●注意●
・短編形式
・日常系SS
・のあさんのキャラ、口調、クールなイメージが『著しく』崩壊します
・独自解釈している点が多々ありますので、ご了承下さい
●登場人物●
高峯のあ
http://i.imgur.com/eI0rjo6.jpg
ご近所
http://i.imgur.com/jE0lU93.jpg
その他
http://i.imgur.com/r4C6rPM.jpg
●過去作
第1作:高峯のあ「牛丼並……あっ大盛りで」
高峯のあ「牛丼並……あっ大盛りで」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447664976/)
第2作:高峯のあ「和風牛丼並……あっあとから揚げ」
高峯のあ「和風牛丼並……あっあとから揚げ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448875583/)
第3作:高峯のあ「(プレミアム牛めし……あっあと焼のり)」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453369628
第4作(総集編):高峯のあ「牛丼大盛り……つぇ、つゆだケで……っ!」【番外編①】
高峯のあ「牛丼大盛り……つぇ、つゆだケで……っ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466684201/)
第5作:高峯のあ「牛丼並……4つでいいかしら?」
高峯のあ「牛丼並……4つでいいかしら?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479041217/)
━━━━━━━━━━━━━━
【事務所・中庭】
周子「そうなの?」
のあ「………」
周子「週7で吉野家通って、体は牛肉で出来ていて、生粋の吉ラーである、のあさんが……」
周子「就職の面接で『あなたを物に例えると?』って質問で迷うことなく『吉野家の牛丼』と答える、高峯のあさんが……」
周子「自分の存在を否定するんだ?」
のあ「……その表現は、些か的確ではない」
周子「うん?」
のあ「…………………………週、8」
周子「そっかそっか」モグモグ
のあ「……そのどら焼き、ひとつ私も貰ってもいいかしら?」
周子「たーんと召し上がれ」
周子「で」
周子「どないしはったん? 一体」
のあ「………」パクッ
のあ「話は簡明。事実とは得てして、深淵にあるとは限らない」モグモグ
のあ「先日……」
~~~~~~回想・昨日~~~~~~
【高峯宅】
のあ「………っ」
管理者『ですから……』
のあ「ス、すみ……、すみませんっ……!」
管理者『お送りした督促状に記載した通りです。家賃2か月滞納』
管理者『このまま滞納が続くと、強制退去等の手続きをさせて頂く場合もありますので』
のあ「きょ、強制退去……!?」
管理者『ご了承下さい』
管理者『それと一応、連帯保証人様にも既にご連絡させて頂きました』
のあ「お、お母さんに!? じじじ、じゃあ、支払いは……!」
管理者『貴女に、娘さまに全て任せる。もし未納が続けば仕事を辞めさせて実家で引き取るから、好きにしてくれ……と』
のあ「ォ………!?」
管理者『こちらが賃貸借契約解除の手続きを行えば、貴女はその部屋を所謂“不法占拠”しているわけですから、再三お送りしている催促が叶わない場合は、明渡請求、及び訴訟手続きを───』
のあ「チ、ちょ、ちょっ……!!」
管理者『?』
のあ「も………!」
のあ「もっと、分かる言葉で……、や、優しく言って………っ!」グスッ
管理者『………家賃を、その、払ってくれたら嬉しいですね』
のあ「は、払います払いますっ! すみません……」
管理者『お仕事をしていない訳ではないんでしょう?』
のあ「あ、ハイ。アイドルを」
管理者『えっ?』
のあ「は、ハイパードリームクリエイターを」
管理者『………………ハイ?』
のあ「アッ、ア、ヲ、その………」
のあ「………………………………営業職です」
管理者『極力お支払いを早めにお願いします、何かありましたらご連絡を……、失礼致します』
のあ「すみません……すみません………っ」
~~~~~~回想終わり~~~~~~
のあ「……ということ」
周子「ピンチだよ」
──────
────
──
──
────
──────
【事務所・応接室】
周子「ふぅ」
周子「(のあさんも大変だなぁ。最悪の場合、あたしのアパートでルームシェアでもいいけど)」
周子「(でも本人にも危機感を持って貰わないと、彼女自身のためにならないよね)」
───ガチャ
美嘉「おつかれー♪」
奏「周子、お疲れ様」
周子「おっつー」
周子「美嘉ちゃん、ネットニュース観たよ」
周子「ツイッターに載せた服が翌日、全国のユニクロから売れて消えたって」
美嘉「ふふ。アタシも焦っちゃったなぁ」
奏「とか言って、内心は?」
美嘉「いやぁ、それは満更でもないよねー★」
周子「だよね」
美嘉「ねえねえ、そのお菓子一個いい? どら焼き……?」
周子「あいよー」
奏「城ヶ崎美嘉の発信力は、本当に市場経済を動かすレベルよね。末恐ろしいわよ」
美嘉「プチプラのコーデだったし、みんな手軽に真似できるからウケたんじゃないかな?」
美嘉「反響が大きいのはウレシイ限りだけどね」
奏「流石はSランク」
周子「そだね」
美嘉「これオイシーね♪ どこの? ねー写真撮っていい??」
奏「あ、話題逸らした。照れ隠しかしら、ふふっ」
周子「今度はそのどら焼きが売り切れちゃうね」
周子「奏ちゃんもどう? このどら焼き」
奏「結構な大きさね。申し訳ないけど私、この後レッスンだから………」
美嘉「そうなの?」
周子「そういやさっき、のあさんも美味しいって褒めてたな、コレ」
奏「食べる!」スッ
周子「えっ?」
奏「あぁ、もう美味しいって分かる。素敵……」
周子「さ、触っただけで?」
美嘉「のあさんって、ウワサの『寡黙の女王』?」
周子「ん?」
美嘉「銀髪で無表情で不思議なオーラがあるって話だけど、アタシ会ったことが無いし、よく分かんないなー」
奏「………」ピクッ
美嘉「Gランクだっけ。まあ、新人にしちゃよく頑張ってるほうじゃない?」
周子「まあ……、そんなもんだよね」
美嘉「ちょっとジュース買ってくるね」スタスタ
───グチャ!
周子「!?」
奏「………美嘉」
周子「あぁ………勿体無い。そんな潰さんでも」
奏「美嘉。貴女は、貴女と同じ高みにいる彼女の真価に、気付いていないだけ」
奏「近すぎて分からないだけ、見えていないだけ。あるいは、認めたくないのかしら」
周子「何言ってるか知らないけど、餡子でベッタベタだから早く手を拭こ?」
奏「いいえ、美味しかったわ。高峯さんと同じ感想よ、美味しかった。あの人と同じ……」
周子「え、何? 手から食べたの? ど、どゆこと??」
━━━━━━━その頃━━━━━━━
【ユニクロ】
のあ「ウ、売り切れ……!?」
店員「申し訳ありません。有名なアイドルがツイッターに上げたとかで、急に女性のお客様が一斉にお買い求めになりまして」
のあ「(め、迷惑な……!)」
のあ「(私はユニクロの上客なのに、にわかユニクラーアイドルのせいで………くっ!)」
のあ「(私の欲しかった服が……、ど、どうしよ……)」シュン
──────
────
──
──
────
──────
【岡崎家】
泰葉「家賃滞納ですか……」
のあ「そうよ」
泰葉「危機感抱いてます?」
のあ「……然り」
泰葉「他のライフラインは大丈夫なんですか?」
のあ「ガスは………止まっている」
泰葉「あぁ……、とうとう止まったんですね。頑張って動画投稿してたのに」
のあ「問題ない。支払いも滞りなく終わり、明日開栓予定」
泰葉「(滞ってたから止まったんじゃ……)」
泰葉「というか、それまでどう生活していたんです?」
のあ「シャワーは事務所。料理は外食、あるいは……」
のあ「電気は生きているから、水を適量と、乾麺のうどんを半分に折って炊飯器に入れて10分少々で、良い塩梅に調理できる」
のあ「電気があれば何でもできる」
泰葉「(泣きたくなってきた)」
のあ「泰葉」
泰葉「はい?」
のあ「お風呂を貸して欲しい」
泰葉「今日はそのために来たんですものね。いいですよ、温まって帰って下さい」
泰葉「あっ、それと私明日から────……って、お風呂場行くの早っ!!」
泰葉「もう……」
━━━━━━━翌日━━━━━━━
【泰葉宅前】
のあ「(ふふっ♪ 無事にガスが復活したわ♪)」
のあ「(泰葉ちゃんにはご飯とかお風呂とかお世話になりっぱなしだったし、お礼をしないと♪)」
のあ「(いいとこのケーキも買ってきたし、さっそく一緒に……♪♪)」
のあ「……♪」
ピンポーン♪
のあ「…………」
のあ「……」スッ
ピンポーン♪ ピンポーン♪
のあ「………………?」
のあ「……………………………」
───カチカチ
のあ「………………………………………………………………………………………」カチッ
~~~~~~~LINE~~~~~~~
泰葉【いないですよ。今日から仕事の撮影で長崎ですので】11:00
泰葉【一週間は家を空けます。昨日言いませんでしたっけ?】11:00
~~~~~~~~~~~~~~~~~
のあ「ッ!?」ドンッ!
のあ「(そ、そんな………き、聞いてない!)」ドンッ!
のあ「(わ、私の最大のライフラインが……!! あわよくば節約のためにお邪魔させて貰おうと計画してたのに……!!!)」ドンッ!
のあ「ぁ、あうぅ………!」ドンッ! ドンッ!
のあ「(泰葉ちゃんがいなくなったら、一体だれがマトモなご飯を作ってくれるの? だれが私の面倒を見てくれるの!?)」ドンッ!
のあ「(私、もう自分の部屋より泰葉ちゃんの部屋でくつろぐ方が遥かに居心地がいいのに……!!)」ドンッ! ドンッ!
のあ「(なんで……、せめて合鍵を残してくれなかったの……!?)」ドンッ! ドンッ!
のあ「(酷いよっ、こんなあんまりだよ………っ)」ドンッ! ドンッ!
のあ「(こんなの……、絶対おかしいよ………!)」ドンッ!
───ガチャ!!!!!
時子「うっっさい!!!! 打ち殺すわよこのクソニートがッ!!!!!!!」←お隣
のあ「アヒッ!! スス、スミマセン……!!!」
──────
────
──
──
────
──────
【ファミレス】
時子「……」
楓「のあさん、大変でしたね」
のあ「社会で生きるという営為、それ即ち労働に辿り着く」
のあ「働かなければ普く、人として生きることは叶わない」
楓「つまりアイドルとして………お仕事を?」
のあ「…………」←Gランク
楓「…………」←Gランク
時子「……………」ズズッ…
楓「あっ! そうだ!」
のあ「?」
楓「ちひろさんに相談しましょう」
のあ&時子「…………」
のあ「オ、お金の?」
楓「いえいえ。お仕事のですっ!」
のあ「仕事を増やして欲しい、と?」
のあ「ランクは私達の実力。仕事の量はそれに見合うもの………彼女の負担が───」
楓「それも少し違います。えーっと、つまり」
楓「バイトですよ!」
のあ「……バイト?」
時子「………私は先に帰る」ガタッ
楓「あっ、は、ハイ! 御馳走様でした!」
のあ「お疲れさま」
楓「えーっと、つまりですね? 自虐的で言うのも少しツライんですが」
楓「芸人でも、役者でも、アイドルでも。売れてなければ兼業するんですよ」
楓「売れてなければ、給料が少なく、生活できないですからね」
のあ「……当然ね」
のあ「“二足の草鞋”……かしら」
楓「“備えあれば憂いなし”……とも言いますね」
楓「労働形態は様々ですが、やはりアルバイトが基本ですね」
楓「大抵は自分で探すんですが、事務所で斡旋してくれる簡単なバイトもあるはずです」
のあ「……なるほど」
楓「ただ」
楓「“アイドルとしての仕事”というよりは、“一般的のアルバイト”になっちゃいますけど」
のあ「構わない」
楓「私もお付き合いします♪ 早速明日にでも、詳しい話を聞いてみましょう♪」
のあ「フフッ……」
楓「ふふふっ♪」
━━━━━━━━━━━━━━
【レジ】
のあ&楓「………」
店員「先ほどの方は既に、ご自身のお飲み物の代金を支払われていたので……」
店員「あとは、やわらかチキンのサラダ、ミラノ風ドリア、デミグラスソースのハンバーグ、グラスワイン、ですね」
店員「お会計、こちらになります」
楓「(時子ちゃん、てっきり全部払ってくれたと思ったのに……)」
のあ「(余計な出費が……)」
──────
────
──
①お久しぶりです
②表にスレを立てたハズが、何故か裏のR板に立ってしまったけどもうこのまま投下します
③R要素はありません
やったー
楽しみ
家賃滞納のあさんってあんた……
──
────
──────
【事務所】
ちひろ「モチロン、ありますとも♪」
のあ「(……!)」
楓「私達でも、出来ますか?」
ちひろ「ええ。そうですね、簡単に説明しますと」
ちひろ「貴女達はアイドルですので、アイドル活動は最優先です。その活動に支障が出ない範囲の……」
ちひろ「つまりシフトや人員という点でいつでも補充が利く、リスクが低いアルバイトの斡旋になります」
楓「矢継ぎ早にすみません。例えば、どのような?」
ちひろ「二種類あります」
ちひろ「一つは、アイドルとしてのスキルや容姿が活かせるアルバイト」
ちひろ「デッサンモデル、コスプレ撮影、フロアレディ、着ぐるみスタッフ、etc……」
のあ「(き、着ぐるみスタッフ……!!)」
ちひろ「もう一つ、無資格未経験でこなせる簡単な軽作業系主体のアルバイト」
ちひろ「グッズ袋詰め、ティッシュ・風船配り、警備・清掃・販売スタッフ、etc……」
ちひろ「どちらも期間は短く、お給料は日払い可です」
ちひろ「お二人だけでなく、多くのアイドルも同じような悩みを持たれています。不安も当然お持ちでしょうが……」
ちひろ「気軽に頼って下さいね。アシスタントとして全力でバックアップしますから♪」
のあ「(や、優しい……!)」
楓「(天使……!)」
ちひろ「そうだ!」
ちひろ「今、漠然としたカンジでよろしいので、希望のお仕事職種や時間帯など、簡単にこのメモに書いていただけませんか?」スッ
ちひろ「こちらもバイト紹介の際、それを参考にさせていただきますので♪」カサッ
のあ「(……希望の仕事、時間)」カチッ
のあ「(この希望通りに、ちひろさんが厳選して紹介してくれるわけね。結構重要だわ!)」
のあ「(うーん………お金が欲しいから選り好みしている場合じゃないけど)」
のあ「(でも、これはある種の権利よね。こういうところで妥協しちゃダメ)」
のあ「(仕事の内容……、あまり大勢の前に立つ仕事はムリかな。緊張で吐いちゃうし、協調性とかのアレもあるし)」
のあ「(時間帯……、出来れば早めに帰れればいい。見たい番組いっぱいあるし、ここは譲れない)」
のあ「(アイドルのスキルを活かす……、いや、Gランクアイドルってそもそもアイドルなの? ランクとか正直に答えたら鼻で笑われそう)」
のあ「(じゃあ無資格未経験でこなせるバイト? でも……着ぐるみスタッフとかやりたい。やりたい)」
のあ「(あっ! 楓さんと相談を……)」
のあ「(いやでも、彼女も都合があるだろうし…………うーん…………………)」
のあ「………………」カリカリカリ
ちひろ「はい、じゃあお預かりします。メールで連絡しますので」
ちひろ「(どれどれ、二人とも何を書いたのかな?)」カサッ
【簡単で裏方寄りのアイドル的な可愛い仕事/時間帯は定時希望 @高峯のあ】
ちひろ「…………」
【楽で裏方でアイドルっぽい可愛らしいお仕事/時間帯は定時希望 @高垣楓】
ちひろ「(………!?)」
──────
────
──
──
────
──────
【松屋】
のあ「(ちひろさんからメールが来たけれど、幅広い仕事でチャレンジすることになった)」
のあ「(人生何事も経験。確かにそうね、ちひろさんも本当にいい人、頑張ろ)」
楓「どんなお仕事がくるか、ワークワークしますね。ふふっ」
のあ「………そうね」
楓「のあさん、本当に食べなくていいんですか?」
のあ「ええ。私はドレッシングだけで満足」
楓「いくら節約だからって、お腹空いてるんでしょう? はんぶんこにしません?」
のあ「!!」
楓「松屋の牛めしを、二人で分け合う」
楓「自虐じゃないですけど、駆け出しアイドルっぽくてイイですね」
楓「これで言葉通り、私達は“同じ釜の飯を食った仲”」
のあ「(か、楓さん……っ)」
楓「ふふっ、ちょっと恥ずかしい」
のあ「楓……。友情の証として、有り難くいただくわ」
楓「明日から早速アルバイトです。精をつけましょう!」
のあ「ええ。そうね」
隣の客A「じゃあそろそろ行く?」
隣の客B「うわ、お前めっちゃ残してるじゃん。もったいないわー」
隣の客A「いやこんなに無理だし。早く行こ、講義遅れるよ?」
隣の客B「ごちそうさまでーす」
のあ&楓「(……!!!)」
のあ「……………」
のあ「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
楓「(えっ?)」
楓「(のあさん、隣にいた女性の食べ残しをすっごい凝視してる。クールな視線で観察して……、いや、まさか………えっ?)」
のあ「………………」ジー
店員「ありがとうございましたー」カチャ
のあ「アッ」
のあ「あっ、あの」
店員「??」クルッ
のあ「あっ」
のあ「その残り物……、アノ、ど、どうせ廃棄するなら、その……」
のあ「よ、よければで構わないんですけど、その、もッ、貰えたりとか…………っ」
店員「アー……」
店員「コレ、あくまで他のお客様に提供したものッスので……」
のあ「デ、でででももう帰ったし、あ、貴方が、それ、を、ワタシに、て、提供する分には………」
店員「あーそうすね。ただ当店の規約とかで、衛生的にそういうのダメなんスよね」
店員「融通効かなくて、ホント申し訳ありません」スタスタ
楓「…」
のあ「…………」プルプル
楓「の、のあさん?」
のあ「松屋は…………、国民のニーズが、分からない……」プルプル
のあ「お、大手飲食チェーンとはおお、思えない……っ」プルプル
のあ「国辱……、松屋は国辱……っ!」プルプル
楓「そ、そうですか??」
のあ「ウゥ……」グスッ
──────
────
──
──
────
──────
【某大学・美術作業室】
のあ「(………)」
生徒A「(………)」
生徒B「(………)」
生徒C「(………)」
楓「………」
のあ「(美大のデッサンモデル、のアルバイト)」
のあ「(………帰りたい)」
のあ「(ヌードじゃなくて安心した。いやでも流石に布きれだけって恥ずかしいけど)」
楓「………」
のあ「(……楓さん、すごいなぁ)」
のあ「(たったまま平静を保って、微動だにしない)」
のあ「(流石はモデル経験者。とても綺麗)」
楓「………」
のあ「(……そう言えば)」
のあ「(一応はモデル経験もあって、こんなに美人なのに……、どうして彼女はまだデビューもしないで、Gランクなんだろ)」
のあ「(………私なんかより、ずっと凄いのに)」
楓「………」
楓「(………)」
楓「(のあさん?)」
のあ「(!!)」
のあ「(……何かしら)」
楓「(あの……)」
楓「(さ……、さっきから緊張して、もう気が気じゃないんです。吐きそう……)」
楓「(おおお、大勢の男子生徒に、舐めまわすような視線を向けられて……ッ!)」
楓「(な、何か、気の紛らわすことでもしませんか?)」
のあ「……!!」
生徒A「(………美人だ)」
生徒A「(自然の永続性とは真逆の、儚げで退廃的な芸術性すら感じる。素晴らしい……)」
生徒B「(片や……、パリのチュイルリー庭園の木洩れ日の下、小鳥と戯れる少女のようなあどけなさが残る、まさしくルノワールのイレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢を彷彿とさせる容貌……)」
生徒B「(そしてもう一人は、日本絵画のような静謐な空気を纏い、肌の色たるやモネの睡蓮の如く清らかで薄明な白。無駄なく洗練された細身の肉体と、憂いを帯びながらも罪を咎めるような厳しい瞳は、まるでギリシア芸術の彫刻が象る完璧な美!)」
生徒C「(こ、これほど非凡なモチーフをお目にかかれるとは、まさしく青天の霹靂!)」
生徒C「(しかし……)」
生徒C「(その表情に宿す感情は、一体何なんだ! 二人の女神が何に思いを馳せているのか、いち表現者としてそれを汲み取る事が出来ないのが歯痒くて堪らない……!)」
生徒B「(ああぁッ!! まさしくダヴィンチのモナ・リザの双眸に隠された文字を読み解き、その絵画の謎を究明するが如き難解さ! この苦悶と痛恨は、ゴッホの壮絶な人生を追体験しているようだ……!!)」
生徒A「(彼女達のこの、圧倒的なオーラは一体!?)」
生徒A「(何を経験し、何を考え、何を心に秘めれば、そのような非日常的な佇まいが出来るんだ……!!)」
楓「(……りんご)」
のあ「(……ごたんだ)」
楓「(……だいこんのおひたし)」
のあ「(……しまうま)」
楓「(ま……、ますから)」
のあ&楓「(………………………………………)」
のあ「(……フフフ♪)」
楓「(……ふふっ♪)」
──────
────
──
──
────
──────
【学生食堂】
楓「すみません」
楓「このロコモコ風レタスメンチカツ丼と、あと冷奴下さい」
のあ「昔風醤油ラーメンと、海老シュウマイを」
学食スタッフ「はーい、お待たせしました」ゴトッ
のあ&楓「(早っ!!!!)」
楓「あっ、のあさん。窓側の席空いてますよ」
のあ「………ふぅ」
楓「デッサンモデル、結構疲れましたね。あとは午後から事務所でまた別のアルバイト……」
のあ「………いただきます」
楓「アルバイトはさておき、せっかく大学まで来たんですし、学食でも堪能して帰らないと損ですね♪ いただきまぁす♪」
のあ「こうして学生達に囲まれると、時を遡ったかと錯覚するわ」
のあ「(あ、意外に美味しい。思ったよりしっかりと味付いてる、量もそれなり)」
楓「そうですね。ちらほら、私達と同じくらいの歳に見える人もいますし」
楓「(あ、結構イケる。しかも冷奴にはおろしショウガと天かす……、通だわ)」
のあ&楓「(………♪)」
のあ「……稀有な経験だけれども、不思議と悪くは無い」
フレデリカ「そうなの?」
のあ「今回のデッサンモデル、断らないで正解だった」
楓「私はむしろ慣れていた仕事だったので、ちひろさんから連絡来た時はすぐに返事を返しましたけどね」
楓「幅広い仕事って言われてたから、最初の仕事がこれでむしろ安心したというか嬉しかったというか」
フレデリカ「分かる分かるー☆」
フレデリカ「あたしもこの間、愛用してるコスメのメーカーさんからパッケージイラストをお願いできませんか、って持ちかけられてときは」
フレデリカ「二つ返事で『やりますやりますやります!』って飛びついたよ! 返事したのは三回だけど☆」
のあ「慣れているにもかかわらず、嘔気を?」
楓「そ、それは……………その、多少は……」
フレデリカ「大丈夫? 食欲は??」
楓「平気ですよ。食欲なくってショックよ、クッ………とはなりませんから。ふふっ……」
フレデリカ「おもしろーいっ☆」
フレデリカ「ちょっと何言ってるか分からないケド、そのシュウマイ一つ貰ってもいい?」
のあ「どうぞ」
フレデリカ「あはっ、メルシー セ ジャンティ♪」
楓「あっ、私も欲しいです♪ ここの大学、なかなか学食のクオリティは高そうですね!」
のあ「ええ。中々の一品」
フレデリカ「ン~……♪」モグモグ
フレデリカ「これで午後からの講義も頑張れるっ! でも今日はあったけ?」
フレデリカ「まあオッケー! じゃあバイバーイ♪」
楓「あ、ハーイ」
のあ「午後からは事務所で……」
のあ「……どんな内容だったかしら?」
楓「んー、確か他の事務所のアイドルとコラボ予定の……」
楓「サンプル品? のチェック? だったような……???」
のあ「興味深いわ。………………ところで」
のあ「先程の学生は、貴女の知り合いかしら」
楓「……?」
楓「いいえ。のあさんのお友達じゃあないんですか?」
のあ「……えっ?」
楓「……えっ?」
──────
────
──
今回はここまで!
専用ブラウザから試してもRに立ってしまって、乱立しご迷惑をおかけしております。
おつ
復活してた!わーい!
速報のほうもたってたけどこっちでやる?
状況を確認しました。
Rではない板のスレで投下することにします↓↓
高峯のあ「牛丼とか……言ってる場合じゃない」【番外編②】
高峯のあ「牛丼とか……言ってる場合じゃない」【番外編②】 - SSまとめ速報
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この書き込みと当スレのHTML化依頼を以って、このスレでの投下を終了し、上記スレにて継続しますね。
バタバタして申し訳ありません。温かい目で見ていただければ幸いです。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません