしか進んでませんがちょっとだけ切ります
11時くらいにまた来ます

すげぇ気になるところで…!
舞ってる

鷹野さんとつるむにあたって野郎二人は致命的に人が良すぎる

カオルちゃん最初のほうで、女装した男になんかだまされてなかったっけ?
待ってる

一旦乙
脳内再生余裕

一旦乙

>>529
懐かしいな、その事件

>>529
よく覚えてるなwww
今の今まで忘れてた…

>>532
何だったっけ?
拳銃の盗難だっけ?

警察が摘発した拳銃の横流ししてた連中が起こした殺人を亀山になすりつけた事件じゃなかったっけ

酔った薫ちゃんが近くにいた人(女装)に愚痴ってて、目が覚めたら殺人現場でしたーみたいな内容だったと思うけど…違うかな?

相棒 女装でググったら水谷さんが女装した話しか出てこない・・・どうなってんだ?

女装ってーとあれだな。あのオカマの人思い出すわ。
麻薬探知犬とか傘の双子とかの。

詩音、殺人未遂で敵の脅しのネタになりかねないぜ。

>>538
脅迫と銃刀法もじゃね?

そろそろ11時
続きが楽しみだ

詩音「右京さん……!」

右京「銃を下ろすんです! 今すぐに!」

亀山「そいつを渡せ、詩音!」

詩音「来ないで! やっと真犯人が分かった! 悟史くんだって見つかったんだから!」

魅音「えっ! さ、悟史がここにいるの!?」

詩音「そう……何もかも全部、この男が……!」

右京「あなたは、大変な思い違いをしています!」

右京「入江医師は、犯人などではありませんよっ!」

山狗も法律ナニソレ状態だから大丈夫
つか祭や絆で澪尽し知ってるなら安心出来るぜ

詩音「……なんでそんな嘘をつくんですか、監督しか有り得ないじゃないですか!」

詩音「今年の鬼隠しで富竹さんと鷹野さんが殺されて! 入江診療所が怪しいっていうなら!」

詩音「現にこうやって悟史くんまで隠してた! もう間違いないじゃないですか!!」

右京「詩音さんっ!」

詩音「動かないで!」

右京「では、銃を構えたままで結構! 僕も、ここから動くつもりはありません!」

右京「ですが……少しだけ、僕に時間をいただけませんか?」

詩音「…………!」

右京さんのいつものセリフだー!

勝ったな……

右京「入江先生……あなたのされた先ほど告白、離れた所にいた我々にもよく聞こえました」

右京「その言葉について……少し、お話を伺いたいのですが」

入江「……今はこんな状況です、私で答えられる範囲でしたら」

右京「…………」

右京「先ほど、あなたはこう叫ばれた……」

入江『悟史くんは……悟史くんは病気なんです!』

入江『今の彼は、悟史くんであって悟史くんではないんです!』

右京「一聞には意味の分かりにくい言い回しですが……とある人間が、その人間自身でなくなる病であるとすれば……」

右京「記憶障害……もしくは、精神病の一種と考えるのが最も合理的です」

右京「北条悟史くんの患っている病とは……その類のものですね?」

入江「……おっしゃる通りです」

右京「しかし、同時に疑問も浮かびます……単なる記憶障害や精神病であるなら、なぜ……彼は体を拘束されているのでしょう?」

入江「それは……!」

右京「医師であるあなたの判断によるものだとすれば……体を固定することで病人である彼を扱いやすくするため……」

右京「もしくは……どうしても拘束をしなければならない、何か特別な事情があるのか」

詩音「……何なんですか、その事情って。一人の人間を縛り付けても許される事情なんてあるんですか?」

右京「例えば……そのまま放置してしまえば、精神疾患を原因として自身または他人に対して攻撃を行ってしまう……」

右京「場合によっては、命に危険が及ぶ可能性も十分に考えられる……」

右京「そのような場合は……多少、強引にでも抑えつけるしかありませんね?」

入江「…………!」

脳内再生余裕

わくわく

右京さん核心つきすぎでしょww

右京「精神に関する病であり、研究が進んでいないため未だに明確な治療法が確立していないもの……」

右京「そして、時には自分や他人の命にさえ関わることもある……そのような病の名をつい最近、僕は耳にしているのですよ」

入江「!」

右京「さらに言えば……あなたが、その病の研究をなさっていることも知っています」

入江「す、杉下さん……あ、あなたは……!」

梨花「入江、僕が教えました……右京も亀山も、既に雛見沢症候群のことは知っているのですよ」

入江「梨花さん……しかし……!」

梨花「……入江からも話してください、雛見沢症候群のことを。今の悟史がどのような状態なのかを」

入江「…………」

入江「……分かりました、お話します」

既に詩音に症候群が発症しかけてるからこの右京と入江の説明で納得するかどうか……

詩音はどこまでが素でどこからが雛見沢症候群かわからないww

入江「お察しのように……今の悟史くんは雛見沢症候群を発症しています、それも……最悪のレベルでの発症です」

詩音「何ですか……その雛見沢症候群って……!」

圭一「魅音……知ってるか?」

魅音「聞いたこともないよ……あたし、風邪もひかないし」

入江「雛見沢症候群を簡単に言えば……疑心暗鬼を発端として、極度に攻撃的な状態となる病です」

レナ「疑心暗鬼……?」

入江「そうです……発症すれば、他人の言葉、挙動、その他すべてが自らと敵対する行為に思えてしまう……」

入江「そして悟史くんの症候群は……末期のL5、自分以外の人間すべてが敵に見える、理性を完全に失った状態……」

入江「今の彼は、私も……詩音さんも……妹の沙都子ちゃんにすら手をあげてしまう……そんな状態なんです」

山犬の保安員のいるゲートはどうやってくぐったの?祭囃し編で銃撃戦あったところの

右京「だから……あなたは、この診療所の地下に悟史くんを閉じ込めておかなければならなかったのですね?」

入江「……私には、こうする以外の方法が思い付きませんでした」

入江「非人道的であろうと、人体実験と言われようと、それで悟史くんの治療が可能なら……」

入江「それで……詩音さんや沙都子ちゃんに、悟史くんと再び会わせてあげることが出来るのなら……」

右京「なるほど……しかし、本当にそれだけなのでしょうか?」

入江「本当です、嘘じゃありません! 誓って、私はやましいことはしていないと……!」

右京「僕が言ったのはそういうことではありません……」

右京「あなたの行っている雛見沢症候群の『治療行為』は、果たしてそれだけなのでしょうか?」

you Vocalはいい曲なんだけどね……

入江「……どういうことですか?」

右京「以前、僕は沙都子さんから……このような話を聞きました」


沙都子『ええ、栄養剤の研究に少しばかりの協力を……入江先生が紹介してくださいまして』

沙都子『朝晩に二回の注射を毎日して……週末には診療所で監督の検査を受ける、といった感じですわね』

亀山『へー、結構長いこと続けてるんだ?』

沙都子『そうですわね……もう何年かは』


入江「…………」

右京「朝晩に二回の注射を毎日、そして日曜日には診療所で検診……それらを長期間に渡って続けている」

右京「単なる栄養剤の研究にしては、かなり不自然です」

入江「…………」

右京「そこで、僕はある仮説を立てました。沙都子さんが毎日注射していると言っていた栄養剤……」

右京「あれは栄養剤などではなく……何らかの治療薬だったのではないかと」

入江「!」

右京「何らかの原因で沙都子さんも雛見沢症候群を発症してしまった……あなたはそれを放っておくことが出来なかったのでしょう」

右京「しかし、その病の存在を幼い沙都子さんに、直接伝えるわけにもいきません」

右京「加えて彼女の周りには頼りになる身内もいない……金銭の面でも、彼女が生活していけるか不安に思えた」

右京「さらに……長期間に渡って治療薬を投与すれば、沙都子さんも自らの体に異常があるのではと考える可能性もある……」

右京「様々な要因があなたの頭を渦巻き……そして、それらを全て解決できる策をあなたは考えた」

右京「それが……『栄養剤の研究協力によるバイト』との名目を作ったことです」

右京「この方法ならば……沙都子さんに気付かれることなく治療薬を投与でき、協力費といった形で生活費の援助も自然に行える」

右京「……そうやって、あなたは陰ながら沙都子さんを助け続けた」

入江「…………」

入江「……まるで、一連の流れを実際に見てきたかのようですね。あなたの推理は」

詩音「…………」

詩音「……そんなの、嘘です」

梨花「詩ぃ……?」

詩音「悟史くんが……もう二度と目覚めないかもしれない? 治らないかもしれない?」

詩音「……絶対に嘘です。そんなこと、嘘に決まってます」

魅音「詩音、アンタ何を……!」

詩音「こんな……悟史くんが生きていることを黙っているような……沙都子にさえ教えないようなこんな男の話が……!」

詩音「本当なはずないじゃない!」

梨花「…………」

梨花「詩ぃ……ならば、入江に向けているその銃は、僕に向けてください」

詩音「…………?」

梨花「悟史のことを黙っていた入江が悪だというなら、僕も同罪なのです」

詩音「…………」

詩音「何ですか梨花ちゃま……あんたも知ってたんですか、悟史くんのことを」

梨花「…………」

詩音「沙都子の一番近くにいて! あの子が苦しんでいるのを誰よりも知っていながら黙ってたんですか!」

梨花「…………」

梨花「……そう。私は誰よりも罪が深い、沙都子には辛い思いばかりさせていた」

梨花「そしてあなたにも……助けられたはずのあなたも、何度見捨てたか分からない」

詩音「…………?」

梨花「でも、今は違う……遅過ぎたかもしれないけれど……それでも、私は教えてもらったから……!」

亀山『ただ守ってもらうだけじゃなく--』

梨花「私もあなたを守る! あなたの、大切な仲間として!」

すいません。短いですけど今日はここまでで、明日また来ます
読みにくかったりしたら言ってください


毎回楽しみにしてます
特に読みにくい点は見あたらないかと


ハラハラするな

乙です


詩音も助かりそうか…?
いい方向へいい方向へ行ってるな


薫ちゃんと圭一がマジ空気

乙!

そいえば、杉下さん赤坂チートのこと
警視って呼んでたけど、同じ警部
じゃなかったっけ

あ、圭ちゃんいたんだ

赤坂さんもかなり空気なきがするww

こういう場面は右京さんの独壇場だしな

>>555
それは違うところじゃない?

>>555
あんときは山狗にスクランブルかかってたからね
通常時はあんなにガッチリ固めてるわけじゃないだろうし、今の暴走詩音なら割と難なく突破しそう

発症者は異常なくらい身体能力上がるからな
特にL4やL5は

エクソシストみたいにカサカサ動くのかなぁ

それはそうと詩音さん
これ普通に殺人未遂で捕まりますよね

錯乱状態でFA

右京さんこういうの結構許してくれないよな
子供だけど銃だしな…

見逃したりしないよなあ
酌量の余地がある時はある程度配慮はあるけど

発症してる場合は責任能力が認められなくて無罪になりそうだけどね

罪を罪とも思わない、反省が見られない相手にゃ容赦なく声を荒げて糾弾して追いつめるからな、右京さん

恥を知りなさぁいっ!(プルプルプル

相棒をみながらこのスレを見る、最高やね

>>585
相棒の再放送ほとんど見たことあるんだよな
見てないのは固まってるんだろうな

首都圏に住んでる時は良かった
今の田舎はテレビロクなの放送しなくてつらたん

>>586
今日の再放送で女が鉄バットを引きずっているのを見てレナを思い出したぜ…

入江「り、梨花さん……!」

梨花「…………」

詩音「何ですか、その悪党を庇うつもりですか……ああ、アンタも同罪なんでしたね」

詩音「同じ悪党同士! そうやってお互いを庇い合って仲良く死んでいけばいい!」

圭一「やめろ詩音!」

右京「…………!」

興奮状態となっている詩音はいつ、引き金を引いてもおかしくはない。

張り詰めた空気の中

亀山「……えっ?」

一人、何かに気が付いた亀山は

亀山「……右京さん、少しだけここ頼みます!」

右京「!」

右京たちにその場を預け、走り去っていった。

魅音「ちょ、亀山さん!?」

右京「魅音さん! 我々が今、注意を向けなければならないのは詩音さんです!」

魅音「いや、でも……」

右京「何か考えがあってのことでしょう……彼はこのような場から、理由もなく背を向ける人間ではありません」

梨花「…………」

詩音「……何ですか、もう反論することさえないんですか? だったら……」

梨花「…………」

梨花「詩音……あなたはとても優しく、強くあろうとし、苦しさにも耐え続け……想い人を待ち続けた」

梨花「私が千年分の死を築いてきたのならば……あなたは、千年間の届かぬ想いに苦しみ続けてきた……」

それは、積み重ねてきた事実を知っているか否かの違いだけ。

今までの世界において、梨花が未来を迎えられずに涙を流した回数と同じだけ

詩音も、自らの想いを遂げられずに絶望してきたに違いないのだ。

それがどれほどに辛いことなのか、一人で戦いを続けることがいかに苦しいのか……梨花は誰よりも知っている。

梨花「だから……私は、あなたを救いたい」

詩音「…………」

圭一「詩音、仮にお前が梨花ちゃんを許せず、どうしても撃たなきゃ気が済まないってんなら……」

圭一「その代わりに、俺を撃て」

レナ「レナも、詩ぃちゃんにだったら撃たれたって構わないよ」

詩音「…………」

魅音「ねえ詩音……私さ、分かったつもりになって分かってなかったんだよ……詩音がどんなに辛かったのか」

魅音「仮に圭ちゃんがいなくなったらって想像してみたよ……凄く辛い、悲しい……認めたくない」

魅音「だから……私も、詩音と同じように必死になって探すと思う」

詩音「…………」

魅音「けどね……いなくなったのが詩音だったとしても、私は……同じくらい必死になって探すと思うんだ」

魅音「だって、詩音は私の妹だから……私が『魅音』で、あんたが『詩音』だから……!」

右京「人間は神ではありません……故に、全てのことを一人きりで成し遂げることも、抱え込むことも出来はしません」

右京「だからこそ、他人との繋がりを求める……自らが他者の助けとなり、そして他者から力を借りもする」

右京「我々人間は……ずっと、そのようにして生きてきたのでしょうねぇ。頼り、頼られ、力を合わせながら……」

詩音「…………」

右京「僕も皆さんと同じく……あなたにとって、そのような存在でありたいと心から思っていますよ」

詩音「…………」

詩音「…………!」

声が、聞こえた気がする。

それは部活メンバーのものでも、ましてや杉下右京の発したものでもない。

とても神々しく、柔らかく……語りかけるかのような声。

他の誰にも聞こえない、詩音だけにしか聞こえない……少女の声。

『あなたは、本当に悟史のことを想っているのですね……』

『その想いは純粋で、真っ直ぐな……とても、美しい感情』

『でも……それと同じくらいに、あなたのことを大切に想う人間がいることを……』

『仲間がいることを、どうか……忘れないでください』

>>591
逆のこと言いたかったのか?
>私が『魅音』で、あんたが『詩音』だから
>   詩音        魅音

詩音「……分かってるんですよ、そんなこと」

右京「…………」

詩音「途中で気付きました……監督の話を、みんなの話を、右京さんの話を聞いて……」

詩音「監督は悪くない……それどころか、悟史くんや沙都子のことを助けてくれてた人だって」

入江「詩音さん……」

詩音「でも、納得出来るはずがないじゃないですか……監督の話が全部本当だなんて……」

詩音「悟史くんに会えたのに……ずっとずっと探し続けて、やっと会えたのに!」

詩音「なのに、二度と目覚めないかもしれないだなんて……そんなの、受け止められるわけがないじゃないですか!」

梨花「…………」

残酷な事実を認められず、事実を嘘に変えようとしていた少女による悲痛な叫びだった。

その時

亀山「受け止めてるヤツがここにいるぞ!」

詩音「!」

沙都子「……銃を下ろしてくださいませ、詩音さん」

ここで沙都子か

苦しいな・・・・・・・・・・・

梨花「さ、沙都子!」

詩音「ど、どうして……沙都子が?」

圭一「意識が戻ったのか!」

沙都子「ご心配をおかけしましたわね……私は、もう大丈夫ですわ」

そう言って沙都子は一呼吸置くと、言葉を選びながら

沙都子「……少し、夢を見ていました」

梨花「夢……?」

沙都子「それは、まるで走馬灯のような……過去から今までを辿る旅のようでございました」

沙都子「……それで私は、自らが向き合わなければならない現実を知りましたの」

沙都子「三年前……私が崖から両親を……落ちる瞬間……」

沙都子「両親の手が私の肩や腹部に触れて……恐ろしい笑みを浮かべながら……私も谷底へ引き込もうとして……」

梨花「沙都子! あれは……あれは不幸な事故よ! 思い出すことなんて……」

沙都子「いいんですの梨花……これは、私が背負わなければならない事実ですから……」

右京「…………」

...逮捕されたりしないよな?

右京さんは甘くないから…

沙都子「そして、にーにーが突然いなくなったことも……そのにーにーが見つかって、その壁の向こうにいることも」

入江「沙都子ちゃん……まさか、全て聞いて……?」

沙都子「ええ……にーにーが二度と目を覚まさないかもしれないことも……私は、全部知ってるんですのよ?」

梨花「…………」

詩音「……それだけ知ったのに、受け入れられないようなことがたくさんあるのに!」

詩音「なのに……沙都子は受け止められるって言うの……?」

沙都子「…………」

沙都子「……一緒に、待っていてくださる人がいますもの」

詩音「え……?」

沙都子「詩音さん……にーにーが目を覚ますまで、どうか、私と一緒に……」

沙都子「『ねーねー』として……私と繋っていてください……!」

えんだああああああぁぁ???んあ????

これって「犯罪行為の自白」と見なされるのでは?

詩音「沙都子……私のことを、こんな私のことを……『ねーねー』って呼んでくれるの?」

沙都子「詩音さんは……私にとっての、大切な姉ですわ」

詩音「っ!」

沙都子の言葉に、詩音は泣き続けるしかなかった。

駆け寄って来た沙都子を抱きとめ、そしてまたひたすらに二人で泣き続けた。

兄を、想い人を、共に待とうと……共に迎えてやろうと心に決めて。

右京「…………」

右京「……壁の向こうにいる彼には、まったく意識がないのですか?」

入江「ええ……今は完全に眠っています、声も聞こえていないはずです」

右京「……では、偶然なのでしょうかねぇ」

入江「…………?」

亀山「分かりませんか? あれ」

右京「窓から見える彼の顔を……頬を濡らしている雫が、僕には見えるのですよ」

入江「!」

その瞬間、入江も確かに見た。意識のない北条悟史の目から流れる涙を。

入江「……奇跡です、意識があるはずがないのに……ましてやL5であるはずの悟史くんが涙を流すなんて」

右京「そうでしょうか?」

入江「…………?」

右京「彼女たちの想いを考えれば、あの涙は決して『奇跡』などではなく……『必然』であったのかもしれません」

入江「…………」

入江「……ええ、そうかもしれませんね」

信じられるか?これだけ一件落着感あるのに、まだ鷹野と戦う前哨戦なんだぜ?

----

右京「詩音さん、あなたのした行為は立派な犯罪です」

右京「銃刀法違反、傷害、脅迫……その辺りは、ご自分でも分かっていますね?」

詩音「分かってますよ、しっかり自覚してますから」

圭一「な、なぁ右京さん……」

右京「どうか、しましたか?」

圭一「詩音がやったことは確かにやりすぎだったけど……その、今回は見逃してもらうわけには……」

右京「気持ちは分かります……しかし残念ながら、僕は融通の効かない性格なのですよ」

圭一「…………」

詩音「優しいんですね圭ちゃん、でもいいんです。やったことの責任は、ちゃんと取らないといけませんから」

詩音「ですよね、右京さん」

右京「ええ……そうですねぇ」

ここで曲がらない右京さんが好き

入江「ちょっと待ってください……『傷害』? 『脅迫』? 一体、何の話ですか?」

右京「はい?」

入江「私は詩音さんに脅迫などされていませんし、傷害もされていませんよ?」

右京「では、その足のお怪我は?」

入江「転びました」

右京「転びましたか、そのような、まるで拳銃で撃たれたかのような傷の付く転び方で?」

入江「ええ、転びました」

亀山「…………」

入江の解答からすべてを察した表情を浮かべながら亀山は

亀山「じゃあ先生、診療所の壁についていた弾痕はどうするんです?」

入江「あれはああいう模様です、弾痕なんかじゃありませんよ」

亀山「へーえ、面白い模様っすね」

入江「誉め言葉と受け取っておきますよ」

命を狙われても人を助ける為だけに動く…
イリーも相変わらずだな

詩音銃刀法違反と殺人未遂でタイーホだな

銃刀法違反は逃れられないかな……

沙都子も逮捕されそうだ

亀山「で、どうします?」

右京「どうしようにも……当事者が『傷害でない』『脅迫でない』と申告しているわけですからねぇ」

亀山「じゃあ仕方ないっすね、本人が違うって言ってるわけですから」

右京「ですがまだ『銃刀法違反』が残っています……どちらにせよ、署まで来ていただかなければなりませんねぇ」

入江「それについてですが、詩音さんは先ほど……『責任能力に欠けるほどの錯乱状態』だった可能性があります」

入江「銃を銃として認識していないレベルの、非常に強烈な錯乱です」

右京「おやおや、錯乱状態ですか?」

入江「ええ、医師である私が言うんですから間違いありません……何だったら証人になっても構いませんよ」

右京「なるほど……では入江医師、あなたもご同行を願えますか?」

右京「『事情聴取』で、色々と話していただけると有り難いのですが」

入江「勿論……いくらでも協力しますよ」

そっちに繋げたか

これなら右京さんも見逃さざるを得ないな

詩音「か、監督……いいんですか!? 私、とんでもないことを……」

入江「いやぁびっくりしました、詩音さんが格好いいモデルガンが手に入ったなんて見せてきたものがまさか本物だったとは」

入江「それ以外は何もない普通の……いえ、とても良い一日でした」

詩音「…………」

亀山「そういうことだそうだ……お前らも心配すんな、詩音はまだ未成年なんだしどうとでもなるから、な?」

レナ「あはは……魅ぃちゃん、どうなの?」

魅音「どうかなー、私も詩音も何回お世話になったか分からないし……火炎瓶の時とか大変だったなぁ」

亀山「はっ!? か、火炎瓶!?」

圭一「ま、まあ……詩音! 大したことなさそうで良かったな!」

詩音「……ですね」

テンポ悪くてすいません、今日はここまでで
明日また来ます

乙!

乙です


今回は読んでてヒヤヒヤしたぜ

おつー

乙ー


圭一は最初から大丈夫そうだから、もうこれでルールXフラグは全部やったな
あとはいよいよ本ボシをあげるだけか


入江先生の協力と引き換えか
銃の出所とか気になるけど、この話はこの辺で決着つきそうだな

>>625

そこつついちゃうと園崎組がヤバい

乙です。
曲げないけどちょっと曲げちゃう右京さんかっこいい。

なんだかんだで融通きかせる右京さんいいね

>>625
そこにさっきから触れてない辺り右京さん既に察してる

すいません、思いのほか疲れてしまったので今日は勘弁してください
今日の分も書きためて明日は必ず来ます

おk

お疲れさまー
体調気をつけてー

問題ない。体は大事にしてくださいな

>>630
了解です

把握

待ってます!

>>1が発症している可能性


体調を崩さないよう気をつけて

乙!暑いから出来る範囲で体をいたわってくださいな

無理しなくていいんやで

やっぱ相棒は杉下と亀山のコンビが一番だわ~

>>626
その辺は下っ端が捕まってなあなあでしょ。

右京さんがみよちゃん説教しちゃったらトミーの見せ場なくなんじゃね?

>>642
番犬の呼び出しと、
彼女を抱きしめるという重要な役割があるだろ

>>642
右京さんでも三四さんを説教することは出来る
でも、>>643も言うとおり、彼女の大切な人としての言葉を掛け、彼女の全てを受け止める事が出来るのは富竹ジロウただ一人だけ

でも右京さん、空気読めるかな……

女心わからないブラザーズの片割れだからな……

亀山がその辺なんとかしてくれる

右京さんを抑えることができる人間って誰がいるだろー?
亀山かそれとも「自分自身が向き合いたいんだ」とか言って時報が頑張るか

亀山「じゃ、行きますか」

右京「その前に……僕たちは圭一くんたちに、お礼を言わなければいけません」

レナ「えっ……?」

右京「君たちのおかげで、誰も重傷を負うことなく、詩音さんを止めることが出来ました」

亀山「あれだけ興奮状態だった詩音を説得するのは、俺たちだけじゃ無理だったろうしな」

圭一「けど……そもそもの原因は俺たちが無理を言って捜査に協力しようとしたのが……!」

亀山「だから、お前らのせいじゃないっての! 上手いことまとまったんだから、これ以上気にすんな!」

右京「これからも……我々に協力してくれますか?」

圭一「…………!」

レナ「はい……約束します」

魅音「部長として黙ってるわけにもいかないからね!」

亀山「沙都子、お前も頼むな!」

沙都子「起きたばかりで事情はよく飲み込めておりませんが……私でお二人の力になれるのなら」

右京「しかし……少しだけ引っ掛かります」

亀山「何がですか?」

右京「君のことですよ」

亀山「えっ! お、俺っすか!?」

右京「詩音さんが入江医師に銃を向けていた時、君は何かに気が付いてその場を離れましたね?」

右京「そしてしばらく経った後、沙都子さんと共に再び戻ってきた……」

右京「しかし、なぜ君は急に沙都子さんを呼びに向かったのですか?」

亀山「あっ……」

右京「沙都子さんは僕たちが診療所に到着した時点では、まだ目を覚ましていませんでした。当然、いつ意識が戻るかも分からない」

右京「にも関わらず……あの時の君の行動は全く迷いのないものでした、まるで彼女が目覚めることを知っていたかのように」

右京「そして結果として……君の連れてきた沙都子さんが詩音さんを説得するための、最後のキーパーソンとなった」

右京「この一連の流れが偶然とするには、少々出来過ぎていると思うのですがねぇ」

亀山「あの、実を言うと……『声』が聞こえまして」

右京「はい?」

亀山「あの……なんていうか、頭に響いてくるような声で……」

『沙都子をここに……詩音を止めるためには、彼女の力が必要です……!』

『大丈夫……沙都子は、既に目覚めています……だから、早く!』

亀山「……って」

右京「…………」

右京「声……ですか」

亀山「……やっぱり、信じてくれないっすよね?」

流石亀山くんだな


梨花「亀山……それは、女の子の声ではありませんでしたか?」

亀山「えっ?」

梨花「……僕たちと同じくらいの年齢の、女の子の声ではありませんでしたか?」

亀山「そ、そうそう! 梨花ちゃんも聞こえたのか!?」

梨花「…………」

梨花「亀山、それはきっと『オヤシロ様』の声なのですよ」

亀山「へっ? お、オヤシロ……?」

梨花「この雛見沢に伝わる神様なのです、古くから僕たちを守っていて……みんなから慕われている神様なのですよ」

亀山「じゃ、じゃあ……そのオヤシロ様が、俺にお告げを!?」

梨花「…………」

梨花(そう、いつも『期待しすぎるな』って言ってるあんたも……協力してくれるのね)

羽入『……僕は、この雛見沢の守り神ですから』

最後の駒が盤上に出たてきたぞォ!

羽入が「お前が本気出さないから抜け出せないんだよ」的な事言われるの何編だっけ?

亀山「けど……オヤシロ様の神のお告げなんてさすがになぁ」

梨花「みぃ、古手の巫女である僕が『オヤシロ様はいる』と言っているのですよ?」

亀山「またまたぁ、そんなこと言っちゃって……いっつもそうやって俺のことをからかうんだから、ねぇ右京さん?」

右京「…………」

亀山「……右京さん? どうしたんです?」

右京「……亀山くん、確かに君には聞こえたのですね? その『声』が」

亀山「まあ……聞こえたのは聞こえたんですけど……」

右京「…………」

右京「……やはり、僕には霊感がないのですかねぇ」

亀山「……何か、残念がってません?」

右京「気のせいです」

>>656
多分皆殺し編かな

右京さんかわいいなwwww

なんで「ついている女」前後編一気にやらないんですかね……

右京さんに霊感とかあったら、被害者の幽霊の証言から真実を導き出してしまいそうで洒落にならん

右京「それと……梨花さん、是非あなたも興宮署まで来ていただけませんか?」

梨花「入江の話の立ち会い……としてですか?」

右京「それもありますが……もう一つ、あなたに会わせたい人が」

梨花「僕に……ですか?」

亀山「俺たちと同じ、東京から来た刑事だよ。昔、梨花に予言をしてもらって奥さんを救われたって」

梨花「!」

右京「彼は……今度はあなたを救いたい、そう言っていましたよ」

梨花「そ、その刑事の名前は……?」

右京「…………」


  |\  !`ヽ   | ̄〉  | ̄〉            }ヽ   ト、___     ー 、  ヽ
  ,」 /r、 ,i  1.、 ト! !|`< ! |  1ヽ  __      ノ !   ヽ  ヽ     } ム ヽ i 〉
  1 V 〉| /i ヽ|  i! ハヽ| | ,} 〉  ヽヽ    /  」  r‐'__ノ   、___」  } i 〉
  .!  / !./ | /L  /ヘ{_ノ| |  ,i '   i  i  / /   | |      1   ノ
  _7ムヽ/r-ヘVーュ  r ┘ .! !  | !     !  i ./ /     ! !      `ュ 「/´ ̄}
  |  「! } ´ ̄   |  ヽ.1ヽ. |  i |.    |  |〈 {     | レ-‐-、    | |ー┐_ノ
  レ1 |ヽ!ヽ__/ヽ |  |! !{_ノ |∧| |   __」  i ヽ ヽ    |  /´ヽ ヽ  i  |
  N ヽ| 「 | | ! , !ト-' 」 r ' | レ'| ヽ.  |  ヽ ヽ   ! /   !. | ! ! /
  |  .  | .| | /イ | r= | |.  !   {  ヘ  i   ヽ ヽ  L/   /  i i  i | L__,.ヘ
  | ,i ト、 | .| |  |. !    ! !.  i  |   ー'    !  |    /  / {  | !    |
  レ1 .| ! .r┐ i  |. !    ! !  ヽ_/        ヽ_ノ   ∠___/  ヽ_ノ ヽ__ノ
  └'' └' └'  └'   └'


---
興宮署、取り調べ室

大石「んっふっふ……これはこれは入江先生、わざわざ署まで来ていただいて」

入江「…………」

大石「それで杉下さん……件の診療所の先生を引っ張ってきて、何をなさるおつもりなんです?」

赤坂「……以前、僕が杉下さんに考えをお尋ねしたとき『人数が足りない』と言われましたね」

赤坂「なるほど……彼がその、足りない人でしたか」

右京「ええ……そして、もう一人」

赤坂「もう一人……ですか?」

右京「どうぞ、入ってきてください」

右京がそう呼びかけると、亀山が一人の少女と共に取り調べ室へと入ってきた。

梨花「…………」

赤坂「!」

梨花は赤坂の顔をじっと見つめていた、目の前にいる人物が、過去に自分が助けを求めた刑事に間違いないことを確かめるように。

赤坂も同様に、突然現れた予言者の少女を、自分の妻を救ってくれた少女から目を逸らさずに見つめていた。

数秒の沈黙の後

梨花「赤坂っ……!」

赤坂「久しぶりだね、梨花ちゃん……」

梨花「遅いのです……最後の最後に現れて、こんな……!」

赤坂「ひどく遅刻をしてしまったようだね……でも、ここからは僕も君の力になる」

赤坂「僕に、あの時の恩返しをさせてほしい……!」

梨花「赤坂……赤坂……!」

大石「なるほど、もう一人とは古手家当主……古手梨花さんでしたか」

右京「……これで全員が揃いました、入江医師……お話をお願いできますか?」

入江「……どこから話しましょう、いえ……大石さんやその赤坂刑事は、一体どこまで知っているんですか?」

大石「んっふっふ……そうですなぁ、あなた方が診療所にかこつけて、何やらきな臭い研究をしているらしい、ということまでは」

右京「そして、背景に存在する『東京』と呼ばれる組織のことも……」

入江「と、『東京』のことまで知っているんですか……!」

亀山「そもそも赤坂さんが雛見沢に来た理由も、入江診療所に確かな疑いを持ったからなんですよ」

梨花「入江……どうか、全てを話してほしいのです……あなたの知っていることを」

入江「…………」

梨花の言葉に、入江は少しだけ考えた。

雛見沢症候群のこと、入江機関のこと、そして『東京』の存在……ここにいる人間はそれら全てを知っている。

ならば、もはや全てが明らかになるのは時間の問題だろう……特に、この刑事たちの手に掛かれば。

入江「……分かりました、全てをお話します」

そして、入江は語り出した。

風土病でもある雛見沢症候群の詳細、今まで起こった鬼隠しの真実……それらで入江が知っていることの、全てを。

園崎が犯人と信じて疑わなかった大石は入江の言葉にひどく驚いていたが、対照的に冷静な赤坂に抑えられつつ何とか話を聞いていた。

東京‥
狂った街ぃ‥

右京さん、なんか羽入の声聞こえなくて悲しそうだけど霊とかそういうの好きなんだっけ?
あんまりそういうの興味なさそうだけど

単になんでも気になるだけじゃないかな?
金田一とは相性良さそう

>>668
幽霊なんかは信じてるみたいだね

右京さんは超能力にも興味津々だったな

わたし、気になります!

>>672
水谷豊で脳内再生されたぞこらwwwwww

最新シーズンでも霊とか気になりまくりだしな

亀山くんを筆頭に、右京さんの周囲の人ばっかりそういうのに遭遇してるからな…

霊媒体質だけど、本人は感じることができない
みたいな感じだな右京さんは
ありえるかはわからないけど

赤坂「なるほど、信じがたい話です……しかし、それならば私が調べていたこととも辻褄が合います」

赤坂「大石さん、入江医師の話は……十分にあり得ることだと思いますよ」

大石「雛見沢症候群……私ゃ、何か物語の筋書きみたいに思えますが……いや、しかし……!」

右京「そして……その雛見沢症候群の『女王感染者』が古手梨花さんなのですね?」

亀山「何か、梨花だけはその雛見沢症候群を発症したりはしないって聞いたんですけど」

入江「ニュアンスが少し異なっているようですが……確かに、梨花さんの雛見沢症候群は、他のそれとは一線を画すものです」

右京「あなたたち入江機関が梨花さんに『山狗』という部隊まで付けて護衛をしているのは、やはり梨花さんが女王感染者だから」

入江「そうです……私や鷹野さんの最重要任務の一つが、梨花さんを守ることですから」

最新シーズンでカイト君が幽霊に会ったらしいって聞いて若干悔しそうにしてたりしたね

右京「では、あなたたち入江機関が梨花さんを傷つける可能性は……?」

入江「な、何を言っているんですか!?」

右京「仮定の話です……そのようなことは起こりえませんか?」

入江「絶対にあり得ません、梨花さんを保護する立場である我々が、その梨花さんを傷付けるだなんて……!」

赤坂「……入江医師、今度は私たちの話を聞いていただけますか?」

入江「……何でしょう?」

赤坂「我々は……とある筋から、梨花さんが危機に陥っているとの情報を掴みました」

赤坂「このままでは……梨花さんは、綿流しの夜を終えた後に……殺されます」

入江「そんな……そんな馬鹿な……梨花さんが狙われているだなんて、私はまったく……!」

右京「…………」

梨花「……右京、どうしたのですか?」

右京「少し、気になることが……入江医師」

入江「?」

右京「梨花さんが特殊な感染者であり、雛見沢症候群を研究するあなたたちにとって、非常に重要な存在であることは分かりました」

右京「ですが……本当にそれだけなのでしょうか」

入江「……どういうことですか?」

右京「聞けば山狗とは、相当に訓練を重ねている部隊であると聞きました」

亀山「ただの護衛っていうには、ずいぶんと派手な連中ですね」

右京「ええ……それほどの部隊が、万が一にも梨花さんが重傷を負わないように配慮をしている……」

右京「それほどに梨花さんが大切だと言われればそれまでですが……僕には、何か別の理由もあるのではと思いました」

大石「別の理由……ですか」

右京「例えば……『女王感染者』である梨花さんが命を落とした場合、取り返しの付かない不都合が発生してしまう」

入江「…………」

亀山「なんでまた、そんなことが言えるんですか?」

右京「ずっと気になっていました、『女王感染者』というワードそのものが」

大石「ワードそのもの……?」

右京「確かに梨花さんは特別な感染者ではあります、しかし……なぜつけられている冠が『女王』なのか」

右京「単に特別な感染者であることを示すのならば、もっと別な呼称がいくらでもあったはずです」

右京「ならば、その『女王』というワードには……必ず何かの意味がある……」

赤坂「『女王感染者』……ですか」

右京「『女王感染者』、言い換えれば感染者の女王……感染者の上位に立つ存在」

右京「感染者における上位の存在の身に何かが起こったとすれば……果たして、どうなるのでしょうねぇ」

入江「…………!」

右京「もっとも……専門の研究者ではない僕の推察など、何の価値もありません」

右京「入江医師、是非ともあなたからお聞きしたい……梨花さんが命を落としたという、仮定の話を」

入江「…………」

梨花「入江……入江が悪い人でないことは、私が一番よく知っている……」

梨花「沙都子を影からずっと守り続けたあなたの優しさに私は感謝しているし……そして、これからも忘れない」

梨花「右京も、それをよく分かっている……真っ直ぐに研究を進めていたあなただからこそ、右京は問い掛けているのよ」

梨花「だから……入江……!」

入江「…………」

入江「察しの通りです……仮に梨花ちゃんが死んでしまえば、それは……とても大変なことが起こります」

右京「…………」

すいません、ちょっとだけ間を空けます、もう一回来ます

了解です

把握

入江ェ

この女王が亡くなると~の下りは本当にどうしてこの結論に至ったか分からない
これのせいで一二三さんの研究は、他のとこも怪しくて、不当な評価ってわけでも無いんじゃないかと思えてしまう

女王感染者は他の感染者の精神を落ち着かせる力みたいな物を持っていたはず。
じゃあ女王感染者が死んだら?て言うんで、落ち着かせる力を持った人間が居なくなるから暴走する、という結論だったような気がする。

まあ暴走云々は的外れだったんだけど…

入江「女王感染者の死……それは、この村全体の死を意味します」

入江の口から語られた事実は衝撃的な内容だった。

女王感染者である古手梨花が死亡した場合、48時間以内に感染者全員が末期症状を起こすとされる。

つまり、村人全員が極度の精神不安定となり、殺し合う事態になることを意味する……

そして、緊急マニュアル34号、末期症状になった村人全員を殺害する終末作戦の存在……

入江「……そんな恐ろしい事態に決してならないよう、我々は研究を重ね、そして梨花さんを保護しているんです」

右京「…………」

赤坂「それが、あなたの言っていた『我々が古手梨花を殺すはずがない』との理由ですね?」

入江「そうです……私が話したことは全て真実です、誓って嘘は言っていません!」

亀山「なら、入江機関が梨花を狙う動機がないことになりますよね?」

右京「…………」

その時、右京の胸元から電話のコール音が鳴り響き

右京「失礼……杉下です」

角田『ようやく見つけたよ、かなり古い記事だったけどな……何でも----』

右京「…………」

右京「……そうでしたか、どうもありがとう」

亀山「誰からだったんです?」

右京「角田課長からです……たった今、僕がしていた調査依頼の報告が届きました」

大石「何なんです、その報告というのは」

右京「入江さん……あなたたちがこの入江機関で行っている研究は、近々打ち切りになることが決まっているようですね?」

入江「……その通りです、私も鷹野さんも研究の打ち切りには断固として反対をしていたんですが」

赤坂「一研究員に過ぎないあなたたちの意見で大勢を変えることは不可能だった……」

入江「……はい」

右京「しかし……これで、入江機関が梨花さんを殺害する動機の部分が明らかとなりました」

亀山「えっ!?」

えっ!?

えっ!?

えっ!?

えっ!?

お言葉ですが杉下警部

右京さ~ん、俺にも分かるように説明して下さいよ~

亀山君多すぎわろた。

右京「以前、赤坂警視から『東京』の話を聞いたとき」

赤坂『閣僚などにも構成員は多くいますが……組織内で派閥争いが起きたため、今は半ば分裂しかけていると』

右京「そう言っていましたね?」

赤坂「ええ、確かに」

亀山「それがどうかしたんですか……?」

大石「……権力闘争、そういうことですか」

右京は大石の呟きに小さく頷いて応えつつ

右京「仰る通り……入江機関の施設を見れば分かるように、雛見沢症候群の研究には決して少なくない研究費が掛けられているはずです」

右京「三年後の研究打ち切りも、おそらくはそれが原因でしょう」

亀山「つまり、自分が情熱を注いでいた研究が打ち切りになることは鷹野三四にとって許せることじゃなかった……」

梨花「まさか……それで鷹野は……!」

赤坂「梨花ちゃんの死に追いやり、入江所長の言っていた終末作戦を実施することで……自らの研究の正当性を確かなものにする」

入江「…………」

入江「私には信じられません……鷹野さんがそんな……第一、あなたたちが言っていることは全て空想じゃありませんか!」

右京「しかし、心当たりがないわけではない……もしかしたら、万が一の可能性は……あなたも、そうお考えなのではありませんか?」

入江「…………」

右京「……入江医師、最後に一つだけ」

入江「何でしょう?」

右京「雛見沢症候群……その末期症状を発症した場合、自らの身体を傷つける自傷行為は……確認されていますか?」

入江「……L5を発症した場合、狂気とも言える妄想に取り憑かれることが一番の特徴ですが」

入江「それと同時に……腋窩や頸部のリンパ管に非常に強い掻痒感を覚えます」

入江「それから逃れるために体内の血管が破れるまで自分の体を掻き毟り、そのまま命を落とすことも……」

亀山「う、右京さん……それって……」

右京「…………」

右京「入江さん……僕たちが今からする話は決して冗談ではなく、ましてやあなたを騙そうとするものでもありません」

入江「…………?」

右京「今年の綿流しの夜……富竹ジロウさんと鷹野三四さんが亡くなります」

入江「っ!?」

梨花「富竹は自らの喉をかきむしって……鷹野はドラム缶の中で焼き殺されて……」

入江「なっ……」

右京「そしてその後、古手梨花さんが殺される……我々はこれら三つの事件に、何か繋がりがあると考えています」

入江「あ、頭が混乱してきましたが……待ってください、仮にそれらの事件が起こったとしても、私は決して……」

赤坂「ご心配なく……あなたが犯人だとは思っていませんよ」

右京「疑わしき人物は……一人しかいません」

赤坂「それと……大石さん、ここからは……かなりヤバいヤマになってきます」

赤坂「この先へ踏み込むつもりならば……相当の覚悟が必要かと」

大石「……相当の覚悟、つまり……金も地位も、全てを捨てる覚悟があるかと、そういうことですか」

赤坂「ええ……大石さんは今年で定年、退職金だって入ってくる……とても重要な時期です」

赤坂「そんな時期に、これほどのヤマに手を出して……仮に手痛いしくじりをしてしまったら」

大石「…………」

赤坂「大石さん、お金は大切です……仮に今ここで事件から手を引いても、あなたを責める人は誰もいません」

大石「…………」

大石「…………」

特命の二人はしょっちゅうヤバイことに首突っ込んでるような気がする

ひぐらし、まともに見てなかったし特に興味も無かったからネタバレとか気にしないでこのSS見出したけど
ヤバイ、超おもしれぇ
今更ひぐらしの原作やりたくなってきた

官房長も関わってそうな

大石「……くだらないことにお金を掛けてきました、そして私ゃ……借金を未来へ後回しにする、どうしようもない性格でしてね」

大石「博打や酒や煙草だの……そんなものに使う金が欲しくてね、もっと早くに金を返していれば利子の分、得を出来たのに」

赤坂「…………」

大石「デカいヤマ……上等じゃないですか、私ゃ今までずっと事件の真相を追い求めていたんですよ」

大石「それに……私は墓前で誓ったんです、おやっさんを殺した犯人を必ず挙げてやるって! 私の刑事魂にかけて!」

大石「その私が……その私が……懲戒免職が怖いって? 退職金がフイになるかもしれないのが怖いって? ……あぁ怖いですよ!」

大石「何千万って金が入ることをアテにした人生設計が全部吹っ飛ぶんですよ!?」

大石「北海道に住んで、社交ダンスを楽しんで、そしてゆっくりと遊んで……楽しい余生じゃありませんか」

大石「そんな自分の思い描いた余生が吹っ飛ぶことの、何が怖いっていうんですかねぇ!?」

右京「…………」

大石「この警察手帳を床へ叩き付けてやりゃいい! 退職金なんざいらねえって声高々に言えばいい!」

大石「たったそれだけのことが、何でできないんだ!!」

亀山「もういいですよ、大石さん!」

大石「あれだけ追い求めた事件の真相に辿り着けるかもしれない……今年起きるかもしれない惨劇も防げるかもしれない!」

大石「なのに私ゃ、最後の最後で怖じ気付いてる……私の刑事魂ってのは、そんなモンだったんですかね!?」

亀山「大石さん! アンタは何も悪くない、アンタは立派な刑事だ! そんなに自分を貶めるようなことを言わないでくれよ!」

右京「亀山くん」

亀山「だってそうでしょ! 定年も近いのに、今までずっと大石さんは事件の真相を暴こうと必死だった! 必死だったんですよ!」

亀山「その大石さんが葛藤するくらいに、退職金は重いってことじゃないですか!」

赤坂「…………」

亀山「退職金ってのは今まで働いてきた分の年月が蓄積された、自分自身の努力の結晶ですよ! 簡単に捨てられるものじゃない!」

亀山「必死に刑事として生きてきたからこそ! アンタは自分の努力の結晶である退職金が惜しいんだよ、大石さん!」

右京「亀山くん……それ以上は」

亀山「けど右京さん!」

右京「ここからは大石刑事自身の判断に任せるしかありません……」

右京「僕たちが気安く口出し出来るほど……彼の刑事人生は、軽いものではないはずです」

亀山「…………!」

右京「……大石刑事」

大石「…………?」

右京「先にも言ったように、僕たちはこれ以上の口出しをするつもりはありません……ただ」

右京「自らの積み重ねた刑事人生にそこまでの誇りを持っているあなたを……僕は心から尊敬します」

大石「…………」

大石「……少し、時間をくれませんか。『大石蔵人』という人間がどう変わるのか……」

大石「その選択をする時間を……踏み出す勇気を絞り出す時間を……私にくれませんか」

梨花「もちろんです……大石、あなたがいかなる選択をしたとしても……僕はあなたに敬意を表します」

梨花「どうか……迷いながらでもあなた自身の手で、決断を下してください」

その時、大石は確かに聞いた。

『あなたを、許しましょう』

大石「!」

それは、都合のいい妄想……あるいは空耳だったのかもしれない。

『自らの人生に誇りを持ち、それが故に迷い続ける……与えられた選択肢から目を背けずに迷えるのは、強さの証……』

それでも、自らに語り掛けるその声に

『そんな強い大石が決断に時間を必要とすることを、迷うことを……私は許しましょう』

自らの迷いを受け止めるその声に

大石「…………」

大石は

大石「……ありがとう」

心から、救われたように感じていた。

すいません、今日はここまでで。
明日また来ます

おつー

はにゅーも上手く仕事してるな


もう勝ちしか見えない。ここから絶望はもうないだろ

>>712
おいあんた!ふざけたこと言ってんじゃ……

やめろ>>715っちゃん!!!

以下ラーメンス…おっと誰かきたようだ

>>712
貴様のその一言で何人の山狗が犠牲になると思ってるんだ!えっちいちなみちゃん注射するぞ!そんでフレッシュすればいい!

乙です


何か大石がカッコいい

何これ超面白いんですけど?超面白いんですけどー!!!

ひぐらしは推理物としてはアレだけど逆転劇としては最高の部類に入ると思うの
毎回悲劇的結末→防げなかった事を涙ながらに悔しがる主人公たち
 →最後の最後でみんなで力を合わせての逆転劇
こういう話大好物の俺にとってひぐらしは最高だった。音楽もいいしね!

続き期待!!

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入江の取り調べから解散し、数刻後

亀山「もうここまで来たらほぼ間違いないっすね、黒幕は鷹野三四と山狗部隊!」

右京「ええ……加えて、背後に控えている『東京』、その中で鷹野に手を貸している派閥も相手にしなければなりません」

右京「『東京』の組織に関しては公安である赤坂刑事がある程度カバーしてくれるでしょうが……」

亀山「雛見沢内で起きるであろう事件については、俺たちが……ってことですね!」

右京「そうなります……君も、相応の覚悟はしておくべきですよ?」

亀山「俺は大丈夫ですよ! 俺は大丈夫っすけど……やっぱり入江先生、さっきの話、完全には信じられないみたいでしたね」

右京「無理もありません、共に研究を行っていた鷹野三四が雛見沢そのものを消し去ろうとしているなど……」

右京「彼にとって、簡単に信じられることではないでしょう」

亀山「何か、決定的な証拠でもあれば……!」

野村だっけか? 鷹野を唆したの。 うみねこのベアトと同じ魔女って説があるけど。

右京「証拠がないのならば……探すしかありません」

亀山「そうですけど、一体どうやって探すんですか? 第一、何を証拠として提示すれば……」

右京「富竹ジロウを殺害するために用いるであろう凶器です」

亀山「富竹ジロウを……確か入江先生の話じゃ、雛見沢症候群がL5になると痒みから血管が破れるまでかきむしる……」

亀山「そして、富竹ジロウは自らの手で喉を切り裂いて死ぬ……!」

右京「つまり、富竹ジロウさんが自ら命を絶つとすれば、まず間違いなく雛見沢症候群の末期症状の発症が原因です」

右京「しかし、何の前触れもなくいきなり末期症状を起こすことなど……通常は考えられません、ならば」

亀山「富竹ジロウの末期症状は、何らかの薬物によって意図的に作られたもの……その薬物を押収出来れば!」

亀山「けど……どうやって……そんな危ない薬、鷹野が厳重に保管してるに決まってますよ!」

右京「…………」

右京「……見つかるかもしれませんよ?」

亀山「う、右京さん……心当たりがあるんですか!?」

右京「君は、覚えていませんか? 入江医師が口にしていた、鷹野三四の仕事内容を」

亀山「鷹野三四の仕事……」


入江『例えば、この診療所にある薬品の管理をしてくれているのも鷹野さんなんですよ?』


亀山「あっ……!」

右京「……入江医師に、もう少しだけ協力を仰ぐ必要があります」

亀山「すぐに呼んできます!」

右京「ああ、それと……もう一人、話を聞いておかなければならない人が」

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某所

富竹「急に呼び出されて驚きましたよ、杉下さん……それに、入江先生までお連れになって」

右京「時間を取らせてしまいすみません……どうしても、あなたにお聞きたいことが」

富竹「それは構いませんが……一体どんな話を……?」

右京「話を伺う前に一つ……僕たちはあなたに謝らなければならないことがあります」

富竹「?」

右京「以前、我々は観光客だと言いましたが……その際、職業を明らかにしていませんでした」

亀山「俺たち、こういう者なんですよ」

二人が胸元から取り出した黒い手帳を見て、富竹は驚いた。

手帳の表紙、そこには金色に輝く文字で

富竹「警視庁……?」

右京「改めて……警視庁特命係、杉下です」

亀山「同じく、亀山です」

富竹「…………」

富竹は突如として現れた特命係の二人に対して警戒心を抱いているようだった。

なぜ警視庁の人間が雛見沢に、なぜ自分にコンタクトを取ってきたか、それも入江所長を同伴して……

入江「富竹さん……この方たちは、雛見沢症候群の存在を既にご存知です」

富竹「!」

入江「加えて、入江機関の実態……僕や鷹野さんのこと、そして『東京』のことまで……」

富竹「まさか……!」

右京「誤解をしないでいただきたいのは……僕たちは、あなたを取り調べるために来たわけではありません」

亀山「さっきも言ったように、話を聞きにきただけです……そもそも俺たちの仕事は、単なる『祭りの警護』っすからね」

富竹「…………」

富竹「そこまで知っているのなら……当然、僕のこともご存知なんですね?」

右京「富竹ジロウさん……入江、鷹野の両名と同様に『東京』に所属している」

右京「ただし……その役割は研究ではなく、『入江機関』の監視……そうですね?」

富竹「…………」

入江「富竹さん……先ほども言いましたが、この方たちは全て分かっています」

入江「そして、決して悪い人ではありません……僕が保証します」

富竹「…………」

富竹「……僕に、どんなお話ですか?」

右京「単刀直入にお伺いします……最近、入江機関でおかしな動きはありませんでしたか?」

富竹「僕の知りうる範囲では……何も」

右京「何も、ありませんでしたか?」

富竹「……なぜ、そんなことを?」

右京「とある確かな筋から掴んだ情報なのですが……入江機関に対し、不自然な資金の流れが確認されています」

富竹「っ!?」

亀山「『東京』……何だか、最近は内部紛争が激しいって聞きましたよ?」

右京「今回の入江機関に対する資金流入も……背後にいる『東京』の思惑が絡んでいるとみて間違いないでしょう」

富竹「…………!」

右京「……あなたの思い描く範囲での、最悪の事態が今まさに起こっている可能性があります」

続きが気になりすぎる!

富竹「そんな……そんな馬鹿な……!」

右京「ええ、実に馬鹿げた話です……ですから、是非あなたにそれを調べていただきたいのですよ」

亀山「鷹野さんが妙なことで疑われてるなんて、いい気分がしないじゃないですか」

右京「疑うわけではありませんが……あなたは鷹野三四と親しい関係にあります」

右京「それゆえに……何か、些細な見落としがあったのかもしれない、どうしても我々はそう考えてしまうのですよ」

富竹「…………」

入江「富竹さん……僕も最初は信じられませんでした……正直、今でも信じきれていません」

入江「ですが……最近の鷹野さんを見ていると、どうにも……!」

富竹「…………」

富竹「……分かりました、僕は鷹野さんを信じたい。信じたいからこそ……彼女の潔白を証明します」

右京「ご理解をしていただき、感謝します……そして入江医師」

入江「何でしょう?」

右京「あなたにも……いえ、富竹さんも含むあなたたちに……僕から、頼みたいことがあります」

----

富竹「……その策を、僕たちに実行しろと」

右京「最悪の有事に備えてです……この策も、決して万全ではありません。言わば非常に危険な賭けです」

右京「あなた方が拒否するならば……何か別の策を考えます」

富竹「…………」

富竹「……分かりました」

入江「き、危険すぎますよ! それで万が一のことが起きてしまえば、私は……!」

富竹「万が一が起こらなければいいんです……鷹野さんが、僕たちの想像するような存在でなければ……」

亀山「富竹さん……」

富竹「杉下さん、進言には従って鷹野さんの調査をしてみます……しかし、それでも僕は、彼女を信じていますよ」

右京「…………」

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学校・放課後

圭一「そろそろだよな……綿流しの日」

魅音「梨花ちゃん……右京さんたちは何だって?」

梨花「調査を進めているようです……ほぼ、犯人は絞り込んでいると」

レナ「入江機関に関わる人で……監督は犯人じゃない……それってつまり」

沙都子「私は……まだ信じられませんわ」

詩音「沙都子……」

圭一「……守り抜くんだ、俺たちで。誰かに頼るだけじゃなく」

その時、部活メンバーの背後から

右京「みなさん、こちらにいましたか」

亀山「よっ!」

魅音「……噂をすれば何とやら、だね」

レナ「大石さんまで……!」

大石「いやー、その……なっはっは……何かすいませんねぇ」

圭一「な、何かあったんですか!?」

右京「今のところは、何も」

魅音「そっか……とりあえずは安心したよ」

右京「もっとも……これから何かが起きるかもしれませんが」

レナ「えっ!?」

沙都子「そ、それはどういうことでございますの!? 梨花を狙う敵とやらが、綿流しの前に強襲を……」

亀山「いやいやいや、そういうことじゃなくってな」

魅音「じゃあ一体なんなのさ! これから起こる何かって!」

右京「事件に関することではありますが……皆さんが心配するようなことではありませんよ」

亀山「今、この雛見沢の走行ルートの確認をしてるんだけどな……」

魅音「……何も起こりようがないじゃん、大石さんの運転が荒くて事故でも起こすかもしれないって?」

大石「なっはっは、コイツは痛いところを突かれました……いやね、大体雛見沢は回ったんですけどね」

大石「どうしてもまだ、行ってないところがありまして……警察車両じゃちょーと行きにくいんですよ」

魅音「へ? どこよ、それ」

詩音「…………」

詩音「……ああ、あの鬼ばあさんがいる所ですか」

魅音「…………」

魅音「あっ……はいはい、うん、なるほど……うん、よく分かった」

大石「そうなんですよ……加えて、杉下さんが非常に細かい裏道までくまなくチェックするものですから」

圭一「魅音の家を周りをパトカーでウロウロするのは……確かに、何か起きるかもな」

梨花「挑発行為と見なされて、中から怖いこわい人が出てくるかもしれないのですよ」

梨花「警察車両を奪われ、護送中のついてない女囚人二名を巻き込んだ、警察内部の密通者を含む敵のヤクザと大混戦なのです」

沙都子「梨花は一体何の話をしているんでございますの?」

今日やってた奴じゃねーかwwwwww

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某所

『いよいよ実行の日も間近ですな……Rも何か感づいているのか、ここ数日は妙な行動を』

『あら、それもオヤシロの巫女としての力かしら……面白いわね』

『それと……警察の連中も動いとるようです、以前お話した二名の他に、もう一人が公安からこの雛見沢へ』

『本庁が動いていると言っても所詮は数人……大した障害にはならないわ……計画は当初のまま実行よ』

『了解!』

『……ようやく、私は神になる……この雛見沢の神になれる!』

--そして、ついに

--綿流しの日を迎える

一旦切ります、もう一回来ます

いったん乙!

おっつおっつ

ええなぁ、鷹野さん相手に右京さんと薫ちゃんはどう立ち向かうのか

おーつー

ほとんど澪尽くしだけど綿流し前で偽装死亡をやってないって所が先を分からなくさせてるなwww

はたして杉下さんの策とは!?

乙です

実に面白い

さっきまで録画してた今日の相棒を見てた俺にはタイムリーなスレ

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車内

右京「…………」

亀山「……動いてきますかね」

右京「何らかのアクションは起こして来るとは思いますが……いつ、どのタイミングで仕掛けて来るかまでは予測がつきません」

亀山は車内に取り付けてあった無線を手に取り

亀山「赤坂さん、どうですかそっちは」

赤坂『少し離れた車両内から梨花ちゃんの演舞を目視していますが……怪しい人影は見当たりませんね』

大石『こちらも、特に不審な点は……綿流しの祭りで人が多いですが、古手梨花さんの周りはしっかりと前原さんたちが固めているので』

亀山「了解です、そのまま注意を払っててください」

右京「…………」

亀山「くそっ! 入江診療所、いや……鷹野三四に直接の監視を付けられれば……!」

右京「危険です……敵が、この村の住人全員を殺すことも容易な戦力を持っていると考えれば……」

右京「鷹野三四にも厳重なガードを張っている……!」

右京「そんなところへ深入りし、最悪の事態が起きてしまえば……それこそ、取り返しがつかないことになります」

右京「ここは警視庁の捜査範囲ではなく……味方の数が限られた、小さな村なのですから」

右京「一人たりとも……失うわけにはいきません」

亀山「極秘に動いている富竹さんに誰かが付いているわけにもいきませんし……!」

右京「富竹、鷹野の両名へ監視を付けることが不可能である以上……今の僕たちに出来るのは梨花さんの護衛をすることだけです」

右京「あとは……富竹さんを信じるしかありません」

亀山「頼みますよ、富竹さん……!」

>>737
なんてタイムリーなネタwwwwwwww

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某所

富竹「…………!」

杉下右京の進言に従い調査をしてみれば……なんということだ……!

不自然な資金の流れ、資金の出所、東京の分裂……自然とすべてのパーツが組み上がり、一つの事実が浮かび上がっていく。

杉下右京は『思い描く範囲での最悪の事態』が起こっていると言っていたが……

富竹「思い描ける範囲なんてものじゃない……想像を遥かに超えるレベルの状況だ」

何故こんな初歩的な部分を見落としていた……浮かれていた結果がこの有り様か!

富竹「時間がない、杉下さんの言っていたように早く……」

その瞬間

鷹野「さすがねジロウさん……やっぱり、あなたは気が付いた」

富竹「!」

来たな

時報さーん!

部屋の中に鷹野と共に山狗が侵入してくる。

数は、一、二……五人……狭い部屋であることを考えれば相当にキツい人数差だ。

富竹「……鷹野さん、これは一体どういうことだ!」

鷹野「ねえジロウさん、私のこと好き?」

富竹「話を逸らさないでくれ、君は一体何を企んでいるんだ!」

鷹野「ここじゃゆっくりとお話しも出来ないわ……とりあえず、入江診療所までドライブでもしましょう?」

小此木「失礼しますんね、富竹二尉」

富竹「っ!」

小此木の合図と同時に山狗が一斉に富竹へと飛びかかる。

富竹は決して弱くはない、有事に備えしっかりと体は鍛えている。

が……狭い室内であること、加えて敵との人数差を覆すことは出来ず

富竹「くそっ、離せ! 離さないか!」

数十秒後には、床へ組み伏せられていた。

きてたー!

おい!

トミー!

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入江診療所

鷹野「どう? 診療所に近付いてきた人間はいた?」

雲雀8「各隊で分散して警戒していましたが、通行人が数名通った程度です」

鷹野「そう……意外ね、てっきり診療所に何人か張り付いてくるかと思ったけど……」

小此木「嗅ぎ回っている刑事が二、三人……のこのことやって来れば始末出来たんですが」

小此木「こちらが想定していたほど入江機関に疑いの目を向けていないのかもしれませんな」

鷹野「……それとも、私たちの罠を読んで、あえて診療所には誰も近付かないようにしたのか」

鷹野「どっちだと思う? ジロウさん」

富竹「…………」

鷹野「まあ、誰も来ていないのならばそれはそれで好都合ね……じゃあジロウさん、中でゆっくりとお話しましょう」

富竹さん捕まっちゃったよぉ~

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診療所内

富竹「終末作戦の実行で……雛見沢そのものを消す!?」

鷹野「そう……終末作戦が実行されれば、必然的に雛見沢症候群の研究が再評価される……」

鷹野「そうなれば私たちの名前が歴史に残る……私は、神になることが出来るのよ」

富竹「鷹野さん……馬鹿な真似は止めてくれ、君が歩んでいるのは破滅への一本道だ」

富竹「君に力を貸した東京の連中は、君を利用して派閥争いを有利に進めようとしているに過ぎない!」

富竹「頭のいい君だったら、そんなことが分からないはずがないだろう!」

富竹「今ならまだ間に合う、こんなことは止めてくれ!」

富竹「これは君を監視する立場としての言葉じゃない、一人の人間としての……君の恋人としての言葉だ」

鷹野「…………」

鷹野「……もう無理よ、ジロウさん」

富竹「…………?」

鷹野「私はもう電車を押してしまったもの……地獄へと下り続ける、ブレーキのない電車のね」

富竹「鷹野さん……」

鷹野「これは私の全てなの……今までずっと私が願い続けた、雛見沢症候群の研究を、お祖父ちゃんの名前を歴史に残す……!」

富竹「……君のことは知っている、辛い過去があることも、三年後に研究が打ち切られてしまうことが決定して絶望したことも」

富竹「みんな……僕はちゃんと知っている」

鷹野「だったらお願い、ジロウさん……私の側に付いて……優秀なあなたがいてくれれば……」

鷹野「……いいえ、私にはあなたという人間が必要なの。もしもジロウさんが味方になってくれるのなら、私はどんな事だってする」

鷹野「心も体も、全てをあなたに捧げる……だから……お願い、ジロウさん……!」

富竹「…………」

それは、富竹が初めて見る鷹野の涙。

強く気高い女性だと思っていた、彼女もそう見せようと振る舞っていた……だが、実際は違った

一人きりで戦うことに身を削られ、それでいて誰かに頼ることも出来ず、故に道を踏み外してしまった。

自分がもっと鷹野の力になってやれていれば……富竹は心からそう思った。

だからこそ

富竹「僕は……君に協力出来ない……!」

鷹野「そう……でも、きっとあなたならそういうと思っていたわ」

涙を拭きながら鷹野は、厳重に管理された薬品棚を開けると、その一番奥から

鷹野「ジロウさん……これ、何だか分かる?」

富竹「……僕は、薬品に関する知識はあまりなくてね」

鷹野「そう……あなたは自分が何を注射されていたのかすら把握していなかったものね」

富竹「何だって……?」

鷹野「これは……『H-173』」

H-173……その薬品名は聞き覚えのあるものではあった。

だが

富竹「馬鹿な……そんなものがあるわけがない! 第一、それは既に全てが廃棄されていたはずだ!」

鷹野「そう、確かにあなたの言う通り……でも、世の中には常に例外があるものでしょ?」

鷹野「予防接種もまともに受けていないあなたなら、この薬もすぐに効果を発揮するでしょうね……」

富竹「予防接種を受けてない……? 何を言っているんだ、僕はちゃんと……!」

鷹野「言ったでしょ……あなたは自分が何を注射されているのかも知らないって」

富竹「……まさか、以前から君が僕に予防薬といって注射していたものは!」

鷹野「そう……雛見沢症候群の症状を少しずつ強める薬、今のジロウさんはL3といったところかしら」

鷹野「自分が注射されているものの中身くらい、ちゃんと把握しておかなきゃダメじゃない」

富竹「くっ……そうはさせ……!」

小此木「おっと……大人しくしてもらわないと困りますな、富竹二尉」

鷹野「薬を使って眠らせなさい……意識がある状態でL5になられたら、どうなるか分からないわ」

富竹「…………!」

山狗に数人掛かりで押さえつけられ、無理やり薬を嗅がされて意識が落ちる直前……

富竹「……くそ」

悔しさを絞り出すかのように、そう呟いた。

富竹「…………」

小此木「意識は完全に落ちましたな」

鷹野「山の中まで運んでから『H-173』を注射しなさい、そして意識を取り戻す前にその場を離れること」

小此木「了解……オイ、富竹二尉を運べ!」

山狗に運び出される富竹に

鷹野「……さようならね、ジロウさん。あなたのことは、嫌いじゃなかったわ」

富竹さぁん!

鳳5「報告が!」

小此木「どうした、何かあったか?」

鳳5「この女が診療所内に侵入していました、金目の物を盗もうとしていたようです」

富竹と入れ替わるように中へと入ってきたのは

リナ「ちくしょう! 離せ! 何なんだいアンタたちは!」

鷹野「あらあら……」

鳳5「どうしましょうか?」

小此木「処分しろ、余計な会話を聞かれた可能性もある」

鳳5「はっ!」

鷹野「待ちなさい……用意していた『アレ』は、いつのものだったかしら?」

小此木「確か……昨日のものだったはずですが……」

鷹野「……それなら、こっちを使っても良さそうね」

「相棒」だとトミーは生存フラグ

リナ「……? ……?」

間宮律子は、まるで状況が飲み込めていなかった。

金ヅルであった男には逃げられ、北条鉄平は逮捕され、園崎の上納金をかすめ取る策も失敗した……まるでついていなかった

そして、酒を飲みながらヤケになっていたところ……入り口が開け放たれている入江診療所を発見した。

入江院長は綿流しの祭りで、怪我人を手当てする救急所にいるはず……中には誰もいない。チャンスだと思った。

……そして、中へ入り金目の物を物色しようとした瞬間に突如として捕らえられた。

リナ「……どういうことなんだよ、これは! アンタら一体なんなんだよ!」

鷹野「…………」

鷹野「……むかーしむかし、ある所に悪戯好きで手癖の悪い子猫がいました」

鷹野「その子猫はいつもように悪戯をしようと、とある洞窟へと入っていきました……結果」

リナ「…………?」

鷹野「洞窟の主であった竜に……骨まで焼かれてしまいました……フフフ……」

リナはアウトでも別に良いな

----
数刻後、某所

梨花「みんな……今日は、どうもありがとうなのです」

圭一「いいって……しかし、本当に何事もなく綿流しは終わったな」

魅音「うん、普通だったね……怖いぐらいに普通だった」

レナ「右京さんたち……大丈夫かな?」

沙都子「離れたところから私たちを見ていると言われてましたけれど……」

詩音「……大丈夫みたいですよ」

そう言いつつ詩音が向かって左側を指差す。

見れば、二人の刑事がこちらに向かってきているのが確認出来た。

亀山「終わったな、綿流し!」

右京「全員、無事で何よりです」

梨花「みぃ、とてつもなく緊張感のある綿流しだったのですよ」

と、富竹さん・・・

なんてこった!トミーが殺されちゃった!

圭一「それで、そっちはどうだったんですか? 黒幕に何か動きは……」

亀山「俺たちも、連中を完全には捕捉し切れてなかったからな」

右京「今は大石刑事たちが署に戻って、村で不審な人物がいなかったかを割り出しているところです」

梨花「富竹は……富竹は大丈夫なのですか?」

右京「…………」

その時、車の無線機から

大石『こちら大石! 杉下、亀山両名! 応答願います!』

亀山「!」

右京「どうか、しましたか?」

大石『山の中で、変死体が発見されてます……やられました!』

亀山「変死体!?」

右京「…………っ!」

>>773

このひとでなし!

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山中

大石「こちらです、二人とも!」

右京「現場の状況と、被害者の情報を!」

赤坂「見ての通り……被害者はドラム缶の中で焼かれています、凄まじい死に方です」

赤坂「焼かれ方がひどく……身元の確認には時間が掛かるかと」

亀山「指紋とかゲソ痕は、残ってないんですか!?」

赤坂「鑑識が来るまでは何とも言えませんが……おそらくは、何も!」

亀山「くそっ!!」

右京「…………」

これは右京さんキレる

右京「…………」

亀山「……どうしたんですか、右京さん? いつもの右京さんなら、あっちこっち調べて……」

右京「…………」

右京「……君は、この殺人をどう思いますか?」

亀山「どうって……そりゃ、鷹野三四を主犯とする連中の仕業に決まってるじゃないですか!」

亀山「まさか……右京さん、真犯人は別にいるなんて思ってるわけじゃ……!」

右京「梨花さんの予言に加え、ドラム缶で焼き殺すという派手で尚且つ手の込んだ殺害方法……現場には何も証拠を残していない」

右京「相応の準備をした上での犯行です……まず間違いなく、鷹野たちの仕業でしょう」

亀山「じゃあ……」

右京「僕が言っているのは……動機の部分ですよ」

鑑識ならあの太った人(名前忘れたww)が何とかしてくれるだろ

六角さんは登場するのかしら

>>780そうだ、その人だ

役名は米沢だったっけ?

米沢が役名だっけ?

(プルプル)

米沢守さんのことね

>>783よ、どうした?ww

亀山「動機……ですか?」

右京「我々の対応が後手後手に回ってしまったことを差し引いても、これほどの殺人を速やかに行える相手です」

右京「当然……僕たちが疑いの目を向けていることにも気が付いていたでしょう」

亀山「疑われてることを知ってて、それでも殺人を行った……それほどにこの殺害は、連中にとって重要なものだったってことですかね?」

右京「そうかもしれません……しかし、僕にはもう一つの思惑が見て取れるのですよ」

亀山「何ですか、それ?」

右京「挑発です」

亀山「!」

右京「疑いの目を向けられている状況でも、それを全く意に介さずに予定通りの殺人をしてみせた」

右京「我々など、まるで眼中にない……殺す気になればいつでも殺せる……そう彼らは言いたいんですよ」

亀山「舐めやがって……くそっ!!」

右京「勿論、深読みである可能性もあります」

右京「彼らにとってこの殺人は非常に重要なものであり、被害者を必ず殺さねばならなかった……」

亀山「それでも許せることじゃないですよ!」

右京「ええ……ですが、仮にそうではなく、敵が我々への挑戦も兼ねてこの殺人を実行したのだとすれば……」

右京「一人の人間の命を、まるで道端の石でも蹴り飛ばすかのように扱ったのだとすれば……」

右京「そのようなことは……絶対に、許されるものではありませんっ!」

亀山「必ずとっ捕まえてやりますよ……必ず!!」

(ぷるぷる……)

赤坂「……そして、さらに状況は悪い方向へと進んでいます」

亀山「…………?」

大石「先ほど、入江さんから連絡がありました……『鷹野三四が行方不明になった』と」

右京「『行方不明』……ですか」

亀山「やっぱり、動いて来やがったな……!」

赤坂「そして、もう一つ……『富竹ジロウと連絡が取れなくなっている』」

亀山「!」

赤坂「……そう、言っていました」

亀山「……右京さん」

右京「…………」

すいません、今日はここまでで、明日また来ます
今週中に完結したい

昨日の「狙われた女」、あれの紙一重が云々ってのは名言だよなぁ
右京さんこわい


再放送やってたのか。うちは甲子園やってたみたいだ
トミー!

おっつおっつ!
さてクライマックス……

乙!11時くらいにしてから一気に読んじまった。ものすごくひきこまれた。これからも頑張ってほしい

乙乙

トミー生きてるよね…?

富竹「うおォン 今の僕は暴 走 機 関 車だ」

乙です



ラムダ「何なのよ!あの反則的な二人組はっ!!!」
ベルン「TASさんよ」

こんな会話が見えた

フェザリーヌ「あうあう」
とか言ってそう
羽入が噛んでないっつってたからないけど

乙です
相棒が神戸だったら焼死体を見てリバースしてただろうな

カイトだったら発症しそうなイメージだな

このスレで完結してほしーなー
おいお前ら俺のために乙レス控えろファッキンジャップが
いちいち乙レス多いんだよこのスレで完結しねーだろボケチン

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興宮署

赤坂「敵に先手を取られ続けていますね……はっきり言って、かなりヤバい状況です」

亀山「富竹さんの行方は!?」

赤坂「残念ながら、まだ何も……とあるホテルで富竹ジロウと思われる人物の宿泊記録は見つかりましたが、その後は……」

大石「当然、足取りを追ってはいます……しかし、まだ目撃者を洗っている段階です」

赤坂「何かを掴めるとしても……もう少し時間が掛かりますね」

亀山「なんてこった……!」

大石「それと、もう一つ報告なんですが……何やら、応援が来るそうですよ」

亀山「応援?」

赤坂「先ほど連絡がありまして、本庁の刑事が三人ほどここへ向かっていると……」

四人がそんなことを話しているとき、背後から聞き慣れた声で


「特命係の亀山ぁ~!」

ひぐらし内容全然知らなかったけど、このスレのおかげで興味出てきたわ

捜査一課きたああああああ

一課トリオキター

あのイヤミ一課のあの人は里子のとらっぷに引っ掛かればいいと思う
あと漫画版だとなぜか赤毛のオールバック

捜一トリオきた!これで勝つる!

亀山「おまっ、なんでお前らがこんなところにいるんだよ!」

伊丹「うるせっ! なにもかも全部、お前のせいだ!」

右京「……どういうわけで、あなたたちが?」

三浦「警視庁の人間、つまりは警部殿たちが捜査をしていた村で殺しがあったんです」

芹沢「本庁としては形式的であっても、それなりの対処をしなきゃいけないってことみたいで……」

伊丹「お前がドン亀で殺人を防げなかったおかげで、わざわざこんな田舎村まで来なきゃならなかったんだ!」

伊丹「怪しい人物を張っておきながら殺しをされるなんて恥ずかしくねえのか! このバ亀!」

亀山「うるせえっ! 俺たち特命だけで村中を見張ることなんて出来るか!」

相棒のアイドルキタ――(゚∀゚)――!!

伊丹にイライラするのは自分だけか?
そんなに相棒シリーズを見てないせいか好きになれない。「何様だよ」と思うレベル
あ、芹沢くんは別よ

>>813
ツンデレだから仕方ない

三浦刑事ー

何言ってんだ
ツンデレなだけで特命の事はすげぇ信頼してるんだぞ?

伊丹「というわけで警部殿……この殺しは、応援にわざわざ駆け付けた俺たちが調べますので」

伊丹「捜査の邪魔にならないよう、お引き取り願えますか?」

右京「ええ、ではそのように……亀山くん、行きましょう」

亀山「はい! おう、しっかり調べろよ」

伊丹「…………?」

三浦「……珍しいなぁ」

芹沢「何かやけに素直ですね、あの人にしては」

うーん。伊丹が魅力がわかる回ってある?ちょっと見てみたい
自分のイメージじゃ「特命係を目の敵にする無駄に態度がでかい刑事」

亀山君の最後の事件とか…かな
俺も相棒全部見てるわけでもないのでわからんけど

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亀山「ドラム缶の焼死体は連中に任せるとして……これからどうします?」

右京「富竹さんと連絡が取れない以上、最優先で行うべきなのは梨花さんの保護です」

亀山「一応、圭一たちがついてるって話でしたけど……」

右京「迎えに行きましょう……ここからは、彼らも我々と共に行動してもらったほうが都合がいいです」

亀山「子供ですけど、頼もしい連中ですからね……」

右京「おやおや……彼らと捜査協力をすると決まった時、不満げだった君はどこへ行ったのですかねぇ」

亀山「…………」

亀山「ははは……どこ行っちゃったんすかね?」

>>818
どの回か忘れたけど、薫ちゃんに女の趣味ばれる回があったような
裏相棒だっけ?

アイツはもう消した!

最初の劇場版で亀ちゃんと協力してたとことか

伊丹さん愛されてるなあ
劇場版とか分かりやすい例じゃない?

劇場版見てみるか……

イタミンがかつて逮捕した犯人に狙われる回もあったよね
ラーメン屋のニンニクに毒が仕組まれてた奴

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興宮署

梨花「右京……富竹と連絡が取れなくなっているというのは、本当なのですか?」

魅音「それと……警察はまだ秘匿捜査として扱ってるみたいだけど、焼死体が発見されたって……」

右京「どちらも、本当のことです」

圭一「…………」

レナ「圭一くん……どうかしたのかな? かな?」

圭一「いや……頭では理解してたつもりだったんだけど、実際に梨花ちゃんの言っていたように事件が起こったとなると……」

詩音「簡単に受け止めきれるものじゃありませんよね……殺され方も梨花ちゃまの予言通り、ドラム缶で焼き殺されるってものでしたし」

沙都子「夢じゃございませんのね……梨花の言っていたことが、現実に起きている……」

亀山「だから、俺たちの手で守ってやるんだ。梨花のことを……!」

その時

大石「何ぃ!? 捜査の打ち切り!?」

電話で話していた大石の怒号が待合室にまで飛び込んできた。

大石「ちょっと待ってください! 今は聞き込みを行って、移動ルートの絞り込みもやってるところです!」

大石「第一、なんだってこの段階から県警が出張って……!」


亀山「……何か、あったんですかね?」

右京「…………」

お前なんか間抜けの「亀や」で十分だ!

今日。

大石は受話器を叩き付けるように置きながら

大石「どうなってるんだ! くそっ!」

右京「何か、あったんですか?」

大石「行方不明になっている富竹ジロウの捜査権が県警本部に移りました!」

右京「!」

亀山「本部に移るって……じゃあ、俺たちの方ではもう捜査が出来ないってことですか!?」

大石「ふざけた話です! こんなことは今までに一度もなかった!」

右京「……亀山くん。大至急、梨花さんたちを連れて移動しましょう」

亀山「!」

右京「我々が重要参考人として行方を追い続けている富竹さんの捜査権が、このタイミングで移動した……」

亀山「出来すぎてますよね、やっぱり!」

右京「こちらの行動が完全に相手へ漏れています……この興宮署の中に、敵との内通者がいるということです」

右京「大石刑事!」

大石「ええ、すぐに準備します!」

赤坂「私は、もうしばらくここに残ります……『警視庁公安』という立場から、何か出来ることがあるかもしれません」

右京「お願いします」

亀山「けど、一体どこへ行くって言うんです? 警察署ですら安全じゃないなら、他に行くところなんて……」

右京「園崎家です」

亀山「ああ、園崎……えっ!?」

魅音「ちょ、ちょっと待ってよ右京さん! 園崎って……ば、婆っちゃのところ!?」

詩音「いや……でも、いいかもしれませんよ! あそこなら人もいるし、組員も全員顔を知ってるから敵との内通者もいない!」

魅音「そうだけど! 右京さんも亀山さんも大石さんも! 全員が警察なんだよ!? 本家に行っても中に入れるわけが……」

詩音「大丈夫なんですよ、お姉……ちゃんと布石は打ってありますから。もっとも、右京さんが……ですけど」

魅音「布石って……あー、よく分かんないけど! どうなっても私は知らないからね!?」

相棒しらない人は伊丹あたりを疑いそう。内通者(実際は熊谷あたりだろうが……)

大高くんは出てくんの?

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園崎家

魅音「来ちゃったよ……本当に来ちゃったよ……」

右京「…………」

亀山「だ、大丈夫なんですか右京さん……俺たち、警察っすよ?」

大石「もう……私は何も言いません、引き返すわけにはいきませんからねえ……」

梨花「特に大石は、今まで園崎を疑ってましたですから余計に入りづらいのですよ」

大石「……あなた、本当に痛いところを突きますねぇ」

右京「行きましょう」

正門まで歩を進めると、中から一人の男が姿を現した。

黒服にサングラスを掛けた、『いかにも』という風貌の男に対して右京は

右京「また、お会いしましたね」

葛西「…………」

葛西「……中へどうぞ、園崎家頭首がお待ちになっています」

キャシー!

右京「ご苦労さまです……では、行きましょう」

亀山「いやいやいやいや! ちょ、ちょっと待ってくださいよ右京さん!!」

右京「どうかしましたか?」

大石「どうもこうもじゃないでしょう!」

魅音「何で右京さん、『普通に』中へ招かれて『普通に』婆っちゃと会うことが出来るのさ!? まさか知り合いだっていうの!?」

右京「直接お会いしたことは、一度も」

魅音「だったら何で……」

詩音「少し前に、右京さんは個人的に私や葛西と会ってるんです……その時にちょっと」

魅音「……? ……? ……?」

>>832
伊丹さんはそういう捻じ曲げ大嫌いだからな

意外とキッチリしてるからな、イタミン。
自分が捜査情報流したんじゃないかと考えた時、自分からピルイーターに言ったし

>>818
イタミン憧れの剣士が、果たし合いで斬り殺された話が好きだった

不審に思った伊丹さんが特命に捜査を依頼するやつ

嫌な奴だし、右京達がいなきゃ誤認逮捕を数えきれないくらいやらかして特命係に流されてるだろうけども、
刑事部長の汚いやりくちに「やってらんねぇ!」と声張り上げることもあるし、刑事としては腐っちゃいないのよね

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茜「よく来たね……アンタが『杉下右京』かい?」

右京「警視庁特命係、杉下です……突然押し掛けてしまい、大変なご迷惑を」

茜「そうさねぇ……ひどく礼儀がなってないだけじゃない、警察関係者を三人も中へ入れるなんて前代未聞だよ」

茜「まあ……葛西曰わく、『園崎』はアンタに大きな借りがあるらしいからね……」

亀山「……右京さん、何やったんですか?」

右京「間宮律子の件で、少しお話をする機会があっただけです」

茜「そうそう……それで、葛西と詩音がアンタのことをひどく持ち上げるんだよ」

茜「二人して『杉下右京が面会に来たら、一度でいいから中へ通してやってほしい』なんて言うからさ」

葛西「……そういう機会を作ってくれとの、『頼み』でしたから」

茜「それで……用件は何だい? 魅音たちも揃えて仲良くお茶しよう、なんて穏やかな話じゃないんだろう?」

茜「見たところ、令状はないみたいだから家宅捜索ってわけじゃなさそうだけど……」

右京「察しの通り、我々は園崎を調べに来たわけではありません」

茜「?」

右京「単刀直入にお話します……古手梨花さんの命が、何者かによって狙われています」

茜「…………」

茜「……それで、あたしたちに何を聞こうって? あたしらが、古手の巫女様を殺そうとしてるとでも?」

右京「そうではありません……村全体に幅を利かせているあなた方のことです、既に何らかの情報を掴んでいるのではありませんか?」

亀山「綿流しの日に、山の中で焼死体が見つかったんです……ご存知ないですか?」

茜「……ああ、知ってるよ。鬼隠し……所謂オヤシロ様の祟りとやらが、今年もまた起こっちまったってわけだ」

茜「ただはっきり言っとくよ……この件に、園崎は全く関与していないってね」

右京「ええ、あなたたち園崎は、鬼隠しの犯人などではありません」

茜「……何だって?」

右京「その鬼隠しを真に行った人物こそが……梨花さんを狙っているのですよ」

茜さんカワイイヤッター!

茜「ちいとばかり物騒な話になってきたね……もう少し、詳しく話を聞かせてもらおうじゃないか」

茜「第一、あれだけ園崎を疑っていた警察が『鬼隠しは園崎の犯行じゃない』だなんて……どういう風の吹き回しだい?」

大石「いやー……台風か竜巻でも起こったと言いましょうか、なっはっはっ……」

魅音「お母さん信じて! 梨花ちゃんが妙な連中に狙われてるのは本当なんだから!」

圭一「嘘じゃないんです! いきなり何を言ってるだって思うかもしれないですけど!」

茜「…………」

茜「……じゃあ聞かせとくれよ、雛見沢中から愛されている古手の巫女様が、誰に、どういう目的で狙われてるんだい?」

大石「いや……すいませんが、そいつは秘匿情報でして……」

茜「……それで結局のところ、アンタたちはどうしたいんだい?」

右京「聡明なあなたのことです……言わずとも、僕たちの目的は分かっているのではありませんか?」

茜「…………」

茜「……古手の巫女様を守るために手を貸せと、そう言いたいのかい?」

右京「あなた方にしか、頼めないことです」

茜「…………」

茜「……正直、信用ならないね」

魅音「お母さん!」

茜「アンタは黙ってな! ……だってそうだろう刑事さん、あたしらは今までずっと『鬼隠し』の犯人だと疑われ続けていたんだ」

茜「いや……疑われているのは今も同じかもしれないね」

大石「…………」

茜「それだけ疑われてて……『今年に限っては』園崎は犯人じゃない? そいつらが古手の巫女様を狙ってる?」

茜「そんな訳の分からない話を信じられるほど、あたしは素直じゃないのさ」

亀山『大石さんや俺たちが、まだどこかで園崎を疑ってるんじゃないかって思ってるみたいですね』

右京『そのようですねぇ……もっとも、先ほどのような話をいきなり信じろというのも無茶な注文です』

亀山『どうするんですか右京さん、まさか入江機関とか雛見沢症候群のことを全部話すわけはいかないっすよ!』

茜「こそこそと、何を話し合っているんだい? あたしは内緒話ってやつが嫌いでね」

右京「失礼……ですが、どうやらあなたが我々の言葉を少々誤解しているように思えまして」

茜「誤解……?」

右京「今の我々に、あなた方を疑う要素など何一つとしてないのですから……何しろ」

右京「『今年に限って』ではなく……園崎は『今までに一度も』、鬼隠しには関与していないのですから」

茜「…………?」

茜「何だい……まさか、今まで園崎に掛けられていた『鬼隠し』に関する嫌疑が全部晴れたってのかい?」

右京「ええ、その通りです……以前、大石刑事と共にこの鬼隠し事件を洗い直してみたのですが……」

亀山『そんなこと、やったんですか?』

大石『記憶にないんですけどねぇ……まあ、やったってことにしておきましょう』

右京「その結果、一連の鬼隠しを園崎家によるものだとするには、いささか不自然な点が多いと分かりました」

茜「へえ……不自然な点、ね」

右京「そう……何より、動機の部分が不透明なのですよ」

圭一「動機が不透明って……園崎家が、鬼隠しを起こす理由がないってことですか?」

茜「前に、あたしはこう言われたけどね……『村で園崎に従わない勢力を排除して雛見沢全体を支配しようとしてる』って」

亀山『……そんなこと、言ったんですか?』

大石『いやはやこれは参った……恥ずかしながら、そっちはよーく覚えてます』

右京「それです……僕が何よりも気になったのは」

魅音「気になったって……?

右京「この雛見沢村に存在する御三家……古手、公由、園崎……その中でも園崎は最も大きな力を持っていると聞きました」

右京「聞くところによれば……園崎は警察にも幅を利かせ、県会議員にまでその力は及んでいるとか」

茜「…………」

右京「そこで、僕の中にとある疑問が生じました……それほどの権力を既に手にしている園崎が、更なる権力を欲しようと考えるのかと」

右京「それも、毎年……一人を殺し一人を行方不明にするという大掛かりなことをしてまで」

圭一「……そっか、確かにそうだよな。園崎家はもう十分過ぎるほどの力を持ってる」

レナ「それを維持さえすればいいのに……殺人なんかして証拠が出ちゃったら、大きなダメージを負うことになるよね」

沙都子「ずいぶんと割に合いませんわね、ハイリスクスーパーローリターンでございますわ」

梨花「それを動機として園崎家を疑うのは無理があるのですよ、みぃ」

大石「…………」

この時、大石は思った……子供でもすぐに思い至るこの発想を、何故自分は出来なかったのかと。

クラウドさん……

多かれ少なかれ金と地位が絡むからねぇ

茜「じゃあ何かい……あんたたちは、園崎を疑っていないと、本気でそう言っているのかい?」

右京「少なくとも、僕は本気です」

茜「あたしらが何をやってるかくらい知ってるだろうに……アンタ、警察とは思えないね」

右京「実際にあなた方が何か犯罪をしているところを目撃したわけではありませんからねぇ」

茜「…………」

葛西「茜さん……この男は頭が良く油断のならない刑事ではありますが……少なくとも、嘘を付くような人間ではありません」

詩音「私達、本気で助けを求めてるんです! お母さん、お願い!」

圭一「頼みます! 梨花ちゃんのことを……俺たちの大切な仲間を守るために、力を貸してくれ!」

茜「…………」

ばっちゃクルー?

大石面目丸つぶれプゲラ

茜「……どうします? お母さん」

お魎「……どうもこうもなぁね、勝手に押し掛けてきて好き勝手抜かしよって」

右京「無理を言っていることは十分に承知しています、ですが……」

お魎「大体なんね……村の住人でもないよそ者が……」

右京「…………」

亀山『どうも、外から来た人間には厳しいみたいっすね』

右京『そのようです……彼女には、僕が何を言おうが無駄でしょう……あとは、彼らに任せるしかありません』

圭一「無茶を言ってるは百も分かってる! 納得しきれない部分があるのも分かる!」

圭一「けど! ここで俺たちが立ち上がらなかったら梨花ちゃんが、雛見沢の仲間が殺される!」

圭一「俺たちはそれを黙って見過ごすわけにはいかない! 仲間を助けたい! そのためには、アンタたちの力が必要なんだ!」

仲良かった工事現場監督死亡で
園崎が犯人だと思い込んでたんだっけか>大石

圭一「俺はこの村に来てまだそう時間は経ってない、アンタから見ればまだまだ若僧だ!」

圭一「けど、俺みたいな若僧でも、雛見沢の結束力はよく分かってる! 一人のためにみんなが戦える! それがどんなに強大な相手でも!」

魅音「一人に石を投げられてたら二人で石を投げ返せ……」

沙都子「二人で石を投げられたら四人で石を……」

詩音「八人に棒で追われたら十六人で追い返せ……そして千人が敵ならば村全てで立ち向かえ」

レナ「一人が受けた虐めは全員が受けたものと思え……一人の村人のために全員が結束せよ」

梨花「それこそが盤石な死守同盟の結束なり……同盟の結束は岩よりも硬く、水を通さないダムすら通さない」

圭一「俺は雛見沢の、この同盟の誓いを見て感動したんだ! この村の一員になれて本当に良かったと思った!」

圭一「そんな強い信念を持つ村で、一番の力を持ってるアンタたちに! 俺は背中を向けてほしくないんだよ!」

お魎「…………」

右京「復讐は何も生み出しませんよぉ」

大石「ちょっと……いいですかね」

茜「…………?」

大石「いえね……外から杉下さんたちが園崎の嫌疑を晴らし、子供達があなた方に心からの言葉を投げかけている」

大石「それを見て……ひどく、私は自分って人間が恥ずかしくなりました」

茜「何だい、しおらしくなって……アンタらしくもないね」

大石「……分かっちゃいたんですよ、園崎を犯人だと考えれば不自然な点が浮かび上がることは」

大石「ですが……それでも私には時間がなかった、定年までに何とか、おやっさんの無念を晴らしてやりたいと焦ってたんです……」

大石「その焦りから……私は、ありもしない園崎の幻影に踊らされていたんですよ」

大石「きっと……私が毎年、墓前で花を手向ける度におやっさんは怒っていたんでしょうな」

茜「墓に花を……まさか、あの花はアンタだったのかい?」

大石「…………?」

茜「私らが紫陽花とおはぎを供えに行くと、いつも墓は綺麗に掃除されてて必ず綺麗な花があったんだ……」

茜「なるほど……アンタだったんだね、あの花を手向けてたのは」

大石「…………!」

『紫陽花』、大石には見覚えがあった。

綿流しの日が終われば、自分は必ず花を手向けに現場監督の墓へと足を運んだ。

何度か足を運ぶと……いつしか、自分の供えた花の横に、綺麗な紫陽花が置いてあった。

それも毎年……おはぎと共に。

大石「あ、あなたたちだったんですか……しかし、何でまたおやっさんの墓に……園崎とダム工事現場監督は、犬猿の仲だったでしょうに」

茜「ああ、『犬』と『猿』だったさ……けど、争いに幕が引かれた後くらいはノーサイド……『人間』でありたいと、そう思ったのさ」

茜「それは……手向け用のおはぎを作っているお母さんも一緒だろうね」

お魎「…………」

右京「園崎と警察……戦い続けているように思われた両者も、見えない部分では……既に分かり合っていたのですねぇ」

亀山「それを一番よく理解していたのは……墓の中から二人を見ていた現場監督だった……!」

茜「……何だ、お互いを知るまでにひどく回り道をしちまったけど、結局あたしたちは敵なんかじゃなかったんだね」

大石「そういうことになりますな……」

茜「……新しい時代が、来ているのかもしれないね」

茜「過去を流して前に進まなきゃならない、『犬』や『猿』じゃなく、『人間』としてね」

大石「…………」

茜「…………」

茜「そのために……この村で最後の、雛見沢の仲間を守るための大立ち回り……やってやろうじゃないのさ」

梨花「!」

茜「いいでしょ、お母さん?」

お魎「…………」

お魎「……勝手にせんね、こんダホマ……」

お魎って別に悪いやつじゃないよね?

>>861
ツンデレだね

ダホマ懐かしいなwwww

圭一「あ、ありがとうございます!」

魅音「お母さん! それにばっちゃも! あの、本当にありがとう!」

茜「礼なんていいよ、今日が新しく雛見沢の生まれ変わるきっかけになる日さ」

茜「新しくなるついでに、今まで溜め込んじまった交通の違反切符も真っ白に新しくしとくれよ!」

大石「いやいや、そいつはさすがに私には出来ませんなぁ……んっふっふっ」

亀山「…………」

亀山「……また、圭一たちに感謝っすね」

右京「ええ……彼女たちの説得は、僕たちだけでは到底不可能だったでしょうからねぇ」

梨花「しかし……右京、これからどうするのですか? 僕がここにいることも既に……」

右京「梨花さんの想像通り、僕たちの動きは敵に筒抜けになっています……また興宮署内にも、敵との内通者が存在する……」

右京「徹底された情報偵察……それを、逆手に取ります」

亀山「どうやって、ですか?」

右京「……梨花さんには、死んでいてもらうことにしましょう」

亀山「えっ!?」

右京「ここからが……売られた喧嘩と騙し合いの、最終決戦です」

今日はここまでで、明日また来ます、多分もう少しで終わります

乙!!素晴らしい!

おつー
盛り上がってまいりました


面白いよー早く続き読みてえええ!!

園崎は疑われても否定しなかったんだよな。それが問題だったな


いよいよクライマックスか!


梨花ちゃま死ぬみたいだけど、原作通りの展開にはならんで欲しいなぁ。

死んだという設定か…
なんか見たな…
忘れたが

あ、乙です

梨花ちゃま死亡→村人発狂せず→あれ?なんかおかしくね?ww→鷹野顔真っ赤

乙。相変わらず展開早いな。

梨花が死んだ設定は最終章の祭なんとか編のやつだったっけ?

おっつおっつ!
そういや右京さんは売られた喧嘩は買う人だったなww



>>868
あえて否定しないことで、園崎ならやりかねないというイメージを作り上げ
住民達をを畏怖させる効果を狙ったりしてたっけな

>>875
最終章の祭囃子編かな。実際に途中退場して、結局災害起こらなかったシナリオもあったけど

>>875
澪尽くしもやってる

うわあ右京さん喧嘩買っちゃったよ
やべぇよ…やべぇよ……

杉下さんめっちゃ怒ってるよ。
鷹野は人としての一線を越えちゃってるからなおさら許せないんだろーな。でも亀山はなんとなく同情はしそう。融通のきかない杉下さんも君がいてくれて本当に助かりますって言うくらい寛容があるから。

(ぷるぷる…)

>>880
右京さんはケンカ売られたらことごとく買って相手を叩き潰すからな
亀ちゃんが良いストッパーになってるのは間違いない
頭が良い人もキレると何しでかすか分からんし

乙です

右京に言葉の使い方を間違ってるのを指摘された恨みで右京と亀山巻き込んで事件起こした上に、傲慢な態度に
辟易して去っていった元恋人を殺した女の眼の前で「この円周率書いた犯人、間違ってんですけどwwwwwwバロスwwwwww」
と嘲笑して自白させて、わざと言葉間違えて指摘させてやるって最後に残ったプライドさえ粉々にして刑務所送りに
してた話もあったな

Season2のクイズ王か

みんな良くしってんな クイズ王か見てくる

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興宮署

熊谷「赤坂さん、杉下警部から電話っすよ!」

赤坂「杉下警部から……?」

赤坂は違和感を覚えた、警察署内での捜査情報は相手に漏れていることは既に明白だ。

敵との内通者がいる、もしくは盗聴されている可能性が非常に高い。

そんな環境において不用意に、あの杉下右京が、電話をかけて来るだろうか……?

赤坂「替わりました……赤坂です」

右京『古手梨花さんが亡くなりました』

赤坂「っ!?」

一瞬、赤坂は何を言われているのか分からなかった。

梨花ちゃんが死んだ? なぜ? 杉下、亀山、大石三名の刑事がついていたはずだ。

当然、敵が全戦力を傾けて彼らに襲い掛かった可能性もあるだろう。

だが、それならば何故、杉下右京は無事なのか……

赤坂「もう少し……詳しく説明していただけますか?」

右京「先ほど我々が犯人と思しき人物宅に立ち入って話を伺ったところ、『自分たちが古手梨花を殺害した』と自供したものですから」

赤坂「…………?」

違和感はさらに強くなっていく。

杉下右京たちが向かったのは園崎家であったはず……彼らが古手梨花を殺した?

そんなこと、到底考えられるはずがない……

赤坂「確かなのですか……それは」

右京「ええ……『古手梨花をドラム缶で焼き殺した』と」

赤坂「!」

ドラム缶で? 有り得ない……その時点で梨花ちゃんは間違いなく生きていた、現に数時間前にはこの興宮署にいたはず……!

第一、あれは鷹野らによる偽装工作の可能性が……

赤坂「…………!」

違う……この電話の真意は別なところにある。

情報漏洩している興宮署への電話、不自然な園崎家の自供、有り得ない死亡時刻の古手梨花……

赤坂「…………」

終末作戦……女王感染者……48時間以内に……時間を……

赤坂「……なるほど、『分かりました』」

右京『では……そちらは、よろしくお願いします』

表面では最小限の情報しか伝えない、多分な含みのある電話だった。

しかし、赤坂は理解した……杉下右京たちの仕掛けた作戦を。

鷹野たちを相手に、勝負に出たということを。

赤坂「ならば……私も」

自らも行動しなければならない、『警視庁公安第7資料室』の刑事として。

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伊丹「なるほど、ガイシャは女か……」

米沢「ええ、遺体がひどく焼けてしまっていることから身元の割り出しには時間が掛かりますが……」

米沢「骨格などから判断する限りでは女性、年齢もかなり若いと思われます」

三浦「しかしドラム缶で焼き殺すたぁ、ひでえことするもんだよ」

芹沢「犯人は相当な恨みがあったんですかね? こんなやり方で殺すなんて」

現場検証を行っていた捜査一課と鑑識の米沢だったが、未だに犯人に繋がる有効な証拠は得られずにいた。

その時、携帯の着信音が鳴り

伊丹「…………」

伊丹は発信者の名前を見た瞬間、顔をしかめながら

伊丹「捜査中に電話してくんじゃねえよ、この亀……何!? 殺害を自供した人間がいる!?」

それとほぼ同時

米沢「おっと……もしもし? ああ、杉下警部……ええ、こちらの鑑識はもう既に……」

米沢「そちらも、相当捜査が進んでいるようで……何でも、犯行を自供した人間がいるとか……」

米沢「……ガイシャですか? ええ、若い女性であることは間違いありませんが……え? 小学生から中学生程度の子供……ですか?」

米沢「いや……それでは少しばかり若すぎるかと、私の見たところでは二十代の……」

米沢「…………」

米沢「…………」

米沢「……なるほど、詳しいことは分かりませんが『そういうこと』にしておく、ということですな」

米沢「…………」

米沢「了解しました……私一人でどれだけ押し通せるか分かりませんが、そのように話を進めてみます……」

米沢「杉下警部のことです、何かお考えがあるんでしょう……ええ、では……」

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園崎家

亀山「どうでしたか?」

右京「伝わりました……さすがは、公安第7資料室の赤坂刑事といったところでしょう」

亀山「こっちも、一課の連中には連絡済みです! すぐにここへ来るかと!」

大石「しかし……なかなかに度胸のいる策ですね、鑑識への根回しも必要ですよ?」

右京「ご心配なく……そちらの対処も、先ほど済ませておきました」

大石「……んっふっふ、これは失礼。野暮なことを聞いてしまいましたか」

詩音「監督にも連絡を入れておきました……『これから綿流しを超えるお祭りがある』って」

魅音「よし、これで全員への連絡は終わった……こっからだね、総力戦になるよ……!」

梨花「…………」

圭一「……どうした? 梨花ちゃん」

梨花「ごめんなさい圭一……でも、僕は怖いのです」

レナ「大丈夫、梨花ちゃんはレナたちがきっと……」

梨花「そうではないのですよ……もし、僕を守ろうとしてみんなが傷付いてしまったら……」

羽入『梨花……!』

梨花「多分、こんな世界はもう二度と来ない……ここでも、もし失敗してしまったら……!」

魅音「梨花ちゃん……」

梨花「そう思うと……覚悟を決めたつもりだったのに……なのに、震えが止まらない……!」

右京「…………」

米沢なら、焼死体の偽装なんて利かないはず。

沙都子「やれやれ、でございますわね」

梨花「…………?」

沙都子「いつもの部活で見せる余裕はどこへやら……私、今の梨花が相手でしたら負ける気がこれっぽっちも致しませんわ」

梨花「沙都子……」

沙都子「世界がどうだの、もう二度と来ないだの……そんなことは私たちには何の関係もありませんのよ?」

沙都子「私たちは梨花の友達で、その友達が困っているから助けたい、ただそれだけですわ」

沙都子「……梨花が、私を助けようと必死で戦ってくれたように」

梨花「さ、沙都子……!」

圭一「大丈夫……俺たち全員、覚悟は出来てる!」

レナ「死ぬ覚悟なんかじゃないよ……みんなで、最後まで生き抜く覚悟がね!」

梨花「…………っ!」

確かにこれを逃したらこんなに恵まれた世界は二度と無いだろうね

丸太は持ったか!?行くぞォ!

サマーウォーズ思い出す。

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某所

鷹野「Rが既に死んでいる!?」

小此木「そのような情報が流れとるようです、何でもドラム缶で焼き殺された遺体が古手梨花であると……」

鷹野「そんなはずないでしょ!? あの死体は私達が工作したもの……それ以前に、あの時点でRは生きていたじゃない!」

小此木「情報伝達に齟齬が発生したのかもしれません……ですが、警察はどうやらそのように動くようで」

鷹野「冗談じゃないわ! Rが既に死んでいるなんて認められたら、こっちの計画が……」

小此木「古手梨花が殺害されたと仮定して、終末作戦を実行してしまいますか?」

鷹野「何を言ってるの! 万が一、それでRが生きていたら私達は単なる大量殺人犯よ!」

鷹野「Rが死んで! 末期症状を引き起こして暴徒化した村人を沈静化するというプロセスが最重要!」

鷹野「確実なRの死亡が確認されなければ、この作戦は実行出来ないわ!」

鷹野「それ以前に、Rには山狗の監視を付けていたはずでしょう! そこからの報告は!」

小此木「友人数名と共に興宮署へ向かったようですが……そこから行方が分からなくなっていると」

鷹野「すぐに調べさせなさい! 真偽はともかく、古手梨花が死亡している可能性があるなんて情報が『東京』に漏れたら!」

予想外の事態に動揺する鷹野のもとへ

鳳3「失礼します! 『東京』の野村様から電話が入っております!」

鷹野「噂をすれば……どこで嗅ぎ付けてくるのよ……Rは間違いなく生きているわ! 何があっても、必ず探し出しなさい!」

小此木「この村はそう広くはありません、隠れられる場所もそうはない……すぐに見つかります」

鷹野「早く行きなさい! 私は野村の対応をしておくわ!」

----

小此木「…………」

何かが引っ掛かる、これまでは完璧に自分たちの思い通りに事が進んでいたはずだ。

なのに、ここに来て急に計画に支障が生じている……だが、あれだけ綿密に練られた計画がこうも簡単に破綻するだろうか?

小此木「そういえば、警視庁から来た刑事が何人かうろちょろしていたな……」

ドラム缶殺人を受けて三人ほど招集されたようだが……それは置いておくとしよう。

小此木「…………」

古手梨花は興宮署から行方が分からなくなっている……つまり、こちらの隙をついて移動したということだ。

仮に、奴らが興宮署の諜報活動を看破し、監視にも感づいていたとすれば……相当の切れ者がいると見ていいだろう。

綿流しの夜に入江診療所へ刑事が寄り付かなかったのも、やはりこちらの罠を警戒していたのか……

小此木「……待て、三佐に電話が入ったのはさっきだったな?」

古手梨花の行方をこちらが掴みきれず、さらに死亡情報が流れ始めた段階での『東京』からの連絡……

小此木「…………!」

小此木「……しまった! やられた!」

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園崎家

右京「ご苦労さまです」

伊丹「殺人を自供した犯人は!?」

亀山「おう、遅いぞお前ら!」

伊丹「うるせっ! とっとと犯人しょっぴいて帰りてえんだから、さっさと身柄をこっちへ渡せ!」

亀山「いや、それがだ……さっきの自供は間違いで、やっぱ殺してないらしくてな」

伊丹「…………」

三浦「…………」

芹沢「…………」

三人『はあっ!?』

右京「どうやら、誤った情報が伝わってしまったようですねぇ」

芹沢「いやいやいや! そんなわけないでしょ!」

三浦「我々は確かに聞きましたよ、『古手梨花を殺したと犯人が自供した』と!」

三浦の言葉に右京は少し笑みを浮かべながら

右京「梨花さん……あなた、殺されてしまっているそうですよ?」

己の背後にいる少女に声を掛けた。

梨花「悪い冗談なのですよ、みぃ」

三浦「…………」

伊丹「やってられるか! オイ戻るぞ!」

右京「戻りますか」

伊丹「警部殿たち特命係とは違って、俺たちは暇じゃないんで! 早いところ、被疑者を……」

右京「犯人を確保したいと思うのなら……もうしばらく、ここにいるのが得策ですよ」

伊丹「…………?」

右京「……そろそろです」

伊丹を含むトリオに疑問符が浮かんだその時だった。

魅音「来たよっ! みんな準備して!!」

魅音のかけ声と同時、園崎家敷地内にいた全員が一斉に動き出す。

その瞬間

葛西「全員、伏せろっ!!」

敷地の外で凄まじい音量の射撃音が轟いた。

亀山「んの野郎ども! 警察を前に堂々と、お構いなしに打って来るんじゃねえ!」

魅音「強行突破する気だ! 園崎が梨花ちゃんを匿ってるって奴らは確信してる!」

詩音「けど、この強引なやり方……間違いなく敵は焦ってますよ!」

レナ「圭一くん」

圭一「ああ! 作戦通り、俺や梨花ちゃんは沙都子のトラップが仕掛けてある裏山へ逃げる!」

魅音「了解! ここも長く持たないかもしれない、状況次第では私らもそっちへ向かうよ!」

圭一「ああ、とにかく今は敵を分散するぞ!」


芹沢「えっ……えっ!?」

さあ始まったぞ

期待

三浦「け、警部殿、これは一体どういうことですか!」

右京「詳しく説明をしている時間はありませんっ! 簡単に言えば、武装集団が古手梨花さんの命を狙っています!」

芹沢「ぶ、武装集団!?」

亀山「ああ、軍隊みたいな連中だよ! この雛見沢村を丸ごと消しちまえるような!」

芹沢「め、めちゃくちゃヤバい集団じゃないですか! 何だってそんな奴らがこんな小さい子供を……?」

右京「事情に複雑ですが、我々はこの子を何としても守らなければなりません! あなた方も、手を貸してください!」

芹沢「いや手を貸すって……そんな連中が相手なら本庁に連絡して応援を待ったほうが……!」

三浦「そうです! 下手に動いてはかえって……!」

右京「時間がありません、もはや一刻を争う状況です!」

使えねぇw

そりゃあ三馬鹿は使えないでしょうね(場合によるけど)…

この状況で『使える』人間がホイホイいるわけない

それでも伊丹なら、伊丹ならやってくれる……!

伊丹「…………」

伊丹が脇に目をやると、そこでは二人の少女が互いに声を掛け合っていた。

沙都子「大丈夫ですわ梨花……きっと助かります」

梨花「沙都子……!」

状況はまるで飲み込めない、何が起きているのか分からない、一から十まで、何なら百まで説明を受けたい気分だ。

だが、少なくとも今の状況が緊急事態であり

梨花「沙都子……必ず、また会いましょうです……!」

そして、目の前の小さな子供たちが危機に陥っていることは明らかだった。

伊丹「…………!」

……ならば

伊丹「……俺たちはどう動けばいいんですか、警部殿」

芹沢「先輩!?」

伊丹「俺たち警察が! 目の前で犯罪が行われようとしてるのを、見過ごすわけにはいかねえだろ!」

右京「…………」

伊丹「やりますよ、俺たちは」

あれ?かっこいい……

イタミンカッコイイ!

伊丹△

こういうとこがかっこいいよね

伊丹はできる人

>伊丹「俺たち警察が! 目の前で犯罪が行われようとしてるのを、見過ごすわけにはいかねえだろ!」

ベタな言葉だが痺れる

右京「敵の目標はただ一つ、『古手梨花の確保』です……我々は必然的に、守りながらの戦いを強いられています」

右京「加えて、敵の力は非常に強大……真正面からまともにぶつかり合えば、我々が負けることは火を見るよりも明らかです」

右京「ならば、我々が第一にすべきことは」

伊丹「敵の戦力の分散……!」

その言葉を聞いた右京は伊丹を指差しながら頷きつつ、地図を広げ

右京「そう! それです! よく見てください、我々が今いる地点、園崎家をA……迎撃用の罠が備えられている裏山をBで表しています」

芹沢「AとBに分かれて……ってことですか!」

右京「ええ……さらに、B地点の裏山には表道と裏道の二つの登頂ルートが存在します……」

三浦「A地点の園崎家、B地点の裏山にある表道、そしてその山の裏道の三手に別れる……そういうことですか!」

右京「Bの裏山にある表道はこの園崎家から比較的距離が近い……ですが、裏道は周囲を大きく半周しなければ辿り着く事が出来ません」

右京「また、裏道に仕掛けてある罠の位置は複雑であり、仕掛けた本人である沙都子さん以外は扱えないそうです」

亀山「沙都子は梨花と背丈が似てる! 雨具か何かで顔と服装を隠せば、遠目からじゃ判断がつかねえ!」

伊丹「なるほど……つまり『古手梨花』を乗せて逃亡していると相手に思わせて、その実は罠の場所へ誘導すりゃいいんだな?」

右京「その通りです……しかし、当然……武器を持った敵に追われることは避けられません」

右京「裏道へ向かうにはそれなりの距離を走る必要があり……その分、敵から狙撃を受ける可能性も高まります」

伊丹「…………」

亀山「もしもお前らがやりたくねえなら俺がやる! そしたら、お前らには何か別の仕事を……」

伊丹「必要ねえ……こんな大事な仕事、特命係に任せられるか!」

亀山「…………!」

伊丹「こっちは任せろ、俺たちで何としてもやりきってみせる」

キャー伊丹さーん

沙都子「お話は終わりましたの? では早く! ナビゲーションは私が致しますわ!」

芹沢「何が何だか分からないですけど、もうやるしかないですよ!」

三浦「大丈夫かオイ……」

伊丹「ごちゃごちゃ言ってねえで行くぞ!」

亀山「死ぬんじゃねえぞ! 気を付けろ!」

伊丹「ああ、お前もな!」

右京「……亀山くん、僕たちも行きましょう」

亀山「了解!」

アウトブレイクで久しぶりにひぐらし見たけど思ったより雰囲気だけな感じがひどかった
でもよくよく考えたらこんなもんだな、ひぐらし

やっぱやる時はやるな三馬鹿

デイブレイク?(難聴)

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雲雀10『こちら雲雀10! 園崎家の裏手より三台の車両が出て行くのを確認!』

小此木「どれかにRが乗っている可能性が高い! 車内の人物は確認できたか!?」

雲雀10「Rに近しい体格の人物を二車両に確認するも、どちらもRであるとの断定は出来ません!」 
小此木「なぜだ! 体格などではなく、顔をしっかり確認しろ!」

雲雀10「それが、両名とも雨具を着用しており顔や服装がまるで見えず……!」

雲雀8『こちら雲雀8、雲雀10と同じく車両内の人物は確定出来ず!』

小此木「ちっ……雨具とは考えたな……!」

雲雀10『こちら雲雀10! 三台の車両のうち、二台は裏山の表道へ! もう一台は別ルートへ向かっています!』

小此木「裏山で籠城するか……それとも更に遠くへ逃げようとしているのか……」

小此木「……やむを得ない、車両追跡部隊を二手に分けてどちらも追え! 絶対に逃がすな!」

すいません今日はここまでで、明日で多分終わります、このスレ内でまとめたい

乙です


映画並みの銃撃戦が始まったかww

>>718
銀時「ひぐらしのなく頃に?」みたろwwwwww

おっつおっつ
伊丹かわいい

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某所

鷹野「…………」

状況は最悪だった、こちらの立てた計画に不備が出ていることを嗅ぎつけた『東京』が騒ぎ出しているらしい。

自分が何度、古手梨花は生存していると主張しても、その身柄を拘束できていないことを理由に聞き流されてしまう。

もはや、一刻の遅れも許されない。

鷹野は、無線に叫ぶ。

鷹野「状況は!?」

小此木『目標は三手に分かれたようです、園崎家、裏山の表道、そしてその裏道に』

小此木『現在、それぞれのルートに追っ手を掛けています』

鷹野「まんまと隊を分断されているじゃないの! あなたたちは優秀な山狗でしょう!!」

小此木『少々の遅れを取っただけです、すぐにカタがつくでしょう』

鷹野「急ぎなさい! 私も現場に向かうわ!」

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裏山、表道

圭一「よし! ここで一旦散らばるぞ! 各々が自分のルートで登頂して、上で合流しよう!」

レナ「梨花ちゃんは右京さんたちと一緒に動いて!」

梨花「二人とも……どうか気を付けて……!」

圭一「おう、任せとけって!」

レナ「右京さん、亀山さん! 梨花ちゃんのこと、お願いしますね!」

亀山「おう! お前ら、絶対に怪我すんなよ!!」

右京「敵は数が多く、それぞれが銃火器を備えています! 木々や茂みで照準はぶれるでしょうが、十分すぎるほどに危険な相手です!」

右京「くれぐれも、無理をしないように!」

圭一「ああ、任せてくれ!」

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圭一「……って、言っときながらこれかよ!」

圭一の前には追っ手の、三人の山狗が立ちふさがっていた。

罠を使いながらそれなりの数を仕留めたと思ったが、裏に回り込んだのが三人も……しくじった……!

鳳5「動くな! 両手を挙げろ!」

圭一「くそ……!」

銃を向けられる、即座に発砲してこなかったのはラッキーだった。

理由はおそらく、古手梨花の居場所を聞き出すためだろう。

圭一「…………」

まだ希望はあった……敵の山狗たちが立っている位置、そこから後ろに数歩下がったところには沙都子のトラップが仕掛けてある。

糸を切れば、吊り下げられた多くの丸太が一気に落下してくる強力なものだ。

何とか……敵をその位置まで誘導できれば……!

鳳5「古手梨花の場所へ案内しろ……余計な動きを取れば、その瞬間に引き金が引かれると思え」

圭一「ああ……分かった……!」

鳳1「ずいぶんと手こずらせてくれやがって……それなりの人数が行動不能になった」

圭一「…………」

それなりの人数……おそらく、レナや右京たちも罠を使いながら敵を撒いているのだろう。

周りが奮闘しているのに自分だけ最初に捕まるとは……そう思いつつ、地団駄を踏みたい気持ちを必死に抑えた。

鳳2「古手梨花だったか……あんな可愛げのないガキのために、馬鹿な奴らだ」

圭一「…………」

鳳1「ああ……せめて、どこぞの姫だったら命を懸けて戦ってやってもいいんだがな」

その言葉に

圭一「こんの無礼者どもがァァァ!!」

圭一の、何かが切れた。

圭一「お前らは分かってない! 分かっていない! 梨花ちゃんという存在……ひいては『少女』という存在を!!」

怒るポイントそこかいwwwwww

圭一の固有結界が発動したwwwww

圭一「いいかよく聞け猿ども! いつの世の中にも常にヒエラルキーが存在しているのは知っているな!
古代、中世においては目に見える制度として階級たるものが存在していたのは言うまでもないだろう。
だが、欧州の人権宣言を契機に自由・平等が謳われることとなった現代においても、暗黙の了解として階級制度は存在しているのだ!
では、その現代社会における階級ピラミッドにおいて一番上に来るものは何か! 答えてみろ!
……何? 経済を動かしている富裕層? 貴様らァ! それでも誇り高き大和男児か!!
分からないのなら教えてやる、『少女』こそが我々の属するヒエラルキーの頂点に立つ存在なのだ!
汚れを知らぬ純真無垢なその精神、白い絹の如きその柔肌、さらに様々な未来を想起させるボディ!
それら全てが至高かつ最強の存在なのだ!
その証拠に、神話では神々が美しい少女を恋をし、少女を妻として娶ることや、自らの子供を生ませることも珍しくない!
そこから生じたものが『少女=神』であるとする思想だな!
それ故に、八百万の神々を敬うべき大和男児たる我々は常に、少女たちの幸せを第一に考えて行動を取らなければならない!
少女が笑えば一緒になって笑い! 少女が涙を見せれば道化になって笑顔を作り出す!
少女のために生き! 少女のために何度でも死ぬ!
そうして彼女たちをひたすらに愛でなければならないのだ!
近年はその本質も分からぬ一部の暴徒が少女に乱暴をしたなどという話を聞くが、実に嘆かわしい!
全ての少女は人類の宝であり正義! 故に我々の愛は全少女に対して降り注がれるものでなければならない!」

シリアスが見事にブレイクされたぞwwwwww

圭一ェ・・・

すさまじいロリコンだな…

このスレで固有結界聞けて嬉しいwwww

圭一「そして、この理念は二次元においても当てはめられると俺は考える!
昨今なされている俺の嫁談義においては、自らのお気に入りのキャラクターを持ち上げ、他キャラを下げる行為が目立つな!
『○○より××のほうが可愛い』『△△とか□□の足元にも及ばない』などという不毛な言い争いだ!
なるほど確かに自らのお気に入りよりも他キャラが評価されているのを見るのは悔しいだろう!
血の滲むような思いがするだろう! その気持ちを痛いほどに俺は分かる!!
だが、しかし! それは決して他キャラを貶めていい理由にはならないのだ!
想像をしてみろ、顔も知らぬ第三者から罵声を浴びせられ貶められ、涙を流すキャラの姿を!
どうだ、身を引き裂かれるほどに辛い気持ちになるだろう! そんな少女がこの世にいてはならない!
男、いや漢ならば! 全ての少女を愛して受け止める、それくらいの気概を見せてみんかい!
あ、でも俺は灰原派なんだよな。最終的に蘭と結ばれることになろうと、俺は哀ちゃんを応援し続けようと思う。
おっと話がそれたな! とにかく、今は『少女』を敬うことを知らぬ、神への冒涜も同然の行為を平気でしてがす輩が増えすぎている!
それもこれも、全ては貴様のように少女を慕い敬うことをしない下衆の極みたる野郎どもが原因だ!
よって、ここに前原圭一の名を持って、貴様ら全員を矯正する! 歯ぁ食いしばれ!!
はいィィィィィ!! 指導指導指導指導指導指導指導指導指導指導ォォォォォォォ!!」

これ右京さん見てたら・・・

まだ続くのかwwwwww

地味にコナンネタがwwww

鳳2「な、何だ……何を言ってるんだコイツ!?」

鳳1「わ、分からない! 言っていることが意味不明だ!」

意味が分からない、分からないが故に人は恐怖する。

実態の掴めないものに対しては恐怖を覚えるのは生物として当然のことだろう。

未確認生物、幽霊などを人々が恐れるように、鳳1、2は圭一という未知の存在をひどく恐れた。

そして、残る一人は

鳳8「……現人神は、この世に存在したか」

威光にも似た何かを感じ、ただ感嘆の息を付くのみだった。

そうして、圭一に圧倒された三人は一歩、二歩と後退し……そして

罠を発動させ、意識を失った。

圭一「…………」

圭一は見た、最後に鳳8の見せた……悟りのような、清々しさを感じさせる、そんな笑顔を

圭一「……アンタとは、もっと別な場所で出会いたかった……!」

そう言い残し、圭一は走り去った。

鳳8…、あんたって人は(笑)

鳳8wwwwww

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一方、沙都子を車に乗せ、山狗に追われながらひたすらに車で裏道へと走るトリオは

芹沢「ちょっとちょっとちょっと! もう少し安全運転出来ないんですか!?」

三浦「道交法違反もいいところだぞ!」

伊丹「武装した連中に後ろから追っ掛けられてる非常事態に道交法なんか守ってられるか!」

芹沢「てかあいつら、普通に撃ってきてますよ!? 俺たちが警察だって分かってるんですかね!?」

伊丹「あいつら絶対しょっぴいてやる……! こっちから発砲は出来ねえのか!」

三浦「無理だ! このスピードでハンドル左右に切りまくってるのに、当たるわけないだろ!」

芹沢「それに窓から顔なんて出したら、確実に狙撃されますよ!」

伊丹「くそっ! 逃げるしかねえのかよ!!」

沙都子「そこっ! 次の角を左ですわ!」

伊丹「っ! もっと早く言えっ!」

芹沢「うわわわわっ!?」

市街地でカーチェイスを繰り広げつつ、裏道へと進んでいた。

>……アンタとは、もっと別な場所で出会いたかった……!


この台詞が格好悪く見えたのは初めてだww

圭一は俺の魂同志

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園崎家

茜「さあアンタら、気合い入れな! ここが踏ん張り所だよ! 雛見沢の底力、見せてやろうじゃないか!!」

茜の鼓舞によって士気が上がった園崎は山狗を相手に互角以上の戦いを繰り広げていた。

勿論、山狗が分散され、本来の全力を出し切れていないことも大きな要因だが、それでも十分すぎる健闘と言える。

茜「いいねぇ、昔を思い出すよ! あたしも乗ってきた!」

魅音「うわー……絶好調だねぇ、お母さん」

詩音「昔はもっと凄かったみたいですけど……葛西がホの字になったくらいだし……」

茜「魅音! 詩音! ここはあたしらに任せて、アンタらは古手の巫女様のところに行ってやんな!」

魅音「うん……ここより裏山のほうが、あたしたちも動きやすいし……行くよ、詩音」

詩音「んー……もうちょっとお母さんの本気を見たいような……」

魅音「んなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

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裏山

雲雀1「…………」

雲雀2「…………」

二人の雲雀は最新の警戒を払いつつ山中を進んでいた。

予想以上に強力な敵の罠に多くの味方が犠牲となったからだ。

そして、いついかなる時にそれらの罠が自分たちへ襲いかかるか分からない恐怖……

雲雀2「くそっ……何でこんな山狩りなんてしなきゃならないんだ……」

雲雀1「集中しろ、古手梨花さえ見つけて確保すれば俺たちの勝ちなんだ………」

雲雀2「ああ、古手梨花さえ見つければ……」

そう呟いていた時、二人の目前に

梨花「みぃ?」

一人の少女が立っていた。

雲雀2「!」

両者の緊張の糸が途切れた瞬間だった。

見つけた、この罠が張り巡らされた敵のホームである山の中で、しかも対象が一人きりでいるタイミングで!

雲雀1「つ……捕まえろ!」

そう叫び、梨花へ向かって二人は走り出す。

対象を発見した喜びから彼らは完全に冷静さを失い、まるで気が付かなかった。

『敵のホームである山の中』で『対象が一人きり』でいることなど、あり得るはずがないということに。

亀山「そうはいかねえよ!」

雲雀1「っ!」

武器を完全に下ろしていた状態での背後からの強襲だった。

雲雀2「くっ……!」

反射的に武器へ手をかけた雲雀2だったが

右京「亀山くん!」

知能派とは思えない動きを見せる杉下右京に即座に組み伏せられ

亀山「こっちも大丈夫です!」

雲雀1も既に亀山に押さえつけられていた。

右京さんがハイスペックすぎてジョルノをイメージする

梨花「みぃ、僕を囮に使うなんて酷いひどいなのです」

右京「すみませんねぇ……彼らの目的はあなたの確保です、発見しても即座に発砲するはずがないという確信がありましたから」

亀山「大人しく繋がれてろ!」

雲雀1「くそっ……なんてことだ……!」

梨花「しかしどうするのですか? もう沙都子の仕掛けた罠も残り少なくなってきているのですよ……?」

右京「ええ……こちらの攻撃回数は限られています、ならば一度の攻撃で多くの敵を沈黙させなければなりません」

そういいながら右京は、手錠で繋がれている山狗の胸ポケットから無線を取り

右京「失礼……少々、お借りします」

----

鷹野「小此木!」

小此木「三佐……そちらはどうでした?」

鷹野「どうもこうもないわ……このままだと、確実に私たちの計画は失敗する……!」

鷹野「早くRを捕まえなさい! もう時間がないの!」

小此木「…………」

鷹野の罵声が響く中、無線から

『古手梨花を発見! 繰り返す、古手梨花を発見した!』

小此木「場所を報告しろ!」

『山の頂上付近の表道! 山の頂上付近に古手梨花はいるぞ!』

雲雀13『こちら雲雀13、すぐにそちらへ向かう!』

鳳9『こちら鳳9、同じくそっちへ!』

鷹野「逃がすな! 絶対に生け捕りにして私のところへ連れて来るのよ!」

小此木「…………」

小此木「…………」

古手梨花が見つかった……いや、何もおかしいところはない。

これだけの人数で山狩りをすれば、そろそろ発見する者が出てきても不思議ではないだろう。

小此木「…………」

待て……さっき、古手梨花を発見したと言った山狗は自らの所属を宣言していたか?

訓練された山狗は無線を使用する際、常に自らの所属と番号を明らかにするよう刷り込まれている……

当然、古手梨花を発見して動揺していた可能性も考えられるが……

小此木「こちら小此木……先に無線で古手梨花を発見した山狗に告ぐ、速やかに自らの所属と番号を言え」

『…………』

小此木「貴様……一体何者だ!」

その時、他の無線から一斉に叫び声が聞こえてくる。

それを聞くや

『俺の所属は……警視庁特命係! 名前は亀山だ!!』

名乗っちゃったよ薫ちゃん

キャー!カオルチャーン!

あれだけど格好いいな…

鷹野「どうした! 一体何が……」

小此木「無線をジャックされました……おそらく、今ので山狗をおびき寄せ……まとめて行動不能にしたものと」

鷹野「…………!」

使えない……なんと使えない連中だろうか、どれだけの金をかけて買収したと思っている!

鷹野「……もういい、私が自分でRを捕らえるわ!」

小此木「……三佐」

鷹野「何よ!」

小此木「失礼を承知であえて言わせていただきますが……もはや、時間内における古手梨花の確保は不可能かと」

鷹野「…………!」

小此木「山狩りをするのならそれなりの装備が必要です、時間さえあれば我々も体勢を立て直し、古手梨花捕獲に動くことができます」

鷹野「そんな時間があるわけないでしょう!」

小此木「ええ、そんな時間はない……ですから、もはや無理だと言っているんです」

鷹野「もういい……山狗には頼らない、私がこの手でRを殺すわ」

小此木「それが三佐のお望みなら……我々もそのように」

小此木「山を登るのであれば表道からがいいでしょう、このルートは既に多くの山狗が足を踏み入れています」

小此木「その分、敵の仕掛けた罠も少ないでしょう……私は、三佐のバックアップに努めます」

鷹野「…………」

鷹野は未だに諦めてはいなかった、その意思はもはや執念と言ってもいい。

その根底にあるのは、自らの研究を認めさせて祖父と自分の名を歴史に残す……

そんな、ただ一つの願いだった。

----
一方、カーチェイスを繰り広げていたトリオは

伊丹「オイ! その裏道ってのにはまだ着かねえのか!?」

沙都子「刑事さんの運転が乱暴過ぎてまともにナビゲーション出来ませんのよ!」

三浦「お前、追われてるにしても限度ってもんがあるだろう! もう少し何とかならないのか?」

伊丹「何とかなるんならとっくにやってるってんだよ……!」

芹沢「先輩! 前! ハンドル切って!」

伊丹「っ! だからもっと早く言え!!」

力業で押し切ったドリフトカーブで市街地を駆け抜けるも、山狗の追跡は未だに撒けなかった。

……はずなのだが

三浦「ん……? オイ、追ってきてる車がいなくなったぞ?」

芹沢「えっ……まさか、上手く撒けたんですかね?」

伊丹「何でもいい! この隙に裏道へ急ぐぞ!」

(アカン)

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某所

「さすがですね二尉、あのスピードでチェイシングをしていた車を一発で狙撃するとは!」

「前を走っていた刑事さんたちのおかげかな……彼らの豪快なドリフトで、後続の山狗は一瞬スピードを緩めたからね」

「いえ……それでも、この離れた位置から狙撃をするのは……」

「お褒めの言葉は嬉しいけれど、僕はもう行かなくちゃいけない……鷹野さんのところへ」


富竹「彼女を、止めてあげなければいけない」

----
裏山

鷹野「はっ……はっ……!」

そこまで入り組んだ山ではないが、麓から一気に頂上まで登るのはやはり体力がいる。

鷹野は息を切らしつつ、それでも前に、前に歩を進めていた。

対照的に、その後ろを付いて来る小此木は余裕といった表情を浮かべていた。

山狗の総指揮と務める男は頭が切れるだけではなく、やはり身体能力も優秀だった。

小此木「…………」

ふと、小此木が足を止める。

小此木「三佐……先へ行ってください」

鷹野「…………?」

小此木「……少しばかり、この男とやりあわなければならんようですから」

鷹野「…………!」

小此木の言葉を鷹野はすぐに理解し、一人で山頂を目指し進み始めた。

彼女は見たのだ、小此木の視線の先にいた……その男の姿を

赤坂「…………」

----

赤坂「先に言っておく、もうお前たちの計画は全て潰した……これ以上の抵抗に意味はない」

小此木「分かってるさ、とっくにな……それが分かっていないのは三佐殿だけだ」

赤坂「なら……降伏するか?」

小此木「そういうわけにもいかないんでね……俺たち山狗は高い金で三佐に買われてる」

赤坂「……金か」

小此木「いや、三佐に対する矜持なんてもうどうでもいい……ただ、暇なだけなのかもしれないな」

赤坂「…………」

小此木「……話はこれくらいだ、お前も退屈だろう」

赤坂「…………」

無言で拳を握る赤坂に対して、小此木は一気に駆け出し

小此木「俺が山狗部隊総指揮総隊長! 小此木だ!」

赤坂「そりゃ良かったな……給料いくらだ?」

  |\  !`ヽ   | ̄〉  | ̄〉            }ヽ   ト、___     ー 、  ヽ
  ,」 /r、 ,i  1.、 ト! !|`< ! |  1ヽ  __      ノ !   ヽ  ヽ     } ム ヽ i 〉
  1 V 〉| /i ヽ|  i! ハヽ| | ,} 〉  ヽヽ    /  」  r‐'__ノ   、___」  } i 〉
  .!  / !./ | /L  /ヘ{_ノ| |  ,i '   i  i  / /   | |      1   ノ
  _7ムヽ/r-ヘVーュ  r ┘ .! !  | !     !  i ./ /     ! !      `ュ 「/´ ̄}
  |  「! } ´ ̄   |  ヽ.1ヽ. |  i |.    |  |〈 {     | レ-‐-、    | |ー┐_ノ
  レ1 |ヽ!ヽ__/ヽ |  |! !{_ノ |∧| |   __」  i ヽ ヽ    |  /´ヽ ヽ  i  |
  N ヽ| 「 | | ! , !ト-' 」 r ' | レ'| ヽ.  |  ヽ ヽ   ! /   !. | ! ! /
  |  .  | .| | /イ | r= | |.  !   {  ヘ  i   ヽ ヽ  L/   /  i i  i | L__,.ヘ
  | ,i ト、 | .| |  |. !    ! !.  i  |   ー'    !  |    /  / {  | !    |
  レ1 .| ! .r┐ i  |. !    ! !  ヽ_/        ヽ_ノ   ∠___/  ヽ_ノ ヽ__ノ
  └'' └' └'  └'   └'

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山頂

鷹野「…………」

着いた……山頂だ……

鷹野「Rは……どこだ……!」

右京「古手梨花さんならば、ここですよ」

鷹野「!」

鷹野が振り返ると、そこには

梨花「…………」

古手梨花……その周りの囲うように立つ部活メンバー……そして

亀山「あんたの企みもここまでだ!」

右京「…………」

東京の警視庁からやってきた、二人の刑事の姿があった。

鷹野「そう……全て、あなたの計算通りだったと言うわけね」

右京「…………」

亀山「やっぱりアンタだったのかよ……なんで、なんでこんな馬鹿なことを考えたんだ!」

鷹野「…………」

鷹野「……馬鹿なこと?」

亀山「当たり前だ! アンタはこんな小さな子供を殺そうとして! 村そのものを消そうとまでしたんだぞ!」

鷹野「…………」

鷹野「……それが、私の全てだったからよ」

鷹野は喉から絞り出すように声を出しながら

鷹野「そして……それは今も変わらない」

懐から銃を取り出し、梨花へと向けた。

その動きを見るや、右京と亀山は梨花の前に立ち

亀山「止めろ! もうアンタの計画は終わってる! 今さら梨花を殺して何になるってんだ!」

鷹野「…………」

鷹野「終わって……終わってなんかいないわ、私の夢は……」

鷹野「私と……おじいちゃんの名前を歴史に残す……神になるっていう夢は……終わってなんか……!」

涙で顔を濡らし、嗚咽を漏らしながら、それでも鷹野は銃を構えていた。

……その時

富竹「そうだ……君は終わってなんかいない、でも……終わらせなきゃいけない、こんな悪い夢は」

XDAYの伊丹は最高だった。

鷹野「ジロウさん……どうして……!?」

驚愕などという言葉では言い表せない衝撃だった。

目の前にいる男は、決しているはずのない……この手で確かに……!

鷹野「有り得ないわ! あなたは間違いなく死んだはずよ! 生きているはずが……」

右京「生きているはずがない……間違いなく、雛見沢症候群を発症させる薬物を投与したはず……」

右京「あなたはきっと……そう仰りたいのでしょうねぇ」

鷹野「…………!」

鷹野「……山狗がH-173を投与する前に、意識を取り戻して逃げ出したのね!?」

右京「いいえ……富竹さんは間違いなく、あなた方に薬物を注射されたそうですよ?」

鷹野「だったら……」

右京「……あなたは、富竹さんにこんなことを言っていたようですね?」

鷹野『自分が注射されているものの中身くらい、ちゃんと把握しておかなきゃダメじゃない』

右京「中身を把握していなかったのは……あなたも同じだったと言うことです」

すいません、ずっと数えながら何とか1つでまとめようとしてたんですけどやっぱ無理っぽいんで次スレ行きます
もうちょい付き合ってください

おk

問題ない、続けろ。いやお願いします

はい喜んで

了解です

遠慮なく次いってくれー楽しく読んでる

次スレまってます

次スレは亀山「ひぐらしのなく頃に、解っ!」みたいなんがいいな

もちろんですとも
待ってますよ

次がここです
杉下右京「ひぐらしのなく頃に」
杉下右京「ひぐらしのなく頃に」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1377348423/l20)

>>985
ほとんど終わりの部分なんでシンプルに行きます、わざわざすいません

pc用URL
杉下右京「ひぐらしのなく頃に」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377348423/)

>>987
そのスレタイじゃ、今のスレと見分けが付かないと思うけど…

次がここです
杉下右京「ひぐらしのなく頃に」
杉下右京「ひぐらしのなく頃に」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1377348423/l20)

>>985
わざわざありがとうございます。けど、ほとんど終わりの部分なんでシンプルに行きます

何で二重投稿したし、すいません

うめ?

何スレまででも付き合いますよ

にぱー

次逝くのか
これでレスできるな

うめ

ぷいぷい

>>1000ならハッピーエンド

乙です。
>>1000なら誰も死なない

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