【ラブライブ】東條希の怪談事件簿(39)

【ラブライブ】西木野真姫の怪談事件簿の関連SSです
【ラブライブ】西木野真姫の怪談事件簿 - SSまとめ速報
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前作より更新遅め

凛「うぅ…せんせぇ…」メソメソ

海未「凛…」ギュ

凛「うみちゃ…うわぁぁぁん!うみちゃぁぁぁん!」ギユ

希「凛ちゃん…ウチらがメソメソしてたら先生が安心できへん。辛いのはわかるよ…ウチも一緒や。けどな?49日も済んだんや…そろそろ前に進も?」

凛「ヒック…ごめん…グス」

希「謝らんでええんよ。海未ちゃん、ちょっとウチは資料の整理してくるから凛ちゃんのこと頼むな」

海未「はい。希姉さんも早めに休んでくださいね」

希「おおきに。凛ちゃんおやすみ」スタスタ 

凛「うん…おやすみなさい」

ス-ッ パタン

希「ウチがしっかりせんと…ウチが…」グッ

~喫茶店~

希「えっと」キョロキョロ

???「こっちだ」

希「あ、英玲奈さん!」

英玲奈「わざわざ来てもらってすまない。どうぞ、掛けてくれ」

希「ありがとうございます」ストン

英玲奈「コーヒーでよかったかな?」

希「はい。それでお話とは?」

英玲奈「…単刀直入に言う。キミはこのままその生活を続けるつもりなのか?」

希「えっ?」

英玲奈「気を悪くしないで聞いてほしい。キミ達のいる世界は“普通”ではない。キミも私と同じ中学二年生…後継娘とはいえ血の繋がりはないんだ。“東條”の名に縛られる必要はないんじゃないかと思ってな」

希「…」

英玲奈「親の都合で姓も違えば歳も離れていたためそう長い時間を共にしたわけではないが、私は姉を尊敬していたのさ」

英玲奈「その姉がキミ達を縛る鎖になるのは私としても忍びないんだ」

希「ウチもせんせ…お姉さんが亡くなってからずっと考えてました。この先のこと、妹達のこと…」

希「確かに“普通”じゃない世界です。けど、ウチも英玲奈さんと一緒でウチら姉妹を引き取って育ててくれたお姉さんのことを尊敬してます」

希「これしか道がないからとか跡継ぎの義務感とかじゃなくあの人と同じ道を歩んで行きたい…これがウチの意思です」

英玲奈「フッ…」ニコ

希「英玲奈さん?」

英玲奈「いや、すまない。姉は親には恵まれなかったが子には恵まれたんだと思ってな」

希「ウチらが親に恵まれたんですよ」

英玲奈「キミの覚悟が聞けたところで一つ、プロとして依頼を受けてはもらえないだろうか?」

希「依頼…ですか?」

英玲奈「ああ…キミがその世界で生きて行くのを悩んでいるようなら他をあたろうかと思ったんだがな」

英玲奈「実は私の幼馴染が少し厄介なことになってしまっていて助けてほしい」

希「詳しく聞かせてもらえますか?」

英玲奈「私の幼馴染…優木あんじゅの家庭は少し複雑でな」

英玲奈「あいつが産まれてすぐにお父さんが亡くなった。その後はお母さんが女手一つであんじゅを育ててたんだが中学へ進学を機に再婚」

英玲奈「あんじゅも母想いなやつでな『やっとお母さんが幸せになれるわ~』って嬉しそうにしていたんだ」

英玲奈「だがその再婚をキッカケにあんじゅの地獄が始まった」

希「まさか…虐待とかですか?」

英玲奈「ああ。友人として情けない話なんだが私はあいつの幸せの演技を見抜くことができなかった」

英玲奈「藁にも縋る思いだったんだろう…追い詰められたあんじゅは縋ってはいけない相手に縋り付いてしまったんだ」

希「縋ってはいけない相手…?」

英玲奈「呪術さ」

希「よりによって…お母さんには頼れんかったんですか?」

英玲奈「あんじゅの母の前では良き父親を演じてたみたいでな。どうやら母親の幸せはお前次第だぞと脅されてたらしい」

希「なっ…最低やんそいつ…」

英玲奈「はじめは暴言…次は軽い暴力…歯向かえば母親を盾に脅す。段々と洗脳されたんだろうな」

希「限界を迎えて呪術ですか…。それで父親にかかった呪いをどうにかしろと」

英玲奈「いや、父親じゃない。助けて欲しいのはあんじゅなんだ」

希「まさか…よりによって呪い返しですか」

英玲奈「キミも知っての通り、私はキミらの世界のことには疎い。呪った本人が呪いにかかるなんてことがあるのだろうか?」

希「うーん…例えば海未ちゃんは自分の氣を矢にして放つんですが原理はこれと一緒なんです」

英玲奈「それは私やあんじゅのようななんの知識も経験もない人間にも可能なものなのか?」

希「普通は不可能です。簡単に説明すると氣を操る、形を与える、放出するという3つの過程をこなさなければ術は形になりません」

英玲奈「私は今、キミから簡単ながらも術のプロセスを学んだわけだが…」

希「それでもまず氣を操る段階で躓くと思います」

英玲奈「ではあんじゅはそういう類の才があったと…」

希「いえ、ここからが呪いの怖いところなんですが…」

希「普通の人は他者を呪いたいと思っても実行にまで移しません。実行に移す人は追い詰められたり止められない憎しみが溢れ出した人だけ…」

希「この時点で自分の氣を無意識のうちに憎しみとして操ってる状態なんです」

英玲奈「無意識に…」

希「はい。無意識に氣を扱うこと自体は珍しくありません。問題は次の形を与えることと放出すること」

希「呪いとは氣を組み立てるための説明書みたいなもんなんです。メジャーな呪いで言えば丑の刻参り」

英玲奈「あの藁人形に釘を打つやつだな」

希「それです。あれを解説するなら実行に移そうとする段階で氣を扱っていて藁人形っていう媒体を用意することで氣に形を与えてるんです」

希「そして釘を打つ行為が放出するトリガーになってるんです」

英玲奈「なるほど…ではそれが自分に返ってくるというのはどういう理屈になっているんだ?」

希「呪い返しには大まかにわけて二種類…単に自分より実力の高い相手からの反撃か放出の向きを間違えるもしくは暴発したかの二つです」

希「一つ目のケースはまぁ言葉の通りですね。二つ目がよく聞く呪ってる姿を見られたら自分に返ってくるってやつが大半ですね」

英玲奈「よくわからないんだがなぜ見られてはいけないんだ?」

希「単純な話です。人は他人を呪う時、少なからず後ろめたさがあるもの…」

希「人を呪う…それを他人に知られた時、知った相手に放出の向きを無意識に変えようとするんですが形を与えた時にはすでに呪い向きは決められてるんです」

希「そこで暴発して行き場のない氣が自分の方に返ってしまう。これが一番よくあるケースです」

英玲奈「なるほど…それで一番重要なことなんだが、返ってきた呪いをどうにかすることは可能なのか?」

希「手遅れでなければ…ただしどういう呪いかを正確に知る必要があります。そのあんじゅさんって方はお話できる状況ですか?」

英玲奈「残念ながら意識がないんだ」

希「意識が…急がないと不味いかもしれません。あれ?じゃあ、あんじゅさんが呪術を行ったってのは誰から?」

英玲奈「夜が更けても帰らないあんじゅを探していたあんじゅのお母さんが目撃したんだ。その時はその行為がなにかわからなかったと言っていたが後からあんじゅの日記を見つけてな」

希「その日記を見ることはできますか?」

英玲奈「もちろんだ。あんじゅのお母さんには依頼を受けてくれるかはわからないと前置きした上でキミの事は話してある」

希「では、すぐに行きましょう」

英玲奈「ありがとう。頼りにさせてもらう」

第1話 あんじゅ×呪術

とりあえずここまで
真姫ちゃん書いてた時と状況が変わってしまってあまり時間がさけないから更新遅めになるけど許しておくれ


今回も楽しく読ませてもらいます

なかなかにディープだな…


面白い

~優木家~

英玲奈「おばさん、彼女が話した希だ」

希「ど、どうも。東條希です」ペコリ

あんじゅ母「はじめまして。あんじゅの母です。そのえっと東條さん?は、なんというかお若いのね?」

希「えっと…はい…」

英玲奈「不安になるのはわかるが彼女のことは私が保証する。安心してほしい」

あんじゅ母「あ、そういうことじゃないのよ。気を悪くされたらごめんなさいね」

希「大丈夫です。それであんじゅさんはどちらに?」

あんじゅ母「入院してるわ…あんじゅは…あんじゅは助かりますか?」

希「ウチにやれることはやらせてもらいます。とりあえず手掛りが欲しいのであんじゅさんのお部屋と日記を見せてもらえますか?」

あんじゅ母「お願いします。あの子の部屋は二階の…」

英玲奈「私が案内しよう。おばさんは少し休んでたほうがいい」

あんじゅ母「英玲奈ちゃん…いつもありがとうね」

英玲奈「気にしないでくれ。さぁ希、こっちだ」スク スタスタ

~あんじゅの部屋~

英玲奈「ここだ」

希「すごい可愛らしい部屋ですね」

英玲奈「私と違ってあんじゅは女らしさが服を着たようなやつだからな。えっと確かこの引き出しにっと」ガサ

英玲奈「あったな。これが例の日記だ」

希「見させてもらいます」パラパラ

○月○日

お母さんが紹介したい人がいるって言ってきた
そんなに緊張しなくても反対なんてしないのに(笑)
今度、家へ招待するって言ってたけどどんな人だろう?

○月○日

今日はお母さんの彼氏が来た
優しそうでカッコいいじゃない

お母さん、楽しそうだったなぁ

○月○日

今日からあの人も一緒に暮らすことになった
なんか変な感じだわ

いつかお父さんって呼べたりするのかしら?
そうなればいいな

○月○日

今日はあの人に怒鳴られた
今までそんなことはなかったのに
仕事で何か大変なことがあったのかな?

○月○日

あの日からあの人が頻繁に怒鳴ってくるようになった
私がなにかしてしまったのかしら
何度考えても心当たりは見つからないけど
どうしたらいいの

○月○日

あいつは最低だ
英玲奈を変な目で見てさらに紹介しろなんて冗談じゃない

断ったら殴られた
なんでこんなことになったんだろ

○月○日

気に入らなければ暴力、なにもなくても暴力
ツライよ

○月○日

お母さんがあいつと私にプレゼントを用意してた
私には綺麗な髪留め、あいつにはネクタイ
幸せにしてくれたお礼だって

相談できない
お母さんの幸せを壊したくない

○月○日

もう死にたい
なんで私がこんな思いしなきゃいけないの
あいつがいなければ

○月○日

学校の帰りに知らない子に声をかけられた
死にそうな顔してるなんて失礼しちゃうわね
お母さんや英玲奈にも相談できなかったのになんであんなにペラペラ話せたのかしら

恨みを晴らしたいなら満月の夜にこれを砕けって変な石を渡されたけどなんなのかしらこれ
呪いなんて本当にあるのかな

○月○日

もう限界
中学生のお風呂のぞいて何が楽しいのよ変態野郎

明日は満月ね

希「この途中で出てくるあんじゅさんに何かを渡した子に心当たりはありますか?」

英玲奈「すまない。私も聞いて回ったんだがその日あんじゅが誰かと話をしていたのを見かけた人はいなかったんだ」

希「この石が何かわかれば…お母さんがあんじゅさんを見つけた場所はわかりますか?」

英玲奈「それは裏山の大木のしたらしい」

希「案内してもらえますか?」

英玲奈「ああ、しかし顔色が優れないが大丈夫か?」

希「少し寝不足なだけで問題ありません」

英玲奈「…。あまり無理はするなよ?」

希「ありがとうございます」

少なくてごめんよ
今日はここまで

日記ツライ・・・

怖いけど読んじゃう

~裏山~

英玲奈「この辺りだ」

希「お母さんはよくこんなところであんじゅさんを見つけれましたね」

英玲奈「なに、簡単なことさ。あいつは昔から嫌なことがあればここにくるのさ」

希「お気に入りの場所ってやつですか…あったこれや」スッ 

英玲奈「それは?」

希「日記にあった石ですね」

英玲奈「私にはそこら辺の石と何が違うかわからないが…特別なものなのか?」

希「石自体はそこら辺の石とは変わりません。ただこれには相当な物が封じられてたんやと…まだ気配が残ってます」

英玲奈「それはあんじゅが込めた憎しみってことか…」

希「いえ、前に話した呪いの2ステップ目まではこの石で完結してたんでしょう。あんじゅさんは想いを乗せて放出しただけ」

英玲奈「それでは誰にでも使えたということか」

希「想いの強さは必要ですが自分で1からやるよりは簡単でしょうね…一体誰がこんな危ないものを」

英玲奈「それでどうだろう?あんじゅを救う手掛かりは見つかったか?」

希「だいたいの形は見えました。あとはあんじゅさん自身に会ってみないと」

英玲奈「では私はあんじゅのお母さんに明日にでも病院の方に向かうと伝えておくよ」

希「お願いします。ウチも一旦帰って色々準備してきます」

英玲奈「よろしく頼む…と言いたいがあまり気負い過ぎないでくれ」

希「あはは!心配し過ぎですよ?でもありがとうございます。では一旦戻りますね」クル スタスタ

英玲奈「…」

~神田明神~

希「さてと、取り敢えず手掛かりはこの石だけか」

希「ほんまにウチだけでやれるんやろか…」

希「弱気になったあかんな。ウチがしっかりせな」

パタパタパタ

凛「希ちゃーん」

希「凛ちゃんどうしたん?」

凛「別になにもないんだけどね…希ちゃんはなにしてるのかなーと思って」

希「ちょっとお仕事のこと考えてただけよ?」

凛「凛もお手伝いしよっか?」

希「んーじゃあ一つお願いしよっかなー?」

凛「うん!凛ね!希ちゃんのためなら頑張るよ!」

希「ほんまに凛ちゃんは優しくていいこやね」ナデナデ

凛「えへへ!それで凛はなにをお手伝いすればいいの?」

希「これを見て欲しいんよ」スッ

希「ウチには嫌なものが入ってたってことしか感じられへん。けど自然に愛された凛ちゃんなら違う見え方がするはず…どう見えるか教えて欲しいな」

凛「うーん…ちょっと待ってね!」ジ---

希「…」

凛「…」

凛「ぷはぁ!」

希「何か見えた?」

凛「うん!えっとね、おっきい猫ちゃんが閉じ込められてたみたい」

希「猫…」

凛「それでねその猫ちゃん達は怒ってる…無理やり閉じ込められたのかな」

希「達ってことは一匹じゃないってこと?」

凛「えっと…多分3匹。凛にわかるのはこれくらいかにゃ。どう?役に立てた?」

希「充分や!ありがとね凛ちゃん」ナデナデ

凛「やった!じゃあ次は海未ちゃんのお掃除のお手伝いにいってくるにゃ!」パタパタパタ

希「大きな猫達か…」

~あんじゅの病室~

英玲奈「彼女があんじゅだ」

あんじゅ「…」

希「じゃあ早速はじめます」

希「使役者の名に於いてカードの力を解放する…The HIGH PRIESTESS」ポワッ

英玲奈「それは?」

希「女教皇の正位置は知力や学識を示します…取り敢えずこれであんじゅさんの状態を見てみます」スッ

希「これは…猫って言うよりはヒョウかな。あんじゅさんの心の中を三匹のヒョウが暴れまわってる…」

英玲奈「ヒョウ…」

希「早く追い出さないとあんじゅさんの心が壊れてしまう…あんじゅさんからでた呪い達が英玲奈さんに向かう可能性があります。少し部屋の外に出てもらえますか?」

英玲奈「あ、ああ。しかし私がいてもなにもできないことはわかっているが…その、一人で大丈夫なのか?」

希「なんとかして見せます」

英玲奈「無理はするなよ。君を待つ妹達を悲しませるわけにはいかないだろ」

希「もちろんです。私が合図するまで誰も部屋に入れないでください」

英玲奈「任せてくれ」スタスタ ガチャ パタン

希「とりあえず結界を…The HERMIT」ポワッ

希「さぁ気合いをいれんとね」パチン

希「さぁあんじゅさんの中から出ておいで!The DEVIL」ポワァ

ピカッ!!スタスタスタ!!

「「「ガルルルゥ!!」」」

希「さてここからが本番やね!The EMPEROR」ポワァ

希『静まれ』

パンサーズ ビクッ

希「びっくりさせてごめんやで?落ち着いてもらわんと対話もできへんからね。皇帝の威を借りただけや」

「ウウゥゥゥ」

希「あなた達を縛るもんはもうないよ。狭いとこに閉じ込めた奴ももうおらん。怒りを忘れておるべきとこに帰り」

「ガアァァァ!!」

希『静まれ』

「ガルルルゥガァァァ!!」

希「皇帝の言葉で抑えられへんほど怒りが強い…この子らも利用されただけや。自分らで帰ってくれるんが一番やってんけど」

希『動くな』

「ガッッ!!グルルルル!!」

希「DEATH」ボワッ

希「ウチの言葉はわかるやろ?死神のカードがもたらすのは消滅…あなた達も被害者や。できたらこの力で消すことはしたない」

希「けどな?ウチはあんじゅさんかあなた達かを選ばんとあかん」

希「もう一度お願いするね?怒りを忘れて自分達で帰ってくれへんかな?」

「ガアァァァ!!」バッ

希「なっ!『う、動くな』」

「ガルァァァ!!!」バッ

ガチャン!!

希「結界と皇帝の圧を振り切って逃げた…?」

ガチャ

英玲奈「大丈夫か!?」

希「英玲奈さん…とりあえずあんじゅさんはもう大丈夫です。しかし、あんじゅさんに掛かってた呪いが暴走して…」

希「ウチは呪いを止めに行きます。あんじゅさんのことは任せますね」ダッ 

英玲奈「お、おい!」

ここまで

次の更新であんじゅ編終わらせてみせる…
たぶん

タロットカードって便利やなぁ

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