【モバマス安価】P「かな子が怒った」 (16)
P「悪かったよ、かな子……機嫌を直してくれ」
かな子「……」
ちひろ「プロデューサーさん、どうしたんです?」
P「ちひろさん! 話を聞いてもらえますか」
P「見ての通り、かな子が怒ってしまったんです」
ちひろ(壁の方を向いて体育座りしてる)
ちひろ「一体なにをしたんですか」
P「俺がしたというより……まあ俺の言葉が引き金になったんですけど」
P「関取とか横綱とか、みんながかな子をネタにしまくるからついに我慢の限界が来たようです」
ちひろ「みんなって?」
P「主にネット上の書き込みですね。エゴサしたらしいです。で、どうすれば機嫌を直してもらえるか聞いたら」
P「『私をネタにした人全員からお菓子のプレゼントをもらわないと気が済まない』と答えて」
P「そういうこと言うからネタにされるんだぞ、と口にしたら、拗ねて部屋の隅っこで体育座りしてしまったんです」
ちひろ「なるほど」
P「どうすればいいでしょうか」
ちひろ「まず、プロデューサーさんは言わなくていいことを言ってしまったので謝るべきですね」
P「必死で謝ってるんですけど、聞く耳すら持ってくれなくて」
かな子「……」
P「この通りだ! 有名店のケーキを買ってあげるから、どうか!」ペコリ
かな子「……」プイッ
ちひろ「これは相当怒ってますね」
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P「本当にどうすればいいんでしょうか……」
ちひろ「本人に直接聞くしかないでしょう」
P「や、やってみます」
P「かな子、どうしたら機嫌を直してくれる?」
かな子「……」
P「何でもするよ。遠慮せず言ってくれ」
かな子「……」
かな子「↓2」
P「え?」
↓2 かな子の要求
ksk
魚が食べたい
かな子「お魚が食べたいです」
P「……それだけでいいのか?」
かな子「いいえ。ただ、すごく美味しいお魚料理が食べたいなって思ったんです」
かな子「ちょうどお昼時ですし」
P「わ、分かった! 今すぐ用意するよ!」
スタタタッ
かな子「……」
ちひろ「かな子ちゃん、ネットの言葉に惑わされないでくださいね?」
ちひろ「きっとみんな冗談半分というか、かな子ちゃんが大好きだからこそ」
ちひろ「そう! 愛情表現なんですよ!」
かな子「それなら『可愛い』とか『愛くるしい』とかで充分じゃないですか」
ちひろ(最もね)
(10分後)
P「かな子! 持ってきたぞ!」スタタタッ
ちひろ「早くないですか!?」
P「晶葉が、念じた料理が出てくるテーブルかけを持ってたの思い出したんですよ」
ちひろ「もろドラえもんの道具じゃないですか」
P「さあかな子さん! 召し上がってください!」
ちひろ(自然と敬語に)
かな子「……」スッ
スタスタ
かな子「……」ジー
ちひろ(興味を示してる)
かな子「美味しそう」
P「だろう? 鯛の甘酢あんかけと味噌汁、鯛ご飯だ」
P「冷めないうちにどうぞ」
かな子「ありがとうございます。いただきます」
(30分後)
かな子「ふぅ……」
P「ど、どうだった……?」
かな子「とっても美味しかったです」
P「そうか! それはよかった!」
かな子「でも、例の件は許しません」
P「!!」
かな子「アイドル・三村かな子の心についた傷は、まだまだ癒えてません」
かな子「部屋の隅っこに戻りますね」スタスタ
P「待て待て! 分かったよ、他にして欲しいことがあれば言ってくれ!」
P「何でもいいから! な?」
かな子「……」
かな子「↓2」
↓2 かな子の要求
ウロトロピンが足りない
膝枕して下さい
かな子「……膝……」
P「膝?」
かな子「膝枕して下さい」
ちひろ「!?」
P「は?」
かな子「膝枕です。お腹いっぱいになったら、何だか眠くなってきたので」
P「お前……食べたすぐあとに横になると……」
P(は!? 危ない危ない! 危うく『牛になるぞ』と言うところだった!)
P(普段ならなんてことない会話だが、今のデリケートなかな子にこんなこと言ったらマズイ!)
かな子「なんですか? 食べたすぐあとに横になると?」
P「な、何でもないよ」
かな子「もしかして、牛に…」
P「違う違う! 可愛さに磨きがかかっちゃうぞ、と言おうとしたんだよ!」
ちひろ(苦し紛れ)
かな子「ならいいんですけど。さあ、早く仮眠室に行きましょう」
かな子「膝枕してくれないとまた怒りますよ」
P「はい!」
スタスタ
ちひろ(……かな子ちゃん、ひょっとするともう……)
(仮眠室)
かな子「早くここに正座してください」ポンポン
P「正座は足がしびれるから、伸ばしちゃダメか?」
かな子「……仕方ないので、そこは譲歩します」
P「ありがとう。じゃあ、これでいいかな」スッ
かな子「はい、お邪魔しますね」ポンッ
P「……」
かな子「……」
P「こ、こんなんで本当にいいのか?」
かな子「……えへへ……」ニコニコ
P「おーい、かな子」
かな子「!!」
かな子「な、なんですか」
P「いや、こんな事だけで本当にいいのかなと」
かな子「私がいいと言ったらいいんです。文句言うなら、いよいよ堪忍袋の緒が切れちゃいますよ」
P「ごめんなさい! もう変なこと言いません!」
ちひろ「……」ジー
ちひろ(やっぱり、そういうことなのね)
(30分後)
かな子「……」ニコニコ
P「ほっ、よかった」
かな子「え?」
P「どうやらもう許してくれたみたいだな。笑顔が見れてよかったよ」
かな子(あっ! しまった!)
かな子「いいえ。今ので終わると思ったら大間違いです」ムスッ
P「え……でも嬉しそうな顔してるだろ」
かな子「!!」
かな子「ちょ、ちょっと待っててください」コソコソ
かな子(顔のマッサージをしなきゃ……!)ムニムニ
P「?」
かな子「……お待たせしました」クルッ
P「怒ってる」
かな子「ええ、怒ってますよ。なにせそれほどのことを言われたんですから」
かな子「まだまだ許しませ…」
ちひろ「えい」ツンツン
かな子「ひゃうん!?」ビクッ
P「ち、ちひろさんっ! 何するんですか、そんなことしたらかな子が大激怒しますよ!?」
ちひろ(この人……気づいてなかったのね。悪徳商法にも簡単に騙されそう)
ちひろ「その心配はありませんよ。かな子ちゃんは、とっくに機嫌を直してるみたいなので」
P「え?」
かな子「な、なにを言ってるんですかちひろさん……私は……」
ちひろ「かな子ちゃん? 白状しないと、漏れるまでくすぐりの刑ですよ?」ニコッ
かな子「ひっ」
最もじゃなくて尤もでは
かな子「す、すみません……もう怒ってないです……」
P「ええ!?」
かな子「プロデューサーさんが謝ってくれた時に、怒りなんてどっかに行っちゃいました」
かな子「というか、そもそもそんなに怒ってなかったというか……」
ちひろ「ネットで色々言われてるのにですか?」
かな子「お相撲さん関連のワードを見たときは、さすがにムっと来ましたけど」
かな子「そう言われても仕方ないかなって思って。甘いものたくさん食べてますし」
ちひろ(確かに、むしろあれだけ食べてよくこの体型を維持できてるなってくらい食べてるわね)
P「……かな子」
かな子「!」
かな子「ご、ごめんなさい! プロデューサーさんの反応を見たら悪知恵が働いちゃって!」ペコペコ
かな子「出来心なんです! 許してください!」ペコペコ
ちひろ(立場が逆転してる)
P「かな子……!」
かな子「ひっ!?」
P「謝らなくていい」
かな子「え」
P「それより、怒ってなくてよかったよ。お前を傷つけるようなことを言ってしまったのは事実だからな」
P「これからは深く反省して、あんな言葉を口にしないよう気をつけるから」ニコッ
かな子「ぷ、プロデューサーさん……!」
P「どうだ、今からケーキでも食べに行かないか? 用事がなければの話だけど」
かな子「ありませんっ! ぜひ行きたいです!」
P「よし。向かい側にある店でいいかな」
かな子「どこでもいいですよ、プロデューサーさんとなら♪」
ちひろ(あれ。なんかプロデューサーさん、いつもより優しい?)
ちひろ(かな子ちゃんに言ったこと、よっぽど気にしてるのね。発端はネットでエゴサしたからなのに)
ちひろ(……ま、一件落着ってことでいいのかしら)
P「かな子、何を頼むんだ?」
かな子「そうですね~♪ ショートケーキとチョコレートケーキと」
かな子「あっ、チーズケーキやモンブランなんかもいいですね~♪」
P「はは、あんまり食べすぎるなよ?」
かな子「美味しいから大丈夫ですよ~」
P「大丈夫ではないだろ。アイドルなんだし、体重のことは多少気にかけないとレッスンが大変だぞ?」
かな子「あ、はい……その通りですね……」
P「うーん、そう考えたら安易にケーキを食べるのはマズイか?」
かな子「!!」
P「食べるなら、後日にレッスンの量を増やすとか」
かな子「そんなぁ……!」
かな子「こ、こんなルールを知ってますかプロデューサーさん。ケーキってカロリー0なんですよ」
P「へ?」
かな子「スポンジの部分はスカスカですよね? 生クリームは体内の熱で溶けちゃいますし」
かな子「微々たるカロリーも、咀嚼して減少するので、実質カロリー0です」
P「……」
P「……レッスン入れとくぞ」タプタプ
かな子「うう……分かりました……」
ちひろ(いつもみたいに戻った)
ちひろ(頑張ってくださいね、かな子ちゃん)フフ
P「食べないという選択肢はないんだな」
かな子「当たり前ですよ! スイーツ、大好きですから!」ニコッ
おわり
短くてすみません
安価してくださった方、読んでくださった方、ありがとうございます
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