釣りバカ肇ちゃん (14)
※ ご注意
1.某アニメ特典のパロ(というか配役変えただけ)
2.キャラ大崩壊
3.上級者向け
4.ノリだけで書いた
この辺が許せるというお方、どうぞよろしくお願いします。
肇ちゃんがツアーのユニット枠に選ばれなくなってむしゃくしゃしてやった。
反省はしている、はず。
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都心から程なく離れた山間部の小さな湖。この辺りにしては珍しく水の澄んだそのほとりに、瞑目して静かに座る少女の姿があった。
その手に握られているのは、少女の可憐な姿とは、やや不釣合いなほど無骨な釣竿。その先を追うと、突き抜けるような青空を映す、透き通った水の上で静かに揺れるウキが一つ。
肇 「…………!」
まるで世界の時が止まってしまったかの光景は、しかし唐突に動き出す。
ウキが水面でその動きを不自然に変えようとしたその刹那、カッと少女の目が開かれる。
肇 「ふっ……はぁぁぁ!」
意志の強さを窺がわせる黒い瞳がギラリと輝き、少女は魂魄の篭もった雄叫びと共に立ち上がり、勢い良く竿を引く。果たして、その先には少女の想像した通りの獲物が水中から引き摺り出されていた。
そう、これはアイドルという大海に立ち向かう、少女達の物語である。
釣りバカ肇ちゃん
~シンデレラガールズ ダイナマイトフィッシングァッ~
「やっぱり塩焼きが一番美味いぜ!
激闘! 鮎釣り大会」
鮎釣り――
それは川釣りの中でも、常に他の川魚とは一線を画した、人気を保ち続ける釣りである。
その人気の一つに、友釣りという、特長~的な釣り方がある。
友釣りとは、鮎の縄張りに囮の鮎を侵入させ、防衛手段に出た鮎を引っ掛け、釣り上げるという、ユニークかつ高い技量とセンスが要求される釣りである。
P 「とゅぉぁあ! とゅぉぁ! とゅぉぁ……!」 (エコー)
由愛 「お上手ですね!」
囮を使い、見事に鮎を釣り上げたプロデューサーの姿を見て、思わず感嘆の声を上げる由愛だったが、それを隣にいた珠美が鼻で笑う。
珠美 「ふふん、あんなの、肇殿の敵ではありません!」
そう不適に笑い、
珠美 「さ、肇殿!」
振り返った珠美が見たものは、しかし彼女の想像していた自信に満ちた肇の姿ではなく、
肇 「ぁ゛~……」
座り込み、項垂れて情けない声を上げる彼女の姿だった。
珠美 「肇、殿?」
そのあんまりな姿に、一瞬たじろぐ珠美。
珠美 「あの、肇殿?」
由愛 「どうしたんでしょう?」
珠美 「さぁ……?」
しかし、意を決したように大きく息を吸い、
珠美 「肇殿!」
大音声で肇の名前を呼ぶ。
肇 「あ…‥何? 呼びました?」
その声に、ようやく肇が顔を上げるが、その顔面は蒼白で、普段の彼女の覇気が全く感じられない。
由愛 「気分でも悪いんですか?」
肇 「え、ぁ、ぃぇ……」
要領を得ない肇に、二人が近付く。
珠美 「あ、それって……?」
その拍子に、珠美が肇の傍にあったものに気づく。
珠美 「囮の、鮎? 鮎が、どうかしたのですか?」
肇 「私……ダメなんです」
珠美 「へ?」
肇 「実は私……生餌が苦手なんです」
「「えぇぇぇ~~!?」」
突然の告白に、珠美と由愛が瞠目する。
珠美 「というか、それは魚ですよ? いつも釣っているものではありませんか」
肇 「いえ、生餌って思っただけでダメなんです」
由愛 「あの、正確には餌ではなく囮ですから、既に死んでますけど」
肇 「ダメなんです、生きたのを糸の先に付けるっていう段取りだけで、色んな事が頭に浮かんでクラクラしてくるんです!」
由愛 「いえ、だから死んでますけど……」
珠美 「もう、どんな事を考えているのですか……」
肇のあんまりな様子に、思わず呆れを溶かした溜息を吐く二人だったが、
「どうした、シケた顔して」
その背後から、不意に声が掛かる。
「「え……?」」
P 「なんだ肇。鮎釣りは苦手か?」
三人が振り返ると、そこには竿を担いだプロデューサーが悠然と歩み寄ってきている。
肇 「……そんな事、ないです」
P 「鮎釣りは苦手か?」
拗ねたようにソッポを向く肇に、プロデューサーが畳み掛ける。
肇 「そんな事ないです!」
それに語気を強めて返す肇だったが、プロデューサーはまるで意に介さず、とうとう肇の傍まで歩を進め、
P 「どれ、貸してみろ」
肇の釣竿の先に、手馴れた様子で囮の鮎を付け始める。
肇 「ぁ……」
P 「よし見てろ。これはな、こうやって付けるんだ」
肇 「……ありがとう、ございます」
肇が顔を赤らめ、和んだ空気が流れるかと思われたその時、
『主だ~!』
『主が出たぞ~!』
そんな叫び声がどこからともなく聞こえてきて、辺りが騒然となる。
P 「なに……!?」
声の先を追うと、そこには川から大きく跳躍した、人の何倍もあろうかという巨体を誇る鮎の姿が視界に飛び込んでくる。
肇 「……!」
その姿に何かを刺激されたか、肇が竿を掴み、すっくと立ち上がる。
肇 「とぅぉりゃぁ~~!」
乾坤一擲。主の威圧的な姿に臆せず敢然と立ち向かう肇の手から、釣り糸が勢い良く飛び出す。
自らを鼓舞するような叫び声とともに放たれた釣り糸と囮鮎は、猛然と主へと迫り……
肇 「あ……?」
その遥か手前で、プツンという気の抜けた音とともに囮の鮎が釣り糸から投げ出されてしまった。
肇 「取れちゃいました……」
釣り糸も有限。無情にも勢いがつき過ぎた鮎はそのまま放り出され、川の底へと沈んでいく。
なんとも言えない虚無感に、肇が硬直しているその横を、しかしその熱に中てられていた珠美が走り去り、
珠美 「いっけぇぇぇ~~!」
釣竿、ではなく。己の相棒とも入れる木刀を主へと繰り出していた。
「――――!」
獰猛な牙を剥いて迫る主の、その口内を突き破り、珠美の放った木刀が主の身体を貫く!
珠美 「ぬ~しあしぬぁ~しぁーっせっ……!」(謎エコー)
断末魔さえ上げる間もなく力尽きた主の姿を見て、珠美が勝ち鬨(?)を上げる。
そう、戦いはおわったのだ。
P 「珠美……見事な釣りだった。それでこそ、シンデレラガールズの一員……!」
由愛 「あ、あの~……今のは、釣りじゃないと思うんです、けど。というか、なぜアイドルが釣りを……?」
珠美 「細かい! 細かいですぞ由愛殿! もっと大きな視点で釣りを見ないと!」
由愛 「そうですか……?」
肇 「……珠美さんには負けましたね」
二人のやり取りを聞いていた肇が、不意にそう零す。そしておもむろに空を見上げ、
肇 「よーし、これからも、アイドルというこの大海を、泳ぎきりますよ!」
そう宣言すると、二人(+P)も負けじと空へ向かって手を突き出し、
「「おー!」」
彼女達の決意が、雲ひとつない空に響き渡る。そう、彼女達の戦いは、始まったばかりなのだ。
頑張れ肇。負けるな肇。炎の釣りバカ少女、肇の戦いは続く――!
本当に続くかは分かりませんが、取りあえず一旦キリで……
真面目に肇ちゃんのSS書こうとしたら恐ろしい事になりそうだったので、ギャグ寄りにしたら……どうしてこんな事に。
お目汚し大変失礼しました。
乙!期待するわ
乙乙待ってるぞ
乙です
スカイガールズとか懐かしいな
期待
友鮎って死んでないだろ。
鼻環つけてヒレにハリ通して、ダメージを最小限にして活きの良いのを
縄張りで泳がせるんだぜ。友鮎を模したルアーもある。
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