【艦これ】必殺!仕事人!【時代劇】 (42)


※艦娘が市井で働いていたらばれるだろうとか、そんなのあるか!
 といった、細かい点につきましては気にせずお楽しみいただけると幸いです


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金曜 夜

ピッピッピッ

ポーン

22:00


作中に登場する人物名、役職、団体は全て架空のものであり

現実の人物、役職、団体等と一切の関わりはありません。



晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ人でなしを消す

いずれも人知れず、仕掛けて仕損じ無し

人呼んで仕掛け人、ただしこの稼業

海軍組織図一覧には載っていない


どこかの鎮守府



男 ンゴゴ ンゴゴ


パッカーン


叢雲「あんたぁ!何、昼寝してんのよ!仕事!溜まっているでしょ!」

男「あっ、すみません。すぐ仕事を再開します。」

叢雲「ほら、監察の仕事も溜まっているじゃない!」

叢雲「まったくなんでこんなのんびり屋が司令なんてやれるのかしら。」

男「あぁ、すみません。以後、気をつけます。」

叢雲「以後じゃなく今すぐ気を付けなさい!」

男「あっ、はい!」


歌舞伎町


客引きA「おっ、そこのお兄さん。ちょっとちょっと。」

客「なんだい?」

客引きB「お兄さん、艦娘って知ってるかい?」

客「艦娘ってあれだろ?海軍の。」

客引きA「そうそう、あの艦娘。かわいい娘揃いでね?」

客「騙されねぇぞ。どうせコスプレなんだろ。」

客引きB「いやいや、正真正銘の艦娘だから。しかも戦艦から駆逐艦までよりどりみどり。」

客「本当かよ。」

客引きA「しかも驚きの1万ぽっきり。」

客「何処だよ。案内してくれ。」


何処かの雑居ビル内 大人のお風呂屋



「へぇ、あんたは空母の……。」

「………。」ワシャワシャ

「もっと奉仕してくれよ。本番は幾ら?」

「………。」

すっきりした顔の客「ふぃ~、また頼むよ。」

客引きA「どうでした?凄いでしょ?」

客「あぁ、すげぇな。だがもっと年下の娘とか居ないの?」ゲヘゲヘ

客引きB「お客さんも好き者っすねぇ。」ゲヘゲヘ


都内 某所 料亭


悪大佐「あ、これは陸少将閣下。

    本日はわざわざお越しいただきありがとうございます。」

陸少将「いやぁ、そろそろだろ?」

悪大佐「えぇ、その通りでして。」

陸少将「で、あればだ。憲兵隊を動かして違法艦娘風俗の摘発という形にして。」

悪大佐「いつも通りに摘発した艦娘はそちらでお持ち帰りいただいた後は……。」

陸少将「分かっているさ。」

悪大佐「あぁ、少将閣下。

    遅ればせながらいつも便宜を図っていただいているお礼をお持ちしておりまして。」



つ 桐箱


カパ


陸少将「いつもすまんな。

    とはいえ君もこれだけ儲けていると蔵が建つんじゃないのかね?」

悪大佐「いえいえ。そんなには儲けておりませんよ。」

悪大佐「まま、それはさておきどうぞどうぞ。」

陸少将「そうだな。料理を楽しむとするか。」


別の日 雑居ビル



明石「配電盤の修理、完了しましたよ!」

三下A「あぁ、お疲れ様。にしてもお宅は仕事が早いね。」

明石「安心、迅速、丁寧がモットーの会社ですので。」

ホラッコッチクルンダ! イタイ! ヤメテ!

オウ!テメエ!コッチミテンジャネェ!

明石「?」

三下A「あぁ、借金のかたに泡風呂に売られた娘達だろ。」

三下A「見ない方がいい。

   (ここだけの話、あれは海軍が関わってるって話だ。)」ボソボソ

三下A(海軍みたいなのは俺達みたいなヤクザ者と違ってあこぎなやり方が合法的に出来るからねぇ。)ボソボソ

明石(怖い話ですね。くわばらくわばら。)ボショボショ


明石工務店



黒潮「明石さん、お帰りやで。」

明石「留守中何も問題有りませんでした?」

黒潮「なんも問題なかったで、ほな、うち移動販売いってくるね。」

明石「たこ焼きの移動販売でしたっけ。頑張って儲けて下さいね!」

黒潮「まかしとき!あぁ、そうそう

   たこ焼き作ってるからお昼に食べてな。」

明石「ありがとうございます。」

黒潮「ほなねー。」


横須賀 花街



ペペペンペン

ペペペンペンペン



モブA「おっ、姉さん。流しかい?」

モブA「ちょいとくさくさしていけねぇや。明るいとこ一曲いいかい。」

大淀「えぇ、分かりました。」



ペペペンペン



〽 桜が散りゆき 春は行く 散った桜は戻らねど 春また来れば花は咲く



モブA「お姉さん上手いね。これ。とっといてくんな。」

大淀「こんなに頂いて。ありがとうございます。」

モブA「姉さんの歌の上手さを見込んで一つ頼みたいんだが

   今度うちの店である海軍の客の座敷を頼まれちゃくれないか。」

モブA「給金はこれだけなんだが。」

大淀「こんなに頂いていいんですか。」

モブA「海軍は景気がいいのか金払いが良くてね。うちの店も儲かってるんだよ。」

大淀「へぇ、それはあやかりたいですねぇ。」

モブA「じゃぁ、当日によろしく頼むよ。」

大淀「賜りました。」


横須賀 何処かの整骨院



武蔵「次の方どうぞ。」

男「お願いします。肩こりが酷くて。」

武蔵「お前か。あんまりサボっていると叢雲に怒られやしないか?」

男「今日も怒られた所だ。」

武蔵「まったく呆れた奴だ。全体を揉み解しか?」

男「お願いします。」



ゴキゴキゴキ



男「むぅ、指圧が……。」



ゴキゴキゴキ  ギャァ



助手A「先生、一見の鎮守府から出張マッサージの予約が来ていますがいかがしましょう?」

武蔵「分かった。予約を入れておいてくれ。」

男「商売繁盛のようで何よりで…。」



ゴリゴリゴリ



武蔵「貧乏暇無しさ。」



ゴキン



男 ギャァ


数日後 横須賀 花街内料亭


大淀「今晩はよろしくお願いします。」

店主「あぁ、お前さんが今日の三味線をしてくれる娘さんだね。よろしく頼むよ。」

大淀「此方こそ。」

店主「お客様の座敷に案内するから付いてきて。」

店主「ここで一緒に待ってもらえるかい?もうすぐお声が掛かると思うから。」


座敷内(障子の向こう)

悪少佐A「いやー、轟沈、解体したことにして

    艦娘を売り払う事がこんなに儲かるとは思いもよりませんでした。」

悪大佐「少佐達の所は出来たばかりだから駆逐艦が多く沈んだ所で

    まだ指揮になれていないだろうとしか思われないからな。」



ササドウゾ、オツギイタシマス



悪中佐「私の所は戦力が整ってきているので大型建造でのダブりを出す形。」

悪大佐「大型はレアな艦が出やすいからレアというだけで価値が増す。」

悪少佐B「なるほど、レアだとより儲けが出ると。」

悪中佐「あぁ、そうだ。自分の所ではダブリなんか持て余すから金になると誘われてよかったよ。」

悪少佐B「悪大佐に誘われた時は大丈夫だろうかと思いましたが要らぬ心配でした。」

悪大佐「あぁ、過去の時代の反省から海軍の不正監視の為に憲兵隊を入れて来ているが。」

悪少佐A「却って不正の事実を把握しにくくなっているだけですね。」

悪少佐A「陸と海の双方にまたがるから責任問題がうやむやになりやすい。という事ですね。」

悪大佐「そういう事だ。まぁ、お陰で金は掛かるが儲けはでかい。」

悪中佐「今日は芸者もよんであるとかで。」

悪少佐B「楽しみですね。」

悪大佐「あぁ、普段色々と私の代わりに骨を折ってくれている君らをねぎらおうと思ってね。」



パンパン



店主「今晩はよろしくお願いいたします。」

芸者「はーい。本日は宜しくお願いいたします。」

大淀「本日は三味線を担当させていただきます。」



チテトンシャン チテトンシャン


翌日



悪少佐B「あぁ、今日は助かったよ。お陰で体が軽くなった。」

武蔵「いえいえ、御利用ありがとうございました(この助平親爺が……)」

武蔵「では、またの御利用をお待ちしております(二度と利用すんな!)」



テクテクテク


艦娘「助けて!」


ドン


武蔵「おおっと…。」

武蔵「一体どうした?」

憲兵下っ端「あぁ、すみませんね脱走兵でして。」

武蔵「脱走。」

憲兵下っ端「おら、もう逃げられんぞ!さっさと帰るんだ!」

艦娘「いっいやぁ!」

武蔵「いやって言ってるが?」

憲兵下っ端「……、あんた庇いだてなんかしやしないだろね。」

憲兵下っ端「軍に立てついたらどうなるか分からない馬鹿じゃないだろ?」

武蔵「………。」

憲兵下っ端「分かればいいんだよ。」



オラ!サッサトアルケ! イヤァ!


夜 何処かの倉庫


男「あれ、武蔵、来てたのか。」

武蔵「あぁ、ちょっと。」

男「元締め、一体何の用ってんですか?」

大淀「少し気になった事がありましてね。武蔵さん。いいですか。」

武蔵「先日とある鎮守府で艦娘の脱走に出会ってな。」

明石「へぇ、脱走ですか。」

武蔵「ただ、憲兵に連れて行かれるのを見る限りそうは見えなかったんだ。」

黒潮「ほんまにそれ脱走やったんやろか?」

大淀「私も気になる話を耳にしましてね。」

明石「それなら私もありますね……。」



それぞれの話を打ち明ける一同。



大淀「……、一度全員で調べる必要があるようですね。」

大淀「男さん。」

男「何ですか元締め。」

大淀「仕事上、おかしな鎮守府の話も入ってくると思うので確認お願いしますよ。」

男「了解しました。」


別の日 川近くで営業中の黒潮のキッチンカー


黒潮「美味しいたこ焼きいかが~?」

艦娘「あの、一ついただけますか?」

黒潮「はいなー。」



クルクルクル



黒潮「はい、こちらどうぞ。」

艦娘「ありがとうございます。」

陸少将「おぉ、ここに居たか。まさか逃げ出したかと思ったぞ。」

艦娘「………、まさかそんな。」

陸少将(そうよな。妹の命運は俺次第だからな。)耳元で小声

艦娘「はい。分かっています……。」

陸少将「分かっているならいいさ。」

その日の夜 川近くの陸少将屋敷

艦娘「そんな!妹は既に死んでいるなんて!」

陸少将「なんだ、今頃気付いたのか。まぁ、貴様も用無しだ。」

陸少将「明日には新しい艦娘が来るからな。中古品は用無しよ。」スラッ



ドス



艦娘 カハッ

陸少将「ふん。恨めしそうな目でこっちを見るな。」

陸少将「あぁ。お前の具合は良かったからな、これを貴様にくれてやろう。」

陸少将「三途の川の渡し賃にはなるだろう。」

陸少将「おい、誰か、片付けろ!」


ハッ、オヨビデスカ

ヨロヨロヨロ

陸少将「なに!まだ動けるだと!」

ヨロヨロヨロ

ドボーン!

陸少将「あっ、くそっ……。」

陸少将「まぁ、川に落ちたのなら万に一つも助かるまいさ。」


翌日


黒潮「今日もいっぱい稼ぐでぇ!」

黒潮「うん?あれ、何やろか?」

艦娘 ………。

黒潮「あっ!ちょっと、姉さん!しっかりしぃ!」ペチペチ

艦娘「あっ……、あなたは………。」イキタエダエ

黒潮「あっ、昨日うちのたこ焼き買ってくれた姉はん!」

艦娘「この世に晴らせぬ恨みを……、晴らしてくれる…、仕事人がいると。」ゲホゲホ

黒潮「仕事人?」

艦娘「これで、これで、どうか……。」ガク

黒潮 ………。


夜 何処かの倉庫



黒潮「許せんわぁ。」

黒潮「今際の際に恨みを晴らしてくれ言うて死んでいきはったわ。」

大淀「死体の回収は陸軍憲兵隊が行ったそうですね。」

男「海軍特別警察隊に引き渡されたのは骨だけでしたよ。」

男「色々情報を洗ってみましたが陸軍が絡んでいる所為で此方から深くは調べられませんでした。」

男「上の方で協力体制にある陸軍と事を荒立てたくないそうで。」

武蔵「男よ、貴様それでも監察か!」

大淀「武蔵さん、男さんにも立場があるんです。」

大淀「その立場のお陰でこうやって情報が得られるんです。」

大淀「それで、男さん。標的についてお話願えますか。」

男「あぁ、そうでした。元締め。標的はこいつらです。」

男「陸少将、悪大佐、悪中佐、悪少佐A、B。連中はいずれも立場を利用して私腹を肥やしています。」

明石「この五人ですか……。」

大淀「このお金は殺された娘が握っていた一万円札を細かくしたものです。」


千円札を10枚並べる大淀


武蔵 スッ

明石 スッ

黒潮 スッ



男「三途の渡し賃にしちゃぁ随分と相手もしけたもんだ。」

男「まっ、自分の渡し賃にそっくり返ってくる訳だから世話ねえやな。」



男 スッ

大淀 スッ


BGM  仕事人出陣テーマ


シャッシャッ    千枚通しの先を砥石で研ぐ      黒潮

ピン ビーーーーン クレーンのワイヤーをチェックする  明石

ギュッギュッ   手に包帯を巻きなおす        武蔵

カラカラカラ ピシャン 三味線を片手に夜の街へと消え行く  大淀

テクテクテク     徒歩で目的地へと向かう      男




夜 悪中佐鎮守府 執務室


悪中佐「あぁ、悪少佐達、わざわざ呼び出してすまないね。」

悪中佐「今月の出荷について話し合おうと思っていたんだよ。」

悪少佐A「いえ、そろそろかと思っていましたのでリストを作成して来ています。」

悪少佐B「私も作って来ていますので御確認を。」

悪中佐「二人とも準備のいい事だな。」

悪少佐A「上手く運べば利益が大きいですからね。」

悪少佐A「あっすみませんちょっとトイレへ。」

悪中佐「トイレなら此処を出て右の一番奥だ。」

悪少佐A「分かりました。」



廊下



テクテクテク



テテテー テッテテテテテ テテテテテテー   (BGM 殺しの旋風)



明石「…………。」 クレーンワイヤー ギッ



闇から標的を狙う明石がクレンワイヤーを口に咥えた!



悪少佐A「上手く儲けてその金を賄賂に……。」



シュ――――――――――!



クレーンワイヤーが悪少佐Aの首に絡まる!



悪少佐A「ぐぅ!?」



ギリギリギリ



明石がワイヤーを引上げればそれに合わせて悪少佐Aの体が持ち上がる!



悪少佐A「がっ……。」ジタバタジタバタ

明石「………。」



そして、指をワイヤーに掛け。

弾いた。




ピ ―――――――――― ン ……




悪少佐A「」ガクッ



執務室



悪中佐「悪少佐Aが遅いな。」

悪少佐B「何かあったのでしょうか?」

悪中佐「すまんがちょっと見てきてくれ。」

悪少佐B「了解しました。」



廊下



悪少佐B「大きい方ですかねぇ。」ヤレヤレ

武蔵「………。」



ゴルシ ゴルシ



武蔵が拳を握り、標的の背後に近づいた!

一閃!



メキャ!



武蔵の強力な握力が悪少佐Bの背骨を掴み砕く!



悪少佐B「ぐぉう!」



コキン ポキン ペッキン



武蔵「………。」



悪少佐Bは体を二つ折りにされ絶命した。



悪中佐「二人して一体何をしているんだ?」

悪中佐「実に遅い。」

黒潮「………。」



パチン



悪中佐「電気が消えた!なっなにごとだ!」ナンダナンダ!?

黒潮「………。」



バッ!



執務室の扉を開け放ち疾風の如き勢いで黒潮が悪中佐に飛び掛る!

そして、悪中佐を羽交い絞めにした!



悪中佐「きっ貴様!何奴!?」ジタバタジタバタ



クルリ シュピーン(千枚通し キラッ☆



グサッ!



口に咥えていた千枚通しを黒潮が悪中佐の延髄に突き立てた!



悪中佐「アッ……。」



グッ グググググ



悪中佐「」ガクッ

黒潮「………。」



都内 高級料亭


悪中佐「少将閣下も随分ともの好きですね。」

陸少将「女の胸はあってもなくても愛でるのに問題はあるまいて。」

悪中佐「左様でございますか。」

陸少将「それよりもだ。今度のリストにレア艦娘が出ているじゃないか。」

悪中佐「えぇ、先日の大規模作戦でダブってしまいまして。」

陸少将「成程、それで解体の立会い確認を私にという事か。」

悪中佐「えぇ、上手く行きました暁には……。」グヘヘ

陸少将「分かっているではないか。まぁ、まかせておけ。」ハッハッハ


ペンペンペン

ペンペンペンペン



陸少将「ん?」

悪大佐「はて?特に芸者は呼んでないのですが。」

陸少将「なかなか上手い音色じゃないか。連れてきてくれ。」

悪大佐「はっ。」

陸少将達とは別の座敷



ペンペンペン

ペペペンペンペン

〽 桜が散りゆき 春は行く 散った桜は戻らねど 春また来れば花は咲く



悪大佐「おっ、こんな所で弾いていたのか。女、陸少将閣下が御呼びだ。」

悪大佐「こっちの座敷で一曲披露しろ。」

大淀「そちらの座敷ですか?」



振り向きざまに三味線の撥で悪大佐を斬り付ける大淀!



ズバッ! ヒュバッ!



大淀「桜は散っても春がくればまた咲くけどねぇ、散った命はねぇ。戻らないんだよ。」

悪中佐「」ガクッ


(BGM 夜を往く)


男「陸少将閣下!陸少将閣下!」

陸少将「ん?どうした?」ウイック

男「あぁ、ここに居られましたか。」

男「この近くの鎮守府に賊が押し入ったとかで

  海軍特警隊で周辺にいる要人警護にあたる事になりまして。」

陸少将「そうか。それはなかなか物騒だな。」



ドスッ グリッ



陸少将「貴様!何を!」グフッ

男「賊は閻魔の使いだそうだ。あの世で仲間が寂しいって言っているぞ。」

陸少将「」ガクッ

男「さんざ甘い汁を吸ってきたんだ、最後くらいおとなしく逝きな。」



ブン!



男「まったく軍刀が汚れていけねぇや。」


翌日


叢雲「あんたぁ!また転寝してるんじゃなーい!」

ペチコーン

男「勘弁してくださいよ。昨日は色々あって遅かったんですから。」

叢雲「仕事がまた溜まってしまうでしょ!ほら、しゃきっとしなさい!」

叢雲「しゃきっと!ほらぁ!」

男「とほほ。」


このSSは

SSと、時代劇が好きな皆様のおかげでお送り致しました


何処かの鎮守府



叢雲「大淀さん元締めなのね。」

男「雰囲気でてるだろ?」

大淀「またやりたいですね。」フンス



ジリリリリーン



大淀「司令部直通電話ですね。ちょっと出てきます。」



カチャ アッオトコテイトクデスネ



大淀「提督。元帥からです。」

男「はい。」

男「お電話変わりました。あっ、はい。ええ。」

男「えっ?二時間スペシャルを陸軍と合同で?!」

男「川内と後、お色気担当をうちから出せと?」

男「えっ、もう決定しているのですか?そんなぁー。」

叢雲「時代劇ブームでも来ているのかしら。」



今日も海軍は平和です。

以上、お読みいただきありがとうございました
前作ではやっぱりあんたか等とのレス、本当にありがとうございました
では、またどちらかで、依頼を出しに行って来ます

おつおつ

おつ

1でございます
終了したスレに書き込むのもどうかなと思いましたが
PCのデータ整理していたら1話だけ書いてほったらかしにしていたのが出てきたので供養代わりにあげさせていただきます
任侠物な感じでしょうか?現在進行形で書かれている他作者様もいるのでネタ被りも甚だしいですね
続きが続く予定はないので御勘弁いただければと思います


舞台は戦後日本 東京

戦争の勝ち負け?

そんなのは言わなくったってぇお分かりざんしょぅ?

えぇ、負けましたとも。

物量に勝てるはずがござんせん。

ただ、敵は戦後統治になにも興味はないようで適当に破壊を楽しんで更地にした後に

一部の人型を残してまた海に帰っていったようで。

まぁ、社会になにが起きているかを追っかけるのも悪くは無いのですが。

ちょいと市井に散った艦娘の成れ果て噺なんてのも乙なものじゃぁないですか?


歌舞伎町 賭博




壷振り「入ります。」サッ



カロン

       ワイワイ
ドン


さぁ、張った! 張った!


丁! 半!
 
         半!   ガヤガヤ
半!


丁方無いか!? 丁方無いか!?


川内「丁。全駒だ。」ジャラリ



オォ!  
          ゼンブカヨ



壷振り「丁、半揃いました。」

壷振り「壷、開きます!」



カチリ



神通「姉さん。」

川内「あぁ。壷を開けるのちょいと待ちな。賽の目が転んだぜ。」

壷振り「あぁ?」

那珂「川内ちゃーん!仕掛け終わったよ!後は好きにやっちゃって!」

川内「そうかい。」

賭場の奥から一人の少女が出てくるのを確認し頷く川内。



ヒッバッ!



壷振り「貴様!何を!」



川内が胸元から苦無を取り出し一振り。

壷振り役の男の手から壷が落ち盆の上で真っ二つとなった。


川内「壷に糸を仕込んでおいて開ける時に引っ掛けて賽の目を動かすなんざ。」

川内「まぁ、随分と黴の生えた手を使うじゃないか。」

客「まさか!最初からいかさまを!?」



ザワザワ ザワザワ



胴元「お客様、困りますねぇ。騒ぎを起されると迷惑なんですよ。」

胴元「おい。こいつら痛めつけて叩きだせ。」

胴元の親分が子分達に指示を大声で出すが……。

胴元 ?

川内「御自慢の部下はどうしたんだい?」ニヤァ

那珂「御自慢の部下はこれかな?」キャハ☆



ぼてん。

ぽいと無造作に抛られたのは南瓜大の生首。



川内「盆暗連中の事を南瓜頭と揶揄するけどお宅の子分は南瓜以下のようだねぇ。」

胴元「てめぇ!」



胴元が短刀を抜いて斬りかかろうとしたほんの数瞬。

瞬きほどの間に剣閃が走り胴元の四肢が転がった。


チン。



神通「まったく最近の畜生は言葉が喋れるだけに立場を弁えない愚鈍なのが多いですね。」

胴元「俺の!俺の手!足!いてぇ!いてぇよぉ!!」ギャァ!!

神通「今までやってきた事のつけを払っただけでしょうに。」

神通「少し痛みを止めてあげましょう。」



にこりと笑う笑顔は菩薩かはたまた般若か。

ジュゥ

辺りに広がるは香ばしい、しかし食欲を減退させる肉が焦げる香り。



神通「溶接は苦手でして、ごめんなさいね。」ニコリ

川内「うまく塞がったんじゃない?」

胴元「あっ、あぁぁ、ああぁぁぁ。」

川内「同じ達磨でもあんたは地獄行きは決まってるんだ。最後にちょいと功徳を積みな。」



つ 写真



川内「あんた、元憲兵だろ。この男に心当たりないかい?」

胴元「あっ、ありません。」

川内「そうかい。そいつは残念だ。」


ひょう。

胴元 がはっ。



川内「さて、帰りますか。まったくあたし等の亭主は何処に行ったんだかねぇ。」

那珂「川内ちゃん!このお金どうする?」



那珂が見せびらかすは帳場の裏側で仕事を終えた時にせしめて来たお金。



川内「貰っておいて文句の言う奴もいないでしょう。」

神通「私達に仕事を頼んできた姉妹の墓も作らないと行けませんし頂いて帰りましょう。」

那珂「了解!」




深海棲艦達が勝った為、海軍で提督職をしていた者はお尋ね者に。

3人姉妹は嘗ての自分達の上官、提督を探していた。

しかしてその行方はようと知れずその行方を尋ねての生活はいつの頃から渡り鳥。

浮世の果てを西へ東に移り行けばいつしか斬った張ったのお仲間に。

世知辛い世をどうせ生きていくならばと始めた稼業が仕事人。

そして同じ斬るなら悪人をという事で今日に至る。



神通「路銀に少し残して後はいつも通りに。」

川内「そうだね。天さん所に為替で送っておこう。」

那珂「じゃぁ、改めて提督探しの旅にしゅっぱぁーつ!」



浮世を流れる浮浪雲。

舞うは血煙、奏でるは死霊の雄叫び。

女姉妹の三人が往く旅路の行方は吉と出るか凶と出るか。

一地目六天、次の地で交わる縁は閻魔か仏か。

またまた次の御機会に。

以上お読みいただきありがとうございました
あんまり音沙汰無しでいるとスレが落ちてしまうかもとの危機感から88鎮守府の進行状況についての御連絡
次回のエピソードは鎮守府が出来た初期の頃、時雨が着任する前の創設期メンバーのお話を予定しています
えっ?何の話という読者の方がいらっしゃいましたら1が別に書いている作品の事でございますので御容赦の程を
では、では、ありがとうございました

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